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癒し系獣医師の動物病院開業日誌

アニマルセラピー団体で活動している癒し系獣医師。農業団体職員から脱サラし、動物病院を開業しています!

うさぎの診療2

2013年01月29日 | 動物医療
今日は研修が早めに終わったので、せっかくなので「明治神宮」にお参りに行きました。
初めてですが、JR原宿駅からすぐですのでわかりやすい場所です。
こんな都心にこんな場所があるのかという感じです。

入口から正殿までは歩いて結構あります。
私の足で、5分以上かかったでしょう。
ご老人にはきつい。
平日の夕方にもかかわらず、沢山の参拝者がおり、特に外国人がたくさんいました。中国、韓国の方も・・・まあ観光ですか?
ややこしいことは考えず、私は家内安全、幸福祈願しました。
若い人も多く、ちゃんと門をるたびに、一礼しているのには驚きました。今風の若者ですが・・・

今日もうさぎ専門の診療を研修し、特別「爪切り」を自分で保定して行いましたが、結構血だらけに・・・
犬や猫と違いうさぎはそんなに爪切りを深くできませんね。
でも何とか「爪切り」はできそう・・・腕と手の保定だけで。



これが、検査の必須アイテム!
左が耳や口の中を検査する器具で右が目の直像鏡です。

うさぎはちよっとしたことで食べなくなり、その原因をさぐるのは獣医師の検査も重要ですが、飼い主さんへの聞き取りです。
物理的な原因で食べないこともありますが、メンタルなことが要因になっていることも多いそうで、同じフードでもロットが変わっただけでも
食べなくなっていた例もあり、環境や温度、湿度、飼い主さんとの関わりが関係していることもあります。
繊細です、うさぎは!

実践的な診断や治療のノウハウを教えてもらいました。
一部でしょうが、基本中の基本は分った気がします。
少なくとも、保定でうさぎさんを怪我させることはなさそうです。
結構病院での保定が原因で怪我することがあるそうです。
飛び出して、大腿骨を骨折して診療に回された例もあるそうです。

うさぎの診療は独特です。
病院でうさぎを飼いつつ、診療できればいいと考えています。
できれば、再度この病院には期待ですね!
ありがとう、同級生Yくん!
自作の診療と保定のDVDもいただきました。

明日は、また別の同級生の病院に行きます。
埼玉県所沢の方ですが。


うさぎの診療

2013年01月28日 | 動物医療
病院にはこんなステンドガラスもあります。
独特ですが、印象に残ります。

今日は藤沢市にある「うさぎ専門」の獣医さんで研修しました。
うさぎは保定が難しく、診察、診療の上でポイントになります。
大抵の獣医師は「タオル」等を使いうさぎさんを動けなくしますが、今日伺った獣医さんは全くタオル等は使わず、
手と腕だけでうさぎさんを動けなくして「スイスイ」と診療診察します。

うさぎの診療の半数くらいは、数ヶ月に1回の健康診断です。
体重測定、目、耳、被毛、臭腺、口(歯)、お腹等の検査をします。
特に歯と耳、目は入念に検査します。

歯は過長歯や不正咬合が多く、歯科ユニットやニッパのような道具で、麻酔もかけずに処置します。
普通の獣医師は麻酔なしでは極めて困難なのが実態です。
臼歯を切る場合も、口の中にニッパみたいなものを入れて、目視せずに感触だけで切る部分に行きわたり、「パチン」といういい音を立てて切ります。これは神業で真似できません。通常ありえません。

うさぎは涙管がつまることが多く、涙管を洗浄することも多く、今日も午前中だけで、3件ありました。
留置針の外套を涙管に入れて洗浄します。これも簡単に実施しましたが、かなり難易度が高いと思います。
片方の目を1分くらいで洗浄して貫通させます。これも神業です。

神業だらけで驚きです。
うさぎの病気も特徴的で、これは実地に学ぶしかないと思います。
うさぎの診療に関する本も書いた獣医師ですが、その本は残念ながらすでに絶版で、コピーしてもらいました。

