たんぽぽの心の旅のアルバム

旅日記・観劇日記・美術館めぐり・日々の想いなどを綴るブログでしたが、最近の投稿は長引くコロナ騒動からの気づきが中心です。

月組『幽霊刑事~サヨナラする、その前に~』-ライブ配信

2021年03月20日 22時40分33秒 | 宝塚
 歌とダンスのフィナーレナンバーが終わろうとする頃にカタカタ、ミシッと小さな音がしてまた上の階の音が響いてきたのかと思ったら少しずつ揺れが大きくなっていき、コンクリートの巨大が集合住宅がミシミシと横に揺れ続けました。パレードのエトワール、白河りりちゃんだったと思いますがいちばん揺れていた時でたまきちが最後に登場する時にようやく収まりました。不気味な揺れ方でした。3.11の2日前の夜もこんなふうに揺れたことを思い出しました。また大きいのがくる前触れでしょうか。明日のことは誰にもわかりませんね。関西は揺れていないのでバウホール公演、全く影響ないようでした。よかったです。

 たまきち(珠城りょうさん)のプレ退団公演。相手役はちなつさん(鳳月杏さん)、突然上司に射殺された神崎刑事@たまきちは理由がわからないので成仏できずにこの世をさまよい続けますが、真犯人がわかるとこの世に別れを告げて昇天していく物語。退団のサヨナラとうまく重なり、トートの「死は逃げ場ではない」という台詞が登場したり、シャーロックホームズで宙組の次回作宣伝?に、成仏できない幽霊ばかりだと幽霊で密になってしまう、ステイホームしていろなどさりげなく盛り込まれていました。原作を読んでいるわけではないのですがテンポよくまとめあげられていてあっという間に終わってしまいました。

 先週キャトルで購入してきた公演プログラムを読むと、演出の石田昌也先生、「プレ・サヨナラ公演でもある本作は恋愛要素も匂わせつつ、鳳月杏とのバディー物の要素も・・・と依頼され、幽霊の視点から舞台化を思い付いた」とあります。退団していくトップスターを送り出す劇団からのはなむけ。時には兄弟、時には親子だった二人のバディー感。神崎刑事を死を知った時ショックだった、昇天してこの世に別れを告げる時二度目のサヨナラを言わなければならないという警察学校の同期早川刑事@ちなつさんの台詞が、『月雲の皇子』で壮絶な兄弟を演じた二人の関係性と重なり合って沁みました。「俺はお前の花道を飾れただろうか」って歌うなんて現実と重なりすぎます。神崎刑事がすぐそばにいるのに姿をみることも声をきくこともできない恋人、森須磨子刑事@天紫珠李ちゃんに、幽霊となった神崎刑事と唯一会話できる霊媒体質の早川刑事が通訳する場面も沁みました。冷静になると刑事が三人も亡くなるサスペンスですが笑いもまじえつつ真犯人にたどり着くまでのプロセスがやさしさと温かさに満ちた物語でした。カーテンコールではたまきちが繰り出す投げ💛のキャッチの仕方をちなつさんがやってみせたり。二人をずっとみてきている方には言葉にならないものがあっただろうと思います。

 この世は舞台、いつか退場していかなければならない。古代エジプトでは天国への門をくぐる前にふたつの質問をされる、幸せに生きたか、誰かを幸せにしたかと。他にも現実と重なることばが随所にありました。たまきち、同じく石田先生演出『カンパニー』の青柳さんのような心やさしき好青年。似合いますね。

「わたしからあなたへ この歌を届けよう♪
 広い世界にたった一人の♪
 わたしの好きなあなたへ♪」

 弾き語りの青年@春海ゆうくんが歌う、挿入歌「切手のないおくりもの」。財津和夫作詞・作曲の歌でしたね。いつ以来きいたのか。

 専科からたまきちのお母さん役で京三沙さん、幽霊の先輩役に汝鳥伶さん。宙組のサパに続いてご一緒に舞台を支えていました。女泥棒、久須悦子@白雪さち花さんの引き出しの広さにも脱帽。晴音アキさん、輝月ゆうまさんも芝居の月組味すごくてほんとにうまいと思いました。在団10年超える存在、さすがです。ろうあの少女を演じていた白河りりちゃん、『赤と黒』で子ども役演じていたと思いますがすごく可愛かった、今後注目。
 
 疲れた脳みそに真犯人にたどり着いた複雑な関係性は今ひとつ入ってきませんでしたがもう一回みたくなる物語でした。

 

