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●「利権」「裏金」党では《裏金は「文化」》! 今年も酷い一年だった、ホントに《年の暮れになって私たちは何を見せられているのだろうか》

2023年12月31日 00時00分05秒 | Weblog

[※ 《#素淮会(そわいかい)…麻生太郎財務相…「会合費」として約二千万円…支払先は料亭や会員制サロンなど》(東京新聞 2018年12月1日)↑]


/ (2023年12月19日[火])
《裏金は「文化」》! さすが、カルト協会とヅボヅボな「利権」「裏金」党。
 日刊スポーツのコラム【政界地獄耳/裏金は「文化」発言 問われる鈴木前総務相の見識】(https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202312190000025.html#goog_rewarded)によると、《だが鈴木は辞めたとはいえ、この問題の主務官庁でもある総務大臣。また巨悪を眠らせない東京地検特捜部が、この金額で目くじらを立てないとの目算があるような物言いに、政界では「挑発している」との声も上がる。またこの時、「この世界文化と言えば変だが、そういう認識があった」との妙な説明をつけた。…最近各地で発覚している都道府県の県連パーティーと派閥のパーティーが、裏金づくりの温床になっていた党内の暗黙のルールを文化と指すなら、裏金文化の合法化と思われても仕方がない。キックバックや還流という考えも、自民党ではいわば文化なのだろう。鈴木の発言はいずれも総務相としての見識が問われる発言ではないか。》

 「盛者必衰の理」のアベ様派と地位に恋々としがみつくキシダメ首相。それにしても、この一年も酷い政治状況でした。(狙撃兵)《それにしても、年の暮れになって私たちは何を見せられているのだろうか》?
 長周新聞のコラム【訂正「火の玉」→「火だるま」/コラム 狙撃兵】(https://www.chosyu-journal.jp/column/28489)。《恐らく「火の玉」ではなく「火だるま」の間違いなのだろう。時事世論調査でついに内閣支持率は17・1%まで落ち込み、裏金パーティー券問題でのグダグダとした対応如何によっては、今後さらに急落していく気配を見せている。我が世の春を謳歌していた安倍派のみならず他派閥も含めて、自民党が開催してきた政治資金パーティーとは要するに裏金作りの一大イベントだったことが暴露され、年の瀬も迫るこの時期になって政界は大炎上である。これらの自民党の裏金作り集団火の玉になって、いったい何がどうなるというのだろうか? というか、「進め一億火の玉だ」(大政翼賛会が掲げたスローガン)をもじっているのだろうか? などと言葉の選択に疑問も抱きつつ、岸田文雄の涙目の会見を眺めていた》。

   『●どういう神経? ウルトラ差別主義者な財務相・副首相が大量密集
     《カネ集めパーティ》の強欲。《夜の街》は御控えになっているのか?
   『●《派閥というより党としての脱税指南があったのではないかと疑いたく
     なる。それでいて議員の給料を上げる法律は通す厚顔ぶり》(政界地獄耳)
   『●パー券キックバック疑惑…カルト協会とヅボヅボな「利権」党の政治資金
     収支報告書への支出記載無しのキックバック、議員の受領記載無しの裏金
   『●キックバックして裏金化、党(派閥)も議員サイドもどちらも収支報告書
     不記載…カルト協会とヅボヅボな「利権」「裏金」党が《脱税指南》?
   『●パー券キックバック・裏金疑惑…いつまで《自民党内はまだ人ごとの
     よう》でいられるか? 西村経産相「膿を出さなければいけない」って…
   『●(政界地獄耳)《引き際の汚い安倍派 往生際の悪さは派閥の伝統か》…
     「盛者必衰の理」のアベ様派と地位に恋々としがみつくキシダメ首相
   『●パー券中抜き・キックバック(戻し)・裏金疑惑…カルト協会とヅボヅボ
      な反社的「利権」「裏金」党全体の組織的犯罪、党全体の構造的問題

   『●郷原信郎弁護士「政治資金規正法は真ん中に大穴があいたザル法。法改正
     に向けた議論も本格化しないと、政治とカネの問題は繰り返される」(1/2)
   『●郷原信郎弁護士「政治資金規正法は真ん中に大穴があいたザル法。法改正
     に向けた議論も本格化しないと、政治とカネの問題は繰り返される」(2/2)

 金子勝さんは、傍観者ではいけない、と言う。検察のさじ加減で政権が左右されていはいけない。韓国のように、ファシズムの萌芽となる。田中角栄氏、小沢一郎氏(「期づれ」(期ズレ冤罪事件、「小沢裁判」)など、政権が揺るぎ、アメリカ追従化が進む。また、日刊ゲンダイの記事【映画「『知事抹殺』の真実」が描く国策捜査と報道の“闇”】(http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/191719)を読むとわかるが、《5期18年務めた福島県の佐藤栄佐久元知事(77)が「謎の収賄事件」で突然、政治生命を絶たれてから10年。“冤罪”まがいの「収賄額0円」という前代未聞の有罪判決が確定しているが、なぜ佐藤がつぶされたのか。ドキュメンタリー映画「『知事抹殺』の真実」(安孫子亘監督)…》…福島県では、検察が、佐藤栄佐久・元知事をつぶすことで、原発を推進する、といった具合だ。だからこそ、民主的な方法で政権交代を達成しなければいけない。傍観者ではいけない。単なる野党批判に堕していてはいけない。#選挙に行かないとこうなる #自民党に投票するからこうなる ← 諸悪の根源はコレ。
 デモクラシータイムスの映像資料【2023吼え納め!破綻する裏金国家~アベ2015年体制の大罪【金子勝の言いたい放題】20231219】(https://www.youtube.com/watch?v=N-JkwUiUqto)。《2023年を締めくくる金子勝の言いたい放題。パー券問題が政権を揺さぶります。でも、自民党の裏金づくりのあきれた実態は問題の入り口です。今や日本は国家をあげて裏金を作り本当はできないはずの防衛費43兆円をすすめ、政権を維持しようと時々の思い付きでバラマキをし、その結果、屋台骨が傾いていることに眼をつぶって暴走しています。その出発点は、2015年。安倍政権の2015年体制と呼ぶべき政治自体が、国家規模の裏金づくりと倫理の崩壊を招いてきました。それを許してきた野党と便乗もしたマスコミの罪も大きい。その仕組みと体制を俯瞰し明快に語る金子節を堪能ください。新年には、では、この後何をするべきか、大いに語っていただきます。2023年12月19日収録》



   『●安孫子亘監督映画「『知事抹殺』の真実」の 
      佐藤栄佐久元知事冤罪…泉田裕彦新潟県知事「事件」の背景に?
   『●書籍紹介『20人の識者がみた 「小沢事件」 の真実
               捜査権力とメディアの共犯関係を問う』

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https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202312190000025.html#goog_rewarded

コラム
政界地獄耳
2023年12月19日7時1分
裏金は「文化」発言 問われる鈴木前総務相の見識

★9月13日発足の第2次岸田第2次改造内閣で総務大臣に就任し、悲願の初入閣を果たした総務相・鈴木淳司。まじめ一徹できた人だけに入閣は多くが喜んだ。愛知7区、当選6回だが、民主党政権が生まれた09年の選挙では民主党新人の山尾志桜里に負け落選。12年の選挙では当選も、14年の選挙では山尾に選挙区で5000票差で負けるが比例復活。4度目の対決となった17年の選挙では、山尾が不倫疑惑報道で民進党を離党。無所属で出馬し鈴木有利といわれたが、834票差で敗れ比例復活した。

★鈴木は安倍派の裏金問題を否定していたが15日に一転して計60万円のキックバックを認めた。「派閥で正式に届け出たお金で『活動費』として交付され、経費として使っていいと思っていた」「裏金として受け取ったという認識はなかった」と、額は小さいものの各議員と同様の説明だ。過去の政治とカネでもこう説明していれば立件できなかったこともあり、そう説明している可能性がある。だが鈴木は辞めたとはいえ、この問題の主務官庁でもある総務大臣。また巨悪を眠らせない東京地検特捜部が、この金額で目くじらを立てないとの目算があるような物言いに、政界では「挑発している」との声も上がる。またこの時、「この世界文化と言えば変だが、そういう認識があった」との妙な説明をつけた。

★ネットでは「不倫は文化だのような言い方」と批判があるようだが、最近各地で発覚している都道府県の県連パーティーと派閥のパーティーが、裏金づくりの温床になっていた党内の暗黙のルールを文化と指すなら、裏金文化の合法化と思われても仕方がない。キックバックや還流という考えも、自民党ではいわば文化なのだろう。鈴木の発言はいずれも総務相としての見識が問われる発言ではないか。(K)※敬称略
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https://www.chosyu-journal.jp/column/28489

訂正「火の玉」→「火だるま」
コラム 狙撃兵 2023年12月18日

 恐らく「火の玉」ではなく「火だるま」の間違いなのだろう。時事世論調査でついに内閣支持率は17・1%まで落ち込み、裏金パーティー券問題でのグダグダとした対応如何によっては、今後さらに急落していく気配を見せている。我が世の春を謳歌していた安倍派のみならず他派閥も含めて、自民党が開催してきた政治資金パーティーとは要するに裏金作りの一大イベントだったことが暴露され、年の瀬も迫るこの時期になって政界は大炎上である。これらの自民党の裏金作り集団火の玉になって、いったい何がどうなるというのだろうか? というか、「進め一億火の玉だ」(大政翼賛会が掲げたスローガン)をもじっているのだろうか? などと言葉の選択に疑問も抱きつつ、岸田文雄の涙目の会見を眺めていた。

 私たちが目下見せつけられているのは、表現としては「火の玉」などではない。「火だるま」状態の安倍派なり岸田政権の姿である。さもしくせこい裏金作りの実態が白日の下に晒されて、なんだか勝手に燃え始めた――。世間一般からするとそんな印象すらある今回の政界汚職事件。20~30年前からノルマ以上のキックバックは慣例で、ずっとやっていた等々の報道もあり、わかっていたくせになぜこのタイミングで検察や商業メディアはやんやの騒ぎを始めたのか? という疑問もあるが、兎にも角にも明らかになった以上、政治家たちの汚職や腐敗は是正されて然るべきである。裏金作りに加担した者たちは一人残らず成敗されて公民権停止まで追い込まれるべきで、しっかりと火だるまになって燃え尽きるべきだろう。

 動揺する安倍派の下っ端のなかからは、「政治資金収支報告書に記載しないよう派閥から指示されていた」「しゃべるな! と箝口令がしかれている」等々の不満も出始め、泥船からの脱出劇でも始まったのかと思わせている。派閥から恨まれるリスクを背負ってなおそのような嘘をつく必要などないだろうし、恐らく箝口令がしかれているのも事実なのだろう。谷川弥一がメモを棒読みしたのがあらわしたように、逃げ口上のコメントまで統一しており、発覚後の対応もまた派閥ぐるみなのである。「派閥から記載しないよう指示されていた」についても、1人や2人という規模ではなく清和会所属の国会議員たちの誰一人として収支報告書に記載せず、裏金としてポッケにインしていた事実からして、派閥ぐるみで示し合わせていたことは誰にでもわかる。記載すれば裏金にならないのだから、そもそも記載するわけがないのである

 そのようにして稼いだ裏金の小遣いを彼らは何に使っていたのか? 領収もいらず、何に使ったのか明らかにする必要もないカネについて、どの事務所であれ会計責任者や秘書が勝手に使うわけなどなく、政治家本人がどのようなカネがいくらあるのか把握した上で使っていたと見なすのが自然だ。表に出るものならまだしも、裏金ならなおさらである。公表できない使い方があるからこそ裏金が必要となり、そのための捻出システムとしてパーティーをくり広げていたのだ

 それにしても、年の暮れになって私たちは何を見せられているのだろうかという気もしないでもない。物価は上がり、食料も燃油も電気代その他もみな上がり、暮らしていくのに精一杯という状況が普遍的な昨今。早急に消費税を減税するなり、国民の暮らしを底上げするなり緊急政策を実施すべき政府が無能というか、自民党は己の懐のキックバックばかり考えているせこい連中の巣窟で、勝手に火だるまになって燃えている。支持率低迷の総理大臣といえば、何をいっているのかさっぱり不明で涙目になって能面という有り様である。さっさと解散総選挙を実施して、自民党にはドロップキックでも食らわせなければ、彼らに自浄作用など望めない
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●数多のアベ様案件…《検察は…政権が倒れてもおかしくないスキャンダルがいくつもあったのに、いつも本丸に迫ることなく敗北を続けてきた》

2023年12月15日 00時00分23秒 | Weblog

[※ 《#素淮会(そわいかい)…麻生太郎財務相…「会合費」として約二千万円…支払先は料亭や会員制サロンなど》(東京新聞 2018年12月1日)↑]


(2023年12月12日[火])
この記事【自民党パーティー券裏金問題の捜査で「安倍の呪縛」から逃れられるか 私たち国民がバカなのか問われている 古賀茂明】は、相当に重要で、示唆に富む必読だ

