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●そもそも東京電力に核発電所を稼働する能力、そして、倫理的に見てその資格はあるのか? 人災を被った福島を「原状回復」して見せてほしい

2024年04月26日 00時00分13秒 | Weblog

[※ 「3.11から12年 脱原発の約束はどこに」(週刊金曜日 1415号、2023年03月10日) ↑]


(2024年04月21日[日])
東京電力にも、原子力「推進」委員会にも、狂気しか感じない。よく恥ずかしげもなく、東京電力はアノ柏崎刈羽核発電所の再稼働したいなどと、口にできるものだ。「恥」の概念などないのかね? さっさと、福島を「原状回復」して見せてくれよ。

   『●柏崎刈羽核発電、新潟《県民の多数は再稼働を拒絶》ではなかったのか?
         なのに、こんな知事を選んでしまうから、こんな結果になる…

 渡辺聖子荒井六貴両記者による、東京新聞の記事【核燃料セット、順調アピールするはずが…電源トラブルで16時間中断 柏崎刈羽原発7号機をメディアに公開】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/322119)。《東京電力は18日、福島第1原発事故後、東京電力として初めての再稼働を目指す柏崎刈羽原発7号機(新潟県)で進む核燃料の装塡作業を報道陣に公開した。作業が順調に進んでいることをアピールするはずの場だったが、作業が中断するトラブルが相次ぎ、長期停止による機器の不具合などの課題を浮き彫りにした》。

 宮尾幹成記者による、東京新聞の心太ビュー記事【米山隆一氏、再稼働の意思確認は「住民投票でやるべきだ」 判断材料まだ不足 東京電力・柏崎刈羽原発】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/321822)。《<再稼働を問う 新潟県知事経験者インタビュー㊤> 東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働を巡り、政府は立地自治体の新潟県に同意を要請ており、花角英世知事の対応が焦点となっている。一連の動きをどう見るか。原発と向き合ってきた新潟県知事経験者の衆院議員2人のうち、まずは米山隆一氏(立憲民主党、新潟5区)に聞いた。(宮尾幹成)》。

   『●発言に人格が現れ、呼ばれ方に
          人間性が表れる: 「石原元「ト」知事」と「栄佐久さん」
   『●安孫子亘監督映画「『知事抹殺』の真実」の 
      佐藤栄佐久元知事冤罪…泉田裕彦新潟県知事「事件」の背景に?
   『●よりによって自民党から出馬…「反東電ですが、
       反原発ではありません」な泉田裕彦前新潟県知事…
   『●米山隆一新潟県知事は「県に運転停止の権限」、
           「私は、根拠のない“ケンカ”はしません」と…
   『●「新潟の野党勢力は今こそ、踏ん張り時」!
       東京電力に柏崎刈羽核発電所を再稼働させるなんて狂気な凶器
    「日刊ゲンダイの記事【米山知事辞職で状況急変 小躍りする自民と
     原子力マフィア】… 《米山知事は「県政の混乱を招いた責任を取った
     県民の信頼を裏切り、心よりおわびしたい」と語ったが、この突然の辞職に
     小躍りして喜んでいるのが自民党と原子力マフィアだろう》。
     大変に残念なニュース…大喜びする核発電「麻薬」中毒患者達
     《…自民県連の関係者は次の棚ボタ選挙は楽勝なんて喜んで…》
     …悔しいなぁ、何やってんだ一体もぅ…。泉田裕彦新潟元県知事
     ダークサイドに堕ち核発電「麻薬」中毒患者達は柏崎刈羽核発電所再稼働に
     向けて、遮二無二突進するでしょうね。新潟県民の皆さん、何とか踏ん張って
     ほしいい。《新潟の野党勢力は今こそ、踏ん張り時だ》!」

   『●新潟県知事選: 「中央の紐付き忖度官僚候補
      VS再稼働反対の民意に寄り添う県議候補」という与野党激突
   『●花角英世新潟県新知事…「柳瀬氏同様、安倍政権下で
       出世してきた元官僚」…女性差別発言隠蔽は体質の体現
    「リテラの記事【横田一「ニッポン抑圧と腐敗の現場」38/新潟県知事選
     “女性差別発言”問題で花角候補を直撃! 隣にいたのに
     「よく覚えていない」と“柳瀬元首相秘書官”状態】」

   『●「事実無根のデマ」…「もしこれが立件されれば、
       長谷川氏逮捕や花角新知事辞任の事態もありうるだろう」
   『●新潟《県民の多数は再稼働を拒絶》なので、再稼働反対派の
            少なからずの方々が…「騙されることの責任」
    《花角知事は、国会議員への説明会で「当然ありうる」と発言した
     同じ15日に、経産省内で世耕弘成経産相と面談。花角知事は
     再稼働問題について具体的な議論はしなかったとしているが、
     会談後には記者団に対し「まったく動かさないから、
     100%動かすまですべてあり得る」と述べたという》
    「新潟《県民の多数は再稼働を拒絶している》はずなので、
     再稼働反対派の少なからずの方々が、自公候補者だった
     花角英世氏に投票してしまった訳だ。その結果が、
     《ところが、いや、やっぱりと言うべきか。その花角新知事が、
     はやくも馬脚を現したらしい。選挙戦中の発言から一転、
     原発再稼働を「当然ありうる」と言い出した》…。」

 ダークサイドに堕ちた元新潟県知事に言われても説得力に欠けるなぁ。いまや、核発電〝命〟な「利権」「裏金」「脱税」党にズッポリで、よくも言えるものだね。キシダメ独裁政権やキシダメ「利権」「裏金」「脱税」党総裁に、再稼働反対論をぶたないのか?
 宮尾幹成記者による、東京新聞の心太ビュー記事【泉田裕彦氏、知事在任中に出くわした東京電力の「ウソ」 再稼働の判断に必要なことがある 柏崎刈羽原発】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/322122)。《<再稼働を問う 新潟県知事経験者インタビュー㊦> 東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働に向けた動きについて、新潟県知事を経験した衆院議員2人に聞く連続インタビュー。2回目は泉田裕彦氏(自民党、比例北陸信越)に語ってもらった。(宮尾幹成)》。

   『●杜撰・隠蔽・欺瞞だらけな廃液飛散事故…《人の命にもかかわる重大事故を
     起こしても、いまだ終始一貫して舐めた態度で会見をおこなっている東電》
    「欺瞞・杜撰だらけな東京電力福島原発廃液飛散事件…何もかも
     杜撰だった東電、飛散量・ホース・責任者不在…ホースって、
     東海村JCO事故を彷彿。」

   『●《子どもたちに、原発が安全なエネルギーと思ってほしくない。同じ
     過ちを繰り返さないため、声を上げられなかった人たちの分まで…》
   『●東電核発電人災から13年: 汚染水海洋投棄を強行し、柏崎刈羽核発電所
     を再稼働したい東電…3.11の教訓は? 能登半島地震の「警告」を無視…
   『●3.11東京電力核発電人災の教訓はどこに? 能登半島地震の警告は?
     正気だろうか? 東電に核発電所を運転する資格や能力は在るのかね?
   『●東電《小早川智明社長…「…は『(事故収束に)覚悟を持って取り組む』
      とよく言うけど、覚悟の『か』の字も見えない」(蜂須賀礼子氏)…
   『●老朽原発を含む関電美浜・高浜核発電所の運転差し止め訴訟、基準地震動
       は妥当で、《老朽化対策も合理的》と福井地裁・加藤靖裁判長は判断
   『●能登半島地震と珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ志賀核発電所
      …それでも再稼働・新規建設したいという核発電〝麻薬〟中毒患者ら
   『●小出裕章さん《今回一番学ばなければいけないことは、志賀原発が止まっ
     ていてよかったということ。…原発が1年間稼働すれば、広島原爆が…》
    「能登半島地震の「警告」を無視し続ける気らしい、キシダメ首相
     らは。正気だろうか。この間も、愛媛県で地震があり、震源は
     アノ伊方原発の極近傍。10kmほどの位置だったそうだ。
     さらに、千葉県沖でも、地震が続いているようだ。」

   『●3.11東京電力核発電所人災から13年、《原状回復》に何の責任も果た
     さない東京電力にアノ柏崎刈羽核発電所を再稼働する資格など全くない
   『●《原子力規制委員長「慎重にやっていただきたい」》《花角英世知事、核燃
     料セットは「検査の一つの過程」》…委員長も県知事も何を言っているの?
    「《◆原子力規制委員長「慎重にやっていただきたい」》、
     《◆花角英世知事、核燃料セットは「検査の一つの過程」》…
     核発電「寄生」委員会=原子力「推進」委員会山中伸介委員長、
     花角英世新潟県知事、一体何を言っているのだろうか?
     寝言は、寝てから言ってほしい。」

   『●加藤靖裁判長《「避難が必要になるような事態が起きる危険性は立証されて
     おらず、避難計画の不備については判断するまでもない」と住民の訴え》一蹴
   『●“日本一避難しにくい原発”伊方原発…大島堅一さん「エネルギー政策で、
     インフラが不十分で逃げにくい場所を選び、差別的にリスクを押し付け」

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/322119

核燃料セット、順調アピールするはずが…電源トラブルで16時間中断 柏崎刈羽原発7号機をメディアに公開
2024年4月18日 22時08分

 東京電力は18日、福島第1原発事故後、東京電力として初めての再稼働を目指す柏崎刈羽原発7号機(新潟県)で進む核燃料の装塡作業を報道陣に公開した。作業が順調に進んでいることをアピールするはずの場だったが、作業が中断するトラブルが相次ぎ、長期停止による機器の不具合などの課題を浮き彫りにした


◆長期停止の弊害か、作業員の経験不足&機器不具合

     (東京電力柏崎刈羽原発7号機で報道陣に公開された核燃料を
      装塡する作業=18日、東京電力柏崎刈羽原発7号機で)

 7号機原子炉建屋の最上階で窓ガラス越しに1時間ほど公開され、遠隔操作の機械で核燃料を燃料プールから圧力容器内に移動させている様子が確認できた。挿入位置はプログラミングされているものの、機械の上から作業員が双眼鏡で正しい位置かどうかをチェックしていた。核燃料1体を装塡するのにかかる時間は6〜7分という。

 東京電力は、再稼働に向けた検査の一環として15日に装塡を開始。核燃料全872体の装塡が完了すると点検に入る。7号機などを担当する菊川浩(ゆたか)ユニット所長は「確認作業はまだまだある」と話した。


◆2022年には冷却装置の配管が腐食、水漏れも…

 柏崎刈羽の停止が長期に及び、原発を稼働させたことがない運転員が増えた。6、7号機の運転員100人のうち、未経験者は約半数という。福島事故後、柏崎刈羽と同じ沸騰水型の原発は他社を含めて再稼働しておらず、経験を積めていないのが実態だ。東京電力は、火力発電所でタービンが回る現場を体感するなどの研修を実施して「力量を上げる」としている。

 さらに、今回のトラブルでも明らかになったように、長期停止で機器がうまく作動するのかも分からない。2022年10月には、冷却装置を11年ぶりに稼働させたところ、配管の穴から水漏れが発生腐食が進み穴が開いたとみられる。(渡辺聖子荒井六貴


  ◇   ◇


◆17日のトラブルの原因、現時点で「不明」

 柏崎刈羽原発7号機で17日午前から電源トラブルで中断していた核燃料の装塡(そうてん)作業について、東京電力は約16時間後の17日深夜に作業を再開したと発表した。原因は分かっておらず、不具合が起きたブレーカーを交換したという。

 東京電力によると、作業は17日午前7時すぎ、圧力容器に制御棒を挿入する装置を動かそうとしてブレーカーを入れたところ、装置が動く前に落ちて中断。ブレーカーなどの電源設備に問題は見つからなかったが、予備品と交換し、同日午後11時半ごろに作業を再開した。

 核燃料全872体の挿入完了までには約半月かかる見通しで、東京電力は中断による影響は出ないとしている。(渡辺聖子

【関連記事】「私たちの命を無視している」原発再稼働に突き進む東京電力に怒る地元 柏崎刈羽で後回しにされた課題とは
【関連記事】「核燃料」原子炉にセット 異例の強行 東京電力柏崎刈羽原発 再稼働の地元同意ないのに 許可出たその日
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/321822

米山隆一氏、再稼働の意思確認は「住民投票でやるべきだ」 判断材料まだ不足 東京電力・柏崎刈羽原発
2024年4月18日 06時00分

再稼働を問う 新潟県知事経験者インタビュー㊤

 東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働を巡り、政府は立地自治体の新潟県に同意を要請しており、花角英世知事の対応が焦点となっている。一連の動きをどう見るか。原発と向き合ってきた新潟県知事経験者の衆院議員2人のうち、まずは米山隆一氏(立憲民主党、新潟5区)に聞いた。(宮尾幹成


◆東京電力は「コストを払う」意思表示をうやむやにしている

     (東電柏崎刈羽原発の再稼働問題について話す前新潟県知事の
      米山隆一衆院議員=5日、東京・永田町の衆院第2議員会館で)

 —県が再稼働同意の可否を判断する機は熟しているのか。

 判断の材料を県も国も示していない。事故時の避難経路は相当程度に渋滞して、一定期間被ばくするのはほぼ確実。だから、そのシミュレーションを基にした避難計画をちゃんと作った上で、東京電力はそのコストを払うという合意があってしかるべきだ。それをうやむやにしている。


 —花角知事は、県民の意思確認について「信を問う」と、出直し知事選も示唆している。望ましい意思確認の方法は。

 住民投票でやるべきだ。出直し選挙は党派性や人格などが混じってしまい、実は原発再稼働を問うていないというようなことが起こる。今、出直し選挙をやったら再稼働反対派の野党系が勝つ確率が5、6割あるので、何ならやってもらってもいいが、原理原則では住民投票だ。


◆新潟県は「再稼働に都合のいい情報」だけ出している

 —国からの同意要請については、県議会の自民党からも「時期尚早だ」との声が上がっている。

 政局的なうがった見方をするなら、自民党が花角知事に知事選に打って出てほしくなくて、けん制する意味もあるのではないか。


 —原発事故について県独自の「三つの検証」を総括する有識者会議が花角知事と対立し、事実上休止した。県が報告書を取りまとめる事態となった。

 例えば避難道路の整備について、ただ道路を造るような話になっている。みんなが一斉に逃げた時に渋滞しない道路なんて無理なわけで、むしろ何時間か渋滞することを前提に考えないといけないのに、県の志が低い。再稼働という結論に向かって、都合のいい情報だけ示している


◆再稼働「選択の問題で、全否定するつもりはない」

 —超党派の地方議員グループに、再稼働の同意の対象を立地自治体だけでなく、避難計画の策定が義務づけられている30キロ圏の自治体まで広げるよう求める動きがある。

 実務的にちょっと難しいのではないか。今の行政の枠組みでは、広域自治体は県という形になっている。30キロ圏の人の声はちゃんと県が集約するという代表の仕方しかないと思う。


 —そもそも、柏崎刈羽の再稼働は必要なのか。

 選択の問題で、全否定するつもりはない。エネルギーコストを考えて再稼働を取るという選択はできるが、同時に大きなリスクと、リスクに対処するためのコストも伴う。それをきちんと示して選ぶべきだ。


 米山隆一(よねやま・りゅういち) 1967年、新潟県湯之谷村(現魚沼市)生まれ。医師、弁護士。2016年10月〜18年4月に新潟県知事。前任の泉田裕彦氏が福島第1原発事故を県独自に検証するために設置した有識者会議「原発の安全管理に関する技術委員会」に「原発事故による健康と生活影響に関する検証委員会」「原子力災害時の避難方法に関する検証委員会」と「検証総括委員会」を追加した。21年衆院選で初当選し、22年9月に立憲民主党入り。


  ◇    ◇


◆花角英世知事、再稼働同意の前に「信を問う」と明言

 柏崎刈羽原発7号機は原子炉内に核燃料全872体を入れ終えて、核燃料体から制御棒を引き抜けば、再稼働する。東京電力は地元の同意なしでは「制御棒を引き抜かない」とする。

 花角知事は同意の是非の判断に当たり「県民の信を問う方法が責任の取り方として最も明確であり、重い方法だ」と明言。2022年に再選した際には「『信を問う』との一般的な語感からすれば、存在をかけるという意味合いが強い。知事選も当然一つの形だ」と、任期途中での出直し知事選をほのめかした。一方で「議会の不信任や住民投票も、可能性としてはあるかもしれない」とも語った。

 同じ新潟県の旧巻町(新潟市西浦区)では、計画された東北電力巻原発の建設の是非を巡り、1996年に住民投票を実施。投票率は88.3%で住民の関心の高さを示した。建設反対(1万2478票)が賛成(7904票)を上回り、東北電力は計画断念に追い込まれた

 東京電力福島第1原発事故後に再稼働した6原発では、知事が同意を判断する際、県議会の同意を一つの根拠としてきた。知事選や住民投票を実施したケースはない。(荒井六貴

※インタビュー㊦は、後日掲載します。


【関連記事】核燃料セット中にトラブル相次ぐ 制御棒の装置電源オフ、監視装置に不具合…東京電力・柏崎刈羽原発
【関連記事】「核燃料」原子炉にセット 異例の強行 東京電力柏崎刈羽原発 再稼働の地元同意ないのに 許可出たその日
【関連記事】「私たちの命を無視している」原発再稼働に突き進む東京電力に怒る地元 柏崎刈羽で後回しにされた課題とは
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/322122

泉田裕彦氏、知事在任中に出くわした東京電力の「ウソ」 再稼働の判断に必要なことがある 柏崎刈羽原発
2024年4月19日 06時00分

再稼働を問う 新潟県知事経験者インタビュー㊦

 東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働に向けた動きについて、新潟県知事を経験した衆院議員2人に聞く連続インタビュー。2回目は泉田裕彦氏(自民党、比例北陸信越)に語ってもらった。(宮尾幹成

     (前新潟県知事の米山隆一衆院議員)

インタビュー 前回は
米山隆一氏、再稼働の意思確認は「住民投票でやるべきだ」 判断材料まだ不足


◆「30キロ圏には40万人の住民がいる」

 —政府が県に再稼働の同意を要請した。判断の機は熟しているか。

     (
柏崎刈羽原発再稼働に対する県民の意向確認について
      話す泉田裕彦元新潟県知事=東京・永田町の
      衆院第2議員会館で)

 熟していない。2007年の中越沖地震や11年の東日本大震災で明らかになった課題に対処できていない。やるべきことをやっていないのが今の段階だ。

 (自然災害と原発事故の)複合災害で屋内退避が行われた時に、電気・ガス・水道のどれか一つ止まれば煮炊きはできない。道路の復旧はどうするのか。雪が降っていたら誰が除雪するのか。こうしたことを全く決めていない。大混乱が生じるのは火を見るより明らかだ。

 (広域避難計画策定が義務づけられている)30キロ圏には40万人の住民がいる。何万人もの被災者への対応を自衛隊だけでできるというのは幻想で、民間との役割分担が必要だが、こういうことも考えていない。


◆やるべきことをやらないから「今、意思を問うたところで…」

 —知事が県民の意思を確認するのは、どんな方法が望ましいか。花角英世知事は「『信を問う』」と述べている。

 その議論をしたら一人歩きして、やるべきことがこんなにあるというメッセージが伝わらなくなる。事故になれば何が起きるかを県民に伝えた上で、どんな体制を組むかが先だ。今、意思を問うたところで、分からない人に聞くことになり、賛成する人も反対する人も不利益になる。


 —超党派の地方議員グループが、再稼働の事前同意の対象を、避難計画の策定が義務づけられている30キロ圏内の全自治体に広げるよう求めている。この動きをどう見るか。

 県がやるべきことをやらないで逃げているから、こういう声が出てくる。やるべきことをやった上で、市町村に負荷をかけないようにしていれば、また別の風景が見えるかもしれない。


 —東京電力の原発事業者としての信頼性は。

 ないゼロだ。福島第1原発事故で4号機が爆発して少し落ち着いた後に、柏崎刈羽の幹部に説明に来てもらったが、メルトダウン(炉心溶融)しているんでしょうねと聞いたら、していないと最初から分かっていたはずなのに、原発立地県の知事にこういううそをつく


 —そもそも、柏崎刈羽の再稼働は必要か。

 やるべきことをやっていないのだから、それも議論する段階にない。


 泉田裕彦(いずみだ・ひろひこ) 1962年、新潟県加茂市生まれ。通商産業省(現経済産業省)を経て、2004年10月〜16年10月に新潟県知事。13年2月に有識者会議「原発の安全管理に関する技術委員会」を設置し、東京電力福島第1原発事故について県独自の検証を始めた。17年衆院選に自民党公認で立候補し初当選。現在2期目。


  ◇    ◇


◆前提崩れた「屋内退避」…原発の避難計画の現状は

 原発30キロ圏内の自治体に義務付けられている避難計画には、深刻な事故が起きた際、自治体から住民への情報伝達、甲状腺被ばくを抑えるヨウ素剤の配布方法、避難先までのルートや交通手段、介護が必要な人への対応などが記される。新潟県柏崎市が公表する避難計画はA4判で120ページになる。

 自治体が避難計画を作るに当たっては、原子力規制委員会が示す原子力災害対策指針を参考にしている。

 指針は5キロ圏内は即時避難で、5〜30キロ圏はいったん屋内退避し放射線量を基に段階的に避難すると示す。

 ただ、能登半島地震では、水道や電気が止まり、住宅が倒壊すれば、屋内退避は困難であることが改めて浮き彫りになった。仮に、学校などに避難し屋内退避できたとしても、原発事故で水や食料などが十分に届くのかは分からない。

 規制委は2月、指針の見直しに着手する方針を示したが、「屋内退避できるとの前提で議論することとした。この見直し議論でも1年近くかかるとされる。

 柏崎刈羽でいえば、屋内退避の問題に加え、周辺が豪雪地帯で冬場の避難は困難を極めるとみられる。そうした対応が決まっておらず、内閣府は避難計画を最終的に了承していない。(荒井六貴


【関連記事】核燃料セット、順調アピールするはずが…電源トラブルで16時間中断 柏崎刈羽原発7号機をメディアに公開
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●3.11東京電力核発電所人災から13年、《原状回復》に何の責任も果たさない東京電力にアノ柏崎刈羽核発電所を再稼働する資格など全くない

2024年04月22日 00時00分36秒 | Weblog

[↑ ※「地震列島の原発安全性に警告」(週刊金曜日 1457号、2024年01月26日号)]


(2024年04月16日[火])
東京電力や原子力「寄生」委員会のメンバーは正気なのだろうか?? 13年前、3.11人災を引き起こした東京電力に、核発電に携わる資格など無い。廃炉作業に特化すべきだ。《東電にその資格はあるのか原子力規制委員会は資格ありと認め、再稼働に前のめりな岸田政権は立地自治体に理解を求め、早期のゴーサインを迫っている》(東京新聞・原発取材班キャップ・荒井六貴記者)、これを狂気と呼ばずして、何を狂気と呼ぶのだろうか。

   『●杜撰・隠蔽・欺瞞だらけな廃液飛散事故…《人の命にもかかわる重大事故を
     起こしても、いまだ終始一貫して舐めた態度で会見をおこなっている東電》
    「欺瞞・杜撰だらけな東京電力福島原発廃液飛散事件…何もかも
     杜撰だった東電、飛散量・ホース・責任者不在…ホースって、
     東海村JCO事故を彷彿。」

   『●《子どもたちに、原発が安全なエネルギーと思ってほしくない。同じ
     過ちを繰り返さないため、声を上げられなかった人たちの分まで…》
   『●東電核発電人災から13年: 汚染水海洋投棄を強行し、柏崎刈羽核発電所
     を再稼働したい東電…3.11の教訓は? 能登半島地震の「警告」を無視…
   『●3.11東京電力核発電人災の教訓はどこに? 能登半島地震の警告は?
     正気だろうか? 東電に核発電所を運転する資格や能力は在るのかね?
   『●東電《小早川智明社長…「…は『(事故収束に)覚悟を持って取り組む』
      とよく言うけど、覚悟の『か』の字も見えない」(蜂須賀礼子氏)…
   『●老朽原発を含む関電美浜・高浜核発電所の運転差し止め訴訟、基準地震動
       は妥当で、《老朽化対策も合理的》と福井地裁・加藤靖裁判長は判断

 まず冒頭、言いたいことは、花角英世新潟県知事に何の期待も出来ないということ。投票や、支持した新潟県民は大きなミスを犯したと思っています。《福島事故後に再稼働した全国の原発は、地元が同意した後に燃料を装填しており、地元の同意前は異例》《花角氏は能登半島地震や一昨年の大雪などを踏まえ、原発事故時の避難の在り方に課題があると指摘した》(東京新聞)…どうせ、花角英世新潟県知事は《同意》に流れていくのは自明です。こんな知事を選んではいけなかった。

   『●発言に人格が現れ、呼ばれ方に
          人間性が表れる: 「石原元「ト」知事」と「栄佐久さん」
   『●安孫子亘監督映画「『知事抹殺』の真実」の 
      佐藤栄佐久元知事冤罪…泉田裕彦新潟県知事「事件」の背景に?
   『●よりによって自民党から出馬…「反東電ですが、
       反原発ではありません」な泉田裕彦前新潟県知事…
   『●米山隆一新潟県知事は「県に運転停止の権限」、
           「私は、根拠のない“ケンカ”はしません」と…
   『●「新潟の野党勢力は今こそ、踏ん張り時」!
       東京電力に柏崎刈羽核発電所を再稼働させるなんて狂気な凶器
   『●新潟県知事選: 「中央の紐付き忖度官僚候補
      VS再稼働反対の民意に寄り添う県議候補」という与野党激突
   『●花角英世新潟県新知事…「柳瀬氏同様、安倍政権下で
       出世してきた元官僚」…女性差別発言隠蔽は体質の体現
   『●「事実無根のデマ」…「もしこれが立件されれば、
       長谷川氏逮捕や花角新知事辞任の事態もありうるだろう」
   『●新潟《県民の多数は再稼働を拒絶》なので、再稼働反対派の
            少なからずの方々が…「騙されることの責任」
   『●柏崎刈羽核発電、新潟《県民の多数は再稼働を拒絶》ではなかった
     のか? なのに、こんな知事を選んでしまうから、こんな結果になる…
    「新潟《県民の多数は再稼働を拒絶》ではなかったのか? なのに、
     こんな知事を選んでしまうから、こんな結果になるのは必然。…
     花角英世新潟県知事から検証委トップに指名されたという
     米山隆一さんのエイプリルフールの嘘に騙されたのだけれども、
     《検証委トップが「解任される」》というのは事実でした」

