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●再審法の改正を…桐山桂一さん《冤罪ほど人生や人権を踏みにじる不正義はない。…袴田巌さんの再審が決まった…大崎事件は…冤罪が疑われる》

2023年12月28日 00時00分37秒 | Weblog

[↑ ※袴田事件捜査機関による証拠捏造》…《第三者は捜査機関の者である可能性が極めて高いと思われる》(『報道特集』、2023年03月18日[土])]


(20231108[])
〝叫べなくなる〟のを待つ冷酷な司法…原口アヤ子さん、一貫して「あたいはやっちょらん」。
 大崎事件、(第4次再審請求の即時抗告審)再審開始認めず。福岡高裁宮崎支部・矢数昌雄裁判長殿、一体どうなってんのかね、裁判所は? ――― 原口アヤ子さん、一貫して「あたいはやっちょらん」。《「無辜(むこ)の人の救済を目的とする再審の理念》はどこに? (西日本新聞)《医学の専門家でない裁判所が十分な根拠も示さず、専門家による科学的証拠を退けた不当な判断と言える》。
 原口アヤ子さんの懸命の叫びは裁判官には届かない…。(2022年07月)《これまでに地裁、高裁で3度再審開始が認められたが、いずれも検察側の不服申し立てを受け、2019年には最高裁が、鹿児島地裁、福岡高裁宮崎支部の開始決定を取り消していた》、かつて、最「低」裁ちゃぶ台返ししている。一体どこまでボンクラ裁判官なのか?

   『●《周防正行さんが「あたいはやっちょらん。大崎事件第4次再審請求
     ・糾せ日本の司法」と銘打ち、インターネット上に立ち上げた…CF》
   『●憲法《37条1項が保障する『公平な裁判所による裁判を受ける権利』が
       侵害され》ている…飯塚事件、大崎事件の裁判に「公正らしさ」は?
   『●原口アヤ子さん・大崎冤罪事件…《被害者は自転車事故による出血性
     ショックで死亡した可能性があり「殺人なき死体遺棄事件」だった》?
   『●大崎事件、再審開始を認めず ――― 終始一貫して「あたいはやっちょ
     らん」、原口アヤ子さんの懸命の叫びはなぜ裁判官には届かないのか?
   『●大崎事件冤罪・原口アヤ子さん「あたいはやっちょらん」「やっちょ
     らんもんはやっちょらん」「ちゃんと認めてもらうまでは死ねない」
   『●大崎事件《無辜の人の救済》の理念はどこに? 《医学の専門家でない裁判
      所が十分な根拠も示さず、専門家による科学的証拠を退けた不当な判断》

 東京新聞のコラム【<視点>大崎事件の新鑑定 殺人でなく事故死では 論説委員・桐山桂一】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/287218?rct=shiten)。《1979年に鹿児島県大崎町の牛小屋で遺体が見つかった大崎事件は、そんな状況から起きた。親族の原口アヤ子さんらが絞殺したとして、殺人罪などで有罪確定。既に服役を終えてもいる。だが、客観証拠がほとんど存在しないのだ。実際に過去3回も裁判所で再審開始が決定されたが、その都度、検察の抗告により上級審で退けられた》。

 再審法改正が必要。袴田事件…事件から五十七年。無実を訴え続けても、なぜこんなに歳月を費やしたのか。刑事訴訟法の再審規定(再審法)が大きな欠陥を抱えつつ放置されているからだ。(西日本新聞)《日本弁護士連合会は…再審法(刑事訴訟法の再審規定)の整備を求める集会を国会内で開いた。法曹関係者に加え、与野党の議員が約60人(代理も含む)出席。証拠開示の制度化や、再審請求審での検察の不服申し立て(抗告)禁止を法制化する必要があるとの認識で一致した。再審を規定する刑事訴訟法の条文はわずか…》。
 東京新聞のコラム【<考える広場>冤罪はなぜ生まれるか? 桐山桂一・論説委員が聞く】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/271962)/《冤罪(えんざい)ほど人生や人権を踏みにじる不正義はない。静岡県の四人殺害事件で犯人とされた袴田巌さんの再審が決まった。鹿児島県の大崎事件は再審請求が高裁で退けられたが、冤罪が疑われる。再審法改正を求める日弁連の中心として、全国を走り回る鴨志田祐美弁護士に「なぜ冤罪は生まれるのか?」を聞いた》。

 何度でも、飯塚事件…既に死刑執行してしまった。山口正紀さんの記事《「飯塚事件」をご存知だろうか。1992年、福岡県飯塚市で起きた2女児殺害事件で逮捕され、無実を訴えていた久間三千年(くま・みちとし)さんが死刑判決を受け、2008年に死刑が執行された(当時70歳)。…オンライン集会は、この第2次再審請求の意義・内容を報告し、支援の輪を広げていこうと企画され、飯塚事件再審の実現に向けて尽力してきた九州大学の大出良知・名誉教授、再審法改正をめざす市民の会木谷明代表(元裁判官)、布川事件の冤罪被害者・桜井昌司さんら幅広い支援者たちの呼びかけで開催された。…布川事件冤罪被害者桜井昌司さん…「こんなことを優秀な裁判官がなぜわからないのか日本の警察はこれまでも証拠を捏造してきました。そうして、どれだけの人が刑務所に入れられ、殺されてきたか。すべてが無責任です。冤罪事件で国家賠償しても、だれも懐が痛まない。そのお金も税金です。足利事件、布川事件、ゴビンダさんの事件東電事件)、東住吉事件だれもその責任を追及しない。再審法を改正しないといけない。税金で集めた証拠を法廷に出すのは当たり前じゃないですか。久間さんの無念は必ず果たせると確信しています。必ず勝ちます。一緒にがんばりましょう。無惨に殺された人の無念を晴らす殺したのは誰か検察庁です」》。

   『●袴田冤罪事件…小泉龍司法相《「法律に不備はない」と言い放つ…果たし
     て人の心はあるのだろうか。耐えがたいほど正義に反する日々は…続く》

 鴨志田祐美さん《日本の刑事司法のガラパゴス化は、法務省が考えているよりも深刻です》。小泉龍司法相《「法律に不備はない」と言い放つ…果たして人の心はあるのだろうか。耐えがたいほど正義に反する日々は、まだまだ続く》(大谷昭宏さん)。
 袴田冤罪事件、日本の司法は中世なみ》《日本の前時代的な刑事司法制度の例ではないか。《残酷で異常な出来事と欧米などでは受け止められている》、《日本でも放置し続けてきた再審法を整備すべきときが来ている法務・検察はそのことも自覚すべきである》(東京新聞社説)。何十年にも渡って無実の袴田巌さんを牢屋につなぎ、しかも証拠が捏造されていたとまで裁判所が指摘。再審裁判で、「有罪」を主張するのはいったいどういう神経か? 《いまも、死刑囚のまま》な袴田巖さん、一体どこまで人権侵害すれば気が済むのか。(東京新聞社説)《無実の訴えから半世紀日本の刑事司法の異様さをも表している。すでに87歳の高齢。残る人生と名誉をこれ以上、検察は奪ってはいけない》。

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/287218?rct=shiten

<視点>大崎事件の新鑑定 殺人でなく事故死では 論説委員・桐山桂一
2023年11月1日 06時00分

 被害者の男性は朝から酒に酔っていた。午後5時半ごろには雑貨店で焼酎を買った後に自転車ごと深さ1メートルの側溝に転落してしまった。

 誰かに引き上げられ、道路脇に横たわったままの状態で放置された。夜になって近隣の男性2人が小型トラックの荷台に被害者を乗せ、自宅まで運んだ。それが午後9時ごろのことだ。

 1979年に鹿児島県大崎町の牛小屋で遺体が見つかった大崎事件は、そんな状況から起きた。

 親族の原口アヤ子さんらが絞殺したとして、殺人罪などで有罪確定。既に服役を終えてもいる。だが、客観証拠がほとんど存在しないのだ。

 実際に過去3回も裁判所で再審開始が決定されたが、その都度、検察の抗告により上級審で退けられた

 第4次の再審請求は高裁に棄却されてしまい、弁護側は現在、最高裁に特別抗告を申し立てている。新鑑定により、殺されたのではなく「事故死だったとの主張だ。「自宅に運ばれた時点で既に被害者は呼吸停止か心停止だった」ことを示す。

