Activated Sludge ブログ ~日々読学~

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●「廃炉終了の定義」も無く、0.1歩の前進もない…汚染水という名の《処理水の海洋放出が政府や東電が言う「大きなステップ」となる》はずもない

2023年10月05日 00時00分37秒 | Weblog

[『放射線を浴びたX年後』(http://x311.info/part1.html)↑]


(2023年09月08日[金])
どこが「処理水」なの? そりゃぁ、「汚染水」です。そんなものを海に放流・廃棄すれば、漁業者に対する《二重の加害》(河合弘之さん)だし、他国が海洋放出に反対するのも当然だろう。既に経済的実害を生じています。そもそも、逆の立場だったら (例えば、中国や韓国であればなおさら) 「やかましぃ文句言うでしょうがぁ」、ねぇ。基本に立ち返れば、《通常の原発からも海洋放出しているから安全なのではなく、人体にとって危険なトリチウムを排出する通常の原発稼働も止めることが必要》という発想でしょうもん。
 山川剛史記者による、東京新聞の記事【7割は再び処理が必要 福島第1原発の「処理途上水」の実情とは】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/274245)。《東京電力は、福島第1原発で貯蔵する高濃度汚染水を処理した後の「処理水」を8月24日から海に放出し始めた。放出は、トリチウム以外の放射性物質が基準値を下回るまで処理した後、大量の海水で薄め、除去できないトリチウムは基準値の40分の1未満にするという。ただ、現時点で政府が新たに定めた放出基準を満たす水は、134万トンのうち3割ほどで、残る7割は少なくとももう一度処理する必要がある。東電自らが「処理途上水」と呼ぶ水だ。基準を満たさない水はどのエリアにあり、なぜこんな状況になったのかを探った。(山川剛史)》。

 定義も出来ない「廃炉終了」、「廃炉」は1mmも進んでいない。東京電力核発電人災により、膨大な《デブリの総量も3基で計約880トン》…廃炉終了の定義も無く、デブリの持って行き場所も? いや、デブリの取り出しや廃炉終了までのスケジュールが全く見通せないのだ。小出裕章さん《国と東電が策定したロードマップは「幻想」です…つまり、デブリの取り出しは100年たっても不可能》。流入する地下水を止める気がないのですから、永遠にデブリに触れた〝汚染水〟が生成…。一体全体、〝汚染水〟の海洋投棄で廃炉作業の何が進むのか?

   『●すぐさま廃炉作業に着手を!

 上記の2013年09月12日のブログ…「解体先進国」イギリスに於いてでさえ、(鈴木耕さん)《なんとも気が遠くなるような話だ。これまでに20年間を費やして廃炉作業を行ってきたが、最終処理まであと70年かかるという。つまり、合計で90年の歳月が必要ということになる。しかも、これは深刻な事故を起こしたわけでもなく、普通に運転をして普通に廃炉作業に入った原発で、なおかつ23.5万キロワットという小さな原発である。それでもこれだけの時間が必要なのだ。問題はそれだけではない。大きくのしかかるのが「廃炉費用」だ。このトロースフィニッド原発の廃炉にかかる総費用は約6億ポンド(900億円)になるという。だがこれは、現段階での試算あと70年間に、それがどうなるかは実は誰にも分からない

 デブリ取り出し後、《30年から40年続く廃炉への道のり》…メルトダウン、メルトスルーなのに、以下の社内報では、見積もりが甘くないでしょうかねぇ? 《「解体先進国」英の原発 稼働26年 廃炉90年》です。まず、この12年間、《廃炉への取組み》など何も出来ていないし、そもそも《総量も3基で計約880トン》ものデブリ取り出しは可能なのか…? どうやって取り出し、どこに、どのように保管?
 鹿島建設株式会社の(2023年8月号No.769 社内報KAJIMA)【特集/福島第一原子力発電所の廃炉 -1号機・2号機の燃料取り出しに向けて-】(https://www.kajima.co.jp/news/digest/aug_2023/feature/index.html)/《全社を挙げた福島第一原子力発電所の廃炉への取組みが12年を過ぎた。30年から40年続く廃炉への道のり。すべてが初の試みとなる重要な作業であり,一つの作業の終わりは,次の作業の始まりとなる。当社は現在,福島第一原子力発電所の1号機と2号機の燃料取り出しに向けたステップの一つを担う。高線量という環境下で,より安全・安心なプロジェクト遂行に挑む当社の最前線を紹介する》。

 《処理水の海洋放出が政府や東電が言う「大きなステップ」となる》はずもない。キシダメ首相《「処理水を保管するタンクが林立し、廃炉を進めるために必要なスペースがなくなっている」》という言い訳のなんというデタラメさ。
 小野沢健太渡辺聖子両記者による、東京新聞の記事【2051年になっても処理水を放出している可能性 デブリ取り出しや地下水流入阻止 廃炉へ困難な課題山積】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/271688)。《東京電力福島第1原発の汚染水を浄化処理した水の海洋放出が24日にも始まる見通しになった。放出により事故当初からの懸案だった敷地内のタンク保管の限界は避けられる。一方で、汚染水の発生そのものを止める手だてはなく、2051年とされる廃炉の目標を超えても、放出が続く可能性がある。今後の事故収束は極めて困難な作業が山積みで、廃炉の姿すらはっきりしない。処理水の海洋放出が政府や東電が言う「大きなステップ」となるのかは疑問だ。(小野沢健太渡辺聖子)》。

   『●《「廃炉終了の定義」を明確にしないまま「廃炉」を進める》―――
      《ある程度のデブリを取り出すだけでも、100年以上はかかりそう》
   『●小出裕章さん《国と東電が策定したロードマップは「幻想」です…
     つまり、デブリの取り出しは100年たっても不可能》、石棺しかない
   『●「汚染水」の海洋放出からX年後を恐れる ―――《政府は
     基準値を大きく下回るまで薄めるというが…物質の総量は変わらない》
   『●《東京電力は処理水を「希釈すれば飲める」》…政府、自公お維の
     議員、原子力「寄生」委員会の皆さん、「どうぞ、どうぞ御飲み下さい」
   『●【西谷文和 路上のラジオ】《小出裕章さん…東京電力福島第一原発の
     トリチウムなど放射性物質を含む処理水を海洋放出していけないわけ》
   『●《ひとたび制御を失った原発が、後世にどれだけの重荷を残すのか。
     …廃炉作業が遅々として進まぬ現実が、原発の巨大なリスク》を顕在化
   『●《それは「お花畑」などといって茶化される話ではなく、日本社会の
       将来を決定づける超現実的な選択なのである》(コラム 狙撃兵)
   『●核燃料デブリに触れた汚染水をALPS処理した〝汚染水〟の海洋
     放出に断固反対する…〝汚染水〟の放出からX年後を恐れぬ愚行である
   『●(デモクラシータイムス/原発耕論)《汚染水海洋放出は無責任の極み!》
      …希釈しても汚染物質は減らない、〝汚染水〟の海洋放出に断固反対
   『●そんな核燃料デブリに触れた水を処理した〝汚染水〟…そんなものを海に
      捨てた例はどこにもない、〝汚染水〟の放出からX年後を恐れぬ愚行
   『●《通常の原発からも海洋放出しているから安全なのではなく、人体に
     とって危険なトリチウムを排出する通常の原発稼働も止めることが必要》
    (長周新聞)《カナダでは、重水炉というトリチウムを多く出すタイプの
     原子炉が稼働後しばらくして住民のあいだで健康被害の増加が問題に
     された。調査の結果原発周辺都市では小児白血病や新生児死亡率が
     増加し、ダウン症候群が80%も増加した。またイギリスの
     セラフィールド再処理工場周辺地域の子どもたちの小児白血病増加に
     関して、サダンプト大学の教授は原因核種としてトリチウムと
     プルトニウムの関与を報告している》

   『●長周新聞【汚染水海洋放出に国内外で反発高まる コスト優先し科学歪める
      政府 トリチウム以外に62核種が基準超え 風評では済まされぬ実害】
   『●はぁ? 東京新聞【「原発マネー」で生まれた奇策 使用済み核燃料の
      中間貯蔵施設を上関町に 中国電力と関西電力で苦肉の共同開発案】
   『●「賠償ではなく、漁業をしたいだけ」…福島県漁連は《関係者》では
     ないのか? ―――「関係者の理解なしには、いかなる処分もしない」?
   『●#zutto_uso_datta、斉藤和義さん「#ずっとウソだった」。そして、「関係
     者の理解なしには、いかなる処分もしない」という約束もウソだった
   『●既に実害…《「汚染水放出は危険・問題派」…汚染水放出そのものが
     すでに中国や韓国など海外による輸入規制など経済的実害を生んでいる》
   『●《「海洋資源に大きく依存している太平洋諸島の人々の命と生活を脅かす」
        …「太平洋を核廃棄物のごみ捨て場にこれ以上するべきではない」》
   『●息吐く様にウソをつく…「日本の原発でそういう事態は考えられない」、
     菅直人氏についてのデマ「メルマガ事件」、「汚染水漏えい問題はない」
   『●【全責任持つという無責任】…《漁業関係者は…反対…岸田文雄首相が
       「漁業が継続できるよう、全責任を持って対応する」として押し切った》
   『●《30年以上も放出が続けば長い半減期の放射性物質の総量は増え続ける
     ことにならないか。微量でも人体に入れば内部被ばくが起きる可能性》
   『●《万が一にも大事故が起きれば…。そのようないたってシンプルな理由
     から原発の停止を命じた裁判官がいる。元福井地裁判事の樋口英明氏だ》
   『●木野龍逸さん《そもそも「廃炉」の定義すら決まっていない中で、廃炉を
     進めるために汚染水の海洋放出が必要という理屈はまったく意味が不明》

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/271688

2051年になっても処理水を放出している可能性 デブリ取り出しや地下水流入阻止 廃炉へ困難な課題山積
2023年8月22日 06時00分

 東京電力福島第1原発の汚染水を浄化処理した水の海洋放出が24日にも始まる見通しになった。放出により事故当初からの懸案だった敷地内のタンク保管の限界は避けられる。一方で、汚染水の発生そのものを止める手だてはなく、2051年とされる廃炉の目標を超えても、放出が続く可能性がある。今後の事故収束は極めて困難な作業が山積みで、廃炉の姿すらはっきりしない。処理水の海洋放出が政府や東電が言う「大きなステップ」となるのかは疑問だ。(小野沢健太渡辺聖子


◆ロボットでわずか数グラム

 「処理水を保管するタンクが林立し、廃炉を進めるために必要なスペースがなくなっている」。21日、岸田文雄首相は全漁連坂本雅信会長との面会後、記者団に放出処分の意義をそう強調した。

 必要なスペースとは、1~3号機内から取り出した溶け落ちた核燃料(デブリ)を保管する建物などを意味する。デブリに触れた冷却水が建屋に流入した地下水や雨水と混ざり、大量の汚染水となる。汚染水の発生源を断つデブリの取り出しは、事故収束の最難関とされる。

 2号機で23年度後半に試験的な取り出しが計画されるが、遠隔操作のロボットを使って取り出せるのはわずか数グラムデブリの総量は3基で計880トンと推計され、全量の取り出しができる工法ではない


◆丸ごと構造物で囲う案は…

 大規模な取り出しに向け、3号機を丸ごと構造物で囲い、建屋全体を水没させて取り出す工法の検討が始まったが、実際にそのような工事が可能なのかも分からない。1号機は格納容器底部の広範囲にデブリが散らばっている可能性が高く、工法は白紙。大量のデブリを保管する施設が必要になる時期は見通せない

 ほかに汚染水の発生を止める手段は、原子炉建屋への地下水、雨水の流入をゼロにすること。建屋周辺の井戸で地下水をくみ上げたり、地面を舗装して雨水が地下水になることを防いだりして対策は進み、汚染水発生量は15年度に比べて5分の1ほどに減った

 しかし、建屋のどこから地下水が流入しているのかは不明で、放射線量が高く詳しい調査や止水工事は難しい。東電は将来、建屋地下に鉄板を巡らすなどの対策を候補に挙げているが、検討の具体化は5年以上先とみられ、流入防止につながるのかも不確かだ。


◆廃炉の定義、見えないまま

 福島第1の廃炉計画は、51年までに廃炉を完了させる目標を掲げる。事故当初の計画には、1~4号機の原子炉建屋を解体することが記載されていたが、13年時点の改定で建屋解体の記載がなくなった。これにより、廃炉がどのような状態を示すのかが分からなくなった

 廃炉は通常の原発では更地化することを指すが、福島第1の廃炉の定義について、東電福島第1廃炉推進カンパニー小野明・最高責任者は「最終的にどうするかは地元自治体と相談して決めていくことになるだろう」と説明。最終的な姿が見えず、放出を完了できる見通しもないまま、政府は放出日程の判断に向かうことになる。

【関連記事】原発処理水の放出にお墨付き…IAEAは本当に「中立」か 日本は巨額の分担金、電力業界も人員派遣
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●川内原発を稼働させてはダメ:重大事故は無く「避難計画を実行することはないだろ~」的な楽観的避難計画

2016年09月08日 00時00分12秒 | Weblog


東京新聞の二つの記事。山川剛史記者による【川内原発の即時停止応じず 九電、鹿児島知事の要請拒否】(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2016090590135743.html)、
荒井六貴記者による【川内原発の停止拒否 鹿児島県知事が「遺憾」 地元の同意拡大など課題】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201609/CK2016090602000120.html)。

 《回答書を受け取った三反園知事は「(即時停止要請に応じてもらえず)極めて遺憾だ。必要なら安心・安全対策をあらためて要請する」と強い口調で述べた。知事に原発を停止する法的権限はないが、三反園氏が再度停止を要請するかどうかが注目される。…◆検査、停止後の対応焦点》。
 《三反園氏は「極めて遺憾」と述べた。川内原発には避難計画の実効性のほか、立地する薩摩川内市しか再稼働協議に参加できないなどの問題がある。三反園氏が今後、どんな手を打つかが焦点になる》。

