Activated Sludge ブログ ~日々読学~

資料保存用書庫の状況やその他の情報を提供します。

●(こちら特報部)《核使用の懸念が消えない。日本は被爆国なのに煮え切らず、原子力の平和利用の名目で原発稼働に前のめりになる。うんざりする》

2024年03月23日 00時00分56秒 | Weblog

(20240310[])
中島京子さん《杉並区は「原水爆禁止署名運動発祥の地」だし…さまざまな活動をしている区民が多いんです》。

   『●岸本聡子杉並区長「日本の政治を変えていくには、やっぱり地方、地域
     から変えていくことが大切で、そこにこそ大きな可能性があると感じた」
    「中島:私が素晴らしいな、と思ったのは、杉並で長く運動をして
        きた、いろいろな人たちがウワーッと集まって、みんなで
        選挙を作っていくのを目の当たりにできたことです。杉並区
        は「原水爆禁止署名運動発祥の地」だし、お母さんたちが
        学校給食の自校調理方式を守ったり、さまざまな活動をして
        いる区民が多いんです。
     岸本:私がレジェンドと呼んでいる方々です。」

   『●《杉並から世界に拡散した「原水爆禁止」運動...「市民の戦い」…70年前、
      先人は声を上げ、局面を動かした…やすやすと諦めている場合ではない》

 再度引用。東京新聞の記事【こちら特報部/杉並から世界に拡散した「原水爆禁止運動 声を上げた一軒の魚屋、公民館を拠点にした「市民の戦い」】、《◆デスクメモ 不安定な世界情勢。核使用の懸念が消えない。日本は被爆国なのに煮え切らず、原子力の平和利用の名目で原発稼働に前のめりになるうんざりする。でも、と思う。70年前、先人は声を上げ、局面を動かした。それも東京からだ。見習うべき姿勢やすやすと諦めている場合ではない。(榊)》。

 「核の平和利用」などと云う甘言に騙され…被爆国があまりに愚かな選択をしてしまった。(烏賀陽弘道さん)《兵器としてアメリカで生まれ、ヒロシマに落とされた「核」。その双子の兄弟「原発」……》。そう両者は双子の兄弟。《アメリカは、臨界状態をつくり出して自然の中に眠っていた核エネルギーを引っ張りだすところから始まって、原爆をつくり、爆発させ、原子炉に閉じ込め、それを発電所に設置しそれが全国や世界に普及していくところまで、全部ひとつながり》。核分裂のエネルギーを放出させるか、原子炉の中に閉じ込めるかの違いであり、原理的には全く同じ。
 《核兵器をタブーの領域に押し込めた。双子の兄弟の一人をいないこと」にしてしまった。原発と核兵器の血のつながりを論ずることはタブーになった》。

   『●烏賀陽弘道さん『ヒロシマからフクシマへ原発をめぐる不思議な旅』読了
   『●NUMO「文献調査」の巨額な《原発マネー》に蝟集しても、空虚な《地域
      振興》に終わるだけで、何の解決策にもならずに地域が分断されるだけ

 《日本は被爆国なのに煮え切らず、原子力の平和利用の名目で原発稼働に前のめりになる》。
 琉球新報の記事【<社説>ビキニ被ばく70年 日本主導で核兵器廃絶を】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-2856236.html)、《同時に第五福竜丸以外の被ばくした日本全国の漁船の検証も必要である》、《現在、ウクライナに侵攻したロシアが核兵器使用をちらつかせるなど核戦争の危機が続いている。原発に関してはスリーマイル島チェルノブイリ福島第1原発の重大事故にみるように「原子力の平和利用」は曲がり角にある。日本の原子力政策も3原則に忠実だったとは言いがたい。核は人類の幸福につながるのかという根源的な問いに向き合わなければならない。その上で核兵器の廃絶を主導し、脱原発のエネルギー政策を目指すのが日本の役目だ》。

   『●鎌田慧さんらの「脱原発」署名呼びかけ
   『●社説:核廃絶と脱原発
    《しかし、本をただせば同じ核燃料と技術である。これまで分けて
     いたことが異常だったのかもしれない。そのことは安全神話が
     まかり通っていた原発が事故を起こし、思い知らされることになる
      田中氏は言う。「核と原発はつながっているが、背中合わせ
     
だからお互いが見えなかった」と。》

   『●東京電力原発人災から『X年後』……
       取り返しのつかないことが現実化してはいまいか?
    《これは高知の高校教師・山下正寿とその教え子たちの
     ゼミナールが、地道な聞き取り調査で掘り起こしたものだ。
     今年8月には、続編とも言うべき30分TV番組
     『続・放射線を浴びたX年後~日本に降り注いだ雨は今』が
     放映された。この作品も伊東 ・山下のコンビだが、今度は福島の
     原発事故をきっかけに、60年前の大地に降った雨の行方を
     追いかけたものだ。ここでは特に沖縄に焦点を当てている。
     当時、沖縄は米軍の統治下にあり、マグロの被曝で大騒ぎして
     いた本土とは違って、同じ汚染海域のマグロを獲っても、
     米軍が測定して安全を宣言していた。伊東・山下は元漁船員を
     訪ね歩き、それが米軍による完全なごまかしだった
     と明らかにしていく。驚くのは、沖縄の古書店にあった
     『気象要覧』になんと17万カウント(3万7000ベクレル)
     もの雨が降っていたと記載されていたこと。また、沖縄などの
     住居を訪ね、床下の土壌を採集して調べる徹底ぶり。
     埋もれた歴史が顔をのぞかせる》

   『●呼び掛けに応じて ~原発なんて要らない~
   『●あれから3年半、広島市長までが、
     原発は「安全性を確保できれば再稼働するという方向が出ている」と
    《「核と人類は共存できない」という思想を75年に打ち出した
     哲学者・森滝市郎(1901~94)の次女だ。
      原爆で右目を失った父は戦後、原水爆禁止運動の先頭に立った。
     豪州のウラン鉱山で働く同胞の被曝(ひばく)の危険性を訴えた
     先住民の女性との出会いが、核の絶対否定」を確信させた》

   『●人類は核と共存できるのか?
      『放射線を浴びたX年後』とパグウォッシュ会議
    《これがきっかけで、原水爆禁止運動が国民的な広がりを持った。
     翌年八月六日、広島で開かれた「第一回原水爆禁止世界大会」には
     三千万を超える署名が集まった。展示館にはその署名簿の一部も
     展示されている。
      影響は海外にも広がった。哲学者バートランド・ラッセル
     物理学者アルバート・アインシュタインは「核兵器の廃絶と
     戦争の廃絶」を訴えたラッセル・アインシュタイン宣言を発表した。
     宣言を出す理由として、水爆実験で日本の漁船員が被ばくしたこと
     に触れている。宣言には、湯川秀樹博士も署名した。
      二年後の五七年、カナダの漁村パグウォッシュに、米、旧ソ連、
     西欧、東欧、中国などの物理学者ら二十二人が集まり、核兵器の
     危険性、放射線の危害、科学者の社会的責任について討議した。
     この後、パグウォッシュ会議のグループ名で毎年、開催されている》

   『●「マンハッタン計画」の核開発拠点となったハンフォードと
           東京電力核発電人災、それぞれの『X年後』…
   『●核発電「麻薬」中毒患者の覚めぬ悪夢…《安全神話、
      経済神話、クリーン神話-三つの神話》を脱却できず
    《原水爆禁止運動に生涯を捧(ささ)げた哲学者の故森滝市郎さん
     さえも「軍事利用はいけないが、平和利用だったらいいのじゃないか
     と考えたのです」…と、一時は評価に傾きました。
      五七年には茨城県東海村の実験炉に初の原子の火がともり、
     十年後には福島第一原発の建設が始まった》
    《◆夢はずっと夢のまま こうして被爆国日本は五十四基の原子炉を
     有する世界三位の原発大国になったのです。ところが、
     しょせん夢は夢。原子力の飛行機も鉄道も、超小型原子炉で
     十万馬力の鉄腕アトムも、使えば使うほど燃料を増やす夢の原子炉も、
     実現を見ることはありますまい
      核兵器の実相を糊塗(こと)するために陳列された空虚な夢は、
     安全神話経済神話クリーン神話三つの神話の温床には
     なりました》

   『●「ビキニ事件は遠い過去に終わったことではなく、未来の命にかかわる」
       ――― マグロ漁船「第五福竜丸」の船員・大石又七さんが亡くなる
    《ビキニ事件は原水爆禁止の国内世論を高めた一方で、日米両政府の
     政治決着により、翌年に米側の見舞金7億円余で「完全解決」とされた
      同じ海域で影響を受けた日本の漁船は約1千隻とされるが、
     公式の健康影響調査はされていない。80年代以降、船の約3割は
     高知県から出ていたことが地元の地道な調査で浮かんだ》

=====================================================
https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-2856236.html

<社説>ビキニ被ばく70年 日本主導で核兵器廃絶を
公開日時 2024年03月01日 05:00

 核の恐怖を歴史に刻み、今もその恐怖と向き合っている国だからこそ、なすべきことがある。そのことを再確認する日としたい。


 太平洋のビキニ環礁で米国が実施した水爆実験で静岡県のマグロ漁船「第五福竜丸」の乗組員23人が被ばくし、無線長の久保山愛吉さんが亡くなった第五福竜丸事件から、きょうで70年となった。

 広島、長崎への原爆投下とともに私たちは第五福竜丸事件を語り継ぎながら、核兵器廃絶を訴え続けなければならない。被爆国であり、核実験による深刻な被ばく被害を知る日本は、核廃絶の役割を積極的に果たすべきである

 忘れてはならないのが、沖縄もビキニ核実験とは無関係ではないということである。1988年の沖縄県原水協・平和委員会の調査で沖縄の漁船2隻の乗組員68人が被ばくした可能性があることが分かっている。放射性物質を含む雨が沖縄にも降った可能性も指摘されている。米統治下にあった沖縄で十分な調査はなされなかった。改めて検証が求められる。

 同時に第五福竜丸以外の被ばくした日本全国の漁船の検証も必要である

 厚生労働省は事件から60年後の2014年、ようやく周辺海域で操業していた延べ556隻の被ばく状況の検査結果などを公表した。翌年には被ばく状況を評価する研究班を設置した。船員や遺族らが国家賠償や船員保険適用を求める訴訟も起きている。

 第五福竜丸に関しても、乗組員の生殖機能の一時的な低下について日米両国の関係機関が「機密扱い」とし、乗組員にも伝えていなかったことが分かっている。国民の反核感情や米国の軍事政策への影響を避けたとみられる

 これらの経緯を見ても、ビキニ実験と第五福竜丸など日本漁船の被ばくは過去の事件として済ませることができないこれからも検証と事実関係の公開が求められている

 日本の原子力政策も再検討の時期に来ている。

 事件前年の1953年、アイゼンハワー米大統領は核開発競争激化を背景に「原子力の平和利用」に関する宣言を打ち出し、発電など原子力の活用が進んだ。日本学術会議は54年、核の軍事利用を拒否するとともに原子力研究における「公開・民主・自主」を打ち出した。この3原則は原子力基本法に反映された。

 現在、ウクライナに侵攻したロシアが核兵器使用をちらつかせるなど核戦争の危機が続いている。原発に関してはスリーマイル島チェルノブイリ福島第1原発の重大事故にみるように「原子力の平和利用」は曲がり角にある。日本の原子力政策も3原則に忠実だったとは言いがたい。

 核は人類の幸福につながるのかという根源的な問いに向き合わなければならない。その上で核兵器の廃絶を主導し、脱原発のエネルギー政策を目指すのが日本の役目だ。
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●NUMO「文献調査」の巨額な《原発マネー》に蝟集しても、空虚な《地域振興》に終わるだけで、何の解決策にもならずに地域が分断されるだけ

2024年03月10日 00時00分09秒 | Weblog

[↑ ※「地震列島の原発安全性に警告」(週刊金曜日 1457号、2024年01月26日号)]


(2024年02月24日[土])
足抜けできるのかねぇ…NUMOにからめとられて、カネにものをいわせて底なし沼に引きずり込まれるのでは? 申し訳ないのだが、愚かな選択だと思わざるを得ない。
 投票しない、または、自公お維に投票してしまうと… ➙ 空虚な《地域振興》…《核のごみ問題で過疎の町に「最大20億円」財源の魅力 識者「札束で頬を叩くのはやめるべき」》(野村昌二氏)。

