[森友学園を巡る経緯 (東京新聞 2019年4月24日)↑]
日刊スポーツのコラム【政界地獄耳/麻生も財務省も検察も同罪】(https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202003210000102.html)。
《★だが、森友学園事件は公務員に文書を改ざんさせ国会で虚偽答弁するなど、誰のために何をまげて何を守ったかという問いに全く答えなかった事件だ。…★17年2月17日、「私や妻が関係していたということになれば、私は間違いなく総理大臣も国会議員も辞める」と国会で豪語し、その直後の24日に財務省理財局長・佐川宣寿(当時)が「交渉記録は破棄した」と言い出したところから国を挙げての隠蔽(いんぺい)が始まったといえる。麻生にも財務省内にも場合によっては検察内部にも首相夫妻を助けるためにさまざまな改ざんをした「自分たちはこの件の犠牲者だ」という思いがあるのだろう。だが、要求を拒否せず関与した時点で同罪だ。犠牲者でも被害者でもない》。
金平茂紀さん「森友事件に絡んで自殺した近畿財務局の職員の悲痛な遺書…衝撃が広がっています。ところが政府は「再調査しない」と冷ややかな反応です。人の命を何だと思っているのでしょうか。これらの人々が人の命を守るためのコロナウイルス対策に携わっているのが、私たちの国の現実です」(『報道特集』2019年3月21日)。リテラによると、財務省本省の官僚に向けて、《共産党の宮本徹衆院議員が「不誠実だよ! いまの、虚偽答弁だってあきらかになっていることについてさ。その虚偽答弁にしがみついて、なに説明してるんですか! 恥ずかしくないですか!」と声を荒げた》。
アベ様も《麻生も財務省も検察》も冷酷非道。「自分たちはこの件の犠牲者だ」気取りの《財務省の“改ざん指示”幹部官僚たち》、《森友問題で刑事告発されていた佐川宣寿前理財局長ら38人を全員不起訴にした》検察の《“官邸の番犬”と呼ばれる黒川弘務》氏や《安倍政権また忖度に“ご褒美” 森友不起訴の特捜部長が栄転》した山本真千子氏らの腐敗の極み。
『●《改ざんを命じられたときも相当抵抗…。やっているのは犯罪。
自分の信念や理に反して悔しかっただろう》』
『●《近畿財務局元職員の妻が…佐川宣寿氏と国を相手に…大阪地裁に提訴》
…《前代未聞の改ざんなのに、最高責任者の麻生太郎財務相》は?』
『●近畿財務局元職員のご遺族が提訴…《刑事罰どころか出世していた
財務省の“改ざん指示”幹部官僚たち》や行政府の長、財務相の冷酷非道』
『●パワハラにより森友公文書改ざんという犯罪を強要…真の犯罪者
《なんとも無責任な態度》な行政府の長や財務相、財務省幹部官僚達』
「2017年2月17日はアベ様のタンカ記念日」をキッカケに、《文書に「安倍昭恵首相夫人」》とあったが故に、ウルトラ差別主義者の麻生太郎財務相の下、公文書の改ざんが近畿財務局元職員に強要された。様々な〝種〟を撒きまくる「私人」のアベ昭恵様が〝タマ〟を込め、アベ様の啖呵が〝トリガー〟となり、〝マフィアのボス〟な財務相の下で《刑事罰どころか出世していた財務省の“改ざん指示”幹部官僚たち》が忖度して、無理やり改ざんさせた。
パワハラにより森友公文書改ざんという犯罪を強要したのだ。一方、真の犯罪者達は…《なんとも無責任な態度》な行政府の長や財務相、財務省幹部官僚達…。《信じられないような言動を繰り広げているのが、告発を突きつけられた「当事者」たちだ》。倫理観の欠片もない行政府の長と財務相らの冷酷非道。
特に、ウルトラ差別主義者な財務相。《この男は改ざんがおこなわれた際の財務省のトップだ。公文書改ざんという国家的犯罪が引き起こし、ひとりの命を奪ったというのに、安倍首相は辞任せず続投させた。それ自体が異常だったのだが、挙げ句、この態度……。ようするに、反省がまるでないだけではなく、自分たちが何をしでかしたかという罪の意識さえ持っていないのだ》!! 《赤木さんと遺族への冒涜、“2度目の殺人行為”に等しいもの》。
そして、検察の堕落。《政治的独立性を保持すべき検察の捜査結果に、官邸が法務省を通じて介入していた》、《この官邸─黒川というラインが大阪地検特捜部の捜査に介入していた》。なぜアベ様らは、黒川弘務・東京高検検事長の定年延長(再延長・再々延長可)に拘っているのか? 非常に期待されていた大阪地検の山本真千子元特捜部長がアノザマ…。(リテラ)《にもかかわらず、大阪地検特捜部がこの改ざんを立件できなかったのは、もちろん、官邸から圧力がかっていたためだ。いま、“官邸の番犬”と呼ばれる黒川弘務・東京高検検事長の違法な定年延長が問題になっているが、当時法務省事務次官だったこの黒川氏が官邸の意を受けて捜査ストップに動き、山本真千子・大阪地検特捜部長(当時)と裏取引をおこなったという情報も流れていた》。
『●アベ様政権は大阪地検特捜部長を函館地検検事正に昇進させ、
「森友問題の幕引きを一気に図る魂胆」』
『●《安倍政権にはどうしても、官邸に近い黒川氏を検察トップに据えたい
訳がある…検察が政権に私物化されれば、「首相の犯罪」は…》』
『●アベ様により法治主義国家でなくなってしまう日…《与党の議員は
自分たちが独裁政治の中のユーゲントであることに気付いていない…》』
日刊ゲンダイの記事【森友問題で自殺職員が名指し 財務官僚「全員栄転」の仰天】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/270795)によると、《特に火がつきそうなのは、赤木さんが名指しで批判した財務官僚が、シレッと「栄転」を果たしていることだ。赤木さんが「刑事罰、懲戒処分を受けるべき者」と記したのは、佐川宣寿元国税庁長官(62)以下、財務省本省所属だった6官僚。いずれも、2017年2月以降、赤木さんが所属していた近畿財務局に改ざんを指示した人物だが、6人中5人の栄転が確認できた。さらに当初、改ざんを拒否していた近財内部に対し「全責任を負う」と言ってゴーサインを出したとされる美並義人近財局長(59)には、東京国税局長と“花道”ポストが用意された。全員、公文書改ざん問題を受け18年6月に懲戒処分されたにもかかわらず、出世街道を爆走しているのだから驚くしかない(別表)。…さらに不自然なのは、全員が本省を離れ、改ざん当初の所属先とはほぼ関係のない部署に移っていること。理財局総務課長だった中村稔氏(53)に至っては駐英公使と、財務省とは全く無関係なポストに就いた。国会招致逃れのため、経産省から在イタリア大使館の1等書記官となった元昭恵夫人付職員の谷査恵子氏のケースが思い浮かぶ。「内閣人事局」を通じて省庁の幹部人事を握る安倍官邸が、再び招致逃れのため、“キーマン”を本省から切り離した可能性も考えられる》。
まったく、デタラメである。恥を知るべきだ。この記事中の表【財務省「栄転6官僚」】(https://c799eb2b0cad47596bf7b1e050e83426.cdnext.stream.ne.jp/img/article/000/270/795/667496fb4e620998699c2d0a6f80088b20200323120329666.jpg)の内容は以下の通り。(1)は「改ざん開始時(2017年2月)の役職」、(2)は「栄転後の役職」。
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佐川宣寿氏
(1)理財局長
(2)国税庁長官(18年3月に退職)
中尾睦氏
(1)理財局次長
(2)横浜税関長(19年7月就任)
中村稔氏
(1)理財局総務課長
(2)駐英公使(19年8月就任)
冨安泰一郎氏
(1)国有財産企画課長
(2)内閣官房内閣参事官兼情報通信総合戦力室参事官(19年7月就任)
田村嘉啓氏
(1)理財局国有財産業務課国有財産審理室長
(2)福岡財務支局理財部長(17年7月就任)
美並義人氏
(1)近畿財務局長
(2)東京国税局長(19年7月就任)
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東京新聞の記事【<新型コロナ>首相会見なし 「森友」追及避ける思惑か】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/202003/CK2020032102000151.html)によると、《自粛や休校要請を巡っては、休業を余儀なくされた人たちへの補償など政府対応が後手に回ったことへの批判が続出。首相は二月二十九日の記者会見で「十分な説明がなかった」と認めており、政府高官は当初、三月十九日の専門家会議の見解を受けて「首相が会見することになると思う」との見通しを示していた。だが「森友」問題で、決裁文書の改ざんを強要されて自殺した財務省近畿財務局の男性職員の妻が国などを提訴し、安倍政権の責任が再び問われる事態に発展。政権幹部は「記者会見だと、コロナと関係ないことも聞かれる。対策本部会合で語ればいい」と、記者会見なしの背景に「森友」問題があることを示唆した》。