 埼玉医科大学総合医療センター長の澤野誠教授による医学鑑定である。重症外傷患者の診療を専門とする日本随一の外傷センターで、頸椎頸髄の損傷症例数は国内でトップだ。澤野氏は救護活動についての専門家でもある。

 「遺体には三つの明らかな出血があった」と澤野氏は指摘する。「溝への転落による限度を超えた頸部の後屈と右捻り。飲酒と低体温による脱水と腸管動脈の収縮からの広範囲な小腸壊死を出血が示します」

 溝への転落で頸髄損傷による運動麻痺や頸椎を支える靱帯の損傷をきたしたことも分かるという。さらに近隣の2人がトラックに乗せた際、頸椎保護をしない手荒な救護だったため、頸髄損傷が悪化し、呼吸停止した可能性が高いともいう。

 だが、搬送した2人は「被害者は歩いて自宅に入った」と供述した。確定判決のよりどころだが、新鑑定とは合致しない。かつ2人の供述を立命館大学の稲葉光行教授が分析したところ、「2人で被害者を抱えて玄関に入った」「千鳥足で被害者1人で玄関に入った」と食い違う

 さらに「被害者を自宅土間に置いた」という点は「覚えていない」とか、沈黙や言いよどみが高い頻度で起きているという。稲葉教授は「搬送した2人が実際に体験したことを述べたものではないと考えるのが妥当」と結論づけている。

 これら医学鑑定と供述分析を合わせると、確定判決が殺人事件と決め付けたことに疑問が湧くであろう。つまり被害者は自宅に運ばれた時点で既に死亡しており、殺人事件にはなり得ない―そう指し示していよう。原口さんは一貫してやっちょらん」。最高裁は新証拠に真摯に向き合ってほしい。


【関連記事】<考える広場>冤罪はなぜ生まれるか? 桐山桂一・論説委員が聞く
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/271962

<考える広場>冤罪はなぜ生まれるか? 桐山桂一・論説委員が聞く
2023年8月23日 08時00分

     (コラージュ・小河奈緒子)

 冤罪(えんざい)ほど人生や人権を踏みにじる不正義はない。静岡県の四人殺害事件で犯人とされた袴田巌さんの再審が決まった。鹿児島県の大崎事件は再審請求が高裁で退けられたが、冤罪が疑われる。再審法改正を求める日弁連の中心として、全国を走り回る鴨志田祐美弁護士に「なぜ冤罪は生まれるのか?」を聞いた。


再審法> 刑事訴訟法の再審規定。500以上も条文のある同法のうち、再審の条文は19のみで、規定が不備なまま、70年以上も放置されている。再審請求審は裁判所の裁量に委ねられ、証拠開示の基準や手続きは不明確なうえ、再審開始が決定されても検察官の不服申し立てなどによって、冤罪被害者の早期救済が妨げられている


◆証拠開示ルールを今すぐ 弁護士・鴨志田祐美さん

 桐山 全国キャラバンの手ごたえはどうでしょう。

 鴨志田 ここ一カ月だけでも沖縄や島根、三重などを回りました。各地の弁護士会が企画したシンポジウムなどです。東京の中学のPTAからは生徒と保護者向けに話を頼まれました。京都の高校では生徒自身が再審法改正の立法論まで研究している。それだけ広がりはあるし、共感を持ってくれています。
 私自身は二十年近く再審弁護に関わっています。日弁連では二〇一九年の人権擁護大会で再審法改正の決議を採択しましたが、直前に最高裁による大崎事件の再審取り消しがありました。そのころからマスコミの論調も法制度そのものがおかしいと変わってきた感じがします。


 桐山 大崎事件は一九七九年に男性の遺体が発見された事件ですが、物証がなく本当に殺人事件なのか事故死だった可能性が指摘されます。事件当初の鑑定も「他殺か事故死か不明」と変更され、第四次再審請求で出された救命救急医の鑑定では「被害者は家に運び込まれるまでに既に死亡していた」です。それなら殺人事件にならず、犯人とされる原口アヤ子さんも再審無罪のはずです。ところが、福岡高裁宮崎支部は今年六月に「再審認めず」の判断をした。不可解に思えました。

 鴨志田 原口さんは一度も自白せず無実を訴えています。共犯者とされた親族の「自白」が確定判決の支えなのです。でも、その人たちは「供述弱者」。知的障害などがあって、厳しい取り調べに迎合してしまう。今なら供述弱者には録音・録画すべきことが捜査機関内でも共通認識ですが、当時は違った。それなのに裁判所まで供述を信用できると安易に判断するのは、本当におかしい。
 第四次再審請求ではクラウドファンディングで寄付を募りました。集まった千二百万円で映画監督の周防正行さんに再現動画を作ってもらいました。被害者は酒に酔い側溝に転落。道路に引き上げられ、近隣の二人にトラックの荷台に乗せられました。自宅に搬送されるまでを裁判記録に従い忠実に再現しました。CGアニメも制作し、関係者の供述どおりに人を動かすと、近隣の二人の供述の食い違いがビジュアルに分かりました。


 桐山 六六年に起きた袴田巌さんの事件では過酷な取り調べがあり、「自白に至りました。確定判決の証拠である「五点の衣類」は何と事件から一年二カ月もたって発見。その衣類に付いた血痕の変色を手掛かりに再審決定が出ましたが、東京高裁は証拠の捏造(ねつぞう)の可能性に言及しました。

 鴨志田 無実の人が死刑になっていたかもしれない事件です。民主化されていないどこかの国でなく、この日本で何の落ち度もない人が犯人に仕立て上げられる冤罪は多重構造だと思います。まず警察が誤った見込みで捜査すると、そのストーリーに沿った証拠しか集められない。「見立ての呪縛」です。
 国家権力が地引き網みたいに集めた証拠の中には、被告人に有利な無罪の証拠も紛れているわけです。しかし、検察も見立てが固まると、そこから引き返すことができません有罪方向の証拠だけを選択して裁判所に出しているのです。


 桐山 なぜ裁判所は見抜けないんだろうと一般の人は受け止めます。裁判所は本当にちゃんと判断しているのだろうか。司法の根底を揺るがす事態が起こっている気がします。

 鴨志田 無罪方向の証拠は隠され、有罪方向の証拠ばかりをもとに判断するから裁判所も間違えるのですね。再審段階になってもなお、なかなか無罪方向の証拠が開示されない点も大問題です。開示が実現するか否かは裁判官次第という再審格差」がそこにあります。
 大崎事件では、ある裁判官が証拠開示を勧告したら、それまでないと言っていた証拠が二百十三点も出てきました。第三次再審ではさらに十八点の証拠が警察から見つかりました。その中に確定判決を覆す珠玉の証拠があったのです。
 裁判所が職権で取り寄せることができるから証拠開示ルールは必要ないと法務省は言いますが誤りです。袴田さんの事件でも第二次再審になって初めて、確定審で提出されていなかった証拠が六百点以上も開示されました。「五点の衣類」のカラー写真などですね。
 つまり「再審格差」があるから、開示のルールが必要なのです。どんなにやる気のない裁判官の下でも証拠開示せねばならないルールにしないと永久に格差は埋まりません


◆刑事司法はガラパゴス化

 桐山 先進国では例外的に日本には死刑制度が残ります。米国でさえ死刑執行する州は少数派です。一度執行したら取り返しがつかない刑だけに、もっと慎重にチェックすべきです。

 鴨志田 米国では死刑の選択には通常事件以上に慎重で厳格な手続きを要求しています。日本では裁判のどの段階にもそんな配慮はありません。少なくとも死刑という特別な刑には特別な手続きが必要です。確定有罪判決の手続きに憲法違反があれば、新証拠がなくても、再審に入れる制度にすべきです。
 日本には「確定力神話」もあると思います。三審制で裁判官が三回も吟味して有罪だったら、間違いはないだろうと。ひっくり返したら四審制になると。三審制の結論を動かすべきでないという考えに縛られることを確定力神話というのです。検察も、起訴したものは99・9%有罪でしょ、間違いあるはずがないと。真犯人が出てくるとか、DNA鑑定で別人だったとか、そんなことでもない限り再審を認めない考え方ですね。


