たんぽぽの心の旅のアルバム

旅日記・観劇日記・美術館めぐり・日々の想いなどを綴るブログでしたが、最近の投稿は長引くコロナ騒動からの気づきが中心です。

宝塚歌劇の殿堂より_台湾公演展「紅子、と海を渡った」

2019年04月10日 23時39分09秒 | 宝塚
 1月から2月にかけて、結局3回訪れた宝塚大劇場内の宝塚歌劇の殿堂『台湾公演展』、第三回星組公演『キラー・ルージュ』を手がけた齋藤吉正先生のメッセージがあつかった。

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「紅子、と海を渡った。」

 11月7日水曜日、すっかり日が暮れた午後6時半頃、第三回台湾公演キャスト、帯同スタッフは3週間の現地での公演、業務を終え懐かしい心の故郷宝塚へ帰ってきた。

 大型バスから降りてくるこの大任を果たした星組日本代表39名の笑顔はいつになく晴れやかで、最下級生に至るまで大きな達成感に満ち溢れていた。思い起こせば瞬く間の夢のような出来事だった。私自身初めての海外公演担当作品。話を聞いた2017年の夏から数えれば1年以上付き合う作品もそうそうない。この作品のゴールが台湾と知った時、自分に刻んだ大きなミッションは主演紅ゆずるの凱旋であった。第一回台湾公演で「Very謝謝!」の掛け声よろしく人気を博した当時の二番手スターがトップスターとして再びその地に立つ、タイトルは紅の名を冠する『Killer Rouge/星秀☆煌紅』。そんなプランから始まった当作品は、そのテーマカラーの如く”紅蓮の炎”に客席を染めた。いや、オーデエンスがこの作品を、出演者達を”紅蓮の炎”に包み込んでくれたのだ。幕開けのアイリーン(=綺咲の現地ファンからの愛称)の登場からマルチスター禮子(=コミックシーンの娘キャラでも大人気)が現地のロックナンバーで沸かせれば、真打紅子はその言葉の壁を越えた話芸から客席を爆笑の渦へ! そして一転、黒燕尾服での♪望春風♪の熱唱は劇場を興奮の坩堝と化した。そして幕切れまで鳴りやまぬ喝采! それらは私にとって初めての未体験ゾーンそのもの。またこの度の公演では首都台北から南部の街高雄をゴールに、初の二都市に亘る公演が実現した。台北市国戯劇院では街並みの賑やかさがそのままホールでの熱狂となり、また新天地高雄市文化中心至徳堂では歌劇の舞台を初めて目にする方々からの熱視線を日々感じながら・・・。”ライブ会場”と化した両劇場の客席から直に浴びせられる自身の芸名の連呼に”一生ものの経験”と例えた生徒の言葉もあったほどだ。

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 齋藤先生、紅ゆずるさんの初舞台『LUCKY STAR』では演出助手だったそうで、2018年『AnotherWorld』『キラー・ルージュ』の東京公演プログラムにはこう書かれています。

「(トップスターになる)その栄光を手にするまでの道程はいばらの道も少なくありませんでした。けれど彼女は苦難の時ほど笑顔を絶やしませんでした。それは時に痛々しくなる程に・・・。多くの経験が彼女自身を大人へと成長させ誰よりも心根が優しく人を思い遣れる”人”にさせていったのでしょう。」

 こんな紅さんが演じたカールは、上手い下手といった次元など飛び越えた、カールの魂そのものでした。役の魂が役者の体に乗り移ったという類まれなる舞台だったのだ千穐楽をライブビューイングで観劇してわかりました。ここまで演出家を熱い想いにさせる紅さん、谷先生、ウエクミ先生と役者がいればいつか上演したい・・・という演出家の想いを立て続けに叶えた紅さん、トップスターとして5作は多くはないですが幸せなトップスター生活だと思います。タータン(香寿たつきさん)の退団公演プログラムではいちばん下の、いちばんすみっこにお写真がある紅さん、新人公演での最初の役は死体の役だったとのこと、『ガラスの風景』の中にコモ湖畔で殺された遺体が発見される場面がありましたがその遺体の役だったのかな、下級生の頃はショーのオープニングのあとフィナーレまでほとんど出番がなかったり、将来のトップスター候補として注目されていたわけではなかったという紅さん。

 宝塚にのめり込むきっかけがテレビでたまたまみた『雪之丞変化』『サジタリウス』の高嶺ふぶきさんだったそうで雪組大好きだったわたしとしては嬉しいお話(もちろん今の雪組も好きです・・・)。トップスターとしては二作で退団した高嶺さんを非難する声は少なからずあるので、高嶺さんが初代ヴァルモン子爵を演じた『仮面のロマネスク』への熱い想いを高嶺さんとの対談で語っているの、オンデマンド配信でみたときはすごく嬉しかった。宝塚への限りない愛が自分を信じ支えてきた源だったのかな。知れば知るほど好きならずにはいられないすごい方。わたしが宝塚をはなれていた間に成長されていきトップスターになったということか。男役として最高に充実した姿を見逃さなくとよかったです。こうしてまた戻ってくると素晴らしいジェンヌさんたちがいる。宝塚には他の舞台とは違う独特の良さがやはりありますね。

 お茶会かあ、いったことないし、東京も宝塚も交通費かかって贅沢すぎますな。日帰りバスツアー一回は確保したからあとは様子をみながらふやせたらふやしたい(そのためには稼がねばなのにね・・・)。

 タータンが宝塚を退団してから17年が過ぎたということか。「闇が広がる」も披露してくれた先日のいっちゃん、タータン、マミさんのコンサートのことはまた後日・・・。

 まだまだ整理しきれていませんが台湾公演展の画像、チャンネルに集めました。よろしければあわせてご覧ください。