頭、おかしいのでは? アベ様もウルトラ差別主義者の財務相もマトモな記者会見を開き、国会でも答え、責任を果たすべき。いますぐ、時間無制限・更問い可で総理会見を開くべきだ。
『●新聞労連・南彰中央執行委員長による声明【オープンな
首相記者会見を求める】…「質問をする機会はすべての取材者に…」』
『●記者会が仕切り役を取り戻し、《総理会見では更問い(追加質問)が
できないので、結局、総理の言いっ放しになってしまう》ことの改善を』
「阿部岳さんらが《「おかしいでしょう!」「これが記者会見と
呼べますか」などと怒号が飛ぶ事態》《「まだあります!」》
…とてもよかった。改善の一歩。でも、アベ様が、緊急事態宣言という
凶器を振り回し、報道統制でもされたら…もっと問うてほしかった。
アベ様の回答に、さらに問う機会が欲しい。《重ねて聞く
「更問(さらと)い」もなく、丁々発止とほど遠い》《総理会見では
更問い(追加質問)ができないので、結局、総理の言いっ放しになって
しまう》。こんな当たり前のこともできない、アベ様や最低の官房長官の
会見って、いったい何? 《だからこそいま必要なのは、今回、
記者たちが会見延長に追い込んだように、この対応が他国と比べて
いかに酷いものなのか、国民を馬鹿にしきった態度なのだということを、
メディアが伝えて正させることなのだ》」
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【https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202003210000102.html】
コラム
政界地獄耳
2020年3月21日9時28分
麻生も財務省も検察も同罪
★首相・安倍晋三が「完全な形」で行うと言い張る東京オリンピック(五輪)・パラリンピックも事態が変わったり、世界の動向や判断が変われば、簡単に「新しい判断」とか「異次元の」とかいって前言撤回を繰り返す。簡単にしのげると思っているだろう。今までもそうやって急場をしのいできた。無論、その手法で事態を切り抜け長期政権を担ってきたのだから功を奏した部分もあったのだろう。
★だが、森友学園事件は公務員に文書を改ざんさせ国会で虚偽答弁するなど、誰のために何をまげて何を守ったかという問いに全く答えなかった事件だ。近畿財務局で尻ぬぐいをさせられた善良な公務員の手記が公表された翌19日、国会では公文書管理をつかさどる規制改革・地方創生相・北村誠吾が会見で「さらなる調査の必要が現時点であるかということについては、私はそのようには考えていない。副総理兼財務相・麻生太郎も給与の返納などをなされたと承知している」と答えた。
★野党は、財務省が18年6月に公表した調査報告書と手記の内容が異なるとして再調査を求めたが、同省は「(双方の内容に)大きな齟齬(そご)はない」として拒否した。参院財政金融委員会で答弁に立った麻生は「役人にすべての責任を負わせるわけにはいかない」と答え、参院総務委員会で答弁に立った首相は「財務省で事実を徹底的に調査し明らかにした。検察当局による捜査も行われた」と説明した。
★17年2月17日、「私や妻が関係していたということになれば、私は間違いなく総理大臣も国会議員も辞める」と国会で豪語し、その直後の24日に財務省理財局長・佐川宣寿(当時)が「交渉記録は破棄した」と言い出したところから国を挙げての隠蔽(いんぺい)が始まったといえる。麻生にも財務省内にも場合によっては検察内部にも首相夫妻を助けるためにさまざまな改ざんをした「自分たちはこの件の犠牲者だ」という思いがあるのだろう。だが、要求を拒否せず関与した時点で同罪だ。犠牲者でも被害者でもない。(K)※敬称略
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[●『新聞記者』(望月衣塑子著)…《ひとつずつ真実を認めさせて、さらに裏を取っていくこと―――》↑]
レイバーネットのコラム【木下昌明の映画の部屋『新聞記者』/日本にもようやく生まれた反権力映画~藤井道人監督『新聞記者』】(http://www.labornetjp.org/news/2019/0621eiga)。
《が、映画は必ずしも望月の本をなぞったものとなっていないし、主人公の記者も、望月を暗示したものとなっていない。本とは独立した一種のミステリーふうのサスペンスといった趣を呈している。わたしはそこがいいと思った。内容は『東京新聞』ならぬ『東都新聞』が主な舞台。何者かから送られてきたファックスで社会部が沸きたつ。(木下昌明)》
木下昌明さん《あの黒く目隠しされた羊は何を意味しているのか。実は何も知らないで日々を送っているわたしたちのことではないのか?》 「アベ様の政で唯一〝上手く行っている〟メディアコントロール…」であるからこそ、見ておくべき映画のようです。《日本新悲劇の座長》(星田英利さん)な裸のアベ様とその悪政について、《実は何も知らないで日々を送っている》「与党自公や癒党お維を支持している「1/4」の皆さん、国会や政治に興味もなく、選挙に行きもしない眠り猫な「2/4」の皆さん」、他の批評家の方によると《本作は現政権の、現在進行中の未解決事件を映画化した点で前代未聞》だそうですよ。
木下昌明さん《本とは独立した一種のミステリーふうのサスペンスといった趣》だそうです。《日本にもようやく生まれた反権力映画》とも。望月衣塑子さんの原作は原作で、とても面白く、《反権力》《政権をチェックしようという意識が…》感じられますので、是非、読んでみて下さい。
『●『新聞記者』(望月衣塑子著)読了…《ひとつずつ真実を
認めさせて、さらに裏を取っていくこと―――》』
「日本テレビや朝日新聞、TBS、下足番新聞への転職…《清水潔さん…
「東京新聞で記者を続けたほうがいいんじゃないかな」》
《転職に初めて意見を言った父 …返ってきたのはあまりにも
意外な言葉だった。「お父さん、読売だけは嫌なんだよ」
父が切なそうに訴えてくるのを、初めて聞いた》」
『●アベ様の政で唯一〝上手く行っている〟メディアコントロール…
「一人でも権力に立ち向かう」とはいうものの…』
『●【<金口木舌>権力はうそをつく】《イラク戦争…
大量破壊兵器の保有は後に捏造だと明らかになった》』
『●《安倍派のライバル候補に対する選挙妨害を
反社会勢力にも通じる人物に頼》む…なぜに報じられないの?』
『●《テンチョンニュース》で決して報じない
《安倍さんが直接関わった疑惑。民主主義の根幹を壊す犯罪行為》』
『●暴言連発「あなたに答える必要はありません」
「ここは質問に答える場所ではない」「その発言だったら、指しません」』
『●『官邸ポリス』と監視社会・警察国家と前川喜平さん…
映画『新聞記者』と現独裁政権批判と望月衣塑子さん』
監督や俳優の皆さん、全ての関係者の皆さんに、敬意を表します。
『●『佐高信の新・筆頭両断』読了(2/2)』
『●成田三樹夫さん、《権力にへたへたする役者じゃ意味がない。
…バカがどんどん図にのるんだよ、ハハハ》』
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【http://www.labornetjp.org/news/2019/0621eiga】
木下昌明の映画の部屋『新聞記者』
●木下昌明の映画の部屋・第254回『新聞記者』
日本にもようやく生まれた反権力映画
深夜の東京、ある新聞社のがらんとしたフロアのファックスに、両目を黒く塗りつぶした羊の絵が送られてくるシーンからはじまる――藤井道人監督の『新聞記者』は、政権の陰謀を暴露したフィクションである。
これをみて、わたしは日本にもようやく反権力の映画がつくられたか、という思いを抱いた。羊の導入部からどんな展開になるかワクワクしながらみていたが、期待にたがわぬ作品になっていた。
映画の原案は、同名の本(角川新書)をかいた『東京新聞』の望月衣塑子記者と、この映画のプロデューサー河村光庸の2人によるもので、脚本は詩森ろばのほか藤井監督と高石明彦の3人が当たっている。が、映画は必ずしも望月の本をなぞったものとなっていないし、主人公の記者も、望月を暗示したものとなっていない。本とは独立した一種のミステリーふうのサスペンスといった趣を呈している。わたしはそこがいいと思った。
内容は『東京新聞』ならぬ『東都新聞』が主な舞台。何者かから送られてきたファックスで社会部が沸きたつ。羊の絵を表紙にした大学院大学の建設についての分厚い資料だったからだ。誰がなんのために? 大学新設にくわしい政府官僚がリークしたものか? 社会部ではこのナゾを探ることになり、デスクから吉岡エリカが担当に指名される。
この吉岡が主人公となるのだが、それを演じるのがなんと韓国女優のシム・ウンギョ。シムといえば、5年前に韓国映画の『怪しい彼女』の主人公を演じて一躍その名を馳せた若い女優である。70歳の老女が、ある日突然20歳の娘に若返って歌ったり踊ったり恋をしたり。これが絶品のロマンティックコメディーで、わたしは彼女にみとれて恥ずかしながら何度もみている。