 桐山 八〇年代には死刑事件の再審無罪が続きました。その後も冤罪が相次いでいますが、再審決定まで歳月がかかり過ぎる問題もありますね。

 鴨志田 冤罪はヒューマンエラーではなく、システムエラーの問題だと捉えないと、永久に解決しないと思います。袴田さんの事件などは「証拠の捏造まで指摘されたのですから、「真相究明委員会」を設けるべきです。航空機事故のように、徹底的に当時の警察や検察、裁判所などの関係者を呼んで、どこに間違いがあったのかを究明しないといけないと思います。
 日本の刑事司法のガラパゴス化は、法務省が考えているよりも深刻です


かもしだ・ゆみ 1962年生まれ。神奈川県出身。早稲田大法学部卒。会社員などを経て2002年に司法試験合格、弁護士に。大崎事件再審弁護団事務局長。日弁連再審法改正実現本部本部長代行。著書に『大崎事件と私 アヤ子と祐美の40年』(LABO)。共著に『見直そう!再審のルール』(現代人文社)。
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●東京新聞《検察は袴田さんを再び収監して、死刑にすべきだと本気で考えているのだろうか。東京高裁は捜査機関による「証拠の捏造」の可能性…》

2023年07月28日 00時00分01秒 | Weblog

[↑ ※《第三者は捜査機関の者である可能性が極めて高いと思われる》(『報道特集』、2023年03月18日[土])]


(2023年07月12日[水])
袴田巖さん《いまも、死刑囚のまま》をいつまで続けるつもりなのか、検察は? 《捜査機関による証拠捏造》まで行っていたというのに…。刑事司法の原則《「疑わしきは被告の利益に」という原則》を蔑ろにした司法の罪もあまりにも重い。
 東京新聞の記事【袴田さん再審、有罪立証へ 検察、弁護側と全面対決】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/262093)によると、《再審で無罪が言い渡される公算は大きいとみられるが、検察と弁護側が争うことになり、審理が長引く可能性が高まった》。

 立川談四楼@Dgoutokujiさんのつぶやき:

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https://twitter.com/Dgoutokuji/status/1678973947604512768

立川談四楼@Dgoutokuji

「袴田巌さん姉ひで子さん『法廷で無罪聞かせたい』検察の有罪立証方針に冷静」ひで子さん(90)は冷静かつ強い。「ここで2、3年長くなったってどうってことないですよ」ときた。闘ってきた人は違うね。検察の手口なんぞ知り抜いてるんだ。検察よ、心してかかれ。そしてこの姉弟にきっちり謝罪するんだ

午後0:45 · 2023年7月12日
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 記者会見での袴田秀子さんの対応を見ていて、本当に頭の下がる思いだ。90歳ですよ…。《袴田さんはすでに八十七歳…一刻も早く「無罪」の宣告をすべき》(東京新聞社説)。冷酷にも、検察は、袴田さんらが訴えることが出来なくなることを持っている、時間稼ぎしているとしか思えない。

   『●飯塚事件…《裁判所は…検察に証拠品のリストの開示を勧告…したが、
     検察は「裁判所に権限はない」「事案の解明に意味はない」などと拒否》
   『●大崎事件《無辜の人の救済》の理念はどこに? 《医学の専門家でない
     裁判所が十分な根拠も示さず、専門家による科学的証拠を退けた不当な判断》
   『●男性警部補「捏造ですね」…とんでもない冤罪事件・捏造事件・でっち

     上げ事件、国賠が認められても《勾留後に亡くなった1人》の命は戻らない

 東京新聞の【<社説>袴田さんの再審 審理を長引かせるな】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/262284)によると、《検察は袴田さんを再び収監して、死刑にすべきだと本気で考えているのだろうか。東京高裁は捜査機関による「証拠の捏造(ねつぞう)」の可能性を指摘している。検察は「捏造」の言葉に拒否反応を示しているのかもしれないが、もはや検証すべきは当時の捜査の在り方を巡る問題点にほかならない袴田さんはすでに八十七歳になる。「疑わしきは被告人の利益に」という刑事裁判の鉄則に従って、一刻も早く「無罪」の宣告をすべきと考える》。

   『●《いまも、死刑囚のまま》な袴田巖さん、再審開始決定…せめて
    《一刻も早く「無罪」とすべく、検察は不服を唱えるべきではない》
   『●袴田巖さん、袴田秀子さん ――― 《捜査機関による証拠捏造》とまで
     言われているのだ、検察側が特別抗告を断念するのも、当然の結果だろう
   『●袴田冤罪事件: 《「…第三者がみそ漬けにした可能性がある」》《捜査
      機関による証拠捏造》《犯行着衣について捜査機関の捏造とまで…》
   『●<コラム 筆洗>《高裁は捜査機関による証拠捏造の可能性まで踏み
     込んでいる…袴田さんをただ犯人にしたいという卑劣なトリックだろう》
   『●袴田冤罪事件…袴田巖さんや袴田秀子さんらの人生をめちゃめちゃ
     にした《捜査機関による証拠捏造》に対して責任ある対応が求められる
   『●事件から五十七年。無実を訴え続けても、なぜこんなに歳月を費やしたのか。
     刑事訴訟法の再審規定(再審法)が大きな欠陥を抱えつつ放置されているからだ
   『●袴田冤罪事件…袴田巖さんや袴田秀子さんらの人生をめちゃめちゃに
     した《捜査機関による証拠捏造》に対して責任ある対応が求められる
   『●《捜査機関による証拠捏造》…無罪判決を勝ち取り《いまも、死刑囚の
     まま》から脱却できても、「拘禁反応」に苦しめられ続ける袴田巖さん

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/262093

袴田さん再審、有罪立証へ 検察、弁護側と全面対決
2023年7月10日 18時01分 (共同通信)

     (袴田巌さんの再審公判で検察側が有罪を立証する方針を
      静岡地裁に示したことを受け、姉ひで子さん(左)と
      記者会見する弁護団事務局長の小川秀世弁護士
      =10日午後、静岡市)

 1966年に静岡県清水市(現静岡市)の一家4人が殺害された事件で死刑が確定し、釈放された袴田巌さん(87)の裁判をやり直す再審公判で、検察側は10日、袴田さんの有罪を立証する方針を静岡地裁に伝えた。弁護側は無罪を主張している。再審で無罪が言い渡される公算は大きいとみられるが、検察と弁護側が争うことになり、審理が長引く可能性が高まった

 刑事訴訟法は再審開始について「無罪を言い渡すべき明らかな証拠」があった時と定める。東京高裁は今年3月、確定判決が「犯行着衣」とした衣類5点の証拠を、捜査機関側が捏造した可能性が極めて高いと指摘。「到底袴田さんを犯人と認定できない」とし、再審開始決定をした。

 検察は最高裁への特別抗告を断念し、再審開始が確定した。特別抗告は憲法違反や判例違反がある場合に限られ、理由が見いだせないとして断念したが、再審公判で主張する内容に法的な制限はない。
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/262284

<社説>袴田さんの再審 審理を長引かせるな
2023年7月11日 07時43分

 一九六六年に起きた静岡県の四人殺害事件で犯人とされた袴田巌さんの再審公判を巡り、検察側が有罪立証すると表明た。これまで争点となっていた「衣類の血痕」について反論するというが、審理を長引かせることは避けるべきである。

 静岡地検は再審公判で五点の衣類の血痕について反論すると静岡地裁に伝えた。この衣類はあくまで犯行時に袴田さんが着ていたものとの主張である。

 衣類は袴田さんの勤務先のみそタンクから発見された。当時の捜査資料では血痕の色は「濃赤色」と記されたが、弁護側は実験や鑑定に基づいて「長期間、みそ漬けにされた血痕には赤みは残らない」と主張。東京高裁も認めて再審決定につながった。

 静岡地検は十日、赤みが残ることは不自然ではないことを法廷で立証すると明らかにした。

 確かに、同じ争点の場合、新証拠の証明力を弾劾する証拠であれば、提出可能とされている。

 しかし、既に四十年以上も裁判のやり直しを求めていた事件である。第二次の再審請求審から九年間も「色」を巡る攻防が繰り返されてきた経緯もある。

 問題の衣類は、確定判決の決め手だったが、そもそも袴田さんが着られるサイズでなかった。検察は「縮んだ」とも「袴田さんが太ったため」とも…。事件後、何と一年二カ月もたっての発見という経緯にも不自然さが残る。

