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四生の盲者日記

妄想による愉快な国際時事ネタ解釈

緑の恐怖

2007-02-13 20:35:12 | 環境

雲南富民農林局、荒山をペンキで塗って「緑化」(中文、中国経済網)

http://news.xinhuanet.com/photo/2007-02/13/content_5732587.htm
http://news.xinhuanet.com/photo/2007-02/13/content_5732587_1.htm
http://news.xinhuanet.com/photo/2007-02/13/content_5732587_2.htm

 ’06年夏、雲南省富民県勤労郷梨華村で、県の林業局が、森林保護区内の採石場跡地を、ペンキで緑に塗った、というお話。
 インパクトのある画像がついていたので、転載しておく。


 法律的、職務的に県の林業局の行為を否定するコメントを、省の林業庁と昆明市の林業局が載せているところを見ると、雲南省全体で普通におこなわれている方法ではなさそう。
 中央の林業部(?)のコメントがないので、中国全体でどうなっているかは不明。但し記事のトーンはこの事件を揶揄するものであるので「中国では禿山にペンキを塗っている」という短絡的な発想はしない方がよい。

 先進国で確立されている、種とか改良材とか肥料を斜面に吹き付ける工法(SR緑化法)あたりの情報が、ゆがんだ形で伝わったものかと推測はできる。
 個人的にはもっこに土をいれる農民や、ねこに砕石を積む工人が20年前とまったく変わっていないのがうれしい。

 


リスクマネジメント

2007-01-31 21:07:13 | 環境

 最近は【情報部】のコラムには食傷気味。たとえば高井キョージュのコラム

中国は「ネット世論」を掌握できるか?(和文、【情報局】)
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2007&d=0130&f=column_0130_003.shtml

などを読んでも、ただ脱力を覚えるばかりで、この意味不明の文章を読み解こうとする気にもならない。


 今日の社説は、環境的に見逃せないと思われる部分があるので指摘しておく。

【社説】鳥インフル対策、日本は香港の緊張感に学べ(和文、【情報局】)
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2007&d=0131&f=column_0131_004.shtml

 まず断っておくが、ヒトーヒト感染は2,3例しか報告されていない。

 非常に限られた知識と古い経験、バイアスのかかった情報を元に、センセーショナルな情報を垂れ流すのはいただけない。
「たしかに、総じて衛生状態が良好な日本において、重大な危機が発生する可能性は小さいかもしれない。だが、可能性がある限り、万全の対策をとるのが本来の行政の姿だろう。」などという記述を見ると、社説子は予防原則の信者であるらしいが、科学的に見て、ある程度看過できる危険性については、それなりの対処をするのが税金で運営された組織の原則だと筆者は思う。
 実際に発生した場合に冷静に対応できるかどうか不安を持っているようだが、ノロウイルスへの対応、現在宮崎、岡山でのH5N1への対応を見ていれば不安など持つのがどうかしている。

 どちらもパニックは発生していないのに、千葉県某市の対応を「お役所仕事」と称し、香港の対応を「冷静」と評価するなど、中国を褒めたくてしかたないのは分かる。しかし、冷静になられてはどうだろうか?


環境と資金

2006-12-21 19:46:47 | 環境

日本政府、中国の酸性雨と砂塵観測に無償援助
http://j.people.com.cn/2006/12/20/jp20061220_66182.html

 無償資金援助は7億9300万円(約720万ドル)観測データは双方が共有。
 工事と設備で日本に還流してくるカラクリにはなっているのだろうが、お人よしの観は否めない。
 環境に関するノウハウは日本が抑えているのだから、中国に金を出させる位はしてもいい。もちろんメンテナンス契約は別で。
 そもそもこの問題、日本は被害者である。被害者が資金と技術を負担するのも理不尽な話。

 理不尽だが環境問題では珍しくないのもまた事実。不法投棄されたゴミを誰が金を出して片付けているかを考えればよい。
 この場合は、環境に負担を掛けた加害国がはっきりしているので、被害国が負担すべきではない。


絶滅

2006-12-14 18:33:58 | 環境

>環境対策技術をどうこうする前に、公共物は大切にする、という教育が先。
 そう悠長な事もいっていられないような状況ではある。

中国・長江のヨウスコウイルカ絶滅か、水質汚染などで
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20061214STXKE014014122006.html