そんな彼女にはたしてこんなシリアスなドラマの主演がつとまるのか。それも官房長官を前に早口で質問をあびせた望月のようなマネができるのか、とハラハラしながらみた。が、シムの記者役は、もっぱら取材・調査活動なので、官僚たちを追いかけたり、パソコンで調べたりの仕事である。また、望月の記者人生とは違って、吉岡のそれはアメリカ生まれのアメリカ育ちで、母が韓国人で日本人の父とアメリカで出会って結婚した設定になっている。
では、そんな彼女がなぜ日本の新聞記者となったのか――それは彼女の父も新聞記者で、日本で首相がらみの不正融資事件をスクープしたものの「誤報」に仕立てられてメディアから叩かれ、自殺に追い込まれた。その父の死の真相を探るために日本で記者となった。それが彼女の内にひめた動機であり、取材する彼女の執念ともなっている。
その点、望月のほうは日本生まれの日本育ちで、アメリカに留学体験はあるものの父は日本の業界新聞の記者であり、がんで亡くなっている。望月の本には、彼女がいかにして新聞記者になったのか、その経緯がかなりの比重を占めていて、望月を人気者にした菅官房長官への質問の裏側もかかれている。それによると、彼女は子ども時代演劇少女で、質問のときなどその演劇で学んだことが功を奏したと語っている。そうか、あの菅を相手に延々と質問をつづけた度胸は演劇でつちかったものなのか、と納得できた。
わたしが望月の本で特に共感したのは、彼女が最後のページで、ガンジーがいったという一文「世界を変えるためにではなく、世界によって自分が変えられないようにするため」云々をモットーに自分を戒めていることである。そこにわたしは彼女の強い意志のありかをみた。そして映画では、父の無念を背負った吉岡が「誰よりも自分を信じ、疑え」をモットーに官僚たちに執拗に食い下がり、自宅まで押しかけるくだりに彼女の記者魂をみることができた。
なお、望月の本には出ていないが、映画にはもう一人重要な人物が登場する。それは日本映画ではよく知られた松坂桃李が主演していることだ。かれは内閣情報調査室(内調)の若手官僚の一員としてパリッと背広を着こなしていた。彼の名は杉原拓海で、この杉原の内調と吉岡の新聞社会部とを交互にとらえている。が、新聞社のほうはふつうのカラー画面なのに、内調のほうはブルーがかった色調に切り換わっている。新聞社のほうはいろんな資料で雑然としているが、内調のほうは多くの人々がいるのに整然としている。これによって画面が矢つぎ早に転換しても、観客には二つのフロアの違いが見分けられる。
そして内調の別室には、ベテラン脇役の田中哲司が演じる内閣参事官がポツンと座って、上から電話指示を待っている。ちょっとこちらの方はSF映画のふんいきを漂わせている。そこで、内閣にかかわる報道がニュースで流されてくると、直ちにありもしない現実をつくり出すよう部下に指示する。平然と白を黒といいくるめる参事官の態度にはあきれてしまう。しかし、実際に国会での官僚の答弁をテレビで視聴していると、これらの画面がリアルティーをもって迫ってくるからふしぎだ。ウソをホントにみせかける日本がここからうまれてくる――と映画は訴える。
こうして新聞(メディア)と内調(権力)との真実と虚偽のせめぎ合いの構図が浮かび上がってくる。同時に、この葛藤が日本の中枢部である東京のど真ん中で行われていることを示すために、高層ビルの林立した昼と夜の全景も切りとってみせる。また直接の現場はほとんど国会周辺で、議事堂や総理官邸前の歩道が何度か出てくる。ここらは3・11以降、わたしにとってなじみの場所だ。ここで吉岡は官僚らを待ちかまえて取材している。それをみている観客は、いつしかいっしょに新設大学事件を追いかけるような気分になっていく。
が、彼女の追いかける官僚の一人が、ビルの屋上から投身自殺をとげる。彼女はそれに衝撃をうけ、首吊りした父の死と重ね、何か似ていると。その自殺した官僚は杉原の外務省時代の尊敬する上司でもあった。杉原は、自殺の前にかれから「おれのようになるなよ」と忠告されていた。そのかれの死とともに、かれが内調によってマークされていたことを知る。この自殺は、現実にあった森友学園事件で「改ざん」をしいられた財務局の職員のケースを彷彿させる。
映画は全体に抑制した静かな画面ながら緊迫の連続で目が離せない。吉岡と杉原の交互に映される短いクローズアップのショットにも観客はぐいとひきこまれよう。政権の陰謀がのぞきみえてくるからだ。それは大学とは名ばかりの医療研究所を軍事利用に転用させようとしていることである。
ここではその点にふれないが、わたしは楠山忠之監督の『陸軍登戸研究所』(06年)のドキュメンタリーを想起した。そこでは細菌兵器の製造や動物ばかりか人体実験まで行われていた。また森村誠一の『悪魔の飽食』(光文社のちに角川書店)で告発した石井四郎率いる731部隊の非人道的所業を思い出した。映画をみていて、いまの政権が、かつての日本軍と同じことをやろうとしているのか、とおぞましく感じた。
これは単なるフィクションと願いたいものだが、そんな思いとは裏腹に、現実の動きと照らし合わせてみるとなかなかリアルなのである。文科省が不要だといっていた獣医学部をなぜ設置するのかのナゾもこれでとけた。
あの黒く目隠しされた羊は何を意味しているのか。実は何も知らないで日々を送っているわたしたちのことではないのか?
※6月28日より東京・新宿ピカデリーほか全国公開
〔追記〕これは『月刊東京』の5・6月号より転載したものです。転載にあたって一部をカットしました。
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[※ 《#ケチって火炎瓶》「選挙妨害を暴力団に発注」した方は、素直に挙手願います!(東京新聞2018年8月27日)↑]
日刊ゲンダイのコラム【金子勝の「天下の逆襲」/「安倍さんしかいないのかなぁ」は無力化ポピュリズムの罠】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/246433)。
《しかし、安倍のポピュリズムは大衆をあおって動員するタイプではない。安倍は弁舌で聴衆を引きつける能力がないからだ。では、その特徴は何か。自民党の衆院比例代表の絶対得票率は2割に満たず、総得票数は2000万票にも届かない。それゆえ、有権者に政治への期待を放棄させ、投票率を下げることに力を注ぐ》。
「1/4の自公お維キト支持者と2/4の選挙にも行かない眠り猫な有権者の皆さん」が作りだすアベ様独裁。
『●《安倍政権は、あたしたちが望んでいないことばかりを進めていく
…多くの人間が不幸になるものばかりだ》』
日刊ゲンダイの記事【アベノミクスは完全破綻 問われる異次元緩和の落とし前】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/246685)によると、《もう、この国は終わっているのかも知れない。改ざん、隠蔽、偽装と政権内に不正がはびこり、そのトップは息を吐くように平然と嘘をつく。何から何まで信じられない国に未来はない。毎月勤労統計の不正による「賃金偽装」について、厚労省はついに、2018年の…》。
「1/4の自公お維キト支持者と2/4の選挙にも行かない眠り猫な有権者」以外の皆さんはとっくの昔に気付いているのになぁ。如何に投票率を上げ、「1/4の自公お維キト支持者と2/4の選挙にも行かない眠り猫な有権者」の皆さんに与党・自公や癒党・お維キトを見限らせ、野党に投票してもらうか。「安倍さんしかいないのかなぁ」なんて正気でないことに、いい加減に気付いて下さい。《ひとつは、人々を諦めさせる強引な手法を続けることだ。いまひとつは、都合の悪い文書やデータを平気でゴマカし、マスコミに圧力をかけて批判を封じることである》、《無力化を招く負のポピュリズム》《弁舌で聴衆を引きつける能力がない》アベ様独裁。…騙されるな、負けるな。
マガジン9のコラム【柴田鉄治の「今月の論点」——新聞、テレビを斬る/第21回:「平成の終わる年」明ける】(https://maga9.jp/190130-3/)によると、《安倍首相が平気で嘘をつく人であることは、その後の「もり・かけ疑惑」で次々と明るみに出た。森友学園事件で「私や妻が少しでもかかわっていたら総理だけでなく議員も辞める」という大嘘に始まって、加計学園事件では「加計学園から獣医学部新設の申請が出ていることは、それを決めた17年2月15日まで知らなかった」という嘘が有名だ》。
実行されない「2017年2月17日はアベ様のタンカ記念日」。一体いつになったら、あの啖呵・大見得は実行されるのだろうか。
『●すべては「2017年2月17日はアベ様のタンカ記念日」に始まった
…五日後の「秘密会議」に太田充氏も』
『●国家戦略特区諮問会議議長・アベ様、そりゃぁ~ないでしょ!
