あべまつ行脚

ひたすら美しいものに導かれ、心写りを仕舞う玉手箱

2016年(平成28年)博物館に初もうで 東京国立博物館

2016-01-09 16:20:54 | 東京国立博物館
 
 新年のお正月休みが終わり、ホッと一息、今年のアート鑑賞が始まりました。
 早速出かけたのは、やはり、東京国立博物館、トーハク。
 今年もたっぷり楽しませて頂きます。
 「博物館に初もうで」
 このおめでたくも賑々しい新春イベントになかなかタイミングが合いませんで
 残念ではありますが、館内にはまだまだおめでたい景色が満載でした。
 






 京都国立博物館で山楽・山雪展を開催したときの図録バッグになった
 あの愛らしいお猿さんが今年はトーハクの招き猿を勤めています。
 本当は分に合わない夢を拾って落ちることがないように、
 との戒めなんですけれど、すくい取れない月陰も渦となって
 面白いことをやるんだもん、といいたげな。
 強面の山雪、という印象が溶けるくらいのしあわせなお顔です。
 
 本丸は後にして、まずは東洋館に行って見ました。
 それも1番上から降りていくいつものコースです。
 画像で追いかけて見て下さい。

 
 東洋館、侮れません。

































 さて、いよいよ本館に突入です。
 先月、12月の展示とかぶっているところもあるかと思いきや、
 さすがのトーハク、がらりと変わっている展示がずらずらと。
 こちらもいつものように2階から回りました。
 
 大体、展示されたものに純粋にどっきりしたいがために、
 今何が展示されているかをあまりチェックしないでみにいくことにしています。
 お~こんなものが展示されているとは!という感激を大事にしたいのです。
 最初に見たものは 新春特集展示「博物館に初もうで 猿の楽園」
 本館特別1,2室の展示でした。
 
 そこに、かの山雪描く 「猿猴図」がにっこり。
 4百年前に描かれました。



 ほか、お猿さんシリーズ、楽しみました。



















 牧谿の三幅が並んだのかとギョッとしましたが、
 なんと横山大観による、模写でして、それでもさすがの存在感です。










 国宝室は長谷川等伯のあの「松林図」
 鑑賞者がひしめいていました。
 あの茫々たる雰囲気は霊界への入り口のように見えてなりません。
 静かに対峙していると怖ろしくざわざわします。

 早々に足を進めました。
 五輪形舎利容器になぜか目が行ったのは、杉本博司展をみたから、でしょうか。
 水晶玉の美しさを再確認した気がします。



 茶の美術の志野茶碗のその奥に 無地刷毛目茶碗 銘村雲 
 東洋館で見たばかりの祭器の流れが見えます。


 
 具足の展示に麗しいはおりもの。




 屏風展示は国宝 池大雅となりましたが、
 女房三十六歌仙にまたみとれました。
 屏風の金具にもうっとりです。



 女房達はほとんどが横顔、顔を隠し伏せていたりしますが、
 一人だけ正面を見つめている絵を見つけて一人歓喜しました。








 
 浮世絵コーナーはなんと、北斎個展会場。
 びっくりしました。

 富嶽三大有名作品が並んでいました。
 そのほか、北斎漫画、肉筆の素晴らしい作品などもあり、
 ちょっとした北斎展となっていました。

















 1階に降りて、仏像から拝見します。
 年初になっても社寺参りをせずに、ここで済まそうとする不埒ものです。

 漆芸の重厚さに毎度ため息を漏らしつつ、
 刀剣コーナーにもケースに息を吹きかけます。
 陶磁器の展示には親しみと憧れを注ぎます。
 ここにも、刷毛目の親戚がいました。
 萩焼も朝鮮半島から陶工が渡来した場所の一つとか。
 桃山の雰囲気と祭器の形状が合体しているようでした。
 


 特に最初のコーナーは水滴特集。
 なんでしょうか?という形にいちいち楽しいものばかりでした。
 文房具への愛着はいまやなくなりつつありますが、
 こんな愉快な愛らしいものに囲まれて筆を執って何を書いたのでしょうか。













 トーハクを言祝ぐ生け花も展示され、
 賑々しい年明けを迎えたこの展示は1月11日まで。
 
 本館の「トーハクに初もうで」は31日までとなっています。
 
 平成館では2月21日まで、兵馬俑が威力を発揮しています。

 ことしもまたまた、東博、トーハク楽しませて頂きます。
 海外のお客様もぜひ!!


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