 中国の長江(揚子江)だけに生息する珍しい淡水イルカのヨウスコウカワイルカ(バイジー)は絶滅したといえると、中国や米国などの研究グループが14日、明らかにした。
 日本の研究者も加わり、11月から12月、6週間かけて長江で延べ3500キロにわたって大規模な調査を行ったが、1頭も発見することができなかったという。
 バイジーは、数百万年前から生息していたとされる小さな目の白いイルカで、中国では「長江の女神」と呼ばれた。1980年代初めには約400頭が生息していたとされるが、1997年の探査では13頭が見つかり、2004年には1頭の目撃報告があった。
 グループは、長江の頻繁な船の往来がバイジーが餌をとる際の妨げとなったほか、餌の魚の乱獲や水質汚染が生息環境を悪化させたことが減少の原因としている。
 こうした環境の変化は、長江で生息数が400頭以下まで減少しているとされるスナメリにも悪影響を与えているとみられ、同グループは「このままではスナメリは第2のバイジーになる」と警告している。

長江流域だけに生息する水棲哺乳類「水中パンダ」バンジー見つからず(中文)
http://news.xinhuanet.com/environment/2006-12/14/content_5484191.htm

 

 中国が日本の調査捕鯨に反対しているうちに、絶滅していたようだ。
 子供がだだをこねるように感情的に嫌がらせをする暇があったら、自分の足元を見ましょうという教訓かもしれない。
 自国でも沿岸捕鯨しているにも関わらず、日本の調査捕鯨に反対している国、についてはノーコメント。


環境問題

2006-12-13 19:42:51 | 環境

「中国は西側諸国からの危険廃棄物の被害国」
http://j.people.com.cn/2006/12/12/jp20061212_65901.html

  中国は世界貿易機関(WTO)加盟5周年を迎え、国家環境保護総局や中国社会科学院などの関係専門家は、多国・地域間貿易は貿易と環境の関係を適宜処理すべきで、とりわけ先進国が環境保護という名の下に「保護貿易主義」という実を取ることに反対すべきだと訴えた。「第一財経日報」が伝えた。

(中略)

  厳格すぎる環境基準で貿易障壁を構築すると、環境保護問題の解決を不可能とするどころか、発展途上国の持続可能な発展力に深刻なダメージをもたらすと「報告」では指摘している。国際社会は資金、貿易、債務など各分野における発展途上国の難題を良く理解すべきであり、力強い措置を講じ、さまざまな方法による保護貿易を撤廃しなければならない。(編集KM)

 頭と尻尾だけを見ると、環境を名目にした非関税障壁に反対するものであるようだ。だとすれば、危険廃棄物であることを理由に被害を申し立てているタイトルは矛盾するのだが、そんなことは気にならないくらい記事全体の論旨がとれない。
 この記事で論じられている【環境問題】が、根本的に【公害】レベルで留まっている為、グローバルスタンダートとの間にズレが生じているものと思われる。
 そもそもWTOと環境を合わせて話すのが変な話。

 環境対策技術をどうこうする前に、公共物は大切にする、という教育が先。


油の品質

2006-12-11 23:25:00 | 環境

北京:価格値上がり受け、食用油の品質検査強化  2006/12/11(月) 10:03:56更新
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2006&d=1211&f=business_1211_005.shtml
 
 北京市の西城工商分局は11日までに、レストランやスーパーマーケットを対象に食用油の品質検査を実施した。同市工商局は、価格上昇が引き金となり安価な不合格品が流通することを警戒しているとみられる。
 中国では、穀物と食用油の値上がりが続いている。12月上旬には大豆油など食用油の価格が過去3年最高となった。国家糧油信息中心(国家食糧・食用油情報センター)は、価格上昇は当面続くと予測している。(編集担当:如月隼人)

 前に紹介した、「黒いラード」対策だろう。
 日本だと生産者に責任を負わせ、品質問題があったら行政処分が下るのだが(食品の場合は行政処分よりも風評被害の方が怖い)、中国で黒いラードを造るようなところは確信犯なので刑事罰以外は怖くない。
 ただ同然の廃棄油脂から造った油をこの価格高騰に便乗させたら大もうけではある。そいういったえげつないまでの利己的機会主義、これは中国人を理解するキーワードたりえる。


