今週の日本語教育方法論では社会文化能力の学習項目という話。とくに書くほどのことではないが、ちょっと面白かったので紹介する。
日本語教育のシラバスでは文化にどのようにアプローチしていくかは難しいテーマだけど、授業では(1)プロダクトとしての文化(日本事情)、(2)プロセスとしての文化(米国のStandardsの考え方、自文化との比較、解釈)、(3)スキーマとしての文化(場面でのインターアクションの行動と解釈の準拠枠)という3つのアプローチがあることを紹介した。
以下のリストは、学生たちの飲み会に参加するときに必要なスキーマを考えてもらって出てきた項目。
・普段と飲み会はきりわけている(ハレとケ)
・飲み会は仲間内でリラックスする活動
・お酒が飲めなくても顔をだす
・上座もある(先輩、ゲスト)
・とりあえずビールで乾杯
・ノンアルコール、ソフトドリンクでも乾杯
・飲んでいない人には飲ませる(とくに年上から)
・先輩からのお酌は断らない
・年上におしゃくを!!!
・女の子が取り分ける(しかし女子は納得していない)
・多数のときは固い話はKY
・雰囲気になじむ
・空気を読む(前半は全体で動いているので)
・とりあえず騒いでおく
・深い話は後の機会に
・酔っぱらいはOK。結構「いい人」と思われる
・無礼講だ!!!
・コールがあるぞ!!!!
・ゲームで負けたら飲む!!!
・その場だけ楽しむ
・飲み会のあとは、忘れる
・最後はきちんと支払う、しめの挨拶のときもきちんとする
・2次会必須!!!(前提)
どうですか?かなりいい線いっていると思うのだけど。日本の飲み会が、パーティーといかに違うかがよくわかる。飲み会だけでなく、パーティーでも我々はこうしたスキーマの一部を適用してしまう気がする。そこで留学生は戸惑ってしまうわけだ。