 《今回は違うのではないかというのが私の見立てだ》…古賀茂明さんの見立てが的中することを切に願う。《安倍・黒川ラインのせいで地に堕ちた検察の威信を取り戻したいと思っている。いわば安倍・黒川へのリベンジである》。アベ様やすがっち=元・最低の官房長官による《メディアコントロール》の頚木からも解放。検察もマスコミもアベ様の呪縛から解かれ、次は、有権者が目覚める番だ。

   『●書籍紹介『20人の識者がみた 「小沢事件」 の真実
               捜査権力とメディアの共犯関係を問う』

 《彼らが裏金づくりに関与していれば、政治資金規正法違反はもちろん、横領背任脱税の罪に問われる可能性がある》《贈収賄事件に発展する可能性もある》(古賀茂明さん) ――― (小沢一郎氏の「期づれ」(期ズレ冤罪事件、「小沢裁判」の際のような検察の熱量が、今回、もし無いのならば)「不記載」でしか罪を問えないのか? ならば、せめて、せめて、なんとしてでも最低限、「利権」「裏金」党議員には「公民権停止」を。

 《今回の大疑獄をもってしても、「アベノリンリに毒された政界を根本から浄化することができなければ、私たち国民は本当にバカなのだと言われても仕方ないだろう》(古賀茂明さん)。《安倍氏が残した負のレガシーの一つに、「地に堕ちた倫理観」がある。「アベノリンリ」と呼んでもいいだろう。…これを見ていた官僚も自民党政治家も右へ倣え。驚くような不祥事でも全くびくともしなくなった。これは経済界にも波及している。安倍忖度で不祥事の本格追及をできなかったマスコミでも同様に不正義追及の力が弱まった。そして、アベノリンリの蔓延は国民にも深刻な影響を与えている。モリカケサクラなどでも何事もなく政権が続くという異常な事態に慣れてしまい不正義への感度が著しく弱まったのだ。岸田政権でもそれが修復されていない。「国民は時間が経てば、どんなにおかしなことでも忘れてしまう」 岸田首相は、そう考えている》。
 dot.の記事【自民党パーティー券裏金問題の捜査で「安倍の呪縛」から逃れられるか 私たち国民がバカなのか問われている 古賀茂明】(https://dot.asahi.com/articles/-/208642)によると、《だが、検察は、安倍晋三内閣の長期政権下で、森友学園事件加計学園事件桜を見る会事件など、政権が倒れてもおかしくないスキャンダルがいくつもあったのに、いつも本丸に迫ることなく敗北を続けてきた。また、圧力と懐柔で政権に手なずけられたマスコミも、忖度報道そうした検察の堕落に手を貸す共犯者の役割を果たした。それを見ていた私たち国民は、何が起きてもせいぜいトカゲの尻尾切りで終わり、巨悪は何の咎めも受けずに生き延びるということを繰り返し思い知らされた。そこで、今回も、最初は大騒ぎしても、結局大物は逃げ切るのではないかという疑心暗鬼が先に立つという人も多いだろう。しかし、今回は違うのではないかというのが私の見立てだ》。

   『●どういう神経? ウルトラ差別主義者な財務相・副首相が大量密集
     《カネ集めパーティ》の強欲。《夜の街》は御控えになっているのか?
   『●《派閥というより党としての脱税指南があったのではないかと疑いたく
     なる。それでいて議員の給料を上げる法律は通す厚顔ぶり》(政界地獄耳)
    《薗浦健太郎元衆院議員は昨年12月、政治資金の過少記載で
     略式起訴され、裁判所は公民権停止の命令を出した。
     きっかけは、上脇教授の告発だった
     
各派閥の不記載について、組織性や継続性を検察が看過できない
      
と考えてもおかしくありません。検察が本気で全容解明に乗り出し、
      悪質なものは立件する可能性もあるでしょう。薗浦議員のケース
      と違い、5派閥にわたる疑惑です。大不祥事に発展するかも
      しれません」(上脇博之教授)
     岸田政権にとって新たな火種となりそうだ》

   『●パー券キックバック疑惑…カルト協会とヅボヅボな「利権」党の政治資金
     収支報告書への支出記載無しのキックバック、議員の受領記載無しの裏金
   『●キックバックして裏金化、党(派閥)も議員サイドもどちらも収支報告書
     不記載…カルト協会とヅボヅボな「利権」「裏金」党が《脱税指南》?
   『●パー券キックバック・裏金疑惑…いつまで《自民党内はまだ人ごとの
     よう》でいられるか? 西村経産相「膿を出さなければいけない」って…

 政治資金規正法の〝穴〟を通すことなく、それを堂々と《裏金》化していたという退廃。(西村康稔経産相)「膿を出さなければいけない」…泥棒が「犯罪を撲滅しなければいけない」。ウミが膿を出す。市民・主権者は随分と舐められているし、検察もバカにされているのではないか? 一方で、「不記載」ということだけしか刑事罰を問えない、ということで決着させていいのだろうか…。(日刊ゲンダイ)《薗浦健太郎元衆院議員は昨年12月、政治資金の過少記載で略式起訴され、裁判所は公民権停止の命令を出した。きっかけは、上脇教授の告発だった》。せめて、《公民権停止》まで持って行けるかどうか。
 #選挙に行かないとこうなる #自民党に投票するからこうなる ← 諸悪の根源はコレ。「1/4」が自公に投票し、《眠り猫》となり「2/4」が投票に行かないことで間接的に自公を支持しているこの構図、何とかならないものか。自公お維コミは、決して投票率を上げる動きは見せない。ならば、《私たち国民は本当にバカなのだと言われ》たく無ければ、投票率を上げることが最も重要なこと。

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https://dot.asahi.com/articles/-/208642

自民党パーティー券裏金問題の捜査で「安倍の呪縛」から逃れられるか 私たち国民がバカなのか問われている 古賀茂明
政官財の罪と罰
2023/12/12/ 06:00

 自民党安倍派をはじめとした主要5派閥のパーティー券裏金疑惑。

 安倍派はもちろん、自民党全体を揺るがせ、岸田文雄内閣崩壊につながる可能性まで出てきた。

 すでに安倍派の会計担当者や議員秘書なども東京地検特捜部の任意聴取を受けたと報じられ、大物議員に司直の手が及ぶ可能性も高い。

 だが、検察は、安倍晋三内閣の長期政権下で、森友学園事件加計学園事件桜を見る会事件など、政権が倒れてもおかしくないスキャンダルがいくつもあったのに、いつも本丸に迫ることなく敗北を続けてきた

 また、圧力と懐柔で政権に手なずけられたマスコミも、忖度報道そうした検察の堕落に手を貸す共犯者の役割を果たした。

 それを見ていた私たち国民は、何が起きてもせいぜいトカゲの尻尾切りで終わり、巨悪は何の咎めも受けずに生き延びるということを繰り返し思い知らされた

 そこで、今回も、最初は大騒ぎしても、結局大物は逃げ切るのではないかという疑心暗鬼が先に立つという人も多いだろう。しかし、今回は違うのではないかというのが私の見立てだ

 そこで、今回も、最初は大騒ぎしても、結局大物は逃げ切るのではないかという疑心暗鬼が先に立つという人も多いだろう。

 しかし、今回は違うのではないかというのが私の見立てだ

 なぜなら、安倍元首相が死去して1年半近くが経ち、「安倍の呪縛」がようやく解け始めたからだ。これは政界だけでなく、マスコミにも検察にも当てはまる。

 岸田政権はもはや死に体同然。火の粉が自分たちに降りかからないように逃げ回るのが精一杯で、検察に圧力をかける余力などない。検察はこれまでより格段に自由に動くことができる。さらに、岸田政権のマスコミ管理は、安倍政権や菅義偉政権に比べてかなり弱い。岸田政権批判も自民党の派閥批判も自由にできる雰囲気がある。

     (「桜を見る会」であいさつする安倍首相(当時)
      =2019年4月13日)

 国民の間には、円安や資源高によるインフレと実質賃金の減少による生活苦の実感が広がり、政権への不満が蓄積されている。減税という人気取り政策でさえ、逆に「ふざけるな」という反応を誘発して支持率が下がるというのだから、その不満の強さがどれくらいなのかがよくわかる。

 インボイス制度の導入で消費税の課税対象となる零細事業者たちが帳簿の記載をどうしたらよいのかと右往左往する中で、国会議員は入った金を帳簿に記載せずにネコババできるというのだから庶民の怒りが燃え盛っても当然だ。子供に食べさせるために食事を抜いているというシングルマザーや一円でも安いものを探してスーパーを梯子する庶民を尻目に夜な夜な裏金を使って高級レストランやバーで飲食する議員たちという図式も、さらに国民の怒りの火に油を注ぐ。

 検事たちも国民の一人として同様の怒りを抱いているだろう。しかし、彼らにはそれよりもはるかに深い憤りの気持ちがある。恨みと言ってもよい。

 3カ月ほど前のこと、私はある会食で旧知の検察幹部と会った。私が会話の中で、「安倍さんの時は酷かったですよね」と話を振ると、普段は温厚で、かつ、口が堅くて検察内部の話などしたことのないその検事は、「いや、あの時は酷かった黒川さんも酷かった」と返してきた。

 安倍氏だけでなく黒川弘務元東京高検検事長の名前をわざわざ出したのだ。黒川氏は、安倍氏の守護神と言われ、数々のスキャンダルを安倍氏本人に及ばぬように差配したという疑惑を持たれた人物だ。黒川氏が安倍氏の意を汲んで本来あるべき検察の捜査を捻じ曲げたことに対して、このような気持ちを抱いている検事は非常に多いはずだ。彼らは、安倍・黒川ラインのせいで地に堕ちた検察の威信を取り戻したいと思っている。いわば安倍・黒川へのリベンジである。

 そう考えると、今回の疑獄のターゲットは、安倍派議員、しかも大物でなければならない。安倍氏本人が死亡し、安倍派代表は不在だ。となれば、安倍派の現事務総長である高木毅党国対委員長や松野博一官房長官と西村康稔経済産業相という事務総長経験者、さらには、萩生田光一党政調会長、世耕弘成参院幹事長らの安倍派幹部に注目が集まる。彼らが裏金づくりに関与していれば、政治資金規正法違反はもちろん、横領背任脱税の罪に問われる可能性がある。

 政治資金収支報告書に名前がなかった寄付者の中には政府から補助金を受けたり、あるいは重要な政策変更で利益を得ようとしたりする企業などが入っているだろう。贈収賄事件に発展する可能性もある。

 もちろん、検察が全ての案件に手をつけるわけにはいかない。大きな問題であればあるほど、捜査に手間と時間がかかる。検察の復活を信じ、粘り強い捜査に期待したいところだ。

 ところで、私たち国民は、検察が安倍派の大物を血祭りに上げるのを見れば、喝采して溜飲を下げるだろうが、それだけで満足していてはいけないこのことは今から肝に銘じておくべきだ

 一部の議員を有罪にするだけで終われば、またほとぼりが冷めた後にこれまでと同じ自民党の金権腐敗政治が復活してしまう。それに終止符を打つためには、自民党政治を終わらせるしかない。そのためには、国民の粘り強い批判の声と息の長い野党への支援が必要となる。

 心配なのは、連日この事件の報道が続くうちに、徐々に飽きる人が出てくることだ。本件を取り上げても徐々に視聴率が下がるということになれば、テレビの取り上げも減り、それがさらに視聴率を下げるという縮小スパイラルに陥る。そのうち、「まだやっているのか」ということになってニュースから消えていくかもしれない。

 検察も国民の怒りが燃え盛っている中では、仮に捜査が難航しても、軽々に捜査打ち止めとはできないが、国民の関心が失われれば、その保証はない。

 最近起きた数々の不祥事を思い出してほしい

 この秋以降だけでも、内閣改造から2カ月で計3人の政務官と副大臣が辞任に追い込まれた。東京地検特捜部の捜査を受けた柿沢未途議員はともかく、他の2人は説明責任を果たさず、もうニュースからは完全に消えている

 杉田水脈元総務政務官がアイヌや性的少数者に対するヘイト発言を認定されて謝罪した後に同様の発言を繰り返しても岸田首相は野放しにしたままだが、マスコミはもはや大きく取り上げなくなった

 馳浩元文部科学相がIOC関係者に1冊20万円のアルバム官房機密費を使って配ったと堂々と発言し、安倍氏が機密費があるぞとけしかけたと暴露した大スキャンダルも、もはやマスコミの追及は終戦という雰囲気だ。

 安倍氏が残した負のレガシーの一つに、「地に堕ちた倫理観」がある。「アベノリンリ」と呼んでもいいだろう。

 「李下に冠を正さず」というのが、国を率いる人たちのあるべき倫理観ある。悪いことをしないだけではなく、疑われるようなことも避けるという高潔さが求められるのだが、安倍氏は、これを完全に無視した。悪いことをしなければよいだろうというだけではない。これを一歩進めて、証拠さえなければ、悪いことをしてもよい、さらに、証拠があっても隠せばよいとか、もっとエスカレートして、捕まらないように検察や警察を抑えればよいという倫理観にまで堕落した。もはや倫理観とはいえないが、安倍氏はこれでモリカケサクラなどを全て乗り切った