3R

2006-12-05 20:38:55 | 環境

 最近ブログの傾向に対して、忸怩たる思いがある。
 主に中国情報を取り上げて書いているものの、どうも条件反射的な感想のみで終わっている気がしてならない。
 もともと作文のリハビリのつもりで始めたものの、書いているうちに、情報をもたらす人間社会そのものを、断片でもいいから理解してみたい、という大それた考えがなんとなく願望の形になってきている。分析力、文章力の不足はこれはどうしようもないとして。もっとこう、先入観なしに事象を眺める必要があると思った次第。
 ただ、一発一発の記事には一行レスしかつけようがないが、後からまとめてみると社会そのものが見えてくるといった事象もある。そのへんは自分の直感を信じるしかないと考える。

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世界の電子廃棄物7割流入 輸入物に監視届かず
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2006&d=1205&f=business_1205_008.shtml

 ビジネスとしてのリサイクル、が中国では盛んだ。とはいえ全世界から日本でいう廃家電を買いあさり、銅、金、など高く売れるものだけを燃やしたり溶かしたりして取り出し、残りはその辺に捨てる原始的なもの。
 記事にかいてあるように水銀、カドミウムまで含有しているかは眉唾だが、大概の成分はその過程で環境に放出される。
 持続可能な意味でのリサイクルではない。
 分解して資源にするよりも、修理して使い続けた方がより環境には優しい。30年くらい前までは、町の電気屋にいくとおやじがドライバーでなにか分解していたものだった。
 人件費の安い海外に工場を作り出したあたりから、買換えの方が修理よりも安くなった。外資がより安い人件費を求め続けた結果、現在の中国の経済成長があり、廃家電による環境汚染があるのだから皮肉としかいいようがない。
 ちなみに廃家電リサイクル法が施行されている日本は、この問題とは基本的に無関係である。


化粧品SK-II販売再開、「心から愛用」との声も
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2006&d=1205&f=business_1205_011.shtml

 追いかけ続けた事象。
>客は一様に「私たちはSK-IIを心から愛用しています」と話していた。

ちなみに1.5ヶ月前の中国におけるネット調査。
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2006&d=1026&f=business_1026_003.shtml
Q:SK-IIブランドの化粧品の販売が再開されたら、今後も購入するか?
今後も買い続ける:                         30.8%
もう買わない。別のブランドに代える: 33.3%
もともと使っていない:                     34.6%
どうするか検討中だ:                        1.3%

 3日に買いにきたのは、上の調査で「買い続ける」と答えた3割の人なのだろう。とはいえ、この調査もほぼ綺麗に3割づつ別れており信用できない。

 追いかけ続けた結果何が言えるか:
・中国のネット調査は信用できない
・質総研は基本的に品質を理解していない

以上


黒いラード

2006-12-04 20:13:56 | 環境

浙江省油脂工場 黒油の内幕
http://news.xinhuanet.com/fortune/2006-12/04/content_5430250.htm
浙江:ドブ油を「食用ラード」に加工、製品からは猛毒の農薬を検出
http://news.xinhuanet.com/health/2006-12/04/content_5429901.htm
山塞で廃油を食用油に加工、日産数トン
http://news.xinhuanet.com/society/2006-12/04/content_5430251.htm

 全て中文。ドブ油、廃油、黒油、皮革用油とにかく怪しげな原料から作られた「黒いラード」が出回っているそうだ。
 国内紙で、この手のセンセーショナルな報道は眉に唾をつけて読む必要がある、特に「猛毒」などという単語が出たら記者の脳内はあるパターンに陥っていると思って間違いない。なにしろ未だに『環境問題=公害問題』だと考えている人間もいるのだ。
 中国紙もSK2騒ぎを見た限り大して変わらない。まして直接口に入れるものだと、より扇情的なものとなる。「黒いラード」などのタイトルもテクニックの一つ。
 上記の三記事を読んだ限り、浙江省の工場で作られたラードからは六塩化ベンゼンとDDTがキロあたり0.027~0.088mg検出されたと書いてあるが、どっちの量なのかはっきりしない、もし合わせてこの量ならその意味がない。
 つまりこの記事は限りなくゴシップ記事に近いといえる。尚DDTを0.088ppm含有していたとしても健康に被害はない。