   『●普通の社会通念: 「安全性の立証責任は電力会社側にあり…
                  原発の安全性の欠如が直ちに人格権侵害」

   『●普通の社会通念: 「安全性の立証責任は
      電力会社側にあり…原発の安全性の欠如が直ちに人格権侵害」
    「数少ない朗報だった、《原発のない社会をつくる》という公約を掲げた
     三反園訓鹿児島県知事の誕生。今後、県議会とどう対決していくのか、
     注目。川内原発《1、2号機…運転開始後三十年を過ぎた両機の
     “六十年運転”の必要性を示唆》していた伊藤祐一郎元知事にようやく
     鹿児島県民の方々もウンザリしたのかな?」

   『●四国電力「瀬戸内海に津波は来ない」と津波対策無し
               …「想定外」「想定不適当事故」という悪夢
    《川内1号機の再稼働から一年たち政府は原発活用を加速させたい
     考えだが、伊方原発近くには長大な活断層「中央構造線断層帯」が通り、
     熊本地震を機に活発化する懸念や、事故時の避難計画の実効性に
     不安も根強い》。
    《「新規制基準を満たせば、事故はある程度で止まる」。
     そんな危うい仮定の上で、伊方原発の「安全」は成り立っている》
    「三反園訓鹿児島県知事は《原発のない社会をつくる》を標榜しています。
     しかし、先代の知事や九電、原子力「ムラ寄生」委員会、アベ様らによる
     究極の無責任、悪しき「川内方式」を踏襲し、
     プルサーマル伊方原発3号機が再稼働してしまいました。再稼働してから
     考えましょ、方式。「地元」市民「命」より「経済性、経済神話」」を優先、
     「安全より効率、命より経済」を優先…経済性についても怪しく、かつ、
     電力は余っている。内海の滅亡のリスクを高める無駄な再稼働」

   『●誰が為に核発電所は再稼働?…
      この酷暑、「電力各社が供給力に余裕をもって乗り切った」
   『●九州電力に「普通の社会通念」が通じるか?:
      三反園訓鹿児島県知事が川内原発を「直ちに一時停止」要望

 三反園訓さんは、是非、何度でも再要請ををすべきだ! 核発電「麻薬」中毒患者な皆さんは、いろんな手で直ぐに誤魔化すので、中毒でない皆さんに繰り返し訴えるしかない。
 ポイントは、定期検査後、三反園さんが踏ん張れるか。《再稼働の地元同意では、県と薩摩川内市だけが協議に加われる》。

 九電のいい加減さ…《原発から五キロ圏内の山間部に住む高齢者の避難支援》《新たに避難用福祉車両十数台を追加配備》って、熊本大分大地震の際に落橋まで起きたことを知らないのかな? 幹線がズタズタになったことを知らんのかね? 《事故時には社員らが駆け付け、山間部などの高齢者避難を助ける方針》って、どこにいる社員? 福岡? 川内原発?? 空港や新幹線は機能しているの? 川内原発に居る社員に時間的にも人員的にもそんな余裕はあるの?
 そもそも避難計画の責任者って誰? 鹿児島県? 薩摩川内市? 九電? 熊本大分大地震級の地震が川内原発近辺で起こった時に、あるいは、火山の大噴火が発生した時に、現状の「避難計画」は機能するのか? 現状の「避難計画」の責任者って誰?

 《知事に期待されるのは主に三点》…《安全協定に基づく立ち入り調査九電には「誠意をもって措置」(安全協定)する責務》を果たさせる、現状のお気楽なものを抜本的に《避難計画の見直し》、再稼働の《地元同意の枠組み》・範囲の見直し。三点目については、《福島の原発事故では、三十キロ圏のほぼ全ての地域で住民が行政の指示で避難を迫られている事故被害の現実と、川内原発周辺の自治体の発言権には大きなずれがあるそのあり方は知事が変えられる》。

 定期検査後の《再稼働への地元同意》に鹿児島県が入っている。三反園訓県知事の踏ん張りに期待している。

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http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2016090590135743.html

川内原発の即時停止応じず 九電、鹿児島知事の要請拒否 
2016年9月5日 13時57分

 鹿児島県の三反園訓(みたぞのさとし)知事から川内(せんだい)原発(同県薩摩川内市)の即時一時停止を要請されていた九州電力の瓜生道明社長は五日、県庁で三反園知事と面会し、即時一時停止には応じない意向を回答した。法定の定期検査の中で、三反園知事が求める設備点検などを実施する方針を伝えた。

 回答書を受け取った三反園知事は「(即時停止要請に応じてもらえず)極めて遺憾だ。必要なら安心・安全対策をあらためて要請する」と強い口調で述べた。知事に原発を停止する法的権限はないが、三反園氏が再度停止を要請するかどうかが注目される。

 回答書で九電は、熊本地震の川内原発への影響について「熊本地震直後に、速やかに設備の一斉点検を実施し、損傷・漏洩(ろうえい)等の異常がないことを確認」していると表明。三反園知事の要請を踏まえて、定期検査に合わせて「特別点検」を行うと表明した。

 九電は特別点検に向け、約四十人でつくる「総点検チーム」を設置。定期検査項目に加え水中カメラによる原子炉圧力容器内の点検、使用済み核燃料保管場所の機器に問題がないかの確認などを行うとしている。

 三反園知事が求める活断層調査については、九電は「国の審査で『妥当』との判断を受けている」とした上で、川内原発周辺の地震観測点を十九カ所から三十カ所程度に増設し、詳細な調査・分析を行うと回答した。

 避難支援では、原発から五キロ圏内の山間部に住む高齢者の避難支援を行うほか、原発三十キロ圏内では新たに避難用福祉車両十数台を追加配備するとした。また、迅速で丁寧な情報発信も行い、県民の不安解消につなげたい考えを示した。

 回答書を手渡した瓜生社長は「原発の安全性を持続的・継続的に高めていくことが大事だ」と述べ、回答内容への理解を求めた。


◆検査、停止後の対応焦点

 <解説> 九州電力が五日、鹿児島県の三反園訓知事が求めた川内原発1、2号機の一時停止要請に応じないと回答した。予想通りの結果だが、1号機が十月、2号機が十二月に定期検査で停止してから二、三カ月後には検査を終え、再稼働の是非が問われる。それまでに、知事がどう対応するかが焦点となる。

 知事に期待されるのは主に三点まず県が、九電の言いなりでない形で、どう原発の安全性を判断するのか。停止を命じる権限はなくとも、安全協定に基づく立ち入り調査は可能だ。その結果を基に改善を求めることができ、九電には「誠意をもって措置」(安全協定)する責務がある

 二点目は、避難計画の見直し。前知事は重大事故は起きないことを大前提に「避難計画を実行することはないだろう」と楽観的だった。三反園氏は既に地元を視察し計画見直しの必要性を明言している。三十キロ圏の人口は二十万人を超え、熊本県に避難予定の人もいる。地震でともに被災した場合のことも検討する必要がある。

 三点目再稼働への地元同意が、県と薩摩川内市だけでいいのか再検討することだ。原発三十キロ圏の九市町のうち、薩摩川内市以外は地元同意の枠組みから外されている

 福島の原発事故で放射能汚染は広域と判明し、三十キロ圏の自治体に避難計画の策定が義務づけられた。「被害地元」という当事者なのに、再稼働の協議に加われない重大な矛盾が残っている。 (山川剛史

(東京新聞)
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201609/CK2016090602000120.html

川内原発の停止拒否 鹿児島県知事が「遺憾」 地元の同意拡大など課題
2016年9月6日 朝刊


【↑(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201609/images/PK2016090602100036_size0.jpg
  コピペさせて頂きました】

 九州電力は五日、鹿児島県の三反園訓(みたぞのさとし)知事が要請した川内(せんだい)原発の即時一時停止には応じないことを、三反園氏に伝えた。十月以降の定期検査で設備点検をし、通常より点検項目も増やすとしたが、三反園氏は「極めて遺憾」と述べた。川内原発には避難計画の実効性のほか、立地する薩摩川内市しか再稼働協議に参加できないなどの問題がある。三反園氏が今後、どんな手を打つかが焦点になる。

 この日、三反園氏は県庁で九電の瓜生(うりう)道明社長から回答書を受け取った。

 九電は熊本地震の影響は既に確認済みだと強調。1号機は十月、2号機は十二月に定期検査に入る予定で、停止中の二、三カ月の間に、検査項目とは別に、圧力容器や使用済み核燃料を収納するラックに問題がないかを水中カメラで確認することで理解を得たい考えを示した。

 三反園氏が要請していた避難計画への支援体制の強化については、三十キロ圏の自治体に避難用車両十数台を追加配備するほか、事故時には社員らが駆け付け、山間部などの高齢者避難を助ける方針を示した。

 九電から若干の回答を引き出した三反園氏。今後は避難計画など山積する問題を、知事としていかに解決できるかが焦点となる。

 原発で冷却機能が失われるなどの事故が起きれば、五キロ圏の住民をいち早く逃がすため、その外側の住民は自宅や避難所で屋内退避するのが原則とされる。しかし、熊本地震では避難所の天井の一部が崩れるなどの被害が発生した。避難指示が五キロ圏外にも及ぶと、避難ルートの確保や渋滞の回避、住民への確実な指示伝達、一部住民に関しては熊本県と受け入れ態勢を整える必要もある。

 再稼働の地元同意では、県と薩摩川内市だけが協議に加われる

 福島第一原発の事故後、薩摩川内市に隣接するいちき串木野阿久根両市は意見を言うことができるようになったが地元同意の枠組みからは外されている。鹿児島、出水(いずみ)日置姶良(あいら)の四市とさつま、長島の二町は、事故時は連絡をもらえるようになったが再稼働には意見すら言えないのが現状だ。

 福島の原発事故では、三十キロ圏のほぼ全ての地域で住民が行政の指示で避難を迫られている事故被害の現実と、川内原発周辺の自治体の発言権には大きなずれがあるそのあり方は知事が変えられる。 (荒井六貴
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●残念な「泉田裕彦新潟県知事「出馬撤回」事件」: 「原子力ムラはニンマリ」「東電の高笑い」で良いの?

2016年09月03日 00時00分05秒 | Weblog


東京新聞の記事【新潟・泉田知事が4選出馬を撤回 柏崎刈羽の再稼働に影響】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201608/CK2016083102000119.html)。
同紙の山川剛史記者による記事【柏崎刈羽を巡る対立に変化も 再稼働に厳しい泉田知事不出馬】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201608/CK2016083102000112.html)。
nikkan-gendaiの記事【反原発のシンボル 泉田新潟知事が突然「出馬撤回」の背景】(http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/188900)。

 「泉田裕彦新潟県知事「出馬撤回」事件」…最近もっとも「」の付いた記事、また、がっかりした記事。どうも理解し難い…。


 《現在三期目の泉田氏は二月の県議会で、四選に向けて立候補表明していた。現職知事がいったん出馬表明しながら、撤回するのは極めて異例だ》。
 《東電関係者は「突然の表明で驚いたが、われわれは原発の安全対策に全力を尽くすだけ」と、推移を見守る姿勢だが、同県に立地する柏崎刈羽原発の再稼働を巡る県との対立構図に変化が起こる可能性も出てきた》。
 《原子力ムラはニンマリだろう。…柏崎刈羽原発の「再稼働」を認めず、“反原発”のシンボルになっていた泉田知事に何が起こったのか》。

   『●原子力推進とマスコミの震災・原発報道
   『●FUKUSIMAに何を想う原発タレント
   『●電力会社・原発との癒着と呼ばずして
   『●原発マネーに群がる ~読売が最悪~
   『●核・原子力汚染された雑誌群
   『●情けなき、お抱えメディア
      ~原発人災現場の非公開な取材公開、検閲・選別付~

 東電が裏で暗躍しているのでしょうか? 
 広告を引き受けるのは私企業として当然という声もあるようですが、報道機関として如何なものか?、というのが3.11東電核発電所人災の反省だったはずですが…地元紙と東電が結託した泉田知事の追い落としなのでしょうか? それって真のジャーナリズムなのですか?
 長岡市長の言い分も何なんだか…、そして、「安倍官邸と近い」長岡市長の当選が濃厚だそうで、憂鬱な気分になります。

 泉田さんの後援会のページを見てみると、【この秋の新潟県知事選挙からの撤退について】(http://www.h-izumida.jp/topics/20160830.html)と題した記事が出ています。
 《日本海横断航路に関する一連の新潟日報の報道は、憶測記事や事実に反する報道が続きました。再三の申し入れ(…)にもかかわらず、訂正や説明もなく、最近まで県から申し入れがあった事実も報道してもらえませんでした。また、読者からの説明を求める投書に対する回答を一両日でお返ししたにもかかわらず、県からの回答が現在に至っても掲載されません。このため、県が組織的に虚偽答弁をしているのではないか等の誤った印象が形成されているように思います。…新潟県内で大きな影響力を有する新聞社が、県の説明は読者に伝えることはせず、一方当事者の主張に沿った報道のみがなされている状況です。また、東京電力の広告は、今年5回掲載されていますが、国の原子力防災会議でも問題が認識されている原子力防災については、例えば、…問題等県民の生命・健康を守るうえで重要な論点の報道はありません》…だそうです。もちろん、これは泉田さん側の言い分です。


 さて、新潟県民の皆さん、このままでいいのですか? 「安倍官邸と近い」長岡市長が立候補するようですが、大丈夫ですか? 県知事選後に「あとの祭り」とならないように祈ります。

 折角、三反園訓鹿児島県知事が川内原発を「直ちに一時停止」の要望を出したというのに…。
 《原子力ムラはニンマリだろう》《東電の高笑いが聞こえてくるようだ》ではいけない、何とか新潟県民の皆さんには頑張ってもらいたい。

   『●誰が為に核発電所は再稼働?…
      この酷暑、「電力各社が供給力に余裕をもって乗り切った」
   『●東電柏崎刈羽原発再稼働!?:
     《第一原発事故を検証しない限り…》とする泉田裕彦新潟県知事の正論
    「優先的に審査するかなんてことよりも、東電は「サイカドウ」の「サ」の字も
     口に出すことは許されない、と私は思います。審査申請を原子力「ムラ寄生」
     委員会=原子力「規制緩和」委員会が認めることも無茶苦茶で、
     いったい何のための「規制」委員会なのか!、と言いたい。そして、
     アベ様ら自民党議員たちの無責任…、(責任の取りようがないことは
     脇に置くとしても)誰か一人でも責任をとったのか? 
      《第一原発事故を検証しない限り、再稼働については議論しない》とする
     泉田裕彦知事の肩にかかっている。ニッポンに核発電所を再稼働する資格は
     ない。ましてや、東京電力に再稼働させるなど、絶対にあってはならない。
     東電は、人災前の姿へと「原状回復」を、まずは、して見せろ!、話はそれから」

