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違和感がある、なにかが動いているとまで言っていいものやら

人民網日文版の記事と、外交部発言のニュアンスが異なっているだけなのですがね。

記事:
「反日」のターゲット、民間人ではない 外交部



  外交部の劉建超報道官は4日の記者会見で、昨年4月の「反日デモ」に関する質問に次のように答えた。

  ――中国は現在、昨年4月に北京や上海で起きた「反日デモ」の責任は日本側と中国側のどちらにあると考えるか。

  「反日デモ」という言葉を使われたが、中国の民衆が示した態度は決して日本の民間人に対するものではなく、歴史問題において日本の指導者が取った誤った行動に対するものである。中日関係改善の根本的な活路は、日本の指導者が歴史問題において正しい姿勢を取り、第2次世界大戦のA級戦犯を祀る靖国神社への参拝を停止することにある。(編集NA)

  「人民網日本語版」2006年4月5日


中国外交部の公式HPによれば、劉建超報道官が開いた4日の記者会見はこれだけ

ちょっと長いですが、問題の部分を訳出

質問:去年の4月に発生した「反日デモ」から丁度1年たつが、どのように評価するか。あなたは日中関係にどのような展望を持つか。胡錦涛主席は先週、日本の指導者が靖国神社への参拝さえしなければ、トップ会談をおこなうといった。日本側はこのように会談に関して前提条件を設ける訳にはいかないと表明している、あなたはどのように思うか。

回答:第一の問題について、昨年の4月に発生した事については我々はすでに立場を明らかにしている、あなたははっきりと理解しなければならない。1年近くたつのに、日中政治関係は明確な改善を発展に到っていない、我々は非常に遺憾である。こうなった責任は中国側にはなく、同様に日本国民にもなく、日本の一部の指導者が歴史問題において誤った態度をとり、靖国神社参拝を堅持していることにある。これは両国国民感情を傷つけ、更に両国の政治的基礎を破壊した。先日、胡錦涛主席が日中友好七団体と会見した際、日中関係改善の態度を明らかに表明した、中国政府は日中関係を改善発展させる問題の上で充分な誠意を示したのであり、これは当然日本側の積極的な応対を得るべきだ。日本の指導者が靖国神社に参拝するのは、日中関係政治基礎と両国国民の感情に関する重大な問題である、日本側は靖国神社問題において誤った態度を堅持し、甲級戦犯を祭祀する靖国神社参拝を堅持している、これは日中関係の改善と発展の役にはたたない。我々は再度日本側に誤りを正すように要求し、日中関係改善と発展の条件を創造する。

発表だけみると真新しいところは全く無く、「またか」とスルーしていたのですが。
人民網日本語版の記事と比較すると面白い。

記事:「「反日デモ」という言葉を使われたが、中国の民衆が示した態度は決して日本の民間人に対するものではなく」
外交部公式HP:この部分に相当する一文が見当たらない。

記事:「中国の民衆が示した態度は」→「歴史問題において日本の指導者が取った誤った行動に対するものである。」
外交部公式HP:「こうなった責任は」→「歴史問題において日本の指導者が取った誤った行動に対するものである。」

記事:「中日関係改善の根本的な活路は、日本の指導者が歴史問題において正しい姿勢を取り、第2次世界大戦のA級戦犯を祀る靖国神社への参拝を停止することにある。」
外交部公式HP:確かに論旨はこうなるのかも・・・

外交部が言っているのは「日本首相の靖国参拝という過ちをやめれば、両国の関係は改善する」でありまして、だからこそ私もスルーしていたのですが。人民網は否定形とはいえ、「中国の民衆が示した態度」は「日本の民間人」などと公式発表では語られることの無い刺激的な単語が。意訳にしても飛ばしすぎ、バイト君張り切りすぎましたか?

日本語サイトとはいえ人民日報は中共の機関紙なので、その内容には「上」の意図が色濃く反映されるのは周知の事実。敢えて外交部と微妙に異なる内容を報道したのは何故ですかね?
筆者には刺激的な表現をあわてて取り繕った外交部、敢えてそのまま記事(しかも日本語に翻訳してまで)にした人民日報に思えるんすけどね。

穿ち過ぎ?

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