人生論:「生涯発展途上」を目指して

消化器内科医になった起業家・弁護士・会計士、岡本武士による人生論や新たな視点の提供、身の回りの出来事に対するコメント等。

進化の形

2004-11-03 00:40:16 | 人生論・閃き
我々は味のないビタミンを飲み、人のかわりに機械に向かって声を発する。一日10時間は座って過ごし、老いて身体が死んでも呼吸と心臓だけは止まらない。腕力で語る弱肉強食の世界に幕が降り、IQと協調性で牛でも豚でも手に入る。穴を埋めればビジネスになるから、社会の構成員は自分のことだけを考えていればいい。

そして、我々は自分の命を毎日人に預ける。知らない人を信用する。
漢字が書けない。時代が読めない。気持ちがわからない。
戦わず退く。目を反らす。

神に打ち勝ったのは人ではなく、均衡。効率。理論。無数の方程式。

夢なき盲目の睡眠。
心なき血肉の機械。
容赦なき細分化。
合理的な、闇なき光。

現世会を見渡すと、こんなイメージを持つこともできなくはないと思います。究極のファッションが白と黒といわれるように、究極な世界には愛や夢のような非効率を許容する余地はないのかもしれません。

そこで、登場するのが異次元の力。

遠慮なきビールの掛け合い。
理由なきプレゼント。
手と手の交差点。
止まない笑い。
打算なき心。
空白の美。
三原色。
熱愛。
涙。

人が人であること、それは進化を求めつつも、退化を楽しんでしまうことなのかもしれません。

儚い思い出、真珠のごとし。たまには、一息いれて思い出そう。