 地震大国地震列島に「10,0000年」「100,0000年」に渡り地殻変動が無く、地下水と遮断できる「オンカロ」は存在しない。もともとこんな愚かな技術に頼ってはいけなかった。能登半島地震の前、2023年《昨年10月、地球科学の専門家有志約300人が処分地の選定を巡り「(国内で)地震の影響を受けない安定した場所を選ぶのは不可能」との声明を出した》(東京新聞)。ここでも、能登半島地震の「警告」を無視しようとしている。
 しかも、「核の平和利用」などと云う甘言に騙され…被爆国があまりに愚かな選択をしてしまった。(烏賀陽弘道さん)《兵器としてアメリカで生まれ、ヒロシマに落とされた「核」。その双子の兄弟「原発」……》。そう両者は双子の兄弟。《アメリカは、臨界状態をつくり出して自然の中に眠っていた核エネルギーを引っ張りだすところから始まって、原爆をつくり、爆発させ、原子炉に閉じ込め、それを発電所に設置しそれが全国や世界に普及していくところまで、全部ひとつながり》。核分裂のエネルギーを放出させるか、原子炉の中に閉じ込めるかの違いであり、原理的には全く同じ。
 《核兵器をタブーの領域に押し込めた。双子の兄弟の一人をいないこと」にしてしまった。原発と核兵器の「血のつながり」を論ずることはタブーになった》。

   『●烏賀陽弘道さん『ヒロシマからフクシマへ原発をめぐる不思議な旅』読了

 東京新聞の【<社説>核のごみ 地層処分は安全なのか】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/310760?rct=editorial)によると、《原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場用地選定に向けた初めての「文献調査」の報告書案がまとまった。北海道の寿都(すっつ)町の全域と神恵内(かもえない)村の一部で、候補地として次段階の調査を進めることが可能だとしているが、海底活断層のリスクなど能登半島地震の知見は反映されておらず、不安が募る》。

   『●《脱原発へ政策のかじを切り、際限のない健康被害の脅威に歯止めを
      かける。それが最終処分場問題の解決に向けた国民議論の最低条件》
    《高レベル放射性廃棄物の最終処分場選定に手を挙げそうな北海道
     寿都町。町内に不安が広がり道や隣接自治体との亀裂も深まって
     いる巨額の交付金で誘致を促す手法。このままでいいのだろうか》
    《原発から出る核のごみを最終的にどこで処分するのか。国民に
     突き付けられた課題であることは間違いない。とはいえ町の判断は
     地域の行く末を委ねる手段としては余りに安易ではないか》。

   『●空虚な《地域振興》…《核のごみ問題で過疎の町に「最大20億円」
     財源の魅力 識者「札束で頬を叩くのはやめるべき」》(野村昌二氏)
   『●【NNNドキュメント‛20/核のごみは問いかける 「尊重」の先には…】
        …空虚な《地域振興》なことは立候補しなくたって《学》べます
   『●《(文献調査後の)概要調査前に住民投票で意見を聴いて判断させて
     いただきたい》…足抜けできるのか? NUMOにからめとられて…
   『●《原発を動かせばごみが出る…なすべきことは明白。原発を止め、ごみ
     増を防ぎ…しかし国は稼働ありき。ごみが増えるほど後始末に困るのに》
   『●マンションからたれ流しにしておいて、トイレをどうするのかとか、放出
      先どこにするのかなんてナンセンス…しかも、《被爆地の長崎》で…
    「「防人の島」の《町民の皆さんがその道を選んだ》のですか?
     足抜けできるのか? NUMOにからめとられて、泥沼に足を
     突っ込み、抜け出られなくなるのではないか。しかも、被爆地の
     ナガサキで。《改めて誘致が浮上した背景には「深刻化する人口減少、
     最近までの日韓関係の悪化、観光需要の落ち込み」があるという》
     …意味が分からない? そんな理由で死の灰を受け入れるの?」

   『●はぁ? 東京新聞【「原発マネー」で生まれた奇策 使用済み核燃料の
      中間貯蔵施設を上関町に 中国電力と関西電力で苦肉の共同開発案】
   『●山口県上関町…《さんざん町民を分断してきた挙げ句に郷土を核のゴミ
     捨て場…正真正銘の原発の墓場にするという動きに反発が高まっている》
   『●《「まるで反社以下の関電」…今も経済産業省と岸田政権に守られてぬく
      ぬくと生き延びている》《関電と経産省、岸田総理は「亡国トリオ」》
   『●長崎県対馬市長、《文献調査…「市民の合意形成が不十分だ」…処分場に
     ついて「将来的な想定外の要因による危険性が排除できない」とも語った》
   『●破綻した核燃サイクル、中間貯蔵施設は最終処分場と化す…使用済み核燃料
      プールの現状は? どこを最終処分場にするかの議論の前にやることは?
   『●トイレなきマンション問題を放置し、「原発復権」「原発回帰」する
     キシダメ政権…早晩、核燃料の交換ができず核発電は動かせなくなる

 《町民の皆さんがその道を選んだ》…なんでそうなるのだろうか??

   『●《理性と良識》で判断…核発電は《「被害が大きくて」かつ「事故発生
     確率も高い」という2つが揃ったパーフェクトな危険》(樋口英明さん)
   『●古賀茂明さん《国民の前で、ちゃんと議論すれば、止めろと言わずに
     止めるのは簡単だ》…裁判で勝つために ――― 樋口英明理論の浸透を

 古賀茂明さん《四つ目は核のゴミだ。原発のゴミも適切に処分できるんですよね、と社長に聞く。社長が頷いたら、「では、1カ月以内に最終処分までの計画を出してください」と言う。それは無理だというだろうから、では1年待つと言って、議論を終わる。 これで、全ての原発は動かなくなり、廃炉するしかなくなる。 国民の前で、ちゃんと議論すれば、止めろと言わずに止めるのは簡単だ。新政権には、是非そうした議論をして欲しい》。

 空虚な《地域振興》ではないのか? トイレなきマンションの、まずはトイレからの垂れ流しを止めてからの議論開始ではないのか?

=====================================================
https://www.tokyo-np.co.jp/article/310760?rct=editorial

<社説>核のごみ 地層処分は安全なのか
2024年2月22日 07時18分

 原発から出る高レベル放射性廃棄物核のごみ)の最終処分場用地選定に向けた初めての「文献調査」の報告書案がまとまった。

 北海道の寿都(すっつ)町の全域と神恵内(かもえない)村の一部で、候補地として次段階の調査を進めることが可能だとしているが、海底活断層のリスクなど能登半島地震の知見は反映されておらず、不安が募る。

 使用済み核燃料からリサイクル可能なプルトニウムなどを抽出した後の廃液が「核のごみ」。ガラス状に固めてステンレス製の容器に収め、地下300メートルより深い岩盤層に閉じ込める「地層処分」が法律で定められている。放射能が衰えるまでには、数万年単位の厳重な管理が必要とされる。

 候補地選定に向けた調査は、論文やデータに基づく文献調査▽地面を掘って地層を調べる「概要調査」▽地下に施設を造って行う「精密調査」-の3段階。

 事業主体の原子力発電環境整備機構NUMO)は2002年から巨額の交付金と引き換えに調査を受け入れる自治体の公募を続けるが、20年になって初めて寿都町と神恵内村が名乗りを上げた。

 NUMOは地震や噴火、隆起、浸食などの評価項目に基づいて約1500点の論文などを分析し、概要調査が可能との結論に至ったとする。しかし、両自治体が同意するかどうかは未知数だ。

 例えば神恵内沖には、南北約70キロの海底活断層が存在するとの指摘がある。しかし、NUMOは「候補地からの除外基準に当たるかどうかは、文献からは判断できない調査の進行を急ぐ

 活断層は複雑に連動して動く能登半島地震の教訓だ日本活断層学会鈴木康弘会長は地震災害全般に関して「活断層リスクの考え方を見直した方がいいと警鐘を鳴らす

 昨年10月、地球科学の専門家有志約300人が処分地の選定を巡り「(国内で)地震の影響を受けない安定した場所を選ぶのは不可能」との声明を出した。

 調査を次に進めることに固執せず、地中深くに埋める最終処分の在り方自体を根本的に見直すことも考えるべきではないか。
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●「核兵器のない世界」か?、「核廃絶」「核なき世界」か?

2016年05月30日 00時00分20秒 | Weblog


東京新聞の二つの記事【日米で誓う 核なき世界 米大統領 広島初訪問】(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2016052890070152.html)と、
【「原爆の恐怖、語り継ぐ」 新作映画の被爆3世主人公】(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2016052801001847.html)。

 《首相が表明「今を生きる私たちの責任」》。
 《映画はこのほど完成した「アトムとピース~瑠衣子 長崎の祈り~」》。

 日米首脳、政府共に、本気さがうかがえない…。口先だけであり、やっていることは全くの反対のことばかり。一体どれほど「核兵器のない世界」の実現に向けて、行動したか? アベ様は違法な手法で壊憲し、「死の商人」になることを恥ずかしむこともなく、さらには、「核兵器の保持」を恥ずかしげもなく口にできるのですから。

   『●「核兵器廃絶」に対するニッポンの歯切れの悪さ…
      原発は『プルトニウムをつくる装置』、双子の兄弟の一人

 アベ様ら自公政権、ニッポン政府にやる気が無いのなら、草の根で地道にやるしかないでしょう。『アトムとピース~瑠衣子 長崎の祈り~』という映画ができたそうです。《原爆の恐ろしさを語り継ぎたい》。日米首脳の言う「核兵器の廃絶」だけではなく、映画を見た訳ではないので分かりませんが、記事から推察するに、「核廃絶」「核なき世界である点が重要だと思います。

   『●原発稼働は経営だけの問題なのか?

==================================================================================
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2016052890070152.html

日米で誓う 核なき世界 米大統領 広島初訪問
2016年5月28日 07時01分

 オバマ米大統領は二十七日、米国の現職大統領として初めて、第二次大戦末期に原子爆弾が投下された広島市の平和記念公園を訪れた。被爆者らが見守る中、原爆死没者慰霊碑に献花し「私たちは恐怖の論理から逃れ、核兵器のない世界を追求する勇気を持たなければならない」と演説。安倍晋三首相も「核兵器のない世界を必ず実現する」と述べ、米大統領の歴史的な広島訪問に合わせ、日米首脳が核廃絶実現を誓った。その後、オバマ氏は被爆者と長い握手を交わし、肩を抱き合った。

 広島に到着したオバマ氏は、安倍首相とともに慰霊碑に花をささげ、約十七分間の演説を行った。

 オバマ氏はまず「七十一年前、雲一つない明るい朝、空から死が落ちてきて世界が変わった」と切り出した。

 続いて「十万人を超える日本の男性、女性、子どもたち、多くの朝鮮半島出身者、そして捕虜となっていた十数人の米国人を含む犠牲者を悼むため、広島を訪れた」と説明した。

 その上で「いつの日か被爆者の声は消えていくが、一九四五年八月六日朝の記憶は風化させてはならない」と力を込め、「広島と長崎は核戦争の夜明けとしてではなく、道徳的な目覚めの始まりとして知られるだろう」と演説を結んだ。一方で原爆投下の是非には踏み込まず、謝罪の言葉はなかった

 この後、日本原水爆被害者団体協議会(被団協)代表委員の坪井直(すなお)さん(91)と、米兵捕虜を調査してきた被爆者の森重昭さん(79)に歩み寄り、言葉を交わした。

 オバマ氏は、主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)閉幕後、広島に移動。平和記念資料館(原爆資料館)を見学し、「私たちは戦争の苦しみを経験した。共に平和を広め、核兵器のない世界を追求する勇気を持とう」と記帳した。


◆首相が表明「今を生きる私たちの責任」

 安倍晋三首相は二十七日、広島市の平和記念公園で、オバマ米大統領の演説に続き所感を述べ、「核兵器のない世界を必ず実現する。その道のりが、いかに長く、いかに困難なものであろうとも、絶え間なく努力を積み重ねていくことが、今を生きる私たちの責任だ」と表明した。

 首相は「米国の大統領が被爆の実相に触れ、核兵器のない世界への決意を新たにする。核なき世界を信じてやまない世界中の人々に大きな希望を与えてくれた」と評価。「日本国民が待ち望んだ歴史的訪問を心から歓迎したい。日米両国の和解、そして信頼と友情の歴史に新たなページを刻む大統領の決断と勇気に対して心から敬意を表したい」と述べた。

