芸大美術館は、キャパ自体がそんなに大きくないのに、こんなにわんさか人が入ってしまったら、どうやって、鑑賞できるのだろう?
あぁ~~と深いため息。
でも、お目当ての作品があるので、じっくりと列の一員にならずに、
あちこちに置かれている、ビデオのブースにも参加せずに、
ポイント鑑賞に徹した。
八木一夫 ザムザ氏の散歩
この作品は、やきものの本には、必ず掲載されている。
オブジェとしてしまった陶芸の破壊のようなパワー
しかし本体は、意外や意外小振り。
ザムザ、と言う響きも楽しい。他の作品も面白い。
フランシスコ・デ・ゴヤ 戦争の惨禍
まさか、ここで遭遇するとは、思いもかけなかった。
小品の5点が並ぶけれど、相当重たい話だ。
ゴヤの頭の中に、これを描かなければ、人間のおぞましさを残しておかなけれ ば、と思ったに違いない。戦争とのつきあいは、ゴメンなのだ。
小川芋銭の絵がちらっと見えた。いいね、くつろいでいるよ。
高橋由一の鮭は、芸大のキャラクターだ。
前にも観たことがあるし、豆腐がいたらしっかり観たかった。
今回は、パス。
狩野芳崖の悲母観音の下絵。
フェノロサに新しい日本絵画を目指すことを託されたのだけれど、スーパーアニメのような劇画に見え、圧倒的に上手いのに、どうもピンとこないのだ。
今回のお目当ての一つ、
棟方志功 二菩薩釈迦十大弟子 六曲一双
あぁ、これを観ることができた、それだけで、いい。
宗教とは違う、もっと魂の太い力を頂けるのだ。ありがたや。
丸木スマ 蝶 きのこ
どちらも自然と自由に遊んでいる童のような絵。じ~っと観ていて、知らない山道に探検に生きたい気持ちになる。
お目当てのもう一つ、
田中一村 奄美の森② サクラツツジとオオタニワタリ
奄美の森⑤ ガジュマルにトラフズク
何とも不思議な空間の絵だ。とくにガジュマルの方に惹かれる。鬱蒼と暗いジャングルのようなところで、ガジュマルの根が怪しくむき出しになっている。その上の方にトラフズクがお茶目にウィンクして止まっている。どんなに暗い時があっても、いつかは光が当たる事があるのだと、慰めてくれているようだ。根本の花が、ぼうっと光っているのも幻想的。若冲のような、アンリ・ルソーのような、マットで、怪しげ。そこが魅力だ。沖縄の自然に囲まれたところで、ぜひ見てみたい。
その横に、
高島野十郎の、驚くほど静かな蝋燭が今も灯っている。静かだけれど、暖かい。
からすうりも軒下なのか、赤い実を連ならせ、誰かがいることを教えている。
見えないものの在処とか、暖かさを感じさせるとっても静かで、確かな絵。
精神が溢れていた。
あぁ、もっとゆったりと観ていられたら、どんなにすばらしかったか。
人の山で鑑賞する気がなくなってしまう災難とは反対に、収益が上がっているのだろうな。
意外とよかったのは、現代の漆。
日本と、韓国の若手作家が、作品を並べているのがよかった。
パンフレットも作品リストも無くなってしまったらしいけれど、こういうつながりで、両国の距離が近くなるなんて、とってもすてきだ。
飛天の衣のような作品が気に入った。雷神風神も身につけていたような作品。
そうして、あっという間の鑑賞を終えた。
ビデオ鑑賞のブースの分、作品鑑賞にまわしてくれたら、もっとゆったりできたのに、まぁ、NHKだから、しかたないか・・・
まったく個人的な好みだけのチェックに終わってしまった。
でも、30年延々と続いてきた、美術番組がとても真面目に作られていて、これぞNHKのなせる技、とも思う。親しまれてきた沢山の作品や、作家達にとってもまさに美の伝道師になってくれたのだろう。
これからもこの番組が続くように、さらに自由に羽ばたいて、様々な世界中の美を紹介してくれることを願っている。
そんなことを思いつつも、心は早、東京国立博物館へ。
秋めいて、銀杏の木から銀杏が落ち、匂う頃となった。
そうか、もう、10月なのだ。
あぁ~~と深いため息。
でも、お目当ての作品があるので、じっくりと列の一員にならずに、
あちこちに置かれている、ビデオのブースにも参加せずに、
ポイント鑑賞に徹した。
八木一夫 ザムザ氏の散歩
この作品は、やきものの本には、必ず掲載されている。
オブジェとしてしまった陶芸の破壊のようなパワー
しかし本体は、意外や意外小振り。
ザムザ、と言う響きも楽しい。他の作品も面白い。
