あべまつ行脚

ひたすら美しいものに導かれ、心写りを仕舞う玉手箱

古代カルタゴとローマ展 ・大丸ミュージアム

2009-10-22 00:05:44 | 海外美術
今朝になって、今日はどこに行こう~と考えた結果、
会期末になってきた、大丸のカルタゴ展と、
三越の森田りえ子展、
これを見に行こうということにした。

まずは
大丸ミュージアムを目指した。
「古代カルタゴとローマ展」
上野の国立西洋美術館で「古代ローマの遺産」が
開催中なので、合わせてみるのも面白い。
大理石のダイナミックな彫像と
アクセサリーや、調度飾りや、置物、コイン、小さなランプ、
そして見ごたえたっぷりなモザイクの床絵などなど。

今回は作品リストが貰えた。
改良されてくることは良いことだ~
ラストの展示にはダイナミックなモザイクの床が現れた。
ここが一番の見どころではないだろうか?
よく粉々にならず、無事にここまで運ばれてきたと感心した。

作品の中から、ウフィッツィにあるプリマベーラを思い出した
「バラのつぼみを撒く女性」
「水を注ぐ女性」
が対になって展示。
小さな色のタイルがうまく配され、
曲線も柔らかに風が吹いているような雰囲気があった。

「ゾウとニシキヘビ」
大きなゾウが太いニシキヘビに巻きつかれ
赤い血を滴り落としている凄絶な場面なのに、
どこかのどか。悲劇を感じないのが不思議だった。

「メドゥサ」
これはさすがにすごくて、髪の毛になった蛇はヌタヌタ
くねらせて、己の命をもてあそんでいるようだった。

モザイクはデザインする人、パーツを作り、集める人、
組み立てる人、いろいろの分業がされたようだ。

モザイク画の圧倒的存在も素晴らしいのだが、
小品のランプの数々も面白いものがあった。
中でも仮面をデザインしたものは、
まるでお猿さんのような顔をしているのだが、
お芝居の面を表しているとか。
手のひらに乗るサイズのランプ全体が顔。
口から火を吹いてほしかった。
1~2世紀にすでに芝居の面があり、
喜劇のようなお芝居があったことが興味深かった。

他にもネックレスの素敵なものが数点。

彫像にも偶像の羽をもつ女性神官の石棺があったり、
様々な人の頭部が並んでいたり、
黄金の胸当てがあったり(鎧)
カルタゴ地方のことをはじめて知る私は
様々初めて見るものだらけで、
地中海をめぐる歴史や文化も
また奥深いのだなぁと感心しきり。

トマス・ハリスの羊たちの沈黙のハンニバルではなく、
北アフリカに近いカルタゴの地での、名将ハンニバルさえも
ローマの勢いに屈してしまったのだとか。
いつでも、どこでも国は戦い続けて歴史を作ってきた。

なにしろ、チュニジアが一体どの辺かさえも知らずに
ほう、北アフリカね。サハラ砂漠が近いのかぁ、
そんな無知ぶりではあったが、大いに楽しめる展覧会だった。

このあと、
突然のランチをogawamaさんとご一緒することになった。
大丸のイタリアンでゆったり。
昨日の丸の内三菱のイタリアンはよろしくなかったので、
リベンジ成功。
実に正しい前菜がよかった。
あれこれ情報交換も楽しい。
お昼御飯をゆっくりとって、本日のお互いの目指す方向へと
進むことになった。
じゃぁ、また、と私の目の前からすらりと黒髪をひるがえして
東京駅に吸い込まれていってしまった。
今日、ogawamaさんはいよいよ皇室の名宝展に突入するそうだ。

私はそれから三越を目指した。
「東方彩夢 森田りえ子展」へ。
この記事は又次回。

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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ogawama さま (あべまつ)
2009-10-26 14:53:50
こんにちは。

こちらこそ、突然のお誘いに応えてくれて、
感謝でした。
遺跡がずいぶん日本に上陸しますね。
地中海ぐるっといろんな歴史があったのだと
興味深かったです。
イタリア土産のモザイクブローチの意味もわかったりしました。
また、突撃ランチ、よろしくお付き合いください。ogawamaさんの勧めもご紹介くださいね♪
返信する
ランチ (ogawama)
2009-10-26 08:47:50
先日はご一緒させていただいてありがとうございました(コメント遅くてすみません・・)。
トリノ・エジプトでにわか遺跡ファンになったので、カルタゴ展は興味深かったです。
パスタその他、美味しかったですね!
今度は京橋あたりで。
私もおすすめのお店があります~
返信する
Tak さま (あべまつ)
2009-10-22 22:44:53
こんばんは。

コメントありがとうございます。
欧州文化圏に本当に弱いのですが、
新鮮味があって、楽しめました。

地中海をめぐるさまざまには
今年ずいぶん驚かされ続けています。
大丸カードも作っちゃいましたよ。
返信する
Unknown (Tak)
2009-10-22 21:58:23
こんばんは。
TBありがとうございます。

大丸の発掘系の展覧会は
まずはずれありませんよね。
狭いスペースなのに頑張ってます。

カルタゴには何も残っていないと
勝手に思い込んでいたので、
オリーブ油を入れる細長い壺や
ガラス製品など驚きの連続でした。
返信する
noel さま (あべまつ)
2009-10-22 21:11:09
こんばんは。

テレ朝まで行って見てきたとは羨ましい。
モザイクの文化があんなに古くからあったとは、知らないことが多いものです。
期待してなかったけれど(あまり関心がなかったから)とても見どころがあって、楽しめました。
返信する
Unknown (noel)
2009-10-22 18:57:49
こんにちは。モザイク見応えありましたよね。女性神官の棺も印象的。テレ朝の巨大モザイクも見てきましたが、保存状態も良くて驚きでした。
返信する

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