 原爆投下について「何の罪もないたくさんの市井の人々、子どもたちが無残にも犠牲となった。この事実をかみしめる時、断腸の念を禁じ得ない。今なお苦痛を受けている人々もいる」と指摘。「世界中のどこであろうとも再びこのような悲惨な経験を決して繰り返させてはならない。この痛切な思いを受け継いでいくことが、今を生きる私たちの責任だ」と述べた。

(東京新聞)
==================================================================================

==================================================================================
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2016052801001847.html

「原爆の恐怖、語り継ぐ」 新作映画の被爆3世主人公
2016年5月28日 22時21分

 原発や原爆を巡り、長崎の被爆3世の女性が福島や青森を旅するドキュメンタリー映画の特別試写会が28日、東京・新宿の早稲田大であった。主人公で、祖母が長崎原爆で被爆した小学校講師松永瑠衣子さん(24)は「原爆の恐ろしさを語り継ぎたい」と話した。

 映画はこのほど完成した「アトムとピース~瑠衣子 長崎の祈り~」。6月から各地で順次公開される。

 映画では、松永さんが、避難の続く福島県浪江町や、使用済み核燃料再処理工場のある青森県六ケ所村を訪れ、地域の人々と交流。核兵器や「核の平和利用」について考えを深めていく。

(共同)
==================================================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●原発再稼働と「軍産複合体国家・米国の商売」と「原発は『プルトニウムをつくる装置』」と「閉じない環」

2015年09月14日 00時00分55秒 | Weblog


asahi.comの記事【室井佑月「アメリカの脅威の話は、もう避けて通れない」】(http://dot.asahi.com/wa/2015090200103.html)。
東京新聞の社説【核燃料サイクル なぜこだわり続けるの】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2015090702000132.html)。

 「再稼働したばかりの川内原発で、復水器に海水が混じり込むトラブルがあった。ニュースを聞いたときそれほど驚かなかったのは、慶応大学教授の金子勝さんから、「最低でも4年間停止した原発の運転が再開されたのは、世界で14基。そのすべてが運転再開後にトラブルに遭っている」(国際原子力機関や米国、カナダの規制当局のデータ)ということを教えてもらっていたからだ」。
 この数字に慄いた!! 大竹まこと ゴールデンラジオで大竹さんと室井佑月さんと金子勝さんとの会話で、この話を聞いていたので、ブログに書かないと、と思っていたところでした。

   『●川内原発再稼働: 「経済麻薬」=思考停止、
       「他の方法で経済発展する手を考えることを放棄させる」


 ……「が、メディアはこのことに触れず(東京新聞がちょろっと触れていた)。ほかの野党も、そこの部分にはそれほど突っ込まない。それほどあの国は恐ろしいのか?……各国が抑止力のために、飢えている国民をほっといても、競争するみたいに軍費に金をつぎ込むことは、正しいことなのか?
 「戦争」に参加して「商売」しましょう、という浅ましさ。死の商人山岡俊介さん曰く、「軍産複合体国家の米国商売としての戦争にわが国が引きずり込まれる…」ことの怖さ、そして、それに向かい「ハタ振る」自公支持者や財界卑しさ

   『●山岡俊介さん「軍産複合体国家の米国の
       商売としての戦争にわが国が引きずり込まれる・・・」


 「核燃料サイクルは、経済的にも技術的にも、とうに破綻しているのではないか。なのに、今さら国が関与を強め、電力会社に維持させたいのはなぜか。再処理にこだわり続けるのは、なぜなのか」。
 回らない核のサイクル。それでも、原子力発電=核発電を続け、「再処理にこだわり続けるのは、なぜなのか」? 内橋克人さんは「原発は『プルトニウムをつくる装置』」だと喝破。

   『●プルトニウム報告漏れ: 「疑念」ね~?、
     目的あっての「隠蔽」??・・・っていうのは穿ち過ぎ???

   『●核のゴミと云う地獄:「王様は裸」
   『●「回らない核のサイクル」六ヶ所村: 
       どちらも「地獄」という二択だったのか?
     「長崎の原爆は、プルトニウム型である
      抽出技術は今も昔も変わらない。/日本は、
      中曽根・レーガン関係で結んだ日米原子力協定で、
      核兵器を持たない国では唯一、再処理を認められてきた
      /ただし、抽出、精製したプルトニウムの粉末は、
      一対一の割合でウランを混ぜて保管することになっている
      濃度が高いほど、兵器に転用しやすいから。」

   『●原子力「ムラ寄生」員会ではなく、
     「風船爆弾」が語ることにこそ真実はある ~川内原発再稼働問題~

     「……内橋克人さんは「集団的自衛権の先に待っているのは、
      核兵器を持って抑止力にしようという政策
      原発は『プルトニウムをつくる装置』でもあり、
      原発を止めることは
      日本の核武装に待ったをかけることだ」と訴えた」

 ニッポンのシビリアンは……「中谷元・防衛相は……「核兵器の運搬も法文上は排除していない」」、そして、武器輸送・弾薬輸送はOK。武器の提供はNG、でも、弾薬の提供もOK、だそうです。「弾薬は武器ではない、その武器ではないもののなかに、ミサイルも入る(と言う)。それに核弾頭が載っていてもそれが(輸送可能な弾薬の範囲に)入るという。安倍内閣は、武器輸出三原則などを大胆に緩和をしていて、非核三原則があります、(だから輸送しない)と言っても、ほとんど説得力をもたない」(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/39e29c617eb397df19a718406be3074a)。

   『●戦争法案・壊憲法案では核兵器も「弾薬」と解釈、
              つまり、何でもできる「積極的平和主義」


=====================================================
http://dot.asahi.com/wa/2015090200103.html

室井佑月「アメリカの脅威の話は、もう避けて通れない」
 (更新 2015/9/ 4 07:00)

    (あの国は恐ろしい?)

 参院特別委員会で審議中の安全保障関連法案。作家の室井佑月氏は、アメリカが法案に影響していることをきちんと国民に伝えるべきだという。

 *  *  *

 再稼働したばかりの川内原発で、復水器に海水が混じり込むトラブルがあった。ニュースを聞いたときそれほど驚かなかったのは、慶応大学教授の金子勝さんから、

   「最低でも4年間停止した原発の運転が再開されたのは、
    世界で14基。そのすべてが運転再開後にトラブルに遭っている

    (国際原子力機関や米国、カナダの規制当局のデータ)

ということを教えてもらっていたからだ。この国は大チャレンジをするつもりだということを。あたしはそんな重要なことを、何人の国民が知っているのかと思った。国が、国民の命や生活をかけた勝負にあっさり踏み込むことも恐ろしいが、重要な真実が広がらない世の中になっていることも恐ろしいと思った。

 さて、話は安保法案に飛ぶのだが、衆議院から参議院の国会審議となって、相も変わらずこの法案がなぜ我が国のためになるのかという野党の質問に、政府はまともに答えない

 8月19日の参議院特別委員会で、生活の党の山本太郎共同代表がこんな暴露をした。

 米国の民間シンクタンクから出たレポート「アーミテージ・レポート」と、この国がやろうとしていることは、「完コピ」(完全コピー)だと。

   「憲法違反の閣議決定から今回の憲法違反の安保法制、
    戦争法制までだけを見たとしても、何だこれ、アメリカの
    リクエスト通り
じゃないか。おまけに原発再稼働、TPP、
    特定秘密保護法武器輸出三原則の廃止
    何から何まで全てアメリカのリクエスト通り
    行(おこな)っている」

   「アメリカ、アメリカ軍の要請、ニーズには憲法を踏み
    にじってでも、国民の生活を破壊してでも、
    真摯に全力で取り組む
って、
    これ、どういうことなんですか?これ、独立国家って
    呼べますか? 完全コントロールされてんじゃないかよ! 
    誰の国なんだこの国は!

 永田町ではみんな知ってることらしい永田町では常識かもしれないが、国民は知らないのだから、この国とアメリカの関係性をもっと教えてもらいたいものだ。その話をきちんとしないと、安保法案を強引に進める理由はいつまでたっても国民は理解できないに違いない。

 が、メディアはこのことに触れず(東京新聞がちょろっと触れていた)。ほかの野党も、そこの部分にはそれほど突っ込まない。それほどあの国は恐ろしいのか?

 安保賛成派は「この国が戦争に巻き込まれないためには抑止力が必要だ」と必ずいう。けど、各国が抑止力のために、飢えている国民をほっといても、競争するみたいに軍費に金をつぎ込むことは、正しいことなのか? 「この国が世界におけるリーダーシップを……」というならば、堂々と世界に向けて正しい提言をしていけばいい。しかし、それはしない。その理由として、あの国の脅威の話は、もう避けて通れないように思う。

週刊朝日  2015年9月11日号
=====================================================

=====================================================
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2015090702000132.html

【社説】
核燃料サイクル なぜこだわり続けるの
2015年9月7日

 核燃料サイクルは、経済的にも技術的にも、とうに破綻しているのではないか。なのに、今さら国が関与を強め、電力会社に維持させたいのはなぜか。再処理にこだわり続けるのは、なぜなのか

 使用済みの核燃料、つまり核のごみに再処理を施して、原爆の材料にもなり得るプルトニウムとウランを取り出し、もう一度燃料として利用する-。それが核燃料サイクルだ。

 このリサイクルの輪が閉じてこそ、核の平和利用という国策は完成される。ところがその国策は、入り口でもうつまずいた。肝心の再処理工場青森県六ケ所村)完成のめどが立たない。

 当初は一九九七年の完成予定が、今は来年の三月と、二十二回も先送りされている。七千六百億円と見込まれた建設費用は、二兆二千億円にも膨らんだ

 再処理工場を運営する日本原燃は、原発を持つ電力十社が共同で設立した株式会社で、事業費は電力会社が積み立てている。

 今は「総括原価方式」で、その費用を電気料金に上乗せできる。しかし来年四月に電力の小売りが完全に自由化されると、地域独占の壁が崩れて、お互いが競争相手になり、料金値下げの圧力がかかってくる。再処理は、ますます経営の重荷になり、原燃自体を維持できなくなる恐れがある。

 日本は核兵器保有国以外で唯一、米国から再処理を許されている。政府はその権利を手放したくないために、てこ入れをしようというのだろうか。

 核燃料サイクルの新たな担い手として、政府が直接所管する「認可法人」を電力会社につくらせて、そこから日本原燃へ再処理事業を委託するかたちをとる。

 日本銀行や日本赤十字社と同じ認可法人は、国の許可なくつぶせない膨大な費用がかかっても核燃料サイクル事業を維持したいという、政府としての明確な意思表示と言えるだろう。

 だが、再処理工場だけではない。再処理してつくった燃料を燃やすべき高速増殖原型炉の「もんじゅ(福井県敦賀市)もトラブル続きで止まったままだ。それでも電気代など一日五千五百万円の維持費がかかる

 寸断され、閉じる見込みのない再処理の輪の夢からは、もう目覚めるべきである

 既に大量にたまってしまったプルトニウムや核のごみをどうするかにこそ、知恵と費用を傾けるべき時ではないか。
=====================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●神浦元彰さん「後方支援がなければ前線の戦闘は成り立ちません。後方支援は紛れもない武力行使」

2015年02月14日 00時00分54秒 | Weblog


nikkan-gendaiの記事【人質殺害を口実に…安倍首相がNHKで「自衛隊派遣」を示唆】(http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/156705)と、
東京新聞の二つのコラム【【私説・論説室から】 「線引き」への反省】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2015012802000164.html)、
【筆洗】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2015021102000150.html)。

 「さぞ自責の念に駆られているのだろうと思ったら違った。「反省」どころか、今回のテロ殺害事件を安全保障や集団的自衛権の法改正問題と結び付けて政治利用”しようとしているから許し難い・・・・・・今回のテロ殺害事件と集団的自衛権は何ら関係がないし、新3要件も当てはまらない。それなのに、安倍首相は今国会で審議される安全保障や集団的自衛権とテロ殺害事件をごちゃ混ぜにして自衛隊派遣に前のめりになっているのだ・・・・・・軍事評論家の神浦元彰氏はこう言う。「後方支援がなければ前線の戦闘は成り立ちません。つまり、後方支援は紛れもない武力行使です・・・・・・」」。
 あ~救い難いアベ様。自身の外(害)「遊」の「無責任」を壊憲の「きっかけ」に悪用、「政治利用」しようというのだから。