   『●「福島の声」を聞き、避難者に寄り添っていたのは
       アベ様ら?、それとも、経産省前テントひろばの皆さん?
   『●九州電力に「普通の社会通念」が通じるか?:
      三反園訓鹿児島県知事が川内原発を「直ちに一時停止」要望

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201608/CK2016083102000119.html

新潟・泉田知事が4選出馬を撤回 柏崎刈羽の再稼働に影響
2016年8月31日 朝刊

     (泉田裕彦知事)

 新潟県の泉田裕彦(ひろひこ)知事(53)は三十日、十月十六日投開票の知事選に出馬しない意向を表明した。現在三期目の泉田氏は二月の県議会で、四選に向けて立候補表明していた。現職知事がいったん出馬表明しながら、撤回するのは極めて異例だ

 泉田氏は報道各社に送った文書で、県が出資する第三セクター事業の問題点を指摘する地元紙「新潟日報」の報道などを批判し「このような環境の中では、十分に訴えを県民にお届けするのは難しい」とした。

 東京電力が目指している柏崎刈羽原発6、7号機(新潟県)の再稼働について泉田氏は「東電福島第一原発事故を検証しない限り、再稼働については議論しない」と厳しい姿勢を示してきた。泉田氏の不出馬は、柏崎刈羽の再稼働論議に大きな影響を与えそうだ。

 新潟日報社は「社としての見解は三十一日付朝刊の紙面ですべて明らかにします」とのコメントを出した。

 知事選を巡っては、全国市長会長の森民夫(たみお)新潟県長岡市長(67)が今月十日に出馬表明。泉田氏の県政運営を「独自の主張にこだわり、国や北陸各県、県内市町村との関係を傷つけてきた」と批判していた
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201608/CK2016083102000112.html

柏崎刈羽を巡る対立に変化も 再稼働に厳しい泉田知事不出馬 
2016年8月31日 朝刊

 新潟県知事選への出馬撤回を表明した泉田裕彦知事は、史上最悪の原発事故を起こした東京電力が再び原発を運転することに厳しい目を向けてきた。東電関係者は「突然の表明で驚いたが、われわれは原発の安全対策に全力を尽くすだけ」と、推移を見守る姿勢だが、同県に立地する柏崎刈羽原発の再稼働を巡る県との対立構図に変化が起こる可能性も出てきた。

 泉田氏が東電への強い不信感をあらわにしたのは二〇一三年七月。東電が県に事前説明しないまま柏崎刈羽6、7号機の再稼働に向けた原子力規制委員会の審査申請を決めたことに、泉田氏は地元軽視だと猛反発した。

 県庁を訪れて理解を求めた広瀬直己社長を「『安全を大切にする』という言葉はうそだった」「約束を守らない会社」と報道陣の前で厳しく叱責(しっせき)、「話がかみ合わないのであれば、お引き取りください」と一方的に面会を打ち切って追い返した。

 泉田氏は、東電が福島第一原発事故から二カ月後の一一年五月になってようやくメルトダウン(炉心溶融)を認めたことにも「事実を隠蔽(いんぺい)した」とさまざまな場面で批判を展開し、専門家でつくる県技術委員会の場で真相究明を求めてきた。

 その結果、東電は今年二月になって、炉心溶融の判断基準を記したマニュアルを見過ごしていたと発表。東電の第三者検証委員会が六月、「当時の社長が炉心溶融という言葉を使うなと社内に指示していた」との報告書をまとめ、広瀬社長は隠蔽を認めて謝罪た。

 泉田氏は一方で、全国知事会の危機管理・防災特別委員長として、政府に原子力防災の強化を要望するなど、国の政策にも厳しい態度を見せてきた。

 その中で、規制委の姿勢を「原発の新規制基準はハード(設備)にしか目が向けられていない」「避難計画について地元の意見を事実上無視している」と批判。田中俊一委員長が「個性的な発言だ」などと不快感を示すこともあった。

 知事選の構図は不透明だが、泉田氏が不在となれば、国や東電にとって原発再稼働への障壁が一つなくなることになりそうだ。


◆「炉心溶融」隠しなど指摘

 新潟県の泉田裕彦知事が十月の知事選に不出馬の方向となり、東京電力柏崎刈羽原発の再稼働問題の行方は混沌(こんとん)とした状況になった。

 泉田氏は、東電が再稼働へのテコ入れのため「新潟本社」を設立したり、立地する刈羽村などから経済的な理由による再稼働を求める声が上がったりしても、福島第一原発の事故の検証なくして議論自体ありえないと、毅然(きぜん)とした姿勢を取り続けてきた

 東電が福島の事故発生当初、「炉心溶融」や「メルトダウン」という言葉を使わず、事故を小さく見せかけようとした問題も、県技術委員会で指摘された。

 一方、原子力規制委員会は、柏崎刈羽6、7号機の新規制基準による審査を、沸騰水型の原発では優先して進めることを決定。審査で「適合」判断が出れば、再稼働までの大きなハードルは地元が同意するか否かだけになる

 地元同意では、知事の影響力は極めて大きい。周辺自治体の態度も知事の姿勢に大きく影響される。後任の知事はだれか、どういう姿勢で臨むかで、柏崎刈羽の再稼働の行方は左右されるが、現時点では見通せない。 

山川剛史
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http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/188900

反原発のシンボル 泉田新潟知事が突然「出馬撤回」の背景
2016年8月31日

     (反原発派には痛手(泉田新潟県知事)/(C)日刊ゲンダイ)

 原子力ムラはニンマリだろう。4選出馬を表明していた泉田裕彦新潟県知事(53)が30日、突如文書で“出馬撤回”を明らかにした。柏崎刈羽原発の「再稼働」を認めず、“反原発”のシンボルになっていた泉田知事に何が起こったのか。

 この半年間、泉田知事は新潟県が出資する第三セクターの子会社によるフェリー購入をめぐり地元紙の「新潟日報」と対立。泉田知事は、出馬撤回の理由を「臆測記事や事実に反する報道が続いた。このような環境の中では十分に訴えを県民に届けることは難しい」としている。

 地元紙からの攻撃だけでなく、新潟県内では“泉田包囲網”が出来上がっていたという

   「新潟日報は今年に入ってフェリー問題をしつこく批判していました。
    新潟日報は泉田さんの政治手腕に疑問を持っていたようで、
    社内には“泉田嫌い”が蔓延していたといいます。新潟日報には
    東電が広告を出していた。さらに、今月には泉田さんと近い
    自民党県議が県連会長を辞任している。泉田さんは嫌気が差したようです」
    (新潟県庁関係者)

 泉田知事の出馬撤回によって10月に行われる新潟県知事選は、すでに出馬を表明している全国市長会長の森民夫長岡市長(67)の当選が濃厚となっている。安倍官邸と近い森市長が知事に就いたら柏崎刈羽原発を再稼働させるのは間違いない

 泉田知事という“反原発”のシンボルを失った「反原発派」からは、森市長の対抗馬として地元出身の森裕子参院議員や田中真紀子元外相の出馬に期待する声も上がっているらしいが、肝心の民進党は対立候補を立てるつもりがないようだ

 原発問題に詳しいジャーナリストの横田一氏は言う。

   「泉田知事と同じ経産省出身の古賀茂明さんにも待望論が出ている
    と聞いています。いずれの候補を出すにしろ、野党が協力しなければ
    勝つことは難しいここで協力できなければ何のための野党か
    と批判されても仕方がありません」

 東電の高笑いが聞こえてくるようだ
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●四国電力「瀬戸内海に津波は来ない」と津波対策無し…「想定外」「想定不適当事故」という悪夢

2016年08月14日 00時00分33秒 | Weblog


東京新聞の山川剛史記者による記事【伊方、不安置き去り再稼働 周辺自治体に広がる懸念・反対】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201608/CK2016081202000241.html)。
LITERA 本と雑誌の知を再発見』(http://lite-ra.com/)の伊勢崎馨氏による記事【再稼働した伊方原発は日本で一番危険な原発だ! 安全審査をした原子力規制委の元委員長代理が「見直し」警告】(http://lite-ra.com/2016/08/post-2491.html)。

   『●破滅的思考: 寿命核発電所伊方原発1号機廃炉の
               プルサーマル伊方原発3号機再稼働?

 《川内1号機の再稼働から一年たち政府は原発活用を加速させたい考えだが、伊方原発近くには長大な活断層「中央構造線断層帯」が通り、熊本地震を機に活発化する懸念や、事故時の避難計画の実効性に不安も根強い》。
 《「新規制基準を満たせば、事故はある程度で止まる」。そんな危うい仮定の上で、伊方原発の「安全」は成り立っている》。
 《同原発の正門前では、朝早くから地元住民や市民団体が抗議を行い、3号機が起動した午前9時には「今すぐ止めろ」の怒号がとびかった。こうした声はたんに原発そのものへの反対というだけではなく、もっと切実なものだ。というのも、伊方原発は日本に55基ある原発のなかでも“もっとも危険な原発のひとつ”と指摘されているからだ》。

 三反園訓鹿児島県知事は《原発のない社会をつくる》を標榜しています。しかし、先代の知事や九電、原子力「ムラ寄生」委員会、アベ様らによる究極の無責任、悪しき「川内方式」を踏襲し、プルサーマル伊方原発3号機が再稼働してしまいました。再稼働してから考えましょ、方式。「地元」市民「命」より「経済性、経済神話」」を優先、「安全より効率、命より経済」を優先…経済性についても怪しく、かつ、電力は余っている。内海の滅亡のリスクを高める無駄な再稼働。

   『●普通の社会通念: 「安全性の立証責任は電力会社側にあり…
                  原発の安全性の欠如が直ちに人格権侵害」
    「「地元」市民「命」より「経済性、経済神話」」を優先、
     「安全より効率、命より経済」を優先、そう云った「社会通念」で
     良いのでしょうか? 今回も、大津地裁山本善彦裁判長は、
     「「安全より効率、命より経済」を優先」という関電の主張を退けました。
     《安全性の立証責任は電力会社側にあり
     現実に起きた東京電力福島第一原発事故と被害を目の当たりにした国民の
     社会通念は、原発の安全性の欠如が直ちに人格権侵害を推認させるもの
     になっている》。関電の「社会通念」を明確に否定。山本善彦裁判長の
     至極真っ当な判断で、ここまでは期待通りです。問題はここからでしょう。
     大阪高裁で、骨のある裁判官に恵まれるか? 期待薄…」


 熊本大分大地震の教訓は皆無。南海トラフの問題もある。四国電力は《瀬戸内海に津波は来ない》と津波対策は無し…「想定外」とか「想定不適当事故」という悪夢。東京電力核発電所人災の二の舞。
 しかも、地震そのものへの備えも、元原子力「ムラ寄生」委員会委員からその不備を指摘される始末。地震の備えも不十分、津波対策は無し、避難計画は無茶苦茶の三重苦


   『●「原発さえなければ…」:  
       それでも川内原発や伊方原発を再稼働したいの?
   『●「伊方原発は、日本一細長いという佐田岬半島の
      付け根にあり、その西の海側には約五千人が暮らしている」
    「狂気としか言いようがない……《伊方原発は、日本一細長い
     という佐田岬半島の付け根にあり、その西の海側には
     約五千人が暮らしている》。こんなところで一体どんな
     避難計画を作り得るのか? そんな《住民避難計画を了承》した
     そうです。再稼働するためなら、何でもやる「麻薬」患者たち。
     カネの亡者。
      《安倍晋三首相は「万一事故があった場合は政府として責任を
     持って対処する」と強調》……このバカ発言を見て下さい! 
     東京電力原発人災に一切の「責任」を負わず、いまも無策・無責任に
     汚染水を垂れ流し続けているアベ様ら自公議員たちの酷さ。
     それを「信頼」したふりをする「地元」首長・議員たち。
     言っちゃぁ悪いが、頭の回路が切れているとしか思えません」

   『●今中哲二さん「被災した人々にもたらされた災難の大きさは、
                     放射線測定器で測ることはできない」
   『●熊本大地震…「「いつでも、どこでも、強大な地震は起こる」。
                    地震国日本では、これこそ社会通念」
   『●「専門家に「常識が通じない」と言わしめた地震」…
             いま、「減災」に向け立ち止まって考えるべき
   『●原子力「規制」委員会の田中俊一委員長、
       川内原発に「安全上の問題が起きるわけではない」…
   『●高浜「寿命核発電所」延命、「安全より経済優先の時代へと逆戻り」
                            …「規制緩和」委員会(©東新)
   『●「川内原発を地図からトリミング」というのは
       穿ち過ぎかと思ってたら、「アベ様の犬HK」ときたら…
   『●四国電力がそんな破滅的な思考をしていなければ 
      いいのですが…伊方1号機廃炉の代わりの3号機再稼働?
   『●熊本大分大地震の最中、
     伊方プルサーマル核発電所を再稼働…アタマオカシイ
    「熊本大分大地震がまだ続いているというのに、正気か? 
     しかも、プルサーマル核発電「麻薬」患者の救いの無さ。破滅的思考。
     原子力「ムラ寄生」委員会原子力「規制緩和」委員会(©東京新聞)や
     電力会社、自公議員、……、等々、(言葉が悪くて、すみませんが)
     はっきり言って、アタマオカシイのでは?」

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201608/CK2016081202000241.html

伊方、不安置き去り再稼働 周辺自治体に広がる懸念・反対
2016年8月12日 夕刊

     (伊方原発3号機(右)=12日午前、愛媛県伊方町で)

 四国電力は十二日午前、伊方原発3号機(愛媛県伊方町)を再稼働させた。東京電力福島第一原発事故を踏まえ策定された原子力規制委員会の新規制基準に適合した原発では九州電力川内1、2号機(鹿児島県)、関西電力高浜3、4号機(福井県)に次ぎ五基目。川内1号機の再稼働から一年たち政府は原発活用を加速させたい考えだが、伊方原発近くには長大な活断層「中央構造線断層帯」が通り、熊本地震を機に活発化する懸念や、事故時の避難計画の実効性に不安も根強い