質問主意書による「急な質問」?』
『●国家戦略特区諮問会議議長・アベ様は、
2017年1月20日まで、オトモダチの関与を知らなかった?』
『●加計学園を巡る「狸賽」イカサマ話…「悪巧み」しておいて
「2017年1月20日まで…知らなかった」?』
『●タンカ記念日と15年「「獣医学部いいね」と安倍さんが言ったから、
2月25日は加計記念日」で滅公奉僕』
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【https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/246433】
金子勝の「天下の逆襲」
「安倍さんしかいないのかなぁ」は無力化ポピュリズムの罠
2019/01/30 06:00
(都合の悪いことは平気でゴマカし、世論反発法案は強行採決
(左は、英原発計画凍結会見をする日立製作所の東原社長)
/(C)共同通信社)
ポピュリズムが世界を席巻している。トランプ米大統領が代表格だが、その主張は安倍首相にも通じる。しかし、安倍のポピュリズムは大衆をあおって動員するタイプではない。安倍は弁舌で聴衆を引きつける能力がないからだ。
では、その特徴は何か。自民党の衆院比例代表の絶対得票率は2割に満たず、総得票数は2000万票にも届かない。それゆえ、有権者に政治への期待を放棄させ、投票率を下げることに力を注ぐ。それには2つのやり口がある。ひとつは、人々を諦めさせる強引な手法を続けることだ。いまひとつは、都合の悪い文書やデータを平気でゴマカし、マスコミに圧力をかけて批判を封じることである。
安保法、共謀罪法、改正入管法など、世論の反発が強い法案は強行採決を繰り返す。辺野古移設問題でも民意を無視して土砂投入を強行する。こうして人々に「またか」と思わせ、諦めさせる。他方で、検察は東芝の不正会計問題でも東京電力の原発事故でも誰も起訴せず、大臣の腐敗は黙殺し、居直りを続けさせる。しかし、森友学園の籠池夫妻のように反発する人間は人質司法で代用監獄に閉じ込め、徹底的に潰しにかかる。
つぎは、公文書や政府統計まで改ざんする。財務省や国交省が森友疑惑の公文書を、働き方改革関連法案を巡っては厚労省が調査データを改ざんした。そして毎月勤労統計でも恣意的操作を行った。これでは何が起きても公文書や統計を変えてしまえば、政府は責任を問われることはない。
原発セールスも対ロ、対北朝鮮問題、日米貿易交渉でも何ひとつ成果を上げていないが、メディアは「外交の安倍」キャンペーンに協力し、“やっている感”だけの印象操作が横行する。
しばしば警鐘が鳴らされるのは、ナチスのヒトラーが用いた動員型ポピュリズムに引きずり込まれ、社会がファッショ化する道である。しかし、無力化を招く負のポピュリズムも同じ結果をもたらす。民主主義的な手続きは徹底的に破壊され、公文書や政府発表データは虚偽で大本営発表化する。気がついてみると、この国は引き返せないところまで来てしまった。脱力化のポピュリズムの危険性について正しく認識することが必要だ。
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[※ 自公選挙公約「子育て…」小躍りするアベ様…日刊ゲンダイ(2017年12月19日)↑]
マガジン9の鈴木耕さんのコラム【言葉の海へ/第26回:壊れゆく国の片隅に(鈴木耕)】(http://maga9.jp/180321-5/)。
《政治がひどいことになっている。次から次へと、公文書の隠蔽だの、改竄文書だの、データのデタラメだの、政治家の圧力だの、官僚のごまかし答弁だの、政権幹部の開き直り放言だの、頭は下げない謝罪だの、疑惑のあの人の逃亡だの、与党議員の目も当てられないヨイショ質問だの、もう何が何だか分からない。…困った国になってしまった。各社の世論調査が出てきた。そろって、安倍内閣支持率の急落を告げている。街には「安倍退陣」「麻生辞めろ」「安倍内閣総辞職」の風が吹き始めた。ぼくも、そう叫ぶ》。
《警官隊の異常な警備が抗議参加者たちを抑圧》《安倍政権が危うくなると警備が危険なほど横暴になる》…沖縄では、それがずっと続いている、相当に異常な状況。「本土」は見て見ぬふり。
五月雨式に起こっている、アベ様に係わる諸問題。鈴木耕さんのによるそのまとめ。結論は、《街には「安倍退陣」「麻生辞めろ」「安倍内閣総辞職」の風が吹き始めた。ぼくも、そう叫ぶ》。「2017年2月17日はアベ様のタンカ記念日」が公文書「書き換え」という名の「捏造」=犯罪の引き金たなった訳ですが、この1年間の何という酷さ。
『●有印公文書偽造=決裁文書書き換え…
「行政府の長」と財務相が責任をとるべき大変な犯罪』
『●決裁文書書き換えという犯罪…「最低の官房長官」が
沖縄に向けて言い放った「法治国家」を取り返さねば』
『●「有印公文書偽造=決裁文書書き換え」朝日新聞大スクープ
…その直度にアベ様らのやっていたこと』
《意に沿わない人物は潰す――。“人格攻撃”された前川前次官が
いい例だが、安倍政権のやり口は、まさに恐怖政治ではないか》
《結局、目的は “犯人”を黙らせることでしょう。内部告発者を潰すことは、
国民の知る権利を侵害し、民主主義を破壊する行為》
『●「2017年2月17日はアベ様のタンカ記念日」からの
この1年間の無駄…泥縄で有耶無耶にするつもり?』
『●「2017年2月17日はアベ様のタンカ記念日」が
公文書「書き換え」という名の「捏造」=犯罪の引き金』
『●元祖?・有言実行されない大見得・啖呵
《報道がそれで抑圧される、そんな例があったら私は辞める》』
『●「国が壊れ、どんどん落ちぶれていく…
「国難」を叫ぶ人こそが、「国難」の中心にある…」(久原穏さん)』
『●辺野古高江裁判とヒラメ…《「人権のとりで」としての司法が
その役割を果たさず、行政と一体化すれば…》』
『●それぞれの「面従腹背」…《官僚は…政治家は
尊重しなければならないが、魂までは明け渡してはならない》』
『●「粉飾された「美しい国」」…
「「夫人、ひいては首相の顔をつぶすわけにはいかない」という恐怖政治」』
オトモダチ「利権」まみれ…《この国でもっとも「利権」から遠い生活保護受給者の暮らしがまた脅かされる》(雨宮処凛さん)。壊れた国、非民主主義国、《日本国憲法が規定する…などを実現していく政治》を否定するアベ様。
同誌のコラム【雨宮処凛がゆく!/第441回:金沢市役所の刺傷事件と、生活保護打ち切り。の巻】(http://maga9.jp/180321-2/)によると、《どのような理由があろうとも、人を傷つける行為は決して許されることではない。そのようなことを前提にしつつも、一方で思うのは、「生活保護打ち切り」は、当人にとっては死の宣告に等しいということだ…「生活保護打ち切り」が当事者にもたらす絶望の深さ…森友問題では「首相夫人」の一声があれば魔法のように巨額のお金が動くらしいのに対し、この国でもっとも「利権」から遠い生活保護受給者の暮らしがまた脅かされる》。
『●弱い者イジメ…「『低所得世帯の生活水準が下がった』なら、
『貧困は改善』は嘘で、アベノミクスは失敗」』
《志位委員長の質問が、素晴らしかった…「今回の生活保護削減予算は
160億円。米軍への『思いやり予算』など米軍経費の来年度の
増加分195億円をあてればおつりがきます。
政府がまず思いやるべきはどちらなのか?」》
「《誰のための政治なのですか。誰のための税金なのですか。
税金は安倍総理のポケットマネーではありません》!