 さて、東京電力の狂気。それを認める「規制」なき、原子力「推進」・核発電「寄生」委員会のデタラメ。
 東京新聞の記事【東電、核燃料装填へ最終確認 柏崎刈羽、事故後初の再稼働向け】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/321281)。《東京電力は15日、柏崎刈羽原発(新潟県)の7号機への核燃料装填に向け、最終確認を続けた。原子力規制委員会に15日の装填開始を申請している。再稼働に備えた検査の一環と位置付けており、承認され次第、速やかに作業に着手したいとしている。再稼働時期は未定だが、2011年の福島第1原発事故後、東電として初となる再稼働へ準備を進める。新潟県の花角英世知事は再稼働に同意するかどうかを表明していない。福島事故後に再稼働した全国の原発は、地元が同意した後に燃料を装填しており、地元の同意前は異例。今後に課題を残す可能性がある。同原発は首都圏などに電力を供給する。7号機は17年12月、規制委の審査に合格。21年1月以降、社員によるIDカードの不正利用侵入検知設備の故障などが相次いで発覚し、規制委は事実上の運転禁止を命じたが、改善したとして23年末に解除した。斎藤健経済産業相が3月、花角氏に再稼働への理解を求めた。花角氏は能登半島地震や一昨年の大雪などを踏まえ、原発事故時の避難の在り方に課題があると指摘した》。

 荒井六貴渡辺聖子両記者による、東京新聞の記事【「核燃料」原子炉にセット 異例の強行 東京電力柏崎刈羽原発 再稼働の地元同意ないのに 許可出たその日】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/321409)。《東京電力は15日、2011年3月の福島第1原発事故後、同社として初の再稼働を目指す柏崎刈羽原発7号機(新潟県)の原子炉内に核燃料を入れる装塡(そうてん)作業を始めたと発表した。再稼働時期は「未定」としている。立地県や自治体から再稼働の同意が得られていない中での核燃料装塡は異例。能登半島地震で避難計画の実効性に不安が高まる中、再稼働への既成事実化が進むことに、周辺自治体からは疑問の声が上がる。(荒井六貴渡辺聖子)》
 渡辺聖子荒井六貴両記者による、東京新聞の記事【「私たちの命を無視している」原発再稼働に突き進む東京電力に怒る地元 柏崎刈羽で後回しにされた課題とは】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/321417)。《柏崎刈羽原発の再稼働に向け、地元・新潟県の同意が得られる見通しが立たない中、東京電力は15日、7号機の原子炉に核燃料を入れる装塡(そうてん)に着した。能登半島地震で避難計画の実効性が問われ、原発から30キロ圏内の自治体からは同意対象の拡大を求める声も出ている。課題は置き去りのまま、再稼働への地ならしが進む。(渡辺聖子荒井六貴)》

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/321409

「核燃料」原子炉にセット 異例の強行 東京電力柏崎刈羽原発 再稼働の地元同意ないのに 許可出たその日
2024年4月15日 21時52分

 東京電力は15日、2011年3月の福島第1原発事故後、同社として初の再稼働を目指す柏崎刈羽原発7号機(新潟県)の原子炉内に核燃料を入れる装塡(そうてん)作業を始めたと発表した。再稼働時期は「未定」としている。立地県や自治体から再稼働の同意が得られていない中での核燃料装塡は異例。能登半島地震で避難計画の実効性に不安が高まる中、再稼働への既成事実化が進むことに、周辺自治体からは疑問の声が上がる。(荒井六貴渡辺聖子


◆今後、臨界抑える「制御棒」の一部を引き抜く

     (15日、東京電力柏崎刈羽原発7号機で始まった原子炉内に
      核燃料を装塡する作業(東京電力提供))

 原子力規制委員会が15日午前、作業を許可した。東電によると、15日午後6時半すぎ、原発構内のプールで保管していた核燃料872体のうち、1体(高さ約4.5メートル、縦横約0.1メートル、重さ約260キロ)を装置で原子炉内に装塡。完了までには半月程度かかるという。その後の検査で設備の作動などを確かめるほか、再稼働となる臨界を抑える制御棒を一部引き抜く。ただ、臨界状態にはしない。

     (柏崎刈羽原発(資料写真))

 柏崎刈羽原発の稲垣武之所長は「制御棒を(全て)引き抜けるかどうかは地元の了解があってのもの」と説明した。新潟県の花角英世(はなずみひでよ)知事は再稼働について「県民の信を問う」と慎重な姿勢を崩していない。

 福島原発事故後、再稼働した6原発では県や立地自治体の再稼働の同意を取ってから、装塡するのが通例。装塡後の検査で制御棒を引き抜き再稼働させ、そのまま営業運転させてきた。


◆周辺自治体「避難計画に大きな不安や疑念」

 同意なき核燃料装塡を進める東電に、原発が立地する柏崎市や刈羽村は前向きに捉える一方で、避難計画の策定が義務付けられる30キロ圏の自治体の一部からは疑問が投げかけられた。

 東京新聞の取材に、小千谷(おぢや)市の宮崎悦男市長は「能登半島地震を踏まえ、複合災害時の避難計画や屋内退避について大きな不安や疑念が払拭されていない。市民の不安を取り除かない限りは(装塡に)違和感を覚える」とコメントを出した。

 長岡市の磯田達伸市長は東電が装塡の方針を発表した3月28日、「安全と防災対策に市民は不安を覚えている。国や東京電力は不安に応えてもらいたい」とするコメントを公表した。


 ◇ ◇


◆福島事故の責任を果たしていない東電

 <記者解説>13年前に福島第1原発で世界最悪レベルの事故を起こした東京電力が、再び原発の運転に踏み出そうとしている東電にその資格はあるのか原子力規制委員会は資格ありと認め、再稼働に前のめりな岸田政権は立地自治体に理解を求め、早期のゴーサインを迫っている

 だが、東京電力は福島事故の責任を果たしていない故郷を追われた避難者はいまだに2万6000人以上、放射線量が高く人が住めない区域が残る事故収束作業では汚染水の発生を止められず、原子炉内に溶け落ちた核燃料(デブリ)は取り出せるかさえ見通せない

 能登半島地震では、原発事故時の避難計画の不備が鮮明となった。課題を積み残す中、再び深刻な事故が起きたら…東京電力が新潟で責任を負えると、どんな根拠を持って言えるのか

 東京電力に原発を運転する資格はあるのか何度でも問う。本紙はこの問いから逃げない。(原発取材班キャップ・荒井六貴)


 東京電力柏崎刈羽原発  1〜7号機があり、総出力は821万2000キロワットと一つの発電所としては世界最大規模。敷地の総面積は東京ドーム約90個分で、首都圏に電力を供給。営業運転は1号機が1985年9月に開始し、各号機が続いた。出力135万6000キロワットの7号機は97年7月から営業運転。東電は1基稼働すれば、年間1100億円の収支が改善すると説明している。


【関連記事】再稼働原発、能登半島地震で4メートルも隆起したのに想定は最小1センチ 地盤変動で冷却水の取水に影響も
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【関連記事】「ここで事故が起きたら死ぬしかない」…島根原発を抱える衆院島根1区補選で「再稼働」が問われている

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/321417

「私たちの命を無視している」原発再稼働に突き進む東京電力に怒る地元 柏崎刈羽で後回しにされた課題とは
2024年4月16日 06時00分

 柏崎刈羽原発の再稼働に向け、地元・新潟県の同意が得られる見通しが立たない中、東京電力は15日、7号機の原子炉に核燃料を入れる装塡(そうてん)に着手した。能登半島地震で避難計画の実効性が問われ、原発から30キロ圏内の自治体からは同意対象の拡大を求める声も出ている。課題は置き去りのまま、再稼働への地ならしが進む。(渡辺聖子荒井六貴


◆能登半島地震では大渋滞が発生

 「原発で何か起きたら誰でも一刻も早く逃げたいと思う。うまく避難できるのか」。柏崎刈羽原発が立地する柏崎市の池野里美市議は疑問を投げかける。

     (柏崎刈羽原発の6号機(右)と7号機)

 1月の能登半島地震で、市内の高速道路や主要幹線道路の国道8号が一時通行止めとなり、津波警報が発令されて道路は避難する車で大渋滞した。多くの市民がスムーズに逃げられないという現実に直面した


◆30キロ圏内には9自治体、43万人が

  30キロ圏内には9市町村が入り、避難計画の対象は計約43万2000人。柏崎市は事故時に即時避難する5キロ圏内と、屋内退避し放射線量により段階的に避難する5~30キロ圏内に全域が含まれる。能登半島地震では家屋倒壊で屋内退避が難しいことが浮き彫りになり、避難者が殺到する恐れがある。

 避難計画の基になる原子力災害対策指針を示す原子力規制委員会は、かたくなに屋内退避の方針を崩さないが、3月にあり方について見直しを始めた。議論は1年ほどかかるとされる。


◆豪雪時の対応は見通し立たず

 池野市議は、市内が豪雪地域にあることも懸念する。「冬の大雪の夜間が最悪のパターン。道路を除雪しないと逃げられない」。避難計画の豪雪時を含めた対応がまとまらず、内閣府で最終的に了承される見通しは立っていない。

 30キロ圏内の長岡市の市民らでつくる「さようなら柏崎刈羽原発プロジェクト」の山田秋夫さん(63)は「計画の実効性が担保されていないのに、東電は再稼働すると言っている私たちの命を無視している」と危惧する。

 避難計画策定が義務付けられている原発30キロ圏自治体だが、東電が再稼働の同意を求めるのは、協定を結ぶ新潟県と立地する柏崎市や刈羽村に限られている。


◆意思表示ができないのは「おかしい」

 2市村を除く7市町には「拒否権」がない。東電との不平等な関係をただそうと地元の超党派の議員が2020年に研究会を設立。同意を求める自治体を30キロ圏に拡大するよう東電や県に働きかけてきた。

     (日本原子力発電の東海第2原発

 会長で自民党員でもある見附市の関三郎市議(74)は「核燃料装塡で再稼働が迫っていると感じている。ただ、研究会は賛成か反対かを示す場ではなく、意思表示ができないのは『おかしい』と言っている。住民の安全安心を守るのは自治体だ。それを実現するためにも、意思を示す機会が必要だ」と強調する。


◆東海第2原発では30キロ圏の6市村が「協定」

 地元同意の対象となる自治体の範囲を定めた法律はなく、国のエネルギー基本計画で「立地自治体等関係者の理解と協力を得るよう取り組む」と記す程度。同意の対象が拡大すれば再稼働へのハードルが高くなるため、電力会社は及び腰だ。範囲を広げることに、東電の広報担当者は「自治体の意見を聞き、説明会など取り組みをしていきたい」と明確に答えなかった。

 その慣例を破ったのが、日本原子力発電(原電)東海第2原発(茨城県)。立地する東海村を含めた30キロ圏の6市村が原電と交渉し、再稼働には6市村の同意が必要とする協定を原電と結んだ。関市議も「画期的なモデルで参考にしていきたい」と話す。


【関連記事】「核燃料」原子炉にセット 異例の強行 東京電力柏崎刈羽原発 再稼働の地元同意ないのに 許可出たその日
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●人質司法…《保釈請求…東京地裁も却下。否認を貫く相嶋さんに妻が「うそをついて自白して、拘置所から出よう」と頼んだが、首を縦に振らなかった》

2024年04月13日 00時00分39秒 | Weblog

[↑ 大川原化工機の訴訟 検察・警察の捜査「違法」東京地裁 都と国に賠償命令 (朝日新聞、2023年12月28日(木))]


(2024年03月26日[火])
無罪主張するほど保釈されない人質司法の大罪。相嶋静夫さんのご遺族の主張が認められず…東京地裁・男沢聡子裁判長殿、一体どういうことですか? 何度請求しても、保釈を認めなかった裁判所も、あまりに杜撰で冷酷。勾留後に亡くなった1人の命は戻らない。しかも、東京地裁・男沢聡子裁判長は、《勾留中に判明したがんで死亡した相嶋静夫さん》の《遺族の請求棄却》。《人質司法の残虐性が「病気」ではっきり現れる》。そもそも、推定無罪の原則はどこに行ってしまったのか? しかも、冤罪で不当に囚われ、まともな医療も受けられないのではあまりにデタラメ過ぎやしまいか。

 人質司法による《身柄拘束は実に約十一カ月間》、大川原化工機でっち上げ事件大川原正明社長ら…《こんなにひどいことはないと感じたという青木理さん。不当に長期にわたり囚われ、冤罪が晴らされる前にお亡くなりになった顧問の相嶋静夫さんの命はもはや取り戻せない。「起訴取り消しによる名誉回復すら見届けられず亡くなった」、《人質司法の残虐性が「病気」ではっきり現れる》。冤罪で罪を犯していなければ、《罪を認め》る訳がない…《罪を認めなければ長期に身柄拘束される「人質司法」》の前近代的なデタラメ司法。
 (東京新聞)《保釈請求もしたが、検察は罪証隠滅の恐れがあると主張し、東京地裁も却下否認を貫く相嶋さん妻がうそをついて自白して、拘置所から出ようと頼んだが、首を縦に振らなかった》そうだ。《保釈請求は8回に上ったが認められなかった》…検察と共に、裁判所も本当に酷過ぎる。《長男は相嶋さんの遺影を前に「父はがん判明後も尊厳を踏みにじられ、最悪な最期を迎えてしまった残念だ」と涙交じりに語った》そうだが、検察・裁判所の加害者は何も感じないのかね?

 (鈴木耕さん)《日本司法の異常さが世界からの批判の的になっているということを、国連ですら認めているのだ。よく言われるように「日本の常識は世界の非常識」の実例である》…それ故の犠牲者がまたしても。再審法改正も進まず。低「民度」なニッポンの《刑事司法はおそろしいほどに後進的代用監獄人質司法》…さらに、司法取引…。

   『●《日本の刑事司法はおそろしいほどに後進的…
       代用監獄…人質司法》…さらに、司法取引まで投げ渡す大愚
   『●《えっ、じゃあ日本はフランスより民度が高いの?》(鈴木耕さん)
                 …金(カネ)色の五つの輪と刑事司法等々

 東京新聞の【<社説>勾留中の医療 早期の保釈を認めねば】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/317103?rct=editorial)、《「大川原化工機」の冤罪(えんざい)事件を巡り、東京地裁は「被告のまま死亡した同社元顧問の遺族への賠償を認めなかった。元顧問は勾留中に胃がんと判明したが、保釈が認められなかった。刑事施設での医療に第三者監査を入れるなど仕組みを抜本的に改めるべきだ》。

   『●人質司法による《身柄拘束は実に約十一カ月間》、大川原化工機の
     大川原社長ら…《こんなにひどいことはないと感じたという》青木理さん
   『●大川原化工機事件…でっち上げ事件、《勾留後に亡くなった1人を
     含め、会社側は起訴取り消しになっても大きな不利益を被りました》
   『●日刊ゲンダイ【辛口の経済評論家 佐高信氏が「いい会社」と就活生に
     薦めたい企業3社】《城南信用金庫…久遠チョコレート…大川原化工機》
   『●男性警部補「捏造ですね」…とんでもない冤罪事件・捏造事件・でっち
     上げ事件、国賠が認められても《勾留後に亡くなった1人》の命は戻らない
   『●大川原化工機事件は公安によるでっち上げ…《警視庁公安部が捜査し、
     公判直前に起訴が取り消された事件…現職警部補が「事件は捏造」と証言》
   『●《警察と検察が事件を捏造して、無辜の人たちを犯罪者に仕立て上げる。
     …大川原化工機の例は、この国がすでに“新しい戦前化”している…》
   『●大川原化工機捏造事件国賠…《女性検事は淡々と、「起訴当時の判断を
     間違っているとは思っていない。謝罪する気持ちなどない」と答えた》
   『●大川原化工機でっち上げ事件の国賠…《13年前の「正義の検事」が“冤罪”
       事件で謝罪拒む》、実は郵便不正事件当時も《問題検事》だった模様
   『●大川原化工機でっち上げ事件国賠訴訟…当然の勝訴判決ではあるが、《勾留
      後に亡くなった1人》の命は戻らないし、あまりに《大きな不利益》…
   『●大川原化工機捏造事件国賠、謝罪や責任を問うこともなく《国と東京都
     が控訴》…大川原正明社長「あきれた」「やっぱりか」「まだやるのか」
   『●大川原化工機でっち上げ事件:青木理さん《見込み捜査と強い政治性を特徴
     とする警備公安警察のゆがみが如実にあらわれた例として、大きな批判…》
   『●大川原化工機捏造事件国賠、国と都が控訴…《今回の事件は、日本の警
     察、検察、裁判所がいかなるものかを浮き彫りにしている》(長周新聞)
   『●冤罪で死刑執行、飯塚事件…『正義の行方』木寺一孝監督《が描いたのは、
     死刑執行後だからこそ、より鮮明に浮かび上がる「人が人を裁く重み」》
    《◆デスクメモ …恣意的な捜査がえん罪を引き起こした最近の
     大川原化工機事件を頭に浮かべつつ、そう強く思う》。

   『●東京地裁・男沢聡子裁判長殿、一体どういうことですか? 大川原化工機冤
     罪事件「起訴取り消しによる名誉回復すら見届けられず亡くなった」のに…
   『●ニッポンの《刑事司法はおそろしいほどに後進的…代用監獄…人質司法》
      …《法曹三者が「冤罪を学び、冤罪から学ぶ」こと》が重要だが…
    《◆無罪主張するほど保釈されない「人質司法」問題

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/317103?rct=editorial

<社説>勾留中の医療 早期の保釈を認めねば
2024年3月25日 06時54分

 「大川原化工機」の冤罪(えんざい)事件を巡り、東京地裁は「被告のまま死亡した同社元顧問の遺族への賠償を認めなかった。元顧問は勾留中に胃がんと判明したが、保釈が認められなかった。刑事施設での医療に第三者監査を入れるなど仕組みを抜本的に改めるべきだ。

 元顧問は社長らとともに2020年3月、噴霧乾燥機を不正輸出したとの外為法違反容疑で逮捕された。勾留中に体調を崩し、外部の病院で診察を受けたいと保釈を求めたが、認められなかった

 同年10月、拘置所での内視鏡検査で悪性腫瘍と判明。外部の病院での治療を求めたが、認められたのは8時間の勾留停止だけ。大学病院での診察で「進行胃がん」と診断されたが、その直後の保釈請求も認められなかった

 勾留の執行停止は同年11月。すでに肝臓にがんが転移する末期状態で、翌21年2月に「被告のまま死亡した。保釈請求は8回にも上っていた

 この事件は同年7月、社長らの起訴が異例の取り消しとなり、冤罪だったことが判明。こうした経緯から元顧問の遺族が「拘置所には適切に治療し、早期に入院させる義務を怠る違反があった」などとして国を訴えていた。

 東京地裁は「20年10月1日時点で外部病院と調整を始めている」などとして、拘置所の医師に治療義務などの違反が認められない遺族の訴えを退けた

 しかし、勾留中でも病気なら一般人と同等の医療が受けられるべきだ。拘置所では人的・物的設備に限りがある。「進行がん」と診断されながら裁判所が保釈を認めないのは常識から外れている

 否認すれば長期の身柄拘束が続く「人質司法」により、命が軽んじられたとしたら許し難い。

 拘置所など刑事施設での医療を巡り、かつて日弁連は第三者による検証制度や刑事施設での医療を法務省から厚生労働省に移管するなどの抜本的改革を求めたが、いまだに実現していない。

 すでにフランスや英国では刑事施設での医療の質を向上させるため、監督権限を保健省などに移管したという。日本も見習うべきであり、少なくとも第三者の監査が働く仕組みの導入は不可避だ

 ましてや勾留中は「無罪推定の原則が働く。早期の保釈と適切な医療の保障は、当然の権利と考える。
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●ニッポンの《刑事司法はおそろしいほどに後進的…代用監獄…人質司法》…《法曹三者が「冤罪を学び、冤罪から学ぶ」こと》が重要だが…

2024年04月03日 00時00分42秒 | Weblog

[↑ 大川原化工機の訴訟 検察・警察の捜査「違法」東京地裁 都と国に賠償命令 (朝日新聞、2023年12月28日(木))]


/ (2024年03月24日[日])
人質司法による《身柄拘束は実に約十一カ月間》、大川原化工機でっち上げ事件大川原正明社長ら…《こんなにひどいことはないと感じたという青木理さん。不当に長期にわたり囚われ、冤罪が晴らされる前にお亡くなりになった顧問の相嶋静夫さんの命はもはや取り戻せない。「起訴取り消しによる名誉回復すら見届けられず亡くなった」、《人質司法の残虐性が「病気」ではっきり現れる》。冤罪で罪を犯していなければ、《罪を認め》る訳がない…《罪を認めなければ長期に身柄拘束される「人質司法」》の前近代的なデタラメ司法。
 (鈴木耕さん)《日本司法の異常さが世界からの批判の的になっているということを、国連ですら認めているのだ。よく言われるように「日本の常識は世界の非常識」の実例である》…それ故の犠牲者がまたしても。再審法改正も進まず。低「民度」なニッポンの《刑事司法はおそろしいほどに後進的代用監獄人質司法》…さらに、司法取引…。

   『●《日本の刑事司法はおそろしいほどに後進的…
       代用監獄…人質司法》…さらに、司法取引まで投げ渡す大愚
   『●《えっ、じゃあ日本はフランスより民度が高いの?》(鈴木耕さん)
                 …金(カネ)色の五つの輪と刑事司法等々

 山田祐一郎記者による、東京新聞の記事【こちら特報部/冤罪はなぜ起こる?どうしたら防げる? 無罪判決にかかわった裁判官出身弁護士が異色の学術書「冤罪学」】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/316287)。《◆無罪主張するほど保釈されない「人質司法」問題 冤罪を強く意識するようになったのは、大阪地検特捜部が捜査した業務上横領事件で逮捕、起訴された不動産会社「プレサンスコーポレーション」元社長の冤罪事件だ。…事件で元社長が逮捕から保釈まで身体拘束された日数は248日裁判で無罪を主張するほど保釈されない人質司法の問題を目の当たりにした。「努力して得た地位や財産、人間関係が勾留の理由とされてしまった。こんな理不尽なことがあるのか」》。
 《冤罪は最大の不条理》《対立構造だけでなく、捜査機関と弁護側、裁判所が協力し合える部分があるとし、法曹三者が「冤罪を学び、冤罪から学ぶ」こと》が重要だが、捜査機関や裁判所にそういう意識があるだろうか?