 日本一細長い半島に位置し、事故時には住民避難も収束作業も支援も困難が予想される四国電力伊方原発3号機(愛媛県)が再稼働した。九州から四国を通って本州に至る活断層「中央構造線断層帯」に沿って発生した四月の熊本地震後、豊後水道を挟んだ大分県各地の議会で、再稼働への懸念や反対を表明する動きが広がっている。その一方、暑い日が続く中でも四国の電力需給は安定無理をしてまで原発を動かす大義は見当たらない

 いくら地震や津波の対策をしても、原発のリスクはなくならない一般的な工業施設なら、事故の影響は限定的広範囲かつ長期にわたる影響が出る点で、原発はやはり別格と言える。

 何度、伊方の地を訪れても、雄大な美しい光景に圧倒される。その半面、尾根筋を走る一本の国道を除けば、道は細く険しく、岩肌ももろい。事故に備えて進めている道路拡幅は未完成のまま。住民避難計画では海を渡って大分などに避難するというが、現実的と受け止めている住民には出会ったことがない。地震が起きたら道は寸断される可能性があるためだ。「港に行く前に、閉じ込められる」と多くの人が語った。

 険しい半島の岩場を切り崩し、埋め立てて造った原発。敷地に余裕はない事故時の対策拠点も必要最低限の施設で、休むスペースはなく、トイレも仮設が一つあるだけ。福島のような高濃度汚染水問題が起きても、保管するためのタンクの置き場も見当たらない。「新規制基準を満たせば、事故はある程度で止まる」。そんな危うい仮定の上で、伊方原発の「安全」は成り立っている。 (山川剛史
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http://lite-ra.com/2016/08/post-2491.html

再稼働した伊方原発は日本で一番危険な原発だ! 安全審査をした原子力規制委の元委員長代理が「見直し」警告
伊勢崎馨
 原発 2016.08.12

     (四国電力HPより)

 本日12日、愛媛県にある四国電力伊方原子力発電所3号機が再稼働された。鹿児島県の川内原発、福井県の高浜原発に続く、新規制基準下では3番目の再稼働だが、同原発の正門前では、朝早くから地元住民や市民団体が抗議を行い、3号機が起動した午前9時には「今すぐ止めろ」の怒号がとびかった。

 こうした声はたんに原発そのものへの反対というだけではなく、もっと切実なものだ。というのも、伊方原発は日本に55基ある原発のなかでも“もっとも危険な原発のひとつ”と指摘されているからだ。

 その理由はいくつかあるが、いちばん大きいのは、伊方原発が日本でも有数の大地震に襲われるリスクを抱えているということだろう。伊方原発のそばには日本最大級の断層帯である「中央構造線断層帯」が、南には活発で大規模な地震発生源の南海トラフが走っている。

 特に「中央構造線」は、九州の西南部から、四国を横断し紀伊半島、関東にまで延びる日本最大級の活断層で、熊本大地震で大きな注目を浴びたものだ。これまでこの「中央線構造線」は活動していないと思われていたが、実際には九州、四国などでおよそ2000年に1回動いており、1595年に四国西部から九州東部にかけ、「中央構造線」を震源とするマグニチュード8クラスの巨大地震が起こっていたことも判明している。

 そして伊方原発は、この「中央構造線」が走る断層からわずか5キロ、ほぼ真上といってもいい場所に立地しているのだ。

 しかも、「中央構造線」は熊本地震をきっかけに活動が活発化、熊本地震で断層の延長上にひずみがたまったことで、四国側の「中央構造線」が動く危険性が指摘されている。もし「中央構造線」を震源とする地震が起きれば、伊方原発を10メートルを超える大津波が直撃する恐れがある。

 しかし、四国電力は一貫して「瀬戸内海に津波は来ない」と津波対策をとっておらずこのままでは福島第一原発事故の再現が起きかねない

 伊方原発は津波だけでなく、地震本体についてもまったく無防備だ。熊本大地震では垂直加速度1399ガルが記録されたが、伊方原発は最大でもたった基準地震動485ガルの想定でしか設計されていない。伊方原発付近でマグニチュード8〜9の巨大地震の可能性があることを文科省の特別機関である地震調査研究推進本部さえも認めているが、もしこの規模の地震が起きたら、とても耐えられる設計ではない。さらに発生確率が極めて高い南海トラフ巨大地震が起こった場合も同様だ。

 実際、今回、同原発の安全審査を合格させた原子力規制委員会で2014年まで委員長代理を務めていた島崎邦彦氏は、これまでの原発の耐震設計基準では熊本地震と同レベルの地震に耐えられないと基準地震動の「過小評価」を指摘、伊方原発3号機についても基準地震動の緊急な見直しが不可欠だと警告していたが、これも一切無視されたままだ

 そして一度事故が起こってしまえば、その影響は甚大なものとなる。伊方原発は、日本で唯一、内海に面している原発であり、外海に面していた福島原発事故と比べても、瀬戸内海における放射能汚染の濃度は格段に高くなることが予想され、またその影響は長期に及ぶだろう。しかも、伊方原発ではプルトニウムMOX燃料が使用されるが、これも事故の際のリスクを高めるものだ。

 さらに、事故の際の住民たちの避難も困難を極める。伊方原発は佐田岬半島の入り口、付け根部分に立地しているが、その先の半島部分には実に5000人もの住人が生活している。もし伊方原発で事故が起こり、放射性物質が放出されても、住民は原発に向かってしか避難できないことになってしまう。つまり逃げ場を失ってしまうのだ。

 こうした現実には一切目を向けず、「新基準に合格した」ことだけを突破口にして再稼働にひた走る電力会社と政府政府は「事故が起こったら責任を持って対処する」などとうそぶいているが、一旦事故が起きてしまったら、いくら「責任を持って対処」しても手遅れだし、そもそも福島原発事故の対応を見れば、政府が「責任を持って対処」することなど大ウソだということも明らかだ。

 伊方原発周辺で大地震が起きれば、必ず福島原発事故の再現となる。そして、多くの住民が犠牲となる。無謀な再稼働に対し、そのことだけははっきり明言しておきたい。

伊勢崎馨
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●原子力「規制」委員会の田中俊一委員長、川内原発に「安全上の問題が起きるわけではない」…

2016年04月21日 00時00分12秒 | Weblog


東京新聞の山川剛史大野孝志両記者による記事【近年の大地震で相次ぐ「想定外」 国は「原発安全」】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201604/CK2016041902000118.html)と、
社説【地震と減災 原発はなぜ止まらない】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016042002000128.html)。

 《原子力規制委員会は十八日、臨時会合を開き、稼働中の九州電力 川内(せんだい)原発1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)や七月下旬に再稼働見通しの四国電力 伊方原発3号機(愛媛県伊方町)など周辺の原発の安全性は保たれているとの認識で一致した》。
 《過去にないような地震が起きた。ところが過去の想定に従って、九州電力川内原発は動き続けている。被災者の不安をよそに、責任の所在もあいまいなまま、3・11などなかったかのように》。

 原子力「規制」委員会の田中俊一委員長は、《川内原発に「安全上の問題が起きるわけではない」》、《安全上の理由があれば止めなければならないが、今の状況で問題があるとは判断していないと話した》…そうだ。
 「予測不能」、《正体不明》ということなのに「寄生」委ときたら…。全く「規制」しない原子力「規制」委員会は、原子力「ムラ寄生」委員会

 3.11東京電力核発電人災の教訓を踏まえて、九電は直ぐに立ち止まるべきだ! 東京電力の最悪の悪夢の再現は御免だ。今後、南西方向へ震源地が広がらないことを誰しも祈っており、広がらなければそれはそれで良し。今すぐ止めて、「予防措置」しておいて、誰が困るのか? 「予測不能」、《正体不明》な「想定外」の地震が川内原発近郊で起こったとしたならば、緊急停止のリスクを負うよりも、いま、稼働を停止しておくことでかなりのリスクの低減が図れるはず。いま、稼働を停止して、誰が困るのか?

   『●高浜原発「差し止め」、国民を守る司法判断:
       寄生委の新規制基準は「緩やかにすぎ、合理性がない」

   『●九州電力川内核発電所、「住民の命に関わる重大事」を 
           「審査さえパスすれば、約束をほごにしてもいい」?
   『●前田郁勝・西川知一郎両裁判長や九電のオゾましき
         「社会通念」=「「安全より効率、命より経済」を優先」
   『●熊本大地震…「「いつでも、どこでも、強大な地震は起こる」。
                    地震国日本では、これこそ社会通念」
   『●東京電力核発電人災の教訓: 
     次の大地震で川内原発に「異常があってからでは遅い」
   『●地震調査委員会で結論が出ず「議論になっている」…
      
原子力「寄生」委員会は「規制」の仕事をすべきでは?

   『●「専門家に「常識が通じない」と言わしめた地震」…
           いま、「減災」に向け立ち止まって考えるべき

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201604/CK2016041902000118.html

近年の大地震で相次ぐ「想定外」 国は「原発安全」
2016年4月19日 朝刊

 熊本、大分両県の大地震を受け、原子力規制委員会は十八日、臨時会合を開き、稼働中の九州電力 川内(せんだい)原発1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)や七月下旬に再稼働見通しの四国電力 伊方原発3号機(愛媛県伊方町)など周辺の原発の安全性は保たれているとの認識で一致した。ただ、近年の大地震では重要な「想定外」があり、今後もいつどこで想定外の事態が起こるか分からない。 (山川剛史大野孝志

 規制委会合では、川内、伊方のほか九電玄海(佐賀県玄海町)、中国電力 島根原発(松江市)で観測された最大の揺れのデータが報告された。玄海原発の二〇・三ガルが最大で、想定する揺れの五四〇ガルより大幅に低かったという。

 石渡明委員(地質学)は主な震源となった断層帯全体が動いても、川内原発の揺れは想定の四分の一程度にとどまると説明。記者会見した田中俊一委員長は「安全上の理由があれば止めなければならないが、今の状況で問題があるとは判断していない」と話した。

 しかし、熊本地震では十四日にM6・5の地震があった後にM7・3の本震が発生。小さな地震が誘発されることはあるが、これほどの規模が続くのは想定されていない

 近年のほかの大地震を振り返ると、一九九五年一月の阪神大震災は「関西の内陸では大地震は起きない」と根拠のない認識がある中で起きた。

 二〇〇七年七月の新潟県中越沖地震は、東京電力柏崎刈羽原発を直撃。緊急停止はしたものの、建屋は設計時の想定を超える揺れに襲われた。地割れや変圧器火災が起き、さらには地下の消火配管が壊れ、建屋地下に大量の水が流れ込む事故も起きた。東電が、近くの活断層の規模を小さく見積もっていたのが、想定外の原因だった。

 一一年三月の東日本大震災をめぐっては、十メートル超の大津波が東電福島第一原発を襲う可能性が指摘されていたが、東電は対策を講じなかった。最悪レベルの原発事故の主原因となった。地震の影響については建屋内の調査が進んでいない
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016042002000128.html

【社説】
地震と減災 原発はなぜ止まらない
2016年4月20日

 過去にないような地震が起きた。ところが過去の想定に従って、九州電力川内原発は動き続けている被災者の不安をよそに、責任の所在もあいまいなまま、3・11などなかったかのように

 原子力規制委員会の田中俊一委員長は川内原発に「安全上の問題が起きるわけではない」と言う。

 政府もこれを受け「運転を停止する理由はない」と断じている

 規制委は、川内原発の再稼働を認めた審査の中で、今回の地震を起こした布田川・日奈久断層帯による地震の規模はマグニチュード8・1に及ぶと想定したが、原発までの距離が約九十キロと遠いため、影響は限定的だと判断した。

 熊本地震は、その規模も発生のメカニズムも、過去に類例のない、極めて特異な地震である。

 複数の活断層が関係し、断層帯を離れた地域にも、地震が飛び火しているという。

 通説とは異なり、布田川断層帯は、巨大噴火の痕跡である阿蘇のカルデラ内まで延びていた。海底に潜む未知の活断層の影響なども指摘され、広域にわたる全体像の再検討が、必要とされている。正体不明なのである。

 未知の大地震が起きたということは、原発再稼働の前提も崩されたということだ。

 新たな規制基準は、3・11の反省の上に立つ。「想定外」に備えろ、という大前提があるはずだ。

 未知の地震が発生し、その影響がさらに広域に及ぶ恐れがあるとするならば少なくともその実態が明らかになり、その上で「問題なし」とされない限り、とても「安全」とは言い難い

 過去の想定内で判断するということは、3・11の教訓の否定であり、安全神話の時代に立ち戻るということだ。

 川内原発は、1、2号機とも運転開始から三十年以上たっており、老朽化も進んでいる。小刻みに続く余震で、複雑な機器がどのようなダメージを受けているのか、いないのか

 交通網が断ち切られ、食料の輸送さえ滞る中、十分な避難計画もできていない

 その上、九電は、重大事故時の指令所になる免震施設の建設を拒んでいる

 原発ゼロでも市民の暮らしに支障がないのは、実証済みだ

 それなのに、なぜ原発を止められないの? 国民の多くが抱く素朴な疑問である
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●いま、核発電所を再稼働する「地元」へ: 立地する地域住民にも染み渡っていた「日本の原発は安全」…

2016年02月28日 00時00分24秒 | Weblog


東京新聞の山川剛史記者による記事【安全は幻想だった 私の見た福島事故】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201602/CK2016022102000110.html)。

 《「日本の原発は安全」との安全神話は、国や電力会社だけでなく、立地する地域住民にも染み渡っていた。 「周りの橋も壊れてないのに、なんで原発が事故になるんだ。そんなはずがあるものか」》。

 いま、核発電所を再稼働する「地元」の皆さん、特に、立地30キロ圏内で再稼働に賛成の皆さん、立地する地域住民にも染み渡っていた「日本の原発は安全」という安全神話について、2011年3.11の当時のことを思い出してもらいたい。あれから、わずか5年しか経っていない。《地震と津波だけならこんなことにはならない。放射能のせいだ。見た目は以前と変わらないのに、こんなの異常むなしい