《日本国憲法が規定する生存権、表現の自由、幸福追求権、
個人の尊重、法の下の平等などを実現していく政治》を否定する
アベ様ら、与党や癒党を支持する人達って、一体何を考えているの?
《政府がまず思いやるべきはどちらなのか?》、
彼/彼女らは答え得るのか?」
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【http://maga9.jp/180321-5/】
言葉の海へ
第26回: 壊れゆく国の片隅に(鈴木耕)
By 鈴木耕 2018年3月21日
異常警備の裏で
政治がひどいことになっている。
次から次へと、公文書の隠蔽だの、改竄文書だの、データのデタラメだの、政治家の圧力だの、官僚のごまかし答弁だの、政権幹部の開き直り放言だの、頭は下げない謝罪だの、疑惑のあの人の逃亡だの、与党議員の目も当てられないヨイショ質問だの、もう何が何だか分からない。
そりゃ怒るよ、みんな。だから国会前は言わずもがな、新宿駅前デモでも人が溢れ、全国各地で続く安倍抗議集会やデモの数は日増しに増えて盛り上がっている。だが、それに呼応するように、警官隊の異常な警備が抗議参加者たちを抑圧している。
どうも、安倍政権が危うくなると警備が危険なほど横暴になる、という相関関係があるらしい。あの安保関連法や秘密保護法のときにそうだったように、いやそれ以上に、このところの警備のやり方はひどい。
沖縄の高江ヘリパッド反対運動のときも、その高揚を抑えつけるために全国各地の機動隊を動員して、抑圧や暴言(例の「土人発言」はこのときのもの)を繰り返した、という例がある。
国会前では、意味もなく参加者の列を分断し、狭い場所へ無理やり押し込める。国会議事堂前の地下鉄駅のほとんどの出入り口を封鎖し、せっかく来た人たちを外へ出さない。やっと外へ出ても、デモの場所(官邸前や国会正門前)にはたどり着けないように、大まわりの道へ無理やり誘導する。当然ながら参加者数は減る。
ではタクシーでと、国会前に乗り付けても、なんだかんだと妙ないちゃもんをつけて直接デモ会場へは通さない(これは、ジャーナリストの山崎雅弘さんと布施祐仁さんのツイートだが、同じような報告がツイッター上には溢れている)。
なんとしてでも、デモ参加者数を少なく見せたいという魂胆なのだろうが、それは安倍官邸からの指示なのか、それとも警察官僚による「安倍忖度」なのか? デモ参加者に恐怖感を植え付けて、もう参加しないという気持ちにさせるのが目的なのか?
もはや、この国にはデモの自由さえなくなりつつある。
国会前など、行ってみればよく分かるけれど、初めて来ましたと言う若者や、仕事帰りのスーツ姿のサラリーマン、いても立ってもいられなくてと言うママ連、それにとても屈強な警官隊になど太刀打ちできるわけもない高齢者など、強権で抑えつけなければならないような集団では決してない。それでも巨大な参加者数を報じられるのを、安倍政権は恐れているのだろう。ひたすら警備による分断と押し込めで、参加者数を少なく見せようとしているのだ。支持率にひびくからだ。
異論を許さない。反対する者は叩き潰す。最後は暴力を持ってでも押し通す。これがこのところの安倍首相のやり方ではないか。
許しておいては「民主主義」など死ぬ。亡くなった俳人の金子兜太さんが揮毫してくれたように「アベ政治を許さない」を実現しなければ、民主主義どころか、この国は壊れてしまうだろう。
『この世界の片隅に』という映画をもじっていえば、ぼくらはいま「壊れゆく国の片隅に」生きている。なぜ「壊れゆく国」なのか? 最近の事例は枚挙にいとまがない。
◎自衛隊日報隠蔽事件
ジャーナリスト布施祐仁さんが掘り起こした、南スーダンの自衛隊PKO(国連平和維持活動)の日報が、なぜか隠蔽されていたという事実。これは2017年2月に問題化し、稲田朋美防衛相のトンチンカンな釈明とウソが火に油を注いで、収拾不能に陥った。安保関連法で、むりやり「駆けつけ警護」をPKO任務に追加したことも、問題を複雑にした原因だった。
稲田氏は日報にあった「戦闘行為」をなんとか「武力衝突」と言い換えて逃げようとしたが、ことは収まらず、ついには安倍首相も「初の女性首相候補」とベタ可愛がりしていた稲田氏を更迭せざるを得なかった。
文書隠蔽とか改竄などが表沙汰になったのは、このころからではないだろうか。
◎働き方改革と裁量労働制
これもそうとうにメチャクチャ。しかも、きっかけは安倍首相本人。安倍氏が裁量労働制をとにかく成立させようとして「裁量労働をなさっている方のほうが、そうでない方たちよりも労働時間が短いというデータもある」と言い放ってしまったのが発端だった。
野党が「裁量労働では、かえって労働時間が長くなるのではないか」と詰め寄ったのに対し、「自分の裁量で労働時間を決めることができるような働き方になれば、労働時間短縮につながるというデータがある」とデータを示して突っぱねた。だが、このデータがまったくのデタラメだった。
「1日15時間の残業」などというデータまで出てきてしまった。これでは1日23時間働いたことになる。いつ寝るのか、と詰め寄られて厚労省は真っ青。こんなデタラメデータがつぎからつぎへと暴露され、安倍首相、ついには今国会の目玉法案のひとつだった「裁量労働制」を働き方改革法案から削除してしまった。だが、財界が固執する同じような制度の「高度プロフェッショナル制度」だけは、なんとしてでも通したいらしい。
デタラメ文書大売り出しの始まりである。
◎加計学園問題
これはいわゆる「安倍お友だち優遇」の最たるものだろう。加計孝太郎氏と安倍晋三氏は同じ留学仲間、今でも「腹心の友」の関係だという。その加計孝太郎氏が計画した「獣医学部」認可に、妙な配慮が働いたのではないか、という疑惑だ。「首相のご意向」なる文書が出たが、菅官房長官は「怪文書みたいなもの」と一蹴。自分たちに都合の悪いものは「怪文書」と切り捨てるという菅氏の定番記者会見。
同じように獣医学部を申請しようとしていた京都産業大学が諦めた経緯も不可解であり、そこに何らかの政治的力学が働いたのは確実だ。
権力者と近しいものが事業上での利益を得るということになれば、そこに腐敗が生じるのは歴史上の真理である。それなのに、利益を得たと疑われる加計孝太郎氏は一切出てこない。もし何もやましいことがないのなら、さっさと出てきて事実を淡々と語ればいいだけの話。それをまったくしないのだから、疑われても仕方ない。
森友の件に加えて、次はここが火元になる。
◎山口敬之レイプ事件のもみ消し
これも「安倍お友だち案件」である。いまさら言うまもないが、山口元TBS記者は、安倍ベッタリ番としてよく知られていた。一緒に飲み食いはもちろん、結婚式にまで出席していたともいう。安倍ヨイショ本の著者としても有名で、問題発覚以前はテレビの政治コメンテーターとして各局で引っ張りだこだった
そのベッタリ友だちが、伊藤詩織さんレイプ事件の犯人として逮捕状まで出されていたのに、なぜか拘束寸前で中村格警視庁刑事部長(当時)の命令で逮捕は免れた。実はこの中村氏は、かつて菅義偉官房長官の秘書官を務めており、安倍首相とも親しかったことが分かっている。つまり、安倍首相のお友だちジャーナリストが起こした事件を、安倍首相の子分の警察官僚がもみ消した、という構図なのだ。
◎森友学園事件
