たんぽぽの心の旅のアルバム

旅日記・観劇日記・美術館めぐり・日々の想いなどを綴るブログでしたが、最近の投稿は長引くコロナ騒動からの気づきが中心です。

『この地球で私が生きる場所』_たくさんの人生、わたしの人生

2019年04月29日 23時43分49秒 | 本あれこれ
「「きょうも自分探しにもがいています」
「時に、わらをも掴む気持ちで読んでいます」
「一八歳です。自分の進もうとしている道の入口を、それが自分のやりたいことなのかを、もう一度見極めてみようと思うのです」
「自分も若かったら、イヤ、やる気の問題……。自分の人生と重ねて読んでいます」
「うらやましさと腹だたしさを感じます。私はどうだ……」
「同じ女性の、それも決して早いスタートばかりではないご活躍に、勇気と希望をもらっています」
「日常に追われ、自分の夢も何だったのか忘れていました。もう一 度、夢を考えてみたくなりました」
「子持ちの主婦です。子どもがいるからとあきらめていました。でも、自分のやりたいことをさがして、ゆっくりと頑張りたいと思います」
「一気に読みました。そして少し元気になりました。また明日も会社にいってガンバローって」
「留学を考えています。チャレンジ精神は人一 倍強いけれど、すぐに不安にかられて気弱になってしまいます。だけど、私は今の自分を信じて生きていきたい。こわいけど、冒険して生きていきます!」


 新聞掲載時にいただいた、読者からの感想です。この本は、朝日新聞日曜版の一、三面を使った大型連載「女たちの地球物語 WOMEN in the WORLD」(2002年1月〜3月、計13 回)の本文に加筆して、できました。感想を寄せてくださった人の圧倒的多数は、やはり、女性。地球のあちこちで自分の道を探し、意志をもって生きている女たちの姿に、我が身を照らしてみる人のなんと多いことか――。
《わたしは誰? なぜ、ここにいるのか》
私自身、幾度となく自分に問い返してきました。 朝日のような新聞社は今も男性の方がずっと多くて(朝日新聞社社員の女性比率は、2002年4月で、9パーセント、時に、私は自分がここにいることの意味を考えさせられます。「女性初」の何かになった人などの「ニュースになる女」とは別に、どこかでもっと等身大の女性たちの生きる姿を伝えたい、という思いもありました。
 そんなところから、この企画が生まれました。

 世界は広い。人生いろいろ、女もいろいろ! 人選にあたっては、「こんな人がいるんだよ、こんな生き方があるんだよ、と友だちに話したくなるような」女性を探しました。そして各地に取材に散る直前の2001年9月、ニューヨークの世界貿易センタービルに二機 の旅客機が突っ込み、10月にはアフガニスタンヘの空爆が始まりました。「新しい戦争」の空気のなかでの、それぞれの暮らしの取材でもありました。
 企画から一年たったいま改めて読み返してみて、結局、私たち取材者が、ここに登場してくれた彼女たちからもらったのは、「自分の内を見つめる力」と「前を向く力」だったように思います。わたしも、顔を上げて世界を見ていきたい。

  2002年7月「女たちの地球物語」取材班  河原理子」


この地球で私が生きる場所――海外で夢を追う女たち13人
朝日新聞日曜版編集部
平凡社