   『●福井地裁判決「高浜原発3、4号機の再稼働を認めない決定」 
                      …で、再稼働できない」はずなのに?
   『●東京電力原発「人災」は未解決なのに、
          川内原発を再稼働しようという愚行
   『●「伊方原発は、日本一細長いという佐田岬半島の
      付け根にあり、その西の海側には約五千人が暮らしている」
   『●西川一誠福井県知事が再稼働同意… 
     福井地裁判決「高浜原発3、4号機の再稼働を認めない決定」なのに?
   『●「電気事業連合会の八木誠会長(関西電力社長)」:
                         あとは野となれ、山となれ

   『●狂気の伝染、連鎖: 原子力「ムラ寄生」委員会が
      お墨付きを与えるのはあの関電の高浜プルサーマル原発
   『●狂気・凶器「プルサーマル発電は新規制基準下では初」
               ……もう何でもアリな原子力ムラの大暴走
   『●「大切なのは「信頼」だ」…
     だからもう病気なんですってば!? 核発電「麻薬」患者
   『●「老いた馬」ではなく「狂ったゴジラ」:
     「麻薬」患者の関電がプルサーマルに続いて「寿命核発電所」…



 決して出来もしないことへの皮肉を込めて、東電とアベ様らが「原状回復」して見せるべきだと、訴えたい。福島の「原状回復」をすることもなしに、核発電を口に出来る訳がない。

   『●誰も責任をとらない自民党議員・・・・・・ 
      3.11東京電力原発人災以前に逆戻りしていて大丈夫?
   『●東電原発人災の3.11を再び目前に: 
     「原発事故調書 原因不明、責任不在」でも再稼働できる神経を疑う
   『●東電核発電人災、「だれひとり刑事罰を
      問われなくていいのか」? 「市民の正義」無き国ニッポン
   『●「こういうふうにした者たち」とは誰だ?
       東京電力原発人災の自覚無き犯罪者たち
   『●原状回復が損害賠償の基本: 東京電力原発人災で
             「ふるさとをなくした痛み」は全く癒えていない

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201602/CK2016022102000110.html

安全は幻想だった 私の見た福島事故
2016年2月21日 朝刊

     (自宅前の畑でできた野菜を見る柴田さん夫婦。
      昨年4月に帰還した際は、左後方の物置で暮らしていた
      =福島県楢葉町で)

 「日本の原発は安全」との安全神話は、国や電力会社だけでなく、立地する地域住民にも染み渡っていた

 「周りの橋も壊れてないのに、なんで原発が事故になるんだ。そんなはずがあるものか」。福島県楢葉町の柴田富夫さん(75)、寿子(としこ)さん夫婦はあの事故で幻想を打ち砕かれ、戸惑いながら友人らとともに栃木県日光市の温泉を目指して逃げた。

 その四十年前、富夫さんは東京電力福島第一原発1号機の建設時、コンクリートを流し込む型枠大工として働き、2~4号機でも工事に携わった。寿子さんも、東電の下請け企業が入る企業棟で掃除などの仕事をした。

 「東電に依存しない人の方が少なかったんじゃないか。わしらの前の世代は、冬になると東京に出稼ぎに行き、下水管を埋める作業なんかをやっていた。それが原発が来て、出稼ぎは必要なくなり、役場は立派になり、(巨大なサッカー施設の)Jビレッジも建った」

 直接的、間接的に経済的な恩恵を受ける中で、柴田さんの頭からは原発にリスクがあることが消えていった。一九八六年四月、旧ソ連・チェルノブイリ原発事故が起きても、二人とも「構造が違うし、あれは別物。日本の原発は安全・安心と信じていたという。

 まさか自分たちがかかわってきた福島第一が自分たちに牙をむき、日光に逃げた後は、四年間も福島県いわき市で仮設住宅暮らしを強いられるとは夢にも思わなかった

 好きな畑仕事もできない仮設暮らしに疲れ、昨年四月、避難指示解除前の長期準備宿泊の段階から自宅に帰った。母屋は屋根が壊れて荒れ果て、解体・建て直しが終わるまで、大きな物置をすみかにした。

 ようやく新居が完成し、畑にはハクサイやダイコンなどが実り、明るい生活を取り戻した。ただ、集落内で帰還したのは他に一軒だけ。イノシシが出没するようになり、夜はほぼ真っ暗闇だ。

 「地震と津波だけならこんなことにはならない。放射能のせいだ。見た目は以前と変わらないのに、こんなの異常。むなしい」。夫妻の表情が曇った。 (山川剛史
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●談合: 原子力「ムラ寄生」規制委員会から運営交代を申し付かったあの日本原子力研究開発機構

2015年12月20日 00時00分46秒 | Weblog


東京新聞の記事【原子力機構 続く「不透明な契約」 関係企業・団体に222億円】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201512/CK2015120402000120.html)。

 《約一年間で少なくとも二百二十二億円の業務を、二十八のファミリー企業・団体に発注》。

 原子力「ムラ寄生」規制委員会から運営交代を申し付かったあの日本原子力研究開発機構が、ドブガネに続いて、今度は「談合」。インドをはじめ、このニッポンから「原発輸入」したい国々は、よ~く考えた方が良いですよ、悪いことは言いませんから。

   『●自公議員に投票したことの意味:
     原発は「重要なベース電源」、さらに「もんじゅ」「核燃サイクル」継続
   『●「もんじゅ」の知恵ではなく、
      「絵に描いた餅」に「一日当たり五千五百万円」!
   『●「原子力は血液」・・・・・・ではなく、「原子力=核」は「麻薬」
   『●「回らない核のサイクル」六ヶ所村: 
       どちらも「地獄」という二択だったのか?
   『●(悪)夢よもう一度?: こっそり「高温ガス炉」
      と呼んでいるが、それは原発であり「高温ガス原子炉」
   『●核燃サイクル=「ホワイト・エレファント…
     私たちはいつまで、エサ代を払い続けなくてはならぬのか」?
   『●「夢の高速増殖炉」もんじゅ、「夢から覚める時が来た」
                 ……とっくに目覚めの時は過ぎている
   『●全く知恵の無い「もんじゅ」は発電もせずに、
      「年間の電力消費量は一般家庭約二万五千世帯分にも上る」
   『●核発電所は『プルトニウムをつくる装置』…
     …プルトニウムの蓄積・核兵器転用=世界は「それも」怖れている

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201512/CK2015120402000120.html

原子力機構 続く「不透明な契約」 関係企業・団体に222億円
2015年12月4日 朝刊

 OBらが経営する「ファミリー企業」への不透明な発注が問題視されてきた日本原子力研究開発機構(茨城県東海村)が、今年九月末までの約一年間で少なくとも二百二十二億円の業務を、二十八のファミリー企業・団体に発注していたことが本紙の調べで分かった。全発注額の二割近くを占める。あり方を見直すと表明した四年前の二百七十七億円からあまり改善されていない機構運営費の大半は税金でまかなわれている。 (小倉貞俊山川剛史

 本紙は、機構が公表している昨年九月から今年九月までの発注データを基に、機構自らが「関係法人」と認定している三十六法人の受注状況を調べた。

 その結果、計千百八十九億円の発注のうち、二百二十二億四千万円が二十八の関係法人に流れていた。契約が複数年にまたがり、集計した期間には計上されていない契約もあり、実際の金額はもっと多い可能性が高い。うち二十三法人では、現在も機構OBが社長などを務めている。

 二百二十二億円のうち、八十億円は核防護などを理由とした随意契約で、残る百四十二億円は一般競争入札だった。競争入札の詳細は公開されていないが、ファミリー企業一社だけの応札だったり、ファミリー企業同士の競争だったり、実質的には競争がなかったケースが多数含まれている

 機構のファミリー企業問題をめぐっては、福島の原発事故前から「不透明な随意契約が多すぎる」などの批判があった。機構は、入札に参加できる条件を緩くするなど改善に取り組んできたとされる。

 しかし、今回の集計では二十八法人のうち十七までが、売上高の三割以上を機構に依存。ほぼ100%の団体も複数あった。随意契約の中には、警備や清掃などその業者でないとできない業務なのか疑問が残るケースも少なからずあった

 自民党行政改革推進本部の秋本真利衆院議員は、警備業務などは競争入札が適切だとして、来年度予算編成前に機構の発注のあり方を見直す方向で精査を進めている。


◆問題ないと認識

<原子力機構の広報担当者の話> 随意契約を続けているケースは、核物質の防護に関する情報が広がるのを限定するためで、その業務を熟知している(従来の)社と契約せざるを得ない。入札者がほかにいないケースなどについては、入札の参加要件が厳しくなかったか、募集期間が適正だったかなど、外部の有識者委員会などでチェックしている。問題はないと認識している。


談合といっていい
五十嵐敬喜(たかよし)・法政大名誉教授(公共事業論)の話> まともな競争もないまま国の法人が、OBらの経営する企業に発注するのは不適切だ。警備業務などを随意契約にする必要性も明確でない。ファミリー企業同士が入札で競っても、それは談合といってもいい。

 福島の事故から五年近くになってもいまだ不透明な構図が続く背景には、原子力ムラの復権があり、傷痕に消毒液を塗るような処置だけではもう直せない。国民が、国の不当な支出に対し監査請求ができる仕組みを検討するべきだ。

日本原子力研究開発機構> 文部科学省所管の独立行政法人で、2005年、当時の日本原子力研究所と核燃料サイクル開発機構が統合して発足した。茨城県東海村に本部を置き、職員は約3700人。略称はJAEA。高速増殖原型炉もんじゅの運営のほか、放射性廃棄物の処分や東京電力福島第一原発の廃炉などの技術開発を担う。もんじゅの点検漏れ問題では、運営者を機構から変えるよう原子力規制委員会が文科省に勧告した。
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●高浜原発「差し止め」、国民を守る司法判断: 寄生委の新規制基準は「緩やかにすぎ、合理性がない」

2015年04月16日 00時00分43秒 | Weblog


東京新聞の記事【高浜再稼働 認めず 「緩い規制基準 合理性欠く」】(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2015041590070351.html)と、
社説【国民を守る司法判断だ 高浜原発「差し止め」】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2015041502000122.html)。

   ●関西電力大飯原発再稼働差し止め、画期的勝訴:
                 もし敗訴していたら大変なことに・・・・・・

   『●画期的! 福井地裁樋口英明裁判長、  
      高浜3、4号機再稼働差止仮処分決定・・・「直ちに効果が発生」!!

 「原子力規制委員会新規制基準は「緩やかにすぎ、合理性がない」と指摘、基準に適合していても再稼働を認めないとの決定」。
 原子力「ムラ寄生」委員会の「世界一厳しい」らしい基準に合格したからと言って、「安全」・・・・・・なわけがない。それはアベ様らが自称しているにすぎず、世界が「世界一」を認めている訳ではない。

   ●原発再稼働という恥ずべき選択
      ~「新基準は世界一」「世界最高レベル」ではなく、「世界一の無責任」~


 「福井地裁は、原子力規制委員会の新規制基準を否定した。それでは国民が守られないと」。
 3.11東京電力原発人災の惨状を見よ!・・・・・・「原発さえなければ」。

   ●ドキュメンタリー映画『わすれない ふくしま』:
          「震災さえ」ではなく 「原発さえなければ・・・」


 東京新聞の記事【最高の決定」万感 高浜再稼働認めず リスク恐れず申し立て】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2015041502000120.html)によると、「申立人は今後の本訴訟で関電側が勝った場合、多額の損害賠償を請求される可能性がある。だがリスクを背負いつつも「福島事故の悲劇を繰り返さない」との決意を胸に、闘ってきた・・・・・・「原発を止めるチャンスがあるのなら、家や土地など惜しくない」」。この仮処分決定を、悲劇を繰り返さない第一歩にしたいところ。

 一方、予想通りの反応。「国は当事者ではない」!! 原発の「地元」の皆さんは何を思う?? ブログ主も、十分に「地元」民だと思いますが、呆れます。ニッポン国の無責任。
 東京新聞の記事【再稼働 政府「粛々と」 高浜仮処分 規制委「審査に影響ない」】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2015041502000114.html)によると、「政府や電力業界の姿勢に“冷や水”を浴びせた格好だ。両者は「再稼働の方針に変更はな」とするものの、今回の司法判断で住民理解や地元同意などの手続きが難しくなったとの声も出ている・・・・・・菅義偉(すがよしひで)官房長官は十四日の記者会見で「国は当事者ではない」とした上で、異議を申し立てる予定の関西電力の対応を注視する考えを示した。「世界で最も厳しいと言われる規制の結果、大丈夫だと判断された。(再稼働は)粛々と進めていきたい」。話しぶりはいつもと変わりなかったが、「上から目線」と不評を買い封印したはずの「粛々と」のフレーズを口にした」。
 仮処分を無視して、スガ官房長は「ズカズカ」進めるそうだ。凄いねっ。

   ●屁理屈にもなっていない
       ・・・菅義偉官房長官「汚染水の『影響』は完全にブロック」

   『●深刻な原発事故の教訓として
       「汚染水の『影響』は完全にブロック」・・・なんて言えるわけがない

   『●この現実を見ても、アベ様と菅官房長官は
        「汚染水の『影響』は完全にブロック」と言うのか?


   ●菅義偉官房長官曰く「この問題は過去のものだ。
        争点にはならない」・・・・・・なんという言い草!!

   『●沖縄で連敗続きのアベ様、「この問題は過去のものだ。
                争点にはならない」で済まされるのか?

