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【雑感】新鋭潜水艦「そうりゅう」進水【和文/産経】

http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/071205/plc0712051521010-n1.htm

 16SS(8116号艦)-改おやしお級1番艦-が昨日進水。潜水艦の名称を「海象、水中動物の名」とする、海上自衛隊訓令第30号に基づき、「そうりゅう」と命名された。
 当艦は、非大気依存推進機関(AIP)としてスターリング機関を搭載、充電の為に浮上する必要がなくなり、ただでさえ静かだった日本の潜水艦がより隠密性を上げる。更にX舵を搭載しており、より高い運動性が期待されている。
 ある意味、帝国海軍も含め、日本の海軍史上、鳳翔に匹敵する程の革新的な艦であり。敢えて帝国海軍空母由来の名称「蒼竜」を命名したところに、海上自衛隊のこの艦に対する思い入れが分かる。
「竜は海中動物である」というのはやや牽強付会の観もあるが、筆者には絶妙の命名だと思える。


 早速、民族主義マスコミ-環球-が脊髄反射。

日本 スーパー通常潜水艦進水 艦名が中国人の感情を逆なでする【中文/環球網】
http://news.xinhuanet.com/world/2007-12/06/content_7207133.htm

 タイトルもなかなか懐かしい香ばしさだが、本文も「そうりゅう」関係の記事が229文字なのに対し、「蒼竜」関係を書いた関連記事が482文字もあるほどの偏向っぷり。
「そうりゅう」のなにが中国人の感情を逆なでするのか、記事には全く書いていないのだが。関連記事を読むと、「1937年12月29日完工、翌年蒼竜は中国海域を遊弋、艦載機が長江流域と華南地区の陸軍航空隊の侵華行動に協力した」(筆註:広東攻略戦)と書いてあるので、恐らく「支那侵略に加担した艦と同じ名前をつけるのが中国人の感情を逆なでする」と言いたいようだ。

 人民感情を理由に、日本の行動をコントロールしようという人格障害者じみたやりくちは、靖国参拝叩きで使い古された常套手段。
 防衛が「外国の対日感情に配慮」して帝国海軍艦船名の使用を「自粛」していたのは知っているが、筆者の知る限り、中国が自衛艦の名前にいちゃもんをつけてきたのはこれが初めてだと思った。
 なによりも、先日人民海軍のミサイル駆逐艦来日の折、海自がホストシップにした艦の名前は「いかずち」なのだが、中国人が感情を害したとも、感情を害した中国側が抗議したとも聞いていない。(「いかずち」の由来となった駆逐艦「雷」は、香港攻略戦に参加している)

「そうりゅう」のどこに中国人の感情が逆なでされたのか、結局この記事からは分からない訳だが、妄想するに。

1.中共が日米を圧倒していると思っている東アジアの洋上軍事バランスについて、現実に引き戻されそうな性能の潜水艦を小日本が保有した。
2.中共が米国を更に圧倒するために欲しくてたまらない、かつ小癪にも小日本が60年前に保有していた空母、の名前をその潜水艦につけた。
3.たまたまその名前は、支那事変に参加した艦の名前だった。


記事中の画像:空母への憧憬があるとしか思えない着色画像。
(2008.7.1追記、こちらの着色画像は二代目色男さんがブログで公開している画像であることが判明いたしました。http://blog.livedoor.jp/irootoko_jr/archives/869751.html なぜこの画像なのかは未だに不明)

 そんなこんなで感情が逆なでされているとしか思えない。

 もちろん妄想が元なので全くナンセンスではあるのだが、残念なことに環球網のタイトルは筆者の妄想ではない。少なくとも記事を書いた中国人は「そうりゅう」が中国人の感情を逆なでする、と思っているようなのだ。


 首相が就任直後に、他人が嫌がることは敢えてしないと名言してこのありさま、この姿勢は、中国に対して宥和政策は意味が無いと、証明するだけの価値はあったというべきか。
 朝日は8日あたりに、「アジアを侵略した帝国海軍空母の名前を冠した高価な新型潜水艦よりも、アジア諸国との友好が平和の為には重要だろう。その為には軍事交流の一環として、新型潜水艦を中国海軍に公開してはどうか」といった感じの社説を書くのだろう。

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【雑感】米国皮膚病専門家、侵華日軍浙江細菌戦調査【中文/新華網】

http://news.xinhuanet.com/photo/2007-12/05/content_7203899.htm

 今年の5月に最高裁で上告棄却が決まったいわゆる「731部隊細菌戦裁判」の原告が、今度は国際医学会で難癖をつけるため、アメリカから皮膚病の専門家を呼び寄せ「被害者調査」をしたというニュース。


 衝撃的な画像も何枚かのっているが、「被害者」と思えるのは、日本軍の炭疽菌で脚部に炎症を起こした男性の他は、支那事変の生存者にしては妙に若く見える女性患者のみ、あとはヒステリックな上記原告団団長と、やる気のない顔の「皮膚病専門家」の画像で埋められている。

 
 筆者は疫学の専門ではないので、公開された症状が皮膚炭疽症なのかどうか分からないのだが、65年前に感染したにしては炎症が生なましすぎるように思える。
 WHOによると、中国では毎年2,300名の炭疽病患者が出ている(’80~’97平均http://www.vetmed.lsu.edu/whocc/AnthraxStats2001-DataFiles/Asia/China.htm)、別に「日本軍細菌部隊」なんてものが暗躍する必要すらないのだ。
 また、記事中では「1942年731部隊「など」細菌戦部隊が金華と衢州に炭疽菌と鼻疽菌を散布、多くの住民が「爛腿病(足が壊死する病気:原文ママ)」で死亡」という書き方をしているが、1979年ソ連で発生したバイオハザードを参考にするならば、炭疽にせよ鼻疽にせよもし病原体が兵器として散布されたとしたら、経皮感染で足が壊死するより、吸入感染で肺炎を起こす確立が高いと思われる。
 尚、炭疽症では自然感染の95%が皮膚感染であり、「患者が爛腿病で死亡した」という上記記事の記述は、「あくまでも自然感染であり、日本軍の細菌戦ではない」事の証左といえる。

 この原告団長、「アメリカが保管している731部隊の悪行を暴く」とアメリカに乗り込んだあげく、「731部隊はただの防疫部隊だった」という事実を見つけた人だと思ったが。
 恐らくアメリカで見つけた事実も「日米の隠蔽工作の結果」に摩り替わっているのだろう。

 悪意で塗り固めたような表情を見ても、日常生活では係わり合いになりたくないタイプの人間だ。

<<参考>>
感染症発生同行週報【国立感染症研究所】
http://idsc.nih.go.jp/idwr/kansen/k01_g3/k01_47/k01_47.html

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