 記事の内容を読んでいると、加工工程が非常に不衛生で、加工材料も食用ではないものが使われており、記者はそれらの事に衝撃をうけているようだ。一番上の記事などに、画像が載っているが確かに汚い。このような工程であれば、確かに毒性以前に口にしたくない。
 ただし中国産の食品全てが上記のような衛生状態にある訳ではない。国民性は確かにああだが、それは現在の日本人が天然物にすら過敏になるほど過保護になりすぎたせいであって、筆者は、信用できる企業が品質を保証し、日本の税関を正規にとおって輸入された食品であれば、中国産でも問題はないだろうと考えている。
 大事なのは科学的な姿勢である。


お約束

2006-11-16 19:49:48 | 環境

中国製美白クリームに水銀2万倍「短期的には美白効果」
http://www.sankei.co.jp/news/061116/kok009.htm
元記事(中文)
http://news.xinhuanet.com/health/2006-11/15/content_5330950.htm

 SK2空騒ぎで何も学習していなかったらしく、どっちの記事も相変わらずセンセーショナルな書き方をしている。中国というとなんでも汚染されていると信じたい人の為に書くと、元記事によれば国家基準の2万倍の水銀を含有していたのは「南京市禹○生物保健工場製”再嫩白霜”」(○は”女”偏”口”の下に”内”)と「広州連△化粧品有限公司製”欣梦祛斑霜”」(△は頃の”ヒ”の下に”ノ”と”木”)など、だけであり。「など」が気にかかるものの中国製の美白クリーム全てに水銀が配合されているわけではない。
 日中問わずマスコミはこういう書き方をよくするのだが「国家基準の2万倍」「皮膚から水銀が吸収されれば慢性水銀中毒を引き起こし、骨格や歯、肝腎機能に悪影響を及ぼす」別個の事実をあたかも関連性があるように報道するのはやめてほしい。

・どのように測定されたか
・(測定の方法が正確だとして)実際に含有されていた数値
・(数値が正しいとして)水銀は意図的に混入されたのかどうか
 
の科学的な姿勢重要と思う。実は中国の分析機関で計ってもらうと、分析限界を超えたレポートが上がってくるので分析結果が信用できない。

 倫理的には、
「水銀は短期的には色素を減退する効果があり、多くの不法企業は美白効果を追及するために商品に水銀を入れてる」
といった安徽省質監局の指摘を待つまでもなく、なんとなく何が入っているか胡散臭い。
 ところでSK2で面子丸つぶれになった上に蜂にさされた質総検、塩を刷り込んだ格好の安徽省質監局が心配。


 さて、久々のH5N1これから流行期を前に、筆者は特に予防注射を打つでもなくただ漫然と構えている。

鳥インフルエンザ:H5N1型ウイルス、人感染の変異部分発見 流行見極めの目安に
http://www.mainichi-msn.co.jp/science/medical/news/20061116ddm012040138000c.html

 大分詳しい事が分かってきている。筆者の年代など「これぞ科学」とワクワクする。


犬のその後

2006-11-16 19:24:07 | 環境

 追跡して調べてみたら「強圧的な当局vs愛犬家」といった単純な話ではない。
 筆者が読み取った内容

・狂犬病は増えている
・予防接種を受けない「闇犬」も増えている
・犬の糞を始末しない飼い主も増えている
・無駄吠えする犬も増えている
・リードつけずに散歩させる飼い主も増えている
・野犬も増えている
・飼い犬に人が咬まれる事件も増えている

http://news.thebeijingnews.com/0558/2006/11-16/015@222212.htm
http://news.thebeijingnews.com/0558/2006/11-16/015@222241.htm
http://www.sankei.co.jp/news/061116/kok012.htm

 つまり他人の迷惑を顧みない無責任な飼い主が増えすぎ、それに中共的な対応を取った公安との間に、伝統的な官民対峙の図式がはからずも動物園前で現出したものらしい。
 公安も下手な弁解をしている、へんに「7日の間に里親が見つからない場合、国際慣例に従い処分」などと言わずに、さらっと「生き物を飼うなら死ぬまで責任を持ちましょう」とでも言えば済む話。昨日の記事で「権利」といっていたのは、日本語の言い回しでは「資格」に相当するニュアンスを持たせたかったようだ。

 被害者は犬。