   『●さあ、ここから: 高江・辺野古破壊問題等々・・・
             「過去のもの」や「終わり」にしてはいけない

   『●沖縄県民の民意は明白: 辺野古破壊者、沖縄で4度目の完敗
   『●沖縄県民の民意にお構いなし、
        辺野古破壊者は沖縄で4度目の完敗だというのに


 もう一度、ここで立ち止まって、「地元」も、3.11東京電力原発人災の惨状を省みるべきではないか。「原発さえなければ」、を見つめ直すべき。asahi.comの記事【高浜再稼働差し止め、原告「最高の内容」 自治体反発も】(http://www.asahi.com/articles/ASH4F62M0H4FPTIL024.html?iref=comtop_list_nat_n04)には、「一方、再稼働に期待する地元自治体からは反発の声が上がり、戸惑いが広がった」とある。

 さらに、経済界も同様。東京新聞の記事【裁判所 判断にふさわしいか 同友会代表幹事 決定に疑問示す】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2015041502000115.html)によると、「経済同友会の長谷川閑史代表幹事は・・・・・・福井地裁が関西電力高浜原子力発電所3、4号機(福井県)の再稼働を認めない決定をしたことについて、「裁判所の判断にこうしたテーマがふさわしいかどうか疑問国民と向かい合って話し合うことが必要だ」との考え」だそうです。誰と誰が国民と「話し合う」の? 「当事者ではない」らしいアベ様やスガ殿は聞く耳持たず、命令のみ。
 「極めて多数の人々の生存そのものにかかわる権利と、電気代が高い低いの問題とを並べて論じること自体、許されない」・・・・・・関西電力大飯原発についての福井地裁の名判決・・・・・・:

   『●関西電力の「原発再稼働」への言い訳にさせてはいけない

    「原発から半径250キロ圏内の住民の人格権を認めた画期的判決」
    「「原発停止は貿易赤字を増やし、国富流出につながる」という考え方に
     ついても、「豊かな国土に、国民が根を下ろして生活していることが国富だ
     と一蹴
    「原発の稼働が発電コストの低減になるという関電側の主張も退ける
     極めて多数の人々の生存そのものにかかわる権利と、電気代が
     高い低いの問題とを並べて論じること自体、許されないと、怒りさえ
     にじませているようだ。経済神話の否定である」
    「そして、原発の稼働が地球温暖化の原因になる温室効果ガスの削減に
     寄与するという被告側の主張に対しては、福島原発事故はわが国
     始まって以来の環境汚染、甚だしい筋違いとまで言い切って、
     環境神話も否定した」
    「大飯再稼働、差し止め命じる 生存と電気代、同列許さず」 
    「また、生存権と電気代のコストを並べて論じること自体が法的には
     許されない」ことで、原発事故で豊かな国土と国民生活が取り戻せなく
     なることが「国富の喪失」だと指摘。福島事故は「わが国が始まって
     以来、最大の環境汚染」であり、環境問題を原発推進の根拠とする
     主張を「甚だしい筋違い」と断じた」
    「大飯原発運転差し止め判決 人格権より優先される原発はない!」
    「福井地裁の大飯原発運転差し止め判決 原発は人格権より劣位にある」
    「「極めて多数の人の生存そのものに関わる権利と電気代の高い低いの
     問題とを並べた議論の当否を判断すること自体、法的には許されない
     として、経済活動よりも生存に関わる人格権を優先した」


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http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2015041590070351.html

高浜再稼働 認めず 「緩い規制基準 合理性欠く」
2015年4月15日 07時03分

 関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜町)の安全対策は不十分として、周辺の住民らが再稼働差し止めを申し立てた仮処分で、福井地裁は十四日、原子力規制委員会の新規制基準は「緩やかにすぎ、合理性がない」と指摘、基準に適合していても再稼働を認めないとの決定をした。原発運転禁止の仮処分は全国初。訴訟の判決と異なり、決定は直ちに効力を持つ。

 二基は今年二月、九州電力川内(せんだい)原発(鹿児島県)に次ぎ、規制委が審査に適合すると判断、関電は十一月の再稼働を想定し、地元同意の手続きに入っている。樋口英明裁判長は決定で、新規制基準に適合しても安全性は確保されていないと批判し、基準に厳格さを求め、東京電力福島第一原発事故後に施行された基準を事実上否定した。

 二十二日には川内原発の再稼働差し止めの仮処分決定が鹿児島地裁で予定されており、結果が注目される。

 関電は決定を不服として、福井地裁に異議と執行停止を申し立てる方針。関電は主張が認められるまで再稼働はできないが、地元同意の手続きは進められる見通し。菅義偉(すがよしひで)官房長官は十四日、安全が確認された原発の再稼働を進める方針に変更はないとの考えを示した。

 今回の決定は樋口裁判長と原島麻由裁判官、三宅由子裁判官の三人の合議。樋口裁判長は、規制基準に「万が一にも深刻な災害が起きないといえる厳格さ」を求めた。再稼働すると、二百五十キロ圏内の住民の生命や利益に関わる人格権が侵害される具体的な危険があるとも述べた。

 二〇〇五年以降、全国の四原発で五回にわたり、基準地震動(耐震設計の目安となる揺れ)を超す地震が起きたことに触れ「想定を超える地震が来ないとの根拠は乏しい」と指摘。さらに地震動を下回る場合でも、主給水ポンプなどの破損で冷却機能が喪失、重大事故が生じると認定した。

 使用済み核燃料では「国の存続に関わる被害が出る可能性があるが、堅固な施設で閉じ込めていない」と関電の対策を批判した。関電は答弁書で「安全対策は十分だ」と主張していた。


決定覆るまで動かせず

 関西電力高浜原発3、4号機の再稼働を禁じた福井地裁の仮処分決定は、判決確定まで効力がない本訴訟と異なり、即時有効となる。同地裁か、次に審理する高裁で関電側の異議が認められない限り、二基は再稼働できない状態が続く。

 仮処分は通常の訴訟で争うと時間がかかるため、当事者の権利を守る目的で暫定的に行う法的手続き。関電は地元同意など高浜3、4号機の再稼働に向けた手続きは進められるが、運転はできない。決定を無視して再稼働した場合、巨額の制裁金を科される可能性がある。早期の再稼働を目指す関電は、福井地裁に異議を申し立てる方針。


規制委審査 根底から問う

 福井地裁の仮処分決定の内容は、新規制基準を満たしたと判断した原子力規制委員会の対応を根底から問い直すものとなった。規制委は「本件の当事者ではない」と平静を装い、高浜3、4号機の安全性のチェック作業も進める考えだが、大きな危険性を内包する原発の安全が、規制委が「世界で最も厳しい」と自負する新基準をもってしても十分なのか、あらためて見直しが求められる。

 新基準は想定すべき地震動や津波を見直し、多重化した外部電源が断たれても、原発内の非常用電源やバックアップ用の海水ポンプなどで、原子炉の冷却を継続できることなどを要求。従来の基準より強化されたのは確かだ。

 ただし、原子炉が破裂しないよう圧力を抜くフィルター付きベント(排気)設備や、独立して冷却ができる第二制御室などは二〇一八年七月までに整備すればよいとされた。作業員を地震や放射能から守る事故時の対策拠点も、完成するまでの間は代替施設で済ますことを認めた。

 今回の地裁決定は、重大事故が起きれば取り返しのつかない被害を広域に及ぼす原発の本質を指摘した。地震動の想定は信頼性に乏しく、原子炉の冷却がきちんと続けられるのか、大量の使用済み核燃料が堅固な施設で守られていなくていいのかなど多くの疑問を投げかけた。

 規制委による実際の審査でも、問題点が浮かんでいる。その一つが、新基準を満たせば東京電力福島第一原発のような大きな事故にならず、外部からの支援なしで数十人の作業員だけで事故収束できることになっている点だ。周辺住民を安全に避難させる計画も不十分で、規制委はその実効性を検証しない。 (山川剛史


◆福井地裁決定骨子

▼高浜原発3、4号機を運転してはならない

▼想定を超える地震が来ないとの根拠は乏しく、想定に満たない場合でも冷却機能喪失による重大事故が生じうる

▼使用済み核燃料を堅固な施設で囲い込むなどの対策がとられていない

原子力規制委員会の新規制基準は合理性を欠き、適合しても安全性は確保されていない

▼原発運転により、住民の人格権が侵害される具体的な危険がある


人格権> 人間として平穏な生活を送る権利。憲法に明確な規定はないが13条(生命、自由および幸福追求の権利)、25条(健康で文化的な最低限度の生活を営む権利)で保障され、さまざまな権利の中で最も優位とされる。

(東京新聞)
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2015041502000122.html

【社説】
国民を守る司法判断だ 高浜原発「差し止め」
2015年4月15日

 関西電力高浜原発(福井県高浜町)の再稼働は認めない-。福井地裁は、原子力規制委員会の新規制基準を否定した。それでは国民が守られないと。

 仮処分は、差し迫った危険を回避するための措置である。通常の訴訟とは違い、即座に効力を発揮する。

 高浜原発3、4号機は、動かしてはならない危ないもの、再稼働を直ちにやめさせなければならないもの-。司法はそう判断したのである。

 なぜ差し迫った危険があるか。第一の理由は地震である。

 電力会社は、過去の統計から起こり得る最大の揺れの強さ、つまり基準地震動を想定し、それに耐え得る備えをすればいいと考えてきた。


◆当てにならない地震動

 原子力規制委員会は、新規制基準による審査に際し、基準値を引き上げるよう求めてはいる。

 関電は、3・11後、高浜原発の基準地震動を三七〇ガルから七〇〇ガルに引き上げた。

 しかし、それでも想定を超える地震は起きる。七年前の岩手・宮城内陸地震では、ひとけた違う四〇二二ガルを観測した。

 「平均からずれた地震はいくらでもあり、観測そのものが間違っていることもある」と地震学者の意見も引いている。

 日本は世界で発生する地震の一割が集中する世界有数の地震国である。国内に地震の空白地帯は存在せず、いつ、どこで、どんな大地震が発生するか分からない。

 だから基準地震動の考え方には疑問が混じると判じている。

 司法は次に、多重防護の考え方を覆す。

 原発は放射線が漏れないように五重の壁で守られているという。

 ところが、原子炉そのものの耐震性に疑念があれば、守りは「いきなり背水の陣」になってしまうというのである。

 また、使用済み核燃料プールが格納容器のような堅固な施設に閉じ込められていないという点に、「国の存続に関わるほどの被害を及ぼす可能性がある」と、最大級の不安を感じている。

 福島第一原発事故で、最も危険だったのは、爆発で屋根が破壊され、むき出しになった4号機の燃料プールだったと、内外の専門家が指摘する。

 つまり、安全への重大な疑問はいくつも残されたままである。ところが、「世界一厳しい」という新規制基準は、これらを視野に入れていない


疑問だらけの再稼働

 それでも規制委は新基準に適合したと判断し、高浜原発は秋にも再稼働の運びになった。

 関電も規制委も、普通の人が原発に対して普通に抱く不安や疑問に、しっかりとこたえていないのだ。従って、「万が一の危険という領域をはるかに超える現実的で切迫した危険」があると、福井地裁は判断した。新規制基準の効力や規制委の在り方そのものを否定したと言ってもいいだろう。

 新規制基準では、国民の命を守ることができないと、司法は判断したのである。

 昨年五月、大飯原発(福井県おおい町)3、4号機の差し止めを認めた裁判で、福井地裁は、憲法上の人格権、幸福を追求する権利を根拠として示し、多くの国民の理解を得た。生命を守り、生活を維持する権利である。国民の命を守る判決だった。

 今回の決定でも、“命の物差し”は踏襲された。

 命を何より大事にしたい。平穏に日々を送りたい。考えるまでもなく、普通の人が普通に抱く、最も平凡な願いではないか。

 福島原発事故の現実を見て、多くの国民が、原発に不安を感じている。

 なのに政府は、それにこたえずに、経済という物差しを振りかざし、温暖化対策なども口実に、原発再稼働の環境づくりに腐心する。一体誰のためなのか。

 原発立地地域の人々も、何も進んで原発がほしいわけではないだろう。仕事や補助金を失って地域が疲弊するのが怖いのだ。

 福井地裁の決定は、普通の人が普通に感じる不安と願望をくみ取った、ごく普通の判断だ。だからこそ、意味がある。


◆不安のない未来図

 関電は異議申し立てをするという。しかし司法はあくまで、国民の安全の側に立ってほしい。

 三権分立の国である。政府は司法の声によく耳を傾けて、国民の幸福をより深く掘り下げるべきである。

 省エネと再生可能エネルギーの普及を加速させ、新たな暮らしと市場を拓(ひら)いてほしい。

 原発のある不安となくなる不安が一度に解消された未来図を、私たちに示すべきである。
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●東電原発人災: あ~アベ様の言う「完全にブロックされている」「状況はコントロール」の悲惨な現実

2015年02月26日 00時00分13秒 | Weblog


東京新聞の二つの記事【汚染水 外洋に垂れ流し 1年前に把握、放置 福島第一】(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2015022590070904.html)、
【2号機屋上汚染雨水が港湾外流出 東電、昨年5月に把握】(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2015022401002296.html)。

 「東京電力が、福島第一原発の排水溝から高濃度の放射性物質を含む水が外洋に漏れ続けるのを放置」、「東電は昨年5月、2号機西側から港湾外につながる排水路の放射性物質濃度が他の排水路に比べて高いことを把握し、原因を調べていたが、海洋流出を防ぐ措置は講じていなかった」。

 あ~アベ様の言う「完全にブロックされている」「アンダーコントロール状況はコントロール」や「世界に向けて「汚染水漏えい問題はないと言い切ってしまった・・・・・・その悲惨な現実はこんなものである。アベ様の自公政権になってから、一体何をやってきたの? 「原発推進」「原発再稼働」「原発建設」「原発輸出」のみ。狂気であり、正気でない。

   ●「原発推進」という結論ありきのパフォーマンス
   『●放射能汚染で「太平洋は終わり」との声が
         出るほどの重大事故だというのに、この国は・・・・・・

   『●世界に向けて「汚染水漏えい問題はない」
                  と言い切ってしまったょ・・・・・・


 そして、またしても東電の相変わらずな「無責任」「放置」体質。東電に「信頼」なんて云う言葉は二度と使えないし、無策なアベ様達にはあらゆる選挙でさっさとお引き取り願うべきだ。早く「ねじれ」を復活させないと大変。アベ様達と「心中」なんて真っ平御免だ。

   ●誰も責任をとらない自民党議員
       ・・・・・・3.11東京電力原発人災以前に逆戻りしていて大丈夫?

   『●「死の灰」を回避し得ない上に、
       「発電機能付き湯沸し装置」では温暖化は止まらない

   『●「仏様のおかげ」はもう期待しない方がいい:
       高浜原発、「このゴジラが最後の一匹だとは思えない」

   『●「暴走するゾウ、ゴジラを解き放とうという
        「愚」」な東電をどのように「信頼」すればよいのか?