   『●「死の商人」外交: アベ様がケンカを売った代償、
            火に油を注いだ代償はあまりに大きすぎる


 そんなマッチポンプな政権には、「線引き」なんて任せられない。人道支援、非軍事支援、非戦闘地域・・・・・・いくら言葉を繕っても、「軍事」につながり、「戦闘地域」との境界はあいまいで、拡大する。「ニッポンも戦争したい」というアベ様らの欲望へと拡大解釈される。
 「核」についても同様で、所詮、「原子力=核」「核=原子力」であり、「原子力の平和利用」と「核の軍事利用」の「線引き」なんて不可能だ・・・・・・「東京電力福島第一原発事故からまもなく四年。被ばくへの関心は薄れ原発再稼働と原発の輸出が着々と進められようとしている・・・・・・反省がある・・・・・・当時、「核の平和利用」すなわち原発ならOKで、「許せない」のは「核兵器開発」、という「線引き」で記事を書いていた。原発なら大丈夫なのか、怖いのは原子力そのものではないのか、といった問題意識は薄かった・・・・・・安全保障を重視する政権ならまず、原発輸出をやめるべきだ」。

   『●烏賀陽弘道さん『ヒロシマからフクシマへ原発をめぐる不思議な旅』読了

 「災害救助、医療などに限定していると慎重論をなだめるが、相手は軍隊である。資金、物資が軍事に転用される危険もある。どう監視するかも定かではない。外交にとって資金援助は大きな武器だが、そこに「怪物」は棲(す)んでいないか▼恐怖を感じぬ安倍政権の「法則」か。「大丈夫だよ」「平気、平気」と気味悪い館へまた一歩。不安の声には「積極的平和主義」と耳を貸さぬ」・・・・・・いくら言葉を繕っても、「軍事」につながる。アベ様達の敷こうとしている線路の先は「ニッポンも戦争したい」という自公議員・翼賛野党議員らの欲望・「」へと繋がっている。

   『●正気?・・・アベ様「憲法9条をなぜ改正するかと言えば、
            国民の生命と財産を守る任務を全うするためだ」


==============================================================================
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/156705

人質殺害を口実に…安倍首相がNHKで「自衛隊派遣」を示唆
2015年1月26日

    (日本も「有志国連合」の仲間入り/(C)AP)

 「最悪の事態」がとうとう現実となった。過激組織「イスラム国」による日本人人質殺害事件。こうなったのも、安倍首相が外遊先のカイロで、能天気ヅラして「イスラム国対策にカネを出す」と“宣戦布告”したのが原因だ。安倍首相は、イスラム国側から「アベ、おまえがハルナ殺した」と名指しされ、さぞ自責の念に駆られているのだろうと思ったら違った。「反省どころか、今回のテロ殺害事件を安全保障や集団的自衛権の法改正問題と結び付けて“政治利用”しようとしているから許し難い

 「この(テロ殺害事件)ように海外で邦人が危害に遭ったとき、自衛隊が救出できるための法整備をしっかりする」――。

 25日、NHKの日曜討論に出演した安倍首相。26日開会の通常国会で、安全保障と集団的自衛権の関連法案の成立に向けた意気込みを問われた際、こう強調していた。聞き手の島田敏男・解説委員が気心の知れた「寿司仲間」のために気が緩んだのだろうが、これは衝撃発言だ。

 安倍政権は昨年7月に国民の反対を押し切って「集団的自衛権」の行使容認をめぐる解釈改憲を閣議決定した。その際、武力行使できる新たな要件として、「日本の存立が脅かされ、国民の生命、自由と幸福の追求権が根底から覆される明白な危険がある」「日本の存立を全うし、国民を守るために他に適当な手段がない」「必要最小限の実力行使にとどまる」の3つを挙げていたはずだ。今回のテロ殺害事件と集団的自衛権は何ら関係がないし、新3要件も当てはまらない。それなのに、安倍首相は今国会で審議される安全保障や集団的自衛権とテロ殺害事件をごちゃ混ぜにして自衛隊派遣に前のめりになっているのだ。


後方支援は実質的な武力行使

 さらに驚いたのは、イスラム国と戦闘状態にある米英などが主導する「有志国連合」との連携について、慎重姿勢を示しつつも「我々に求められるのは軍事的な貢献ではない。後方支援は武力行使ではない」と踏み込んだことだ。日本も「有志国連合」に名を連ねているとはいえ、これまで積極参加の姿勢は示してこなかった。後方支援とはいえ、日本が自衛隊を派遣して「武力行使」に加われば、自衛隊員が戦闘に巻き込まれたり、報復テロの標的になったりするのは避けられない

 軍事評論家の神浦元彰氏はこう言う。

   「後方支援がなければ前線の戦闘は成り立ちません。つまり、
    後方支援は紛れもない武力行使です。安倍首相は自衛隊を派遣したり、
    特殊部隊を作ったりすれば解決すると考えているようだが、
    最大の軍事力を持つ米軍でさえも、特殊部隊によるイスラム国襲撃が
    失敗しているのです。安倍首相が想定しているのは、しょせんは
    『戦争ごっこ』。軍事を何も分かっていない。そんな日本が
    『有志国連合』に加わり、自衛隊を派遣して一体何ができる
    というのでしょうか」

 「有志国連合」の軍事作戦に参加しているカナダやオーストラリア、フランスは、イスラム系過激派によるテロが相次いでいる。安倍首相の暴走を止めないと、日本は「テロの連鎖」の泥沼にはまることになる
==============================================================================

==============================================================================
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2015012802000164.html

【私説・論説室から】
「線引き」への反省
2015年1月28日

 ここ数年に公開された米国のSF映画では被ばくを扱った作品が相次いだ。「スタートレック」最新作は被ばくを恐れず乗員を救おうとするカーク船長を描き、超格差社会をテーマにした「エリジウム」では事故で被ばくした作業員が再生を目指した。「GODZILLA ゴジラ」では福島を連想させる場面が描かれ論議を呼んだ。冷戦時代、長く核戦争の可能性を念頭に置いてきた米国社会では、被ばくの恐怖をより具体的なものととらえているのかもしれない。

 東京電力福島第一原発事故からまもなく四年。被ばくへの関心は薄れ、原発再稼働と原発の輸出が着々と進められようとしている

 反省がある。ウィーンの国際原子力機関(IAEA)でイランの核問題を取材していた当時、「核の平和利用」すなわち原発ならOKで、「許せない」のは「核兵器開発」、という「線引き」で記事を書いていた。原発なら大丈夫なのか、怖いのは原子力そのものではないのか、といった問題意識は薄かった。

 日本が原発を輸出しようとするアジアや中東で原発事故があれば、放射性物質は偏西風などに乗って飛来し日本も汚染される。パリの事件や、「イスラム国」によるとみられる日本人人質事件で脅威を見せつけたテロリストや過激派が原発を襲撃すれば、恐怖は世界中に広がる。安全保障を重視する政権ならまず、原発輸出をやめるべきだ。 (熊倉逸男)
==============================================================================

==============================================================================
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2015021102000150.html

【コラム】
筆洗
2015年2月11日

 恐怖映画には一種の「法則」がある。「怪物」「悪魔」によって最初に殺される人物は「怪物」の存在を疑い、恐れない男である▼映画の冒頭で「この男がまず殺されるな」と分かる。役立つ情報ではないが、一応、見分け方を説明しておく。まず、腕力に自信がある向こう見ずなタイプで、何かと「大丈夫だよ」「平気、平気」「ちょっと様子を見てくるよ」というせりふのある人物である。怖がる別の誰かに、「へっ、臆病だな」などと言えばその男が犠牲になる場面は近かろう▼この「法則」は展開に現実味を出す工夫であろう。「怪物」の領域に最も接近する人物が最初の犠牲者になるという前提に立てば、その人物は恐ろしさをさほど感じず、人の意見を聞かない性格として描いておかないと、不自然な展開になってしまう▼政府は昨日の閣議で政府開発援助(ODA)の基本方針を見直して、事実上禁じていた他国の軍隊への支援を解禁した▼災害救助、医療などに限定していると慎重論をなだめるが、相手は軍隊である。資金、物資が軍事に転用される危険もある。どう監視するかも定かではない。外交にとって資金援助は大きな武器だが、そこに「怪物」は棲(す)んでいないか恐怖を感じぬ安倍政権の「法則」か。「大丈夫だよ」「平気、平気」と気味悪い館へまた一歩。不安の声には「積極的平和主義」と耳を貸さぬ
==============================================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●原子力「ムラ寄生」員会ではなく、「風船爆弾」が語ることにこそ真実はある ~川内原発再稼働問題~

2014年07月08日 00時00分50秒 | Weblog


asahi.comの記事【「川内原発再稼働に反対」東京で集会 5500人参加】(http://www.asahi.com/articles/ASG6X3GMGG6XUTIL007.html?iref=comtop_list_nat_n05)と、
東京新聞の記事『川内再稼働食い止めろ 「経済より命が大事」』(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014062902000105.html)。

 「原子力規制委員会で審査が進んでおり、秋にも再稼働する可能性がある・・・・・・内橋克人さんは「集団的自衛権の先に待っているのは、核兵器を持って抑止力にしようという政策原発はプルトニウムをつくる装置』でもあり、原発を止めることは日本の核武装に待ったをかけることだ」と訴えた・・・・・・川内原発の再稼働に反対している市民団体事務局長・・・・・・原発事故が起きたときの地元自治体の避難計画について「ずさんなものしかないのが現状。絶対に動かさないために協力してほしい」と呼びかけた」。
 内橋克人さんの指摘は鋭い。

   『●プルトニウム報告漏れ: 「疑念」ね~?、
       目的あっての「隠蔽」??・・・っていうのは穿ち過ぎ???
    「市民ももっと「原子力=核」「原子力発電=核兵器」という認識を
     持つべきではないでしょうか」

 さて、原子力「ムラ寄生」委員会の審査に通ったからといって、「お墨付き」を貰ったからといって、何だというのでしょうか? 100.00000%安全だとでも言うのでしょうか? 「想定不適当事故」の教訓が全く活かされていない。再稼働など、絶対に許されない。

   ●こんな国に大飯原発を再稼働させて大丈夫か?
     「・・・バスに乗り、一路、大飯原発をめざす。文字通り「一路」、
      国道241号線という一本の道しかない。大飯原発のある
      大島半島と、小浜湾をまたがり本土とを結んでいる橋も一本しかない。
      しかも老朽化で大地震には耐えられないという。つまり大地震が起き、
      橋が崩落したり一本道が不通になれば、
      大島半島の住民は逃げ場を失う。そこで放射能もれの事故が
      発生したら・・・」

   『●所詮机上の空論、原発など動かさないことが最良の道
   『●原子力「寄生」委員会の審査に通ったからといって何だというのでしょう?
   『●原子力「ムラ寄生」委員会の机上の空論:
          「大幅に下回」るように計算すれば下回る
   『●東京電力原発人災での「想定不適当事故」を
         想定しなかった教訓が全く活かされていない


 原子力「ムラ寄生」委員会の「お墨付き」に何の意味があるのか? それよりも、以下の「風船爆弾が語っていることにこそ真実がある。九州人は川内原発再稼働を決して受け入れてはいけない。

   『●『松下竜一未刊行著作集5/平和・反原発の方向』読了(前半)
    「風船による死の灰実験! 鹿児島県川内原発(p.69、98)。
    「この風船が届くところには、確実に
死の灰が届きます」(p.69)。
    風船は宮崎や熊本まで。「・・・原発反対者を一人一人生み出して
    行くのなら、・・・決して無意味ではないのだ。
    それこそが原発を撃つ風船爆弾ではないか。・・・。/
    ・・・本来その苦悩は国民全部で担うべき苦悩のはずなのだ。/
    ・・・原発現地の人々に押しつけて知らぬ顔をしているのだ・・・。
    まず彼らの苦悩を共有することからしか、本当の原発反対行動は
    始まらないだろう」(pp.70-71)。「実は核爆弾も原発も
    
本質的には同じなんだということを、無残なまでに実証してしまった
    のがチェルノブイリ原発事故なのだ。
    
核の平和利用などという幻想は一挙に吹き飛んでしまったと
    知らねばならない」(p.142)」

==============================================================================
http://www.asahi.com/articles/ASG6X3GMGG6XUTIL007.html?iref=comtop_list_nat_n05