企業秘密的診療、治療のノウハウもあり、とても面白かったです。
明日も行きます。

ちなみに、慣れない階段を降りていて、階段を踏み外してこけてメガネが壊れてしまいました。
すぐに見知らぬ人が助けてくれて、メガネ屋さんを教えてくれました。
東京のひとも親切です。本当に助けてくれて嬉しかったです。

メガネは応急処置も簡単でなかったので、格安のとりあえずのメガネを買い、なんとか帰るまでなりそうです。
まあ、壁に激突したので、軽い打撲と擦り傷でラッキーだったと思います。
物事すべてプラス思考で考えます。

鍼灸とうさぎの研修

2013年01月26日 | 動物医療
病院には、前任者が写真のようなステンドグラスを設置しています。
これって高いですよね。
来週内装が入りますが、楽しみです。

さて、今は新千歳空港にいます。
これから、鍼灸の授業とその後も東京にとどまり、うさぎの専門医で研修します。
帰りは木曜日の夜です。
兎に角、必死に勉強です。

小さな分院

2013年01月25日 | 動物医療
今日はお世話になっている病院の分院に行きました。
小さな分院で先生一人でやっていますが、開院してまだ1月。
これから、患者さんが増える予感がしますね。

写真は先生に教えてもらった、酵母サッカロミセスです。
子犬が軟便との禀告のウンチから検出されました。
病原性は不明ですが、犬の下痢に関与しているかもしれないとのこと。
顕微鏡で見ると確かに尋常でなくいました。
聞くと予防的に子犬にアップシードとフランジール製剤を与えていたのとこと。
菌交代現象でお腹を壊したのかもしれません。
お腹にいい有用菌まで殺してしまったのかもしれません。
やはり、闇雲に静菌剤でもなんでも与えない方がいいでしょうね。

分院は高度な医療機器はなく、聴診器と顕微鏡くらいですが、診断の基礎が勉強できました。
よかったです。
たまに、分院にもお邪魔しよう!


関節疾患

2013年01月24日 | 動物医療
病院内部の「現状」はこんな感じで、まだまだこれからです。
ようやく、銀行のOKが出たので、内装にもうすぐ着手できそうです。
2月の下旬には看板以外の内装は完成するでしょう。
暖房も照明もリセットです。
このあと、医療機器を3月中旬に搬入したり忙しくなりそうです。

昨日は業者の主催する「関節疾患」に関するセミナーを受講しました。
午後7時半から終了は10時頃で、またしてもヘロヘロです。
開業の先生は受講時間が遅くなるのでこの時間帯になります。
慣れなくては・・・

関節性疾患の診断に関するもので、跛行診断や触診、関節可動領域の測定評価が中心です。
治療に関しては通常骨関節炎ではNSAIDsが定番ですが、鎮痛による「対症療法」です。
これに対して、ポリ硫酸ペントサンナトリウムは「原因療法」を目指すものです。
軟骨細胞に作用して軟骨細胞の産生を促し、滑膜細胞を刺激してヒアルロン酸の産生を促します。
また、炎症メディエータの放出を阻害して炎症を抑えます。
臨床応用例でも効果があるとの評価が多く、私も是非使っていきたいと思います。
難点はやや価格が高いこと。
新しい知識として従来はNSAIDsとの併用は良くないと言われていましたが、併用も可であるとの説明でした。
サプリメント(EPA、コンドロイチン、グルコサミンン)との併用もなをよいようです。

関節疾患は今後も多くなるので大変有意義でした。
もちろん、鍼灸でもアプローチします。

準備は進む

2013年01月23日 | 動物医療
写真が病院の外観です。
内装工事はこれからですが、外観も少し塗装します。
もちろん、看板も付けますが、これは開院の少し前になります。

今は銀行や内装業者、医療機器取り扱い業者さんと打ち合わせ中です。
他にも、カルテ印刷や通信関係、セキュリティー業者との打ち合わせと発注。
残してくれた医療機器のメンテナンス等など山盛りです。

まあ、自分の選んだ道なので忙しいですが苦ではありません。
段々と自分の形にするのは楽しいものです。
「できるのか?」という思う以前に、「出来る」を前提に物事を進めています。
もともと、退路はないのである意味迷いがないですね。