 ちなつさんの脚の長いこと長いこと、そしてたまきちのスーツとロングコートの似合いっぷり。プログラムの裏表紙のこの背中、宝塚の男役だけがかもしだせる語る背中。





路線バスの運転手さんってすごい

2021年03月20日 13時59分38秒 | 日記
 昨夜、サウナでよどみきったものを流したかったので最終バスの一本前に乗り帰ってきました。ターミナル駅を出発してほどなくすると凄まじい爆音がきこえてきてなにごとかと思ったら暴走族?二人乗りでスピード出しながら蛇行運転するバイクが次々と。走っている路線バスの真横を通っていくので恐怖感をおぼえましたがバスは通常運転。暴走族の名前?が書かれているようでしたが読めませんでした。金曜日の夜のこんな道路を、市民の命をあずかって大きな車体を走らせている路線バスの運転手さん、ほんとにすごいと思いました。小さな町内を昼間マイクロバス走らせているだけの一時間の一本の巡回バスとはわけがちがう。老眼あぶなそうと心配になる年齢の方はいませんね。運転技術と共に精神的な安定さも求められる仕事。田舎のデカイ家のすぐ近くも夜中になると爆音きこえていましたがほとんど車走っていない時間帯だし路線バスはそもそも走っていないのでやりたい放題。巨大都市は一般車もまだまだ走っていました。こんな道路を運転できるなんてほんとにすごい。路線バスの運転手さん、精神的にやられることも多いときいたことがあります。大きな声で言うのは恥ずかしいのでマスクしているしそもそも小さい声なのできこえていないと思いますが、降りるとき「ありがとうございます」と言いました。はじめてのバス生活、なかなかにきついですが駅近に住めるなんて一部の人で多くの人がバス生活を送っているんだと知りました。就労場所は信じられないような体制だとわかりつらい毎日ですが、それでも色々な人が行き交う、30年暮らしたこの街が好きです。

 暴走族って死語じゃないんですね、ネットで調べてみると多くは10代の若者ではけ口を求めているとか。社会が彼らを生み出しているということか。パトカーが走っているのも視界に入りました。彼らを取り締まるのは大変な仕事。色々な力があわさって社会の秩序って保たれているのだと思った金曜日の夜でした。

それでも生きているだけでよしとしよう

2021年03月20日 00時00分33秒 | 日記
 長い3月、長い5日間フル勤務の一週間が終わりました。でもまだ終わらないんですね、8日あります、29日は休暇を申請するつもりなのであと7日、年度末はほんとにいや。たぶん休暇をとるまえにやり終えなければならないことがあります。不慣れなわたしは相談しなければならないの、面接の時ニコニコニコニコニコニコニコニコはまんまと誘い込むための罠で実は凍りつくように冷たい表情にぞっとする上に相談しなければならないの、見方が感覚的に違いすぎてわたしにはすごく冷たく感じられてしまうからいやでしゃあない、しかも攻撃的だと感じた件だし。本来はこういうことに寄り添うのが役目なんじゃないかと、わたしにその経験値があれば寄り添いたいと思うことがそうじゃないんだと、聞こえてくる会話になんとも幻滅感じて自分の中でひとりつらい気持ちになりながら今日も一日が終わりました。いちばん思うところは口に出すことができない苦しさが日々積み上がってしまっているような気がします。この体制はひどすぎる、一縷の希望を信じた自分にかけてあげる言葉が今は見つかりません。いつしかごっかんの季節は終わり、ピンク色の花が開き始めていますがこの先どうすればいいかわからない人生に心はどんよりしています。わたしなんか生きていても仕方ないといえば仕方ないです、いなくなっても困る人はどこにもいない。弟は厄介者がいなくなれば胸をなでおろすのかもしれません。わたしはいらない存在、なんのためにこの世に生まれてきたのか分かりませんが自分から幕を下ろすことはできないので今週もなんとか生き延びました。こうして生きているだけで十分ではないのでよくないですが今はよしとしましょう。

 土曜日が祝日は大きいです、過去には当日まで気づかなかったこともあります、どうして土曜日なのに医者は休みなのかと。田舎の医者がバンバン出してくれてしまったので眠剤中毒から抜け出すことができなくてかかりつけ医に電話したら怒られてしまいましたが遠くてね、就労先から時間までに行くことは無理なのですよ、でも1時間しか眠れなかったとかでバスと電車を乗り継いで出勤することは無理で眠れなかったらどうしようという不安に打つ勝つことができません。脳ミソばっかり疲れているからものすごく眠いのに寝つけないこともあります。だからないわけにはいかないのです。わたし、とっくに終わっています。あなたの未来のためにと言われますが、わたしにこれ以上未来なんてあるのか、これからのためにと前だって毎日毎日逃げ出したい気持ちと闘い続けてがんばった果てにこのざま、また苦しむだけ苦しんでいます。これでもかこれでもかと。

ベートーヴェンは死の一歩手前まで生きながら、それでもこの世にとどまりました。彼をひきとめたのは芸術のみ。



アナスタシアの最期は実に残酷なもので口から血を流しながら天に召されていったそうですが、強く何者をもおそれない女性、ディミトリと共にどこかの空で今も生き続けています。



「生きている、それだけで人生は素晴らしい」



「限りを知り 命を知れ」、月組トップコンビ退団公演のポスター画像公開。

これまたウエクミ先生らしい壮絶な世界観、たまきちもさくらちゃんも実に美しい。はかない人生を懸命に生きようとする究極の美しさか。

https://kageki.hankyu.co.jp/revue/2021/ouranki/poster.html