   『●冤罪で死刑執行、飯塚事件…『正義の行方』木寺一孝監督《が描いたのは、
     死刑執行後だからこそ、より鮮明に浮かび上がる「人が人を裁く重み」》

   『●人質司法による《身柄拘束は実に約十一カ月間》、大川原化工機の
     大川原社長ら…《こんなにひどいことはないと感じたという》青木理さん
   『●大川原化工機事件…でっち上げ事件、《勾留後に亡くなった1人を
     含め、会社側は起訴取り消しになっても大きな不利益を被りました》
   『●日刊ゲンダイ【辛口の経済評論家 佐高信氏が「いい会社」と就活生に
     薦めたい企業3社】《城南信用金庫…久遠チョコレート…大川原化工機》
   『●男性警部補「捏造ですね」…とんでもない冤罪事件・捏造事件・でっち
     上げ事件、国賠が認められても《勾留後に亡くなった1人》の命は戻らない
   『●大川原化工機事件は公安によるでっち上げ…《警視庁公安部が捜査し、
     公判直前に起訴が取り消された事件…現職警部補が「事件は捏造」と証言》
   『●《警察と検察が事件を捏造して、無辜の人たちを犯罪者に仕立て上げる。
     …大川原化工機の例は、この国がすでに“新しい戦前化”している…》
   『●大川原化工機捏造事件国賠…《女性検事は淡々と、「起訴当時の判断を
     間違っているとは思っていない。謝罪する気持ちなどない」と答えた》
   『●大川原化工機でっち上げ事件の国賠…《13年前の「正義の検事」が“冤罪”
       事件で謝罪拒む》、実は郵便不正事件当時も《問題検事》だった模様
   『●大川原化工機でっち上げ事件国賠訴訟…当然の勝訴判決ではあるが、《勾留
      後に亡くなった1人》の命は戻らないし、あまりに《大きな不利益》…
   『●大川原化工機捏造事件国賠、謝罪や責任を問うこともなく《国と東京都
     が控訴》…大川原正明社長「あきれた」「やっぱりか」「まだやるのか」
   『●大川原化工機でっち上げ事件:青木理さん《見込み捜査と強い政治性を特徴
     とする警備公安警察のゆがみが如実にあらわれた例として、大きな批判…》
   『●大川原化工機捏造事件国賠、国と都が控訴…《今回の事件は、日本の警
     察、検察、裁判所がいかなるものかを浮き彫りにしている》(長周新聞)
   『●冤罪で死刑執行、飯塚事件…『正義の行方』木寺一孝監督《が描いたのは、
     死刑執行後だからこそ、より鮮明に浮かび上がる「人が人を裁く重み」》
    《◆デスクメモ …恣意的な捜査がえん罪を引き起こした最近の
     大川原化工機事件を頭に浮かべつつ、そう強く思う》。
   『●東京地裁・男沢聡子裁判長殿、一体どういうことですか? 大川原化工機冤
     罪事件「起訴取り消しによる名誉回復すら見届けられず亡くなった」のに…

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/316287

こちら特報部
冤罪はなぜ起こる?どうしたら防げる? 無罪判決にかかわった裁判官出身弁護士が異色の学術書「冤罪学」
2024年3月21日 12時00分

 どうすれば「冤罪(えんざい)」を防ぐことができるのか。弁護士の西愛礼(よしゆき)さん(32)は、過去に冤罪となったケースを分析し、原因と再発防止を学ぶ取り組みを続けている。裁判官としても、弁護士としても刑事裁判の無罪判決にかかわり、冤罪に対する問題意識を強めたのをきっかけに昨年、冤罪を客観的、体系的に学ぶための書籍冤罪学 冤罪に学ぶ原因と再発防止」(日本評論社)を出版した。(山田祐一郎

    (「冤罪は最大の不条理」と語り、原因究明と再発防止の
     必要性を訴える西愛礼弁護士=東京都千代田区で)


◆6人に無罪判決「知っているのは法廷の自分たちだけ」という不安

 「同じことが起きるのでないか」。2016年に千葉地裁判事補となり、合議体の左陪席として3年間で計6人に無罪判決を言い渡した。裁判員裁判対象事件もあったが、傍聴人が被害者や被告の関係者しかいない事件もあった。「マスコミもおらず、判例集にも載らない。逮捕した警察も知らないかもしれない。無罪を知っているのはこの場にいる自分たちだけではないか」との思いを抱いた。

 「原因を検証しなければ、被告が味わった苦痛が繰り返される」と思う半面、「自分一人では何もできない」という無力感もあった。6人の無罪判決は、中立的に判断した結果だったが、このときの経験が今の活動につながっているという。


◆無罪主張するほど保釈されない「人質司法」問題

 冤罪を強く意識するようになったのは、大阪地検特捜部が捜査した業務上横領事件で逮捕、起訴された不動産会社「プレサンスコーポレーション」元社長の冤罪事件だ。

 21年に弁護士として活動を始めた西さんは、事件の弁護団に加わった。同年10月、元社長は大阪地裁で無罪判決を受け、検察側が控訴を断念して確定した。

 事件で元社長が逮捕から保釈まで身体拘束された日数は248日。裁判で無罪を主張するほど保釈されない人質司法の問題を目の当たりにした。「努力して得た地位や財産、人間関係が勾留の理由とされてしまった。こんな理不尽なことがあるのか


◆教訓を知識化「学問として客観的・体系的に学べる書籍に」

 事件を機に、冤罪をなくすため、まずは過去の冤罪事件の研究を始めた。「個別の冤罪事件についての論評は多くあるが、それを集積したものがなく、想像していた以上に大変だった」。冤罪が時代を経ても再生産される構造を変えるには、過去の事件から得られる教訓の知識化が必要と感じた。「主観的、体験的ではなく、学問として客観的、体系的に学べる書籍を目指した」と約2年かけて「冤罪学」を書き上げた。

 冤罪は捜査機関が出発点となり、原因の比重は大きいが、弁護士や裁判官が問題となる事案もあるとし、著書ではそれぞれの立場で冤罪を生み出すメカニズムを中立的に解説する。「誰しも先入観や偏見があり、人は誰でも間違えるという前提に立たないといけない。一つの機関だけでなく、すべての機関が危機意識を持つ必要がある


◆法曹三者に期待「冤罪を学び、冤罪から学んで」

 強盗殺人事件で死刑が確定した袴田巌さん(88)の再審公判が始まったほか、生物兵器製造に転用可能な装置を無許可で輸出したとして、警視庁が外為法違反容疑で「大川原化工機」(横浜市)の社長らを逮捕後、起訴が取り消されるなど、近年も冤罪を巡る動きは絶えない。「いずれの事件もこのまま検証されないのではという懸念がある。また、検証しても個人のミスや一部の部署の内部不正として矮小(わいしょう)されては再発防止につながらない」と強調する。

 「冤罪は最大の不条理だ持っていたものを失う一方で、何もしていないのに疑いを晴らすためには、とてもエネルギーがいる」と冤罪防止の重要性を訴える。対立構造だけでなく、捜査機関と弁護側、裁判所が協力し合える部分があるとし、法曹三者が「冤罪を学び、冤罪から学ぶ」ことを期待する。


【関連記事】「公安」が受けた警視総監賞「冤罪」で返納 大川原化工機事件で 担当者の処分は否定
【関連記事】被害者が「冤罪の共通点」を語った…袴田事件と大川原化工機事件 半世紀以上変わらぬ長期拘束、自白強要、イジメ
【関連記事】大川原化工機社長「あきれた」そして「やっぱりか」 国と東京都が控訴 警察庁長官が語ったのは…
【関連記事】警察官も新聞記者も「葛藤」を抱えて…死刑執行された飯塚事件 再審請求で示される「正義の行方」は
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●東京地裁・男沢聡子裁判長殿、一体どういうことですか? 大川原化工機冤罪事件「起訴取り消しによる名誉回復すら見届けられず亡くなった」のに…

2024年04月02日 00時00分08秒 | Weblog

[↑ 大川原化工機の訴訟 検察・警察の捜査「違法」東京地裁 都と国に賠償命令 (朝日新聞、2023年12月28日(木))]


(20240322[])
大川原化工機でっち上げ事件。あまりに酷い冤罪事件というか、公安警察・検察によるでっち上げ事件・捏造事件。何度請求しても、保釈を認めなかった裁判所も、あまりに杜撰で冷酷。勾留後に亡くなった1人の命は戻らない。しかも、東京地裁・男沢聡子裁判長は、《勾留中に判明したがんで死亡した相嶋静夫さん》の《遺族の請求棄却》。

   『●人質司法による《身柄拘束は実に約十一カ月間》、大川原化工機の
     大川原社長ら…《こんなにひどいことはないと感じたという》青木理さん
   『●大川原化工機事件…でっち上げ事件、《勾留後に亡くなった1人を
     含め、会社側は起訴取り消しになっても大きな不利益を被りました》
   『●日刊ゲンダイ【辛口の経済評論家 佐高信氏が「いい会社」と就活生に
     薦めたい企業3社】《城南信用金庫…久遠チョコレート…大川原化工機》
   『●男性警部補「捏造ですね」…とんでもない冤罪事件・捏造事件・でっち
     上げ事件、国賠が認められても《勾留後に亡くなった1人》の命は戻らない
   『●大川原化工機事件は公安によるでっち上げ…《警視庁公安部が捜査し、
     公判直前に起訴が取り消された事件…現職警部補が「事件は捏造」と証言》
   『●《警察と検察が事件を捏造して、無辜の人たちを犯罪者に仕立て上げる。
     …大川原化工機の例は、この国がすでに“新しい戦前化”している…》
   『●大川原化工機捏造事件国賠…《女性検事は淡々と、「起訴当時の判断を
     間違っているとは思っていない。謝罪する気持ちなどない」と答えた》
   『●大川原化工機でっち上げ事件の国賠…《13年前の「正義の検事」が“冤罪”
       事件で謝罪拒む》、実は郵便不正事件当時も《問題検事》だった模様
   『●大川原化工機でっち上げ事件国賠訴訟…当然の勝訴判決ではあるが、《勾留
      後に亡くなった1人》の命は戻らないし、あまりに《大きな不利益》…
   『●大川原化工機捏造事件国賠、謝罪や責任を問うこともなく《国と東京都
     が控訴》…大川原正明社長「あきれた」「やっぱりか」「まだやるのか」
   『●大川原化工機でっち上げ事件:青木理さん《見込み捜査と強い政治性を特徴
     とする警備公安警察のゆがみが如実にあらわれた例として、大きな批判…》
   『●大川原化工機捏造事件国賠、国と都が控訴…《今回の事件は、日本の警
     察、検察、裁判所がいかなるものかを浮き彫りにしている》(長周新聞)
   『●冤罪で死刑執行、飯塚事件…『正義の行方』木寺一孝監督《が描いたのは、
     死刑執行後だからこそ、より鮮明に浮かび上がる「人が人を裁く重み」》
    《◆デスクメモ …恣意的な捜査がえん罪を引き起こした最近の
     大川原化工機事件を頭に浮かべつつ、そう強く思う》。

 東京新聞の記事【警視庁捜査員を刑事告発へ 大川原化工機側、外為法違反事件】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/316227)によると、《「大川原化工機」の社長らが生物兵器製造に転用可能な装置を無許可で輸出したとする外為法違反罪などに問われ、起訴が取り消された外為法違反事件を巡り、同社幹部の弁解録取書に虚偽の内容を記し発覚後にシュレッダーにかけて破棄したとして、同社側が公文書毀棄などの疑いで捜査当時の警視庁公安部の捜査員らを今月中にも警視庁に刑事告発する方針を固めたことが20日、関係者への取材で分かった。事件を巡っては、東京地裁が昨年末、東京地検と警視庁の捜査の違法性を認定し、国と東京都に計約1億6千万円の賠償を命じた。国と都、同社側が控訴している》。

 東京地裁・男沢聡子裁判長殿、一体どういうことですか? 「起訴取り消しによる名誉回復すら見届けられず亡くなった」、《人質司法の残虐性が「病気」ではっきり現れる》。冤罪で罪を犯していなければ、《罪を認め》る訳がない…《罪を認めなければ長期に身柄拘束される「人質司法」》の前近代的なデタラメ司法。
 山田雄之記者による、東京新聞の記事【こちら特報部/「拘置所だから」医療の質が低くてもいいのか 冤罪と病に苦しみながら亡くなった男性の息子の涙と怒り】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/315858?rct=tokuhou)によると、《「大川原化工機」(横浜市)の機械輸出を巡る冤(えん)罪事件で、勾留中に体調を崩し「被告」のまま亡くなった元顧問の親族が拘置所医療の改善を訴えて国に損害賠償を求めた訴訟の判決が21日、東京地裁である。判決を前に、国際的な人道ルールからみて不十分な刑事施設の医療の在り方罪を認めなければ長期に身柄拘束される「人質司法」との関係を考えた。(山田雄之)》。
 東京新聞の記事【「大川原化工機」遺族の請求棄却 拘置所の医療対応、不適切と主張】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/316410)、《外為法違反の罪に問われた社長らの起訴が取り消された「大川原化工機」の元顧問で、勾留中に判明したがんで死亡した相嶋静夫さん=当時(72)=の遺族が、拘置所の対応が不適切だったとして国に計1千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁(男沢聡子裁判長)は21日、請求を棄却した》。
 ご遺族は《◆「父が死ぬのを待っているんだな」と感じた》そうだ。何度請求しても、保釈を認めなかった東京地裁を庇うがごとくの東京地裁ヒラメ裁判官・男沢聡子裁判長。《「池添徳明氏…。「日本の裁判官は上(最高裁)の方ばかり見ているヒラメ裁判官がほとんどだ」》。《保釈請求もしたが、検察は罪証隠滅の恐れがあると主張し、東京地裁も却下否認を貫く相嶋さん妻がうそをついて自白して、拘置所から出ようと頼んだが、首を縦に振らなかった》そうだ。《保釈請求は8回に上ったが認められなかった》…検察と共に、裁判所も本当に酷過ぎる。《長男は相嶋さんの遺影を前に「父はがん判明後も尊厳を踏みにじられ、最悪な最期を迎えてしまった残念だ」と涙交じりに語った》そうだが、検察・裁判所の加害者は何も感じないのかね?

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/315858?rct=tokuhou

こちら特報部
「拘置所だから」医療の質が低くてもいいのか 冤罪と病に苦しみながら亡くなった男性の息子の涙と怒り
2024年3月19日 12時00分

 「大川原化工機」(横浜市)の機械輸出を巡る冤(えん)罪事件で、勾留中に体調を崩し「被告」のまま亡くなった元顧問の親族が拘置所医療の改善を訴えて国に損害賠償を求めた訴訟の判決が21日、東京地裁である。判決を前に、国際的な人道ルールからみて不十分な刑事施設の医療の在り方罪を認めなければ長期に身柄拘束される「人質司法」との関係を考えた。(山田雄之


◆「父が死ぬのを待っているんだな」と感じた

     (相嶋静夫さんが拘置所で記録していたメモ。
      「貧血」「便が出ない」と体調不良を訴える言葉が
      並ぶ=相嶋さんの長男提供)

 「ただごとではない状態なのに治療が一向に始まらず、父が死ぬのを待っているんだなと感じた。現在の拘置所医療を追認するようなことはあってはいけないんです」。大川原化工機の顧問だった相嶋静夫さんの長男(50)は3月上旬、判決を前に東京都内で開いた会見でこう語った。

 相嶋さんは2020年3月、外為法違反容疑で社長らと逮捕された。粉ミルクや粉末コーヒーの生産に使われる噴霧乾燥機の開発に技術者として長年携わってきた。逮捕前の任意聴取の段階から「軍事転用はできない」と訴え続けていたという。


◆貧血、血便…がんが分かっても保釈されず

 2度の起訴を経て東京拘置所に勾留されていた9月下旬、相嶋さんに異変が。貧血を発症し、黒い便が出た。もともと高血圧や糖尿病などの既往症があった。本人が拘置所で記録した当時のメモには「体に力が入らない」「少食です」と不調を訴える言葉が並ぶ。

     (相嶋さんの遺影を前に記者会見する長男(右)。
      左は大川原化工機の大川原正明社長=2023年12月、
      東京・霞が関の司法記者クラブで)

 10月1日の検査で胃に大きながんを発見。弁護人が外部病院での診療を拘置所に申し入れたが、なかなか聞き入れられなかった。16日になり、8時間だけの勾留執行停止を受け、大学病院で進行胃がんと診断された。保釈請求もしたが、検察は罪証隠滅の恐れがあると主張し、東京地裁も却下否認を貫く相嶋さん妻がうそをついて自白して、拘置所から出ようと頼んだが、首を縦に振らなかった

 11月5日、ようやく再びの勾留執行停止となり、入院できたが肝臓に転移があり、すでに末期だった。自力で立ち上がれずに車いすで移動する状況で、抗がん剤治療を受ける体力も無かった。21年2月、相嶋さんは「被告のまま72歳で亡くなった逮捕から11カ月保釈請求は8回に上ったが認められなかった


◆「一般と同水準の医療を受けられていたら…」

 死亡から5カ月後、東京地検は「犯罪に当たるか疑義が生じた」として相嶋さんらへの起訴を取り消した。そして東京地裁は昨年12月、警視庁と東京地検の逮捕・起訴を巡る国賠訴訟の判決で東京都と国に賠償を命じた

     (大川原化工機が製造した噴霧乾燥機と大川原正明社長
      =横浜市都筑区で)

 地裁は判決で、体調に異変があった相嶋さんが直ちに医療機関を受診できず、さらに勾留執行停止という不安定な立場で治療を受けざるを得なかったと言及した。直後の会見で、長男は相嶋さんの遺影を前に「父はがん判明後も尊厳を踏みにじられ、最悪な最期を迎えてしまった残念だ」と涙交じりに語った。

 捜査を巡る国賠訴訟に続き22年に起こされていたのが、今回の拘置所医療の改善を求める国賠訴訟だ。長男らの代理人を務める高田剛弁護士は「拘置所で一般の人と同水準の医療を受けられていたら、こんなにも早く相嶋さんは他界しなかったのではないか」と話す。


◆国側「患者の自己決定権制約はやむを得ない」

 訴状などによると、原告側は、拘置所には相嶋さんに適切に治療し、病状などを説明したり、早期に入院させたりする義務を怠る違反があったと主張。裁判で明らかになった相嶋さんのカルテによれば、20年7月の拘置所移送直後の血液検査で既にヘモグロビンの値が世界保健機関(WHO)診断基準で「貧血状態」だったという。長男は「7月時点で精密検査をしていれば、早期に治療できた。拘置所だから、医療の質が低くても仕方ないでは今後も同じような被害が起きる」と訴える。

 一方、請求棄却を求める国側は「拘禁の性質上、医療に関する患者の自己決定権はある程度制約される場合があることはやむを得ない」「必ずしも希望する通りの医療行為がされるものではない」と反論。また相嶋さんのような「貧血状態」の血液の値を示すことは「拘置所の高齢者にはよく見られる」として、精密検査をせずに「経過観察」とした医師の判断には「不合理な点は認められない」としている。


◆拘置所での医療は「受刑に耐えさせるため」

     (相嶋さんが勾留された東京拘置所=東京都葛飾区で、
      本社ヘリ「おおづる」から(2020年5月撮影))

 双方の主張の対立について、拘置所など矯正施設に詳しい龍谷大の赤池一将教授(刑事法学)は「医療の目的が、刑事施設の中と一般社会では全く異なる現状がある」と指摘する。赤池氏は、法務省矯正局の幹部から「施設での医療目的は受刑に耐えさせるための健康維持であって、被収容者本人のためではない」と言われたという。

 赤池氏が特に問題視するのは、被収容者の処遇を定めた刑事収容施設法の62条3項。「刑事施設の長は、やむを得ないときは被収容者を刑事施設の外の病院に入院させることができる」との規定だが、赤池氏は「医療の主体が患者や医師ではなく施設長になっていることは非常に違和感がある。『やむを得ない』との文言も、医療を施設内だけで完結するんだという強い意識を感じる」とみる。


◆日本の刑事施設の医師は外部のチェックなし

 そもそも身柄拘束された人への人道的な処遇は、国際的な約束事だ。20年以上投獄された元南アフリカ大統領のネルソン・マンデラ氏にちなむ国連規則「マンデラ・ルール」では、被拘禁者に対する医療の提供は「国家の責任」で、「地域社会と同水準のヘルスケア」を不可欠とし、「法的地位に基づく差別を受けない」とする。

     (法務省)

 フランスや英国では、刑事施設での医療の質を確保する目的で、監督する権限を厚生省や保健省といった別官庁に移管し、医療スタッフの増加などにより医療が向上したとされる。赤池氏は「日本の刑事施設の医師は外部の監督を受けていない独立した第三者がチェックする制度を設ける必要がある」と訴える。


◆人質司法の残虐性が「病気」ではっきり現れる

 日本の刑事施設の医療の在り方は、罪を認めなければ長期にわたり身柄拘束される人質司法」の観点からも問題視されている。国際人権団体「ヒューマン・ライツ・ウオッチ」日本代表の土井香苗さんは「人質司法の残虐性が一番はっきり現れるのが病気になった場合だ。相嶋さんのように、長期勾留と刑事施設の医療が相まって悲劇を生んでいく」と警鐘を鳴らす。

 昨年7月の法務省の会議で提出された資料によると、自白した場合は約71%の人が1カ月以内に保釈請求が認められたのに対し、否認の場合は6カ [※ブログ主注: 「6カ月以内」?] でようやく74%に達したという。

 冤罪被害者を支援する団体「イノセンス・プロジェクト・ジャパン」の事務局長を務める甲南大の笹倉香奈教授(刑事訴訟法)は未決拘禁者における問題として「刑事収容施設に入った時点で、一般市民と同じように扱われなくなるのであれば『推定無罪の原則に反している」と指摘。「被疑者や被告の防御権の観点からも、健康は大前提だ。社会水準に満たない医療によって、命が危険にさらされることは許されない

 大川原化工機を巡る冤罪事件 警視庁公安部が2020年3月、同社の噴霧乾燥機が生物兵器の製造に転用可能だとして、国の許可を得ずに中国に輸出したとする外為法違反(無許可輸出)容疑で社長ら3人を逮捕し、東京地検が起訴。21年7月に一転、起訴を取り消した11カ月間、身体拘束された社長らは逮捕・起訴は違法だとして国家賠償訴訟を起こし、証人尋問で捜査を担った警察官が事件を捏造(ねつぞう)」と証言。東京地裁は昨年12月の判決で、捜査の違法性を認め、国と東京都に賠償を命じた。今年1月、原告、被告双方が控訴した。


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https://www.tokyo-np.co.jp/article/316410

「大川原化工機」遺族の請求棄却 拘置所の医療対応、不適切と主張
2024年3月21日 13時44分 (共同通信)

     ( 国に損害賠償を求めた訴訟の判決のため東京地裁に
      向かう「大川原化工機」元顧問の相嶋静夫さんの遺族
      (右の2人)ら=21日午後)

 外為法違反の罪に問われた社長らの起訴が取り消された「大川原化工機」の元顧問で、勾留中に判明したがんで死亡した相嶋静夫さん=当時(72)=の遺族が、拘置所の対応が不適切だったとして国に計1千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁(男沢聡子裁判長)は21日、請求を棄却した。

 警視庁公安部は2020年3月、生物兵器製造に転用可能な装置を中国に不正輸出したとして、相嶋さんや大川原正明社長らを逮捕した。訴状などによると、相嶋さんは勾留中の9月末に重度の貧血で輸血を受け、10月7日までに悪性腫瘍と判明。勾留停止を得て11月に入院、21年2月7日に亡くなった。東京地検は同7月、起訴を取り消した

 遺族側は、拘置所には早期に採血結果の精査や内視鏡検査をする義務があったのに怠り、死期が早まったことで「起訴取り消しによる名誉回復すら見届けられず亡くなった」と主張。一方、国側は貧血時の輸血対応や、がん確定後の診療手配は適切で、治療などの義務違反はなく、がんの早期発見と余命との因果関係もないと主張した。
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●冤罪で死刑執行、飯塚事件…『正義の行方』木寺一孝監督《が描いたのは、死刑執行後だからこそ、より鮮明に浮かび上がる「人が人を裁く重み」》

2024年03月07日 00時00分23秒 | Weblog

(20240302[])
常に無実を訴え続けた久間三千年さんを冤罪で死刑執行してしまった飯塚事件。こんな理不尽なことが世の中にあるだろうか? こんな正義が許されるのか。#正義の行方。きちんと確認することもなく、気安く死刑執行にサインしたのは、当時、飯塚が地元の麻生太郎政権の森英介法相だ。《一貫して全面否認だったが、2006に死刑判決が確定。08年に執行された》。僅か2年後に死刑執行。もう一つ、足利事件のDNA鑑定問題との関係…《2008年10月16日 足利事件 再鑑定へ》⇨《2008年10月28日 飯塚事件 死刑執行》。なぜ、そんなに死刑執行を急いだのか? 両事件では同じDNA鑑定手法が使われていた。足利事件の再鑑定結果をなぜ待たなかったのか? 《2009年 4月20日 足利事件 再鑑定で一致せず》。もう一点加えれば、木寺一孝監督「浮かばれないのは被害者の2死刑が執行されたのに、もし犯人が別に存在するなら、遺族はどうすればいいのか」。真犯人を逃してしまったこと、さらには、被害者や遺族が居た堪れないこと、やるせないこと。検察や警察の大きな罪だ。
 《「飯塚事件」とは何だったのか? 私たちは自ら思考することを促され、深く暗い迷宮のなかで、人が人を裁くことの重さと向き合うことになるだろう》。そして、マスコミ。《事件発生当初からの自社の報道に疑問を持ち、事件を検証する調査報道を進める西日本新聞社のジャーナリストたち》。
 《◆再審開始なら、死刑執行事件では史上初》。《◆デスクメモ …恣意的な捜査がえん罪を引き起こした最近の大川原化工機事件を頭に浮かべつつ、そう強く思う》。

   『●冤罪で死刑執行、飯塚事件…《当時の目撃証言を改めた…女性は「自分の
     証言が影響して死刑になったのではと長年責任を感じていた」と話した》



【映画『正義の行方』特報予告(2024年4月27日㊏公開)】
 (https://youtu.be/mlLKQ26ZZzc
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文化庁芸術祭大賞受賞の傑作ドキュメンタリー、ついに映画化
映画『正義の行方』4/27㊏よりユーロスペースほか全国順次ロードショー!