 これを見ていた官僚も自民党政治家も右へ倣え驚くような不祥事でも全くびくともしなくなった。これは経済界にも波及している。

 安倍忖度で不祥事の本格追及をできなかったマスコミでも同様に不正義追及の力が弱まった

 そして、アベノリンリの蔓延は国民にも深刻な影響を与えている。

 モリカケサクラなどでも何事もなく政権が続くという異常な事態に慣れてしまい不正義への感度が著しく弱まったのだ。岸田政権でもそれが修復されていない。

国民は時間が経てば、どんなにおかしなことでも忘れてしまう

 岸田首相は、そう考えている。自民党の派閥のパーティーを「当面自粛」するよう指示したというが、それこそ、「そのうち国民も関心を失うから、その時にまた始めればよい」という国民を見下した態度を象徴する。安倍氏も菅氏もそうだった。こんな政治家がトップにいる限り、国民のための政治など実現できるわけがない。

 安倍派の数人の議員が捕まっても、引き続き派閥政治に変化はなく、構造的な問題は何一つ解決しない

 来年の通常国会の予算委員会開催中は再び国民の関心が盛り上がるだろうが、その後どうなるか。検察は悪人を告発はできても、政治の仕組みに手をつけることまではできない。

 野党は、「政治資金パーティーの禁止」「企業団体献金の禁止」「調査研究広報滞在費(旧文書通信交通滞在費)や立法事務費の使途全面公開」、さらには、「国会議員の資産、関連団体全ての口座とマイナンバーの紐付け義務化」「政治資金の収支全てのキャッシュレス化とステートメントのリアルタイム公開義務化」などの法律改正を提案し、国会の争点にすべきだ

 残念ながら、岸田首相の、時間さえ経てば国民の関心は薄れるという信念は間違いだとは言えない。これまで常にそうだったからだ。

 来春、岸田首相は国賓級の待遇で訪米する予定だ。「ジョー」と「フミオ」の蜜月を演出して、アメリカ・コンプレックスの強い国民を喜ばせれば、内閣支持率が上昇に転じ解散も夢ではない、などと目論んでいるのかもしれない。そんなバカなと思うかもしれないが、杞憂とは言えない気がする。

 今回の大疑獄をもってしても、「アベノリンリに毒された政界を根本から浄化することができなければ、私たち国民は本当にバカなのだと言われても仕方ないだろう。


古賀茂明(こが・しげあき)/古賀茂明政策ラボ代表、「改革はするが戦争はしない」フォーラム4提唱者。1955年、長崎県生まれ。東大法学部卒。元経済産業省の改革派官僚。産業再生機構執行役員、内閣審議官などを経て2011年退官。近著は『分断と凋落の日本』(日刊現代)など
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●コラム『筆洗』「さて、この学校はどんな「愛国心」を、子どもたちに伝えたいのか」? グロテスクな洗脳

2017年02月26日 00時00分13秒 | Weblog


東京新聞のコラム【筆洗】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2017022202000141.html)。
日刊ゲンダイの記事《国有地購入は「第六感」 森友学園理事長がラジオで大放言》(http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/200050)。

 《愛国心とは何か。…バーナード・ショーは「自分が生まれたという理由で、その国が他より優れているという思い込みだ」と定義…アンブローズ・ビアスは「自分の名声を明るく輝かしいものにしたい野心を持った者が、たいまつを近づけると、じきに燃え出す可燃性の屑物(くずもの)」…▼さて、この学校はどんな「愛国心」を、子どもたちに伝えたいのか》。
 《大阪府豊中市の国有地が、日本会議の幹部が理事長を務める学校法人「森友学園」にタダ同然で払い下げられていた問題で、渦中の籠池泰典理事長が20日、TBSラジオ「荻上チキ・Session-22」に電話で生出演。約1時間にわたって、仰天発言を繰り広げた…理事長の“第六感”通り、国有地の鑑定評価9億5600万円からゴミの撤去費として約8億円が控除され、格安で手に入ったわけだ》。

   『●「日本を守ってくれる人」って、
        アベ様は「破壊している人」なんですが! 一体何を「記念」した小学校?
    「国会では、アベ様「記念」小學校についての設置の認可・国有地の
     払い下げ事件について、デンデン王国国王様は公言してしまいました
     ……「私も妻も一切この認可にも、あるいは、この国有地の
     払い下げにも関係ない」「私や妻が関係していたということになれば、
     間違いなく総理大臣も国会議員も辞めるということははっきりと
     申し上げておきたい」と大見得を切りました

 デンデン王国「裸の王様」アベ様御夫妻の一体何を「記念」し、「名誉」あるものとしたのだろう? 不思議だ。 《渦中の籠池泰典理事長》…《民主主義の国だからこそ、国有財産の売却経緯には透明性が求められる》という日刊ゲンダイの指摘。二重の意味で、大変に哀しい。アベ様らも含めて《透明性》なんて全くやる気なしだし、ましてや、ニッポンは民主主義国家ではなく、人治主義国家・デンデン王国。哀し過ぎる。

 これだけトンデモの「ト」な方が集まってくるご夫妻周辺、「ト」な方との親和性が強いのでしょうか。類は「ト」を呼ぶ、朱に交われば「ア」になるのでしょかねぇ。

   『●類は「ト」を呼ぶ、朱に交われば「ア」になる
        ~三原じゅん子議員「八紘一宇」予算委発言~』 

   『●自民党の武藤貴也衆院議員:
      赤紙を送る側の(非)論理、人殺しに加担させる側の(非)論理

 グロテスクな「愛国」の例をもう一つ。「類は「ト」を呼ぶ、朱に交われば「ア」になる」別の例。 
 リテラの記事【国有地不正取得の森友学園が幼稚園児に秋元康作詞の愛国ソングを強制! 「ああ、日本 この国に生まれてよかった」】(http://lite-ra.com/2017/02/post-2942_2.html)。《そんななか、この塚本幼稚園に関するある動画が現在話題を呼んでいる。それは、2014年大阪護国神社で行われた「「同期の桜」を歌う会」に参加した塚本幼稚園の園児たちの式典参加の様子をおさめた動画…内容を何も理解していないであろう子どもたちが極右思想に染まりきった大人たちのオモチャになっている姿は改めて目を背けたくなるグロテスク…そんな曲がなぜ塚本幼稚園で歌い継がれることになっているのか? それはやはり、秋元康と安倍人脈との関係性にあるのだろう》。(「今日のフジテレビでの〝選挙報道〟、気持ち悪いッたらありゃしない」ような)「ト」が寄ってくるわけです。

 日刊ゲンダイの他の記事【渦中の「森友学園」 大阪の系列幼稚園で幼児虐待の疑い】(http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/200107)によると、《“安倍晋三記念小学校”用地の国有地格安払い下げが問題になっている森友学園が経営する塚本幼稚園で、幼児虐待ともいえる行為が横行していた疑いが発覚した…愛国教育を標榜する森友学園の教育の実態がこれなのだ》…。

 次から次に、まぁ~。アベ様が例の「大見得」を有言実行する日も近いのでしょう。

 一方、自民党「等」な「癒(着)党」お維に飛び火しないのでしょうか? この巨大事件に、お維の「ト」なお2人、元大阪「ト」知事現大阪「ト」知事が関与しているように思うのですが…。
 これも日刊ゲンダイの記事【反対続出だったのに 「安倍晋三小学校」スピード認可の謎】(http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/200127)には、《大阪府私立学校審議会…道徳が50時間もあり、それとは別に「特別活動」が1、2年生では150時間あるカリキュラムが問題視…〈初年度から黒字の計算と言うのはすごいなぁと。普通はなかなかないんでね〉…■認可のプロセスは「異例の連続」…シナリオを描いたのは誰なのか》。お維の名は見当たりませんけれども。大阪市や大阪「都」も関与していたっということは、当時の市長(元大阪「ト」知事)や「都」長(現大阪「ト」知事)も何か脛に傷?

   『●『最後に思わずYESと言わせる最強の交渉術』を
              持つ人達は反省してくれるでしょうか?

   『●「俺様王国」ニッポン、
      「俺様王国」大阪「ト」を造りたい強権的政治手法好きな二人

   『●大阪「ト」構想のその後……元「ト」知事がアベ様へ
        「”うそ”を駆使して「相手を丸め込」む方法」伝授?

   『●「どっちもどっち」論と云う暴論の上を行く、
       鶴保沖縄北方相「差別だと断じることは到底できない」論
   『●《全国民を勝負師に》…「国民にギャンブルを
      奨励するギャンブル国家の道…憲政史上、由々しき法案」

 最後に、リテラの別の記事【国有地不正取得のネトウヨ学校法人と安倍首相の蜜月の証拠が!「安倍晋三記念小学校」の名も「総理辞めてからなら」と】(http://lite-ra.com/2017/02/post-2938.html)。《控除された地下埋蔵物の撤去費用約8億2000万円のほかに大阪航空局から撤去費用約1億3000万円を受領するなど、実質ほぼタダで払い下げられていたことや、現地で本当に約8億円分もの大規模撤去作業がなされた痕跡がないことなど、疑惑や問題点が次から次に浮上…つまり、安倍首相は教育勅語を暗唱させたりする教育方針に大賛成で、さらに、自分の名前を小学校に冠することにも総理を辞めてからなら是非とまんざらでもなかったらしい。…もはや無茶苦茶すぎる。繰り返すが、安倍首相はこんな人物と昵懇で、その教育方針を絶賛していたのだ。過去、安倍首相が〈共産支那はゴキブリと蛆虫、朝鮮半島はシラミとダニ〉などとヘイトスピーチを連発する宮司の著書を絶賛する推薦文を寄せていたことが判明したことがあったが、ようするに籠池氏のケースがたまたまというわけではないだろう。はてさて、どうして安倍首相の周りはこれほどまでにトンデモだらけなのか。国有地格安払い下げ問題と同時に、首相の資質についても追及していくべきだ》。
 全くの正論。
 それにしても、これほどの大スキャンダルなのに…小沢一郎氏「期ズレ小事件」以上にバカ騒ぎすべきなのではないでしょうか? 1年ほど前の「甘い利」事件と同様な経過をたどるの?? 再びの理不尽。

   『●書籍紹介『20人の識者がみた
       「小沢事件」 の真実 捜査権力とメディアの共犯関係を問う』
   『●「ゲスの極みの会話」…「安倍がトランプの心を掴んだ理由…
                    「俺は朝日新聞に勝った」「俺もNYT…」」
    《もはやNHKや産経にとって、メディアの仕事とは
     「権力者から寵愛を受ける」こと


   『●「アベ様「記念」広報局NHK」が、
     世論を「平成の治安維持法」へとミスリードして「裸の王様」を歓喜…

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2017022202000141.html

【コラム】
筆洗
2017年2月22日

 愛国心とは何か。英国の劇作家バーナード・ショーは「自分が生まれたという理由で、その国が他より優れているという思い込みだ」と定義した▼米国の作家アンブローズ・ビアスは「自分の名声を明るく輝かしいものにしたい野心を持った者が、たいまつを近づけると、じきに燃え出す可燃性の屑物(くずもの)」だと『悪魔の辞典』に書いた▼ショーは二つの世界大戦の時代を生き、ビアスは南北戦争の激戦をその眼に刻んだ。だから、「愛国心」という言葉には危険なトゲが潜んでいることを、毒舌に込めて伝えたのだろう▼さて、この学校はどんな「愛国心」を、子どもたちに伝えたいのか。四月に新設され、首相夫人の安倍昭恵さんが名誉校長を務める大阪の私立小学校は、教育理念に日本人としての礼節を尊び、それに裏打ちされた愛国心と誇りを育てることを掲げる▼だが、この学校をつくる学校法人が運営する幼稚園は保護者に「よこしまな考え方を持った在日韓国人や支那人」と記した文書を配っていたという。隣人への憎悪をあおる言葉を使うのが「日本人としての礼節」なのかそれはどんな愛国心や誇りにつながるというのだろう▼この学校法人をめぐっては、国有地払い下げをめぐる問題も注目されている。国民の大切な財産が不当な形で売り払われていたのかどうか。これもまた、「礼節」が問われる問題だ
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http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/200050

国有地購入は「第六感」 森友学園理事長がラジオで大放言
2017年2月22日

     (グラウンド部分は「触ってない」と籠池理事長(C)日刊ゲンダイ)

 大阪府豊中市の国有地が、日本会議の幹部が理事長を務める学校法人「森友学園」にタダ同然で払い下げられていた問題で、渦中の籠池泰典理事長が20日、TBSラジオ「荻上チキ・Session-22」に電話で生出演。約1時間にわたって、仰天発言を繰り広げた。

 まず、一連の報道について、土地の売却額について情報公開請求をした豊中市の木村真市議を「無所属のようですけど、新左翼」と決めつけ、木村市議が自分の名前を売るために、問題を最初に報じた朝日新聞など「保守でないマスコミ」と結託して、「日本の国を高めていこうとする学校の建設を潰そうとしていると主張南京大虐殺慰安婦問題まで持ち出して、新左翼と朝日新聞の悪口に多くの時間を費やした

