たんぽぽの心の旅のアルバム

旅日記・観劇日記・美術館めぐり・日々の想いなどを綴るブログでしたが、最近の投稿は長引くコロナ騒動からの気づきが中心です。

映画『Endless SHOCK』

2021年03月28日 23時48分45秒 | ミュージカル・舞台・映画
TOHOシネマズ 日比谷でロングラン上映が決定!
https://www.tohotheater.jp/distributor/001/shock.html

『Endless SHOCK』上映劇場情報
https://www.toho.co.jp/theater/ve/shock/repo.html

 気になっていた『Endless SHOCK』、不安神経症と季節の変わり目の体のだるさ、心のざわつきに打ち勝ち、帝国劇場から徒歩15分ぐらいのところにある映画館での上映を無事みてきました。一年前千穐楽を迎えることなく、苦渋の決断で堂本光一君が中止を決めた舞台。

 オーケストラボックスから奏でられる生演奏の音色、盆周りとせりあがりを駆使し、映像をふんだんに使った演出、帝国劇場の、誰もいない観客席に向けてこれだけのパフォーマンスが繰り広げられたのかと思うと胸がいっぱいになりました。カーテンコールと最後に堂本座長の挨拶もありました。指揮者がタクトを振るとオーケストラボックスの中から映像はスタート、こんなふうになっているんだあと。生の観劇ではみることのできない角度からの映像もたくさんあって360度の視界、何十回も観劇している帝国劇場の舞台ですがこんなに広いんだってあらためて思いました。フライングは3回、飛んでいるときの光一君のポージングの美しいこと、3回目が特にすごいと思いました。ねぶた祭りのイメージしているであろう大凧の舞台装置の前で和太鼓の演奏、そして帝国劇場の空中を飛びながらはしごからはしごへとわたっていくパフォーマンス、たぶん2階席の最前列に一回着地もしていたかな。歌舞伎座で猿之助さんの宙乗りをみたことありますが、いやいやいやいや、小柄な光一君だからなせる技かな。観客席の上で繰り広げられたつかの間の空中ショー、みごたえありました。2時間近くほぼ歌いっぱなし、踊りっぱなし。殺陣のシーンの光一君の階段落ちもすごい。危なくないようになっているのだろうけれど命がけだと思います。どれだけデジタルが進もうと舞台は体ひとつがすべてのパフォーマンス。身体能力の高いダンサーがずらり、この舞台に出演できるということはパフォーマーにとってひとつの夢、すごいことなんだろうなと思いました。

 ストーリーはショービジネスの裏側の物語、すれちがい対立する光一君と上田君の姿が軸でヒロインは神田沙也加に似たリカちゃん、「Show must go on」は何がなんでも舞台を開けなければならないということではない、疲れた時は休めばいい、立ち止まってうしろを振り返ったっていい、一歩踏み出せばまた始められるのだから。オフブロードウエイの劇場のオーナー役前田美波里さんの言葉が沁みました。

 舞台は、劇場は不要不急としてすみっこへすみっこへと追いやられていった一年前、千穐楽だけでもと幕を開けた宝塚歌劇団への同調圧力による糾弾に涙がでました。次から次へと舞台中止のお知らせに、ただただ心がいたみました。たしかになくても生活はできますが日常生活をはなれて心のエネルギーをくれるもの、一歩踏み出してみようって思えるものが人生には必要。ダンスと歌によるこんなエンターテイメント、疲れた心になによりも効くお薬だと思います。

 明日星組の大劇場千穐楽のライブ配信のために休みをとったつもりでしたが東京宝塚劇場のチケット当選したので見送り。とにかく死なないように契約終了で逃げ切るため相談にいかねばかなあ。4月は帝国劇場で『モーツァルト』、5月は星組、だからまだ死にわけにはいかない。

 それにしても前田美波里さんおいくつなのかな。変わらぬ美貌、ダンス、歌。とてつもなくかっこよかったです。元気をいただきました。












有楽町駅に行きながら、KITTEは今日は見送り、こんな気候だしやむなし、まだ一週間あります。高架下に雪組のポスターがありました。




「今できることに全力を捧げるだけ」
https://blog.goo.ne.jp/ahanben1339/e/4c138788f3e86be05cb03573df1b2dc6

これも元気もらえる
https://blog.goo.ne.jp/ahanben1339/e/036e188267be7881710cdd5c695994e3

『Endless SHOCK』-上演1800回目を達成
https://blog.goo.ne.jp/ahanben1339/e/1f95843897a7f41b5edf0c9e412f485a

1月のジャニーズ上演中の帝国劇場。







2018年ミュージカル『ジキル&ハイド』(5)

2021年03月28日 14時24分07秒 | ミュージカル・舞台・映画
2018年ミュージカル『ジキル&ハイド』(4)
https://blog.goo.ne.jp/ahanben1339/e/b5313129f7c4f3facd75ca9ea627d56e

 (東京国際フォーラム公演プログラムより)

「ルーシー・ハリス役;笹本玲奈

-若くて無知で切ない。自分らしいルーシーを思い巡らす-

 ルーシーは長いこと憧れて続けてきた役ですが、これまで演じられた先輩たちにはかなわないというプレッシャーもありました。しかし、山田さんが「俳優本人の個性や人生を使って自由に作っていい」と提案してくださったので、嬉しかったのとともに、人物像を思い巡らすのが楽しくて仕方ありません。最初、私の32歳という実年齢を使えるかなと思っていたら、山田さんから私のルーシーは若くて、12歳ぐらいで娼婦になったのでは?とアドバイスをいただいて。すると、私の頭の中の人物像が一気に広がりました。今の考えでは、ルーシーは若い頃の様々な辛い経験から男性への強いコンプレックスを持つようになり、ジキルみたいな優しい年上の男に惹かれたのではないかと思っています。

 エマを演じていた時には、上流階級の人としか接する機会がありませんでした。今回、ルーシーとして底辺の人々の目から見た世界は全く違うもの。労働者のシーンは自分のことのように重く思えますし、こんなに生々しい作品だったのかと新鮮です。ルーシーとエマは生きる環境は正反対ですが、どちらも芯はピュアでまっすぐ、人の上辺だけを見るのではなく、心と向き合うことができるところが共通していますね。

「新たな生活」は今の自分とリンクして、ものすごく突き刺さります。この1年間舞台をお休みし、出産を機に生活や価値観、自分の中で求めることや期待することが180度変化しました。それはどこかアターソンが持ってきた手紙をルーシーが読み、人生をやり直してというメッセージを受け取った瞬間と似ています。人生の扉を開ける、特別なギフト。ルーシーがジキルと出会ってから、少しずつ自分らしさを取り戻していく過程も自分と重なり、いちいち共感しています。

 これまでは若い女性を演じることが多く、『ウーマン・イン・ホワイト』のマリアン役以外は、実年齢より若い役が多くて、それに伴い、歌も年齢より子供っぽい歌い方が身についていました。でも今回のルーシーでは等身大の自分や妖艶な部分を歌声で表現したいと猛特訓しています。中音域の低い部分に、いかに成熟した深みと厚みを持たせることができるか。重心の低いところから声が湧き出る歌を目標に、頑張ります。」