フクロウは夕暮れに

接触場面研究の個人備忘録です

非言語・謝罪・言語サービス

2008-11-14 23:21:19 | today's seminar
今日の学部のゼミでは2,3年生を中心とした共同研究のテーマについて発表してもらいました。それが上の3つ。

「非言語」というのは、通じ合える言語がないか、とても不十分なときに、どのように非言語を使って伝えようとするのか、というもの。実験じゃなくてできればありそうな実際の場面にでかけられるといいよと話したのですが、観光地や土産物店など少しアイデアが出ました。

「謝罪」というのはまさに真面目な謝罪のこと。そこから最近は企業の謝罪が目立つというような話に発展して、企業の謝罪マニュアルがきっとあるよねと言うと、ある学生がアルバイト先には信頼回復のステップというマニュアルがあると言っていました。さすが企業、謝罪にとどまらずお客がまた来てくれるところまでを視野に入れているわけですね。

「言語サービス」とは、定住者のためのものと一時滞在・観光客向けと2種類の場合のどちらかについて、実際に外国人の人と歩いて多言語情報などがうまく機能しているかどうか調べようとするもの。どちらがいいかという話で、定住者向けは深いし時代によって変化があるのではないかと学生が言っていましたが、確かにそういう面はあります。先行研究の川原・野山などの言語サービスの項目には、知的・文化的生活のためのサービスは入っていません(図書館の書籍の多言語化、ラジオ・テレビ・新聞など)。これなどもまだまだ定住外国人が最小限の生活レベルでしか認知されていないことの証拠なのででしょう。

同僚のMさんが出した韓国の例は一時滞在・観光客向けもかなり早く変化する例。M先生によると、W杯のときにタクシー運転手と外国人客を無線の通訳でつなぐシステムが作られて、いまは結構それが普及しているとのこと。これはかなり面白いですし、実効性がありますね。

深い研究にはなかなかならないかもしれないとも思いますが、今年の共同研究では関心が多方面に広がっているのが楽しいところです。
コメント
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