 肝心の土地取引の経緯については、借地の段階から価格についての見積もりも何もなく、何と「第六感」で購入を決めたと説明した。隣の国有地が14億円超で売却されているのに、見積もりも予算もなく取得に手を挙げるなんて、なかなかブッ飛んでいる。

   「その土地がいくらするのかということは、そこまで考えていなかった」
   「金額的なものから言いますと、やっぱり高いと思いました」


■「私は悪いこと何もしておりません」

 土地購入は財政的に無理だと諦め、10年間の定期借地契約で小学校の建設を始めたのだが、工事を進めていくと、埋蔵物が見つかった。

   「(土地を掘って)悪いもんが出てきたから、
    『ちょっと安くしてくれるんではないか』と」
   「第六感が働きましてね。これはちょっとなんや、
    賃借料にしたらかなり安くなると」
   「これも自分の第六感ですが、それやったら、国の方が指示してくれる
    金額で購入さしていただきましょうかという感じを持ちましたですね」─―。

 理事長の“第六感”通り、国有地の鑑定評価9億5600万円からゴミの撤去費として約8億円が控除され、格安で手に入ったわけだ。だが、実際のゴミ処理にいくらかかったのか問われると、「全然、まだ存じ上げておりません」。しかも、ゴミを撤去したのは建物部分だけだという。グラウンド部分は「そのままでいいんです」「触ってないんだから。そこにお金がかかることはありません」と断言。8億円もの控除は必要なかったと、自ら認めるような発言である。

 国会で説明する可能性については、「そんなん、呼ばれるような立場ではありません。私は悪いこと何もしておりませんので民主主義の国ですよ。独裁国家ではないんです」と被害者意識丸出しだったが、民主主義の国だからこそ、国有財産の売却経緯には透明性が求められる。疑惑を払拭したいなら、ラジオで好き勝手言ってないで、公の場で説明すべきだろう。
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●書籍紹介『20人の識者がみた 「小沢事件」 の真実 捜査権力とメディアの共犯関係を問う』

2013年08月30日 00時00分51秒 | Weblog


長々と全文引用させてもらっており、すいません。原文は、NPJ(http://www.news-pj.net/index.html)に出ていた記事【「小沢事件」 の真実権力の暴走とメディアの加担による民主主義の破壊】(http://www.news-pj.net/npj/kimura/20130814-ozawajiken.html)ですので、是非そちらをご覧ください。

 このような本が出版されていること、全く気づきませんでした。最近は、書店に足を運べる機会が激減し、読書量もそれに引きづられ激減してしまいました。
 何度も書いてきましたが、ブログ主は小沢一郎氏が好きではありません。でも、それとこの「小沢問題」は別です。おそらく、もはや小沢氏の復権は無いでしょう。とはいっても、ブログ主は自民党の復権は無いと思っていましたので、小沢氏の復権の可能性についても大した根拠があるわけではありませんし、確度も高くはないでしょう。

   『●小沢裁判控訴審: すべての証拠採用が却下され、即日結審
   『●小沢裁判、控訴棄却
   『●小沢裁判、控訴棄却のまともな記事が少なすぎる
   『●小沢氏元秘書裁判の暗黒
   『●政治的なトドメかな・・・・・・マスコミや裁判所によるこんなことが許されていいの?
   『●期ズレと証拠捏造、どちらが重要な犯罪なのか?

 この「小沢問題」で気に入らないのは、結局のところたかが「期ズレ」で、あれだけのバカ騒ぎをしたマスコミや自民党・民主党の議員、検察や(イカサマ)検察審査会メンバー・・・・・・が、小沢氏を政治的に〝抹殺〟しておきながら、「知らんぷり」を決め込んでいることです。その〝抹殺〟に、あるいは、その〝抹殺〟により生じた政治的な結果に、意識的かあるいは無意識にかは知りませんが、彼らは無自覚であることです。彼らは、小沢氏の政治生命を抹殺するという一点のみに浮かれて、バカ騒ぎを行いました。その無茶苦茶ぶりに、小沢一郎氏嫌いのブログ主も無性に腹が立つ訳です。
 下記の記事で紹介されている本書にはその辺の全てのことがおそらく網羅されていると思うのですが、本書をマスコミが取り上げてくれることはおそらくないでしょうから、ますます絶望的な気分になります。

   『●魚住昭さんが記者生命をかけて断言 ~小沢一郎氏関連裁判~
   『●小沢裁判、終わりの始まり?
   『●小沢裁判、検察の問題であると同時に、癒着したマスコミの問題

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http://www.news-pj.net/npj/kimura/20130814-ozawajiken.html

2013.8.14
「時代の奔流を見据えて──危機の時代の平和学」
木村 朗 (きむら あきら、鹿児島大学教員、平和学専攻)

NPJ特別寄稿
「小沢事件」 の真実 権力の暴走とメディアの加担による民主主義の破壊

  この8月に鳥越俊太郎氏と私との共編著 20人の識者がみた 「小沢事件」 の真実 捜査権力とメディアの共犯関係を問う が、日本文芸社から出版されることとなりました。本書の目的は、この日本中を4年近くずっと揺るがせた、いや今もゆるがせ続けている小沢問題(「小沢事件」)の本質と全体像を現時点であらためて多様な角度から考察することにあります。本書を一読していただければ、いまの日本の司法・政治がどれほど深刻な危機に陥っているか、あるいは日本はすでに法治国家・民主国家ではなく暗黒社会・全体主義国家(ファシズム)に移行しつつあるのではないかという問題提起の意味が分かっていただけると思います。

  執筆陣は、共編者である鳥越俊太郎氏をはじめ、三井環仙波敏郎、鈴木宗男、佐藤栄佐久石川知裕植草一秀郷原信郎、川内博史、有田芳生、小川敏夫、八木啓代、青木理、高野 猛、二木啓孝山口一臣神保哲生浅野健一、マーティン・ファクラー各氏などこの問題に精通した蒼々たる方々に加わっていただいています。

  本書には小沢一郎衆議院議員(生活の党代表)から貴重な序言を寄せていただいています。また、孫崎 享先生(元外務省国際情報局長)からも 「政治的謀略としての小沢問題をここまで多角的に検証した本は初めてだ」という力のこもった帯の言葉をいただきました。

  本書が、小沢問題(「小沢事件」)の解明にどこまで成功しているか、そしていままさに危機に瀕している民主主義の再生に寄与できるかどうかは、読者の皆さんにお任せするしかありません。しかし、前回のNPJ特別寄稿 「日本は真の独立国家なのか 『終わらない〈占領〉』 を問う」 でご紹介させていただいた孫崎享氏と私の共同編著 『終わらない〈占領〉: 対米自立と日米安保見直しを提言する!』(法律文化社 書評はこちら )と同じく、現在の政治状況に一席を投じるだけでなく、日本の戦後史にとっての貴重な歴史的文書・資料としての価値をもっていると確信しています。

  この8月に来日されたアメリカのオリバー・ストーン監督がピーター・カズニック先生(アメリカン大学)と共同で作られた 「もうひとつのアメリカ史」は、アメリカ現代史の暗部を明らかにした作品(映画と本)であり、アメリカしに限らず、世界の現代史に対する大きな貢献だと思います。またそれは、日本の戦後史の<影の部分>に挑戦した孫崎享氏の 『戦後史の正体』(創元社)と 『アメリカに潰された政治家たち』(小学館)、あるいは鳩山由紀夫氏、孫崎 享氏、植草一秀氏の3者による共著 『「対米従属」という宿痾(しゅくあ)』(飛鳥新社)とともに、これまでタブー視されてきたテーマ・問題を解明しようとしている点で共通点があり、大きな歴史的意義があると思います。日米両国において期せずして同じ時期にこのようなこれまで語られなかった(教えられなかった)歴史の真実が明らかにされようとしていることは決して偶然ではないと思います。

  いまの日本内外の状況は、1930年代の戦争とファシズムの時代状況にかなり近づきつつあるといっても過言ではありません。こうした閉塞状況を克服・打破していくためにも、わたしたち一人ひとりが思考停止状態から脱してまずは知ることからはじめる必要があるのではないでしょうか。


☆鳥越俊太郎・木村 朗共編 『20人の識者がみた「小沢事件」 の真実 捜査権力とメディアの共犯関係を問う』(日本文芸社)の目次・構成目次は以下の通り。

序言 小沢一郎
序章 鳥越俊太郎

第1章 被害者たちが証言する 「国策捜査」 の実態
  三井環 検察がつぶれる 「最大の弱み」 を告発
  仙波敏郎 「暴力組織」 に成り下がった検察、「既得権益」 にしがみつくメディア
  鈴木宗男 権力とメディアの暴走を許さない
  佐藤栄佐久 原子力帝国・全体主義国家に変貌する日本
  石川知裕 日本の民主主義のため最後まで闘う
  植草一秀 小沢裁判事件の評価と主権者がとるべき行動

第2章 民主主義の危機、「検察」の暴走を検証する
  郷原信郎 陸山会事件における検察とメディアの暴走
  川内博史 法務・検察官僚に組織としての正義派あるか?
  有田芳生 政治的冤罪事件「小沢ケース」の奇々怪々
  小川敏夫 検察の暴走と「指揮権発動」の真相
  八木啓代 検察の暴走・司法の崩壊に、市民に何ができるか
  青木 理 暴走検察の背後にある刑事司法の巨大な歪み

第3章 なぜ、大メディアは「検察」の暴走に加担したのか
  高野 孟 革命的改革を阻止した官僚と、それに手を貸したマスコミ
  二木啓孝 「アンチ小沢という空気」の正体
  山口一臣 「週刊朝日」と大手メディアの違いはどこから生じたのか
  神保哲生 民主統制なき刑事司法に、メディアが最後の砦になれないことの悲劇
  浅野健一 小沢事件をメディアはどう報じてきたか
  マーティン・ファクラー 官僚機構の一部と化したメディアの罪

終章
  木村 朗 検察の暴走とメディアの加担―小沢問題の意味を問う

小沢関連問題の参考文献



     序 言         小沢 一郎

  昨年(2012年)11月12日に東京高裁・控訴審で無罪判決が出され、その後に検察官役の三人の指定弁護士が上告を断念した結果、陸山会事件に関する私の無罪判決が確定しました。私にとっては、この三年七か月余りに及ぶ、検察の捜査と裁判の日々は本当に忍耐の毎日であり、大変厳しい試練の月日でした。国民の皆さんの支援や励ましがなければ、到底この重圧に耐えることはできなかったと思います。これまで私を信じ、励ましてくれた多くの国民の皆さんに、この場をお借りして心から感謝したいと思います。
  しかし、陸山会事件での私の元秘書3人(石川知裕氏、大久保隆規氏、池田光智氏)に対する不当な有罪判決が今年に入って出されました。また、検察審査会への捜査報告書を捏造した検事が不起訴処分となっています。私や秘書たちに対するいわれなき誹謗中傷や理不尽な人物攻撃などもいまもかたちをかえて続いています。その意味で、この陸山会事件はまだ終わったなどとは到底いえるような状態ではありません。

  本書には、いわゆる 「小沢問題(捜査・事件・裁判)」 ともいわれる私・小沢一郎と私の3人の秘書に向けられた 「政治とカネ」 をめぐる問題の背景・経緯と本質・核心がそれぞれの論者によって詳細かつ明確に分析・叙述されています。多くの論者は、小沢問題は単なる刑事(えん罪)事件ではなく、その背景には何らかの政治的意思を持ったある特定の個人・集団が検察と司法を暴走させ、それにメディアが加担した結果として作られたものであると結論付けておられます。
  こうした見方にはじめて接せられる多くの読者の方は、きっと驚かれるかもしれません。ただ、本書を一読していただけるならば、これまで取り沙汰された私に対する疑惑のほとんどが何ら根拠のないものか、まったくの誤解に基づくものであることに同意していただけるのはないかと思います。

  私自身も今回の一連の事件や裁判の本質や背景については思うところはございますが、ここではそれは申し上げません。何らかの特定の思惑を持って行動した人たちや、不公正な言動をした人たちに対しては、いずれ国民が判断を下すものと考えています。そういうことで、国民の裁き、天の裁きにお任せしたいと思います。この検察審査会を通じて強制起訴にいたった経過も、すでに国民の皆さんがよくよく自分の目で見て、耳で聞いて分かっていることと存じます。

  ここで申し上げたいことは、いまの日本は独立した主権国家でも、真の民主主義国家でもないということです。特に、捜査当局による公権力の濫用とメディアの加担という状況は、日本の民主主義と法治主義にとって最大の脅威となっていると言わねばなりません。私が本当に心配しているのは、日本の民主主義そのものの危機であります。まさにいつか来た道と同じ状況にさしかかっています。いままさに滅亡への道を歩んでしまっている現状をただこのまま黙って見過ごすことはできません。これはいま現在、すべての日本人が本当に真剣に考えなければならないことです。
  私は本当の議会制民主主義を定着させることにこれまで自分の政治生命をかけてきました。日本を真の意味での独立国家にすることも私の長年の夢です。他国の意向を忖度するだけの主体性なき外交・政治や思考停止状態のメディアと国民も変わらなくてはなりません。
  私にはまだまだやらなければいけないことがたくさん残っています。微力ではありますが、これから日本に民主主義と自主独立を実現するために全力投球で頑張ることを国民の皆さまにお約束します。

  最後に、本書を世に出すことに尽力されたすべての関係者の皆さま方に深く感謝いたします。本書がより多くの人々に読まれて、こうした日本が直面する深刻な現状と課題について共通の問題意識を一人でも多くの国民がもつようになることを心から願っています。



     まえがき       共同編者 鳥越 俊太郎、 木村 朗

  今年(2013年)3月7日夜、東京・池袋にある豊島公会堂において 「小沢一郎議員を支援する会(日本に真の民主主義を実現する会、代表世話人 伊東章弁護士)」が主催する 「小沢一郎議員の無罪判決確定報告と石川知裕、大久保隆規、池田光智元秘書の無罪を勝ちとる国民大集会」 が開催されました。この国民大集会は、昨年11月12日の東京高裁での小沢一郎氏への陸山会事件での無罪判決とその確定(検察官役の指定弁護士による上告断念)を受けて開かれる予定でしたが、急激に変動する政局の中での突然の解散・総選挙によって延期されていたものでした。

  満場の参加者から大きな拍手を受けながら登壇した小沢一郎氏は、「日本の民主主義を守るために私を本当に熱い思いで支援し、激励してくださった皆さんのおかげで、小沢一郎を抹殺しようとした法務・検察官僚の思惑を打破することができました。私がこの会に出席させていただいたのは今日が初めてです。本当に皆さんが日本の将来を心配し、今日も会場いっぱいの皆さんが来てくださいました。私自身は終わったが、秘書裁判がまだ続いております。これからも皆様のお力添えをいただきたい」と述べて深々と頭を下げました。

  この間に小沢一郎氏とその秘書たちの身に起こった出来事は、いったい何であったのでしょうか。またそれは、日本の政治と社会のあり方にどのような影響を与えたのでしょうか。

  本書の目的は、この日本中を4年近くずっと揺るがせた、いや今もゆるがせ続けている 「小沢問題」 の本質と全体像を現時点であらためて多様な角度から考察することにあります。

  小沢問題(あるいは小沢事件・捜査・裁判)ともいわれる、小沢一郎氏をめぐる 「政治とカネの問題」 は、西松建設事件(2009年3月3日の小沢一郎議員公設第一秘書の大久保隆規氏逮捕)にはじまり、陸山会事件(2010年1月15日の石川知裕議員、大久保隆規氏、池田智光氏ら3人の秘書逮捕)へと続き、小沢裁判(2010年9月14日の東京第五検察審査会での2度目の 「起訴相当」 議決による強制起訴)へと展開しました。

  結局、西松建設事件は裁判途中の不可解な 「訴因変更」 によって事実上立ち消えとなり、陸山会事件では、小沢一郎氏の無罪判決は2012年11月19日に確定したものの、検察審査会をめぐる捜査報告書の捏造をはじめとする様々な謎はいまだに解明されずに残されたままです。また、3人の秘書裁判では2013年3月13日に控訴審でも再び有罪判決が出されて、石川知裕氏(5月21日に議員辞職願を衆議院が許可)が単独で上告しており、まだ最終的な決着はついていません。

  カレル・ヴァン・ウォルフレン氏(オランダ人研究者・ジャーナリストで、日本の政治・官僚制度の専門家)は、「小沢氏という政治家への “人物破壊” の一連の動きには、ある密約が存在している事実が見えてくる」とし、その 「密約を取り交わしたのは日本とアメリカであり、その恩恵を受けるのは両国の政治エリートたちである」、「省庁の高級官僚と、ビジネス界やメディア界の幹部からなる日本の政治エリートは、決して純粋な意味での日本の独立を求めようとはしない。それどころか、彼らは、アメリカ政府が日本の超法規的で非公式な権力システムの存続を支援してくれる見返りに、日本を引き続きアメリカに隷属させようとしているのである」と小沢問題の核心をずばり突いています(ウォルフレン著 『人物破壊 誰が小沢一郎を殺すのか?』 角川書店、を参照)。

  また、元参議院議員で小沢氏の盟友でもある平野貞夫氏は、その著書 『小沢一郎 完全無罪-「特高検察」 が犯した7つの大罪』(講談社)の中で、「小泉政権は、経済の構造改革をする一方で、日本の社会に格差と停滞をもたらしたと厳しい批判がある。それもさることながら、公訴権による国策捜査により、国家統治の基本を狂わせたと私は論じたい」、「“検察の裏金” を封印するため、取材当日に三井環元大阪高検をでっち上げ逮捕し、マスコミを操って極悪検事の虚像を作り上げ、三井氏を無実の罪に落としいれた。本来、正義をなすべき司法が、世間の批判を怖れ、時の権力者 “自民党” の番犬となった。三井環氏のいうところの “けもの道” に落ちた訳だ」 など、当事者しか知り得ない内情を率直に語っています。検察の裏金問題を実名で告発しようとした三井環氏を “口封じ” 逮捕したことが、その後の村上正邦氏、鈴木宗男氏(・佐藤優氏)、村岡兼造氏、緒方重威氏、佐藤栄作久氏、村木厚子(・石井 一)氏、小沢一郎氏(あるいは植草一秀氏や堀江貴文氏)などへの “国策捜査” につながる検察の暴走のきっかけとなったという重要な指摘です。小沢氏の政治資金団体の元資金管理責任者であっただけに、その言葉には非常に説得力があります。

  とりわけ注目されるのは、平野氏がその著書の文庫版 「まえがき」 で次のように述べていることです。

≪「小沢問題」 を通じて私に見えてきたものとは、いま日本に 「新しいファシズム」 が展開しはじめたということである。「ファシズム」 の教科書的定義は、「資本主義が危機的状況になると、権力が暴力装置を活用して議会制民主主義による政治の機能を失わせ、独裁的政治を展開する」ということだ。(中略)21世紀ではファシズムの定義も再考が必要である。繰り返しになるが、「小沢問題」 での大手マスコミの報道は、検察の根拠なきリークだけでなく、捏造された「事実」 が次から次へと報道され、その異常さは 「社会心理的な暴力」 といえるものだった。≫

  まさに 「小沢問題」 の本質は、権力(特に検察と司法)の暴走とメディアの加担による 「ある種の政治的謀略」、「静かな政治的クーデター」 であり、その背後に「新しいファシズム」 が胎動し始めているということではないでしょうか。

  今の日本における最大の問題は、権力犯罪の発生、すなわち公権力が恣意的に濫用されたときにそれを裁くシステムが存在していないこと、そして権力の暴走を監視・批判するはずのメディアがその役割を放棄していま起きている出来事の本質・真相を伝えないことです。そして、いまの日本は、本当に民主主義国家なのか、また真の独立国家といえるのかがまさに問われているのです。

  本書には、「冤罪」 「国策捜査」 の当事者自身からの証言だけでなく、司法とメディアに精通した選りすぐりの論者による数多くのすぐれた深い分析・洞察が収められています。まさに本書自体がそのまま貴重な歴史的文書・資料となっていると言っても過言ではありません。本書を一読すれば、多くの読者は、テレビや新聞を通じて報じられてきたものとはまったく別の見方があることを知って、それまでの自分の考えを見直すきっかけになるかもしれません。もちろん、本書の最終的評価は読者の手の中に委ねられていることは言うまでもありませんが…。

  いずれにしても、一人でも多くの市民がメディアの発する情報を主体的かつ批判的に読み解く能力(「メディア・リテラシー」)を身につけることで現在の思考停止状態から脱して、いまの日本が陥っている(議会制)民主主義の危機と検察ファシズムの到来から目を背けずに直視するようになることを切に願っています。

  最後に、本書を発行するにあたって、いまだに事件の渦中にありながら貴重な歴史的証言となる序言をお寄せいただいた小沢一郎衆議院議員(生活の党代表)にも心から御礼を申し上げます。

2013年6月30日 参議院選挙を目前に控えて


『検察の暴走とメディアの加担―小沢問題とは何か―』
木村 朗(鹿児島大学教員、平和学専攻)

1. 小沢一郎問題とは何か-小沢問題をめぐって二つに割れ続ける世論
  ①西松建設事件、②陸山会事件(水谷建設)、③小沢裁判(検察審査会による強制起訴)
A 金権政治家の不正献金疑惑追及→「政治とカネをめぐる問題」 (「違法な犯罪行為」)
  ※ 「検察の正義」(東京地検特捜部=「史上最強の捜査機関」)を前提とした 「小沢VS検察」 という問題
B “えん罪(でっち上げ)” “報道被害”→「国策捜査」 による不当な逮捕・捜査・裁判
  ※ 「検察ファッショ」 と 「メディア・ファシズム」 が結合した 「静かな政治クーデター」:
  「民主党VS全官僚機構」 あるいは 「鳩山連立政権VS官僚機構・自民党・マスコミ(・米国)」 という権力闘争・政治闘争
  ※ 「国策捜査」 か? (森法務大臣の指揮権発動、漆間巌官房副長官のオフレコ発言、石川知裕議員を取り調べた検事の脅し的文句、検察審査会への捜査報告書の捏造)
  検察の暴走とメディアの加担=権力とメディアが一体化した情報操作・世論誘導
  → 検察権力と司法記者メディアの癒着構造(民主主義の危機=ファシズムの到来)

<関連事件・裁判>
A 三井環事件(検察の裏金問題の告発)→「獣(けもの)道」(官邸の犬となった検察)
  ※ 検察が犯した三つの犯罪
B 佐藤栄佐久前福島県知事の 「汚職」 事件→国策(原発)反対の首長を特捜が政治弾圧
  ※ 佐久間達哉現東京地検特捜部長、大鶴基成東京地検次席検事、前田主任検事らが関与!
C 郵政不正事件(村木厚子氏、石井一民主党副代表、前田主任検事によるFD改ざん事件)
  ※ 鳩山由紀夫氏の政治献金(「故人献金」 の謎)事件の影響
  ※ 鈴木宗男(・佐藤優)事件との関連(ロッキード事件やリクルート事件、日歯連事件、朝鮮総連ビル詐欺事件、ライブドア事件、防衛省汚職事件なども)

2. 政権交代とは何であったのか-日本で最初の本格的な政権交代(一種の 「市民革命」)
<挫折した脱官僚政治と対米自立>
A 脱官僚政治(官僚主導から政治主導へ)…事務次官会議の廃止、特別会計の見直し、「歳入庁」 構想、天下りの廃止、機密費の廃止、日米密約の調査・公表
B 対米自立…「より対等な日米関係」の構築、海上自衛隊の撤退、年次改革要望書の廃止、日米地位協定・思いやり予算見直しの失敗、普天間問題での「国外移転、せめて県外移転」の模索と挫折

<幻となった検察改革とメディア改革>
  ※ 検察権力と記者クラブ・メディアの共犯関係(検察とマスコミのリーク情報を通じたもたれ合いの関係):「検察官僚と司法記者クラブが横暴を奮う恐怖国家」(上杉隆)、「検察庁という組織の、骨の髄まで腐った不誠実さと恐ろしさ」(鳥越俊太郎)、「検察リークを受けて報道がつくられているというより、むしろメディア自らが進んで検察の提灯持ちに走っている」(青木理)、「特捜検察の捜査能力の劣化とモラルハザード」(魚住昭)、「検察権力の恣意的乱用とそれに追随するマスコミの権力監視機能の放棄、そして、「検察の正義」を微塵も疑わずにマスコミ報道を鵜呑みにして翻弄される我々一般国民の思考停止こそが目下の最大問題、すなわち日本の民主主義の危機をもたらす根源的問題である」(木村朗)
  ※ 「彼らは政治家の汚職を摘発し正義を貫く事が正しいと思い込んでいるが、実際は民主党政権による司法制度改革で検察の権益が縮小することを恐れているはずだ」(堀江貴文)
A 検察(司法)改革…検察・警察・裁判所を含む司法制度改革! 「検察の犯罪を糺す機関は存在しない」という点が最大の問題:起訴独占主義と起訴便宜(裁量)主義の弊害
  ① 取り調べの可視化法案、② 民間陣からの検事総長の登用(検事総長人事を国会承認案件に)、③ 裏金の解消、④ 裁判員制度の見直し、 ⑤ 死刑制度の見直し、⑥ 証拠の全面開示のための法改正の断行
B メディア改革…真の意味でのメディアの再生を! (神保哲生氏の指摘)
  ① 「記者会見のオープン化」(政府の記者会見をすべてのメディアに開放し、既存のマスメディアの記者クラブ権益を剥奪する。)
  ② 「クロスオーナーシップの規制・禁止」(クロスメディア:新聞社とテレビ局の系列化のあり方を見直す。)
  ③ 日本版FCC(米連邦通信委員会のように行政から独立した通信・放送委員会)を設立し、放送免許の付与権限を総務省から切り離す。
  ④ NHKの放送波の削減を検討する
  ⑤ 新聞再販制度・押し紙制度の見直し・廃止
  ⑥ 電波オ-クション制度の導入・・・等々

3. 日本は民主主義国家・独立国家なのか-「米国の影と圧力」 について
  ※ 「この政治家は二つの注目すべき持論を隠し持っている。一つは米国との距離を測り直すこと、他のひとつは象徴天皇制を隠れみのにした官僚支配への問題意識だ」(斎藤学)
  ※ 孫崎享さんの日本の 「特捜検察」 と米国との特殊な関係という重要な問題提起:
    「(小沢捜査の-木村)スタートは、外為法か何かで外国から出発していますよね」 「検察の動きを見ていると、アメリカの意思が分かる」
  ※ 「日本国内の、国民に選ばれた正当な政治権力に対しても特捜部は歯向かう。その背後には、そもそも出発点からアメリカの存在があった。ということは、東京地検が日本が対米隷属から離れて、独立独歩の道を歩もうとする政治家をねらい打ちにしてきたのは、ある意味で当たり前なんですね」(岩上安身)

A 官僚独裁国家:カレル・ヴァン・ウオルフレン氏の指摘
  「いま日本はきわめて重要な時期にある。真の民主主義をこの国で実現できるかどうかは、これからの数年にかかっている。 …国際社会で、真に独立した国家たらんとする民主党の理念を打ち砕こうとするのは、国内勢力ばかりではない。アメリカ政府もまたしかりである。 …民主党政権発足後の日本で起こりつつある変化には、実は大半の日本人が考えている以上に大きな意味がある、と筆者は感じている。 …あらゆる国々は表向きの、理論的なシステムとは別個に、現実の中で機能する実質的な権力システムというべきものを有している。 …日本のシステム内部には、普通は許容されても、過剰となるや、たちまち作用する免疫システムが備わっており、この免疫システムの一角を担うのが、メディアと二人三脚で動く日本の検察である。…検察とメディアにとって、改革を志す政治家たちは格好の標的である。 彼らは険しく目を光らせながら、問題になりそうなごく些細な犯罪行為を探し、場合によっては架空の事件を作り出す。 …日本の検察が、法に違反したとして小沢を執拗に追及する一方、アメリカは2006年に自民党に承諾させたことを実行せよと迫り続けている。 …いま我々が日本で目撃しつつあり、今後も続くであろうこととは、まさに権力闘争である。これは真の改革を望む政治家たちと、旧態依然とした体制こそ神聖なものであると信じるキャリア官僚たちとの戦いである。 …日本の新政権が牽制しようとしている非公式の政治システムには、さまざまな脅しの機能が埋め込まれている。何か事が起きれば、ほぼ自動的に作動するその機能とは超法規的権力の行使である。このような歴史的な経緯があったからこそ、有権者によって選ばれた政治家たちは簡単に脅しに屈してきた。」
  ※ メディアの劣化と言論統制の拡大
B 米国の 「属国」 から 「属領」 へ…終わらない 「占領」(間接統治)から 「再占領」(直接統治)へ、「トモダチ作戦」と日本の 「アメリカ化」(日本本土の 「沖縄化」)

4. 検察審査査会の闇と最高裁事務局のスキャンダル
  ※ 検察審査会は、裁判員制度の先駆的形態:市民から無作為に選ばれた11人の審査員が、検察の起訴・不起訴の処理に対して不服の申し立てがあった場合にこれを審査して、(1) 不起訴相当 (2) 不起訴不当 (3)起訴相当のいずれかの判断を下す。司法制度改革の一環として、裁判員制度導入にともなう法改正で2009年5月からは、審査会が同じ件で2度「起訴相当」 と決議すると、検察ではなく裁判所が指定した指定弁護士により強制的に容疑者が起訴されることになった。小沢裁判ではこの制度改正が完全に悪用された!
  ※ 「新政権は検察審査会法を再改正すべきかどうかを検討課題とすべきだろう」(高野猛)
  ※ 当初から批判が多い情報開示の少なさや〝密室性〟黒く塗りつぶされた公開文書。容疑者がまったく意見を言えないことも大きな問題。
  ① 小沢一郎民主党元代表を 「起訴相当」 と議決した審査員十一人の平均年齢が不自然な形で一転二転したこと(小沢元代表審査員 生年月も黒塗り)は不可解
  ② 検察審査会の不正、検察の虚偽報告書に対する裁判所の判断に納得出来ない。
  ※ 強制起訴制度で初の判決公判も 「検証へ情報開示を」、指定弁護士による控訴は不当!?
  ③ 森ゆう子議員が明らかにしたくじ引きソフトの不正
  ④ 小川敏夫法務大臣による指揮権発動の封じ込め
  ※ 「健全な法治国家のために声を上げる市民の会」 が、最高検察庁に新たな告発状を提出した。被告発人である佐久間達哉(法務総合研究所国連研修協力部部長)、木村匡良(東京地方検察庁公判部副部長検事)、大鶴基成(元最高検察庁公判部部長検事)、斉藤隆博(東京地方検察庁特捜部副部長検事)、吉田正喜(元東京地方検察庁特捜部副部長検事)、検察審査会の第五検察審査会の事務局長、担当課長らを証人申請が採用されるかが焦点。
  ※ 最高裁事務局のスキャンダル:最高裁判所発注のコンピューターシステム関連の一般競争入札で 「一社応札」が続出し、 100%を含む高い落札率が大半を占めていた疑惑!
    改めるチャンスが何度もありながら、一向に変わらなかった最高裁の手法。

5. 現在の閉塞状況を打開するためには何が必要か
  【検察とマスコミが一体化した情報操作による小沢氏の狙い撃ちと民主党叩きの世論誘導が米国の圧力をうける形で行われた可能性、すなわち検察権力のリーク情報を無批判的にマスコミが裏づけを取らないまま小沢氏を犯罪人扱いするような過剰な印象操作・偏向報道を一方的に垂れ流し、その結果、検察の正義を疑わない一般国民がそれを鵜呑みにして小沢批判を強めて民主党離れを加速させるというある意味で分かりやすい構図】
  ※ 旧勢力(小泉流に言えば 「守旧派」 「抵抗勢力」)による既存秩序の維持と既得権益の保持を目的とした改革潰しの動き!
  ※ マスコミが検察の監視役ではなく、「検察の正義」(あるいは 「正義の検察」)という前提を無批判に受け入れて、検察の「最大の味方」 となってその露払いや煽り役を果たしてしまうことが最大の問題である!
  ※ 「小沢不起訴になってから検察の危機が言われていますが、それ以上に、今回はマスコミの危機を露呈させたと言えますね」(魚住昭)
A 検察による恣意的な強制捜査と違法な取調べによる直接的な人権侵害
B 検察のリーク情報に依存したマスコミの過剰な偏向報道と、その影響をまともに受けた世間の人々のバッシングという深刻な報道被害
  ① 市民の覚醒と官邸デモ-政府不信とメディア不信の高まり
  ② ソーシャル・メディアとメディア・リテラシー
  【海外メディアの 「報道の5原則」】 原則1 「推定無罪の原則」(最初から有罪であるよう印象づける報道はしないこと)、原則2 「公正な報道」(検察の発表だけをたれ流すのでなく巻き込まれた人や弁護人の考えを平等に報道すること)、原則3「人権を配慮した報道」(他の先進国並みに捜査権の乱用を防ぐため、検察・警察の逮捕権、家宅捜索権の行使には、正当な理由があるかを取材、報道すること)、原則4 「真実の報道」(自主取材は自主取材として、検察・警察の情報は、あくまでも検察・警察の情報である旨を明記すること)、原則5「客観報道」(問題の歴史的経緯・背景、問題の全体構図、相関関係、別の視点などをきちんと報道すること)

【小沢問題関連重要文献】
・小沢一郎を支援する会 (編集) 『私たちはなぜ小沢一郎を支援するのか』 (諏訪書房) [新書] ノラ・コミュニケーションズ (2011/5/15)
・森 ゆうこ 『検察の罠』 日本文芸社 (2012/5/26)
・平野 貞夫 『小沢一郎 完全無罪 -「特高検察」が犯した7つの大罪』 (講談社プラスアルファ文庫 ( 2011/7/21)
・郷原 信郎 『検察崩壊 失われた正義』 毎日新聞社 (2012/9/1)
・カレル・ヴァン・ウォルフレン 『人物破壊 誰が小沢一郎を殺すのか?』 角川文庫(2012/3/24)
・マーティン・ファクラー 『「本当のこと」を伝えない日本の新聞 』 双葉新書 (2012/7/4)
・山崎行太郎 『それでも私は小沢一郎を断固支持する』 総和社 (2012/6/23)
・三井 環 『ある検事の告発』 (双葉新書) (2010/12/22)
・村木厚子編 『あきらめない 働くあなたに贈る真実のメッセージ』 日経BP社 (2011/11/28)
・石川知裕 『悪党―小沢一郎に仕えて』 朝日新聞出版 (2011/7/7)
・鈴木 宗男 『汚名-検察に人生を奪われた男の告白 』
・佐藤 栄佐久 『知事抹殺 つくられた福島県汚職事件』 平凡社 (2009/9/10)
・大坪 弘道 『勾留百二十日  特捜部長はなぜ逮捕されたか』 文藝春秋 (2011/12/16)
青木理 『国策捜査―暴走する特捜検察と餌食にされた人たち』 金曜日 (2008/05)
・副島隆彦、植草一秀、 高橋博彦 『国家は 「有罪(えんざい)」をこうして創る』 祥伝社 (2012/6/30)
・粟野仁雄 『検察に、殺される』 (ベスト新書) ベストセラーズ (2010/11/16)
・岐 武彦、山崎行太郎氏 『最高裁の罠』 (志ケイアンドケイプレス 、2012/12)
・佐藤 優/魚住 昭 『誰が日本を支配するのか!?検察と正義の巻』 マガジンハウス (2010/8/12)
・石川 知裕/佐藤 優 『小沢一郎はなぜ裁かれたか―日本を蝕む司法と政治の暴走』 徳間書店 (2012/3/26)
・今西憲之/週刊朝日取材班 『私は無実です 検察と闘った厚労省官僚村木厚子の445日』 (著) 朝日新聞出版 (2010/9/7)
・孫崎 享 (著) 『戦後史の正体』 創元社; 初版 (2012/7/24)
・孫崎 享 (著) 『アメリカに潰された政治家たち』小学館 (2012/9/24)
・孫崎 享 (著) 『日本の国境問題 尖閣・竹島・北方領土』 (ちくま新書)
・孫崎 享 (著) 『日米同盟の正体~迷走する安全保障』 (講談社現代新書)
・郷原 信郎(著) 『検察の正義 』 (ちくま新書) ( 2009/9)
・郷原 信郎(著) 『特捜神話の終焉』 飛鳥新社(2010/7/22)
・『郷原 信郎(著)検察が危ない』 (ベスト新書) ( 2010/4/9)
・三井 環 (著) 『検察の大罪 裏金隠しが生んだ政権との黒い癒着』講談社 (2010/7/29)
・三井 環 (著) 『「権力」 に操られる検察 』(双葉新書) 双葉社 (2010/7/21)
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●期ズレと証拠捏造、どちらが重要な犯罪なのか?

2013年08月12日 00時00分45秒 | Weblog


神保哲生さんのvideonews.comの記事(http://www.videonews.com/news-commentary/0001_3/002888.php)。

 一連の小沢一郎氏の〝大事件〟、マスコミも酷ければ、裁判所も酷いものである。この〝大事件〟の大元締めである検察による「不起訴処分」・・・・・・、開いた口が塞がらんです。でも、小沢一郎氏の〝大事件〟の際のようには大騒ぎしないマスコミの不思議。小沢一郎氏の期ズレと田代政弘元検事の証拠捏造一体どちらが重要な犯罪なのでしょうか?

   『●政治的なトドメかな・・・・・・マスコミや裁判所によるこんなことが許されていいの?

