徒然なるまままに

展覧会の感想や旅先のことを書いてます。

ムンク @出光美術館

2006-10-07 | 美術
ムンク @出光美術館
展示期間 2006年9月より2007年8月まで

出光美術館のオスロ市立美術館所蔵のムンクの作品が模様替えした。今回は1910~20年代に描かれた裸婦の代表作を展示しています。

今回の三点の裸婦は、色彩豊かに、女性のタイプと内面を描き分けており、(ムンクの場合は、ムンクと画家の距離感を描き分けているというべきかも知れないが)三点ながら興味深く鑑賞できる。オーラを渦で象徴した「叫び」から一歩進んで、画家として技量が発揮された優品。

  • うずくまって横たわる裸婦(1917)
    赤いベットでうずくまる若い女性のふくよかな裸体。猫のようなポーズが可愛らしい。

  • ソファーに寄りかかる裸婦(ブリギット・プレストーの肖像)(1924)
    1920年代に、飛び切りの美貌と聡明さでお気に入りのモデルでだったブリギット・プレストーの肖像画。彼女は、「時計とベッドの間」(1940-43)(この作品はN.Y.のMOMAで鑑賞した)の画面にもモデルがシルエットして描かれているとのこと。ソファにすわりこちらを見つめる表情は豊かで自身に満ちている。「うずくまって横たわる裸婦」とは正反対のタイプの女性の姿。

  • 肘掛け椅子の側の裸婦I(1919)
    両腕を垂らして、髪もばさばさと垂らして肘掛け椅子の側に立つ裸婦。若き女性の隠された視線は近寄りがたい雰囲気。裸体はピンク、黄、緑、青により構成、髪は青と黒で描かれる。室内空間は、赤いカバーのかかった肘掛け椅子。様々な色のにぎやかな空間。複雑な構成と力強い色彩表現の本作品は、ムンクの作品の中でも際立っているという。また、閉所恐怖感を抱かせそうな緑色の部屋に捨てられた女が泣いている姿を描いた「泣いている裸婦」(1907)と関連しているという。
    家に帰ってMOMAのムンク展の図録をみると、載っていました。The Artist and his Model I(1919)という作品の関連作品ということで展示されていたため記憶がないのかも知れません。(単なる言い訳か)


    前回の出光美術館のムンクの拙BLOG
    N.Y. MOMAのムンク展の拙BLOG
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    国宝伴大納言絵巻展

    2006-10-07 | 美術
    国宝伴大納言絵巻展
    2006年10月7日から11月5日(ただし全巻展示は10/7-10/15,10/31-11/5)
    出光美術館

    初日の10時に到着したのですが、もう入館に長蛇の列。勉強してあったので、(こちら)はじめの説明は全て飛ばして、上巻に並びます。10人くらいです。あっという間に後ろに20人くらいの列。並ぶのを諦めて、はじめところだけは後ろから覗いて歩き出しました。

    書物と違って実物を見るとやはりこの装束の美しさは、検非違使の話だなあというのが実感。あとは、紅葉の赤が美しい。

    上巻の断簡のあとは、今回UVランプ(X線?)をあてて再確認された。また、貴族と庶民では白の絵の具が異なっていたというのも新発見。上巻の良房の衣装が消されているのは、最後の捉えられる人物と同じだからではというのが、今回の謎解き。確かに。

    最後の展示室で拡大した人物像が貼ってある。もう一度、上巻から並びなおして、ちょっとだけ、炎の火の粉、上巻の伴中納言の衣装などを確認。

    11時ごろ帰る頃には、10時の頃よりは、列は20人ぐらいだが、すこしは落ち着いたようだ。そんな混雑具合でした。絵巻物は混みますのでお早めに。



    伴大納言絵巻のほかの展示は少々。

  • 重文 不動明王二童子図 平安末期から鎌倉;天台宗の僧侶安然は9世紀末から10世紀に活躍した。不動明王関係の経典類を総合して「不動十九観」というイメージする方法を創った。中央に不動明王を描き脇侍として二童子を従えるという図様の多くの不動明王が描かれることになった。
  • 重文 十王地獄図 双幅 鎌倉末から室町期;十王信仰は地蔵菩薩信仰と結びつきながら広まった、画面上方に円相内の本地仏とともに十王が描かれる。十王の表情はコミカル。
  • 重文 真言八祖行状図;保延二年(1136年)に建立された大和内山永久寺の真言堂伝来。伝藤原宗弘。
  • 重文 金剛蓮唐草文透彫経箱 室町後期
    など

    これらは、不動明王二童子図を除いては、出光美術館名品展Iに展示されていた。
    実は、初日に11時ぐらいまでは、不動明王二童子図と十王地獄図の説明が逆転していました。それを指摘したのは私です。


    ムンクは次のページ
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