もう連日の報道で、耳タコだろうけれど、これはほんとうにひどい“事件”だ。300カ所にもわたって重要書類、公文書が勝手に改竄されていたなどということは、前代未聞の大政治スキャンダルだろう。いつもは威丈高に朝日新聞の悪口を国会の場でも言い募る(まことに下品な)安倍首相も麻生財務相も、さすがに朝日批判を封じてしまった。それだけ朝日新聞のスクープの信憑性を認めざるを得なかったわけだ。
この疑惑・事件の中身は連日の報道でよく分かっているだろうけれど、ここで露呈したのは、自民党議員たちの劣化の凄まじさだ。19日の参院予算委員会で質問に立った自民党の青山繁晴氏と和田政宗氏の呆れるほどの壊れっぷりが壮絶だった。
青山氏は「文書の中で安倍昭恵さんの『倍』の字が『部』に間違っていた。これは昭恵さんが客観的に見て重要じゃなかった証拠」と、何が何でも昭恵さんをかばう。一方、和田氏は太田理財局長に対し「太田さんはかつて民主党の野田総理の秘書官だった。だから安倍総理を貶めアベノミクスを潰すために答弁している」ととにかくすべてを財務省に押しつける。さすがにこれには太田氏、真っ赤になって語気を荒げ「いくらなんでもそれは、いくらなんでもそれは」と悲鳴のような声を挙げた。
自民党、上から下まで壊れている。
◎崩壊は司法にも
森友事件に関していえば、籠池夫妻の長期勾留も常軌を逸している。事の発端は、籠池氏の超右翼教育に安倍昭恵氏がいたく感激、感涙にむせんだというところから始まったのだ。それが安倍首相にも伝わり「籠池さんの教育理念には共鳴する」と、同じ極右同士の親近感を持ち、結果、安倍昭恵氏は新設予定の森友学園の小学校の名誉校長に就任した。それが近畿財務局や本省理財局の「忖度」に繋がっていったとしか考えようがない。
多分、籠池氏はもっと詳細な昭恵氏についての記憶を持っているに違いない。それをペラペラしゃべられたらたまらない。何が出てくるか分からない。籠池氏を、こんな混乱の渦中で釈放するわけにはいかない。それは安倍内閣がもっとも恐れることだ。だから籠池夫妻は、今の段階で釈放するわけにはいかない。
これが、2017年8月21日の逮捕以来、7カ月にも及ぶ籠池夫妻の長期勾留の理由であるに違いない。彼らの家も幼稚園も徹底的な捜索を受けており、いまさら証拠隠滅の恐れも逃亡の理由もない。政治的理由の拘束をそのまま受け入れる司法もまた、壊れている。
同様の前例として、沖縄の辺野古米軍新基地反対運動のリーダー山城博治氏の長期勾留もある。彼もまた微罪で逮捕、5カ月間、拘留された。政治的弾圧であるとして、各国の人権団体や国連でも問題視され、ようやく釈放されたのだ。
政府に都合の悪い人を獄につなぐ。ネット右翼たちが口を極めて罵る中国や北朝鮮とどこが違うのか。
◎前川喜平・前文部事務次官の授業
これもイヤなニュースだった。2月に名古屋市の中学校で行われた授業の一環で、前川氏が講演したことについて、文科省がきわめて執拗な内容の問い合わせを、市教委にしたという“事件”だ。
しかもそこでは、前川氏の出会い系バーへの出入りだとか天下り人事の責任者だったことなどをあげつらっており、そういう人物の講演自体が問題であるかのような記述もあったという。まさに、教育への公権力の介入である。ほんの少し前まで自分たちの上司であった人物について、こんな内容の照会をするとは、官僚組織の冷たさを実感させられる“事件”だった。
ただし、少しだけホッとしたのは、この問い合わせに対する名古屋市教委と当該中学校の校長の態度だった。両者は毅然として「録音テープの提供要請は断った」としており、「前川さんとは事前にお会いして立派な方だという認識を持っていた」と語ったのだ。文科省の役人たちより、よほど立派だ。
この“事件”には背景があった。自民党のこれもネット右翼系議員2人(赤池誠章氏、池田佳隆氏)が、数回にわたって文科省に照会(要するに圧力)したのが原因らしい。文科省は「省自らの判断での問い合わせだった」と言い訳しているが、そんなこと誰も信じない。ここにも、安倍極右一強政治の最悪な影響が出ている。安倍内閣に刃向かうものは許さない。それを下っ端議員が行動に移した、という喜劇だ。
困った国になってしまった。
各社の世論調査が出てきた。そろって、安倍内閣支持率の急落を告げている。
街には「安倍退陣」「麻生辞めろ」「安倍内閣総辞職」の風が吹き始めた。
ぼくも、そう叫ぶ。
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[※ 自公選挙公約「子育て…」小躍りするアベ様…日刊ゲンダイ(2017年12月19日)↑]
週刊朝日のコラム【北原みのり「文書改竄、『真実』は作れない」】(https://dot.asahi.com/wa/2018032000030.html)。
日刊ゲンダイの記事【今井尚哉首相秘書官こそ改ざん問題で喚問すべきキーマン】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/225566)。
《自民党議員の中には、「今、国内で揉めている場合じゃない! 北朝鮮を見ろ!」みたいなことを言っている人もいるが、こういう安倍チルドレンが増殖しちゃったことが亡国の危機なんだよね…》。
《松井一郎大阪府知事はメディアに出てきていない。ちょうど1年前、籠池(夫)氏は証人喚問で「(松井知事に)特別な計らいをされた」「(それなのに)松井さんにはしごを外された」と言っていた》。
《真に喚問すべきキーパーソン…今井尚哉氏…安倍首相の信頼が厚く、官邸を取り仕切って“陰の総理”とも呼ばれる今井氏。佐川氏とは、省を超えて親しい同期入省組でもある…昭恵夫人付だった谷査恵子氏の上司が今井氏なのです。真相究明には、今井氏の証人喚問が不可欠》。
『●「国が壊れ、どんどん落ちぶれていく…
「国難」を叫ぶ人こそが、「国難」の中心にある…」(久原穏さん)』
北原みのりさんの言う《こういう安倍チルドレンが増殖しちゃったことが亡国の危機なんだよね》…本当に、そうだ。《「国難」を叫ぶ人こそが、「国難」の中心にある》。
このコラムのもう一つの注目点。それは、松井一郎大阪「ト」知事のこと。知らないかををし始めている、キーパーソンの一人はお維の現大阪「ト」知事。
『●「日本教育再生機構大阪」という「教育破壊」つながり…
「安倍首相を中心とする異様な翼賛と癒着の構造」』
《森友学園事件の背景には、安倍首相を中心とする異様な翼賛と
癒着の構造…やはり、どう言い訳したところで、
これは安倍首相自身の疑獄だ…安倍首相、松井知事、籠池氏――。
この3人を結びつけたのが、「日本教育再生機構大阪」だ》。
「《安倍首相、松井知事、籠池氏――。この3人を結びつけたのが、
「日本教育再生機構大阪」》という「教育破壊」つながりだった
ようです…《安倍首相を中心とする異様な翼賛と癒着の構造》。
《教育再生機構と日本会議、森友学園、維新の会、安倍政権は
一本線でつながる。というより、ほとんど一体化》。「日本教育再生機構」
「日本会議」「教育再生実行会議」…「ト」な会議、頭がクラクラします。
《これは安倍首相自身の疑獄》であり、さっさと、例の大見得・啖呵を
実践すべき。それともまたしても、御得意の息吐く様なウソ吐きですか?」
「松井知事は開き直り、橋下は話のスリカエ」。《“二枚舌政党”の正体》を、今こそ、明らかにすべきでは?