「川内原発再稼働に反対」東京で集会 5500人参加
2014年6月29日00時00分

    (デモ行進で脱原発を訴える人たち=東京都渋谷区の表参道)

 九州電力川内(せんだい)原発1、2号機(鹿児島県)の再稼働反対を訴えようと、市民団体が28日、東京・国立競技場近くで集会を開いた。原子力規制委員会で審査が進んでおり、秋にも再稼働する可能性がある。参加者は集会後、買い物客でにぎわう表参道やJR原宿駅近くをデモ行進。「再稼働反対」と声をあげた。

 首都圏反原発連合など3団体の主催。約5500人が参加した集会で、経済評論家の内橋克人さんは「集団的自衛権の先に待っているのは、核兵器を持って抑止力にしようという政策。原発は『プルトニウムをつくる装置』でもあり、原発を止めることは日本の核武装に待ったをかけることだ」と訴えた。

 鹿児島県で川内原発の再稼働に反対している市民団体事務局長の野呂正和さん(63)は、原発事故が起きたときの地元自治体の避難計画について「ずさんなものしかないのが現状。絶対に動かさないために協力してほしい」と呼びかけた。
==============================================================================

==============================================================================
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014062902000105.html

川内再稼働食い止めろ 「経済より命が大事」
2014年6月29日 朝刊

    (原発反対を訴えながらデモ行進する参加者=28日、東京都渋谷区で)

 今秋以降に第一号となる可能性がある九州電力川内(せんだい)原発(鹿児島県)の再稼働に反対しようと、大規模な抗議活動が二十八日、東京都新宿区の明治公園などであった。毎週金曜日に首相官邸前で脱原発を訴えている首都圏反原発連合など三団体が主催。時折強い雨が降る中、約五千五百人(主催者発表)が「再稼働を食い止めたい」と声を上げた。 (安藤恭子)


 デモに先立ち開かれた集会では、「川内原発増設反対鹿児島県共闘会議」の野呂正和事務局長が「全国で初めて再稼働されようとしている川内で闘っている。お年寄りら要援護者の避難計画もずさんだ。皆さんも一緒に闘ってほしい」と呼び掛けた。最後に「命よっか大事なものがあって、よかとですかー」と方言で叫ぶと、公園を埋めた参加者から拍手が上がった。

 川内原発がある薩摩川内市に隣接するいちき串木野市で再稼働に反対する署名を行い、市人口の半数超を集めた。集会後、野呂さんは「本音では賛成の人なんていない。川内のために東京で多くの人が集まってくれた。これからの力にしたい」と語った。

 福島県郡山市の人見やよいさん(53)は「国も東京電力も本当のことを言わず、私たちを見殺しにしようとした。『さようなら原発』という当たり前の結論に、日本がいまだにたどり着いていないことが不思議だ」と憤った。「原発被害は、風評や福島差別の問題に置き換えられている。避難支援や子どもの保養に重点を置いてほしい」と訴えた。

 経済評論家の内橋克人さんは「原発再稼働の行き着くところは、戦争の抑止力としての核武装」と、集団的自衛権の行使容認問題とも絡めて反対を訴えた。川内原発は現在、原子力規制委員会の優先審査が進んでおり、審査終了は九月以降の可能性が高い。再稼働を阻止しようと、鹿児島地裁で住民らによる運転差し止め訴訟が審理中だ。

 集会後、参加者は代々木公園(渋谷区)まで約二・五キロを行進。小学二年の長女を連れた埼玉県宮代町の農業斉藤康光さん(46)は「これほど多くの人が反対しているのに再稼働の流れはなぜ止まらないのか。川内は首都圏から遠く、やりやすい所を意図的に選んでいるのでは」といぶかった。

 神奈川県秦野市の後藤正子さん(77)は「私は旧満州で銃殺される人を見た。大事なのは人の命。政治や経済を優先させて良いはずがない集団的自衛権も原発も根っこは同じに見える」と話した。
==============================================================================

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●烏賀陽弘道さん『ヒロシマからフクシマへ原発をめぐる不思議な旅』読了

2014年03月10日 00時00分59秒 | Weblog


『ヒロシマからフクシマへ原発をめぐる不思議な旅』、3月に出張往復の機中で読了。烏賀陽弘道さん、文と写真。ビジネス社。2013年7月1日第1刷。
 英語のタイトルの方が本書の中身を表現しているかもしれない、"Road from Hiroshima to Fukushima: Histry of nuclear technology transfer from the US to Japan"。

 「Nucler=核=原子力」を納得させられる。「核=悪」、「原子力=善」を使い分けてきた我国、世界でも稀なその独特の心理。でも、その本質は全く同じであり、「核兵器=原子力発電」。ヒロシマナガサキの「被害者」としての感情の陰に、戦争の加害者」としての反省が曖昧にされたこと。そして、東京電力原発人災で核技術の加害者」となったことへの戸惑い。
 「兵器としてアメリカで生まれ、ヒロシマに落とされた「核」。その双子の兄弟「原発」・・・・・・」。そう両者は双子の兄弟。「アメリカは、臨界状態をつくり出して自然の中に眠っていた核エネルギーを引っ張りだすところから始まって、原爆をつくり、爆発させ、原子炉に閉じ込め、それを発電所に設置しそれが全国や世界に普及していくところまで、全部ひとつながり」。核分裂のエネルギーを放出させるか、原子炉の中に閉じ込めるかの違いであり、原理的には全く同じ。
 「核兵器をタブーの領域に押し込めた。双子の兄弟の一人をいないこと」にしてしまった。原発と核兵器の「血のつながり」を論ずることはタブーになった」。

 最終章第10章の最終節「「事故は起こりえない」という欺瞞」で、烏賀陽さんが考えたこと、感じたこと:
   (A)核技術はアメリカなどの広い国土で生まれ育った。
   (B)アメリカは核技術の最悪の姿を知っている。
   (C)情報公開が各技術にも浸透している。

 東京電力原発人災で、核技術の「加害者」として、上記(A)~(C)を思い知らされた。ブログ主の印象としては、(A)から、狭い我が国では、日本中が「地元」であること・・・・・・・・・、(B)から、チェルノブイリスリーマイル島JCO臨界事故で何も我々は学ばなかったこと、特に、技術者の「安全神話」という傲慢・欺瞞・・・・・・・・・、(C)から、スピーディー SPEEDISPEEDI)は言うまでもなく、隠蔽体質・・・・・・・・・。

==============================================================================
http://www.amazon.co.jpの商品説明】


内容紹介                               

「戦争」と「アメリカ」を親に生まれた双子の兄弟「核兵器」と「原子力発電」の歴史を訪ねアメリカ全土を取材。

日本に未曾有の災厄をもたらした原発の故郷から見えた「核」の歴史をリポートする。著者による貴重な写真も多数掲載。

兵器としてアメリカで生まれ、ヒロシマに落とされた「核」。
その双子の兄弟「原発」は、なぜ日本へやってきたのか?
福島第一原発の故郷を訪ねる旅の記録。

アメリカは、臨界状態をつくり出して自然の中に眠っていた核エネルギーを引っ張りだすところから始まって、原爆をつくり、爆発させ、原子炉に閉じ込め、それを発電所に設置しそれが全国や世界に普及していくところまで、全部ひとつながりの「自国の歴史」として体験している。
「核兵器」「原子力発電」はどちらもアメリカ生まれのアメリカ育ち、メイド・イン・アメリカ。純粋アメリカン。そう言ってもいい
日本は「核兵器」と「原子力発電」という双子の兄弟のうち、原発だけを「養子」として連れてきた。それも「アメリカ人がつくった外来技術」を完成品として買ってきた。「技術をゼロから作り上げるプロセスを飛ばして
そして核兵器をタブーの領域に押し込めた。双子の兄弟の一人を「いないこと」にしてしまった原発と核兵器の「血のつながり」を論ずることはタブーになった。(本書から抜粋)


内容(「BOOK」データベースより)
兵器としてアメリカで生まれ、ヒロシマに落とされた「核」。その双子の兄弟「原発」は、なぜ日本へやってきたのか? 福島第一原発の故郷を訪ねる旅の記録。


著者について
ジャーナリスト。1963年京都市生まれ。86年京都大学経済学部卒業後、朝日新聞社に入社。5年間の新聞記者生活を経て、91年から2001年まで『アエラ』編集部記者。同誌では音楽・映画などポピュラー文化のほか医療、オウム真理教、アメリカ大統領選挙などを取材。03年にフリーランスになり書籍を中心に執筆活動を続けている。3.11後は岩手県、青森県、福島県の津波被災地で取材したほか、福島県に通い続けて原発災害の実態を記録している。著書に『報道の脳死』(新潮新書)、『原発難民 放射能雲の下で何が起きたのか』(PHP新書)、『福島飯舘村の四季』(双葉社)など。


著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

烏賀陽弘道ジャーナリスト。1963年京都市生まれ。86年京都大学経済学部卒業後、朝日新聞社に入社。5年間の新聞記者生活を経て、91年から2001年まで『アエラ』編集部記者。同誌では音楽・映画などポピュラー文化のほか医療、オウム真理教、アメリカ大統領選挙などを取材。03年にフリーランスになり書籍を中心に執筆活動を続けている。3.11後は岩手県、青森県、福島県の津波被災地で取材したほか、福島県に通い続けて原発災害の実態を記録している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
==============================================================================


 目次は以下の通り。

‐*‐*‐*‐*‐*‐*‐*‐*‐*‐*‐*‐*‐*‐*‐*‐*‐*‐*‐*‐*‐*‐*‐*‐*‐*‐*‐*‐*‐*‐*‐*‐*‐*‐
 1 旅立つ前
     なぜ、日本に原発があるのか?

 2 日本に原発をもたらした父
     日本原発史の生き証人、伊原義徳
     アメリカの国家戦略「核の平和利用」の名の下に
     すべてはマンハッタン計画から始まった

 3 核技術が生まれた砂漠
     原爆が誕生した砂漠の実験場へ
     1945年7月16日、世界初の核実験が成功した
     原爆の父、オッペンハイマーの苦悩と蹉跌

 4 イタリアから来た男
     シカゴ大キャンパスのど真ん中に作られた原子炉
     ノーベル賞とアメリカ亡命
     戦時下の核開発戦争
     核エネルギーを手にした人類は原爆への一歩を踏み出した

 5 初めての日本人留学生
     核技術の学校に世界各国の人材が集められた
     1956年、日本初の臨界実験が成功

 6 濃縮ウラン工場の街で
     現役の軍事機密都市、オークリッジ
     ウラン濃縮に1万トンの銀と国内の10分の1の電力を投入
     原爆の原料をつくった人

 7 原発のふるさとアイダホ
     世界で初めて発電に成功した原子炉を訪ねて
     原子炉をぶっ壊す広大な実験場
     初めての死者を出した事故はアイダホで起きた

 8 核エネルギーを潜水艦エンジンにした男
     世界の歴史を変えたアメリカ海軍軍人
     「核の抑止力」に絶対不可欠な兵器、原子力潜水艦
     原潜の父はスリーマイル原発事故に何を思う?