これから、夜7時半からのセミナーに出かけるとします!
勉強は何より大切ですから。

クロストリジウム

2013年01月22日 | 動物医療
今日もいつもどおり、病院で研修です。
病院によって診療が立て込む時間帯が違うようです。


自己免疫性溶血性貧血(AIHA)の犬は、貧血もやや改善され一応退院していきました。

でこの写真な丸印は、「クロストリジウム」という菌です。
犬が血が混じったウンチをとでするというころ発見されました。
症状としては、食欲がなく嘔吐もあったようです。

初めて見ました。
この特徴的な、太鼓バチのような、安全ピンのような胞子のある菌です。
常在菌ですので、発見自体は珍しいものではないのですが、顕微鏡の1視野に2、3個あれば「病気」です。

通常の抗生剤では効かず、嫌気性菌に効く抗生剤でなくてはいけません。
最近は発生が多いとのこと。

今日も知らない病気を診せてもらいました。
毎日発見だらけです。

明日は、研修病院が休みなので、業者と私の病院の内装の打ち合わせです。

犬の自己免疫性溶血性貧血の症状(AIHA)

2013年01月21日 | 動物医療
今日もいつもの病院で研修でした。
私は知らないことばかりですが、またひとつ新たな病気に遭遇しました。
シーズーで赤い尿を出して、時々吐くとの禀告。
「ああ、膀胱炎か」と思いきや、担当獣医師が採血して調べたら、
・血清の溶血
・著しい貧血
があり、血尿でなく血色素尿でした。
これは、
犬の自己免疫性溶血性貧血の症状(AIHA)という病気だそうです。
赤血球の破壊の程度が激しい場合や速く進む場合は、動悸(どうき)・息切れ・疲れやすい・お散歩を嫌がるなどの貧血症状に加えて、黄疸(おうだん)がみられることがあります。赤血球の破壊が軽度でゆるやかに進む場合、症状がみられないことがあります。

犬の自己免疫性溶血性貧血の多くは原因が不明で(特発性自己免疫性溶血性貧血)。感染、腫瘍や全身性エリテマトーデスなどの病気が原因であることもあり、まれにペニシリンやワクチンなど薬物を使用した後に発症することもあります。雌では雄の3~4倍の発生率だそうです。

ステロイドで加療して、反応が悪ければシクロスポリン等の免疫抑制剤で治療して、ヘマトクリットが10%くらいになると、「輸血」だそうです。
そういえばそんな病気があったか?くらいの記憶しかありません。

直に診ると忘れませんね!
いい勉強でした。


腫瘍の講義

2013年01月19日 | 動物医療
昨晩の講習は、獣医師の主催する学会が主催するようなもので、全国各地で行っているものです。
「腫瘍外科の総論」がテーマでした。
最近は腫瘍性疾患が動物医療の世界でも重要なテーマであり、難しい腫瘍でも根治手術のための取り組みが行われています。

特に問題なのが、肥満細胞腫や繊維肉腫、扁平上皮癌でどれも根治手術も相当な技術を要するので、大学病院にお願いすることが多いのですが、診断と予後は一般の獣医師もある程度は方向性を飼い主さんに説明することが必要になってきます。

腫瘍の根治はほとんどが外科的処置によるのもです。
この場合、如何にサージカルマージンを取るのかによります。
筋膜などのバリアー機能をもつ生体組織もろとも出来限りマージンを広く取ることが大事です。

その結果、顔面部にできた腫瘍の切除により、舌の半分以上や下顎の半分以上が失われたりすることもあるのですが、犬の場合はなんとか食べることは大丈夫なようです。
これが猫になると、舌でも半分以上失われたら(扁平上皮癌)採食が困難になり、胃瘻チューブを装着しなくてはなりません。

兎に角、広いマージンが要求されるのです。
そのために、多少の機能障害があっても飼い主さんの希望があれば根治手術を行い、多少顔がおかしくなっても案外犬の場合は兵器のようです。

しかし、これらの積極的手術もCTシキャン診断装置がないと無理です。
どこまで切っていいかわからないからです。

昨日は久々の腫瘍論にカルチャーショックでした。