『●「ムジナ夫婦、狢マスコミ」、むろん、当然、お維もムジナ…
「松井知事は開き直り、橋下は話のスリカエ」』
「リテラの記事【国有地激安取得・森友学園と「維新」の癒着の証拠が
次々と! 松井知事は開き直り、橋下は話のスリカエ】…
《国有地の激安売却だけではなく、同園には差別文書の配布や
園児への虐待ともいえる対応にも批判が集まっているが、
稲田防衛相はそうした教育実態には問題を感じないらしい。そして、
それはこの男も同じだ。日本維新の会代表であり大阪府知事の
松井一郎である…だが、橋下の必死さは何かの裏返しだ。一体、
何を焦って何を隠そうとしているのか。「しがらみのない立場から
既得権益を打破」などと言いながら、維新がこの問題にどう関与
していたのか。今後、“二枚舌政党”の正体が明らかになるかもしれない》」
さて、《真に喚問すべきキーパーソン…安倍首相の信頼が厚く、官邸を取り仕切って“陰の総理”とも呼ばれる》今井尚哉氏…アベ様の最も信頼する最「側近」。官庁・行政とアベ様ご夫妻を結ぶ最重要人物。アベ様を核発電「麻薬」中毒漬けにした御人。消費税・財務省・経産省…それが、いま、今井氏が、アベ様オトモダチ問題でクローズアップ。今井氏は、もう一人のキーパーソンの一人《谷査恵子氏の上司》でもある。
『●原子力ムラ復権を易々と許していていいのか?』
《原子力ムラの動きの背後には、経産省が影響力を強める首相官邸がある。
安倍晋三首相の黒子役を務める首席秘書官は、経産省出身で
エネルギー庁次長も務めた今井尚哉(たかや)氏。首相の経済政策の
実権は、今井氏と経産省が握っている。
昨年七月。今年四月から消費税率を8%に引き上げるか迷っていた
首相は、税率を変えた場合に経済が受ける影響を試算することを決めた。
指示した先は財務省でなく経産省だ。
歴代政権の大半は「省の中の省」と呼ばれる財務省を頼ったが、
安倍政権は経産省に傾斜。その姿勢が原子力ムラを勢いづかせた》
『●高野孟氏の至言: 「安倍晋三首相と今井尚哉首席秘書官の関係」=
愚かな「裸の王様」」とその家臣』
「今井尚哉首席秘書官とは?…《首相の経済政策の実権は、
経産省出身でエネルギー庁次長も務めた今井尚哉氏と経産省が握っている》」
《彼は、自分の仕掛けたことが失敗だとは言えないから『成功した』
と安倍に囁き、マスコミにもそう書かせる。
安倍も自分が失敗したとは思いたくないので、今井の言葉や、
彼が切り抜いてきた新聞記事を信じようとする。2人で手を取り合って
幻想空間を遊泳しているかのようだ》
『●「死の商人」経団連会長人事…
《安倍首相は「儲からない」原発輸出に国民の血税を投入してバックアップ》』
《裏側で働いているのは、安倍晋三首相が最も信頼する側近の
今井尚哉総理秘書官を管制塔とする「原発を何としても生き残らせよう」
という陰険な戦略である。
今井ら経産省の原発ルネッサンス派の官僚は、東芝には
米ウェスチングハウス社の買収をけしかけて、結果的に東芝滅亡の原因を
つくったのだが、同じ時期、日立に対しては英ホライズン社を買収して
英国での原発ビジネスに参入するよう促していた。ビジネス的には
成り立たないことが分かっていても、「日英両政府が官民で3兆円を
投融資し、日立は実質1500億円の負担で済むからやってくれ」
という国賊的なプランを描いたのは今井だといわれている。
なぜこんなバカバカしい話がまかり通ったのかといえば、今井らは、
3・11にもかかわらず原発推進路線は間違っておらず、その証拠に
日本の原発技術は、こんなに世界各国に歓迎されていて巨大な利益を
生む可能性があるのだという「幻覚」を日本国民に植え付けたかった
からに違いない》
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【https://dot.asahi.com/wa/2018032000030.html】
北原みのり 「文書改竄、『真実』は作れない」
連載「ニッポン スッポンポンNEO」
北原みのり 2018.3.22 16:00週刊朝日 #北原みのり
(北原みのり(きたはら・みのり)/1970年生まれ。作家、
女性のためのセックスグッズショップ「ラブピースクラブ」代表)
(北原みのり氏は、「森友疑惑」での文書改ざん問題をどう見た?
(※写真はイメージ))
作家・北原みのり氏の週刊朝日連載「ニッポンスッポンポンNEO」。今回は、「森友疑惑」での文書改ざんについて。
* * *
取引予定の会社のHPを読んでいたら、「米国公益法人○○○協会の会員」と記してあった。米国公益法人って何?と気軽な気持ちでネット検索したのだけど、そういう名の協会は全くひっかからない。英語でもそれっぽいのは出てこない。由緒あるっぽい団体名だが、インターネットで何一つ情報がないというのは、かなり高い確率で存在していない……。急に胸がざわついてきた。まさかこんな嘘つくかな、と思いつつ、それとなく先方に確認すると、「その会は解散したんですよ」とのことだった。確かめようがないと分かっていることを堂々と切り返す姿勢に、灰色の疑いが黒に近づいてしまった。そうこうしているうちに、他にもいろいろ怪しいことが明らかになってきた。初めての打ち合わせで「前職は何だったんですか?」と聞いて「ちょっとユダヤ系で」と意味不明なことを言われた時に、は?と感じた違和を大切にするべきだったと思った。違和を封じてでも義理を通すと、私の場合は失敗する。
最初の一歩でついた嘘のつじつまあわせに、次第に嘘が重なっていき、そうするうちに本人たちも「何が真実か」どうでもよくなってしまうのだろうか。私はその会社と縁を切ればいいだけだけど、しかしこれが対政府だったら、やはりやりきれない。
財務省の文書改竄が明らかになった。今、この原稿を書いている時点で、松井一郎大阪府知事はメディアに出てきていない。ちょうど1年前、籠池(夫)氏は証人喚問で「(松井知事に)特別な計らいをされた」「(それなのに)松井さんにはしごを外された」と言っていた。あの時、松井氏は「当たるところは僕しかないのかなと思い、痛々しくかわいそう」と発言していたものだ。痛々しいだって! 神様はいる!とつい、にまにましながら天を仰いでしまう。まさにその言葉は今、松井氏自身に返ってきているじゃないか。
ネットには“彼ら”にとって不都合な過去が溢れている。森友学園が運営する幼稚園を訪問した昭恵さんが「(安倍総理は)どんな人ですか?」と園児に聞き、園児が「日本を守る人!」と答えてたり、「安倍総理大臣を応援してあげてくださいよ」と籠池氏が園児に語り、「昭恵夫人もがんばってください」と声を揃えていう子どもたちに「もう感動しちゃいました」と昭恵さんが涙目になる姿も残ってる。
解釈次第でいくらでも「真実」を作れると思っている人たちの「痛々しい」振る舞いが、次々に露呈している。1年前、「朝日新聞のねつ造だ!」とせせら笑っていた人々が今何を言うかも、ネットは全て記録していくだろう。自民党議員の中には、「今、国内で揉めている場合じゃない! 北朝鮮を見ろ!」みたいなことを言っている人もいるが、こういう安倍チルドレンが増殖しちゃったことが亡国の危機なんだよね……と今回はこれ以上ないほど、明確になった。
とにかく真相解明を。そろそろ安倍さんたちと絶縁する時だ。
※週刊朝日 2018年3月30日号
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【https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/225566】
今井尚哉首相秘書官こそ改ざん問題で喚問すべきキーマン
2018年3月23日
(今井尚哉首相秘書官は谷査恵子氏の上司にあたる(C)日刊ゲンダイ)
闇が深い森友学園への国有地売却をめぐる決裁文書の改ざん問題。
国税庁の佐川前長官の証人喚問が27日にあるが、真に喚問すべきキーパーソンは他にいる。
「恐らく、全容を知っているのは政務の首相秘書官を務める
今井尚哉氏だろうね」(自民党ベテラン議員)
安倍首相の信頼が厚く、官邸を取り仕切って“陰の総理”とも呼ばれる今井氏。佐川氏とは、省を超えて親しい同期入省組でもある。
「官邸関係者に聞いたのですが、森友問題は政務案件なので、
今井氏と佐川氏が国会答弁をすり合わせていたはずだという。
場合によっては、官邸内で安倍首相も同席して行われたといいます。
改ざんについても何か知っている可能性が高い。国有地売買の
経緯でも、今井氏の関与が感じられる。昭恵夫人付だった
谷査恵子氏の上司が今井氏なのです。真相究明には、今井氏の
証人喚問が不可欠でしょう」(政治ジャーナリスト・山田厚俊氏)
谷氏は、98年にノンキャリアとして経産省に入省。13年から15年末までの3年間、「内閣総理大臣夫人付」として昭恵夫人の“秘書役”を務めたが、昨年の国会で森友疑惑がはじけると、在イタリア日本大使館の1等書記官に異動してしまった。
15年、森友学園の籠池前理事長が昭恵夫人の留守番電話に国有地取引に関するメッセージを残したところ、谷氏から電話があり、要望を書面で送るよう言われたという。籠池氏が払い下げに関する要望を書いた手紙を送ると、谷氏がファクスで回答してきた。そのファクスが、昨年の証人喚問で示されたものだ。〈財務省本省に問い合わせた〉〈予算措置を行う方向で調整中〉〈昭恵夫人にもすでに報告している〉などと書かれていた。
「谷さんが財務省国有財産審理室の田村室長に問い合わせて回答を
もらったと書いてありましたが、霞が関の常識からいって、ノンキャリの
彼女が格上の室長に直接問い合わせるなんてあり得ない。谷さんの
上司にあたる今井氏の力が働いていると考えるのが普通です」
(経産省関係者)
今井氏も谷氏も公務員だから、証人喚問に支障はなかろう。
昭恵夫人と常に行動を共にしていた谷氏は、森友学園での講演にも同行している。昭恵夫人が本当に100万円を寄付したのかどうかも、彼女なら知っているはずだ。
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[※東京新聞(2017年3月7日)↑]
日刊ゲンダイの記事【森友問題の原点 安倍・松井・籠池を結びつけた団体の正体】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/201072)。
《森友学園事件の背景には、安倍首相を中心とする異様な翼賛と癒着の構造…やはり、どう言い訳したところで、これは安倍首相自身の疑獄だ…安倍首相、松井知事、籠池氏――。この3人を結びつけたのが、「日本教育再生機構大阪」だ》。
《安倍首相、松井知事、籠池氏――。この3人を結びつけたのが、「日本教育再生機構大阪」》という「教育破壊」つながりだったようです…《安倍首相を中心とする異様な翼賛と癒着の構造》。《教育再生機構と日本会議、森友学園、維新の会、安倍政権は一本線でつながる。というより、ほとんど一体化》。「日本教育再生機構」「日本会議」「教育再生実行会議」…「ト」な会議、頭がクラクラします。
《これは安倍首相自身の疑獄》であり、さっさと、例の大見得・啖呵を実践すべき。それともまたしても、御得意の息吐く様なウソ吐きですか?
『●「日本を守ってくれる人」って、アベ様は
「破壊している人」なんですが! 一体何を「記念」した小学校?』
「《私も妻も一切この認可にも、あるいは、この国有地の払い下げにも
関係ない」「私や妻が関係していたということになれば、間違いなく
総理大臣も国会議員も辞めるということははっきりと申し上げて
おきたい》と大見得を切りました」
『●コラム『筆洗』「さて、この学校はどんな「愛国心」を、
子どもたちに伝えたいのか」? グロテスクな洗脳』
『●裸の王様「記念」小学校・女王様「名誉」校長…
証拠隠滅=「文書を存在しないことにする手法」炸裂か?』
『●アベ様王国「同じ穴のムジナ夫婦」(鈴木耕さん)、
そして、「大新聞も同じ穴のムジナ」(日刊ゲンダイ)』
『●保育所・幼稚園の幼児「教育」の破壊:
ハタやウタで「将来の国民としての情操や意識の芽生えを培う」?』
『●「ムジナ夫婦、狢マスコミ」、むろん、当然、お維もムジナ
…「松井知事は開き直り、橋下は話のスリカエ」』
『●デンデン王国「裸の王様」の御妃は「私人」?…
「少なくとも、森友学園との関係で「私人」は通用しない」』
『●「瑞穂の國記念参院予算委員会」は酷かった…
「平成の治安維持法」を目指す「裸の王様」の取り巻きの醜さ』
『●ブチ切れるデンデン王国「裸の王様」の墓穴…
ムジナ全員が過剰に忖度し事実として《影響を与え》たのです』
『●「私学への異常な肩入れ自体が現職の首相として
不見識で不適切だとは思わない神経」…持ち合わせていない』
『●「首相に対する侮辱」であり、アベ様は
「国会の場で白黒つけると闘志をたぎらせている」…とても楽しみ!』
『●「菅官房長官と麻生財務相以外のほぼ全員を
代える大幅改造」って、ご冗談を…アベ様オトモダチの総退陣を』
『●室井佑月さん「この団体が牛耳るこの国でいいの」か?…
「日本会議メンバーで、国会議員にもわんさか」』
『●アベ様、「総理大臣も国会議員も辞める」という
大見得・たんかを実行すべき秋、その責任を果たすべき秋』
『●アベ様のオトモダチのオトモダチを最高裁判事に任命?
「政治判断」乱発の最「低」裁からも忖度?』
『●「私人」の「昭恵夫人の鶴の一声」?
「これがもし事実なら、明らかに昭恵夫人の首相への口利きでは」?』
『●まさか、閣議決定済みの「私人」だから、
証人喚問に応じられない? FACEBOOKでの発信で十分?』
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【https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/201072】
森友問題の原点 安倍・松井・籠池を結びつけた団体の正体
2017年3月10日
(19日に行われるシンポジウムのチラシ
(右は、安倍首相、松井大阪府知事、
籠池理事長=共同)/(C)日刊ゲンダイ)
森友学園事件の背景には、安倍首相を中心とする異様な翼賛と癒着の構造がある。その源流をたどると、“おかしなオッサンの思いつき”で済ませられない深刻な問題だということが分かる。事件の下地は、何年も前から用意されていた。やはり、どう言い訳したところで、これは安倍首相自身の疑獄だ。
■「伝説の2・26会談」で意気投合
森友学園の籠池理事長は、安倍首相を「偉人」と称え、問題の土地に新設予定の「瑞穂の國記念小學院」も、当初は「安倍晋三記念小学校」の名称になる予定だった。だから、名誉校長には昭恵夫人が就いていた。そして、財政面も教育内容も問題だらけの学園にスピード認可を与えた大阪府知事は、安倍首相との親密さで知られる日本維新の会の松井代表である。安倍首相、松井知事、籠池氏――。この3人を結びつけたのが、「日本教育再生機構大阪」だ。
「1回目の総理大臣を辞めた後、失意の安倍さんを大阪に招いたのが
維新の遠藤敬・現国対委員長だったんですわ。当時、会長を
やっとった『日本教育再生機構大阪』のシンポジウムに呼んだんです。
2012年2月26日のシンポジウムで安倍さんと対談したのが松井知事で、
シンポ後の居酒屋会談でも教育再生について熱心に話し合い、
すっかり意気投合した。僕らの間では、今も“歴史を変えた伝説の
2・26会談”いうて語り継がれてます。その後も会合を重ね、
12年の自民党総裁選に負けたら、安倍さんが党を割って維新と
合流する構想まで持ち上がっていた。維新の側は代表の座を空けて
待っとったんですわ」(維新関係者)
日本教育再生機構は、愛国心教育を徹底し、歴史修正主義的な育鵬社の教科書を使うことを主張する団体だ。理事長は八木秀次麗沢大教授。安倍政権を支える「日本会議」のメンバーで、安倍首相の教育政策のブレーンだ。諮問機関の「教育再生実行会議」でも委員を務めている。八木氏自身も籠池理事長と交流があり、森友学園が運営する塚本幼稚園で講演を行ったこともある。
機構は各地に支部があり、安倍首相と松井知事を結びつけた大阪支部には籠池理事長も出入りしていた。教育勅語を園児に暗唱させる塚本幼稚園は教育再生機構にとって“モデル校”のような存在なのだ。
■日本会議と二人三脚
教育再生機構の共催で今月19日に行われる「シンポジウムin芦屋」のチラシを見ると、パネリストの中に「籠池町浪(かごいけ ちなみ/瑞穂の國記念小學院開校準備室長)」の名前がある。さすがに今回の出演は取りやめになったというが、名字と肩書を見れば分かるように、籠池理事長の娘だ。塚本幼稚園の教頭も務めている。
教育再生機構と日本会議、森友学園、維新の会、安倍政権は一本線でつながる。というより、ほとんど一体化していると言っていい。
「日本会議と二人三脚で進めてきた安倍首相の教育改革が目指す
将来像が、森友学園が新設予定だった“安倍晋三記念小学校”だ
ということです。維新もその方針に共鳴してきた。全国に先駆けて
『国旗国歌条例』を制定した大阪には、安倍首相と共通する意思、
思想も浸透している。もし問題が発覚しなければ、小学校は4月に
開校し、やがては中学校もできたかもしれない。安倍首相が教育改革で
やろうとしていることを、教育再生機構と森友学園はひと足先に大阪で
具現化しようとし、それを応援した人たちがいる。土地取引や
認可の過程で、たとえ直接的な働きかけをしていなくても、安倍首相の
問題に違いありません」(政治学者・五十嵐仁氏)
この政権だから、起きるべくして起きた事件なのだ。
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