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Activated Sludge ブログ ~日々読学~

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●原発稼働は経営だけの問題なのか?

2013年08月10日 00時00分05秒 | Weblog


asahi.comの社説(http://www.asahi.com/paper/editorial.html?ref=com_top_pickup、6月27日)と記事(http://www.asahi.com/national/update/0702/TKY201307010458.html)。東京新聞の社説(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013070802000128.htmlとコラム「筆洗」(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2013070802000110.html。最後にgendai.netの記事(http://gendai.net/articles/view/syakai/143229)。

 経営上の問題だけで語られ、議論されていていいのでしょうか?
 この地震大国で、原発を稼働しようというのは技術的に無理で、事実、3.11東京電力原発人災でそのことが実証されていたはず。さらに、この人災の後始末が全くできていない。排水は溜まり続け、地下水が汚れ続け、海を汚染し続けているにもかかわらず、技術的に全く解決できていない。さらには、ヒロシマ・ナガサキの経験から考えても、原発再稼働や原発輸出など、倫理上許されない、と思います。

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http://www.asahi.com/paper/editorial.html?ref=com_top_pickup、6月27日】

2013年6月27日(木)付
原発と経営―実は気づいてませんか

 原発を持つ電力会社の経営陣のみなさん。今年の株主総会も「脱原発」を求める株主の声を一蹴しましたね。むしろ、「一日も早い再稼働への執着を鮮明にされました。

 9社のうち8社が、火力発電の燃料費の増大などで赤字。7社が過去の利益を蓄えた「別途積立金」の取り崩しに追い込まれ、3社は積立金が底をつきました。ゆゆしき事態です。

 原発活用を打ち出す安倍政権のもとで、一気に「元どおりを狙いたい。遠い将来より、まずは目先の利益、というところでしょうか。

 思えば、みなさんはずっとそうでした。地震・津波対策も、放射性廃棄物の処分も、核燃料サイクル事業の吟味も、みんな後回し。原発は「国策」なんだから、いざとなれば国が考える、いや、考えるべきだ――。

 3・11後も一向に経営姿勢が変わらないのを見るにつけ、そんな思考がしみついているのでは、と邪推したくなります。

 でも、本当は気づいているのではないですか。もう昔には戻れない。原発を抱え続けるのはしんどい、という事実にです。気づいていないとしたら、それこそ驚きです。

 東京電力の崩壊は、いざという時に政府は守ってくれないことを証明しました。みなさんがせっせと献金してきた政治家も、事故直後はだんまりを決めこみました

 一方、事故を経て規制は格段に厳しくなりました。今後は基準が改定されるたび、すべての原発への適用が求められます。寿命間近で出力の小さい原発にまで、です。存続にこだわると費用はどんどんかさみます。

 廃棄物問題の先送りも、もはや限界です。使用済み核燃料棒の保管場所からして足りない。それゆえに原発を動かせなくなる事態が迫っています。

 しかも、安倍首相は電力システム改革を断行すると明言しています。きのうまでの国会で法案は成立しませんでしたが、方向性は変わりません。発電部門と送電部門が切り離され、競争が激しくなれば金食い虫の原発を維持するリスクはもっと大きくなるでしょう。

 釈迦(しゃか)に説法ながら、先を読み、自らを柔軟に変えてこその企業経営です。どうも、過去の経緯にがんじがらめになっている気がしてなりません。

 もう少し時間が必要でしょうか。みなさんの中から早く、真の意味での経営合理性を掲げ、「いち抜けた!」と方針転換されるところが出てくるのを期待しているのですが。
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http://www.asahi.com/national/update/0702/TKY201307010458.html

2013年7月2日10時31分
廃炉費34基1700億円不足 電気料金に上乗せの恐れ

【松浦新】原発を40年で廃炉にする場合、国内の原発50基のうち8電力会社の34基で、将来の廃炉のために積み立てているお金が予定より不足していることがわかった。今年3月までに必要な積立金より計約1700億円足りず、不足額は今後もふくらんでいく見通しだ。穴埋めするため、いずれ電気料金に不足額が上乗せされるおそれがある。

 原子力規制委員会は8日に新しい規制基準をスタートさせ、原発の運転期間を「原則40年」にする。経済産業省はこれまでも、運転開始から40年間かけて廃炉に必要なお金を電力会社に積み立てさせている。