 9 そして日本へフクシマへ
     日本初の実験炉の燃料とともにアメリカから運び込まれた
     日本の原子力行政第一世代の悔恨
     日本原発史とともに人生を歩んだ人、豊田正敏
     なぜフクシマに原発が建てられたのか?
     福島第一原発は地震や津波を想定していなかったのか?
     原子炉は潜在的に危険なものであるという認識

10 旅を終えて
     「核兵器」と「原子力発電」は同じ技術から生まれた
     「事故は起こりえない」という欺瞞

   年表
‐*‐*‐*‐*‐*‐*‐*‐*‐*‐*‐*‐*‐*‐*‐*‐*‐*‐*‐*‐*‐*‐*‐*‐*‐*‐*‐*‐*‐*‐*‐*‐*‐*‐

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●堂々と核実験・核開発に反対したい

2013年04月17日 00時00分01秒 | Weblog


東京新聞の記事(http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2013040102000119.html)。

 核実験・核開発なんて、北朝鮮であろうと、イランだろうと、アメリカだろうと、フランスだろうと、どこだろうと、やってはならないと思うんですよね。でも、「原子力=核」なのですから、結局、我国も原発を廃炉に向けて作業を開始しない限りは、人様の国のことに口出ししづらくなると思うんです。3.11東京電力原発人災を引き起こした我が国が再稼働や原発輸出なんてやっている場合でしょうか? そんなこと(再稼働や原発輸出など)は止めて、廃炉に向けての作業を開始し、堂々と核実験・核開発に反対したいものです。

   『●嘘吐きと本音
   『●破綻した核燃サイクル: なぜ核分裂性プルトニウムをため込むのか?
   『●「原子力」と「核」、言葉は違えど「原発=原爆」である

================================================================================
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2013040102000119.html

北朝鮮 「核と経済発展を両立」
2013年4月1日 朝刊

 【ソウル=篠ケ瀬祐司】北朝鮮は三十一日、労働党の中央委員会総会で、核開発と経済発展を並行して推進するとの「並進路線」をうたった「決定書」を全会一致で採択した。朝鮮中央通信が伝えた。 

 北朝鮮の非核化を促す国際社会をけん制するとともに、住民生活向上に取り組む姿勢を示して、体制の求心力を高める狙いとみられる。中央委員会総会の開催は二〇一〇年九月以来。

 巨額の費用がかかる核開発は住民生活を圧迫するが、中央通信は「戦争抑止力と防衛力の効果を高めることで、経済建設(発展)と人民生活向上に集中できる」として、経済発展と矛盾しないと強調。核開発を「民族の生命」と形容している。

 中央通信は「核武力(兵器)は地球上に帝国主義が残り、核の脅威がある限りあきらめられない」と、核開発は米国に対する自衛的な措置だと主張。「共和国(北朝鮮)の核保有を法的に固定させ、世界の非核化が実現されるまで質量的に拡大強化する」と、追加の核実験も示唆した。

 一方で「責任ある核保有国として、核伝播(でんぱ)を防ぐために、積極的に努力する」と、核兵器や技術の不拡散に取り組む姿勢を示した。国際社会に核保有国としての地位を認めさせ、米国を「核軍縮」協議に引き出す戦略とみられる。半面、核放棄拒否をあらためて強調したことで、朝鮮半島の非核化を話し合う六カ国協議議長国の中国の反発を招く可能性もある。中央通信は「軽水炉開発を推進し、電力問題を解決する」と、核の平和利用を強調している。

<朝鮮労働党中央委員会総会> 北朝鮮の指導政党、朝鮮労働党で党大会、党代表者会に次ぐ重要会議。「重要な諸問題」の討議・決定のほか、党中枢の政治局常務委員や下部組織の政治局員、日常的な党務の執行に当たる書記らを選出する。規約は年1回以上開くとしているが、昨年と一昨年は開催が伝えられなかった。2010年9月時点で中央委員は125人。 (共同)
================================================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●民意薄き圧勝: 原発推進してきた自民党

2012年12月22日 00時00分14秒 | Weblog


山岡俊介さんのアクセスジャーナルの記事http://www.accessjournal.jp/modules/weblog/、12月16日)と東京新聞の記事(http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2012121802000130.html)。

 憲法改正なんて議論している場合か! 原発推進なんてしている場合か!! 「難民」「収容所」なんて、言わせるような社会や政治っておかしいでしょう!!!

 その前に、以下は 綿井健陽さんの『逆視逆考PRESSより。

==========================================================================
http://watai.blog.so-net.ne.jp/

(『選挙を前に あれだけの……にもかかわらず……』、http://watai.blog.so-net.ne.jp/2012-12-16
来年7月には参議院選挙があるという。そこでももし、「橋下的・石原的・安倍的な、価値観・歴史認識・言葉・感情を抱く人たち」が、彼ら3人がいる政党に投票して多数派となれば、その先に待ち構えているものは何か、その先の日本の社会は何と表現されるのか。

(『Twitterまとめ投稿 2012/12/17』、http://watai.blog.so-net.ne.jp/2012-12-17
wataitakeharu熱烈な支持者からすれば余計なお世話かもしれないが、この時代状況にもかかわらず、なぜに社民と共産はこんな程度の得票・議席しか、いつも得られないのでしょうか?今回も含めて、これまで20年間だいたいどちらかに投票してきた者として、毎回ガックリする事実なのです。自民大勝よりもまたガックリ12/17 01:22

(『Twitterまとめ投稿 2012/12/18』、http://watai.blog.so-net.ne.jp/2012-12-18
wataitakeharu昨年11月、浪江町から避難して仮設住宅に住んでいた女性は、そこを「収容所」と呼んでいた。今回いくつかの仮設住宅で聞いた言葉は「難民」。「原発に賛成か反対か?ってよく聞かれるけど、それよりもワシら難民の生活基盤をどうするのかまず考えてほしい。いつまでここで暮らさなきゃいけないんだ」12/18 06:33
==========================================================================

==========================================================================
http://www.accessjournal.jp/modules/weblog/、12月16日】

2012/12/16
「私たちを抜きに福島のことを決めるな!」ーーIAEAの福島訪問に疑念と抗議の声
執筆者
: Yamaoka (2:28 pm)

 衆院総選挙で報道がほとんどかき消されているが、福島第一原発事故に伴う住民被曝問題にとって、岐路になるかもしれない事態が進んでいる。
 政府とIAEA(国際原子力機関)共催の原子力安全国際会議が、15日から福島県郡山市で始まった。玄葉光一郎外相は本会合で、IAEA調査団に福島第一原発の現場を見てもらい、廃炉に向けた調査と助言を得ていく、とその主旨を発言した。
 だが、IAEAとはそもそも「核の平和利用」、すなわち原発政策を推進する国際機関だ。天野之弥事務局長は14日、福島第一原発を視察した後、「多くの国が原発を必要と考えている」と述べ、暗に「脱原発」政策を批判した。そのIAEAが今回の国際会議を皮切りに、放射線の健康被害について過小評価し、日本の政策決定に重大な影響を与えるのではないか――こうした疑念の声が県内外で少しずつ高まっている。
 14日正午、反原発団体「原発いらない福島の女たち」が県知事に宛てて、「福島へのIAEA進出をやめさせること」「除染の限界を見極め、住民の避難に保障を」等を求める要請書を提出。その後、福島県庁に隣接する紅葉山公園で集会を開いた。
 公園と阿武隈川を挟んだ対岸には高い放射線量で知られる渡利地区があるが、公園の放射線量も、簡易測定器で計測したところでは毎時0.79マイクロシーベルトを記録した。東京と比較しても一桁違う。
==========================================================================

==========================================================================
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2012121802000130.html

小選挙区24% 比例代表15% 自民 民意薄い圧勝
20121218日 朝刊

 戦後最低の投票率となった十六日の衆院選は、自民党が定数(四八〇)の六割を超える二百九十四議席を確保する圧勝で終わった。しかし小選挙区で自民党候補の名を書いたのは全有権者の約四分の一、比例代表に至っては15・99%だった。自民党の勝利は、必ずしも民意を反映したものではない。多党乱立と低投票率が自民党を利した結果であるということが、はっきり分かる。

 衆院選の投票率は小選挙区で59・32%。戦後最低を記録した。


 一方、自民党の得票率は小選挙区が43・01%。比例代表は27・62%。ただし、これは投票した人の中での比率だ。

 全有権者に占める比率は24・67%、比例代表は15・99%となる。選挙区でも比例代表でも自民党候補や党名を書いた有権者は「少数派」だ。

 ところが、自民党が獲得した議席は小選挙区で定数の79%にあたる二百三十七議席、比例代表は、同31・67%の五十七議席だった。

 現在の衆院選挙制度は、小選挙区制と比例代表の並立制を採用している。民意を集約して二大政党制に導く小選挙区制で自民党は、有権者全体に占める得票率の三倍以上の議席を獲得。信じられないような世論との乖離(かいり)が生じた。

 民主党は、小選挙区で自民党の約半分にあたる22・81%の得票だったが小選挙区での獲得議席は自民党の一割強の二十七にとどまった。ここで両党が明暗を分けた。

 このようなずれは、十二党が乱立した今回の衆院選で、多くの候補が票を食い合ったことが最大の要因。特に、最大の争点の一つだった原発政策で「原発ゼロ」を公約する政党が小選挙区で競合し、結果として原発を容認する自民党を利した形だ。
==========================================================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●社説:核廃絶と脱原発

2011年08月21日 00時22分34秒 | Weblog


東京新聞の社説(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2011080702000057.html)。何もコメントを添える必要性を感じません。産経などと違って、当たり前だけれども、東京新聞はとてもとてもまともだ。

==========================================
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2011080702000057.html

核廃絶と脱原発 次世代に引き継ぐ責任
201187

 六十六年目の原爆忌を迎えた広島で、核廃絶と脱原発の訴えが共鳴した。ともに人類の存亡にかかわる目標だ。次の世代に引き継ぐ責任を自覚したい

 爆心地に近い平和記念公園で営まれた原爆死没者慰霊式・平和祈念式。首相のあいさつがこれほど注目された年もなかろう。原発事故を受け、菅直人首相が原子力政策にどう言及するのか、と。

 首相は、核兵器廃絶と世界恒久平和に向けた決意に続き、「エネルギー政策についても白紙から見直しを進めている。原発への依存度を引き下げ、『原発に依存しない社会』を目指す」と述べた。


平和という「救い」
 首相が原爆忌にあたり、脱原発依存に言及するのは、これまでの例から言えば確かに異例だろう。

 核兵器は「悪」で、核の平和利用は「善」という構図が、唯一の被爆国・日本でも広く受け入れられてきたからだ。

 広島市立大学広島平和研究所の田中利幸教授によると、核の平和利用は当初、被爆者の間でも受け入れられてきた、という。

 一九五五年に開かれた第一回原水爆禁止世界大会の広島アピールでは「原子戦争を企てる力を打ちくだき、その原子力を人類の幸福と繁栄のために用いなければならないとの決意を新たにしました」とうたわれている。

 核が平和利用されれば、人々の生活を豊かにでき、何より軍事利用の道を閉ざせるかもしれない。被爆者にとっては、それが「救い」になったのだろう。

 しかし、本をただせば同じ核燃料と技術である。これまで分けていたことが異常だったのかもしれない。そのことは安全神話がまかり通っていた原発が事故を起こし、思い知らされることになる

 田中氏は言う。「核と原発はつながっているが、背中合わせだからお互いが見えなかった」と。


米国核戦略の一環
 核の平和利用自体、米国の核戦略の一環だったことが、近年の研究で明らかになりつつある。

 米国が平和利用を打ち出したのは五三年十二月、アイゼンハワー大統領の国連演説「Atoms for Peace(平和のための原子力)」だ。

 この年の八月、当時のソ連が水爆と思われる核実験を行うなど核開発競争は熾烈(しれつ)を極め、米ソ間で核戦争が勃発するのではないかという不安が急激に高まっていた。

 大統領演説からは、ソ連を牽制(けんせい)すると同時に、西側の非核武装国には原子力発電をはじめとする非軍事技術を提供し、自陣に留め置こうという意図がうかがえる。

 日本、特に広島は平和利用宣伝のターゲットにされた。五六年の「原子力平和利用博覧会」、五八年の「広島復興大博覧会」では、平和記念資料館に米国の協力で原子炉模型などが展示され、多くの入場者でにぎわったという。

 米国にとって被爆地のお墨付きを得ることは「平和のための原子力」を成功に導き、核戦略で優位に立つための必要条件だった。

 米国の核政策はともかく、原子力は安価で、小資源国の日本には欠かせないという意見もある。

 しかし、福島での原発事故を見れば、とても安価とは言えない。事故収束や補償の費用は優良企業とされた東京電力の存立すら危うくするほど膨大だ。そもそも核燃料サイクルは未完の技術であり、使用済み核燃料はたまる一方だ

 原爆忌での「脱原発依存」宣言は、むしろ遅きに失したのかもしれない。政権延命意図の有無にかかわらず、目指す方向性は支持する。

 とはいえ、田中氏は「脱原発に向かってのビジョンがつくれていないのが問題だ」と指摘する。

 政府のエネルギー・環境会議がまとめた中間整理案では、首相の脱原発方針は「原発への依存度の低減に関する国民的議論を踏まえた対応」にトーンダウンした。

 原発を推進してきた経済産業省の人事は、次官以下、責任をとらせる「更迭」のはずが通常の順送り人事にとどまった。いずれも官僚の抵抗を、首相がはねつけられなかった結果だ。

