(今日の写真は2009年4月13日に「扇ノ金目山」ルートで1396m峰に登り、赤倉御殿に抜けた時に、岩稜の狭い岩の窪みに生えていた苔桃を撮ったものだ。
「苔桃の実」というと8月から10月にかけて熟すので、その実は秋の高山帯に彩りをそえてくれる。その意味では「秋の高山植物」と言ってもいい。
また、花は小振りの淡い桃色で、これも可愛らしいので高山を十分に賑わしてくれる。
だから、このツツジ科スノキ属の常緑小低木である「コケモモ(苔桃)」は6月頃から10月辺りまでの植物であって、残雪ある4月に堂々と「実」をつけて、その姿を現すことは珍しいのである。)
◇◇苔桃への想い◇◇
実はNHK弘前文化センター講座の受講者Iさんから、次のようなメールと短歌をもらったのだ。
…10日(土)に酸ケ湯から八甲田の井戸岳と赤倉岳を歩いてきました。すでに採られたあとのコケモモ畑を発見しました。
「冬近き峯(みね)の巌(いはを)に苔桃のひとつちひさな紅がまぶしい」…
いい歌である。巌と苔桃の対比がすばらしい。そこに、この短歌は苔桃の生命力を感じさせる。これは、まさに初冬、今季の「果実」をつけている「コケモモ」の歌である。
今年の8月に岩木山でIさんと一緒に「コケモモ畑」に出会っている。Iさんはその後、また「その場所」に行ったそうだが、すでに、「実」はなくなっていたそうである。
そのようなわけで、八甲田山にコケモモの実探し登山に出かけたのであろう。
苔桃の実には「採られない」と、「実」をつけたままで「冬越し」をするものもある。どうしても、「冬越し」をした「コケモモ」もIさんに見てほしいと思い、そこで、「今日の写真」つまり、今年4月13日に撮ったものと、この「コケモモ」が生えていた山稜の頂の写真を「メール」添付で送ったのである。
Iさんの短歌にには及ばないが、「今日の写真」の印象から次の短歌を作ってみた。
「陽をあびて温き巌(いはを)を茵(しとね)とし乾ききるかな春の苔桃」
「実は細り果柄(かへい)色あせ苔桃よ常緑の身に日射しまぶしき」
「身をかがめやり過ごせし風雪に磨き残れり苔桃一つ」
「氷雪と岩稜をたどり山巓(さんてん)に苔桃一つふと歩み止む」
(三浦 奨)
◇◇気象庁、マスコミ、自治体だけが「台風」なみに大風吹かせた「台風18号」(6)◇◇
(承前)
…この「7646校が臨時休校」ということも、真に受ける方にも問題がないわけではないが、気象庁のていたらくの余波であろう。
ところで、「最強級台風18号」、被害予想を下回ったわけは何だろうか。
被害が少なくて済んだり、下回っても人々は怒らない。現金なものだし、直ぐ忘れる。そこに胡座をかいているとすれば気象庁とは何と脳天気な役所であろうか。
「台風18号」の上陸時の勢力は過去10年で最強クラス。「気象庁」はそのコースを「死者・行方不明者5千人超の伊勢湾台風」と同じであると想定した。
しかし、結果的にはコースは日本海を通らず太平洋に抜けたし、雨量が予想を下回るなど、「幸福」にも大規模な災害は免れた。
気象庁は当初、紀伊半島周辺から上陸し、伊勢湾の西側を通ると予測して、「伊勢湾台風」と似たコースをとるとした。だが、18号は予測よりも東側をたどり、愛知県知多半島に上陸。伊勢湾の東側を通過したことで、高潮の被害はなかった。
さらに北上する速度が「伊勢湾台風」以上に上がった。これも、想定外だった。本州に近づくと時速は50kmまで上がった。「速く」通過するとそれだけ、加算される強風や雨量の総計に比例して「すべての被害」は少なくなる。そのことで、近畿や東海、関東の都市圏では「人の動きの少ない8日未明から早朝」に風雨のピークを迎えたために、人的な被害が最少に抑えられたのである。
加えて、気象庁は「伊勢湾台風並み」に全国的な大規模の「土砂災害や河川のはんらん」につながる豪雨をも想定していた。
台風本体が通った愛知や三重では1時間雨量が70mmを越えたが、総雨量が500mm以上になる予想された紀伊半島では、350mmにとどまった。
このことに関して、「気象庁」は「台風の強い勢力に比べて雨雲の範囲が狭く、周辺に送り込む湿った空気の量が少なかったことが原因」と話しているという。
温暖化の影響で世界の気象は変動している。これまで蓄積してきたデータだけでは測り知ることの出来ない要因が複雑に絡み合っているかも知れない。
日本は南北に長い、山国であり、海国でもある。地勢や地形は複雑である。国土の75%が山地という起伏に富んだ国、しかも、周囲をオホーツク海、日本海、東シナ海、太平洋に取り囲まれているのだ。
さらに、火山帯を本州に何本も持っている「火山列島」でもある。しかも、陸地は西から東に動いている島国である。加えて太平洋プレートが潜り込むという地震列島でもある。日本海の底でも、1年に1回くらいは「地震」が起きている。
これらすべての担当を「国交省」の出先である「気象庁」にだけ委ねるには、かなり無理があろう。農水省やその他の省庁の関連部署との統合を図り、組織の機能面と機構を拡大し強化することが望まれていいだろう。近々に取り組むべきである。
[連続1000回ブログ書き達成まであと、21回・連続1000日達成まではあと、30日]
「苔桃の実」というと8月から10月にかけて熟すので、その実は秋の高山帯に彩りをそえてくれる。その意味では「秋の高山植物」と言ってもいい。
また、花は小振りの淡い桃色で、これも可愛らしいので高山を十分に賑わしてくれる。
だから、このツツジ科スノキ属の常緑小低木である「コケモモ(苔桃)」は6月頃から10月辺りまでの植物であって、残雪ある4月に堂々と「実」をつけて、その姿を現すことは珍しいのである。)
◇◇苔桃への想い◇◇
実はNHK弘前文化センター講座の受講者Iさんから、次のようなメールと短歌をもらったのだ。
…10日(土)に酸ケ湯から八甲田の井戸岳と赤倉岳を歩いてきました。すでに採られたあとのコケモモ畑を発見しました。
「冬近き峯(みね)の巌(いはを)に苔桃のひとつちひさな紅がまぶしい」…
いい歌である。巌と苔桃の対比がすばらしい。そこに、この短歌は苔桃の生命力を感じさせる。これは、まさに初冬、今季の「果実」をつけている「コケモモ」の歌である。
今年の8月に岩木山でIさんと一緒に「コケモモ畑」に出会っている。Iさんはその後、また「その場所」に行ったそうだが、すでに、「実」はなくなっていたそうである。
そのようなわけで、八甲田山にコケモモの実探し登山に出かけたのであろう。
苔桃の実には「採られない」と、「実」をつけたままで「冬越し」をするものもある。どうしても、「冬越し」をした「コケモモ」もIさんに見てほしいと思い、そこで、「今日の写真」つまり、今年4月13日に撮ったものと、この「コケモモ」が生えていた山稜の頂の写真を「メール」添付で送ったのである。
Iさんの短歌にには及ばないが、「今日の写真」の印象から次の短歌を作ってみた。
「陽をあびて温き巌(いはを)を茵(しとね)とし乾ききるかな春の苔桃」
「実は細り果柄(かへい)色あせ苔桃よ常緑の身に日射しまぶしき」
「身をかがめやり過ごせし風雪に磨き残れり苔桃一つ」
「氷雪と岩稜をたどり山巓(さんてん)に苔桃一つふと歩み止む」
(三浦 奨)
◇◇気象庁、マスコミ、自治体だけが「台風」なみに大風吹かせた「台風18号」(6)◇◇
(承前)
…この「7646校が臨時休校」ということも、真に受ける方にも問題がないわけではないが、気象庁のていたらくの余波であろう。
ところで、「最強級台風18号」、被害予想を下回ったわけは何だろうか。
被害が少なくて済んだり、下回っても人々は怒らない。現金なものだし、直ぐ忘れる。そこに胡座をかいているとすれば気象庁とは何と脳天気な役所であろうか。
「台風18号」の上陸時の勢力は過去10年で最強クラス。「気象庁」はそのコースを「死者・行方不明者5千人超の伊勢湾台風」と同じであると想定した。
しかし、結果的にはコースは日本海を通らず太平洋に抜けたし、雨量が予想を下回るなど、「幸福」にも大規模な災害は免れた。
気象庁は当初、紀伊半島周辺から上陸し、伊勢湾の西側を通ると予測して、「伊勢湾台風」と似たコースをとるとした。だが、18号は予測よりも東側をたどり、愛知県知多半島に上陸。伊勢湾の東側を通過したことで、高潮の被害はなかった。
さらに北上する速度が「伊勢湾台風」以上に上がった。これも、想定外だった。本州に近づくと時速は50kmまで上がった。「速く」通過するとそれだけ、加算される強風や雨量の総計に比例して「すべての被害」は少なくなる。そのことで、近畿や東海、関東の都市圏では「人の動きの少ない8日未明から早朝」に風雨のピークを迎えたために、人的な被害が最少に抑えられたのである。
加えて、気象庁は「伊勢湾台風並み」に全国的な大規模の「土砂災害や河川のはんらん」につながる豪雨をも想定していた。
台風本体が通った愛知や三重では1時間雨量が70mmを越えたが、総雨量が500mm以上になる予想された紀伊半島では、350mmにとどまった。
このことに関して、「気象庁」は「台風の強い勢力に比べて雨雲の範囲が狭く、周辺に送り込む湿った空気の量が少なかったことが原因」と話しているという。
温暖化の影響で世界の気象は変動している。これまで蓄積してきたデータだけでは測り知ることの出来ない要因が複雑に絡み合っているかも知れない。
日本は南北に長い、山国であり、海国でもある。地勢や地形は複雑である。国土の75%が山地という起伏に富んだ国、しかも、周囲をオホーツク海、日本海、東シナ海、太平洋に取り囲まれているのだ。
さらに、火山帯を本州に何本も持っている「火山列島」でもある。しかも、陸地は西から東に動いている島国である。加えて太平洋プレートが潜り込むという地震列島でもある。日本海の底でも、1年に1回くらいは「地震」が起きている。
これらすべての担当を「国交省」の出先である「気象庁」にだけ委ねるには、かなり無理があろう。農水省やその他の省庁の関連部署との統合を図り、組織の機能面と機構を拡大し強化することが望まれていいだろう。近々に取り組むべきである。
[連続1000回ブログ書き達成まであと、21回・連続1000日達成まではあと、30日]