 しかし、このルールが甘い。定期検査で止まるのを考慮したうえで原発の年間稼働率が76%以上の場合は40年間でたまるように毎年積み立てさせるが、トラブルなどで原発が止まって76%を下回れば、年間の積立額は稼働率に応じて小さくできる。東日本大震災後に止まったままの原発も積み立てていないことになる。

・・・・・・・・・。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013070802000128.html

【社説】
<2013岐路>原発政策 未来の安心もっと語れ
2013年7月8日

 自民は原発推進に舵(かじ)を切り、他は脱原発や脱原発依存を訴える。だがそれで、どんな未来になるのだろうか。私たちのその未来をもっと語ってもらいたい。
 二〇五二年の時点でまだ原子力発電を続けているのは、フランスと中国だけになるだろう-。
 世界自然保護基金(WWF)の副事務局長などを務めた、ヨルゲン・ランダース氏の近著「2052」(日経BP社)に収録された、識者による未来予測の一つである。

巨額の費用がかかる

 書いたのは、ジョナサン・ポリット氏。英国緑の党の共同代表などを歴任した人だ。「原子力発電の終焉(しゅうえん)」というタイトルが付いている。

 原発はなぜ消えていくのか。ポリット氏によれば、主な理由は経済だ。

 欧州では環境派と呼ばれる人々にも、原発は一定の支持を受けてきた。石油や石炭などの化石燃料に比べてコストが安く、地球温暖化の原因になる二酸化炭素(CO2)の排出量が少ないからだ。

 ところがそれも安全あってのことである。フクシマの事故で安全神話のベールがはがれ、原発の隠れたコストが明るみに出た。

 どんなに科学が進んでも、原発事故の確率をゼロにするのは不可能だ。事故を起こせば、その損害は計り知れないものになる。フクシマは原発の経済リスクを世界に知らしめた。廃炉や使用済み核燃料の処理にも、この先巨額の費用がかかる。

 日本最大の東京電力さえ、国有化を余儀なくされた。公的資金が無限に注入されない限り、投資リスクの解消は望めない。投資家は原発という古い船を下り、再生可能エネルギーに乗り換える。市場原理が、原発を追い立てる。

世論は消極的なのに

 ポリット氏の予測に沿うかのように、米国ではシェールガスへの転換が急速に進んでおり、デンマークでは原発の予定地に風車を建てた。原発への公的資金投入をいち早く打ち切った英国では、大規模な洋上風力発電施設の建設が盛んに計画されている。西欧で建造中の原発は、フィンランドとフランスのそれぞれ一基だけである。

 二〇年までに五十六基の原発を建設するという中国でさえ、3・11後は住民の不安に配慮して、減速の兆しがあるという。

 エネルギー社会の未来図を、フクシマが塗り替えつつあるのだろう。未来図が示されてこそ、世界は動く。未来図を描くのが政治家の仕事ではなかったか。

 思い出してもらいたい。去年の夏のことである。

 当時の民主党政権は福島の事故を受け、「二〇三〇年に原発比率50%以上」とうたったエネルギー基本計画を白紙に戻し、討論型世論調査で国民の意見を聞いた。

 二日間の議論の結果、政府が示した三〇年に原発比率ゼロ、15%、20~25%の選択肢から、約半数の参加者がゼロを選んだ

 だが、原発ゼロに至る具体的な未来図や戦略が示されないまま、草創期から原発を推進してきた自民党が、暮れの総選挙では与党民主に圧倒的な大差をつけて政権の座に返り咲いた。

 だからといって、原発ゼロを選んだ有権者の意思が消えてしまったわけではない。本紙の世論調査では、今度の参院選で安倍内閣を支持すると答えた人の半数近くが、原発再稼働には消極的だ。比例の投票先も約半数が未定のまま、選挙戦に入っている。

 放射能は恐ろしい。でも脱原発は暮らしにどんな影響を与えるのか。原発ゼロにするのはいい。でも本当に実現できるのか。アベノミクスに期待しながら原発に不安を覚える人や、脱原発を望みながらも、実現可能な政党を見つけられない人は多いに違いない。

 故郷を追われた十五万人を超える原発被災者の日常に、心を痛めない人はいないだろう

 そんな有権者に向けて、早期再稼働と輸出をめざす自民は、原発と共存可能な社会の未来図を、脱原発を訴える他の党は、原発なしでも豊かな社会のそれを、具体的に示して信を問うべきだ。