 世論調査では、首相の脱原発方針を支持する意見は70%に達しているが、内閣支持率は20%前後にとどまる。国民が脱原発を支持しながらも、首相の指導力の欠如を見透かしているからだろう。


核とは共存できぬ
 自らも被爆し、核兵器廃絶と被爆者援護に半生をささげた故森滝市郎・広島大名誉教授は「核と人類は共存できない」と語った。

 核廃絶と脱原発。ともに実現の道は険しいが、今の世代で無理ならば、次世代に引き継いででも成し遂げねばならない目標だ。

 菅首相の責務は、脱原発依存方針を閣議で正式決定し、次の政権にも引き継ぐことだろう。政治生命を賭す価値は十分ある。
==========================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●原発の父・正力松太郎のくだらない〝理由(わけ)〟

2011年07月23日 00時01分43秒 | Weblog


videonews.comからTHE JOURNALへの転載記事(http://www.the-journal.jp/contents/jimbo/2011/06/post_116.html)。

 そんないい加減な理由で、「原発の父」読売・正力松太郎氏が、原子力の安全利用・核開発を推進したなんて!? あきれます。そこに群がった政治屋や電力会社、その結果としてのFUKUSIMA。

==========================================
http://www.the-journal.jp/contents/jimbo/2011/06/post_116.html

正力松太郎はなぜ日本に原発を持ち込んだのか

マル激トーク・オン・ディマンド
532回(20110625日)
正力松太郎はなぜ日本に原発を持ち込んだのか
ゲスト:有馬哲夫氏(早稲田大学社会科学部教授)

 「原発の父」と呼ばれる正力松太郎は、独占的な通信網欲しさから原発を日本に持ち込み、田中角栄は利権目的で原発を利用した。こうして日本の原発は、その本来の目的とは乖離した、いわば不純な動機によって増殖を続けそしていつしかそれは誰も止めることができないものとなっていた。
 正力松太郎に詳しい早稲田大学の有馬哲夫教授によると、読売新聞の社長で日本初の民間放送局日本テレビの社長でもあった正力の真の野望は、マイクロ波通信網と呼ばれる国内通信網の実現だった。これを手にすれば、当時将来有望な市場と目されていた放送・通信事業のインフラを自らの手中に収めることができる。正力はそのための資金としてアメリカからの1000万ドルの借款、それに対する日本政府の承認、そして通信事業に参入するための公衆電気通信の免許が必要だった。
 正力は野望実現のために、当時の吉田茂首相やアメリカとの交渉に奔走した。しかし、正力はほどなく一つの結論にたどりつく。それは、野望を実現するためには自らが最高権力者、すなわち日本の首相になるしかない、というものだった。そして、正力は同じく当時将来が嘱望されていた原子力発電は、そのための強力なカードになると考えた。しかし、正力の関心はあくまでマイクロ波通信網であり、原発そのものは正力にとってはどうでもいい存在だった。
 当初はアメリカも、弱小紙だった読売新聞を大新聞に育て上げた正力のビジネスマンとしての才能や政治的コネクション、そして何よりもそのアンチ共産主義的な思想を評価していたと有馬氏は言う。更にアメリカは、1953年のアイゼンハワーの国連演説以降、核の平和利用を推進し、その恩恵を西側陣営に広げることを対ソ戦略の柱の一つにしていた。アメリカにとって正力は十分に利用価値のある人物だった。
 日本で初の原子力関連予算が成立した翌年の1955年、正力は衆院議員に当選するやいなや、原発の導入を強力に推進する。新人議員ながら既に70歳と高齢だった正力は、限られた時間の中で、自らが首相になるための実績作りを急がなければならなかった。そのために読売新聞や日本テレビを使った大々的な原発推進キャンペーンを次々と打ち、当時第五福竜丸の被爆などで高まりつつあった反米、反原子力の世論の懐柔に奔走した。こうして正力は初代の原子力委員会委員長、同じく初代の科学技術庁長官の座を手にし、権力の階段を着実に登り始めたかに見えた。
 しかし、その頃までにアメリカは正力の権力欲を警戒し、正力から距離を置き始めていたと有馬氏は言う。それでも正力はあきらめず、遂に19578月、茨城県東海原発実験炉に日本で初めて原子力の灯がともった。しかし、正力の首相になる夢は叶わず、マイクロ波構想も通信・放送衛星の登場によって、意味のないものとなってしまった。
 夢のエネルギーであるかに思えた原子力発電にも問題が起きる。その年の10月、イギリスのウィンズケールの原子炉で大規模な事故が起こり、原発のリスクが顕在化したのだ。正力が科学技術庁長官並びに原子力委員長を退任した後の1961年、原子力賠償法が成立したが、その内容は事業者負担の上限を定め、それ以上は国が負担するといういびつな二重構造だった。ここにも、民間と言いながら実際は国が保証しているという原発の二重性の欺瞞を見て取ることができる。
 しかし、原発は正力の手を離れた後も著しい成長をみせた。1970年の大阪万博には敦賀原発から電力が送られ、未来のエネルギーとしてもてはやされた。オイルショックも原子力の推進を後押しした。そうした中で登場した田中角栄首相のもとで、1974年、電源三法が制定され、原発は高度経済成長の果実を得ていない過疎地の利権としての地位を得て、更に推進されることになる。
 正力が「首相になるための道具」として日本に原発を導入してから、半世紀がたつ。一人の男の不純な動機で始まった日本の原発は、原発に利権の臭いを嗅ぎ取った希代の政治家田中角栄の手で、やはり本来の目的とは異なる別の動機付けによって推進されるなど、常に二重性の欺瞞に満ちているようだ。
 「原発の父」正力松太郎の生きざまを通じて、原発の歴史と今後のエネルギー政策へのヒントを、有馬氏と考えた。(今週の司会は武田徹、宮台真司の両氏です)
==========================================


 当時からヤラセや偽装が常態化していたというお話(http://www.asahi.com/politics/update/0717/TKY201107160721.html)。

==========================================
http://www.asahi.com/politics/update/0717/TKY201107160721.html

201171731
原子力委の設置、裏に偽装報告 55年 初の海外調査団

 政府が1955年、原発を導入するために初めて派遣した海外調査団の報告書が、原子力委員会の設置を推進する内容に偽装されていたことがわかった。作成に関与した旧通商産業省の初代原子力課長(故人)の偽装を認める証言が、文部科学省の内部文書に記録されていた。
 文書は85~94年、日本の原子力行政の重鎮で、原子力局長や原子力委員を務めた故・島村武久氏が、原子力政策にかかわった政治家や官僚、学者など33人を講師として招いた島村研究会録音記録。A4判620ページにわたって文書化され、文科省が製本したものを朝日新聞が入手した。
 政府は54年12月、初めての原子力予算で、物理学者を団長とする15人の「原子力平和的利用海外調査団」を派遣。4班に分かれて米英仏やインド、スウェーデン、デンマークなど14カ国を巡り、原子力行政の組織体制を調べた。
 調査団は帰国後、原子力を推進・開発する政府の機関について「各国の統括機関はほとんどすべて委員会の形をとり多頭。各方面の意見を十分に入れるためと思われる」と報告書に明記して、集団指導体制による委員会の設置を日本でも急ぐよう提言した。
 事務局として作成にかかわった旧通産省工業技術院原子力課の初代課長の故・堀純郎氏は88年、「島村研究会」に招かれ、「(トップに)委員会をつくっているのは米国だけで、ほかにはどこもない」と指摘。フランスは「役所」、イギリスは「公社」だったにもかかわらず、「(諸外国は)どこでも委員会だ。だから日本でも委員会を作らなくちゃいかんと強調した」と偽装を証言した。
 さらに「若い事務官がこんなうそ書けるかと憤慨した」とも証言し、のちに資源エネルギー庁次長となる豊永恵哉氏が偽装に抵抗したことを明らかにした。
 豊永氏は朝日新聞の取材に「委員会は米国にしかなく、責任があいまいになり、日本になじまないと思った。むしろしっかりした行政組織を作るべきだと上司に進言した」と話す。
 政府は報告書をもとに原子力委員会を56年に発足させ、初代委員長に正力松太郎国務相、委員にノーベル物理学賞の湯川秀樹氏、経団連会長の石川一郎氏らを起用。著名人を集めた委員会を設け、米国の水爆実験で「第五福竜丸」が被曝(ひばく)した事件による原子力への世論の逆風を弱める狙いがあったとみられる。政府が公表した報告書の偽装は、原発導入期からの隠蔽(いんぺい)体質を示すものだ。(山岸一生)
==========================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●死の商人、あるいは、安全神話の押し売り

2011年05月04日 07時09分59秒 | Weblog


質問の仕方や解析の仕方、母集団の状態で結果の印象は大きく異なるが、もろ手を上げて賛成するなんていないはずで(でも東京都でのアンケートや都知事選はあの結果)、この結果は当たり前である(http://www.asahi.com/national/update/0502/TKY201105020066.html)。ただ、事故前とはいえ、末尾の一文が気になる。この期に及んでまだ原発推進する気か? 輸出までする気じゃないでしょうね?

==========================================
http://www.asahi.com/national/update/0502/TKY201105020066.html

原発反対、原子力委に意見急増 事故後に6500件
                              2011年5月2日10時58分

 原子力政策を立案する内閣府の原子力委員会(近藤駿介委員長)に対し、東京電力福島第一原発の事故以来、国民から寄せられた意見が約6500件に上っている。原発推進の見直しや自然エネルギーの導入促進を訴える声が多いという。意見は原子力政策の見直しに反映させるため事故前から募集していたが、事故後に急増した。
 委員会では今後もウェブサイト(http://www.aec.go.jp)で意見を募る。
 事務局はこれまで、事故のあった3月11日から4月15日までの約2500件の内容をまとめている。「原発は、将来的に全て廃止する方向での政策転換を強く希望」「原子力から代替エネルギーへの転換を」「今すぐストップするのは難しくても、将来的には、核燃料サイクルを断念するべきだ」といった意見が寄せられている。
 「完全に否定しきれない」といった意見もあるが、ほとんどが原発への反対意見だという。事故前に寄せられていた意見は約70件にとどまっていた。
 委員会はもともと国の原子力政策の方向を示した「原子力政策大綱」の改定について意見を募集していた。事故を受け、4月5日に改定作業の中断を決めたが意見募集は続けている。
 大綱は2005年に定められた国の原子力政策の基本方針。使用済み核燃料をリサイクルして使う「核燃料サイクル」の方針を明記するほか、国内の原子力発電の比率を2030年以降は30~40%か、それ以上にすることを目指すことなどを盛り込んでいる。今回の改定では、日本の原子力技術の海外輸出や放射性物質の処分問題などを話し合う予定だった。(小堀龍之)
==========================================


 これも古い記事ながら、asahi.comから。ベトナムやインドの住民にとっては、フランスや日本は、死の商人が言い過ぎならば、核の平和利用・原子力の安全利用・「安全神話」の押し売り。いくら「神話の国」でも、迷惑な話だ。「フランス側がまず2基を供与」・・・まるで麻薬のようだ。一度やり始めると、止められない。日本も、アメリカから([自民党を中心とした]政治家や電力会社にとっての)その蜜の味を教わり、FUKUSIMA後も止められずにいる。

==========================================
http://www.asahi.com/international/update/0419/TKY201104190084.html

反原発デモで死者 インドの予定地、福島の事故引き金
                           2011419954

 インド西部マハラシュトラ州の原発建設予定地で18日、建設反対派住民が警官隊と衝突し、警官隊の発砲で少なくとも住民1人が死亡した。福島第一原子力発電所の事故にもかかわらず、ラメシュ環境相が建設計画の見直しを否定したことが引き金となった。
 PTI通信が伝えた。衝突が起きたのは、西部の中心都市ムンバイの南約300キロにある同州ジャイタプール。見直し否定に怒った住民ら600~700人が地元警察署に押しかけ、建物や車両に放火。警官隊が発砲したという。
 インド政府は、この予定地に6基の原発を建設して同国最大規模の発電所を造る計画だ。昨年12月、フランスのサルコジ大統領がインドを訪問した際、フランス側がまず2基を供与することで合意し、予定地を囲い込むフェンスの建設が始まっていた。(ニューデリー=武石英史郎)
==========================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●アジア、世界の怒りはやがて原発推進派へ