◤イントロダクション◢
これは私たちの「羅生門」
死刑が執行されたいまも多くの謎につつまれた「飯塚事件
〈真実〉と〈正義〉がぶつかりあう圧巻のドキュメンタリー

1992年に福岡県飯塚市で2人の女児が殺害された「飯塚事件」。DNA型鑑定などにより犯人とされた久間三千年2008年に死刑が執行された。しかし冤罪を訴える再審請求が提起され、事件の余波はいまなお続いている。本作は、弁護士、警察官、そして新聞記者という立場を異にする当事者たちが語る真実〉と〈正義〉を突き合わせ、事件の全体像を多面的に描きながら、この国の司法の姿を浮き彫りにしていく。

圧巻は、事件発生当初からの自社の報道に疑問を持ち、事件を検証する調査報道を進める西日本新聞社のジャーナリストたち。その姿勢は、マスメディアへの信頼が損なわれ、新聞やテレビなどの“オールドメディア”がビジネスモデルとしても急速に翳りを見せる今日たしかな希望として私たちの心を捉える。ある記者は言う。「司法は信頼できる、任しておけば大丈夫だと思ってきたけど、そうではないとこのことこそ社会に知らせるべきだし、我々の使命だと思っています」

「飯塚事件」とは何だったのか? 私たちは自ら思考することを促され、深く暗い迷宮のなかで、人が人を裁くことの重さと向き合うことになるだろう。

ーー ーー ーー
『正義の行方』
ーー ーー ーー
2024/4/27(土)より[東京]ユーロスペースほか全国順次公開

監督:木寺一孝 制作統括:東野真 撮影:澤中淳 音声:卜部忠 照明:柳守彦 音響効果:細見浩三 編集:渡辺政男 制作協力:北條誠人(ユーロスペース) プロデューサー:岩下宏之
特別協力:西日本新聞社 協力:NHKエンタープライズ テレビ版制作・著作:NHK 制作:ビジュアルオフィス・善 製作・配給:東風

2024年/158分/DCP/日本/ドキュメンタリー (C) NHK

WEB https://seiginoyukue.com

X   @seiginoyukue
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 木寺一孝監督「事件の経過を知り、大変なことだと驚いた死刑が執行されて、もし無罪になれば、法治国家が揺らぐ大問題だと」。《司法の場では、検察官、弁護士、裁判官が証拠をそれぞれ取捨選択》…でも、これは検察官に証拠が偏在し、弁護士サイドに公開されない多数の検察官や警察官サイドに〝不利な〟証拠、被告の無実を示す証拠が開示されないことが問題なのでは。それらの証拠は国費を使って警察や検察が集めた証拠なのではないのか。裁判官が証拠の開示を強く求めない理由は何か? 
 西田直晃記者による、東京新聞の記事【こちら特報部/警察官も新聞記者も「葛藤」を抱えて…死刑執行された飯塚事件 再審請求で示される「正義の行方」は】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/311256?rct=tokuhou)。《1992年に福岡県飯塚市で小学1年の女児2人が殺害された「飯塚事件」。元死刑囚の妻による第2次再審請求で、福岡地裁は非公開審理を終え、再審開始を巡る決定が4月以降に出る見通しとなった。同月には、事件関係者に密着したドキュメンタリー映画「正義の行方」の上映が始まる。監督の木寺一孝さん(58)が描いたのは、死刑執行後だからこそ、より鮮明に浮かび上がる「人が人を裁く重み」だった。(西田直晃)》


 何度でも、書く。飯塚事件…既に死刑執行してしまった。山口正紀さんの記事《「飯塚事件」をご存知だろうか。1992年、福岡県飯塚市で起きた2女児殺害事件で逮捕され、無実を訴えていた久間三千年(くま・みちとし)さんが死刑判決を受け、2008年に死刑が執行された(当時70歳)。…オンライン集会は、この第2次再審請求の意義・内容を報告し、支援の輪を広げていこうと企画され、飯塚事件再審の実現に向けて尽力してきた九州大学の大出良知・名誉教授、再審法改正をめざす市民の会木谷明代表(元裁判官)、布川事件の冤罪被害者・桜井昌司さんら幅広い支援者たちの呼びかけで開催された。…布川事件冤罪被害者桜井昌司さん…「こんなことを優秀な裁判官がなぜわからないのか日本の警察はこれまでも証拠を捏造してきました。そうして、どれだけの人が刑務所に入れられ、殺されてきたか。すべてが無責任です。冤罪事件で国家賠償しても、だれも懐が痛まない。そのお金も税金です。足利事件、布川事件、ゴビンダさんの事件東電事件)、東住吉事件だれもその責任を追及しない。再審法を改正しないといけない。税金で集めた証拠を法廷に出すのは当たり前じゃないですか。久間さんの無念は必ず果たせると確信しています。必ず勝ちます。一緒にがんばりましょう。無惨に殺された人の無念を晴らす殺したのは誰か検察庁です」》。

   『●冤罪で死刑執行、あってはならない!!
   『●贖罪:足利事件再鑑定から12日後の2008年10月28日朝、
                飯塚事件久間三千年元死刑囚の死刑が執行

    「2008年10月16日 足利事件 再鑑定へ
     2008年10月28日 飯塚事件 死刑執行
     2009年 4月20日 足利事件 再鑑定で一致せず
     ……そう、足利事件で誤鑑定であることが分かった時には、既に、
     久間さんの死刑が執行されていた。2008年10月16日
     DNA型鑑定に疑問が生じた時点で、死刑執行は停止されておくべき
     だったのに…。なぜ、急いで死刑執行したのか?、
     大変に大きな疑問である」

   『●NNNドキュメント’13: 
      『死刑執行は正しかったのか 飯塚事件 “切りとられた証拠”』
   『●飯塚事件冤罪者を国家が死刑執行、「この重すぎる現実」:
                    無惨…「死刑執行で冤罪を隠蔽」
   『●飯塚事件の闇…2008年10月16日足利事件の再鑑定で
           死刑停止されるべきが、10月28日に死刑執行
    「西日本新聞の二つの記事【死刑下した裁判官が関与 飯塚事件の
     再審請求審 識者「公正さ疑問」】…と、【飯塚事件再審認めず 
     福岡高裁 「目撃証言信用できる」】…」

   『●飯塚事件…《しかしもっと恐ろしいのは、そんな誤りを認めず、
     国家による殺人を無かった事にする国家の強引さだろう》(清水潔さん)
   『●飯塚事件は《足利事件に続いて「DNA冤罪=DNA型鑑定を悪用した
     冤罪」が発覚するのを恐れた検察による口封じ殺人ではなかったか……》
   『●(FBS)【シリーズ『飯塚事件』検証】…《死刑執行は正しかった
     のか》? 罪なき人・久間三千年さんに対しての《国家による殺人》!
   『●NNNドキュメント【死刑執行は正しかったのかⅢ ~飯塚事件・真犯人
      の影~】…《死刑冤罪の闇を12年間追跡し続けたドキュメンタリー》
   『●飯塚事件…《裁判所は…検察に証拠品のリストの開示を勧告…したが、
     検察は「裁判所に権限はない」「事案の解明に意味はない」などと拒否》
   『●冤罪で死刑執行、飯塚事件…《当時の目撃証言を改めた…女性は「自分の
     証言が影響して死刑になったのではと長年責任を感じていた」と話した》

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/311256?rct=tokuhou

こちら特報部
警察官も新聞記者も「葛藤」を抱えて…死刑執行された飯塚事件 再審請求で示される「正義の行方」は
2024年2月25日 12時00分

 1992年に福岡県飯塚市で小学1年の女児2人が殺害された「飯塚事件」。元死刑囚の妻による第2次再審請求で、福岡地裁は非公開審理を終え、再審開始を巡る決定が4月以降に出る見通しとなった。同月には、事件関係者に密着したドキュメンタリー映画「正義の行方」の上映が始まる。監督の木寺一孝さん(58)が描いたのは、死刑執行後だからこそ、より鮮明に浮かび上がる「人が人を裁く重み」だった。(西田直晃


◆制作期間10年超、それぞれの述懐の「熱量」

 「30年以上前の事件であっても、登場人物の誰もがはっきりした記憶を持ち、自分自身の感情の揺れをそのまま語ってくれた。それでいて熱量もあった」

     (映画「正義の行方」について話す木寺一孝監督)

 インタビューのさなか、木寺さんは10年超の制作過程を振り返りつつ、自らも熱っぽく語った。警察官、弁護士、地元紙の西日本新聞の記者らの述懐により、事件の全体像、今もあいまいな真実の断片を照らし出すよう試みた。


 木寺一孝(きでら・かずたか) 映画監督。1965年、佐賀県有田町生まれ。88年に京都大を卒業後、NHKに入局し、死刑や少年事件などを題材にしたドキュメンタリー番組を制作した。昨年退局。他の監督作品に「”樹木希林”を生きる」。


◆女児2人を殺した罪などで2008年に死刑執行

 事件が起きた飯塚市は、福岡県中部に位置する人口約12万の地方都市。当時、女児2人が登校の途中に行方不明になり、翌日に約20キロ離れた山中で2人の遺体が見つかった。その2年7カ月後、同じ校区に住む久間三千年(くま・みちとし)元死刑囚=執行時(70)=が死体遺棄容疑で同県警に逮捕された。殺人罪などでも起訴され、一貫して全面否認だったが、2006に死刑判決が確定。08年に執行された。元死刑囚の妻が命日の1年後に再審請求した。

     (久間三千年 元死刑囚(関係者提供))

 木寺さんはこの第1次再審請求から3年後の12年に撮影を始めた。「事件の経過を知り、大変なことだと驚いた死刑が執行されて、もし無罪になれば、法治国家が揺らぐ大問題だと

 再審開始決定後に世に出す予定だったが、機会はなかなか訪れない。「事件の撮影から離れた時期もあった」と明かす木寺さん。転機は、西日本新聞が18〜19年に掲載した独自の調査報道だった。計83回に及ぶ検証紙面に「勇気を得た」といい、取材を重ね、再審請求の行方にかかわらず、世に問おうと決めた。

 第1次再審請求は21年4月、最高裁で退けられたが、22年にBS1スペシャルで3部作のドキュメンタリー番組を放送。今回、それを基に劇場版をまとめた。


◆警察官はつぶやき、弁護士はうなだれた

 「無力やった…」とつぶやく元駐在所員、「俺たちが久間さんを殺した…とうなだれる弁護士、「僕は被告の立場…と述懐する新聞記者。15人ほどの関係者がカメラの前で独白し、スクリーンに浮かび上がったのは三者三様の「葛藤」だった。警察は元死刑囚の自白や謝罪を得られなかったこと、弁護団は再審請求が遅れたこと、新聞社は逮捕前に「重要参考人」のスクープを打ったこと。それぞれが抱える出口のない自問自答をすくい上げた。

     (劇中の一場面。事件を振り返る逮捕当時の
      福岡県警捜査1課長=ⓒNHK)

 「関係者は事件を今まで引きずってきた」と語る木寺さん。「事件当日、被害女児の捜索に携わった小学校の教員でさえ、自分が見つけられていたら…という苦しみを抱えている。その先生は生け花を始め、子ども向けの小説を書くようになった。あの日を起点に人生が左右された人々がたくさんいる

 腰を据えて関係者の胸の内に迫った。元死刑囚が犯人だという心証について、地元での類似事件や元死刑囚の前歴が影響した点を、捜査員自身があけすけに語っている。「裁判は検事と弁護士の芝居」という司法への不信感が見て取れるフレーズも。先行した犯人視報道に「特ダネ競争のプレッシャー」があったと記者は吐露する。「差し向かいで話を聞く中で、予期しない本心がその場で言葉になった」(木寺さん)。仕事への矜持(きょうじ)表裏一体の本音があぶり出されている。


◆「人が人を裁くのがいかに難しいか」

 制作過程を通じ、木寺さんは「人が人を裁くのがいかに難しいか。あらためて痛感した」と強調する。

 「DNA鑑定などの科学鑑定にしても、一つの結論ではなく、二手に分かれて論争の対象になる。司法の場では、検察官、弁護士、裁判官が証拠をそれぞれ取捨選択し、人物の主観が入り込む余地がある。『正義の行方』と題したが、撮影を積み重ねるうちに、正義の行方はさらに混沌(こんとん)としてきた。飯塚事件の白黒も簡単には言えない」

     (劇中の一場面。現場で事件を振り返る
      元西日本新聞の記者=ⓒNHK)

 その上で、現行の司法制度への見解をこう語る。

 「難しいからこそ、本来はもっと慎重に、厳密に精査しないといけない。死刑制度のある日本では特に」と語り、さらに、こう付け加えた。「誤りが分かればすぐに改めればいいのに、なかなか日本では認めたがらない。報道も、司法も。袴田巌さんの事件だって、再審開始が決定後も長々と公判は続いている。間違いが分かっても、そこから逃げている面は否めない」

 女児たちの遺体が発見された雑木林には、2体の小さな地蔵が今も並ぶ。木寺さんは「最終的に立ち返るのはこの現場」と言葉に力を込めた。

 「浮かばれないのは被害者の2死刑が執行されたのに、もし犯人が別に存在するなら、遺族はどうすればいいのか。その点を絶対に忘れてはいけないし、知ってほしいという思いで撮影した」


◆再審開始なら、死刑執行事件では史上初

 飯塚事件で再審が始まれば、死刑執行事件で史上初となる。久間元死刑囚の妻は21年7月、新証拠とともに第2次再審請求をした。弁護団は今月中旬、新証拠の一端を公表した。

 確定判決の根拠の一つは、被害女児2人を最後に目撃した女性の証言だった。ところが、この女性が「事件当日には子どもを見ていない」と、弁護団に対して証言を覆した。女性に対する福岡地裁の尋問も既に行われ、再審可否の争点となるという。

     (久間三千年元死刑囚が妻に宛てた無罪を訴える手紙)

 第1次再審請求審では、被害女児の遺体に付着した血液と元死刑囚のDNA型が一致したとする鑑定結果の信用性が争われた。裁判所は鑑定の信用性の弱さを認めた一方、他の複数の証拠で犯人性は証明されているとして請求を退けた。

 死後再審の例は少ない。再審公判で無罪判決が出たのは、日弁連の支援事件では殺人罪で懲役13年が確定した1953年の「徳島ラジオ商殺し」だけだ。ほかには84年に滋賀県日野町で起きた強盗殺人の犯人とされ、無期懲役となった元受刑者が死亡した「日野町事件」で、2018年に大津地裁が再審開始を決定した。検察側が抗告し、現在は最高裁で争われている。


◆死刑確定後、早い段階で執行された

 飯塚事件について、元東京高裁判事の木谷明弁護士は「DNA鑑定の信用性に疑いが出て、再審請求されるのが確実だったのに、死刑確定の2年後という早い段階で執行された。この事件だけ特に執行を急いだ理由は見当たらず、DNA再鑑定をできなくさせるためと疑われてもやむを得ないせめて、死後でもうやむやにせず、しっかり結末を付けるべきだ」と話す。

 青山学院大の葛野尋之教授(刑事法)は「本人の死後、近親者の死亡や高齢化、事件後の関係悪化で再審請求人が不在になりがちだ。弁護士会などの公益的な立場にある機関が請求人になれる法整備が必要だ」と指摘し、こう続ける。

 「死刑確定後の再審無罪は4件あるが、どの事件も最初から明らかに無罪と分かっていたわけではない。受刑者の死亡後に有力な新証拠が出てくるケースもあり、死刑執行については慎重に吟味しなければならない。飯塚事件の例は、死刑制度と再審制度を並行する限り不可避的に起きる問題をはらんでいる」


◆デスクメモ

 女児らの最後の目撃者とされた女性は「(捜査側から自分の記憶と違う調書を作られた」と語ったという。事実としたらとんでもない話だ過去の出来事では済まされない恣意(しい)的な捜査がえん罪を引き起こした最近の大川原化工機事件を頭に浮かべつつ、そう強く思う。(北)


  ◇

 映画「正義の行方」の公開は、4月27日から東京都渋谷区の「ユーロスペース」で。全国で順次上映される。158分。


【関連記事】被害者が「冤罪の共通点」を語った…袴田事件と大川原化工機事件 半世紀以上変わらぬ長期拘束、自白強要、イジメ
【関連記事】再審法改正へ高まる機運 現状は裁判所のさじ加減、冤罪被害の救済で世界に遅れ

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●<政治まんが>佐藤正明氏《確定申告会場…「不明です」「はい国税がお決めになることです」「書籍代です」「はい真摯に対応します」…》

2024年03月01日 00時00分56秒 | Weblog

[↑  「確定申告会場」 【<政治まんが>「国会ごっこ」 佐藤正明傑作選「一笑両断」発売中】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/309964)(東京新聞2024年2月18日)]


(2024年02月26日[月])
納税や確定申告がバカらしくなる…カルト協会とヅボヅボな「利権」「裏金」「脱税」「不明」党の退場を。#自民退場
 東京新聞の【<政治まんが>「国会ごっこ」 佐藤正明傑作選「一笑両断」発売中】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/309964)。《確定申告会場…「不明です」…「はい国税がお決めになることです」…「書籍代です」…「はい真摯に対応します」…「説明責任は果たしたじゃないですか!」》

   『●やりたい放題な「裏金」「脱税」党の鈴木俊一財務相《“納税行うかは
     議員が判断すべき”》…んっ? 我々も納税するかどうかを判断可能?

 ↑ 財務相、さすがに発言を訂正したそうだが、もう手遅れ。
 東京新聞の記事【こちら特報部/「納税ばからしくなる」怒りが充満する確定申告会場 自民裏金議員との「信じられないほどの不公平」】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/310291?rct=tokuhou)。《確定申告会場で自民党裏金事件への怒りが噴出している。少しでも不備があれば課税される国民に対し、「政治資金」は非課税の聖域。疑惑の国会議員の申告状況も明らかでないが、実は1960年代、国会で200人以上の申告漏れが公表されていた。国権の最高機関を舞台に、脱税と疑われる行為が繰り返されるのはなぜか。本紙「本音のコラム」で指摘した青山学院大の三木義一名誉教授(租税法)とともに、考えた。(西田直晃森本智之)》。

 #自民退場、カルト協会とヅボヅボな「利権」「裏金」「脱税」「不明」党の解党を。(司法、マスコミや自民党、身内からも仕掛けられた陸山会事件という冤罪で散々な目にあった)小沢一郎さんの素晴らしいつぶやき。この犯罪者集団・反社集団による脱税などの犯罪に、なぜ、マスコミは大騒ぎしないのか、不思議で仕方ない。陸山会事件で、あれほどのバカ騒ぎをしたではないか。
 日刊スポーツのコラム【政界地獄耳/3月に政変の兆し 岸田内閣の支持率は政権発足以来最低に】(https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202402210000036.html)。《小沢一郎はX(旧ツイッター)で「自民は楽しみ国民は苦しむ自民は豊かに国民は貧しく自民は脱税国民は納税自民に甘く国民に厳しく自民は明るく国民は暗くそんな自民をまだ笑って支持するなら国民にはますます厳しく醜い国になる」》。

 《犯罪者集団》としての、長周新聞作のアベ様派の脱税者リスト ➙ こちら。長周新聞作の二会派の脱税者リスト ➙ こちら
 長周新聞の記事【「政治家は脱税、国民には増税」 誰も納得しない自民党裏金問題 98議員中、起訴3人【一覧表】】(https://www.chosyu-journal.jp/seijikeizai/29175)。《自民党が長年の慣習としておこなってきた裏金環流問題は、国政を司る政治家が金で飼い慣らされている現実だけでなく、検察など捜査機関も違法性を認識しながら取り締まらないこの国の統治の実態を可視化するものとなった。自分で企業献金禁止や政治資金透明化などのルールを作っておきながら、金額も使途も公開しない裏金として懐に入れ、違法性が明るみに出ると政治資金」(非課税という隠れ蓑で蓋をする国民には増税を強い、「公共の秩序」を豪語して憲法改定まで叫ぶ者たちが、規範精神や納税意識の欠片もない、盗っ人猛々しい犯罪者集団であったことが暴露されている》。

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https://www.chosyu-journal.jp/seijikeizai/29175

「政治家は脱税、国民には増税」 誰も納得しない自民党裏金問題 98議員中、起訴3人【一覧表】
政治経済 2024年2月17日

 自民党が長年の慣習としておこなってきた裏金環流問題は、国政を司る政治家が金で飼い慣らされている現実だけでなく、検察など捜査機関も違法性を認識しながら取り締まらないこの国の統治の実態を可視化するものとなった。自分で企業献金禁止や政治資金透明化などのルールを作っておきながら、金額も使途も公開しない裏金として懐に入れ、違法性が明るみに出ると政治資金」(非課税という隠れ蓑で蓋をする国民には増税を強い、「公共の秩序」を豪語して憲法改定まで叫ぶ者たちが、規範精神や納税意識の欠片もない、盗っ人猛々しい犯罪者集団であったことが暴露されている。記者座談会でこの問題の経過を論議した。


「政治刷新」叫ぶならみずから処罰せよ

 A ここに掲載した一覧表は、自民党の安倍派(清和政策研究会)と二階派(志帥会)が訂正した2020~22年まで3年間分の政治資金収支報告書から、派閥からのキックバックで裏金作りをしていたことが判明した自民党国会議員(元職含む)98人とその金額だ。政治資金規正法では、収支報告書の保存義務(公開期間)を3年と規定しており、不記載罪の公訴時効の5年よりも短いというのもいい加減なものだが、その公開期間分のみの訂正を明らかにした。記載された額はわずか3年間分であり、キックバックは数十年も続けていたのだから1人当りの累積額はこの数倍にのぼると考えてよい。
 清和会については、捜査対象となる5年間で6億7654万円のパーティー券収入を裏金(どこにも記載がない収入)にして議員個人に環流していたことがわかっている。同じく二階派は2億6460万円、岸田派は3年間で3059万円を裏金にしていた。これもあくまで氷山の一角にすぎない。
 安倍派(清和会)幹部で高額なのは、萩生田光一が2728万円、世耕弘成が1542万円、松野博一が1051万円、高木毅が1019万円(いずれも5年間分)などとなっているが、公開した3年間分の派閥の訂正済み報告書ではそれぞれの政治団体への支出日はすべて不明」。受けとった政治家側の収支報告書も「不明」だらけで、萩生田や高木に至っては支出欄での「収入総額」「前年からの繰越額」「支出総額」「翌年への繰越額」をすべて不明」で提出している。これで「政治刷新」「信頼回復」などといっている。

 B コロナ禍では、売り上げが半減した事業者が微々たる給付金の申請をするためには数年間分の収支記録の提出が求められ、要件を満たさなければ給付不可だった。一歩間違えれば詐欺罪で検挙されかねない。その給付金でさえ課税対象なのだ。確定申告にしたって、領収証もなく、収入額も支出額も不明の申告など脱税と見なされ一発アウトだ。そのルールを決めて遵守を求める側であり、公金で支えられている政党や政治家が、不明だらけの帳簿を出して「赤信号、みんなで渡れば…」を平然とやっている。
 だが、政治資金を所管する総務省(松本剛明大臣)は、7日の国会答弁で「領収証などが災害などによって滅失した場合など、政治団体側で収支報告書を正確に記載することが不可能な場合に記載できない項目については不明と記載し、確認できた範囲内で収支報告書を記載して提出された事例はある」などと擁護している始末だ。萩生田の地元でどんな大災害が起きたのか知らないが、数千万円もの所得を「政治資金」にすることによって納税を免れ、記載義務のある政治資金収支報告書で金額も使途も「不明」で済むなら、なんのルールもないのと同じだ。確定申告のために1円単位で領収証を保管し、煩雑な会計事務に追われている事業者や税理士があっけにとられている。犯罪者が大手を振り、正直者が馬鹿を見るような世の中を政治家が作っている

 C 呆れるといえば二階元幹事長で、自身の政治団体が3年間で3500万円を「書籍代」として計上していた。公立図書館で図書購入の年間予算額は1館当り800万円程度というから、公立図書館4館分以上の図書を購入していたことになる。小学校図書室なら75校分だという。2000円の本なら1万7500冊だ。「本屋丸ごと買ったのか?」「もはや家は図書館なのか?」「裏金で買わないといけない本だったのか?」と突っ込まれている。公費を使っておきながら、こういう嘘を平気でかましている

 A 前回の記者座談会でも触れたが、この問題は、派閥の政治資金パーティーと称して個人や企業・団体から集めた資金を議員個人に環流し、どこにも足がつかない裏金にして利用していた問題だ。派閥(党本部)から「政治資金として記載するな」と指令が出ており、それに合意して受領していたのだから最初から政治資金ではない。派閥から議員の政治団体への寄付なら政治資金規正法違反で公民権停止付きの刑事罰だ。派閥から議員個人への寄付も同法違反であり、所得隠しによる脱税にもあたる。それを検察が捜査の過程で「政治資金として処理すべきもの」と誘導し、国税も追徴課税もせず、鉛筆なめなめ帳簿の訂正でこと済ませたという茶番だ。政治資金というのなら、それを立証してしかるべきだが使途不明、領収証なし。これで誰が納得するというのか。
 裏金議員が100人もいて、起訴されたのは、安倍派の大野池田谷川(辞職)の3議員とその秘書、二階の秘書、そして岸田派を含む3派閥の会計責任者のみ。その後は「政治とカネ」「派閥」「政治資金パーティー」「政治資金規正法の抜け穴」など問題のすり替えでお茶を濁し、そんな連中が「政治刷新」とか「再発防止」と他人事のように謳っている。誰がどう見ても、罪人が罪をごまかすための目くらましにすぎない。本気で刷新したいのなら、まず自分を処罰せよという話だ。けじめも何もあったものではない

 B そもそも記載するべきものなら最初から記載すればいいだけで、なぜ数億、数十億も裏金にする必要があったのか? それが何十年も組織的にやられていた。直近を思い返すだけでも、2019年の参院選広島選挙区では、安倍晋三率いる自民党本部が推す現職法務大臣(当時)の妻(河井案里)の応援に入り、地元議員ら約100人に総額3000万円もの現ナマを配る買収事件が起きたが、この買収資金の出所も明らかになっていない。裏金作りやりたい放題の時期であり、足がつかないカネが活躍したことは想像に難くない。2022年の政治資金収支報告書からは、事実上の裏金である政策活動費が参院選前に集中的に自民党幹部へ渡っていたことも明らかになっているが、この参院選でも河井法相には党幹部から6700万円が渡っていたことを裏付ける物証も出ていた。真っ黒なのだ
 この間、ビッグモーター、ジャニーズ、ダイハツ、日本大学等々…組織のモラル、コンプライアンス、自浄能力の問題が取り沙汰されてきたが、政権を司る自民党がその筋のチャンピオンで、国民の信頼を裏切る行為に対して処罰もなく、説明もなく、納税もせず、平然と議員バッジをつけて公金が注がれ続けているという異常さだ。底が抜けたような統治の実態を露呈している。


期待できぬ自浄作用 ルール問題にすり替え

 A 国会審議を聞いていても、検察が捜査の幕を引いたことに高をくくって完全に居直っている。昨年五月、れいわ新選組の大石、櫛渕両議員が本会議場で「大量の売国棄民法案を廃案に」「与党も野党も茶番」と書いたプラカード一枚掲げただけで「議会の品位を貶めた」と大騒ぎし、2番目に重い懲罰(登院停止)を科した議員どもが、国会の品位どころかモラルを貶めた自分たちの裏金問題では一斉に口をつぐんでいるすごい品位の実態を見せつけている
 そして、裏金議員の懲罰のかわりに論議されているのが、派閥のパーティー禁止、政治資金規正法に連座制(政治家にも責任を負わせる)導入、企業献金の禁止、政治資金の使途公開の向上などのルール改正だ。だが、自分たちが作った現行ルールを守らない連中のルール改定論議など世間は白々しくてまともにとりあわない。それそのものが茶番であるし、捜査機関も政治的なさじ加減で動くのだから、ほとんど意味がないし、期待もない。
 連座制がないのがいけないとかいっているが、たとえば、自民党から民主党へ政権交代の風が吹いていた2009年、2800万円の「他人名義の寄付」を受けたとして政治資金規正法違反疑惑で小沢一郎が検察のやり玉に挙げられた「陸山会事件」では、秘書3人が逮捕・起訴され、小沢本人も起訴された。だがその後、検察審査会で東京地検特捜部が虚偽の捜査報告書をねつ造して起訴に誘導していたことが発覚して無罪判決となった。だがメディアも連日、嘘の検察リーク情報を報じ、小沢本人を民主党の要職から外させた。検察は政治的に必要ならば、調書をねつ造してでもやる。だが、今回の問題については早々と「法の抜け穴」のせいにして矛を収めた。連座制があろうとなかろうと政治的思惑でしか動かないのではないかという疑念がある。

 B そもそも政治資金報告書については総務省や選管は形式的な審査をするだけで違法性の判断はしない。いくつもある政治家の政治団体(大半は実質のマネーロンダリング団体)の報告書を民間人が調べて違法性を告発したとしても、不記載・虚偽記入や違法寄附の認定はすべて司法判断に委ねられている。だが検察自身は行政機関であるにもかかわらず、今回のように証拠も動機もはっきりしている「真っ黒案件を不起訴にし、情報開示もしなければ、不起訴理由の説明もしない。会見も撮影禁止のブラックボックスだ。「どんだけ汚れているんだ?」と思わざるを得ないものがある。

 C そもそも論でいえば、検察も警察も裏金作りの常習組織として知られている。最近も、広島県警で「カラ出張」による不正受給が発覚しているが、警察の内情を聞けば聞くほどおぞましい話であふれている。関係者に聞くだけでも幹部への上納金や会食、接待、偽領収証作りなど枚挙に暇がないが、自主捜査による自浄作用が働くことなど皆無に等しい。今回の対処も含め、自浄能力がまるでない司法機関の「正義」とはなんぞや?というのもおおいに問題にされるべきだろう。

 A いずれにせよ、そのような実態を温存したまま政党への寄付行為をより制限するようにルールを変えた場合、大規模政党には議員数に応じて公金から政党交付金(自民党には毎年160億円)が注がれるというアドバンテージだけが残り、選挙にエントリーする供託金だけで選挙区で300万円(比例なら600万円)という現行制度においては、巨大政党がより経済的に有利になる構図が強まるという懸念もある。金持ちしか選挙に出れないという構造的な問題には手をつけず、自分たちの不正を理由にして都合よくルール改変し、小規模政党をより不利にするということくらいしか彼らは考えていない。

 B 今回明らかになったパーティー券収入など氷山の一角にすぎず、政党から政党幹部らに支出される政策活動費に至ってはそれどころではない。この政策活動費は、例年幹事長などの党幹部に山分けされる仕組みになっていて、党の収支報告書には支出先の議員名や金額は記載されるが、議員側には使途の公開義務がない。自民党はこれに年間一四億円を支出しており、税金から配分される政党交付金が実質の原資となっている。自民党はそれを否定しているが、お金に色はついていないのだから否定のしようがない。
 これまでに二階元幹事長の口座に振り込まれた政策活動費は50億6000万円にものぼり、うち47億7000万円を5年間の幹事長在任中に受けとっている。使途不明額は50億円で、単純計算で1年10億円、1時間当り10万円近い額となるそこから先は何にいくら使ったのか、誰に渡ったのかもわからない。また書籍代だとでもいうのだろうか?

 C 「使途公開義務」といっても、維新のように自分で自分の政治団体にセルフ領収証を切って「透明化!」と豪語する連中もいる。「議会改革」の急先鋒のように振る舞っているが、政策活動費を幹事長らが毎年数百万円受けとって領収証もないという実態は同じだった。力の源泉である企業献金の廃止も口先でいうだけでやらないだろう。最初から最後まで大山鳴動してネズミ1匹も出てこないというオチが目に見えている。
 巷では、おにぎり1個盗んで逮捕とか、老老介護の苦しみに耐えかねた身内殺人などの経済的困難から生まれる悲劇が溢れているなかで、国民から税金を集める永田町では数十億円の裏金を使いたい放題の政治家が涼しい顔で棲息している。ここに掲載したように、裏金議員の名前と顔を記録と記憶にしっかり残し、来るべき選挙では有権者の手で厳正なる審判を下すことが求められる。
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●冤罪で死刑執行、飯塚事件…《当時の目撃証言を改めた…女性は「自分の証言が影響して死刑になったのではと長年責任を感じていた」と話した》

2024年02月19日 00時00分12秒 | Weblog

(2024年02月17日[土])【【飯塚事件】最後の目撃者とされる女性が証言を翻す見たのは別の日捜査員に見ていないと伝えてもいや見たんだと押し切られた」 福岡】
 (https://www.youtube.com/watch?v=u2fizs8t1Wo)

 酷いなあ…冤罪で死刑執行飯塚事件。当時の首相は麻生太郎氏、法相は森英介氏。冤罪死刑飯塚事件飯塚冤罪事件) … 検察が《証拠品のリストの開示を拒否!? 今度は、《最後の目撃者とされる女性が証言を翻す見たのは別の日捜査員に見ていないと伝えてもいや見たんだと押し切られた」》って、もう無茶苦茶。警察・検察や裁判所は、何時まで「先輩達の罪」を庇い続けるつもりか? いい加減にしろ。
 FBSのニュース映像【【飯塚事件】最後の目撃者とされる女性が証言を翻す「見たのは別の日で捜査員に見ていないと伝えても『いや見たんだ』と押し切られた」 福岡】(https://www.fbs.co.jp/news/news96zjgpbjoq6rw0z29x.html)。《犯人として死刑が執行された久間三千年(くま・みちとし)元死刑囚の妻が、2021年に2度目の裁判のやり直しを申し立て、現在、裁判所、検察、弁護団による協議が続いています。弁護団によりますと、証言を翻したのは女の子2人を最後に目撃したとされる女性です。女性は1992年2月20日の事件当日の朝、小学校に登校していた女の子2人を車で通勤途中に目撃したとされますが、弁護団に対し「女の子を見たのは2月20日ではなく別の日。当時、捜査員に見ていないと伝えても『いや見たんだと押し切られた」などと話したということです》。

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https://www.fbs.co.jp/news/news96zjgpbjoq6rw0z29x.html

【飯塚事件】最後の目撃者とされる女性が証言を翻す「見たのは別の日で捜査員に見ていないと伝えても『いや見たんだ』と押し切られた」 福岡
福岡  2024.02.15 19:49

今から32年前に女の子2人が殺害された「飯塚事件」で新たな展開です。裁判のやり直しをめぐる三者協議が開かれ、弁護団は、女の子を最後に目撃したとされる女性が当時の証言を翻していることを明らかにしました。

この事件は32年前、福岡県飯塚市の小学生の女の子2人が殺害されたものです。

犯人として死刑が執行された久間三千年(くま・みちとし)元死刑囚の妻が、2021年に2度目の裁判のやり直しを申し立て、現在、裁判所、検察、弁護団による協議が続いています。

弁護団によりますと、証言を翻したのは女の子2人を最後に目撃したとされる女性です。

女性は1992年2月20日の事件当日の朝、小学校に登校していた女の子2人を車で通勤途中に目撃したとされますが、弁護団に対し「女の子を見たのは2月20日ではなく別の日。当時、捜査員に見ていないと伝えても『いや見たんだと押し切られた」などと話したということです。

弁護団は、この内容について新たな証拠として裁判所に提出していて、去年11月には女性への証人尋問が行われました。

当時の目撃証言を改めた理由について、女性は「自分の証言が影響して死刑になったのではと長年責任を感じていた」と話したということです。

弁護団は「確定判決が認定した誘拐場所や時間の根拠がなくなった」「確定判決は久間氏の車に良く似た紺色ワゴン車が同じ頃にその場所で目撃されたことを状況証拠の一つにしているが、この車と犯行は結びつかない」と主張しています。
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   『●冤罪で死刑執行、あってはならない!!
   『●贖罪:足利事件再鑑定から12日後の2008年10月28日朝、
                飯塚事件久間三千年元死刑囚の死刑が執行

    「2008年10月16日 足利事件 再鑑定へ
     2008年10月28日 飯塚事件 死刑執行
     2009年 4月20日 足利事件 再鑑定で一致せず
     ……そう、足利事件で誤鑑定であることが分かった時には、既に、
     久間さんの死刑が執行されていた。2008年10月16日
     DNA型鑑定に疑問が生じた時点で、死刑執行は停止されておくべき
     だったのに…。なぜ、急いで死刑執行したのか?、
     大変に大きな疑問である」

   『●NNNドキュメント’13: 
      『死刑執行は正しかったのか 飯塚事件 “切りとられた証拠”』
   『●①飯塚事件冤罪者を死刑執行:「死刑存置か? 
         廃止か?」…話題にも上らない、死刑賛成派8割なニッポン
   『●②飯塚事件冤罪者を死刑執行:「死刑存置か? 
         廃止か?」…話題にも上らない、死刑賛成派8割なニッポン
   『●飯塚事件冤罪者を国家が死刑執行、「この重すぎる現実」:
                    無惨…「死刑執行で冤罪を隠蔽」
    「リテラの伊勢崎馨さんによる記事【飯塚事件、なぜ再審を行わない?
     DNA鑑定の捏造、警察による見込み捜査の疑いも浮上…やっぱり冤罪だ!】」
    《冤罪が強く疑われながら死刑が執行されてしまったのが、1992年に
     福岡県で起こった「飯塚事件」である。そして、この飯塚事件にスポットをあて、
     冤罪疑惑に切り込んだドキュメンタリー番組が放送され、ネット上で話題を
     呼んだ。3日深夜に日本テレビで放送された
     『死刑執行は正しかったのかⅡ 飯塚事件 冤罪を訴える妻』だ》

   『●飯塚事件の闇…2008年10月16日足利事件の再鑑定で
           死刑停止されるべきが、10月28日に死刑執行
    「西日本新聞の二つの記事【死刑下した裁判官が関与 飯塚事件の
     再審請求審 識者「公正さ疑問」】…と、【飯塚事件再審認めず 
     福岡高裁 「目撃証言信用できる」】…」

   『●飯塚事件…《しかしもっと恐ろしいのは、そんな誤りを認めず、
     国家による殺人を無かった事にする国家の強引さだろう》(清水潔さん)
   『●布川冤罪事件…《合計二〇人の裁判官が揃いも揃って、冤罪を見過ごし、
        検察の嘘を素通りさせた。彼らこそ裁かれるべきかもしれない》
   『●桜井昌司さん《冤罪で服役29年》《事件発生から54年の長い時間》
      …検察や警察の捜査の違法性を認め、国と茨城県の損害賠償が確定
   『●布川冤罪事件で《潔白を勝ち取った男…冤罪被害者を支援し、濡れ衣を
        着せた司法の闇を世に引きずり出そうとしている》桜井昌司さん
   『●飯塚事件は《足利事件に続いて「DNA冤罪=DNA型鑑定を悪用した
     冤罪」が発覚するのを恐れた検察による口封じ殺人ではなかったか……》
   『●《冤罪事件というのは、最終的に再審などで無罪が証明されたとしても、
        その間に失われた時間は二度と取り戻せない。桜井昌司氏は…》
   『●(東京新聞社説)《死刑制度には普遍的な人権問題が潜み、その廃止・
       停止は、もはや世界の潮流となっている》…死刑存置でいいのか?
   『●(FBS)【シリーズ『飯塚事件』検証】…《死刑執行は正しかった
     のか》? 罪なき人・久間三千年さんに対しての《国家による殺人》!
   『●NNNドキュメント【死刑執行は正しかったのかⅢ ~飯塚事件・真犯人
      の影~】…《死刑冤罪の闇を12年間追跡し続けたドキュメンタリー》
   『●【<土曜訪問>表現の幅、狭めない 冤罪事件から着想 ドラマ
     「エルピス」で脚本 渡辺あやさん(脚本家)】(東京新聞・石原真樹記者)
   『●飯塚事件…《裁判所は…検察に証拠品のリストの開示を勧告…したが、
     検察は「裁判所に権限はない」「事案の解明に意味はない」などと拒否》
   『●再審法の改正を…桐山桂一さん《冤罪ほど人生や人権を踏みにじる不正義
     はない。…袴田巌さんの再審が決まった…大崎事件は…冤罪が疑われる》

 何度でも、飯塚事件…既に死刑執行してしまった。山口正紀さんの記事《「飯塚事件」をご存知だろうか。1992年、福岡県飯塚市で起きた2女児殺害事件で逮捕され、無実を訴えていた久間三千年(くま・みちとし)さんが死刑判決を受け、2008年に死刑が執行された(当時70歳)。…オンライン集会は、この第2次再審請求の意義・内容を報告し、支援の輪を広げていこうと企画され、飯塚事件再審の実現に向けて尽力してきた九州大学の大出良知・名誉教授、再審法改正をめざす市民の会木谷明代表(元裁判官)、布川事件の冤罪被害者・桜井昌司さんら幅広い支援者たちの呼びかけで開催された。…布川事件冤罪被害者桜井昌司さん…「こんなことを優秀な裁判官がなぜわからないのか日本の警察はこれまでも証拠を捏造してきました。そうして、どれだけの人が刑務所に入れられ、殺されてきたか。すべてが無責任です。冤罪事件で国家賠償しても、だれも懐が痛まない。そのお金も税金です。足利事件、布川事件、ゴビンダさんの事件東電事件)、東住吉事件だれもその責任を追及しない。再審法を改正しないといけない。税金で集めた証拠を法廷に出すのは当たり前じゃないですか。久間さんの無念は必ず果たせると確信しています。必ず勝ちます。一緒にがんばりましょう。無惨に殺された人の無念を晴らす殺したのは誰か検察庁です」》。

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●大川原化工機捏造事件国賠、国と都が控訴…《今回の事件は、日本の警察、検察、裁判所がいかなるものかを浮き彫りにしている》(長周新聞)

2024年02月12日 00時00分25秒 | Weblog

[↑ 大川原化工機の訴訟 検察・警察の捜査「違法」東京地裁 都と国に賠償命令 (朝日新聞、2023年12月28日(木))]


(20240131[])
大川原化工機でっち上げ事件。あまりに酷い冤罪事件というか、公安警察・検察によるでっち上げ事件・捏造事件。何度請求しても、保釈を認めなかった裁判所も、あまりに杜撰で冷酷。
 神保哲生さんのビデオニュースドットコムの記事【警察にはこの事件が意図的な捏造だったことを正直に認めてほしい 大川原化工機社長らが国賠訴訟判決を前に会見】(https://www.videonews.com/press-club/20231221-ookawara)によると、《しかし、大川原氏らは最後まで自白をしなかったため、有罪に持ち込むことが困難と判断した検察は逮捕から331日目となる2021年2月5日、大川原氏と島田氏を釈放し、7月には起訴を取り消した。相嶋元相談役は勾留中に胃がんが悪化し、8度にわたる保釈申請もことごとく却下されたため、嫌疑が晴れないまま死亡している》。大川原化工機捏造事件国賠訴訟では、謝罪や責任を問うこともなく、敗訴した《国と東京都が控訴》している…。大川原正明社長は「あきれた」「やっぱりか」「まだやるのか」と…。
 そして、もう一つの大事なポイントはアベ様政権と《“野党やマスコミの監視、謀略情報の仕掛け人”として暗躍してきた》《「官邸のアイヒマン」の異名もあった》北村滋…《3人が逮捕された当時、アメリカにこびへつらう安倍政権が中国を念頭に置いた経済安保の旗を振り、警察官僚・北村滋がトップの国家安全保障局にその司令塔である「経済班」が新設された。そのもとで警察や検察、裁判所が安倍政権を忖度して捏造をおこない、みずからの出世のために一般市民の生活を踏みにじってはばからなかった。他方で東京地検特捜部は、政治資金規正法違反が明白な安倍派幹部の立件を見送っている》(長周新聞)。




 長周新聞の記事【大川原化工機事件とは何か 警察・検察がでっち上げた度外れた冤罪事件 政治に忖度し出世欲で事実を捏造】(https://www.chosyu-journal.jp/shakai/28948)によると、《生物兵器の製造に転用できる機器を無許可で中国に輸出したとして逮捕、起訴され、その後一転して起訴がとり消された大川原化工機(横浜市)の社長らが、東京都と国に損害賠償を求めていた訴訟の一審判決が、昨年12月27日、東京地裁で出された。判決は、警視庁公安部の逮捕と、東京地検の勾留請求・起訴をいずれも違法と認め、都と国に計16000万円の賠償を命じた。一方、これを認めたくない都と国は110日、控訴した。今回の事件は、日本の警察、検察、裁判所がいかなるものかを浮き彫りにしている》。

   『●人質司法による《身柄拘束は実に約十一カ月間》、大川原化工機の
     大川原社長ら…《こんなにひどいことはないと感じたという》青木理さん
   『●大川原化工機事件…でっち上げ事件、《勾留後に亡くなった1人を
     含め、会社側は起訴取り消しになっても大きな不利益を被りました》
   『●日刊ゲンダイ【辛口の経済評論家 佐高信氏が「いい会社」と就活生に
     薦めたい企業3社】《城南信用金庫…久遠チョコレート…大川原化工機》
   『●男性警部補「捏造ですね」…とんでもない冤罪事件・捏造事件・でっち
     上げ事件、国賠が認められても《勾留後に亡くなった1人》の命は戻らない
   『●大川原化工機事件は公安によるでっち上げ…《警視庁公安部が捜査し、
     公判直前に起訴が取り消された事件…現職警部補が「事件は捏造」と証言》
   『●《警察と検察が事件を捏造して、無辜の人たちを犯罪者に仕立て上げる。
     …大川原化工機の例は、この国がすでに“新しい戦前化”している…》
   『●大川原化工機捏造事件国賠…《女性検事は淡々と、「起訴当時の判断を
     間違っているとは思っていない。謝罪する気持ちなどない」と答えた》
   『●大川原化工機でっち上げ事件の国賠…《13年前の「正義の検事」が“冤罪”
       事件で謝罪拒む》、実は郵便不正事件当時も《問題検事》だった模様
   『●大川原化工機でっち上げ事件国賠訴訟…当然の勝訴判決ではあるが、《勾留
      後に亡くなった1人》の命は戻らないし、あまりに《大きな不利益》…
   『●大川原化工機捏造事件国賠、謝罪や責任を問うこともなく《国と東京都
     が控訴》…大川原正明社長「あきれた」「やっぱりか」「まだやるのか」
   『●大川原化工機でっち上げ事件:青木理さん《見込み捜査と強い政治性を特徴
     とする警備公安警察のゆがみが如実にあらわれた例として、大きな批判…》

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https://www.chosyu-journal.jp/shakai/28948

大川原化工機事件とは何か 警察・検察がでっち上げた度外れた冤罪事件 政治に忖度し出世欲で事実を捏造
2024年1月30日

     (国家賠償請求訴訟の判決後に「勝訴」と書かれた紙を
      掲げる大川原化工機の大川原正明社長
      (昨年12月27日、東京地裁前))

 生物兵器の製造に転用できる機器を無許可で中国に輸出したとして逮捕、起訴され、その後一転して起訴がとり消された大川原化工機(横浜市)の社長らが、東京都と国に損害賠償を求めていた訴訟の一審判決が、昨年12月27日、東京地裁で出された。判決は、警視庁公安部の逮捕と、東京地検の勾留請求・起訴をいずれも違法と認め、都と国に計1億6000万円の賠償を命じた。一方、これを認めたくない都と国は1月10日、控訴した。今回の事件は、日本の警察、検察、裁判所がいかなるものかを浮き彫りにしている

 今回の事件は、大川原化工機が自社製の噴霧乾燥機をドイツ大手化学メーカーの中国子会社に輸出したことが、外為法上の輸出管理規制に違反するとして、同社社長の大川原正明、取締役の島田順司、顧問の相嶋静夫の3氏が2020年3月に逮捕、起訴されたものだ。

     (大川原化工機の密閉型スプレードライヤ)

 噴霧乾燥機とは、液体などを熱風中に噴霧して溶媒を蒸発させて粉末を得る装置で、インスタントコーヒーやインスタント食品の粉末スープ、製薬産業の乾燥粉体の調整などに幅広く使われている。大川原化工機はこの技術の日本におけるリーディングカンパニーで、国内だけでなく中国や東南アジア、欧米などに輸出してきた。

 この噴霧乾燥機が、生物化学兵器の製造に転用される恐れのあるものとして規制対象になったのは、2012年のことだ。規制対象になる噴霧乾燥機の条件は、病原性微生物を生きたまま粉体化することが可能であることに加え、三つの条件をすべて満たすものと規定された。

 そのうちの一つの条件が、「定置した状態で内部の滅菌または殺菌をすることができるもの」だった。つまり、装置を分解せずにそのままの状態で、内部の病原性微生物を殺し尽くすことができなければ菌が外部に拡散してしまい、生物化学兵器の製造に使えないからだ。大川原化工機の噴霧乾燥機は、滅菌ができるほど高い温度になる構造ではなく、滅菌は不可能だった

 ところが、公安による見込み捜査は2017年頃から開始され、同社の役職員48人に対してのべ26四回に及ぶ任意の取り調べがおこなわれた。公安は、同社が中国の軍需企業とのつながりがあると想定して家宅捜索もおこなったが、もちろん証拠は出なかった

 2020年3月に逮捕された3人は、一貫して無罪を主張し続けたが、勾留は11カ月にも及んだ。勾留中に体調を崩し胃がんであることがわかった相嶋氏は、保釈請求を7回もおこなったが拒否され、2021年2月に死亡した保釈を拒否したのは裁判所だ

 しかし同年8月、東京地検が「同社の噴霧乾燥機が法規制の対象になるとの立証ができない」という理由で、一転して起訴を取り消し、「全面敗北」を宣言した。


偽調書作成し、嘘で恫喝した公安

 今回の東京地裁の判決は、第一に、公安の任意聴取で同社の複数の従業員が「うちの噴霧乾燥機は滅菌に必要な温度に達しない構造だ」と具体的に説明したのに、実験して確認することなく逮捕したこと、検察も公安の捜査をチェックせずに起訴したことは違法だとした。

 第二に、公安の取り調べも違法とした。担当する警部補は、被疑者をだますようにして供述調書を作成したり、弁解録取書(逮捕直後の取り調べ調書)では被疑者が発言していない内容を書いて署名・押印させた

 ただし判決は、逮捕・起訴の根拠となった経産省の輸出規制省令を公安がねじ曲げて解釈し、捜査機関が事件を捏造したとする同社側の主張は退けた

 一方、大川原化工機の代理人弁護士は、この裁判の経過を詳しく発信している。そこから次のことが明らかになっている。

 捜査の中心にいた警部補は、島田順司氏の任意取り調べを35回おこない、供述調書を書いている。その調書は、警部補が取り調べの前に作成していたもので、捜査機関に有利な虚偽の事実が散りばめられていた。そして、島田氏が誤りを1カ所指摘するたびに調書を取り上げるなど、内容を十分に吟味することを妨害した。

 取り調べでは、「菌が少しでも死ねば殺菌に該当するという独自の見解を断定的にのべたり、「大川原化工機の噴霧乾燥機が中国のあってはならない場所に納入されていたのが発覚した」などのウソで島田氏を恫喝した。

 逮捕後の弁解録取書では、「大川原氏らと共謀し、輸出規制に該当する不安を抱えながら無許可で輸出した」という事実と異なる文章を事前につくっておき、島田氏が削除するよう求めると、修正しないまま、修正したように装って署名・押印を求めた。気づいた島田氏は、「警察がまさかこんなことをするとは信じられない」と強く抗議した。

 これについては、昨年6月におこなわれた証人尋問でも明確になっている。原告側弁護士から「経産省が解釈を決めていなかったことに乗じて、公安部が事件をでっちあげた。違いますか?」と聞かれると、別の警部補は「まあ、捏造ですね」「逮捕・勾留の必要性はなかったと思います」「幹部が捏造しても、さらに上の立場の人が防げた可能性があるすでに捜査員からの内部告発が出ていたのだから」と答えた。

 続けて弁護士が「立件する方向になった経緯は?」と聞くと、「捜査員の個人的な欲だと思う」「立件しなければならない客観的な事実はないのに、大量に捜査をしたということは、捜査幹部にそういう欲があったとしか考えられません。定年を視野に、どこまで上に上がれるのか考えたということです」とのべた。

 3人が逮捕された当時、アメリカにこびへつらう安倍政権が中国を念頭に置いた経済安保の旗を振り、警察官僚・北村滋がトップの国家安全保障局にその司令塔である「経済班」が新設された。そのもとで警察や検察、裁判所が安倍政権を忖度して捏造をおこない、みずからの出世のために一般市民の生活を踏みにじってはばからなかった。他方で東京地検特捜部は、政治資金規正法違反が明白な安倍派幹部の立件を見送っている。今回の事件についても、徹底的な検証がされなければ国民は誰も納得しない。
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●大川原化工機でっち上げ事件:青木理さん《見込み捜査と強い政治性を特徴とする警備公安警察のゆがみが如実にあらわれた例として、大きな批判…》

2024年01月25日 00時00分08秒 | Weblog

[↑ 大川原化工機の訴訟 検察・警察の捜査「違法」東京地裁 都と国に賠償命令 (朝日新聞、2023年12月28日(木))]


/ (2023年12月30日[土])
当然の判決だ ――― とんでもない冤罪事件・捏造事件・でっち上げ事件、国賠が認められても《勾留後に亡くなった1人》の命は戻らない。
 大川原化工機でっち上げ事件。あまりに酷い冤罪事件というか、公安警察・検察によるでっち上げ事件・捏造事件。何度請求しても、保釈を認めなかった裁判所も、あまりに杜撰で冷酷。
 アサヒコムの記事【大川原化工機社長「しっかり検証し謝ってほしい」「墓前に報告する」】(https://www.asahi.com/articles/ASRDW56FSRDWUTIL01G.html?iref=comtop_7_02)。《軍事転用可能な機器を無許可で輸出したとして「大川原化工機」(横浜市)の大川原正明社長らが逮捕、起訴され、後に起訴が取り消された事件で、社長らが捜査の違法性を訴えた訴訟で、東京地裁は27日、起訴や逮捕の違法性を認め、国と都に賠償を命ずる判決を出した。大川原社長は判決後、報道陣に「裁判長が適切な判断をしてくれたと受け止めている。警視庁と検察庁にはしっかり検証をして、できることなら謝罪をしていただきたい」と話した。同社元顧問の相嶋静夫さんは勾留中にがんが判明したが保釈はかなわず、起訴取り消しの前に72歳で亡くなった。大川原社長は「そして一緒に過ごしてきた相嶋さんの墓前に早く報告したい」とも話した》。

 神保哲生さんのビデオニュースドットコムの記事【警察にはこの事件が意図的な捏造だったことを正直に認めてほしい 大川原化工機社長らが国賠訴訟判決を前に会見】(https://www.videonews.com/press-club/20231221-ookawara)。《しかし、大川原氏らは最後まで自白をしなかったため、有罪に持ち込むことが困難と判断した検察は逮捕から331日目となる2021年2月5日、大川原氏と島田氏を釈放し、7月には起訴を取り消した。相嶋元相談役は勾留中に胃がんが悪化し、8度にわたる保釈申請もことごとく却下されたため、嫌疑が晴れないまま死亡している》。

   『●人質司法による《身柄拘束は実に約十一カ月間》、大川原化工機の
     大川原社長ら…《こんなにひどいことはないと感じたという》青木理さん
   『●大川原化工機事件…でっち上げ事件、《勾留後に亡くなった1人を
     含め、会社側は起訴取り消しになっても大きな不利益を被りました》
   『●日刊ゲンダイ【辛口の経済評論家 佐高信氏が「いい会社」と就活生に
     薦めたい企業3社】《城南信用金庫…久遠チョコレート…大川原化工機》
   『●男性警部補「捏造ですね」…とんでもない冤罪事件・捏造事件・でっち
     上げ事件、国賠が認められても《勾留後に亡くなった1人》の命は戻らない
   『●大川原化工機事件は公安によるでっち上げ…《警視庁公安部が捜査し、
     公判直前に起訴が取り消された事件…現職警部補が「事件は捏造」と証言》
   『●《警察と検察が事件を捏造して、無辜の人たちを犯罪者に仕立て上げる。
     …大川原化工機の例は、この国がすでに“新しい戦前化”している…》
   『●大川原化工機捏造事件国賠…《女性検事は淡々と、「起訴当時の判断を
     間違っているとは思っていない。謝罪する気持ちなどない」と答えた》
   『●大川原化工機でっち上げ事件の国賠…《13年前の「正義の検事」が“冤罪”
       事件で謝罪拒む》、実は郵便不正事件当時も《問題検事》だった模様
   『●大川原化工機でっち上げ事件国賠訴訟…当然の勝訴判決ではあるが、《勾留
      後に亡くなった1人》の命は戻らないし、あまりに《大きな不利益》…
   『●大川原化工機捏造事件国賠、謝罪や責任を問うこともなく《国と東京都
     が控訴》…大川原正明社長「あきれた」「やっぱりか」「まだやるのか」

 アサヒコムの記事【公安警察と政権の危うい蜜月 青木理さんがVIVANTに抱く違和感】(https://www.asahi.com/articles/ASRDQ5FPYRDBUPQJ00D.html?iref=pc_extlink)。《この事件は、見込み捜査と強い政治性を特徴とする警備公安警察のゆがみが如実にあらわれた例として、大きな批判を浴びた。2019年夏の参院選での北海道警によるヤジ排除問題などとあわせ、近年、そのありようがあらためて問われている》。

   『●『日本の公安警察』読了(1/2)
    「1章 厚いベールの内側」、「2章 特高から公安へ」、
     「3章 監視・尾行から工作まで」、「4章 公安秘密部隊」、
     「5章 戦後の公安事件簿」、「6章 オウム・革マル派との〝戦い〟」、
     「7章 警察の外にある公安」、「8章 監視社会と公安警察」
    「奇々怪々な「菅生事件(すごう)という謀略とその後の無茶苦茶な経緯、
     〝爆弾犯〟の異常な出世」

   『●『日本の公安警察』読了(2/2)
    《情報は、大物政治家や警察OBの代議士に流れているというのが、
     仲間内での公然の秘密であった。元来、秘密のベールに
     包まれているはずの『第四係』の懇親会終了後に自民党選出の
     国会議員が顔を見せるというのも、警察と自民党との癒着
     物語るものであろう》

   『●アベ様をヤジって道警の警察官に排除…札幌地裁は《ヤジを公共的で
      政治的な表現行為と認め、その排除は表現の自由の侵害だと判断》
   『●アベ様の耳に続き、「聞く力」なきキシダメ首相の耳を塞いであげる警察
      …《今の警察は政権を応援する声には反応せず、批判だけ排除する》
   『●《どの演説会場も厳戒体制を通り越して近づきがたい異様な雰囲気…
     私にはかえって危険な状況を作り出しているとしか思えないのだが。》

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https://www.videonews.com/press-club/20231221-ookawara


【警察にはこの事件が意図的な捏造だったことを正直に認めてほしい 大川原化工機社長らが国賠訴訟判決を前に会見】
 (https://youtu.be/tAibXIvT6zc


2023年12月21日公開
警察にはこの事件が意図的な捏造だったことを正直に認めてほしい
大川原化工機社長らが国賠訴訟判決を前に会見

ゲスト
大川原正明 (おおかわら まさあき)
大川原化工機社長

島田順司 (しまだ じゅんじ)
大川原化工機元取締役

高田剛 (たかだ つよし)
弁護士


概要
 生物兵器の製造に転用可能な装置を不正に中国に輸出したとして逮捕・起訴されながら、約1年後に起訴が取り消されて釈放された横浜市の機械メーカー、大川原化工機の大川原正明社長らが、12月19日、日本外国特派員協会で会見し、今月27日に言い渡される判決を前に、警察はこの事件が意図的な捏造だったことを正直に認めてほしいなどと語った。

 同社が生物兵器の製造に利用可能な噴霧乾燥機を政府の許可を得ず中国に輸出していたとして、輸出管理法違反で2020年3月に逮捕され、11ヶ月間の勾留中に繰り返し自白を強要されたという。しかし、大川原氏らは最後まで自白をしなかったため、有罪に持ち込むことが困難と判断した検察は逮捕から331日目となる2021年2月5日、大川原氏と島田氏を釈放し、7月には起訴を取り消した。相嶋元相談役は勾留中に胃がんが悪化し、8度にわたる保釈申請もことごとく却下されたため、嫌疑が晴れないまま死亡している

 その後、大川原氏らは検察を管轄する国と、警視庁を管轄する東京都を相手取り、約5億7,000万円の国家賠償を求めて提訴していた。その一審判決が12月27日に東京地裁で言い渡される。

 この日の会見で大川原、島田の両氏と原告代理人の高田剛弁護士は、この事件は警視庁公安部が意図的にでっち上げたものであり、自分たちと同じような被害者を出さないためにも、警察と検察が自分たちの罪を認めることが重要だとの認識を示したほか、犯罪の立証が曖昧でも身柄を取り、長期の勾留を通じて自白に追い込む人質司法」が依然として日本では横行している実態にも警鐘を鳴らした。
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https://www.asahi.com/articles/ASRDQ5FPYRDBUPQJ00D.html?iref=pc_extlink

公安警察と政権の危うい蜜月 青木理さんがVIVANTに抱く違和感
聞き手・石川智也 2023年12月26日 14時00分

     (「警察の統制のあり方と政治との距離について、
      公安委員会制度の強化充実を含め、これを機に議論を
      深めるべきです」と語るジャーナリストの青木理さん)

 ふだん姿の見えない「公安警察」が注目を集めている。

 軍事転用可能な機器を無許可で輸出した容疑で逮捕され、初公判直前に起訴が取り消された「大川原化工機」(横浜市)の社長らが、国と東京都を訴えた損害賠償訴訟の判決が12月27日、東京地裁で言い渡される。

 この事件は、見込み捜査と強い政治性を特徴とする警備公安警察のゆがみが如実にあらわれた例として、大きな批判を浴びた。2019年夏の参院選での北海道警によるヤジ排除問題などとあわせ、近年、そのありようがあらためて問われている。

 「日本の公安警察」の著書で、数々の冤罪(えんざい)事件やこの国の刑事司法の悪弊を取材してきたジャーナリスト青木理さんに、秘密のベールに包まれてきた公安警察の実態と問題について聞いた。(聞き手・石川智也)

     


戦後まれに見る「警察政権」

 第2次安倍政権と菅(すが)政権は、戦後例のない「警察政権」でした。各省庁を差配する事務担当の官房副長官には一貫して元警察官僚の杉田和博氏が座り、幹部官僚人事を牛耳る内閣人事局が新設されると、間もなくその局長も兼務。また、外交防衛政策を企画立案する国家安全保障局長にも、警察官僚の北村滋氏が起用されました。いずれも、警察組織のうち警備公安部門の要職を歴任した人物です。

 これには歴史的背景があります。

 公安警察は戦後長らく、「反………
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●大川原化工機捏造事件国賠、謝罪や責任を問うこともなく《国と東京都が控訴》…大川原正明社長「あきれた」「やっぱりか」「まだやるのか」

2024年01月17日 00時00分49秒 | Weblog

[↑ がん判明 続いた保釈却下大川原化工機 起訴取り消し (朝日新聞、2023年12月24日(日))]


(2024年01月14日[日])
《無実を訴えた大川原社長らは2020年3月の逮捕後、11カ月にわたり身柄拘束された。元顧問の男性は勾留中に体調を崩し、被告人の立場で72歳で亡くなった》、《訴訟では、警視庁公安部の捜査員が証人尋問で「(事件は捏造(ねつぞう)と証言》、《代理人の高田剛弁護士は「控訴審では、つくり上げられた事件だと踏み込んで認定してもらうため立証を尽くしたい」と強調》(東京新聞)。
 大川原化工機でっち上げ事件。あまりに酷い冤罪事件というか、公安警察・検察によるでっち上げ事件・捏造事件。保釈を認めない裁判所も、あまりに杜撰で冷酷。恥ずかしくて、当然、控訴など出来ないものと思っていた。控訴するなら、大川原化工機側かと。大川原化工機側は、謝罪が当然あるものと考えていたのでは。人の命は戻りはしないし、会社としてはあまりの痛手、《大きな不利益》を被った訳だが。




   『●人質司法による《身柄拘束は実に約十一カ月間》、大川原化工機の

     大川原社長ら…《こんなにひどいことはないと感じたという》青木理さん
   『●大川原化工機事件…でっち上げ事件、《勾留後に亡くなった1人を
     含め、会社側は起訴取り消しになっても大きな不利益を被りました》
   『●日刊ゲンダイ【辛口の経済評論家 佐高信氏が「いい会社」と就活生に
     薦めたい企業3社】《城南信用金庫…久遠チョコレート…大川原化工機》
   『●男性警部補「捏造ですね」…とんでもない冤罪事件・捏造事件・でっち
     上げ事件、国賠が認められても《勾留後に亡くなった1人》の命は戻らない
   『●大川原化工機事件は公安によるでっち上げ…《警視庁公安部が捜査し、
     公判直前に起訴が取り消された事件…現職警部補が「事件は捏造」と証言》
   『●《警察と検察が事件を捏造して、無辜の人たちを犯罪者に仕立て上げる。
     …大川原化工機の例は、この国がすでに“新しい戦前化”している…》
   『●大川原化工機捏造事件国賠…《女性検事は淡々と、「起訴当時の判断を
     間違っているとは思っていない。謝罪する気持ちなどない」と答えた》
   『●大川原化工機でっち上げ事件の国賠…《13年前の「正義の検事」が“冤罪”
       事件で謝罪拒む》、実は郵便不正事件当時も《問題検事》だった模様
   『●大川原化工機でっち上げ事件国賠訴訟…当然の勝訴判決ではあるが、《勾留
      後に亡くなった1人》の命は戻らないし、あまりに《大きな不利益》…

 で、………呆れた、謝罪すらしない…《国と東京都が控訴》。冤罪の真相を明らかにしようともしない。再発防止もやる気無し。ならば仕方なく、同社も控訴。《同社側の代理人弁護士は取材に、控訴の理由を「警視庁と検察から謝罪がない冤罪(えんざい)の真相を明らかにすべく、立証を尽くしたい」と話した》(東京新聞)。
 山田雄之記者による、東京新聞の記事【「大川原化工機」国賠訴訟、国と東京都が控訴「上級審の判断を仰ぐことが妥当」】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/301875)。《軍事転用可能な機械を不正輸出したとして逮捕・起訴され、後に起訴が取り消された機械製造会社「大川原化工機」(横浜市)の大川原正明社長(74)らが国家賠償を求めた訴訟で、国と東京都は10日、計約1億6000万円の支払いを命じた2023年12月の東京地裁判決を不服として、東京高裁に控訴した。同社側も控訴した》。

 国賠控訴審では大幅な賠償金アップを。関係者の責任と処分を。
 同紙の記事【控訴は「警視庁が結論」と長官 起訴違法認定の東京地裁判決で】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/302038)。《横浜市の「大川原化工機」を巡る外為法違反事件での警視庁などの捜査が違法と判断された昨年12月の東京地裁判決を受け、警察庁の露木康浩長官は11日の定例記者会見で「警視庁で精査した結果、上級審の判断を仰ぐことが適当との結論に至った」と述べた。10日に東京都側と国側、社長側の双方が控訴している。2021年7月に起訴が取り消されたことについては「真摯に受け止めるべきもの」と述べ、「全国の都道府県警察に対する指導をさらに徹底していく」とした。検証の必要性を問われると、上級審に対応する過程の中で、警視庁が事実関係を整理するとし「今後の捜査に生かしていくと承知している」と話した》。
 山田雄之池田悌一両記者による、同紙の記事をもう一つ。【大川原化工機社長「あきれた」そして「やっぱりか」 国と東京都が控訴 警察庁長官が語ったのは…】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/302120)/《機械製造会社「大川原化工機」(横浜市)の大川原正明社長(74)らによる国家賠償訴訟で、捜査の違法性を認めた東京地裁判決不服として国と東京都が控訴したことについて、大川原社長は11日に東京都内で開いた記者会見で「あきれた」と語った》。

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/301875

「大川原化工機」国賠訴訟、国と東京都が控訴「上級審の判断を仰ぐことが妥当」
2024年1月10日 19時18分

 軍事転用可能な機械を不正輸出したとして逮捕・起訴され、後に起訴が取り消された機械製造会社「大川原化工機」(横浜市)の大川原正明社長(74)らが国家賠償を求めた訴訟で、国と東京都は10日、計約1億6000万円の支払いを命じた2023年12月の東京地裁判決を不服として、東京高裁に控訴した。同社側も控訴した。


◆大川原社長側も控訴「冤罪の真相を明らかにして」

 公安部の逮捕と東京地検の起訴が違法だったのかどうか、高裁で改めて審理されることになった。警視庁は控訴後「上級審の判断を仰ぐことが妥当との結論に至った。今回の件を契機に部内教養を強化していく」とコメントし、東京地検の新河隆志次席検事は「判決内容を検討し、上級審の判断を仰ぐことにした」との談話を出した。

 訴訟では、警視庁公安部の捜査員が証人尋問で「(事件は捏造(ねつぞう)と証言したが、地裁判決では言及がなかった。同社側の代理人弁護士は取材に、控訴の理由を「警視庁と検察から謝罪がない冤罪(えんざい)の真相を明らかにすべく、立証を尽くしたい」と話した。

 地裁判決では、大川原化工機の機械を輸出規制の対象と判断した逮捕と起訴を「合理的な根拠が欠如している。必要な捜査が尽くされていない」として違法と判断した。

 無実を訴えた大川原社長らは2020年3月の逮捕後、11カ月にわたり身柄拘束された。元顧問の男性は勾留中に体調を崩し、被告人の立場で72歳で亡くなった。(山田雄之


関連記事】警視庁公安部が「無理筋」の捜査で繰り返した「独自解釈」 違法判決を受けた暴走はなぜ起きたか
【関連記事】逮捕、起訴は「合理的な根拠が欠如」 国と東京都に1億6000万円賠償命令 大川原化工機の国賠訴訟
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/302120

大川原化工機社長「あきれた」そして「やっぱりか」 国と東京都が控訴 警察庁長官が語ったのは…
2024年1月11日 19時34分

 機械製造会社「大川原化工機」(横浜市)の大川原正明社長(74)らによる国家賠償訴訟で、捜査の違法性を認めた東京地裁判決不服として国と東京都が控訴したことについて、大川原社長は11日に東京都内で開いた記者会見で「あきれた」と語った。


あわせて読みたい
「大川原化工機」国賠訴訟、国と東京都が控訴「上級審の判断を仰ぐことが妥当」


 大川原さんら同社の3人は2020年3月、軍事転用可能な機械を不正輸出したとして、警視庁公安部に逮捕され、東京地検に起訴された。大川原さんらは11カ月間にわたり身柄拘束された後に起訴が取り消され、国賠訴訟を起こした。

     (記者会見する大川原化工機の
      大川原正明社長(左から2人目)ら)

 大川原さんは会見で、国と都の控訴について「『やっぱりか』が第一の感想。まだやるのか、という思いです」と述べ、勾留中に体調を崩し被告人のまま72歳で亡くなった元顧問相嶋静夫さんの長男(50)は「落胆した」と話した。

 会社側も控訴したことについて、原告で元取締役の島田順司さん(70)は「(捜査機関側が)再発防止策も取らず控訴するのであれば、私たちも再度主張して真相を明らかにしてほしいと思った」と語った。

 一審では公安部の捜査員が証人尋問で「(事件は(ねつ)(ぞう)と証言したが、判決は言及しなかった。代理人の高田剛弁護士は「控訴審では、つくり上げられた事件だと踏み込んで認定してもらうため立証を尽くしたい」と強調した。(山田雄之


◆「警視庁は判決受け入れが難しかった」と警察庁長官

 警察庁の露木康浩長官は11日の定例記者会見で、大川原化工機を巡る国家賠償訴訟で東京都が控訴したことについて「一審判決が『捜査を怠った』『原告を誤解させて供述調書に署名させた』とした点が、警視庁として証拠上受け入れることが難しかったと報告を受けている」と述べた。

     (警視庁(資料写真))

 問題点の検証作業については、控訴審の審理過程で「警視庁が事実関係をさらに整理し、判明した教訓を今後の捜査に生かしていく」と説明した。

 露木長官は「捜査が法と証拠に基づいて緻密かつ適正に行われなければいけないことは言うまでもない」と強調。起訴が取り消されたことは「警察庁としても真摯(しんし)に受け止める」とし、全国の都道府県警への指導を徹底していく考えを示した。(池田悌一


【関連記事】警視庁公安部が「無理筋」の捜査で繰り返した「独自解釈」 違法判決を受けた暴走はなぜ起きたか
【関連記事】2年前の警察白書、「捏造」事件の記述やっと削除 捜査員が異例の証言した6日後に ネット版
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●大川原化工機でっち上げ事件国賠訴訟…当然の勝訴判決ではあるが、《勾留後に亡くなった1人》の命は戻らないし、あまりに《大きな不利益》…

2024年01月12日 00時00分39秒 | Weblog

[↑ がん判明 続いた保釈却下大川原化工機 起訴取り消し (朝日新聞、2023年12月24日(日))]


/ (2023年12月30日[土])
大川原化工機でっち上げ事件。あまりに酷い冤罪事件というか、公安警察・検察によるでっち上げ事件・捏造事件。保釈を認めない裁判所も、あまりに杜撰で冷酷。

   『●人質司法による《身柄拘束は実に約十一カ月間》、大川原化工機の
     大川原社長ら…《こんなにひどいことはないと感じたという》青木理さん
   『●大川原化工機事件…でっち上げ事件、《勾留後に亡くなった1人を
     含め、会社側は起訴取り消しになっても大きな不利益を被りました》
   『●日刊ゲンダイ【辛口の経済評論家 佐高信氏が「いい会社」と就活生に
     薦めたい企業3社】《城南信用金庫…久遠チョコレート…大川原化工機》
   『●男性警部補「捏造ですね」…とんでもない冤罪事件・捏造事件・でっち
     上げ事件、国賠が認められても《勾留後に亡くなった1人》の命は戻らない
   『●大川原化工機事件は公安によるでっち上げ…《警視庁公安部が捜査し、
     公判直前に起訴が取り消された事件…現職警部補が「事件は捏造」と証言》
   『●《警察と検察が事件を捏造して、無辜の人たちを犯罪者に仕立て上げる。
     …大川原化工機の例は、この国がすでに“新しい戦前化”している…》
   『●大川原化工機捏造事件国賠…《女性検事は淡々と、「起訴当時の判断を
     間違っているとは思っていない。謝罪する気持ちなどない」と答えた》
   『●大川原化工機でっち上げ事件の国賠…《13年前の「正義の検事」が“冤罪”
       事件で謝罪拒む》、実は郵便不正事件当時も《問題検事》だった模様

 アサヒコムの記事【消えた「外事容疑性」シナリオ 公安部暴走の背景は チャート図入手】(https://www.asahi.com/articles/ASRDR5Q0ZRDGUTIL043.html?iref=comtop_7_01)。《軍事転用可能な機器を無許可で輸出したとして「大川原化工機」(横浜市)の社長らが逮捕、起訴され、その後に起訴が取り消された事件で、同社の社長らが捜査の違法性を主張し、国と東京都に賠償を求めた訴訟の判決が27日、東京地裁で言い渡される。裁判は、捜査を担当した警視庁の現役警察官が事件を捏造(ねつぞう)と証言するなど、異例の展開を見せた》。

 男性警部補「捏造ですね」…とんでもない冤罪事件・捏造事件・でっち上げ事件、国賠が認められても《勾留後に亡くなった1の命は戻らない
 アサヒコムの記事【ガンでも保釈却下、夫は逝った 妻が語る「あまりに理不尽な最期」】(https://www.asahi.com/articles/ASRDR4DVCRDGUTIL044.html?iref=comtop_list_01)。《逮捕された夫は勾留中にがんが見つかっただがなかなか外部の病院で診察を受けられず、入院できた時には既に末期になっていた。その事件は起訴取り消しに至ったが、夫はそれを知る前に亡くなった。妻は夫の遺影を前に、「謝ってほしい」と訴える》。
 山田雄之記者による、東京新聞の記事【冤罪はなぜ起きたのか「真実を明らかに、警察や検察の責任に言及を」大川原化工機の国賠訴訟、27日判決】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/297956)。《軍事転用可能な機械を不正輸出したとして逮捕・起訴され、後に起訴が取り消された機械製造会社「大川原化工機」(横浜市)の社長らが国と東京都に損害賠償を求めた訴訟の判決が27日、東京地裁である。1年近く勾留された社長は「裁判所は警察や検察の責任に言及してほしい」と望んでいる。(山田雄之)》。

 そして、2023年12月27日(水)、当然の勝訴判決だ。でも、《勾留後に亡くなった1の命は決して戻らない。《約5億7千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決…国と都に約1億6千万円の賠償》では、割に合う訳もないあまりに大きな不利益》を被ってしまったし、そのダメージはあまりに大きく、償いようもない。
 東京新聞の記事【捜査捏造訴訟で損害賠償命令 地裁、警視庁・検察に違法と判断】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/298471)。《生物兵器の製造に転用可能な装置を無許可で輸出したとする外為法違反罪などに問われ、後に起訴が取り消された横浜市都筑区の「大川原化工機」の大川原正明社長(74)らが東京都と国に損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は27日、大川原社長ら3人に対する警視庁公安部の逮捕や東京地検の起訴をいずれも違法と判断し、賠償の支払いを命じた。審理は証人尋問に出廷した公安部員が事件を捏造と証言するなど異例の経過をたどり、捜査の再検証が求められそうだ。大川原社長は判決後、「適切な判断をしてくれたと受け止めている。警視庁、検察庁にはしっかり検証して、できることなら謝罪をいただきたい」と報道陣に述べた。桃崎剛裁判長は公安部について「通常求められる捜査をしていれば、問題となった装置が輸出規制の要件を満たさないとの証拠を得られた」と指摘、検察も有罪立証の上で当然必要な捜査をしないまま起訴した」と判断した》

アサヒコムの記事【国と東京都に約1.6億円の賠償命令 「大川原化工機」国賠訴訟】(https://www.asahi.com/articles/ASRDV4TS3RDNUTIL04D.html?iref=comtop_7_01)/《軍事転用可能な機器を無許可で輸出したとして逮捕、起訴され、その後起訴が取り消された「大川原化工機」(横浜市)の社長らが、国と東京都に計約5億7千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が27日、東京地裁(桃崎剛裁判長)であった。判決は、警視庁が社長らを逮捕したこと、東京地検が起訴したことをいずれも違法だったと認め、国と都に約1億6千万円の賠償を命じた》。

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https://www.asahi.com/articles/ASRDR5Q0ZRDGUTIL043.html?iref=comtop_7_01

消えた「外事容疑性」シナリオ 公安部暴走の背景は チャート図入手
小早川遥平 比嘉展玖   2023年12月24日 7時00分

     (警視庁公安部が作成した事件チャート図
      =2023年12月20日午後2時46分)

 軍事転用可能な機器を無許可で輸出したとして「大川原化工機」(横浜市)の社長らが逮捕、起訴され、その後に起訴が取り消された事件で、同社の社長らが捜査の違法性を主張し、国と東京都に賠償を求めた訴訟の判決が27日、東京地裁で言い渡される。裁判は、捜査を担当した警視庁の現役警察官が事件を捏造(ねつぞう)と証言するなど、異例の展開を見せた。


ガンでも保釈却下、夫は逝った 妻が語る「あまりに理不尽な最期」

 捜査開始から逮捕まで3、さらに起訴取り消しまで1年4カ月。なぜ捜査は突き進んだのか。

 朝日新聞は警視庁公安部が捜査時に作成したチャート図を入手した。事件に関する人や企業の相関性を記したものだ。

 捜査が始まったとされる2017年に作成された図は「大川原化工機(株)と中国軍需産業との繫がり」と題する。同社から中国の軍需企業子会社に噴霧乾燥機が輸出され、「セラミック部品の製造に利用されている可能性」があると記す。

 さらに、軍需企業と合弁で現地法人を設立▽軍需企業向けに噴霧乾燥機を輸出▽軍需品調達機関向けに小型部品等を継続輸出――と記し、「外事容疑性」と強調していた。

 捜査関係者によると、外国勢力の関与などを示す外事容疑性は公安部にとって重要な要素で、外事部門の事件の評価に影響する。捜査に関わった幹部の一人は「合弁会社を作らせて技術を盗むのは中国の常套(じょうとう)手段。狙いはセラミック技術だとみていた」と振り返る。

 同社側によると、家宅捜索を受けた18年10月、捜査員は社長らに「あってはならない所におたくの製品があった」と繰り返した。しかし、「あってはならない所」がどこを指すのかは最後まで明らかにされず、同社が調べても分からなかった


「軍事委員会」強調するもう1枚のチャート図


 捜索後の19年7月に作られ……
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https://www.asahi.com/articles/ASRDR4DVCRDGUTIL044.html?iref=comtop_list_01

ガンでも保釈却下、夫は逝った 妻が語る「あまりに理不尽な最期」
比嘉展玖 2023年12月23日 17時00分

     (相嶋静夫さんの遺影に手を合わせる妻=2023年
      12月6日午後3時35分、静岡県富士宮市、比嘉展玖撮影)

 逮捕された夫は勾留中にがんが見つかっただがなかなか外部の病院で診察を受けられず、入院できた時には既に末期になっていた。その事件は起訴取り消しに至ったが、夫はそれを知る前に亡くなった。妻は夫の遺影を前に、「謝ってほしい」と訴える。


     (裁判内で「警察の作文」指摘 起訴取り消し事件
      国賠訴訟、27日判決)


 静岡県富士宮市。夫婦で2018年に移り住んだ自宅からは、富士山が一望できる。

 大川原化工機(横浜市)の顧問だった相嶋静夫さんの妻(75)は、「ひとりになったら寂しいから、お互い健康に気をつけようって約束したんです。最期がこんな形になるなんて、むなしくてね」と肩を震わせた。

 技術者として同社を支えた相嶋さんは現場を退き、同社の研究所で後輩の指導に励んでいた。「主人はきちょうめんで、仕事に妥協を許さない人でした」

 相嶋さんは20年3月に警視庁公安部に逮捕された。その前に18回にわたって任意聴取を受けていた。聴取から帰宅すると、「捜査員は勉強不足でいいかげん何度説明しても理解してもらえないんだ」と漏らしていたという。

 起訴され、東京拘置所に勾留されていた20年9月、相嶋さんは貧血が発症し、輸血処理を受けた。黒い便も出て消化管出血が疑われた。外部の病院を受診したいと保釈を求めたが認められず、拘置所で内視鏡検査を受け、10月に悪性腫瘍(しゅよう)とわかった。


■認められない保釈

 外部の病院での精密検査や治………
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/297956

冤罪はなぜ起きたのか「真実を明らかに、警察や検察の責任に言及を」大川原化工機の国賠訴訟、27日判決
2023年12月24日 19時50分

 軍事転用可能な機械を不正輸出したとして逮捕・起訴され、後に起訴が取り消された機械製造会社「大川原化工機」(横浜市)の社長らが国と東京都に損害賠償を求めた訴訟の判決が27日、東京地裁である。1年近く勾留された社長は「裁判所は警察や検察の責任に言及してほしい」と望んでいる。(山田雄之


◆「事件はねつ造」警察官が異例の証言

 「(事件は)捏造(ねつぞう)ですね逮捕も必要なかった」「捜査幹部がマイナス証拠を全て取り上げない姿勢だった反証していればこういうことは起きなかった

     (27日の判決を前に記者会見する大川原正明さん(右)と
      島田順司さん=19日、東京都千代田区の日本外国特派員協会で)


あわせて読みたい
「罪を認めた方が得策では…」大川原化工機社長、悩んだ日々を吐露 警官が「捏造」証言した事件が27日に判決


 2023年6月の証人尋問で、事件を担当した警察官2人が、当時の捜査を批判する異例の証言をした。

 原告の大川原正明社長(74)は「2人の警察官が無実だと認識していた。逮捕からの日々が報われた」と振り返る。


◆粉ミルク製造器で炭疽菌作れる?

 問題となったのは、大川原化工機が製造する「噴霧乾燥機」。液体を高温のヒーターで乾かして粉に加工するもので、粉末コーヒーや粉ミルクの生産に使われる。中国など海外にも販路を広げて国内トップシェアメーカーとなっていた。

     (大川原化工機が製造した噴霧乾燥機と大川原正明社長)

 警視庁公安部は2018年10月、機械は生物兵器の製造に転用可能だとして、国の許可を得ずに輸出したとする外為法違反容疑で、関係先を一斉に家宅捜索。大川原側の50人が延べ291回の任意聴取を受けた。

 「輸出を規制される機械ではない」と否定したが、20年3月、大川原さんら3人は中国への不正輸出容疑で逮捕された。「全面的に捜査に協力していたのに」と失望したという。

 会社は銀行融資が止まり、売り上げは4割減。社員たちは機械が国の輸出規制対象に当たらないと証明しようと実験を繰り返した。炭疽菌(たんそきん)などを製造するには、機械を扱う人が細菌に感染しないよう、内部の菌を熱で全て死滅させなければならない。だが、温度が上がりきらず菌が生き残る箇所があることが分かった。


◆保釈2日後、元顧問は末期の胃ガンで死去

 保釈が認められたのは21年2月。2日後、ともに逮捕されていた元顧問の相嶋静夫さん=当時(72)=が亡くなった。相嶋さんは前年秋に拘置所で胃がんが判明。何度も保釈請求したが裁判所は認めなかった。ようやく勾留停止になり入院した時は末期だった。大川原さんは会社関係者との接触が認められておらず、葬式も出られなかった。

 刑事裁判の準備を進めていた21年7月、東京地検が突然、起訴を取り消した。大川原さんは「無実だと言わず、長期間拘束した謝罪もない信用を回復し、真実を明らかにする」と国賠訴訟の提起を決めた。

 訴訟では警察の問題点だけでなく、検察側も起訴前、機械内の温度が上がりきらない箇所があることを社員から聴いていたことも明らかになった。

 大川原さんは「誠実に仕事に向き合ってきた中で社員も会社も傷つき、大切な仲間を失った。二度とこのような冤罪(えんざい)事件は起きてほしくない」と話している。


【関連記事】2年前の警察白書、「捏造」事件の記述やっと削除 捜査員が異例の証言した6日後に ネット版
【関連記事】<社説>公安事件「捏造」 不当捜査、全容解明せよ
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https://www.asahi.com/articles/ASRDV4TS3RDNUTIL04D.html?iref=comtop_7_01

国と東京都に約1.6億円の賠償命令 「大川原化工機」国賠訴訟
金子和史 2023年12月27日 14時04分

     (東京地裁に向かう原告団=2023年12月27日
      午後1時27分、東京地裁、友永翔大撮影)

 軍事転用可能な機器を無許可で輸出したとして逮捕、起訴され、その後起訴が取り消された「大川原化工機」(横浜市)の社長らが、国と東京都に計約5億7千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が27日、東京地裁(桃崎剛裁判長)であった。判決は、警視庁が社長らを逮捕したこと、東京地検が起訴したことをいずれも違法だったと認め、国と都に約1億6千万円の賠償を命じた。


ガンでも保釈却下、夫は逝った 妻が語る「あまりに理不尽な最期」
消えた「外事容疑性」シナリオ 公安部暴走の背景は チャート図入手
【連載】冤罪はこうしてつくられた 大川原化工機事件を追う


 同社は、液体を粉に加工する「噴霧乾燥機」を製造、輸出していた。警視庁公安部は2020年3月、生物兵器の製造に転用が可能で、輸出規制の対象なのに国の許可を得ずに輸出したとして、外国為替及び外国貿易法違反の容疑で大川原正明社長ら3人を逮捕した。

 東京地検は同月に起訴したが、その後、同社の機器が、輸出規制の要件の一つである殺菌性能を満たさない可能性があるとして21年7月に起訴を取り消した。この間、逮捕、勾留されていた同社顧問の相嶋静夫さんは、保釈が認められないまま胃がんが悪化して亡くなった

 同社側は同年9月に提訴。殺菌性能をめぐる輸出規制の要件について「所管する経済産業省も明確な定義を持っていなかったのに、公安部が誤った独自の解釈をして逮捕した」「複数の社員が指摘した問題点について、確認実験をすれば規制対象外だと分かったのに、これを怠った」などと訴えた。

 国や都は「犯罪の嫌疑に相当な理由があった」とし、捜査幹部だった警視(当時は警部)は「着手すべき事件だった」、起訴した検察官は「起訴に間違いがあったと思っていない」と証言。取り調べや罪証隠滅のおそれなどを踏まえて逮捕、起訴したことは「合理的だった」と主張した。

 ただ、今年6月、証人として出廷した現役の公安部の警部補は、事件についてまあ、捏造(ねつぞう)ですね」と証言。別の警部補も「捜査幹部がマイナス証拠を全て取り上げない姿勢があった」などと述べていた。

 判決は、社員らが指摘した問題点について確認することは当然に必要な捜査だった」と指摘。行っていれば、同社の機器が殺菌性能を満たさないことは容易に明らかにできたのに、警視庁がこれをしないまま社長らを逮捕したのは違法だった、と判断した。

 地検も社員らの指摘について報告を受けており、やはり必要な捜査をしないで起訴したことは違法、とした。(金子和史)
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●「利権」「裏金」党では《裏金は「文化」》! 今年も酷い一年だった、ホントに《年の暮れになって私たちは何を見せられているのだろうか》

2023年12月31日 00時00分05秒 | Weblog

[※ 《#素淮会(そわいかい)…麻生太郎財務相…「会合費」として約二千万円…支払先は料亭や会員制サロンなど》(東京新聞 2018年12月1日)↑]


/ (2023年12月19日[火])
《裏金は「文化」》! さすが、カルト協会とヅボヅボな「利権」「裏金」党。
 日刊スポーツのコラム【政界地獄耳/裏金は「文化」発言 問われる鈴木前総務相の見識】(https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202312190000025.html#goog_rewarded)によると、《だが鈴木は辞めたとはいえ、この問題の主務官庁でもある総務大臣。また巨悪を眠らせない東京地検特捜部が、この金額で目くじらを立てないとの目算があるような物言いに、政界では「挑発している」との声も上がる。またこの時、「この世界文化と言えば変だが、そういう認識があった」との妙な説明をつけた。…最近各地で発覚している都道府県の県連パーティーと派閥のパーティーが、裏金づくりの温床になっていた党内の暗黙のルールを文化と指すなら、裏金文化の合法化と思われても仕方がない。キックバックや還流という考えも、自民党ではいわば文化なのだろう。鈴木の発言はいずれも総務相としての見識が問われる発言ではないか。》

 「盛者必衰の理」のアベ様派と地位に恋々としがみつくキシダメ首相。それにしても、この一年も酷い政治状況でした。(狙撃兵)《それにしても、年の暮れになって私たちは何を見せられているのだろうか》?
 長周新聞のコラム【訂正「火の玉」→「火だるま」/コラム 狙撃兵】(https://www.chosyu-journal.jp/column/28489)。《恐らく「火の玉」ではなく「火だるま」の間違いなのだろう。時事世論調査でついに内閣支持率は17・1%まで落ち込み、裏金パーティー券問題でのグダグダとした対応如何によっては、今後さらに急落していく気配を見せている。我が世の春を謳歌していた安倍派のみならず他派閥も含めて、自民党が開催してきた政治資金パーティーとは要するに裏金作りの一大イベントだったことが暴露され、年の瀬も迫るこの時期になって政界は大炎上である。これらの自民党の裏金作り集団火の玉になって、いったい何がどうなるというのだろうか? というか、「進め一億火の玉だ」(大政翼賛会が掲げたスローガン)をもじっているのだろうか? などと言葉の選択に疑問も抱きつつ、岸田文雄の涙目の会見を眺めていた》。

   『●どういう神経? ウルトラ差別主義者な財務相・副首相が大量密集
     《カネ集めパーティ》の強欲。《夜の街》は御控えになっているのか?
   『●《派閥というより党としての脱税指南があったのではないかと疑いたく
     なる。それでいて議員の給料を上げる法律は通す厚顔ぶり》(政界地獄耳)
   『●パー券キックバック疑惑…カルト協会とヅボヅボな「利権」党の政治資金
     収支報告書への支出記載無しのキックバック、議員の受領記載無しの裏金
   『●キックバックして裏金化、党(派閥)も議員サイドもどちらも収支報告書
     不記載…カルト協会とヅボヅボな「利権」「裏金」党が《脱税指南》?
   『●パー券キックバック・裏金疑惑…いつまで《自民党内はまだ人ごとの
     よう》でいられるか? 西村経産相「膿を出さなければいけない」って…
   『●(政界地獄耳)《引き際の汚い安倍派 往生際の悪さは派閥の伝統か》…
     「盛者必衰の理」のアベ様派と地位に恋々としがみつくキシダメ首相
   『●パー券中抜き・キックバック(戻し)・裏金疑惑…カルト協会とヅボヅボ
      な反社的「利権」「裏金」党全体の組織的犯罪、党全体の構造的問題

   『●郷原信郎弁護士「政治資金規正法は真ん中に大穴があいたザル法。法改正
     に向けた議論も本格化しないと、政治とカネの問題は繰り返される」(1/2)
   『●郷原信郎弁護士「政治資金規正法は真ん中に大穴があいたザル法。法改正
     に向けた議論も本格化しないと、政治とカネの問題は繰り返される」(2/2)

 金子勝さんは、傍観者ではいけない、と言う。検察のさじ加減で政権が左右されていはいけない。韓国のように、ファシズムの萌芽となる。田中角栄氏、小沢一郎氏(「期づれ」(期ズレ冤罪事件、「小沢裁判」)など、政権が揺るぎ、アメリカ追従化が進む。また、日刊ゲンダイの記事【映画「『知事抹殺』の真実」が描く国策捜査と報道の“闇”】(http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/191719)を読むとわかるが、《5期18年務めた福島県の佐藤栄佐久元知事(77)が「謎の収賄事件」で突然、政治生命を絶たれてから10年。“冤罪”まがいの「収賄額0円」という前代未聞の有罪判決が確定しているが、なぜ佐藤がつぶされたのか。ドキュメンタリー映画「『知事抹殺』の真実」(安孫子亘監督)…》…福島県では、検察が、佐藤栄佐久・元知事をつぶすことで、原発を推進する、といった具合だ。だからこそ、民主的な方法で政権交代を達成しなければいけない。傍観者ではいけない。単なる野党批判に堕していてはいけない。#選挙に行かないとこうなる #自民党に投票するからこうなる ← 諸悪の根源はコレ。
 デモクラシータイムスの映像資料【2023吼え納め!破綻する裏金国家~アベ2015年体制の大罪【金子勝の言いたい放題】20231219】(https://www.youtube.com/watch?v=N-JkwUiUqto)。《2023年を締めくくる金子勝の言いたい放題。パー券問題が政権を揺さぶります。でも、自民党の裏金づくりのあきれた実態は問題の入り口です。今や日本は国家をあげて裏金を作り本当はできないはずの防衛費43兆円をすすめ、政権を維持しようと時々の思い付きでバラマキをし、その結果、屋台骨が傾いていることに眼をつぶって暴走しています。その出発点は、2015年。安倍政権の2015年体制と呼ぶべき政治自体が、国家規模の裏金づくりと倫理の崩壊を招いてきました。それを許してきた野党と便乗もしたマスコミの罪も大きい。その仕組みと体制を俯瞰し明快に語る金子節を堪能ください。新年には、では、この後何をするべきか、大いに語っていただきます。2023年12月19日収録》



   『●安孫子亘監督映画「『知事抹殺』の真実」の 
      佐藤栄佐久元知事冤罪…泉田裕彦新潟県知事「事件」の背景に?
   『●書籍紹介『20人の識者がみた 「小沢事件」 の真実
               捜査権力とメディアの共犯関係を問う』

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https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202312190000025.html#goog_rewarded

コラム
政界地獄耳
2023年12月19日7時1分
裏金は「文化」発言 問われる鈴木前総務相の見識

★9月13日発足の第2次岸田第2次改造内閣で総務大臣に就任し、悲願の初入閣を果たした総務相・鈴木淳司。まじめ一徹できた人だけに入閣は多くが喜んだ。愛知7区、当選6回だが、民主党政権が生まれた09年の選挙では民主党新人の山尾志桜里に負け落選。12年の選挙では当選も、14年の選挙では山尾に選挙区で5000票差で負けるが比例復活。4度目の対決となった17年の選挙では、山尾が不倫疑惑報道で民進党を離党。無所属で出馬し鈴木有利といわれたが、834票差で敗れ比例復活した。

★鈴木は安倍派の裏金問題を否定していたが15日に一転して計60万円のキックバックを認めた。「派閥で正式に届け出たお金で『活動費』として交付され、経費として使っていいと思っていた」「裏金として受け取ったという認識はなかった」と、額は小さいものの各議員と同様の説明だ。過去の政治とカネでもこう説明していれば立件できなかったこともあり、そう説明している可能性がある。だが鈴木は辞めたとはいえ、この問題の主務官庁でもある総務大臣。また巨悪を眠らせない東京地検特捜部が、この金額で目くじらを立てないとの目算があるような物言いに、政界では「挑発している」との声も上がる。またこの時、「この世界文化と言えば変だが、そういう認識があった」との妙な説明をつけた。

★ネットでは「不倫は文化だのような言い方」と批判があるようだが、最近各地で発覚している都道府県の県連パーティーと派閥のパーティーが、裏金づくりの温床になっていた党内の暗黙のルールを文化と指すなら、裏金文化の合法化と思われても仕方がない。キックバックや還流という考えも、自民党ではいわば文化なのだろう。鈴木の発言はいずれも総務相としての見識が問われる発言ではないか。(K)※敬称略
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https://www.chosyu-journal.jp/column/28489

訂正「火の玉」→「火だるま」
コラム 狙撃兵 2023年12月18日

 恐らく「火の玉」ではなく「火だるま」の間違いなのだろう。時事世論調査でついに内閣支持率は17・1%まで落ち込み、裏金パーティー券問題でのグダグダとした対応如何によっては、今後さらに急落していく気配を見せている。我が世の春を謳歌していた安倍派のみならず他派閥も含めて、自民党が開催してきた政治資金パーティーとは要するに裏金作りの一大イベントだったことが暴露され、年の瀬も迫るこの時期になって政界は大炎上である。これらの自民党の裏金作り集団火の玉になって、いったい何がどうなるというのだろうか? というか、「進め一億火の玉だ」(大政翼賛会が掲げたスローガン)をもじっているのだろうか? などと言葉の選択に疑問も抱きつつ、岸田文雄の涙目の会見を眺めていた。

 私たちが目下見せつけられているのは、表現としては「火の玉」などではない。「火だるま」状態の安倍派なり岸田政権の姿である。さもしくせこい裏金作りの実態が白日の下に晒されて、なんだか勝手に燃え始めた――。世間一般からするとそんな印象すらある今回の政界汚職事件。20~30年前からノルマ以上のキックバックは慣例で、ずっとやっていた等々の報道もあり、わかっていたくせになぜこのタイミングで検察や商業メディアはやんやの騒ぎを始めたのか? という疑問もあるが、兎にも角にも明らかになった以上、政治家たちの汚職や腐敗は是正されて然るべきである。裏金作りに加担した者たちは一人残らず成敗されて公民権停止まで追い込まれるべきで、しっかりと火だるまになって燃え尽きるべきだろう。

 動揺する安倍派の下っ端のなかからは、「政治資金収支報告書に記載しないよう派閥から指示されていた」「しゃべるな! と箝口令がしかれている」等々の不満も出始め、泥船からの脱出劇でも始まったのかと思わせている。派閥から恨まれるリスクを背負ってなおそのような嘘をつく必要などないだろうし、恐らく箝口令がしかれているのも事実なのだろう。谷川弥一がメモを棒読みしたのがあらわしたように、逃げ口上のコメントまで統一しており、発覚後の対応もまた派閥ぐるみなのである。「派閥から記載しないよう指示されていた」についても、1人や2人という規模ではなく清和会所属の国会議員たちの誰一人として収支報告書に記載せず、裏金としてポッケにインしていた事実からして、派閥ぐるみで示し合わせていたことは誰にでもわかる。記載すれば裏金にならないのだから、そもそも記載するわけがないのである

 そのようにして稼いだ裏金の小遣いを彼らは何に使っていたのか? 領収もいらず、何に使ったのか明らかにする必要もないカネについて、どの事務所であれ会計責任者や秘書が勝手に使うわけなどなく、政治家本人がどのようなカネがいくらあるのか把握した上で使っていたと見なすのが自然だ。表に出るものならまだしも、裏金ならなおさらである。公表できない使い方があるからこそ裏金が必要となり、そのための捻出システムとしてパーティーをくり広げていたのだ

 それにしても、年の暮れになって私たちは何を見せられているのだろうかという気もしないでもない。物価は上がり、食料も燃油も電気代その他もみな上がり、暮らしていくのに精一杯という状況が普遍的な昨今。早急に消費税を減税するなり、国民の暮らしを底上げするなり緊急政策を実施すべき政府が無能というか、自民党は己の懐のキックバックばかり考えているせこい連中の巣窟で、勝手に火だるまになって燃えている。支持率低迷の総理大臣といえば、何をいっているのかさっぱり不明で涙目になって能面という有り様である。さっさと解散総選挙を実施して、自民党にはドロップキックでも食らわせなければ、彼らに自浄作用など望めない
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●再審法の改正を…桐山桂一さん《冤罪ほど人生や人権を踏みにじる不正義はない。…袴田巌さんの再審が決まった…大崎事件は…冤罪が疑われる》

2023年12月28日 00時00分37秒 | Weblog

[↑ ※袴田事件捜査機関による証拠捏造》…《第三者は捜査機関の者である可能性が極めて高いと思われる》(『報道特集』、2023年03月18日[土])]


(20231108[])
〝叫べなくなる〟のを待つ冷酷な司法…原口アヤ子さん、一貫して「あたいはやっちょらん」。
 大崎事件、(第4次再審請求の即時抗告審)再審開始認めず。福岡高裁宮崎支部・矢数昌雄裁判長殿、一体どうなってんのかね、裁判所は? ――― 原口アヤ子さん、一貫して「あたいはやっちょらん」。《「無辜(むこ)の人の救済を目的とする再審の理念》はどこに? (西日本新聞)《医学の専門家でない裁判所が十分な根拠も示さず、専門家による科学的証拠を退けた不当な判断と言える》。
 原口アヤ子さんの懸命の叫びは裁判官には届かない…。(2022年07月)《これまでに地裁、高裁で3度再審開始が認められたが、いずれも検察側の不服申し立てを受け、2019年には最高裁が、鹿児島地裁、福岡高裁宮崎支部の開始決定を取り消していた》、かつて、最「低」裁ちゃぶ台返ししている。一体どこまでボンクラ裁判官なのか?

   『●《周防正行さんが「あたいはやっちょらん。大崎事件第4次再審請求
     ・糾せ日本の司法」と銘打ち、インターネット上に立ち上げた…CF》
   『●憲法《37条1項が保障する『公平な裁判所による裁判を受ける権利』が
       侵害され》ている…飯塚事件、大崎事件の裁判に「公正らしさ」は?
   『●原口アヤ子さん・大崎冤罪事件…《被害者は自転車事故による出血性
     ショックで死亡した可能性があり「殺人なき死体遺棄事件」だった》?
   『●大崎事件、再審開始を認めず ――― 終始一貫して「あたいはやっちょ
     らん」、原口アヤ子さんの懸命の叫びはなぜ裁判官には届かないのか?
   『●大崎事件冤罪・原口アヤ子さん「あたいはやっちょらん」「やっちょ
     らんもんはやっちょらん」「ちゃんと認めてもらうまでは死ねない」
   『●大崎事件《無辜の人の救済》の理念はどこに? 《医学の専門家でない裁判
      所が十分な根拠も示さず、専門家による科学的証拠を退けた不当な判断》

 東京新聞のコラム【<視点>大崎事件の新鑑定 殺人でなく事故死では 論説委員・桐山桂一】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/287218?rct=shiten)。《1979年に鹿児島県大崎町の牛小屋で遺体が見つかった大崎事件は、そんな状況から起きた。親族の原口アヤ子さんらが絞殺したとして、殺人罪などで有罪確定。既に服役を終えてもいる。だが、客観証拠がほとんど存在しないのだ。実際に過去3回も裁判所で再審開始が決定されたが、その都度、検察の抗告により上級審で退けられた》。

 再審法改正が必要。袴田事件…事件から五十七年。無実を訴え続けても、なぜこんなに歳月を費やしたのか。刑事訴訟法の再審規定(再審法)が大きな欠陥を抱えつつ放置されているからだ。(西日本新聞)《日本弁護士連合会は…再審法(刑事訴訟法の再審規定)の整備を求める集会を国会内で開いた。法曹関係者に加え、与野党の議員が約60人(代理も含む)出席。証拠開示の制度化や、再審請求審での検察の不服申し立て(抗告)禁止を法制化する必要があるとの認識で一致した。再審を規定する刑事訴訟法の条文はわずか…》。
 東京新聞のコラム【<考える広場>冤罪はなぜ生まれるか? 桐山桂一・論説委員が聞く】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/271962)/《冤罪(えんざい)ほど人生や人権を踏みにじる不正義はない。静岡県の四人殺害事件で犯人とされた袴田巌さんの再審が決まった。鹿児島県の大崎事件は再審請求が高裁で退けられたが、冤罪が疑われる。再審法改正を求める日弁連の中心として、全国を走り回る鴨志田祐美弁護士に「なぜ冤罪は生まれるのか?」を聞いた》。

 何度でも、飯塚事件…既に死刑執行してしまった。山口正紀さんの記事《「飯塚事件」をご存知だろうか。1992年、福岡県飯塚市で起きた2女児殺害事件で逮捕され、無実を訴えていた久間三千年(くま・みちとし)さんが死刑判決を受け、2008年に死刑が執行された(当時70歳)。…オンライン集会は、この第2次再審請求の意義・内容を報告し、支援の輪を広げていこうと企画され、飯塚事件再審の実現に向けて尽力してきた九州大学の大出良知・名誉教授、再審法改正をめざす市民の会木谷明代表(元裁判官)、布川事件の冤罪被害者・桜井昌司さんら幅広い支援者たちの呼びかけで開催された。…布川事件冤罪被害者桜井昌司さん…「こんなことを優秀な裁判官がなぜわからないのか日本の警察はこれまでも証拠を捏造してきました。そうして、どれだけの人が刑務所に入れられ、殺されてきたか。すべてが無責任です。冤罪事件で国家賠償しても、だれも懐が痛まない。そのお金も税金です。足利事件、布川事件、ゴビンダさんの事件東電事件)、東住吉事件だれもその責任を追及しない。再審法を改正しないといけない。税金で集めた証拠を法廷に出すのは当たり前じゃないですか。久間さんの無念は必ず果たせると確信しています。必ず勝ちます。一緒にがんばりましょう。無惨に殺された人の無念を晴らす殺したのは誰か検察庁です」》。