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http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2015022590070904.html

汚染水 外洋に垂れ流し 1年前に把握、放置 福島第一
2015年2月25日 07時09分

 東京電力が、福島第一原発の排水溝から高濃度の放射性物質を含む水が外洋に漏れ続けるのを放置していたことが二十四日、分かった。外洋への継続的な漏出を昨年四月に把握しながら公表せず、排水溝を専用港内に付け替えるなどの対策も取っていなかった。(荒井六貴



(↑ブログ主注: すいません、勝手ながらコピペさせて頂いております
  【http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/images/2015022599070904.jpg】)

 東電によると、昨年四月十六日以降、一週間に一回、四本ある排水溝の出口付近で流れる水を採取し、放射性セシウムやストロンチウムなどを分析。当初から四本とも明確に汚染が確認され、特に1~4号機の山側を通る排水溝(K排水溝)では、ほかよりも一段高い濃度を示していた。

 例えば、昨年八月二十六日には、一リットル当たりセシウムが一〇一〇ベクレル、骨にたまりやすいストロンチウムなどは一五〇〇ベクレルと、水としては非常に高い値だった。日常的に、両物質とも数十ベクレル以上のレベルで推移している。流量は一日当たり約千七百トンに上る計算になる。2号機の建屋屋根にたまった放射性物質などが雨で流され、溝に入り込んだ可能性がある。

 ほかの排水溝も、K排水溝ほどではないものの、日常的に汚染が確認され、降雨で濃度が上がる同様の傾向を示している。

 東電は、一昨年八月にタンクからの高濃度汚染水漏れを受け、タンク群近くのC排水溝の出口は、水が比較的拡散しにくい専用港内に付け替えた。

 しかし、東電は他の排水溝は対策を取ろうとせず、昨年四月以降のデータを公表しようともしなかった

 東電は、自社が実施する外洋の濃度測定で、セシウムとストロンチウムなどはほとんどが同一ベクレル以下であるとして、「外洋には影響はない」と説明している。

 東電の小林照明原子力・立地本部長代理は「(排水溝内を清掃するなど)できるだけ放射性物質の濃度を下げるという方策を取ってきた。(漏出防止については)重要な項目であるので、検討を進めたい」と話した。


◆東電、今も続く隠蔽体質

<解説> 東京電力は「福島復興への責任を果たす」と強調する一方で、福島第一原発から高濃度汚染水が漏れ続けているのを知りつつ公表せず、対策を講じようともしなかった東電の隠蔽(いんぺい)体質は今も続き、福島を裏切り続けていたとも言える。

 海に出た汚染水は、波や潮流で急速に薄まる。海水魚は取り込んだ塩類をどんどん放出するため、淡水魚に比べセシウムなどを体内にためにくいのも事実だ。

 しかし、汚染水は「八」の字形をした原発専用港の中でブロックされているどころか、外洋を直接汚していた。しかも雨のたび通常の百倍の濃度にまで高まる状況。こんな状況を放置していて何も影響が出ない保証はない。

 東電の精度の低いモニタリングでも、原発の南北にある放水口近くの海水から時折、一リットル当たり数ベクレル、高い時には一〇ベクレルを大きく超える放射性セシウムが検出されてきた。こうしたデータは、海の浄化作用でもカバーしきれない汚染が続いていることを示している。

 せめて問題の排水溝を専用港内に付け替え、港内の海水を浄化する機能を強化しないと、復興に向けて試験操業を続ける地元の漁業者にとっても大きな痛手となりかねない。

 本紙と共同で福島や首都圏各地の放射能汚染調査を続けてきた独協医科大の木村真三准教授は「やはり原発の状況を、東電自身ではなく、第三者がきちんと調べないと、信頼回復につながらないのではないか」と指摘した。(山川剛史)

(東京新聞)
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http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2015022401002296.html

2号機屋上汚染雨水が港湾外流出 東電、昨年5月に把握
2015年2月24日 23時59分

 東京電力は24日、福島第1原発2号機の原子炉建屋屋上の一部に、高濃度の放射性物質を含む雨水がたまっているのを確認したと発表。この雨水が排水路を通じて外洋(港湾外)に直接流出していた可能性が高いことを明らかにした。

 東電は昨年5月、2号機西側から港湾外につながる排水路の放射性物質濃度が他の排水路に比べて高いことを把握し、原因を調べていたが、海洋流出を防ぐ措置は講じていなかった

 問題の排水路は4号機南側で外洋につながっている。東電は「港湾外でのモニタリングで海水の放射性物質濃度に目立った変動はない」としている。

(共同)
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●東京五輪と東電原発人災の現実: 「現実には放射性セシウムはブロックされず、海を汚し続けている」

2014年05月24日 00時00分43秒 | Weblog


東京新聞の記事【汚染水 外洋流出続く 首相の「完全ブロック」破綻】(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2014051790065857.html)。


(↑ すいません画像を勝手にコピペ:
   http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/images/2014051799065857.jpg

 五輪のために世界にウソを拡散・・・・・・「東京電力福島第一原発から漏れた汚染水が、沖合の海にまで拡散し続けている可能性の高いことが、原子力規制委員会が公開している海水データの分析から分かった。安倍晋三首相は昨年九月、国際社会に向かって「汚染の影響は専用港内で完全にブロックされている」と強調したが、現実には放射性セシウムはブロックされず、海を汚し続けている」。東電原発人災以降、ずっと汚染を続けていることが分かっていながら、「完全にブロック」「状況はコントロール」と世界に向けてアベ様はウソをついている訳です。

   『●世界に向けて
     「汚染水漏えい問題はない」と言い切ってしまったょ・・・・・・
   『
●放射能汚染で「太平洋は終わり」との声が出るほどの
            重大事故だというのに、この国は・・・・・・


 いまからでも遅くない、世界に向けて恥さらしな宣言の撤回、開催権返上を。

   『●「開催権返上の決断」:
      「完全にブロック」「情況はコントロール」されてはいない我国こそ


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http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2014051790065857.html

汚染水 外洋流出続く 首相の「完全ブロック」破綻
2014年5月17日 06時58分

 東京電力福島第一原発から漏れた汚染水が、沖合の海にまで拡散し続けている可能性の高いことが、原子力規制委員会が公開している海水データの分析から分かった。安倍晋三首相は昨年九月、国際社会に向かって「汚染の影響は専用港内で完全にブロックされている」と強調したが、現実には放射性セシウムはブロックされず、海を汚し続けている。 (山川剛史、清水祐樹)

 かつて海外の核実験により放射性物質が日本にも降り注いだため、国は財団法人海洋生物環境研究所などに委託し海水中の放射性セシウム137濃度などを高精度で分析してきた。原子力規制委員会は一九八四年以降のデータを公開、福島第一の沖合三十キロ付近も調査地点に含まれていた。

 二〇一一年の福島事故で、福島沖の同地点の濃度は直前の値から一挙に最大二十万倍近い一リットル当たり一九〇ベクレル(法定の放出基準は九〇ベクレル)に急上昇した。それでも半年後には一万分の一程度にまで急減した。

 一九四〇年代から世界各地で行われた核実験の影響は、海の強い拡散力で徐々に小さくなり、八六年の旧ソ連・チェルノブイリ原発事故で濃度は一時的に上がったが、二年ほどでかつての低下ペースとなった。このため専門家らは、福島事故でも二年程度で濃度低下が元のペースに戻ると期待していた。

 ところが、現実には二〇一二年夏ごろから下がり具合が鈍くなり、事故前の水準の二倍以上の〇・〇〇二~〇・〇〇七ベクレルで一進一退が続いている

 福島沖の濃度を調べてきた東京海洋大の神田穣太(じょうた)教授は「低下しないのは、福島第一から外洋への継続的なセシウムの供給があるということ」と指摘する。

 海水が一ベクレル程度まで汚染されていないと、食品基準(一キログラム当たり一〇〇ベクレル)を超える魚は出ないとされる。現在の海水レベルは数百分の一の汚染状況のため、「大きな環境影響が出るレベルではない」(神田教授)。ただし福島第一の専用港内では、一二年初夏ごろから一リットル当たり二〇ベクレル前後のセシウム137が検出され続けている。沖合の濃度推移と非常に似ている。

 神田教授は「溶けた核燃料の状態がよく分からない現状で、沖への汚染がどう変わるか分からない。海への汚染が続いていることを前提に、不測の事態が起きないように監視していく必要がある」と話している。

(東京新聞)
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●原発再稼働・新規建設・原発輸出、無責任な暴走・・・・・・我国に真の文明は?

2014年03月19日 00時00分54秒 | Weblog


東京新聞の記事【川内原発を優先審査 規制委 再稼働新基準で方針】(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2014031390135609.html)と、
asahi.comの記事【真の文明は― 足尾そして福島】(http://www.asahi.com/articles/CMTW1403140700002.html)。

 「新規制基準に基づく再稼働第一号は川内原発となる可能性が高まった。しかし、同原発周辺は原発外の防災対策が遅れているなど安全面の課題も多く、大きく疑問が残る決定」・・・・・・暴走する原子力「推進」「寄生」委員会、そして九州電力と自公政権の愚かさ。 

 原発再稼働や原発の新規建設、さらには原発輸出・・・・・・、脱原発派と一体どちらが無責任なのか? 原発推進派こそ、無責任な暴走である。こんな我国に真の文明は在ると言えるのか?・・・・・・「福島の原発事故は過去の公害事件と似ている。そう指摘する識者は多い。日本初の公害とされる足尾鉱毒事件ゆかりの地を訪ね、民衆とともに闘いつづけた田中正造の足跡をたどってみた。地方を犠牲にして成り立つ文明とは何か――。そんな問いをめぐらせ「福島」を考えた」

   『●「真の文明は、山を荒らさず、川を荒らさず、村を破らず、人を殺さざるべし」
                                      ・・・我国に真の文明は?


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http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2014031390135609.html

川内原発を優先審査 規制委 再稼働新基準で方針
2014年3月13日 13時56分

 原子力規制委員会は十三日、原発再稼働の条件となる新規制基準への適合審査の進め方について、九州電力川内(せんだい)原発1、2号機(鹿児島県)ではおおむね適切に地震と津波が想定され、事故対策の設備面でも大きな問題はないとして優先的に審査を進めることを決めた。新規制基準に基づく再稼働第一号は川内原発となる可能性が高まった。しかし、同原発周辺は原発外の防災対策が遅れているなど安全面の課題も多く、大きく疑問が残る決定となった。
 新基準では、最大級の地震と津波を想定して「基準地震動」と「基準津波」を設定。原発がこれらに襲われても十分に耐えられるよう建屋や配管などに強度を持たせ、防潮堤なども整備する。事故が起きても、被害を拡大させない対策をとるよう求めている。
 これまで八つの電力会社が十原発十七基の再稼働を規制委に申請したが、想定が足りないなどの問題点が指摘されてきた。十二日の審査会合で、川内原発と四国電力伊方原発(愛媛県)について目立った異論は出なかった。
 十三日の規制委会合では、島崎邦彦委員長代理が川内原発のみで基準地震動などが確定したと説明し、更田(ふけた)豊志委員は「川内原発の設備面の対応は十分満足できる」と述べた。このため審査のモデルとして、川内原発が選ばれた。
 規制委は、川内原発に周辺の火山から火砕流が到達する可能性がないかを確かめた後、対策が十分かを総合的に審査し、審査書案を作成。意見募集や公聴会を経て、審査は終わる。


◆住民避難態勢も不十分

 原子力規制委員会が九州電力川内原発1、2号機を優先的に審査することを決めた。九電は電力需要が高まる夏前の再稼働を目指し、地元の鹿児島県知事も前向きな姿勢を示している。しかし、規制委が認める通り、新基準を満たすことは安全を確保するための最低条件にすぎない。

 川内原発は、東京電力福島第一原発とは異なる「加圧水型」と呼ばれる型。原子炉格納容器の容積が大きく、炉が暴走し始めても対処する時間の余裕が比較的あるとされる。

 しかし、炉内の圧力を逃すフィルター付きベント(排気)設備の設置はまだ計画段階で、緊急時の対策拠点もまだ代替施設があるだけだ。

 原発外では、昨年十月に事故を想定した避難訓練が実施されたが、実際の福島事故より、事故の進展スピードが遅く、避難に使うバスがあらかじめ集合場所に用意されているなど甘い内容だった。

 事故時に避難住民を受け入れてくれる先を事前に確保しておくことも重要だが、鹿児島県は県内避難にこだわり、隣接の熊本県との協議が遅れた。計画は定まったものの、福島で起きたように大渋滞で車が動けなくなる事態など、起こり得る問題を十分に想定しているとは言い難い。 (山川剛史)


<川内原発> 鹿児島県薩摩川内市にある九州電力の加圧水型軽水炉(PWR)。2基あり出力は各89万キロワット。1984年と85年に運転を開始した。東京電力福島第一原発事故時には2基とも運転中だったが、2011年9月までに定期検査に入り、停止中。原発の新規制基準が施行された13年7月、九電は2基の審査を原子力規制委員会に申請した。原発事故前、国内最大規模となる3号機(改良型PWR、159万キロワット)増設が計画されたが、手続きは凍結している。

(東京新聞)==========================================================================

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http://www.asahi.com/articles/CMTW1403140700002.html

真の文明は― 足尾そして福島
2014年3月14日10時27分

   (渡良瀬川の河川敷に立つ鳥羽義昭さん。上流の足尾銅山から
    流れ出た鉱毒によって、川沿いの地域は甚大な被害を受けた
    =群馬県館林市下早川田町)
   (かつて人びとの暮らし、生活があった谷中湖。いまは野鳥の楽園となり、
    野鳥観察やサイクリングなどを楽しめる。)


 ●鉱毒事件の地を訪ねて

 福島の原発事故は過去の公害事件と似ている。そう指摘する識者は多い。日本初の公害とされる足尾鉱毒事件ゆかりの地を訪ね、民衆とともに闘いつづけた田中正造の足跡をたどってみた。地方を犠牲にして成り立つ文明とは何か――。そんな問いをめぐらせ「福島」を考えた。