 今回の検察方針は、これまで争点でなかった事実や証拠を再審公判で唐突に持ち出すことには当たらないとしても、同じ論点でこれ以上、時間をかけることが本当に正義にかなうのか

 検察は袴田さんを再び収監して、死刑にすべきだと本気で考えているのだろうか

 東京高裁は捜査機関による「証拠の捏造(ねつぞう)」の可能性を指摘している。検察は「捏造」の言葉に拒否反応を示しているのかもしれないが、もはや検証すべきは当時の捜査の在り方を巡る問題点にほかならない

 袴田さんはすでに八十七歳になる。「疑わしきは被告人の利益に」という刑事裁判の鉄則に従って、一刻も早く「無罪」の宣告をすべきと考える。
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●試料が無い!! DNA鑑定も杜撰なら、証拠保全も杜撰 ~冤罪死刑の飯塚事件~

2014年08月13日 00時00分07秒 | Weblog


東京新聞の記事【有罪男性の「DNA鑑定は誤り」 再審請求へ』(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2014080301001680.html)。
asahi.comの記事【「DNA再鑑定で別人の可能性」 暴行事件で再審請求へ】(http://www.asahi.com/articles/ASG845D8DG84UTIL02M.html?iref=comtop_6_04)。
東京新聞の記事【袴田さん抗告審 証拠衣類のネガ存在 検察 従来説明撤回し謝罪】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014080602000137.html)。

 「検察側が「存在しない」と裁判所や弁護団に説明してきた五点の衣類のカラー写真のネガが存在していたことが五日、分かった。証拠開示を求めてきた弁護団は「検察の証拠隠しだ」と批判」・・・・・・袴田事件ではまたしても、証拠捏造だけでなく、隠蔽も発覚。しかも、「検察幹部は・・・・・・「再審開始決定後、警察が倉庫を整理していて偶然、ネガを見つけた。故意に隠したのではない」」・・・・・・なんて、白々しいにもほどがあるDNA鑑定も杜撰なら、証拠保全も杜撰。しかも、だれも責任をとらない。酷いものである。

   『●真の司法改革とは?、そして「イヌのイヌのイヌのイヌ」
   『●「敗戦特集」 『週刊金曜日』
      (2014年8月8日・15日合併号、1003号)についてのつぶやき


 「無罪が確定した「足利事件」と同時期の約20年前に実施されたDNA鑑定が有力な証拠となり、有罪判決を受けた中部地方の男性について、弁護士が現在の方法で鑑定をやり直したところ、犯人と一致しない結果が出たとして、今月中にも同地方の裁判所に再審請求を起こすことが3日、分かった。鑑定をやり直したのは、足利事件を担当した佐藤博史弁護士で、取材に対し「足利事件と同様に、精度が低い鑑定で有罪が確定したのは全国で8人いる。現在の技術で、正しい判断をすべきだ」と話している」・・・・・・飯塚事件には波及しないのか? 確実にそこに波及しなければ、大変に奇妙だ。まさか、「再鑑定のための試料が残されていない」ことを、飯塚事件の再審却下の言い訳に使わないでしょうね? 『●沖縄密約文書: 「捨てちゃったんだからもういいジャン」の国を許す最高裁』なんてことはないでしょうね? 倉庫を整理していて、「偶然」、後からDNA試料が見つかったりしないでしょうね?


   『●死刑存置賛成派と飯塚事件
   『●NNNドキュメント’13:
       死刑執行は正しかったのか 飯塚事件 “切りとられた証拠”』
   『●飯塚事件の久間三千年さんと福岡事件の西武雄さん
   『●贖罪:足利事件再鑑定から12日後の2008年10月28日朝、
               飯塚事件久間三千年元死刑囚の死刑が執行』  
   『●手遅れ!! ~死刑のスイッチを押すことと死刑執行~
    「陶山博生氏(p.43)は飯塚事件で一審担当。久間三千年さんの
     「死刑執行命令を下したのは、麻生内閣の森英介法務大臣(当時)である。
     大臣任命後1か月後に、死刑判決からたった2年足らず死刑囚
     執行命令を下すのは極めて異例である。・・・再申請求の準備・・・
     なぜ久間氏の死刑が先に執行されたのか、全く理解に苦しむ

   『●「官僚司法とその提灯持ちは改革を拒否し続けている」
                  ・・・冷たい司法が続くわけだ
   『●「飯塚事件」「福岡事件」「大崎事件」
     ・・・・・・に係わる弁護士たちで『九州再審弁護連絡会』発足
   『●足利事件と飯塚事件と、そして「国家は人を殺す」:
                谷垣禎一法相「死刑制度は国民から支持」
    実は菅家氏逮捕後、類似の事件が隣市で起きていた
    著者はある人物を突き止めた。ルパン三世に似た男。
    警察に情報を提供したが動かない。なぜか。著者は疑う。
    もし真犯人が逮捕されれば、過去のDNA型鑑定の誤りが明白になる
    すると同じ鑑定で死刑が執行された飯塚事件はどうなるか
    (警察は「犯人のDNA」は鑑定で全量消費されてしまったと言う。
    本当か。DNAは簡単に増幅できる。試料を全量使うことと
    半量使うことの間に
    質的な差は出ない慎重な研究者なら原試料の一部を保存しているはずだ)。
    著者の推測通りなら、
    司法の威信が根幹から揺らぐ隠蔽(いんぺい)された闇は限りなく深い


   『
●袴田事件、そして死刑執行後の『飯塚事件』再審
                       司法の良心を示せるか?
   『●足利事件と飯塚事件との12日間:
         死刑執行された久間三千年さんの冤罪は晴らされるか?
   『●「情況証拠のみ」によって「高度に立証」?:
       飯塚事件の再審請求棄却と冤罪下での死刑執行と裁判員制度
   『●袴田冤罪事件を機に死刑制度の再考ができない我国
   『●「疑わしきは罰せず」「疑わしきは被告人の利益に」:
             今ごろそれを裁判所に訴えねばならないとは・・・
   『●鎌田慧さんインタビュー: 「一人の人間として勇気をふるった名判決」
   『●死刑制度存置: 袴田事件にどう責任?、そして、飯塚事件の絶望感
    「また、袴田さんを有罪にした証拠が否定された最大の要因が48年前の
     血痕のDNA鑑定だったことを振り返れば、どんなに昔の事件であっても
     後に再鑑定ができるように、
試料の保存・適正管理をする仕組みも必要だろう。
     袴田事件の再審開始決定が出た4日後に、
     
死刑執行後の再審請求が棄却された「飯塚事件」では、
     
試料が使い切られていてDNA再鑑定ができなくなっている

   『●疑わしきは死刑に:
      この先も決して翻されることはない冤罪死刑・飯塚事件
    「本件では、久間氏と犯行との結び付きを証明する
     
直接証拠は存在せず、情況証拠のみによって有罪認定が行われており、
     中でも警察庁科学警察研究所が行ったいわゆる
MCT118型DNA型鑑定
     よって、被害女児の身体等に付着していた血液から久間氏と一致する
     DNA型が検出されたことなどが死刑判決の重要な証拠とされている。」
    「・・・・・・しかし、DNA型鑑定の信用性に疑問が生じている以上、
     上記血液から検出されたDNA型と久間氏のDNA型が一致する可能性
     というのも科学的な裏付けを伴わない推論に過ぎない。しかも、決定も
     指摘するとおり、本件においては再鑑定のための資料が残されておらず
     再鑑定を行う機会が奪われている。それにもかかわらず、決定は、
     これらの事情を請求人に不利益に扱ったものであって、
     到底容認できないものである」

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http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2014080301001680.html

有罪男性の「DNA鑑定は誤り」 再審請求へ
2014年8月3日 21時54分

 無罪が確定した「足利事件」と同時期の約20年前に実施されたDNA鑑定が有力な証拠となり、有罪判決を受けた中部地方の男性について、弁護士が現在の方法で鑑定をやり直したところ、犯人と一致しない結果が出たとして、今月中にも同地方の裁判所に再審請求を起こすことが3日、分かった。