2011年04月24日 00時02分30秒 | Weblog


gendai.netの記事(http://gendai.net/articles/view/syakai/129970)。取材協力は横田一さん。

 原発事故の被害を小さく小さく見せようとしたことが最大の間違いだと思われます。これまで原発推進してきた人たちが自分の責任を少しでも小さくしようとしてきたのでしょう。自民党だけでなく、民主党も電力会社から色々と美味しい生活をさせてきてもらったのでしょうか? 政権が代わっても原発を止めることも、エネルギー政策を転換することもできなかった民主党。そのつけがFUKUSIMAの人たちにまわされてしまった訳です。
 上海のモーターショーでは車でさえが放射線量のチェックを受ける始末で、正確な情報を発信していないために、あらゆる日本からの輸出品に不審の目が向けられています。日本の「核の平和利用・原子力の安全利用」をあれだけ喧伝してきて、「想定外SOUTEIGAI」を理由にメルトダウンをレベル7で実際に引き起こし、しかも、FUKUIMA後にこの地震大国・津波危険国で未だに50を越える原子炉関連施設が何らかの形で動き続けている姿をアジアの国々、(アメリカやフランスの核・原発関係者を除き)世界の国々の人々は奇異に感じていることでしょう。(被爆労働者の皆さんの努力にもかかわらず)最悪の状態にジワジワと進みつつある現状を考えると、ここで、次の「想定外」な震災が起って50を越える原子炉関連施設のうちの一つでもレベル7クラスの事故を起こせば、もはや日本は世界のつまはじき者にされるでしょう。相馬市長の激しい怒りは、原発廃止派の怒り、世界の人たちの怒りとなり、日本という危険地帯でまだ原発を動かし続けている人たちに向けられることでしょう。

==========================================
http://gendai.net/articles/view/syakai/129970

桜井勝延南相馬市長が怒りの激白 許し難い「東電の非常識・政府の差別」
                                                               【政治・経済】
                                                               2011年4月15日 掲載

大津波と原発事故の二重被害に苦しめられている福島県南相馬市。福島第1原発から10キロ圏内の「避難」から「1カ月以内の計画避難」「緊急時の避難準備」「安全」まで、4つの区域が混在する唯一の自治体で、住民は政府と東電に振り回されている。桜井勝延市長(55)が日刊ゲンダイ本紙に怒りをぶちまけた

総務省の規制で郵便も届かず
 桜井市長が憤るのは、まず、地震発生から1週間以上たっても、東電から一切連絡がなかったことだ。

   「東電さんが初めて南相馬市まで説明に来られたのは11日後の
    先月22日です。それまでは電話の1本、ファクスの1枚すら
    ありませんでした。しかも、来るという連絡が入ったのは当日の朝。
    事実上のノーアポです。時間的にはいくらも話し合いはしません
    でしたが、今起きている問題とこれから起きる問題、さらに
    復興については全責任でやってもらいますからね、と申し上げました。
    東電側の責任者が張り付くようになったのは、それから4日後です」


 東電との関係はマシになっても、相変わらず情報は入らなかった。空中の放射線量が減っているとか、海中に汚染水が放水されたとか、報道レベルの話は伝えられても、放射性物質の封じ込めや汚染水の処理についての見通しは全然示されなかった

 政府の説明も要領を得ない。猛毒のプルトニウムが検出され、MOX燃料を使う3号炉の損傷も疑われているが、南相馬市を訪問した原子力安全・保安院の担当者は「明確な事実は把握していない」と言うだけ。まるで他人事だったという。
 住民も、政府の稚拙な情報開示に苦しめられた。

   「汚染状況の発表が同心円状に描かれたため、屋内待避となった
    20~30キロ圏内は兵糧攻めにされたのです。国が責任を
    持って物資を届けることもありませんでした。われわれが
    タンクローリーを動かしたり、支援物資を取りに行ったりした。
    今はコンビニも開いてきましたが、金融インフラは元に戻って
    いません。郵便も滞っています。総務省が
30キロ圏内に入るな
    
と規制していたためで、友人の逢坂誠二総務政務官から
    片山総務大臣に強く働きかけてもらい、何とか解いてもらった。
    こんな縛りを掛けられているとは、思ってもいなかったことです」


 文部科学省の汚染シミュレーションによると、高濃度の汚染地域は同心円状ではなく、細長く広がっている。これを見れば、汚染地域を回避しながら30キロ圏内に物資を運ぶことも可能だ。


   「最初に発表した同心円状のデータは何だったのか、となりますよ。
    そもそも、先月12日に政府が10キロ圏内に待避指示を出した
    ときも、南相馬市には何の通知も来ませんでした。連絡が入った
    のは双葉郡だけ。これには本当に驚きました」


 地震大国の日本は何度も震災を経験している。いったい、政府は何を学んできたのか。

(取材協力=ジャーナリスト・横田一)
==========================================

 岩上安身さんのWeb Journal(http://iwakamiyasumi.com/)にもインタビュー映像が出ています。

    『南相馬市・桜井市長インタビュー 2011年4月19日
            【
http://iwakamiyasumi.com/archives/8534
 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●”原子力発電”という箱を開ける覚悟と、(とりようの無い)開けた責任

2011年04月14日 00時18分52秒 | Weblog


ついに、レベル7の事故である。

 パンドラの箱を開けるにあたり、覚悟していたのか? 開けてしまった責任はどうとるのか? 原子力の安全な利用・(核兵器開発を見据えていたと言われる)核の平和利用という開けてはならないパンドラの箱を開けてしまい、多くの人が重篤な事故の懸念を表明していたにもかかわらず、ましてや、ブラックアウト(全電源喪失)をふざけたことに「割り切って」原発を運営し、実際に取り返しのつかない〝悪夢〟を引き起こした人々は、一言「ごめなさい」で済む話ではない。It is no use crying over spilt milk.、周囲を広範囲に汚染させた放射性物質という「覆水」は、放射能を閉じ込めるお釜としての原子炉という「お盆」には返らない。「想定外」など許されない。ECCSがあるから絶対安全と大々喧伝し、「電源喪失は「あり得ないだろうというぐらいまでの安全設計はしている」と発言」しつつ、実際には電源喪失という事象を「割り切って」原発を推進させていた訳だ。

 「ごめん」で済めば警察は要らないが、百歩譲って、せめて今ある原発をどうすべきか何らかの発言があってしかるべきではないか? 「正しくなかった」・「反省している」・「甘さがある」・「危険を割りきった」・「耐震ユルユル」の原子力発電所は多数まだ現実に稼働したままだ、取り返しようの無いリスクをしょって。
 福島の人々にとって非常時の「いま言うなって」? そんな人には、「喉元過ぎれば・・・」や「あとの祭り」という言葉を送る。原発の次のシビアアクシデントに「つぎ」や「あと」はないです、きっと。いま実行あるのみ。


 asahi.comの記事(http://www.asahi.com/national/update/0406/TKY201104060520.html)から。

==========================================
http://www.asahi.com/national/update/0406/TKY201104060520.html

電源喪失、認識の甘さ陳謝 保安院・安全委トップら
                  
2011年4月7日0時25分

 東京電力福島第一原子力発電所で深刻なトラブルを招いた、非常用を含めた電源喪失事故。経済産業省原子力安全・保安院原子力安全委員会のトップらが、6日の衆院経済産業委員会で、電源喪失を「想定外」としていた過去の認識について陳謝した。
 この日、これまでに原発問題を国会で追及してきた吉井英勝衆院議員(共産)が質問。原子力安全・保安院の寺坂信昭院長は昨年5月の同委で、電源喪失は「あり得ないだろうというぐらいまでの安全設計はしている」と発言していたが、この日は「当時の認識について甘さがあったことは深く反省をしている」と述べた。
 これまでの法廷証言などで電源喪失の可能性を否定してきた班目春樹・原子力安全委員長は「事故を深く反省し、二度とこのようなことが起こらないようにしたい」と答えた。
 また、過去に同様の見解を示してきた前原子力安全委員長(現・日本原子力研究開発機構理事長)の鈴木篤之氏も「国民の皆様に大変申し訳ないと思っている。痛恨の極み」。電源喪失の事態に備えてこなかったことは「正しくなかった」とした。(野口陽)
==========================================

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●『松下竜一未刊行著作集5/平和・反原発の方向』読了(前半)

2011年01月10日 00時07分29秒 | Weblog

後半へのリンク

松下竜一未刊行著作集5/平和・反原発の方向』、11月に読了。梶原得三郎新木安利編。海鳥社。2009年6月第1刷発行。

 扉の写真は、甲山事件裁判第一審完全無罪判決、日出生台ゲート前での米軍実弾砲撃訓練抗議など。

 「Ⅰ 反原発」、「Ⅱ 死刑と政治囚」、「Ⅲガサ入れ」、「Ⅳ 甲山事件」、「Ⅴ 日出生台」。
 解説は渡辺ひろ子さん、「一匹のアリとして」。
 新木安利さん、「勁草の人 『松下竜一未刊行著作集』編集後記」。全5巻に関する解説。

 少しくらい不便でも良いじゃない、原発なんて要らんよ。〈暗闇の思想〉(p.14、64、74、109)。「・・・電力が足りないのなら足りないで結構だ・・・。・・・それよりはきれいな自然環境の中に住みたいのだと全員が言いきるなら、・・・」(p.64)。非核平和館(p.74)。「〈暗闇の思想〉から十七年 脱原発―――原発社会の対極を考える」(p.107)。かつて、〈暗闇の思想〉を嘲笑した愚かな山本七平氏・・・、松下センセの「文章を読まずに一方的な解釈を下しているずさんさ・・・」(p.127)。
 四国電力による伊方原発(p.18、220)。「「辛酸入佳境(しんさんかきょうにいる)田中正造の言葉)」」(p.21)。センセ宅のガサ入れは、この原発反対運動支援に対する嫌がらせも含む。「・・・警察のやりかたはきたなすぎる。・・・くじけんでがんばれよ」/「・・・きたなすぎるという印象・・・」/「・・・やり方が露骨過ぎます」(p.219)など全国から激励が殺到。
 
中国電力の上関原発反対! 山口県上関町の祝島(p.146)。
 風船による死の灰実験! 鹿児島県川内原発(p.69、98)。「この風船が届くところには、確実に死の灰が届きます」(p.69)。風船は宮崎や熊本まで。「・・・原発反対者を一人一人生み出して行くのなら、・・・決して無意味ではないのだ。それこそが原発を撃つ風船爆弾ではないか。・・・。/・・・本来その苦悩は国民全部で担うべき苦悩のはずなのだ。/・・・原発現地の人々に押しつけて知らぬ顔をしているのだ・・・。まず彼らの苦悩を共有することからしか、本当の原発反対行動は始まらないだろう」(pp.70-71)。「実は核爆弾も原発も本質的には同じなんだということを、無残なまでに実証してしまったのがチェルノブイリ原発事故なのだ。核の平和利用などという幻想は一挙に吹き飛んでしまったと知らねばならない」(p.142)。
 大盛況の「非核平和館」(p.72)。当初、「非国民」(p.109、122)とまで呼ばれて、警察の嫌がらせとしてのガサ入れを受けるほどのセンセは、「・・・環境権裁判を戦う私は〝困った存在〟・・・。・・・〝過激派〟の烙印・・・。/・・・私が指摘していた通り、周防灘総合開発は中止となったし、強引に建設された火力発電所は早くも運転を中止するといった有様の中で、一貫して反開発の主張を曲げなかった私の頑固な姿勢が、ようやく評価されるに至った・・・。人々が高度経済成長の夢から醒めた・・・」(p.73)。 電力不足というペテンや恫喝と原発という壮大な無駄。「・・・もうこの発電所は操業を止めていた。・・・豊前火力は不要となったのだ。・・・。/・・・「・・・三十%以上が原子力にたよっています」という殺し文句は、豊前火力を見るだけでもペテンだとわかる。既存の火力や水力を動かさずに、原発を優先的に動かしているだけのことで、三十%という数字は作られた数字に過ぎないのだ。/・・・玄海原発一号機が・・・緊急停止したとき・・・九州電力は「既存の火力があるので大丈夫です」と表明している。/・・・。/つまり、信頼できない不安定な原発を動かしている以上は、いざというときにピンチヒッターとなる火力や水力は欠かせない予備軍という存在になる。これを逆にいえば、100万キロワットの原発を動かすには、予備軍として100万キロワット相当の火力や水力が確保されているということ・・・」(p.112)。原発が無いと明日にも電気が止まってしまうぞ、といわんばかりの「恫喝」(p.114)。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする