タツナミソウ。
今、その花が盛りの時期を迎えている。
わが家の庭にも、去年から咲くようになった。
去年のこの時期に、近所の方からいくつか分けてもらったのである。
タツナミソウは、「立浪草」と書く。
漢字の名前を知ったときには、大相撲の名門「立浪部屋」のことを思い出した。…へへへ…。
たしかに、花は「波が立つ」ように見えるので、うまく名付けたものだなあと思う。
このタツナミソウの花を初めて意識して見つけた場所は、10年余り前。
栃木県の三毳山公園の中でのことだった。
え?「三毳山」が読めないって?
私も、最初は読めなかったよ。
これは、「みかもやま」と読む。
万葉集の歌にもこの名が出てくるのだそうだ。
紫色の花と白い花とが遊歩道沿いに見られて、花の形も面白いので引き付けられた。
家に帰ってから調べてみたら、この野草は、「タツナミソウ」だと知ったのだった。
そう知ってから、ご近所さんの庭を見ると、なんとそのタツナミソウが生垣の隙間からたくさん咲いているのが見えたのだった。
意識しているのと意識していないのとでは、見え方が違うのだな、とあのときは思ったものだった。
去年タツナミソウをいただいたのは、そのお宅からだった。
「前にほしいと言っていたでしょ!?」
おや、よく覚えていてくださったこと。
そう思いながら、ありがたくいただいた。
いただいたのは、白い花を咲かせるタツナミソウだった。
家の中で、日が当たりながらも当たり過ぎないところを選んで植えた。
幸い、今年もその場所に花を咲かせてくれた。
このタツナミソウの花言葉は、面白い。
代表的なものが、「私の命を捧げます」なのである。
この花をもらって、命預けます、私の人生全て捧げます、なんて言われたら、ちと怖いかもしれないね。
また、「忘却」「精神の安定」などもあるそうだ。
ほかの花ではなかなか聞かない花言葉だ。
タツナミソウ、今年も咲いたということは、多年草ということ。
来年も、再来年も、美しく咲いてほしいな。