 鑑定をやり直したのは、足利事件を担当した佐藤博史弁護士で、取材に対し「足利事件と同様に、精度が低い鑑定で有罪が確定したのは全国で8人いる。現在の技術で、正しい判断をすべきだ」と話している。

 佐藤弁護士によると、男性は約20年前、女性を暴行したとして逮捕された。

(共同)
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http://www.asahi.com/articles/ASG845D8DG84UTIL02M.html?iref=comtop_6_04

DNA再鑑定で別人の可能性」 暴行事件で再審請求へ
2014年8月4日20時23分

 約20年前に女性に暴行をしたとして有罪判決を受け、服役した中部地方の男性が、「DNA型鑑定をやり直したら、真犯人とは別人の可能性があるという結果が出た」として、今月中にも再審請求する方針であることがわかった。有罪の決め手となった当時のDNA型鑑定は、再審無罪が確定した足利事件で「証拠能力がない」と判断されて問題となったのと同じ手法だったという。

 男性のDNA型鑑定のやり直しに協力したのは、足利事件でも弁護人を務めた佐藤博史弁護士。佐藤弁護士によると、男性は約20年前に逮捕され、一貫して無罪を主張していた。しかし、事件現場に残された犯人の体液と男性のDNA型が一致したなどとして、有罪判決が確定。現在は服役を終えているという。

 当時のDNA型鑑定は「MCT118型」と呼ばれる手法。捜査への導入間もない時期で、1千人に1人程度を特定できる精度しかなかったという。そこで今年に入り、男性の口内の細胞を使ってDNA型鑑定を実施したところ、当時の男性の鑑定結果とは異なる可能性があることが分かったという。

 佐藤弁護士は「当時の現場に残された試料が残っていれば、改めて最新のDNA型鑑定をするよう求めたい。そうすれば、犯人と別人かどうかはっきりする」と話している。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014080602000137.html

袴田さん抗告審 証拠衣類のネガ存在 検察 従来説明撤回し謝罪
2014年8月6日 朝刊

 静岡地裁が三月に再審開始決定を出した袴田巌(いわお)さん(78)の即時抗告審で、検察側が「存在しない」と裁判所や弁護団に説明してきた五点の衣類のカラー写真のネガが存在していたことが五日、分かった。証拠開示を求めてきた弁護団は「検察の証拠隠しだ」と批判している。 

 東京高裁で開かれた高裁、東京高検との三者協議後に弁護団が明らかにした。

 事件は、一九六六年に静岡県清水市(現静岡市清水区)で発生。みそ製造会社の専務一家四人が殺害された。強盗殺人などの疑いで逮捕された袴田さんは八〇年に死刑が確定した。

 犯行時の着衣とされた五点の衣類は事件の一年二カ月後、現場のみそ工場タンク内で見つかった。静岡地裁の再審開始決定は、長い間みそに漬けられていたはずの衣類のカラー写真の色合いが不自然であるとし、「捜査機関に捏造(ねつぞう)された疑いがある」と指摘した。今回存在が判明したネガとカラー写真との衣類の色合いの違いが、高裁の判断を左右する可能性が出てきた。

 第二次再審請求審で、静岡地検が五点の衣類のカラー写真を初めて開示した。弁護団は、衣類をさまざまなみそに漬け込んで色の変化を調べた独自の実験結果と比較。「(カラー写真に写っている)五点の衣類のみその染まり方は極端に薄い。一年二カ月も漬かっていたとは考えられない」とし、捜査機関自らがタンクに入れたと主張した。

 弁護団によると、静岡地検は、第二次再審請求審の三者協議が続いていた二〇一〇年と一一年、写真のネガの開示を求めた弁護団に「ネガはない」と回答していた。しかし五日の三者協議では一転して高検検事が「地検検事が事実に反する答えをしたことを率直に謝罪する」と述べ、ネガの存在を認めたという。ネガは百十一枚で、検察側は再審開始決定後一部のネガを鑑定し時間の経過によりカラーの色合いが変わったと主張しているという。弁護団は残りのネガの中に、袴田さんの無罪を証明する証拠があるとみて開示を求めた。

 検察幹部は取材に「再審開始決定後、警察が倉庫を整理していて偶然、ネガを見つけた。故意に隠したのではない」としている。
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コメント
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●袴田事件、48年間のそれぞれの苦難・・・・・・袴田巌さんと秀子さん、そして、熊本典道さん

2014年03月29日 00時00分47秒 | Weblog


asahi.comの二つの記事【袴田死刑囚の姉ら拘置所到着 「どうしても会いたい」】(http://www.asahi.com/articles/ASG3W552KG3WUTIL01V.html)と、
【袴田巌さん、東京拘置所から釈放 再審開始決定受け】(http://www.asahi.com/articles/ASG3W56BSG3WUTPB019.html?iref=comtop_6_01)。
東京新聞の記事【袴田事件再審決定 「証拠捏造の疑い」】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014032702000264.html)。
asahi.comの社説【死刑囚の再審―過ちはすみやかに正せ】(http://www.asahi.com/paper/editorial.html?iref=comtop_pickup_p)。
東京新聞の社説【袴田事件再審決定 冤罪は国家の犯罪】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2014032802000164.html)。
最後に、袴田事件をずっと支援されてきた保坂展人さんのasahi.comのコラム【袴田さん釈放に万感 問われる国の責任】(http://www.asahi.com/and_w/life/SDI2014032835581.html?iref=comtop_fbox_d2_03)。

   ●『DAYS JAPAN 2007年12月号』読了 (1/2)
    「森達也氏の本にも出てきた保坂展人氏や亀井静香氏の
     「~まだ間に合うのなら⑨~ 死刑大国・日本」。
     元ボクサー袴田さんの冤罪の件も。保坂議員のメモから起こした
     図が生々しい(森さんの「死刑」にも同様の図有り)。」

   『●『創 (12月号)』読了 (2/2)
   『●『冤罪File No.2 (6月号)』読了
   『●『月刊誌3冊』読了(2/4)
   『●『冤罪File(No.06、2009年6月号)』
   『●冤罪事件映画化: 袴田事件
   『●冤罪が増幅されはしまいか?
   『●冤罪によるアリ地獄
   『●名張毒ぶどう酒事件という冤罪
   『●『美談の男』読了
    「『美談の男/冤罪 袴田事件を裁いた元主任裁判官・熊本典道の秘密』、
     7月に読了。尾形誠規著。鉄人社。2010年6月刊、第1刷。
      本の帯、「私は無罪を確信しながら死刑判決を言い渡した―――。
     39年前の過ちを自ら告白した元エリート判事の転落と再生/
     酒……家族崩壊……自殺未遂……放浪……そして―――。
     逃れたくとも逃れられない袴田事件の呪縛」。
      「裁判員制度が始まろうとしているいま、いつ誰が熊本と
     同じ立場になってもおかしくない」・・・」

   『●『創(2010年7月号)』
   『●袴田事件: いい加減に誤まりを認めるべき
   『●『冤罪File(No.10)』読了
   『●冤罪デモ
   『●それは、職業裁判官の怠慢にすぎない
   『●『検察に、殺される』読了
   『●強大な氷山の一角としての冤罪発覚
   『●「前川さんの身になってほしい!」: 「福井事件」という明々白な冤罪
   『●作られた袴田冤罪事件、理不尽極まる漸くの初の証拠開示
   『●死刑という制度: 「吊るせ、吊るせ」の合唱で何か状況は変わるのか?
   『●手遅れ!! ~死刑のスイッチを押すことと死刑執行~
   『●PC遠隔操作冤罪事件: やはり捏造しようとしていないか?
   『●「どうなるのニッポン」『週刊金曜日』
       (2013年7月26日、953号)についてのつぶやき
   『●飯塚事件の久間三千年さんと福岡事件の西武雄さん
   『●袴田事件: 静岡地裁は「疑わしきは被告人の利益に」を
   『●「曽野綾子とは何か」 『週刊金曜日』
          (2014年1月24日号、976号)についてのつぶやき
   『●袴田事件、そして死刑執行後の『飯塚事件』再審:
                         司法の良心を示せるか?
   『
●袴田事件・釈放!: 「捜査機関が重要な証拠を捏造した疑い」
                 「拘置の続行は耐え難いほど正義に反する」


以下は、昨日の「つぶやき」。

***********
■報道ステーションで袴田さんのインタビュー。思っていたより、遥かにしっっかりとしておられる。実感がわかない印象だ。お姉さんの秀子さんが本当に嬉しそうだ。本当に良かった。いま晩酌をしておられる頃か?(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/049357a4c458aa9a0094191c2b363e56 …

■報道ステーションでトップニュース。裁判長の言葉「正義に反する」(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/049357a4c458aa9a0094191c2b363e56 …)。証拠の捏造まで厳しく断罪。裁判時に、衣類という証拠の変更を申し立ててまで捏造。熊本典道元裁判長のコメントを聞いてみたい(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/1ce91952c0e77c5dc55b877bf1632238 …

■意に反して袴田事件の死刑判決を書いた元裁判官・熊本典道さん(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/1ce91952c0e77c5dc55b877bf1632238 …)のインタビュー。贖罪の言葉。熊本さん自身も大変に苦しかった事と思う。また、元刑事のコメントに怒りがわく。何の反省の言葉もないとは

■どう責任をとるつもりか?(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/049357a4c458aa9a0094191c2b363e56) 『袴田さんを祝福、捜査批判』(http://www.nikkansports.com/general/news/f-gn-tp0-20140327-1276329.html)/「ゴビンダ・プラサド・マイナリさん・・足利事件で再審無罪が確定した菅家利和さん・・名張毒ぶどう酒事件で1972年に死刑が確定し、昨年11月に第8次再審請求を申し立てた奥西勝死刑囚(88)の鈴木泉弁護団長は「私たち弁護団にとって、再審開始決定が出たことは何よりの励ましになる」とコメント」
***********

 東京新聞社説「真犯人を取り逃がした上、ぬれぎぬを着せられた人物の一生を破滅に追い込む」・・・・・・ましてや飯塚事件。既に久間三千年さんは、麻生内閣の森英介法務大臣のゴーサインの下、死刑執行。どう責任をとるのだろうか? 責任など、とれる訳もないのだが・・・・・・。「真犯人を取り逃がした上」、死刑執行・・・・・・暗澹たる思いだ。「冤罪であれば、警察、検察庁、裁判所、すべてが誤りを犯したことになる」、取り返しようのない「不可逆な誤り」である。
 最後に、保坂展人さんのコラム。全く同感。「永遠の沈黙」を待つ残酷な司法・・・・・・「捜査をした警察・検察、死刑判決を続けた司法の責任をうやむやにするには、袴田さんの生命が尽きることが、国にとって一番都合がよかったのではないでしょうか。再審の扉を閉じたまま袴田さんが亡くなれば、真相を闇の中へ葬ることができるからです。この間、袴田さんを担当した検察官も裁判官も次々と交代していきました。ただ、時がすぎるのを待っているかのように。しかし、「永遠の沈黙」に陥ることはありませんでした」

   『●冤罪死刑囚の死を待ち、責任を逃れようとする冷酷な人々

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http://www.asahi.com/articles/ASG3W552KG3WUTIL01V.html

袴田死刑囚の姉ら拘置所到着 「どうしても会いたい」
2014年3月27日16時26分

 静岡地裁の再審開始決定を受け、袴田巌死刑囚(78)の姉ひで子さん(81)が27日午後3時ごろ、支援者らとともに、袴田死刑囚がいる東京・小菅の東京拘置所に到着した。ひで子さんは「ただ、ただ、うれしいだけです。巌の拘置を一日も早く解いてあげたい」と改めて喜びを語った。

 袴田元被告は精神を病んでおり、ひで子さんが毎月面会に出向いても、会えない状態が3年半続いている。ひで子さんは「いつもなら、会いたくないと言われたらすぐに帰るんですが、今日はどうしても会いたい。いい知らせがあるからどうしても出てこいと言って、頑張るつもりです」と話した。

 最初にかけてあげたい言葉は何かと聞かれると、「本人が分からなくても、『元気か?再審開始になった』と言ってみようと思います」と答えた。
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http://www.asahi.com/articles/ASG3W56BSG3WUTPB019.html?iref=comtop_6_01

袴田巌さん、東京拘置所から釈放 再審開始決定受け
2014年3月27日17時26分

 静岡地裁の再審開始決定を受け、袴田巌死刑囚(78)が27日午後5時20分すぎ、東京・小菅の東京拘置所から釈放された。逮捕から48年ぶり。姉ひで子さん(81)らと一緒に車に乗り、拘置所を出た。

 支援者によると、袴田元被告には決定文を見せて再審開始について伝えたが、「ウソだ」と信じられない様子だったという。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014032702000264.html

袴田事件再審決定 「証拠捏造の疑い」
2014年3月27日 夕刊

 静岡県清水市(現静岡市清水区)で一九六六年にみそ製造会社の専務一家四人が殺害された袴田事件の第二次再審請求で、静岡地裁は二十七日、強盗殺人罪などで死刑判決が確定した袴田巌(はかまだいわお)元被告(78)の再審開始と刑の執行、拘置の停止を決定した。村山浩昭裁判長は、確定判決で犯行時の着衣と認定された「五点の衣類」について「後日捏造(ねつぞう)された疑いがある」と結論付けた。事件発生から約四十八年、死刑確定から約三十四年で裁判がやり直され、死刑判決が取り消される可能性がある。 

 法務省によると、死刑囚の再審が決定したケースで、拘置の執行停止が認められたのは初めて。死刑囚の再審開始決定は財田川、免田、松山、島田と、後に決定が取り消された名張毒ぶどう酒事件に続き戦後六例目で九年ぶり。名張以外の四人は再審無罪となった。静岡地検が即時抗告すれば、再審を認めるか否かの判断は東京高裁に委ねられる。弁護団は即時抗告しないよう地検に申し入れた。

 第二次請求審の最大の争点は、五点の衣類が袴田元被告のものかどうかだった。検察、弁護側双方の推薦した専門家二人がDNA型鑑定を実施。ともに、白半袖シャツの右肩の血痕が袴田元被告のDNA型と完全には一致しないとの見解を示した。弁護団が「五点の衣類は何者かが捏造した証拠」とした一方、検察側は「試料が古く、信用性が低い」と主張してきた。

 決定は、鑑定から「五点の衣類の血痕は、袴田元被告のものでも犯行着衣でもない可能性が相当程度認められる」と指摘。鑑定結果は「無罪を言い渡すべき明らかな証拠に当たる」と判断した。

 五点の衣類は事件から一年二カ月後、同社のみそタンク内から見つかった。決定は「実験結果からみても、衣類の染まり具合はみその色に比べて薄く、血痕の赤みも強すぎる。長時間みその中に隠されていたにしては不自然」と指摘。

 弁護側は、衣類のうちズボンはサイズが合わず袴田元被告のものでもないと主張。決定は確定判決の認定を否定し「ズボンが袴田元被告のものではなかったとの疑いに整合する」と認定した。

 再審開始決定を受け、袴田元被告の姉の秀子さん(81)は二十七日午後、東京拘置所へ面会に向かう。

 <静岡地検・西谷隆次席検事> 予想外の決定であり、本庁の主張が認められなかったのは、誠に遺憾。上級庁と協議し、速やかに対応したい。
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http://www.asahi.com/paper/editorial.html?iref=comtop_pickup_p

死刑囚の再審―過ちはすみやかに正せ
2014年3月28日(金)付

 無実の人を罪におとし、長年にわたり、死刑台の縁に立たせる。許されないことが起きたおそれが強い。

 静岡県で48年前、一家4人が殺害された。犯人として死刑を宣告された袴田巌さんの再審の開始を静岡地裁が決定した。

 検察側は抗告によって手続きを長引かせるべきではない。すみやかに再審すべきである。

 80年代、免田栄さんら死刑が確定した4人が相次いで再審で無罪になった。自白の強要、とりわけ死刑の取り返しのつかなさを考えさせたはずだった。

 袴田さんの死刑確定や第1次再審請求審はそうした動きと並行していたのだが、判決は今日まで維持されている。あの教訓ははたして生かされたのか。司法界は猛省せねばなるまい。

 今回の決定が特に重いのは、袴田さん有罪の重要証拠で、犯行時に着ていたとされた衣服5点について、捜査機関が捏造(ねつぞう)した疑いがあるとさえ言及していることだ。

 死刑を決定づけた証拠がでっち上げだったとしたら、かつてない深刻な事態である。

 捜査・検察当局に求められるのは、この指摘を真摯(しんし)に受けとめ、何が起きたのか徹底調査することではないか。

 袴田さんは78歳。いつ執行されるか分からない死刑の恐怖と向き合う拘置所暮らしで精神の病が進み、姉や弁護人による面会でさえ難しくなった。

 死刑の確定から34年である。むだにしていい時間はない。

 再審を開くかどうかの判断にここまで時間を要している裁判のあり方も検討すべきだ。

 衣服の血痕に用いたDNA鑑定の新しい技術が今回の決定を後押ししたのは確かだろう。ただし、衣服は一審が始まった後に現場近くで突然見つかったとされ、その不自然さのほか、袴田さんには小さすぎる問題などがかねて指摘されていた。

 「疑わしきは被告人の利益に」の理念は尊重されていたのか、問い直すべきだ。

 27年かかって棄却に終わった第1次再審請求審と比べ、第2次審では証拠の開示が大きく進んだ。裁判所が検察に強く促した結果、当初は調べられていなかった証拠が多く出された。

 袴田さんに有利なのに、弁護側が存在さえ知らなかった証言もあった。それもなぜ、もっと早くできなかったのか、と思わざるをえない。

 今回の再審開始決定は、釈放にもあえて踏み込んだ。裁判長が、これ以上の拘束は「耐え難いほど正義に反する」とまで断じた意味はあまりに重い。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2014032802000164.html

【社説】
袴田事件再審決定 冤罪は国家の犯罪
2014年3月28日

 裁判所が自ら言及した通り、「耐え難いほど正義に反する状況」である。捏造(ねつぞう)された証拠で死刑判決が確定したのか。速やかに裁判をやり直すべきだ。

 事件発生から一年二カ月後に工場のみそタンクから見つかった血痕の付いた衣類五点は、確定判決が、袴田巌さんを犯人と認定する上で最も重視した証拠だった。

 その衣類について、今回の静岡地裁決定は「後日捏造された疑いがある」と述べた。

 検察庁も裁判所も証拠の捏造を見抜けないまま死刑を宣告していたのであろうか。


◆「こちらが犯行着衣」

 絶対にあってはならないことであるが、死刑を言い渡した当の裁判所が、その疑いが極めて高くなったと認めたのである。ただならぬ事態と言わざるを得ない。

 そもそも、起訴の段階で犯行着衣とされたのは、血痕と油の付着したパジャマだった。

 ところが、一審公判の中でパジャマに関する鑑定の信用性に疑いがもたれるや、問題の衣類五点がみそタンクの中から突然見つかり、検察官は「こちらが真の犯行着衣である」と主張を変更した。

 袴田さんは、公判では起訴内容を否認したが、捜査段階で四十五通の自白調書が作られていた。毎日十二時間以上に及んだという厳しい取り調べの末に追い込まれた自白で、その内容は、日替わりで変遷していた。

 一審判決は、そのうち四十四通を、信用性も任意性もないとして証拠から排斥したが、残り一通の検察官作成の自白調書だけを証拠として採用し、問題の衣類五点を犯行着衣と認定して死刑を言い渡した。判決はそのまま高裁、最高裁を経て一九八〇年に確定した。この間、どれほどの吟味がなされたのか。

 この確定判決をおかしいと考えていたのは、再審を請求した弁護側だけではなかった。


◆新証拠の開示が鍵に

 一審で死刑判決を書いた元裁判官の熊本典道さん(76)は二〇〇七年、「自白に疑問を抱き無罪を主張したが、裁判官三人の合議で死刑が決まった」と告白している。

 「評議の秘密」を破ることは裁判官の職業倫理に反する暴挙だと批判されたが、この一件で、袴田事件に対する市民の疑念も決定的に深まったのではないか。

 第二次再審請求審では、弁護団の開示請求を受けて、裁判所が検察側に幾度も証拠開示を勧告。静岡地検は、これまで法廷に提出していなかった五点の衣類の発見時のカラー写真、その衣類のズボンを販売した会社の役員の供述調書、取り調べの録音テープなど六百点の新証拠を開示した。その一部が再審の扉を開く鍵になった。

 これまでの再審請求事件では、捜査当局が集めた証拠の開示、非開示は検察の判断に委ねられたままで、言い換えれば、検察側は自分たちに都合のよい証拠しか出してこなかったともいえる。弁護側から見れば、隠されたことと同じだ。今回の請求審では、証拠開示の重要性があらためて証明されたといっていい。

 そもそもが、公権力が公費を使って集めた証拠である。真相解明には、検察側の手持ち証拠が全面開示されてしかるべきだろう。

 柔道二段で体格もよい被害者を襲う腕力があるのは、元プロボクサーの彼以外にない…。従業員だから給料支給日で現金があることを知っている…。袴田さんは、いわゆる見込み捜査で犯人に仕立てられた。一カ月余り尾行され、逮捕後は、時に水も与えられない取り調べで「自白」に追い込まれる。典型的な冤罪(えんざい)の構図である。無理な捜査は証拠捏造につながりやすい。

 冤罪であれば、警察、検察庁、裁判所、すべてが誤りを犯したことになる。真犯人を取り逃がした上、ぬれぎぬを着せられた人物の一生を破滅に追い込む。被害者側は真相を知り得ない。冤罪とは国家の犯罪である。

 市民の常識、良識を事実認定や量刑に反映させる裁判員裁判の時代にある。誤判につながるような制度の欠陥、弱点は皆無にする必要がある。


◆検察は即時抗告やめよ

 司法の判断が二転三転した名張毒ぶどう酒事件を含め、日弁連が再審請求を支援している重要事件だけでも袴田事件以外に八件。証拠開示を徹底するなら、有罪認定が揺らぐケースはほかにもあるのではないか。

 冤罪は、古い事件に限らない。今も起きうることは、やはり証拠捏造が明らかになった村木厚子さんの事件などが示している。

 袴田さんの拘置停止にまで踏み込んだ今決定は、地裁が無罪を確信したことを意味している。

 検察は即時抗告することなく、速やかに再審は開始されるべきである。
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http://www.asahi.com/and_w/life/SDI2014032835581.html?iref=comtop_fbox_d2_03

袴田さん釈放に万感 問われる国の責任
<太陽のまちから> 特別寄稿
保坂展人
2014年3月28日

 無実の死刑囚として拘置されていた元プロボクサーの袴田巌さん(78)が、48年ぶりに釈放されました。3月27日午後5時、東京拘置所から出てくる映像を見て、万感こみあげるものがありました。
 私が袴田さんの置かれている立場を知ったのは、衆議院法務委員会に属して活動していた1998年のことでした。人権問題をたびたび法務委員会で取り上げていることを知って、姉のひで子さんが支援者の方々と議員会館に訪ねてこられたのです。
 当時、すでに30年を超える長期の拘置が続き、しかも確定死刑囚として20年あまりも「死刑執行の恐怖」にさらされていた袴田さんは次第に心の変調をきたすようになっていました。90年代半ばには、弟の無実を信じて励ましてきた唯一の理解者であるひで子さんの面会も拒絶するようになった、と聞きました。
 私の仕事は、拘置所での袴田さんの身体や精神の状況をできるだけ詳細に聞き取り、ひで子さんや弁護団、支援者に伝えることでした。袴田さんは裁判の中で、「神さま―。僕は犯人ではありません。僕は毎日叫んでいます」(母親にあてた手紙)などと大量の手紙を記して、無実を訴えていました。司法の場で自らの潔白が証明されることを信じていたのです。
 ところが、68年、静岡地裁で死刑判決。76年、東京高裁で控訴棄却、80年に最高裁で上告が棄却され、死刑が確定します。
 しかし、一審で死刑判決を出した静岡地裁は、警察・検察による連日12時間に及ぶ取り調べによって作成された45通の供述調書のうち、じつに44通を「違法な取り調べ」によるものとして棄却しました。長時間にわたり自白を迫る強引な調書作成過程の信用性を認めませんでした。それでも、残る1通を採用して死刑判決を出したのです。
 94年、一縷の望みをかけた再審請求が静岡地裁で棄却されると、袴田さんは裁判関係書類の差し入れを拒否し、弁護士とも面会しなくなりました。
 誰とも会わなくなって3年半以上続いた袴田さんの様子をみるために、私は半年ががりで法務省矯正局と交渉して、東京拘置所での面会にこぎつけました。2003年3月10日、私は姉のひで子さんと弁護士と一緒に袴田さんと会い、言葉をかわしました。
 しかし、袴田さんは、空想の世界の住人になっていました。このときの様子は、「塀の中に閉じ込められた『秘密』の闇」として、このコラム(2013年11月19日)で触れましたが、あらためて記します。

 保坂 「元気ですか」

 袴田 「元気ですよ」

 保坂 「今日はあなたの誕生日ですが、分かります? 67歳ですね」

 袴田 「そんなことを言われても困るんだよ。もういないんだから、ムゲンサイサイネンゲツ(無限歳歳年月?)歳はない。地球がないときに生まれてきた。地球を作った人……」

 保坂 「ご両親についてお話したい」

 袴田 「困るんだなー。全てに勝利したんだから」

     「無罪で勝利した。袴田巌の名において……」

     「神の国の儀式があって、袴田巌は勝った。日本国家に対して5億円の損害賠償を取って……」

 保坂 「5億円はどうしたんですか」

 袴田 「神の国で使っている」

 保坂 「袴田巌さんはどこに行ったのですか?」

 袴田 「袴田巌は、智恵の一つ。私が中心になった。昨年儀式があった」 

 長年の拘置によって精神に変調をきたす拘禁反応が強く出ていて、すぐにでも治療が必要な状態でしたが、何の治療もなされませんでした。
 07年、私は、国会内に、ひとりの法律家を招いた勉強会をセットしました。一審の死刑判決に関与したことを悔いて、号泣しながら袴田さんに謝罪した元裁判官の熊本典道さん。多数のメディアの前で、「自分は無罪を確信していたが、他のふたりの裁判官に押し切られて死刑判決を書いてしまった。悔やんでも悔やみきれない」と告白したのです。
 再審への期待が高まったのは、いまから10年も前のことでした。
 04年8月。四谷の中華料理店で私はひで子さんや弁護士の皆さんと、東京拘置所にいる袴田さんに、どのように「再審開始」という朗報を伝えるかの案を練っていました。東京高裁に対する期待は大きく、「きっと始まる、大丈夫だ」という声がありました。しかし、東京高裁は再審を求める訴え(即時抗告)を棄却しました。
 それでも、ひで子さんをはじめ、支援者も弁護団もあきらめませんでした。ボクシング界からも支援の輪は広がりました。私が09年に国会を去った後も、袴田さんを支援する国会議員連盟がつくられました。ただ、弁護士をはじめ熱心な支援者のなかにはすでに他界された方もいます。
 思い出すのは、無実を訴えながら03年に獄中で亡くなった波崎事件の冨山常喜さん(享年86)のことです。
 亡くなる半年前、私は東京拘置所と交渉して、所内にある集中治療室で民間の医師の立ち会いのもとに冨山さんの健康状態をチェックする機会を設けました。

   「このままじゃ死ねないよ。無実を認めてもらわないと」

 病床の冨山さんはそうつぶやきました。人工透析と中心静脈栄養のチューブがつながっている状態を見て、医師は言いました。

   「このままでは、必ず感染症で亡くなります。うちの病院でリハビリをしましょう」

 しかし、その提案は認められませんでした。そして、医師の言葉通り、冨山さんは半年後、感染症のため息を引き取りました。
 それだけに、48年という歳月をへて、袴田さんが生きて東京拘置所を出ることができたことは幸いです。
 この間に、ずさんな捜査による冤罪(えんざい)である、との認識は広がっていました。再審開始決定を下した静岡地裁が今回、「証拠の捏造」と断罪するよりはるか前に、冤罪を訴える元プロボクサー「Hakamada」の名は世界に知れ渡り、EU各国の大使館をはじめ注目を集めていました。そのため、袴田さんに死刑が執行される可能性はありませんでした。
 そうしたなか、捜査をした警察・検察、死刑判決を続けた司法の責任をうやむやにするには、袴田さんの生命が尽きることが、国にとって一番都合がよかったのではないでしょうか。再審の扉を閉じたまま袴田さんが亡くなれば、真相を闇の中へ葬ることができるからです。この間、袴田さんを担当した検察官も裁判官も次々と交代していきました。ただ、時がすぎるのを待っているかのように。
 しかし、「永遠の沈黙」に陥ることはありませんでした。私は袴田さんが生還した喜びをかみしめながら、この不条理を半世紀続けた国家の責任を強く問うべきだと考えています。
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●袴田事件: 静岡地裁は「疑わしきは被告人の利益に」を

2013年12月18日 00時00分43秒 | Weblog


東京新聞の社説【袴田事件裁判 納得のできる判断を】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013121402000129.html)。

 「最終意見書ではいくつもの疑問点が示された。裁判所は社会が納得できる判断を下さねばならない」・・・・・・「「四十七年間待った。もう、けりをつけていただくころだ」と、再審決定を待つ請求人の姉秀子さんも八十歳だ。十六日には秀子さんの意見陳述があり、来春にも地裁が再審の可否を判断する」。あまりにも長い検察や裁判所の怠慢。証拠が出てくるのに一体何年かかっているのか? 「白鳥決定で示されたように「疑わしきは被告人の利益に」を再審請求にも適用するのか。裁判官には疑問の残らない判断を期待したい」・・・・・・けれども、どうなだろう。静岡地裁の判断は?

   『●冤罪事件映画化: 袴田事件
   『●冤罪によるアリ地獄
   『●『美談の男』読了
   『●袴田事件: いい加減に誤まりを認めるべき
   『●作られた袴田冤罪事件、理不尽極まる漸くの初の証拠開示
   『●手遅れ!! ~死刑のスイッチを押すことと死刑執行~

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013121402000129.html

【社説】
袴田事件裁判 納得のできる判断を
2013年12月14日

 半世紀も前の強盗殺人事件で死刑が確定している袴田巌死刑囚の再審は実現するのだろうか。最終意見書ではいくつもの疑問点が示された。裁判所は社会が納得できる判断を下さねばならない。

 袴田事件は一九六六年、清水市(現静岡市清水区)のみそ製造会社専務宅から出火、焼け跡から一家四人の刺殺体が発見された事件で、住み込み従業員の袴田巌死刑囚が逮捕された。事件発生から一年二カ月後、働いていた工場のみそタンクから発見されたシャツ、ズボンなどの衣類五点と自供が決定的な証拠となり、八〇年に死刑が確定した。

 静岡地裁で二〇〇八年から始まった第二次再審請求の審理では、裁判官による証拠開示の勧告が地検になされたことが注目に値する。地検から六百点にも及ぶ証拠が弁護団に示された。審理に新たな道を開いた意義は大きい。

 再審請求の最大の焦点はDNA鑑定だ。犯人のものとされる五点の衣類に付着していた血液が最新の技術で再鑑定された。

 弁護側の鑑定人が「袴田死刑囚、被害者いずれの血液とも一致しない」としたのに対し、検察側は「鑑定試料が古く正確な判定ができない」とし、一致する可能性もあると反論している。

 新たに開示された証拠の中には自白供述の録音テープや関係者の供述調書があった。その一つで袴田死刑囚と一緒に消火活動に走ったという同僚二人の供述について検察側は「犯行後のことで犯行時のアリバイにはならない」と一蹴する。そのほかの疑問点もすべて確定判決を覆す新証拠ではないとするのが検察側の見解だ。

 「四十七年間待った。もう、けりをつけていただくころだ」と、再審決定を待つ請求人の姉秀子さんも八十歳だ。十六日には秀子さんの意見陳述があり、来春にも地裁が再審の可否を判断する。

 裁判員裁判が社会に定着。国民一人一人が司法に直接携わる時代になった。証拠の開示はその流れを受けて行われたともいえる。

 弁護団側が主張する証拠はどれも決定的な新証拠ではないようにみられる。しかし、「これだけ疑問のある証拠が出てきたことは、総合的に見て犯人ではない」と主張する。

 再審開始は「明らかな証拠をあらたに発見したとき」なのか。白鳥決定で示されたように「疑わしきは被告人の利益に」を再審請求にも適用するのか。裁判官には疑問の残らない判断を期待したい
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