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http://www.videonews.com/news-commentary/0001_3/002888.php

ニュース・コメンタリー (2013年08月03日)
「田代不起訴」に見る日本の病理

 生活の党の小沢一郎代表が強制起訴されるきっかけとなった検察審査会に対して、実際の聴取内容とは全く異なる虚偽の捜査報告書を作成していたことで告発されていた元東京地検特捜部の田代政弘検事について、最高検は7月31日、嫌疑不十分で再び不起訴処分にした。
 田代元検事については、告発を受けた最高検が一旦、嫌疑不十分で不起訴としていたが、これを不服とした市民から検察審査会に申し立てがあり、検審は今年4月、これを不当と議決し検察に対して再捜査を求めていた。しかし、検審が強制起訴につながる「起訴相当」とはしなかったため、今回の不起訴処分で、田代元検事がこの問題で罪に問われることはなくなった。
 最高検は田代元検事の「記憶が混同したとの主張を受け入れ、故意ではなかったと主張している。虚偽有印公文書作成罪は故意性が要件となっているためだ。しかし、捜査報告書に記録されていた石川氏の証言内容が、石川氏が隠し持った録音機で録音をしていた取り調べの内容と全くことなる内容であり、同時に小沢氏にとっても不利になる明らかな捏造部分が多数含まれていた。
 また、その捜査報告書を受けて検察審査会が小沢氏を強制起訴につながる「起訴相当」と議決しているのだ。更に、そもそも今回の小沢氏及びその秘書に対する東京地検特捜部の捜査自体が、政権交代を目前に控えた時期に行われた、政治性が強く疑われるものだったことなどを考慮に入れると、日本の政治の流れに決定的な影響を与えたといっても過言ではない検察による違法行為が、身内の検察によってこのような形で事実上不問に付されるというようなことを、われわれは看過してよいのだろうか
 また、そのような背景があることは重々知りながら、これを大きく問題にもせず、田代不起訴を普通のニュースとして伝えるマスコミは一体どうなっているのか。なぜ政治家は当事者である小沢氏の周辺を別にして、誰もこれを問題にしないのか
 田代元検事への不起訴処分が明らかにした日本の民主主義の弱点について、ジャーナリストの神保哲生と社会学者の宮台真司が議論した。
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●「「3.11」から2年② 原発という犯罪」『週刊金曜日』(2013年3月8日、934号)

2013年03月15日 00時00分20秒 | Weblog


週刊金曜日』(2013年3月8日、934号)について、最近のつぶやきから、AS@ActSludge。注目は、もちろん、特集記事「「3.11」から2年② 原発という犯罪」。犯罪であり、原発を作り続けた上に、何の責任も取らない自民党、それを支持することの「品格」「資質」。
 もう一つは陸山会事件の記事。当たり前の主張なのに、「小沢信者」と呼ばれる始末。政権交代の意義が失われ、民主党が壊滅し、今のこの哀しい政治状況を生み出した原因。自民党に乗せられ民主党議員までが悪乗りし、自分で自分の首を。それで自民党が復権したのだから、アホである。

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■『週刊金曜日』(2013年3月8日、934号) / 今開封。「「3.11」から2年② 原発という犯罪」、そう、犯罪です! 三宅勝久さん【自民党「政党交付金」の使徒隠しは許されるのか 一三三億円に領収書なし】、原発推進という犯罪だけでなく、相変わらずの金に対する意地汚さ

■『週刊金曜日』(2013年3月8日、934号) / 野中大樹氏【ジャーナリスト、弁護士らが集結 消費税増税反対の国民集会を】、宇都宮健児さんら。「斎藤貴男氏は、「消費税は国やマスコミが宣伝してきたような公平なものではない。(経済的に貧しい人間の金を吸い上げて金持ちにまわす、これに尽きる税制」だと喝破

■『週刊金曜日』(2013年3月8日、934号) / 畠山理仁さん【自死した福島酪農家の妻 東電に賠償申し入れ】、「「原発さえなければ」/・・・堆肥小屋の壁にそう書き残して自ら命を絶った・・・」。【大塚将司の経済私考/成長戦略としてのTPP参加はまやかしだ 日本の未来図を描き、米国の深謀を熟慮せよ】

■『週刊金曜日』(2013年3月8日、934号) / 【元国会事故調査委員会委員田中三彦さんに聞く/「福島第一原発の事故原因はまだ解明されていない」】。【渡辺満久教授に聞く/活断層から見える「原子力ムラ」の重すぎる罪】、「追及されるべき責任者」「懲りない電力会社」

■『週刊金曜日』(2013年3月8日、934号) / 金子勝さん【失敗は実証済みの「三本の矢」 アベノミクスは遊園地のコーヒーカップと同じ】。きんようぶんか案内板、福岡県の筑豊に生まれた坑夫・絵師【世界記憶遺産の炭坑絵師 山本作兵衛展】、四ノ宮浩監督映画【『わすれない ふくしま』】

■『週刊金曜日』(2013年3月8日、934号) / 真野きみえ氏【3月13日に元秘書3人の判決 陸山会事件とは何だったのか】、リードは「小沢一郎氏が事実上、政治的に抹殺される形になった陸山会事件の判決が、3月13日に出される。4年にわたり、日本中を騒がせた陸山会事件とは一体何だったのか」・・・

■『週刊金曜日』(2013年3月8日、934号) / 真野きみえ氏【3月13日に元秘書3人の判決 陸山会事件とは何だったのか】、・・・「虚偽記載と言っても〝期ズレ〟」「検察審査会の闇」「権力が勝利し、国民が負けた」。当たり前の主張なのに、「小沢信者と呼ばれる始末。今の哀しい政治状況の原因

■『週刊金曜日』(2013年3月8日、934号) / 浅野健一さん【被疑者写真の盗み撮りは妥当か PC遠隔操作事件】。岩本太郎氏【ネット上のみならず街でも外国人排斥派を反対派が批判】、聞くに堪えないシュプレヒコールなどの「う在特会」に対する、プラカード、メッセージによる静かな反対運動

■『週刊金曜日』(2013年3月8日、934号) / 田島泰彦氏【憲法改正案が指し示すマイナンバー法案と秘密保全法の企て】、「自民党の改憲草案が示す情報の統制とコントロールに抗して・・・情報を市民に取り戻す取り組みが求められている」。石坂啓さん【初めて老いった!/第38回 母には通用しない】
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●常軌を逸した〝法治〟国家、そして、マスコミの始末の悪さ

2012年05月18日 00時00分25秒 | Weblog


gendai.netの記事3つ(http://gendai.net/articles/view/syakai/136519http://gendai.net/articles/view/syakai/136494http://gendai.net/articles/view/syakai/136532)。

 小出裕章さんがしばしば嘆いておられた、「日本は法治国家ではないのか?」と。(大人同様に子供も一律ということでは、そもそも拙かったとはいえ)年間1ミリシーベルトを平気で破る国である。他の件は知りません、でも、本件小沢裁判も同様である。冤罪事件が多発することも、そう。本来、検察や警察を監視すべきマスコミがそれに輪をかけて、「犯罪者」に対する市民の感情を煽り立てるのだから、始末が悪い。
 偉そうな東京〝ト〟知事の偉そうな息子の方を騒いでみてはどうか? 小沢氏どころか、水谷建設裏金問題事件は自民党議員が関係しているのじゃないのか? なぜ騒がないのか? なぜ検察審査会や検察は犯罪者を野放しにしているのか?

   『●続報=水谷建設裏金問題、小沢一郎氏でなく自民党議員だった!?
   『●水谷建設裏金問題、小沢一郎氏でなく自民党議員だった!?

================================================================================
http://gendai.net/articles/view/syakai/136519

この国はすでに法治国家ではない
2012年5月11日 掲載

「国民目線」という奇怪な基準

<それで裁判をやられたらたまらないし、法学部はいらない>

 この国は本当に「法治国家」なのか。日本はもう一度、司法制度を一から考え直したほうがいい。1審無罪となった小沢一郎を、指定弁護士が「控訴」した一件は、どう考えてもムチャクチャだ。「法」と「証拠」を最重視する欧米先進国だったら、絶対にあり得ない。


<「検審」「指定弁護士」「裁判員裁判」は全部リンチ、人民裁判だ>

 そもそも小沢事件は、東京地検特捜部が全国から応援検事をかき集めて捜査したにもかかわらず結局、起訴できず、2度も不起訴にした案件だ。それも起訴猶予じゃない。嫌疑不十分だから「証拠ゼロ」ということだ。
 欧米各国なら、この時点で事件は終わっている。ところが、民間人11人で構成する「検察審査会」が、感情に任せて、シロウト判断で「強制起訴」してしまった。結果は案の定「無罪」。つまり、小沢は2度の不起訴(=無罪)を含め、3度目も「無罪」になっている。証拠がないのだから、当たり前だ。
 ところが、指定弁護士は、判決を覆す自信は「5割を超える程度」(大室俊三弁護士)しかないのに、また小沢一郎を刑事被告人にしてしまった。大新聞やテレビは、例によって「市民感覚踏まえた判断」などと、指定弁護士が「控訴」したことを絶賛しているが、これほど恐ろしいことはない
 刑事裁判は、人ひとりを「罪人」にしかねない。法律のプロが「法」と「証拠」に基づいて裁くのが当然だろう。なのに、「国民目線だ」「市民感覚だ」と、法律のホの字も知らないド素人が裁くなんて、これでは中世の「魔女狩り」「人民裁判」と変わらない。大マスコミが絶賛するような「市民感覚」だけで起訴し、裁判を行うなら、大学の法学部なんて必要ないではないか。

   「新聞テレビは、さも〈国民目線の裁判〉が良いことのように
    報じていますが、勘違いもいいところです。たとえば
    〈裁判員裁判制度〉です。導入前から『素人に量刑判断は
    難しい』と指摘されていましたが、予想通り、1審の無罪判決が
    高裁でひっくり返される逆転判決が続出しています。
    検察審も、本当は検察を監視するのが役割なのに、
    検察の手先として利用されている。やはりシロウトが
    判断するのはムリがありますよ」(司法関係者)

 おかしいのは、レッキとした法律家なのに、指定弁護士3人が小沢一郎を平然と「控訴」したことだ。弁護士の3人は、本来、被告の人権を守るのが役割のはず。小沢弁護団の弘中惇一郎弁護士が「指定弁護士だから、弁護士の感覚はあるかと期待したが、ガッカリしている」と感想を漏らしたのも当然だ。
 弁護士会では以前から「検察官の上訴禁止」を求める声が強かったからなおさらである。日本の刑事裁判では、1審で無罪が出ても、検察官が控訴し、控訴審で逆転有罪になるケースが多い。これが「冤罪事件」を生む温床ともいわれてきた。
 アメリカでは、刑事裁判という「危険」に1度さらされた人を同じ事件で再び刑事手続きに服させない――という「二重の危険の禁止」という考え方で、検察官上訴は禁止されている。
 元最高検アドバイザーで、検察審制度に詳しい山下幸夫弁護士(東京弁護士会)はこう言う。

   「今回の控訴は、1審判決が指定弁護士に配慮した内容だったため、
    『それなら別の裁判官なら違う結論になるのではないか』と
    判断したのではないかと思います。つまり配慮がアダになった
    わけです。私は検察官上訴を禁止することから始めなければ、
    今回のような問題は解決しないと思います」

「証拠」もないのに被告人とされ、「無罪」となっても、また裁判にかけられる。この国は法治国家でも何でもない
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http://gendai.net/articles/view/syakai/136494

小沢控訴はそもそも裁判が成り立つのか
2012年5月10日 掲載

 もうウンザリだ。これ以上、不毛な裁判を続けて誰が得をするのか。少なくとも国民にメリットは何もない。未曽有の国難の中、政治の混乱が再び繰り返されるだけだ。
 マトモな国民なら誰もが驚き、アキレたのが、9日の指定弁護士の“決断″だ。民主党の小沢一郎元代表(69)への1審無罪判決を不服として控訴した。
 何度でも言うが、この裁判は不当だ。中世の魔女狩りにも等しい暗黒裁判である。
 1審の公判過程では小沢の犯罪を裏付ける証拠はことごとく失われた。検察審査会が「強制起訴」する最大の根拠となった「捜査報告書」も特捜検事が捏造したものだった。指定弁護士が裁判を続ける道理はもはや存在しない。百歩譲って無罪判決を引っくり返すだけの新証拠や証人をつかんだのなら、控訴する意味もあるだろう。しかし、新証拠はゼロ。控訴しても、また「無罪」になるのは目に見えている。
 会見で判決を覆す自信を聞かれると、指定弁護士の3人は「100%とは言えない」(村本道夫弁護士=57)、「5割を超える確度」(大室俊三弁護士=62)、「弁護士として恥ずかしくない程度には判決を破棄する可能性はあるだろう」(山本健一弁護士=48)とか言うのである。
 この程度の覚悟で、引き続き小沢は刑事被告人として裁判に縛られ、政治活動を制限されてしまったのだ。控訴しても公判維持すら疑わしい。それが司法のプロの見立てである。

   「そもそも、この裁判は小沢氏を罪に問える証拠が乏しい。
    十分な証拠があれば検察が2度も不起訴にしていません
    ただ、1審判決では予想以上に指定弁護士の主張が認められた。
    控訴審で裁判官が代われば、もう少し踏み込んだ評価を
    してくれるのではないか。それだけを期待し、指定弁護士は
    勝負をかけたに過ぎません」(元東京地検検事の落合洋司弁護士)

 最高裁は今年2月、1審の無罪判決について「明らかに不合理でなければ尊重すべきだ」と初判断を示したよほどのことがない限り、控訴は慎重に考えよ、ということだ。それでも指定弁護士は控訴したのだから、常軌を逸している
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http://gendai.net/articles/view/syakai/136532