 1月中旬、渡良瀬遊水地は、野鳥観察を楽しむ人らでにぎわっていた。栃木、群馬、埼玉、茨城4県にまたがる33平方キロメートルの遊水地。その南端にある谷中(やなか)湖(450ヘクタール)は栃木市と群馬県館林市、埼玉県加須市の県境に位置する。「谷中」とは、かつてここにあった村の名前だ。

 湖に隣接する旧谷中村跡には村民の墓石などが残っている。安政、天明など江戸時代の年号が刻まれたものもある。「想像もつかないですよね。450軒が住んでいたなんて……」。館林市の行政書士、鳥羽義昭さん(69)が周囲を見渡し、言った。

 民家が立っていた場所には木が植わり、田んぼだった所にはヨシが茂る。鳥羽さんと村の中心部にある雷電神社跡に立った。ここで農村民は、雨を乞い、雷よけを願ったそうだ。

 1877(明治10)年ごろから、この地は渡良瀬川上流にある足尾銅山から流れ出た銅や鉛、カドミウムなどの有毒な重金属に汚された。この鉱毒によって農作物は枯れ、魚は死んだ。

 被害拡大の一因はこの地域を度々襲う洪水にあるとして、政府が遊水地を造る計画を立てると、栃木県は強引に土地の買い占めに走った。買い取り価格は田畑が10アール20~30円(現在の価値で約8~11万円)、宅地は1坪8円(同約3万円)ほどだったという。村民の多くは北海道オホーツク海沿岸などへ移住し、開拓民として苦労を重ねた。1906年、人口2700人の谷中村は強制廃村となった。

 「殖産興業」や「富国強兵」政策を掲げる明治政府にとって、足尾の銅は外貨を獲得できる重要な輸出品で不可欠だった。谷中村はその「犠牲」とも言えた。

 熊本大の小松裕教授(日本近代思想史)は著書でこう指摘する。「『貧乏村』なのに、堤防修築費など地方税からの支出がたくさん必要な『厄介村』というのが行政側の谷中村観であった。……洪水や不正・汚職事件等が発生したとき以外には新聞にも取り上げられることのない、いわば“忘れられた村”であった」(2013年、岩波書店)

 しかし、そんな村に廃村後も住みつづけた人びとがいた。「残留民」と呼ばれる16戸だ。木や板を集めて「仮小屋」を造って居座った。1907年6月末~7月、県に小屋を強制破壊されるまで遊水地化に抵抗した。そんな人びとの精神的支柱となったのが、田中正造だった。

 正造は1841年、現在の栃木県佐野市小中町で生まれた。政治家を志し、90年、衆議院議員となる。議員として鉱毒事件を追及、天皇への直訴も決行した。

 正造が谷中村に見たのは「お金で買えない共同体」の存在だ。谷中の村民たちが長い年月を経て築いてきた「結合の力」や「団結力」は、たとえ大金をはたいても買うことができない。人権と同じ価値がある。そう考えた。

 そして問題の本質を、近代化による「生命の軽視」だととらえた。足尾の事件を「鉱毒殺人問題」と呼んで「人災」と位置づけ、1913年、病に倒れるまで住民とともに闘い続けた。

 1972年の谷中湖造成時、住民から墓石の撤去を阻止する反対運動がおきた。丸く造る予定だったものが設計変更され、墓や村の跡を残して谷中湖はハート形になった。いま、輝く湖の水面は「自然は人の手でコントロールできる」という近代自然観を映す鏡のように見える。

 鉱毒の被害地である群馬県の大島村正儀内(しょう・ぎ・うち)出身の父を持つ鳥羽さんは現在、NPO法人「足尾鉱毒事件田中正造記念館」で理事を務める。「私たちには(足尾銅山を経営していた)古河鉱業は加害者。でも、足尾に行けば『古河様』です。産業を興してくれた人なんです」。そんな微妙な違いも肌で感じてきた。

 100年以上経ったが、鉱毒問題の解決にはほど遠い。東日本大震災で足尾銅山で使われた栃木県日光市の堆積(たいせき)場から渡良瀬川に土砂が流出、河川水から環境基準の約2倍の鉛が検出された。渡良瀬川沿いの農家はいまも、鉱毒の中和剤をまいてコメを作っているという。

 正造の教えとは何だったのか。鳥羽さんは「文明のあり方」と答えた。「真の文明は山を荒らさず、川を荒らさず、村を破らず、人を殺さざるべし」。正造の言葉はその象徴だ。

 正造は晩年、知人に宛てた手紙の中でこう書いている。「谷中問題結了すとおもふなかれ。……谷中亡びても問題は生きて働かん」

 「福島」であらわになったのは、まさにこの「谷中」ではなかったか。そんな思いにかられた。鳥羽さんが言う。「足尾の毒はまだ残っています。後戻りはできないんです。原発もプルトニウムも。後処理ができないものがどんどん加えられていく気がします」


 ●宮本憲一・大阪市立大名誉教授(環境経済学)の話

 足尾も福島も被害が広範囲に及び、長期に続くという点で共通する。さらに、足尾では政府が古河鉱業を援助し、福島でも政府が東電と一体となって原発政策を進めた。この政官財が一体になった構図もよく似ている

 足尾事件では国は谷中村を廃棄した。福島では今、将来の展望が開けず、コミュニティーが無くなる可能性も出てきている。改めて足尾事件に学び、住民被害を繰り返さないことを考えなければならないだろう。

 日本の環境政策の最大の欠点は、批判的な意見に耳を傾けて、安全を重視した対策をとる「予防政策ができないこと。アスベスト問題でも、被害が出てから対策を講じている。さらに、地方を犠牲にすることで、全体の問題を解決しようとする。そのため、足尾事件の問題が繰り返し起こる。公害から得た教訓に学ぶ必要がある。
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●「危機感が伝わらない」: 東京電力原発人災後の漏水問題

2013年04月18日 00時00分19秒 | Weblog


asahi.comの記事(http://www.asahi.com/national/update/0406/TKY201304050526.html)、東京新聞の記事(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013040802000117.html。同様に2紙の社説(http://www.asahi.com/paper/editorial.html?ref=com_top_pickuphttp://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013040902000140.html)。

 地下水汚染の問題は、いま始まったことですか? 2011年3月11日直後から懸念されていたのではないのですか? 小出裕章さんは地下水の遮蔽壁の設置を当初から提案されていました。
 ネズミやタコで停電したり、(それだけ大変な場所での作業であることは想像できますが)ショートさせたりするぐらいですから、計画的にやっているとは思えません。その後、イタチ(ごっこ)まで・・・・・・。
 安全神話に基づく、いつもの机上の空論だった訳です。3.11以前と何の変りもなく。自公政権が出来て、原子力ムラ内に、ますます「“従前どおり”で行きましょうや」の雰囲気が充満しています。

   『●所詮机上の空論、原発など動かさないことが最良の道
   『●こんな国に大飯原発を再稼働させて大丈夫か?

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http://www.asahi.com/national/update/0406/TKY201304050526.html

2013年4月6日4時2分
汚染水、漏出か 福島第一 地下貯水槽から

 東京電力は5日夜、福島第一原発の敷地内にある放射能汚染水をためる地下貯水槽から汚染水が漏れた可能性が高いと発表した。東電は漏水量や漏れた原因を調べている。貯水槽の周囲の地盤や地下水に汚染水がしみ出ている可能性があるという。
 東電が5日、地下を掘って造った貯水槽(縦60メートル、横53メートル、深さ6メートル)の内側に設けられた三重の防水シートのうち、2枚目と3枚目の間の水を採取して調べたところ、1立方センチメートルあたり6千ベクレルの放射能を検出した。
 地下貯水槽は事故で溶けた燃料を冷やして出る放射能汚染水から放射性セシウムなどを除去した後の水をためる水槽。ストロンチウムなど多くの放射性物質が残っている。3日、三重シートの外側の水たまりで同10ベクレル程度の放射能が検出されていたため、東電が水質を調べていた。貯水槽の外に汚染水が漏れている可能性があるため、原子力規制委員会は5日夜、貯水槽の水を他に移すよう指示した。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013040802000117.html

福島第一 貯蔵危機 やっと認識
2013年4月8日 朝刊

 高濃度汚染水を処理した後の水をためる、東京電力福島第一原発の地下貯水池で、水漏れの可能性が相次いでいる。処理水の貯蔵について東電は、地上タンクと合わせ十分に「余裕」があると強調してきたが、ようやく危機的な状況にあることを認めた

   「(地上の)鋼製タンクに処理水を移せる状況ではない。
    机上の計算では空きはあるが、一万トンを超える水を
    小さなタンクに移すには時間もかかる」

 七日の記者会見で、東電の尾野昌之原子力・立地本部長代理は、苦しい表情でこう話した。東電は五日夜に水漏れを公表した貯水池の処理水の移送作業を行っているが、移送先となる隣の貯水池も水漏れの危険性がある。その是非についての記者の質問への答えだ。
 六日までは、七つの貯水池(容量計五万八千トン)のうち四つは未使用で、残り容量が計五万トンあることに加え、地上タンクも今後、増設すると説明。汚染水処理が直ちに破綻する心配はないとしてきた。
 だが、また水漏れ問題が起き、貯水池が使えなくなる可能性が浮上。地上タンクに換算すると六十基近くの残り容量が一気に失われる恐れもある。
 尾野氏は、とにかく問題の貯水池から処理水を抜くことが重要と強調し、地上タンクを温存したい考えのようだが、危機は現実。東電はもっと急ピッチで汚染水発生を減らす手だてを講じる必要がある。 (山川剛史、桐山純平)
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2013年 4月 9 日(火)付
汚染水漏れ―福島原発の態勢見直せ

 福島第一原発で、放射能汚染水が地下貯水槽から漏れていたことがわかった。
 同原発では、急造の設備で原子炉に水を注ぎ、冷やし続けている。汚染された水は海に流せず保管するしかない。その汚染水の一部が漏れた。
 先月起きた長時間の停電を含め、原発事故がなお継続していることを物語る
 核燃料を取り出すまで、抜本的な解決策は見あたらない。電源確保や汚染水タンクの増設など、リスクに先手を打つしかないが、後手に回っている
 今回も3月中旬から水漏れをうかがわせるデータがありながら、対応が遅れた
 現状は、東京電力の管理能力を超えているのではないか。
 汚染水について、そもそもの誤算は冷却水をループ状に使い回して原子炉を冷やす「循環冷却」ができなかったことだ。
 地震や水素爆発で原子炉建屋にひび割れができたらしく、1~4号機の建屋内には1日400トンもの地下水が流れ込む。炉心を冷やした水は一部を再び冷却用に循環させるものの、流入分だけ汚染水が増える。
 福島第一は、いわば原子炉冷却を通じた「汚染水生産工場と化している
 地下水をくみ上げて流入量を減らしたり、放射性物質をできるだけ除去した汚染水を海に流したりする計画はあるが、実効性や早期の実現性は疑問だ。
 東電は当面、大量の漏れが見つかった2号地下貯水槽からだけ汚染水を移し、ほかは水位を少し下げて使い続ける。不足する分は、地上タンクの増設を前倒しし乗り切る考えだ。
 しかし、地上タンクも盤石ではない。接合部が経年劣化して水漏れを起こす危険が指摘されているうえ、原発敷地内にはタンクを設置する場所もなくなりつつある。
 遅まきながら東電は「福島第一信頼度向上緊急対策本部」を設けた。汚染水、機械設備、電気設備、土木・建築設備の四つの対策チームをつくり、リスクを洗い出す。外部に助言を求める方針も明記した。
 国はもっと積極的に関わる必要がある。海外を含め、様々な分野から知恵や人材を集めるため、原子力規制委員会とともに指導力を発揮すべきだ。
 茂木敏充経済産業相は東電の社長に「会社一丸となって取り組んでほしい」と求めたが、汚染水タンクの設置場所がなくなった場合の対応ひとつとっても、東電任せでは限界がある。政府と東電が一丸となった態勢をつくらなければならない。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013040902000140.html

【社説】
福島・汚染水 事故はまだ続いている
2013年4月9日

 停電の次は放射能のある汚染水漏れ。東京電力福島第一原発で深刻な事故が続いているところが事故の当事者たちから危機感が伝わらない。東電は被害者の視点に立って現実を見直すべきである
 穴を掘り、遮水シートを敷いて、浸出水を防ぐという構造は、普通のごみを埋め立てる最終処分場の構造と基本的には同じである。遮水シートが破れやすいのも、継ぎ目部分が弱いのも、ごみ処理の世界では基本知識と言っていい。
 一九九〇年代、東京・日の出処分場など、全国で有害物質を含んだ浸出水が問題になった。だから家庭ごみの処分場でも、漏水には細心の注意を払う。
 のり面を鋼矢板で遮水したり、漏水を検知すると自動的に修復されるシステムを備える施設も、今や珍しくはないという。
 相手は放射能である。家庭ごみ並み、あるいはそれ以下の扱いとは、あまりに危機感が見えなさ過ぎる
 東電はすでに先月半ばには、遮水シートの近くで微量の放射能を検知するなど、汚染水漏れの兆候をつかんでいたというそれなのに対策は講じられなかった
 今回の汚染水漏れも「事故」とは言わず「事象」と呼んだ。専門用語はともあれ、普通の人が聞いたらどう感じるか。
 前政権が「冷温停止状態」と言ってから約一年四カ月。原子炉を冷やすため、現場では毎日約三百七十トンの水を注いでいる。その上一日四百トンもの地下水が流れ込む。一部を循環させたり、汚染される前の地下水をポンプでくみ上げたりしても、汚染水は増えていく。このままでは、タンクをいくら増設してもきりがないだろう。
 つまり、「事故」はまだ終わっていない
 東電には被害者の視点に立って、事故処理や情報発信のあり方を考え直してもらいたい。
 地中に簡易なプールを掘って汚染水をためるというのは、あくまでも一時しのぎ、事業者本位の応急措置にほかならない。
 放射能汚染水の漏出が、住民にどれだけ不安を与えるか、事実を知らされないことが、どれほどの不信を呼ぶか。海の汚染を漁民がどんなに恐れ、苦しんでいることか
 これを機に、あらためて「事故」の現実を直視して、住民の気持ちになって対策を練り直すべきではないか。対策を明確に語り、その中身が専門家らの検証に耐えなければならない。
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コメント
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