フランシスコ・デ・ゴヤ 戦争の惨禍
まさか、ここで遭遇するとは、思いもかけなかった。
小品の5点が並ぶけれど、相当重たい話だ。
ゴヤの頭の中に、これを描かなければ、人間のおぞましさを残しておかなけれ ば、と思ったに違いない。戦争とのつきあいは、ゴメンなのだ。
小川芋銭の絵がちらっと見えた。いいね、くつろいでいるよ。
高橋由一の鮭は、芸大のキャラクターだ。
前にも観たことがあるし、豆腐がいたらしっかり観たかった。
今回は、パス。
狩野芳崖の悲母観音の下絵。
フェノロサに新しい日本絵画を目指すことを託されたのだけれど、スーパーアニメのような劇画に見え、圧倒的に上手いのに、どうもピンとこないのだ。
今回のお目当ての一つ、
棟方志功 二菩薩釈迦十大弟子 六曲一双
あぁ、これを観ることができた、それだけで、いい。
宗教とは違う、もっと魂の太い力を頂けるのだ。ありがたや。
丸木スマ 蝶 きのこ
どちらも自然と自由に遊んでいる童のような絵。じ~っと観ていて、知らない山道に探検に生きたい気持ちになる。
お目当てのもう一つ、
田中一村 奄美の森② サクラツツジとオオタニワタリ
奄美の森⑤ ガジュマルにトラフズク
何とも不思議な空間の絵だ。とくにガジュマルの方に惹かれる。鬱蒼と暗いジャングルのようなところで、ガジュマルの根が怪しくむき出しになっている。その上の方にトラフズクがお茶目にウィンクして止まっている。どんなに暗い時があっても、いつかは光が当たる事があるのだと、慰めてくれているようだ。根本の花が、ぼうっと光っているのも幻想的。若冲のような、アンリ・ルソーのような、マットで、怪しげ。そこが魅力だ。沖縄の自然に囲まれたところで、ぜひ見てみたい。
その横に、
高島野十郎の、驚くほど静かな蝋燭が今も灯っている。静かだけれど、暖かい。
からすうりも軒下なのか、赤い実を連ならせ、誰かがいることを教えている。
見えないものの在処とか、暖かさを感じさせるとっても静かで、確かな絵。
精神が溢れていた。
あぁ、もっとゆったりと観ていられたら、どんなにすばらしかったか。
人の山で鑑賞する気がなくなってしまう災難とは反対に、収益が上がっているのだろうな。
意外とよかったのは、現代の漆。
日本と、韓国の若手作家が、作品を並べているのがよかった。
パンフレットも作品リストも無くなってしまったらしいけれど、こういうつながりで、両国の距離が近くなるなんて、とってもすてきだ。
飛天の衣のような作品が気に入った。雷神風神も身につけていたような作品。
そうして、あっという間の鑑賞を終えた。
ビデオ鑑賞のブースの分、作品鑑賞にまわしてくれたら、もっとゆったりできたのに、まぁ、NHKだから、しかたないか・・・
まったく個人的な好みだけのチェックに終わってしまった。
でも、30年延々と続いてきた、美術番組がとても真面目に作られていて、これぞNHKのなせる技、とも思う。親しまれてきた沢山の作品や、作家達にとってもまさに美の伝道師になってくれたのだろう。
これからもこの番組が続くように、さらに自由に羽ばたいて、様々な世界中の美を紹介してくれることを願っている。
そんなことを思いつつも、心は早、東京国立博物館へ。
秋めいて、銀杏の木から銀杏が落ち、匂う頃となった。
そうか、もう、10月なのだ。
あれでは、落ち着いて鑑賞なんて
とてもとても無理ですよね。。。
「お疲れさまでした」
本当にぞっとしましたよ。
田中一村には、もう少しゆっくり会いたいと思ったのでした。
でも、本物からしか感じられないものがあったし、ヨシとします。
人の少ない美術館を自由に見て、
新しい発見をするのもよし、
人の多さに辟易しながら、ピンポイントで
好きな絵を見るのもよし、
まぁ、美術館めぐりにもいろいろありますね。
なんて、言いながら、やはり人は少ないに
越したことはありませんね。
私もザムザ氏・・・衝撃でした。
庭園美術館に行かなかったもので、ここで
出会えてよかったです。
今日は久しぶりにノンビリな日曜日です。
時々頭の中をゆっくりさせないと、
次に行けないんです。
最近頓に人混みが苦手になってきました。
精力的にお出かけの一村雨さまを尊敬しております。秋の関西も心騒ぎますね。
こちらは、人が少ないところでじっくりを探します。体力も落ちてきたのかなぁ~・・