ゼネコン西松と小沢は共謀したのか
2012年5月12日 掲載

なぜそれほど重大なのか、小沢裁判

 無罪判決を受けて、党員資格を回復した小沢一郎元代表に対し、大マスコミや野党のイチャモンが続いている。指定弁護士が控訴したことで、まだ振り上げたコブシを下ろさないのだ。自民党の石原伸晃幹事長なんて、「国民の大多数の疑念に応えるべく下された判断だ」などと控訴を“評価”していたが、そもそも、小沢裁判のどこが“疑念”なのか。
 「収支報告の虚偽記載の共謀」とか言うが、実態は、単なる帳簿の「期ズレ」でしかない。虚偽どころか、ミスともいえないようなチンケな問題である。小沢裁判に証人として出廷した会計の専門家、弥永真生・筑波大教授(商事法)は、「会計学上は陸山会の土地購入に関する会計処理は許容範囲」と断言していた。しかも、小沢は会計責任者ではない。期ズレの背景に犯罪があって、それが立証されたわけでもない。どう考えても、ムリ筋なのだ。
 加えて、収支報告書の会計基準は「主婦の家計簿レベルに近い」(弥永教授)といわれるほど、大まかなものだ。だからこれまで多くの国会議員は、たとえ間違いがあっても収支報告書を訂正すれば、おとがめナシで済んできた。しょせん、その程度の問題なのだ。

   「収支報告書を一から全部見ている政治家なんて永田町には
    ほぼゼロです。ふつうは秘書にまかせて、入りと出が
    一致しているのを確認するだけ。間違いを指摘されれば、
    訂正すればいい。同じようなケースは年間数百件もあります。
    つまり、微罪にもならないちっぽけな問題なのです」(国会議員秘書)

 だから、当然の結果として小沢は無罪判決となった。疑念を抱かれるいわれも、証人喚問を求められる筋合いもないのである。


<自民党議員の方が疑惑ゾロゾロ>

 大体、喚問を求めている石原伸晃だって、6万8000円の講演会の会場使用料を68万円と記載し、5年後にやっと報告書の訂正をした過去がある。「週刊ポスト」(5月18日号)は、伸晃がかつて、日歯連から巨額の迂回献金を受け取った重大疑惑があるとして、こう書いている。

   〈手法は、日歯連がいったん自民党の資金団体『国民政治協会』
    に献金。その後、党本部から石原氏(党支部)への交付金として
    00~02年で総額4000万円が環流したというものだ〉

 こっちの方こそ問題視すべきなのに、なぜ小沢だけが記載漏れで捜査され、いつまでも不毛な裁判に付き合わされ、控訴だから灰色だとか言われるのか。そこには何の正義もない
 小沢捜査の入り口となった西松事件にしても同様だ。ゼネコンの西松から政治献金を受け取っていた政治家は18人。うち15人は、二階俊博森喜朗、尾身幸次といった自民党議員だ。それなのに、小沢だけがゼネコンとの癒着や共謀を疑われ、大マスコミは“天の声を出していた”と大騒ぎ。しかし、特捜検事が束になって捜査しても、怪しい話など何も出てこなかった。秘書の逮捕だって、あまりにも理不尽な話だ。小沢が裏金をもらっていたならまだしも、寄付を明らかにし、収支報告書にきちんと載せた政治団体について、「怪しい」「ダミーだ」とイチャモンをつけて、秘書を捕まえたのである検察批判が湧き起こらなければウソなのだ。
 政治評論家の本澤二郎氏が言う。

   「社民党の福島党首が、『日本では無罪判決が極めて少ない。
    1審の貴重な無罪判決は尊重されるべきだった』と控訴を
    批判していましたが、その通りです。これまで検察が
    仕掛けた事件で有罪にできなかったケースはほとんどない。
    同じ捜査をやられれば、自民党はもちろん、すべての国会議員が
    有罪になるでしょう。それでも小沢氏は無罪だった。つまり、
    完全な“シロ”といえる。それなのに、いまだに
    刑事被告人扱いです。こんな人権侵害は許されません」

 控訴審でも小沢の無罪は確実だが、そのとき、この国の司法と大マスコミはどう責任を取るのか
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コメント
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●検察審査会の「起訴相当」: 郷原信郎さんの発言

2010年05月09日 00時05分18秒 | Weblog

THE JOURNALの記事。とても長いので一部抜粋。かなりトリミングしていますので、全文を是非お読みください。

 2ヶ月ほどの単純な記載時期のズレでココまで馬鹿騒ぎし、検察審査会の一般市民を起訴相当に誤誘導したわけです。呆れ果てます。
 郷原さんの本文部分に「今回の検察審査会の議決書を見て問題だと思うのは、審査申し立て人が甲となっていて、匿名だということです。なぜ審査申し立て人の名前を記載しないのか。これはまったく理解できないです」とあります。一方、郷原さんの本分末尾のコメント部分に、真偽は不明ですが、審査申立人の情報があります。sirokuma氏による2010年4月30日19:09の投稿です。そこに記載のあるブログをちらっと見たところ『在特会』の名があったり、その他の部分についても私にはとても賛同できない言説に満ちていました。審査申し立ての趣旨についていけません・・・。申し立てにはどんな裏の意図があったのでしょうか?

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【http://www.the-journal.jp/contents/
      newsspiral/2010/04/post_558.html】

郷原信郎検察審査会の「起訴相当」議決について...
                      
とんでもない議決あぜんとした

   4月28日に開催された、コンプライアンス研究センター長定例記者レクで、
   郷原信郎(ごうはら・のぶお、名城大学コンプライアンス研究センター長)氏は
   小沢幹事長の政治資金規正法違反事件についての検審「起訴相当」議決に
   ついて、以下のように発言されています。その内容を全文掲載いたします。

 昨日、陸山会の不動産取得に関連する政治資金規正法違反についての、小沢一郎氏に対する不起訴処分について、東京第5検察審査会で起訴相当という議決が出ました。よく議決書を読んでみると、とんでもない議決です。驚いたというか、あぜんとしたというのが正直なところです。
 まず、驚いたのが被疑事実ですが、平成16年の陸山会の収支報告書に、小沢一郎氏から現金で4億円借入をしたのに、それが記載されていなかったということが、今まであれだけ問題にされてきた。この年の収入がその分過少だったということが、石川氏の起訴事実になっているはずですが、それが今回、起訴相当とされた被疑事実に入っていないのです。
 ・・・
 要するに、いろいろ書いてあるけれども、土地の取得の時期が2カ月ずれていた。土地の代金の支払いの時期が2カ月ズレていた。それだけです。それはまったく私も、予想だにしなかったことです。・・・
 ・・・これは、いくら何でも政治資金規制法の趣旨目的から考えて、これだけの事実で起訴すべきだと言われても、到底起訴はできないと思いますし、検察の不起訴の結論は変わらないと思います。
 再捜査をしたところで新たな証拠が見つかる可能性はほとんどないわけです。ほとんど現時点と同じような証拠を前提にして、再度検察が判断しなければいけないわけですが。既に、検察が組織として証拠が不十分で起訴できないということを決定しているわけです。それを、今回の一回の検審の議決で覆すということはあり得ないと思います。
 しかも、起訴相当の議決で被疑事実とされたのは、単なる期ズレの問題です。時期がズレただけの問題です。これで起訴するということはあり得ないと思います。それじゃあ、4億円の収入の不記載、あるいは収入の過少記入という点を併せて起訴することができるかというと、できないと思います。すでに検察がいったん不起訴にして、今回の検察審査会の議決でも起訴相当とされた事実じゃないわけですから、検察がその点も含めて、改めて起訴すべきだと判断する理由はまったくありません
 となると、今回の起訴相当の議決はあっても、再捜査の結果、再び不起訴になる可能性が極めて強い。そうすると、今度もう一回検察審査会に行くわけです、今度は、検察官の説明で、ずれの問題だけではとても起訴なんかすることは考えられないんです、ということをよく検察が検察審査会に説明しなければいけないと思いますが、それでも検察審査会の素人的な判断はまた起訴だという判断になる可能性も相当程度あります。そうなると、今度は起訴強制ということで、指定代理人が選任されて、指定代理人が起訴の手続を取ることになります。これは私の立場から言うのもなんですが、検察にとって大変な事態です。とりわけ特捜部という組織にとっては非常にやっかいな事態、困り果てる事態になると思います。
 同じ起訴強制でも明石の歩道橋事故とか、JR西日本の福知山線の脱線事故とはまったく意味が違います。今回は特捜検察の問題、特捜部の問題です。もし起訴強制ということになれば、恐らく関連する証拠は全部指定代理人に提供しなければいけないということになると思います。
 ・・・大がかりな捜査を展開して、捜査をどんどん前に進めようとマスコミが煽ってきたために、世の中に、小沢氏が起訴されないとおかしいという、素人的な、庶民的な不満を生じさせた。そういう状態で事件を検察審査会に持っていけば、市民感覚では、起訴すべきだと、何でこれで不起訴なんだという意見になってしまうということです。しかし、処分するのは検察です。検察が果たしてそんな素人的な感覚だけでまともな処分ができるのだろうか。2回の起訴相当議決で強制起訴ということになれば、検察の処分の問題ではありませんから、別の問題になりますが、今回の起訴相当とされた被疑事実を起訴することは、少なくとも、検察が行う刑事処分としてはまったく無理だと思います。
 それからもう1つ、今回の検察審査会の議決書を見て問題だと思うのは、審査申し立て人が甲となっていて、匿名だということです。なぜ審査申し立て人の名前を記載しないのか。これはまったく理解できないです。これだけの大きな影響が生じる事件の審査を申し立てている人間ですから、自分の名前ぐらい出すのは当たり前だと思います。申立人本人が匿名を仮に希望したとしても、そんな希望は絶対受け入れるべきではないし、最初からそれ前提の審査申立であれば、そんなものは受け付けるべきではなかったと思います。・・・
 しかし、それでは石川議員は単なる記載ミスで形式犯でも逮捕して起訴していいのでしょうか。同じ国会議員。石川議員だって北海道11区で、11万人を越える有権者の支持を得て当選して、初の通常国会に臨みで議員として活動する予定だった現職の国会議員です。なぜ、ゼネコンからの裏金が含まれていることが小沢氏の起訴の条件にはなっているのに、石川議員の逮捕の条件や起訴の条件にこれがならないのか。非常に不思議です。
 要するに、こういう考え方で、自分たちが小沢というターゲットに焦点を当てて捜査を進めていくことしか頭にない、そのための手段であれば、現職の国会議員を逮捕するというのはどういう意味なんだとか、それにふさわしいだけの事実、証拠はあるのかなどほとんど考えない前のめりに、前のめりに捜査してきたことが、結果的には世の中にいろいろな誤った印象を与えてしまって、これが検察審査会の起訴強制という制度の下で、一気に今度、検察の方にそのとがめが跳ね返ってきてしまった。それが今回の問題だと思います。・・・
 小沢氏を不起訴にした段階で、なぜ不起訴にしたのかということをしっかり説明していれば、それが報道されて、起訴できないことの正しい理由が分かっていたはずです。ところが、検察は、それまでの捜査を正当化するために、負け惜しみ的な説明をした。どっちに転ぶか分からないぐらい微妙な判断で、ぎりぎり不起訴になったんだというような説明をしました。私に言わせれば、現職の国会議員の石川氏の逮捕・起訴に重大な問題があるのであって、小沢氏の方は箸にも棒にもかからないです。そこをはっきり言わないから、結局、検審の審査員にも誤った認識を与えてしまう。なぜ言えないかというと、それは捜査が最初から無茶苦茶だからです。起訴を目指して捜査すること自体が暴走なのに、それをそうだったとは言えないので、世の中に誤解を与える。それが今回のように検察のところに戻ってくるわけです。
 ずっと時計の針を戻していくと、西松建設のところまで戻るわけです。そもそもあそこであんな事件に手を付けたから、後に引けなくなってどんどん暴走に次ぐ暴走を重ねていったということも全部反省しなくちゃいけなくなるから、処分の段階で誤った説明をせざるを得ない。結局は、元を正せば西松建設事件で大久保秘書を逮捕したところにすべての原因があるわけです。
 ・・・
 ところが、今回は、検察が、特捜部が、がんがん無理な捜査をしていって、それがさすがにもうそれ以上は進めないというところまで行って力尽きた。それを「市民感覚を追い風にもう一回暴走させる方向に向けて検察審査会の起訴強制という制度が使われようとしているわけです。それは、起訴強制という制度の本来の趣旨にまったく反するものだと思います。
 ・・・しかも、検事が立証しようとしていることをずっと否認し続ければいつまでも身柄が拘束できるという、国際的にもほとんど例のないような人質司法」のシステム。これはみんな検察官のところで適正な捜査が行われ、検察官が適切な事実認定をするという前提で組み立てられているわけです。だから、この間も石川議員が起訴されたと言ったら、当然議員をやめるべきだ、議員辞職勧告決議ということになります。なぜそうなるかというと、これは裁判所の判断ではなく、検察が起訴したということが大きいのだということが前提となっているからです。
 ・・・
 投稿者:《THE JOURNAL》編集部日時:2010年4月30日17:50
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