 若い有権者には特に、解禁されたインターネットなどを使って、候補者や政党に、それを求めてもらいたい。

大きな転換点だから

 いずれにしてもこの国のエネルギー政策は、大きな転換点にある。原発依存を抜け出すにせよ、使い続けるにせよ、再生可能エネルギーの普及や電力の自由化など、時代の要請は避けられない。

 新しいエネルギー社会を築き上げるには、時間がかかる。その社会を生きるのは若い皆さんと、皆さんの子どもたちなのだ。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2013070802000110.html

【コラム】
筆洗
2013年7月8日

 核搭載疑惑を持たれた米フリゲート艦が一九八九年、長崎に寄港した。艦長が平和公園で献花した花輪が偶然、倒れた。山口仙二さんは気が付くと、何度も踏み付けていた▼原爆投下で苦しめた謝罪もない形式だけの献花。被爆地への寄港を許した政府や自治体への怒りも重なったのだろう。被爆者からも批判されたその激しさが、反核平和運動を牽引(けんいん)した源泉だったのかもしれない▼日本原水爆被害者団体協議会(被団協)の代表委員を三十年近く務めた山口仙二さんが亡くなった。八二年六月の国連軍縮特別総会の演説は忘れられない▼ケロイドが広がる自身の写真を振りかざしながらの鬼気迫る訴えだった。「私の顔や手をよく見てください。世界の人々、そしてこれから生まれてくる人々、子どもたちに、私たち被爆者のような核兵器による死と苦しみを、たとえ一人たりとも許してはならないのであります」▼演説の締めくくりが「ノーモア・ヒロシマ、ノーモア・ナガサキ、ノーモア・ウオー、ノーモア・ヒバクシャ」の叫びだった。核の数を競い合う冷戦下、核兵器の犠牲者の存在を世界に知らしめた歴史的な瞬間だった▼核保有国は増えたが、長崎以来六十八年間、核兵器は使われていない。国際世論に訴えて、大国の手足を縛り、核兵器を使わせなかった山口さんの生涯を被爆国の国民として誇らしく思う。
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http://gendai.net/articles/view/syakai/143229

原発再稼働に悪用される東京灼熱地獄
2013年7月3日 掲載

気温40℃超も

<「史上最悪」の3年前を上回る酷暑>

 原発事故の反省もそこそこに、東電が新潟・柏崎刈羽原発の再稼働に向けて突っ走り始めた。広瀬直己社長は2日の会見で、6、7号機の安全審査を、できるだけ早く原子力規制委に申請する方針を表明した。

   「東電の経営を圧迫しているのは、火力発電の燃料費。原発を1基稼働すれば、
    年1000億円前後の燃料費が浮くとされます。そのため、〈電気料金の
    再値上げもやむなし〉と利用者に脅しをかけ、運転再開にこぎ着けようと
    している。安倍政権が成長戦略で〈原発の活用〉を後押ししたこともあって、
    再稼働の流れができつつあります」(霞が関関係者)

 さらに今夏の猛暑が、嫌な流れを加速しそうなのだ。今年は「史上最悪」といわれた3年前の酷暑を超えるという予想もある。

   「今夏は例年より太平洋高気圧の勢力が強まる上に、西からチベット高気圧が
    張り出す見込みです。高気圧が二重に日本を覆い尽くし、記録的な猛暑に
    なるとみられています」(気象予報士)

 09年に東京では最低気温25度以上の「熱帯夜」は20日しかなかったが、史上最悪の10年は56日。09年にはゼロだった35度以上の「猛暑日」も10年は13日にハネ上がった。全国の熱中症の死亡者数は09年が236人で、10年は1718人に。当時は東京でも練馬で最高気温38.2度を記録。113年の観測史上で最も暑いとまでいわれた10年を超えるかもしれないのだ。40度近い灼熱(しゃくねつ)地獄を覚悟すべきで、「節電の夏」にも限界がある。

   「電気の使用量も増えることは間違いありません。そうなると、
    火力発電の燃料費がさらにかさむ。猛暑に乗じて東電が〈経営再建の
    ためには再稼働〉と言い出しかねません」(経済ジャーナリスト・岩波拓哉氏)

 再稼働には新潟県の承認も必要で、泉田裕彦知事は「(福島原発の)事故の責任を果たしていない中で申請するのは、国民の理解を得られない」と強く批判していた。それに柏崎刈羽原発は、複数の原子炉建屋の真下に活断層がある可能性も指摘されている。酷暑に屈したら、東電の思うツボだ。
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