たんぽぽの心の旅のアルバム

旅日記・観劇日記・美術館めぐり・日々の想いなどを綴るブログでしたが、最近の投稿は長引くコロナ騒動からの気づきが中心です。

2018年ミュージカル『ジキル&ハイド』(5)

2021年03月28日 14時24分07秒 | ミュージカル・舞台・映画
2018年ミュージカル『ジキル&ハイド』(4)
https://blog.goo.ne.jp/ahanben1339/e/b5313129f7c4f3facd75ca9ea627d56e

 (東京国際フォーラム公演プログラムより)

「ルーシー・ハリス役;笹本玲奈

-若くて無知で切ない。自分らしいルーシーを思い巡らす-

 ルーシーは長いこと憧れて続けてきた役ですが、これまで演じられた先輩たちにはかなわないというプレッシャーもありました。しかし、山田さんが「俳優本人の個性や人生を使って自由に作っていい」と提案してくださったので、嬉しかったのとともに、人物像を思い巡らすのが楽しくて仕方ありません。最初、私の32歳という実年齢を使えるかなと思っていたら、山田さんから私のルーシーは若くて、12歳ぐらいで娼婦になったのでは?とアドバイスをいただいて。すると、私の頭の中の人物像が一気に広がりました。今の考えでは、ルーシーは若い頃の様々な辛い経験から男性への強いコンプレックスを持つようになり、ジキルみたいな優しい年上の男に惹かれたのではないかと思っています。

 エマを演じていた時には、上流階級の人としか接する機会がありませんでした。今回、ルーシーとして底辺の人々の目から見た世界は全く違うもの。労働者のシーンは自分のことのように重く思えますし、こんなに生々しい作品だったのかと新鮮です。ルーシーとエマは生きる環境は正反対ですが、どちらも芯はピュアでまっすぐ、人の上辺だけを見るのではなく、心と向き合うことができるところが共通していますね。

「新たな生活」は今の自分とリンクして、ものすごく突き刺さります。この1年間舞台をお休みし、出産を機に生活や価値観、自分の中で求めることや期待することが180度変化しました。それはどこかアターソンが持ってきた手紙をルーシーが読み、人生をやり直してというメッセージを受け取った瞬間と似ています。人生の扉を開ける、特別なギフト。ルーシーがジキルと出会ってから、少しずつ自分らしさを取り戻していく過程も自分と重なり、いちいち共感しています。

 これまでは若い女性を演じることが多く、『ウーマン・イン・ホワイト』のマリアン役以外は、実年齢より若い役が多くて、それに伴い、歌も年齢より子供っぽい歌い方が身についていました。でも今回のルーシーでは等身大の自分や妖艶な部分を歌声で表現したいと猛特訓しています。中音域の低い部分に、いかに成熟した深みと厚みを持たせることができるか。重心の低いところから声が湧き出る歌を目標に、頑張ります。」


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