
♪夏が来れば 思い出す…
という歌「夏の思い出」(江間章子作詞、中田喜直作曲)の中にも入っているせいか、水芭蕉は初夏の植物のような気がしていた。
俳句では、
花と影ひとつに霧の水芭蕉 水原秋櫻子
などの句があるが、「水芭蕉」は夏の季語になっている。
そのことに、以前は何も感じなかった。
それが、植物に関心をもつようになってから、実際に見ていると、水芭蕉が咲くのは、春早いうちだということが分かった。
そして、その花のことで少し調べて分かったことは、そのほかにもいろいろあった。
まず、花だと思っていた白いものは、花ではなく葉が変形したものだということ。
そして、花は、その中にある緑色の柱のような部分に付いているということ。

ウイキペディアには、次のように書かれてある。
湿地に自生し発芽直後の葉間中央から純白の仏炎苞(ぶつえんほう)と呼ばれる苞を開く。これが花に見えるが仏炎苞は葉の変形したものである。仏炎苞の中央にある円柱状の部分が小さな花が多数集まった花序(かじょ)である。
花に見えるものが花ではない、というところがややこしい。
でも、アジサイの花だって、花に見える部分が花ではなかったはず。
水芭蕉の本当の花は、どれか考えながら見ないといけない。
また、水芭蕉が出てくる冒頭の「夏の思い出」の歌を作曲した中田喜直は、尾瀬には行ったことがないままに作ったということも知った。
中田自身が、後に自らそう語っていた。
知らないまま、いい曲をつけたなあと思うのだ。
そんな水芭蕉の花が、先日行ったいじみの公園の升潟でも出始めていたし、

桜公園の駐車場の近くには、非常にきれいに咲いていた。


さくらよりも早く咲くなんて、水芭蕉の季語は、やはり春がふさわしいのではないかなあ…と思ったよ。