   『●袴田冤罪事件…小泉龍司法相《「法律に不備はない」と言い放つ…果たし
     て人の心はあるのだろうか。耐えがたいほど正義に反する日々は…続く》

 鴨志田祐美さん《日本の刑事司法のガラパゴス化は、法務省が考えているよりも深刻です》。小泉龍司法相《「法律に不備はない」と言い放つ…果たして人の心はあるのだろうか。耐えがたいほど正義に反する日々は、まだまだ続く》(大谷昭宏さん)。
 袴田冤罪事件、日本の司法は中世なみ》《日本の前時代的な刑事司法制度の例ではないか。《残酷で異常な出来事と欧米などでは受け止められている》、《日本でも放置し続けてきた再審法を整備すべきときが来ている法務・検察はそのことも自覚すべきである》(東京新聞社説)。何十年にも渡って無実の袴田巌さんを牢屋につなぎ、しかも証拠が捏造されていたとまで裁判所が指摘。再審裁判で、「有罪」を主張するのはいったいどういう神経か? 《いまも、死刑囚のまま》な袴田巖さん、一体どこまで人権侵害すれば気が済むのか。(東京新聞社説)《無実の訴えから半世紀日本の刑事司法の異様さをも表している。すでに87歳の高齢。残る人生と名誉をこれ以上、検察は奪ってはいけない》。

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/287218?rct=shiten

<視点>大崎事件の新鑑定 殺人でなく事故死では 論説委員・桐山桂一
2023年11月1日 06時00分

 被害者の男性は朝から酒に酔っていた。午後5時半ごろには雑貨店で焼酎を買った後に自転車ごと深さ1メートルの側溝に転落してしまった。

 誰かに引き上げられ、道路脇に横たわったままの状態で放置された。夜になって近隣の男性2人が小型トラックの荷台に被害者を乗せ、自宅まで運んだ。それが午後9時ごろのことだ。

 1979年に鹿児島県大崎町の牛小屋で遺体が見つかった大崎事件は、そんな状況から起きた。

 親族の原口アヤ子さんらが絞殺したとして、殺人罪などで有罪確定。既に服役を終えてもいる。だが、客観証拠がほとんど存在しないのだ。

 実際に過去3回も裁判所で再審開始が決定されたが、その都度、検察の抗告により上級審で退けられた

 第4次の再審請求は高裁に棄却されてしまい、弁護側は現在、最高裁に特別抗告を申し立てている。新鑑定により、殺されたのではなく「事故死だったとの主張だ。「自宅に運ばれた時点で既に被害者は呼吸停止か心停止だった」ことを示す。

 埼玉医科大学総合医療センター長の澤野誠教授による医学鑑定である。重症外傷患者の診療を専門とする日本随一の外傷センターで、頸椎頸髄の損傷症例数は国内でトップだ。澤野氏は救護活動についての専門家でもある。

 「遺体には三つの明らかな出血があった」と澤野氏は指摘する。「溝への転落による限度を超えた頸部の後屈と右捻り。飲酒と低体温による脱水と腸管動脈の収縮からの広範囲な小腸壊死を出血が示します」

 溝への転落で頸髄損傷による運動麻痺や頸椎を支える靱帯の損傷をきたしたことも分かるという。さらに近隣の2人がトラックに乗せた際、頸椎保護をしない手荒な救護だったため、頸髄損傷が悪化し、呼吸停止した可能性が高いともいう。

 だが、搬送した2人は「被害者は歩いて自宅に入った」と供述した。確定判決のよりどころだが、新鑑定とは合致しない。かつ2人の供述を立命館大学の稲葉光行教授が分析したところ、「2人で被害者を抱えて玄関に入った」「千鳥足で被害者1人で玄関に入った」と食い違う

 さらに「被害者を自宅土間に置いた」という点は「覚えていない」とか、沈黙や言いよどみが高い頻度で起きているという。稲葉教授は「搬送した2人が実際に体験したことを述べたものではないと考えるのが妥当」と結論づけている。

 これら医学鑑定と供述分析を合わせると、確定判決が殺人事件と決め付けたことに疑問が湧くであろう。つまり被害者は自宅に運ばれた時点で既に死亡しており、殺人事件にはなり得ない―そう指し示していよう。原口さんは一貫してやっちょらん」。最高裁は新証拠に真摯に向き合ってほしい。


【関連記事】<考える広場>冤罪はなぜ生まれるか? 桐山桂一・論説委員が聞く
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/271962

<考える広場>冤罪はなぜ生まれるか? 桐山桂一・論説委員が聞く
2023年8月23日 08時00分

     (コラージュ・小河奈緒子)

 冤罪(えんざい)ほど人生や人権を踏みにじる不正義はない。静岡県の四人殺害事件で犯人とされた袴田巌さんの再審が決まった。鹿児島県の大崎事件は再審請求が高裁で退けられたが、冤罪が疑われる。再審法改正を求める日弁連の中心として、全国を走り回る鴨志田祐美弁護士に「なぜ冤罪は生まれるのか?」を聞いた。


再審法> 刑事訴訟法の再審規定。500以上も条文のある同法のうち、再審の条文は19のみで、規定が不備なまま、70年以上も放置されている。再審請求審は裁判所の裁量に委ねられ、証拠開示の基準や手続きは不明確なうえ、再審開始が決定されても検察官の不服申し立てなどによって、冤罪被害者の早期救済が妨げられている


◆証拠開示ルールを今すぐ 弁護士・鴨志田祐美さん

 桐山 全国キャラバンの手ごたえはどうでしょう。

 鴨志田 ここ一カ月だけでも沖縄や島根、三重などを回りました。各地の弁護士会が企画したシンポジウムなどです。東京の中学のPTAからは生徒と保護者向けに話を頼まれました。京都の高校では生徒自身が再審法改正の立法論まで研究している。それだけ広がりはあるし、共感を持ってくれています。
 私自身は二十年近く再審弁護に関わっています。日弁連では二〇一九年の人権擁護大会で再審法改正の決議を採択しましたが、直前に最高裁による大崎事件の再審取り消しがありました。そのころからマスコミの論調も法制度そのものがおかしいと変わってきた感じがします。


 桐山 大崎事件は一九七九年に男性の遺体が発見された事件ですが、物証がなく本当に殺人事件なのか事故死だった可能性が指摘されます。事件当初の鑑定も「他殺か事故死か不明」と変更され、第四次再審請求で出された救命救急医の鑑定では「被害者は家に運び込まれるまでに既に死亡していた」です。それなら殺人事件にならず、犯人とされる原口アヤ子さんも再審無罪のはずです。ところが、福岡高裁宮崎支部は今年六月に「再審認めず」の判断をした。不可解に思えました。

 鴨志田 原口さんは一度も自白せず無実を訴えています。共犯者とされた親族の「自白」が確定判決の支えなのです。でも、その人たちは「供述弱者」。知的障害などがあって、厳しい取り調べに迎合してしまう。今なら供述弱者には録音・録画すべきことが捜査機関内でも共通認識ですが、当時は違った。それなのに裁判所まで供述を信用できると安易に判断するのは、本当におかしい。
 第四次再審請求ではクラウドファンディングで寄付を募りました。集まった千二百万円で映画監督の周防正行さんに再現動画を作ってもらいました。被害者は酒に酔い側溝に転落。道路に引き上げられ、近隣の二人にトラックの荷台に乗せられました。自宅に搬送されるまでを裁判記録に従い忠実に再現しました。CGアニメも制作し、関係者の供述どおりに人を動かすと、近隣の二人の供述の食い違いがビジュアルに分かりました。


 桐山 六六年に起きた袴田巌さんの事件では過酷な取り調べがあり、「自白に至りました。確定判決の証拠である「五点の衣類」は何と事件から一年二カ月もたって発見。その衣類に付いた血痕の変色を手掛かりに再審決定が出ましたが、東京高裁は証拠の捏造(ねつぞう)の可能性に言及しました。

 鴨志田 無実の人が死刑になっていたかもしれない事件です。民主化されていないどこかの国でなく、この日本で何の落ち度もない人が犯人に仕立て上げられる冤罪は多重構造だと思います。まず警察が誤った見込みで捜査すると、そのストーリーに沿った証拠しか集められない。「見立ての呪縛」です。
 国家権力が地引き網みたいに集めた証拠の中には、被告人に有利な無罪の証拠も紛れているわけです。しかし、検察も見立てが固まると、そこから引き返すことができません有罪方向の証拠だけを選択して裁判所に出しているのです。


 桐山 なぜ裁判所は見抜けないんだろうと一般の人は受け止めます。裁判所は本当にちゃんと判断しているのだろうか。司法の根底を揺るがす事態が起こっている気がします。

 鴨志田 無罪方向の証拠は隠され、有罪方向の証拠ばかりをもとに判断するから裁判所も間違えるのですね。再審段階になってもなお、なかなか無罪方向の証拠が開示されない点も大問題です。開示が実現するか否かは裁判官次第という再審格差」がそこにあります。
 大崎事件では、ある裁判官が証拠開示を勧告したら、それまでないと言っていた証拠が二百十三点も出てきました。第三次再審ではさらに十八点の証拠が警察から見つかりました。その中に確定判決を覆す珠玉の証拠があったのです。
 裁判所が職権で取り寄せることができるから証拠開示ルールは必要ないと法務省は言いますが誤りです。袴田さんの事件でも第二次再審になって初めて、確定審で提出されていなかった証拠が六百点以上も開示されました。「五点の衣類」のカラー写真などですね。
 つまり「再審格差」があるから、開示のルールが必要なのです。どんなにやる気のない裁判官の下でも証拠開示せねばならないルールにしないと永久に格差は埋まりません


◆刑事司法はガラパゴス化

 桐山 先進国では例外的に日本には死刑制度が残ります。米国でさえ死刑執行する州は少数派です。一度執行したら取り返しがつかない刑だけに、もっと慎重にチェックすべきです。

 鴨志田 米国では死刑の選択には通常事件以上に慎重で厳格な手続きを要求しています。日本では裁判のどの段階にもそんな配慮はありません。少なくとも死刑という特別な刑には特別な手続きが必要です。確定有罪判決の手続きに憲法違反があれば、新証拠がなくても、再審に入れる制度にすべきです。
 日本には「確定力神話」もあると思います。三審制で裁判官が三回も吟味して有罪だったら、間違いはないだろうと。ひっくり返したら四審制になると。三審制の結論を動かすべきでないという考えに縛られることを確定力神話というのです。検察も、起訴したものは99・9%有罪でしょ、間違いあるはずがないと。真犯人が出てくるとか、DNA鑑定で別人だったとか、そんなことでもない限り再審を認めない考え方ですね。


 桐山 八〇年代には死刑事件の再審無罪が続きました。その後も冤罪が相次いでいますが、再審決定まで歳月がかかり過ぎる問題もありますね。

 鴨志田 冤罪はヒューマンエラーではなく、システムエラーの問題だと捉えないと、永久に解決しないと思います。袴田さんの事件などは「証拠の捏造まで指摘されたのですから、「真相究明委員会」を設けるべきです。航空機事故のように、徹底的に当時の警察や検察、裁判所などの関係者を呼んで、どこに間違いがあったのかを究明しないといけないと思います。
 日本の刑事司法のガラパゴス化は、法務省が考えているよりも深刻です


かもしだ・ゆみ 1962年生まれ。神奈川県出身。早稲田大法学部卒。会社員などを経て2002年に司法試験合格、弁護士に。大崎事件再審弁護団事務局長。日弁連再審法改正実現本部本部長代行。著書に『大崎事件と私 アヤ子と祐美の40年』(LABO)。共著に『見直そう!再審のルール』(現代人文社)。
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●《冤罪を起こしてはならない。再審法の改正が待たれる。杉山さんや桜井さんらが残した人間の笑い泣き、そして袴田さんの思いを見逃すまい》

2023年12月27日 00時00分35秒 | Weblog

[↑ ※袴田事件捜査機関による証拠捏造》…《第三者は捜査機関の者である可能性が極めて高いと思われる》(『報道特集』、2023年03月18日[土])]


(2023年11月05日[日])
捜査機関による証拠捏造》…《いまも、死刑囚のまま》から脱却させないニッポンの司法。 再審裁判でも《裁判官が“デッチ上げ”と見ている証拠》をまたしても持ち出す気か? どこまで非道なのか。
 《日本の司法は中世なみ》《日本の前時代的な刑事司法制度》の例ではないか。《残酷で異常な出来事と欧米などでは受け止められている》、《日本でも放置し続けてきた再審法を整備すべきときが来ている法務・検察はそのことも自覚すべきである》(東京新聞社説)。何十年にも渡って無実の袴田巌さんを牢屋につなぎ、しかも証拠が捏造されていたとまで裁判所が指摘。再審裁判で、「有罪」を主張するのはいったいどういう神経か? 《いまも、死刑囚のまま》な袴田巖さん、一体どこまで人権侵害すれば気が済むのか。(東京新聞社説)《無実の訴えから半世紀日本の刑事司法の異様さをも表している。すでに87歳の高齢。残る人生と名誉をこれ以上、検察は奪ってはいけない》。

   『●袴田冤罪事件…小泉龍司法相《「法律に不備はない」と言い放つ…果たして
      人の心はあるのだろうか。耐えがたいほど正義に反する日々は…続く》

 西田直晃記者による、東京新聞の記事【こちら特報部/袴田巌さんが獄中でつづった書簡に記した「世界最強のチャンピオン」 長期の拘束はどう精神をむしばんだのか】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/286458?rct=tokuhou)。《1966年の強盗殺人事件で死刑が確定した元プロボクサー袴田巌さん(87)に対し、27日に開かれた再審初公判。無罪の扉を開く法廷がようやく始まったが、48年間の身柄拘束で心神喪失状態となった本人の姿はなかった。今も元気だったら、どんな言葉を発していたのか。獄中書簡や証言により、拘禁症状が袴田さんから奪ったものを考えた。(西田直晃)》。

 琉球新報のコラム【<金口木舌>かなわなかった普通の人生】(https://ryukyushimpo.jp/newspaper/entry-2425585.html)。《2014年の釈放まで48年間も拘置された死刑囚の袴田巌さん。強盗殺人容疑で逮捕された30歳のプロボクサーは87歳に高裁で捜査機関の証拠捏造(ねつぞう)が指摘され、再審公判が先週始まった ▼長年の拘禁で心神喪失状態にある。初公判は90歳の姉ひで子さんが出廷し「真の自由を訴えた。来春結審し、無罪となる公算だ。交流した人の中に強盗殺人の布川事件桜井昌司さんと杉山卓男さんもいた》。

   『●《いまも、死刑囚のまま》な袴田巖さん、再審開始決定…せめて
    《一刻も早く「無罪」とすべく、検察は不服を唱えるべきではない》
   『●袴田巖さん、袴田秀子さん ――― 《捜査機関による証拠捏造》とまで
     言われているのだ、検察側が特別抗告を断念するのも、当然の結果だろう
   『●袴田冤罪事件: 《「…第三者がみそ漬けにした可能性がある」》《捜査
      機関による証拠捏造》《犯行着衣について捜査機関の捏造とまで…》
   『●<コラム 筆洗>《高裁は捜査機関による証拠捏造の可能性まで踏み
     込んでいる…袴田さんをただ犯人にしたいという卑劣なトリックだろう》
   『●袴田冤罪事件…袴田巖さんや袴田秀子さんらの人生をめちゃめちゃ
     にした《捜査機関による証拠捏造》に対して責任ある対応が求められる
   『●事件から五十七年。無実を訴え続けても、なぜこんなに歳月を費やしたのか。
     刑事訴訟法の再審規定(再審法)が大きな欠陥を抱えつつ放置されているからだ
   『●袴田冤罪事件…袴田巖さんや袴田秀子さんらの人生をめちゃめちゃに
     した《捜査機関による証拠捏造》に対して責任ある対応が求められる
   『●《捜査機関による証拠捏造》…無罪判決を勝ち取り《いまも、死刑囚の
     まま》から脱却できても、「拘禁反応」に苦しめられ続ける袴田巖さん
   『●袴田事件…《検察は…「色合いなどもう1度、調べる」とする動きがある
     …裁判官が“デッチ上げ”と見ている証拠から何を引き出そうというのか》
   『●大谷昭宏さん《袴田事件で審理の引き延ばしを図る検察に、陰湿、陰険、
      姑息、傲慢…などと書いて、一瞬、書きすぎ? と思ったのだが…》
   『●袴田冤罪事件…小泉龍司法相《「法律に不備はない」と言い放つ…果たして
      人の心はあるのだろうか。耐えがたいほど正義に反する日々は…続く》

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https://ryukyushimpo.jp/newspaper/entry-2425585.html

<金口木舌>かなわなかった普通の人生
公開日時 2023年10月30日 05:00
更新日時 2023年10月29日 15:01

 57年前の逮捕後、獄中から気丈な書簡を送っていた。次第に「私の生を支えるものは憎悪に成った」と書くように。死刑確定後、心は一層むしばまれた


▼2014年の釈放まで48年間も拘置された死刑囚の袴田巌さん。強盗殺人容疑で逮捕された30歳のプロボクサーは87歳に高裁で捜査機関の証拠捏造(ねつぞう)が指摘され、再審公判が先週始まった 

長年の拘禁で心神喪失状態にある。初公判は90歳の姉ひで子さんが出廷し「真の自由を訴えた。来春結審し、無罪となる公算だ。交流した人の中に強盗殺人の布川事件桜井昌司さんと杉山卓男さんもいた

▼2人は無期懲役で獄中に29年、仮出所して再審無罪。「普通のおじさん」になろうと奔走した歳月はドキュメンタリー映画「ショージとタカオ」(井手洋子監督)に詳しい

▼杉山さんは8年前に亡くなり、今年8月、桜井さんと井手監督が鬼籍に入った。冤罪(えんざい)を起こしてはならない再審法の改正が待たれる。杉山さんや桜井さんらが残した人間の笑い泣き、そして袴田さんの思いを見逃すまい
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/286458?rct=tokuhou

袴田巌さんが獄中でつづった書簡に記した「世界最強のチャンピオン」 長期の拘束はどう精神をむしばんだのか
2023年10月28日 12時00分

 1966年の強盗殺人事件で死刑が確定した元プロボクサー袴田巌さん(87)に対し、27日に開かれた再審初公判。無罪の扉を開く法廷がようやく始まったが、48年間の身柄拘束で心神喪失状態となった本人の姿はなかった。今も元気だったら、どんな言葉を発していたのか。獄中書簡や証言により、拘禁症状が袴田さんから奪ったものを考えた。(西田直晃


◆「人間らしさと誠実さがにじんでいた」メッセージ

     (支援者と一緒に日課のドライブへ向かう袴田巌さん㊨)

〈お母さんへ 私はこの事件となんの関係もないのだから、お母さんは自信を持って堂々と来て下さい

〈憎い奴は、僕を正常でない状態にして、犯人に作り上げようとした奴です〉

 「主よ、いつまでですか —無実の死刑囚・袴田巌獄中書簡—」(1992年、新教出版社)に収録された手紙は逮捕翌年の67年、母に宛てたものから始まる。「無実の死刑囚・袴田巌さんを救う会」(東京)のメンバーが約5000枚のハガキや日記などから選別し、出版。人格面から無罪を証明する新証拠として、第1次再審請求審(81〜2008年)で静岡地裁に提出された。

 当時、編集に携わった救う会副代表の門間幸枝さん(82)は「家族へのメッセージに人間らしさと誠実さがにじんでいた」と回想する。この時期は無罪判決に望みを持ち、行く末を楽観視している様子も見て取れる。事件の1年2カ月後にみそタンクで見つかり、犯行着衣とされた衣類にも言及し、当時から「捏造(ねつぞう)」の疑いに触れていた。

私は、裁判所には無罪がわかって頂けると信じています
〈あの血染めの着衣が絶対に僕のものではないという証拠は、ネームがないことです。僕の着物はクリーニング屋に出すので『ハカマタ』と入っています。(中略)真犯人が動き出した証拠です。これでますます有利になりました〉

 「警察の取り調べで拷問された袴田さんは、裁判所では真実が明らかになると信じていたようだ」と推察する門間さん。だが、68年に静岡地裁が死刑を宣告。その2カ月後には最愛の母が亡くなった。

 最高裁での死刑確定(80年)までの文面には、死刑への恐怖に揺れる胸の内がにじむ。

     (2018年、袴田さんの支援活動で記者会見する
      門間幸枝さん(左)、袴田ひで子さんら=東京・霞が関で)

〈そして沈んだ灰色に汚れた白壁と、染みだらけの部屋には、何か死の匂いに近いものすら感じます〉
〈さて、私も冤罪(えんざい)ながら死刑囚。全身にしみわたって来る悲しみに耐えつつ、生きなければならない。そして死刑執行という未知のものに対するはてしない恐怖が、私の心をたとえようもなく冷たくする時がある。(中略)自分の五感さえ信じられないほどの恐ろしい瞬間があるのだ。しかし、私は勝つのだ〉

 肉親を失った悲しみを振り返る場面でも、精神的な動揺がうかがえる。

〈昭和四三年母からの便りが突然途絶えた。私はこの時自分の人生で最も悲しい時が迫るのを感じ、体中一気に凍るような衝撃を受けた。(中略)全てを呪いたい狂暴(きょうぼう)な気持ちの中で、また次第に絶望状況に陥ったものであった。その頃、獄中で両親の死を知った〉
〈死刑そのものが怖いのではなく、怖いと恐怖する心がたまらなく恐ろしい〉

 死刑確定後、次第に文面が長くなり、内省的、哲学的な表現が多くなる。「悪魔」という単語も現れた。

〈ドアに付いた染みが死を意味したり、壁の色が何か異様にみえて人間の姿に固まり、(中略)本当に悪魔が鍵孔(かぎあな)を操っているとしか思えない〉
〈調室の壁に絵がかけられていた。(中略)気がつくと私の顔を悪魔がのぞいていた。戦りつを覚えて手の平で顔をおおった。私は人類が逆に滅びるのだとその時思った〉

     (静岡市でチラシを配布するなどして袴田巌さんの
      無罪を訴える支援者たち)

 一方で「神」「愛」といった言葉が増えていった。81年に姉ひで子さん(90)宛ての手紙でキリスト教への帰依を伝え、84年暮れに洗礼を受けている。カトリック信徒の門間さんは「獄中で深く聖書を読み込んだのは、信仰によって恐怖を乗り越えようとしたのだろう」と話す。

 ボクサーだった過去も支えになっていた。こう日記にしたためている。

〈房に帰って腕立て伏せ百回。シャドーボクシングを用いて、全身の筋肉をほぐす。一五分間。(中略)もし、人生から愛を根こそぎ取り去ったら、生きるに値する何ものも残らぬ〉

 書簡集は、殺人罪で20年近く投獄され、後に無罪となった「ハリケーン」こと、米国の元ボクサー、ルビン・カーター氏に宛てた89年の手紙で終わる。「闘いと心の支えである国際的な同志」にこう伝えていた。

今、私は無実を晴らす闘いの世界最強のチャンピオンになることを願っています

 門間さんは言う。「逮捕後の袴田さんは、一度も声を出して心から笑えていないはずだ。叫ぶこと、笑うことができず、書くことしかできなかった。今は重い拘禁症状があるが、思いは書簡に詰まっている」


   ◇   ◇


◆「恐怖や絶望から、袴田さんの意識は虚構と現実が入れ替わってしまった」

 長期の身柄拘束は、袴田さんの精神状態にどんな影響を及ぼしたのか。

 姉ひで子さんが異変を感じ始めたのは、1980年12月に死刑が確定してから。拘置所に移って2、3カ月たったころ、面会で「昨日処刑があった。隣の人だった」と明かされた。このころから「毒殺される」「電波を出すやつがいる」などと漏らすようになった。90年ごろになると、支援者や弁護士の面会を拒否するように。92年以降はひで子さんも年数回しか面会ができなくなり、95年以降、途絶えた

 「99年1月にひで子さんと東京拘置所で面会を求めたが、ダメだった。拘置所に様子を聞くと、房の中をぐるぐる回っているという説明だった」と話すのは当時、衆院議員だった保坂展人・世田谷区長。2002年11月の衆院法務委員会で「心神喪失の状態にあるときは法務大臣の命令で執行停止とある。この状態を放置することはできないのでは」と質問した。

     (袴田巌さんの再審初公判が開かれた静岡地裁の
      法廷(代表撮影))

 森山真弓法相(当時)は「少し常軌を逸し始めた精神状態なのかもしれない。拘置所のほうで症状を見て判断してほしい」と答弁した。「大臣がここまで言ったことで、刑の執行は実質できなくなった」と保坂氏は振り返る。

 保坂氏は翌年3月、ひで子さんらと約30分間面会したが、袴田さんは「袴田巌はもういない。全能の神である自分が吸収した」。再審請求の話題を投げ掛けたが、自身が「東京国家調査所の所長」で「東京拘置所はなくなった。死刑執行をできないようにした」と答えたという。

 1994年の静岡地裁の再審棄却の決定文書を読んでからは、裁判関係書類の差し入れを拒否するように。その後も思うように面会できず、拘禁症状は改善しなかった。だが法務省は、2011〜12年に法相を務めた元衆院議員の平岡秀夫弁護士が健康状態について報告させた際、問題はないと答えたという。

 保坂氏は「死刑執行の恐怖や再審が実現しない絶望から、袴田さんの意識は虚構と現実が入れ替わってしまった釈放されて9年たっても、法廷に立ってやっていないと自分の言葉で言えない状態に精神が縛られていることがどんなにむごいことか法務省、検察庁はどこまで認識しているのか」と指摘し、一日も早い判決を求める。(山田祐一郎


◆デスクメモ

 普通、初公判で焦点となるのは、身柄を拘束されていた被告が初めて公の場で話す認否などだ。だが今回は袴田さん側の無罪主張は明らかで、むしろ検察が有罪立証をどう続けるのか、どれだけ時間をかけるのかが注目されている主客逆転裁かれているのは検察側かもしれない。(本)


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