日本男道記

ある日本男子の生き様

代脈

2008年10月26日 | 私の好きな落語
【まくら】
見習いの医者が、先生の代わりに大店のお嬢様の診療に行くことになった。少し、ドジなところのある見習いの医者、はたして先生の代役が務まるのかどうか。

【あらすじ】
主人公は、江戸は中橋に住む名医、尾台良玄の内弟子で銀南という男。
幼少時は利発だったが、大人になった今は単なる『色ボケ』であり、頭も鈍くなってきたため玄関番しか勤まらない。
先生も見かね、何とか一人前に育てようと、銀南に「代脈」に行くように命じた。
「ダイミャクぅ?」
医者の代わりの弟子が診療に行き、脈を取ってきて先生に報告する…ということなのだが、当然、銀南には分からない。
患者は蔵前の伊勢屋という豪商であり、銀南が失敗したらそのまま失業しかねない。
「いいか、御嬢さんのおなかにシコリがあるが、こいつは決して触ってはならない。…というのはな、このシコリを触るとオナラが出るんだよ」
もし間違って触ったら、こう言ってごまかすように。
「『この頃は、のぼせの加減で耳が遠くなっております。おっしゃたりいことがありましたら、ちと大声でお願いします』」
先生は、銀南に医者の心得から返事の仕方まで教え、少しでも箔をつけようと駕籠に乗せて送り出した。
「やっとお医者さんみたいな事が出来るなぁ♪」
大喜びしている銀南を乗せ、駕籠は蔵前へと到着した。
「若先生、お待ちしていました!」
伊勢屋総出のお出迎えに、びっくりしたはつい何時もの調子で「へいへーい!」と答えてしまう。慌てて言い直して「はいはい」…。
「そんなにそっくり返って、若先生、具合でもお悪いのでしょうか?」
座敷に上がっても、先生が言っていた『羊羹なんかが出てきても、食べ飽きたふりをして手を出すな』という言葉がちらついて涙むなど銀南の暴走は止まらない。
やっと病間へやってきたが、お嬢さんと猫の前足を取り違えて診察したりするため、番頭もだんだん不安になってきた。
「若先生、大丈夫でしょうか?」
「大丈夫ですよ。まず脈を見て…エヘヘ、キチンと生きていますね。次はおなかを…ん? これがシコリか。どれどれ…?」
止せばいいのにグッと押したものだから、たちまちものすごい音が響き渡った。
「ア…ヒャ…!! お、奥さん、何かあったら大声でおっしゃってください。最近、のぼせの加減で耳が遠くなっておりますので…」
「ホゥ、大先生もそのようなことを申しておりましたが、若先生ものぼせでございますか?」
「ええ。ですから、さっきのオナラも聞こえませんでした!」

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

【オチ・サゲ】
ぶっつけ落ち(互いの言うことを誤解して、食い違ったままで終わるもの)

【噺の中の川柳・譬(たとえ)】
『代脈の、ちと見直した晩に死に』
『殺しても定価通りの手術代』

【語句豆辞典】
【代脈】担当の医師に代わって病人を診察すること。また、その人。代診。

【この噺を得意とした落語家】
・六代目 三遊亭圓生
・三代目 古今亭志ん朝
・三代目 笑福亭仁鶴

【落語豆知識】
【顔見世興行】正月などに、普通より大勢の出演者がお客様にご機嫌を伺う興行。
 



Daily Vocabulary(2008/10/26)

2008年10月26日 | Daily Vocabulary
6521.recession-proof(不況に強い、不況知らずの)
Theu used to be consideres recession-proof.
6522.second thoughts about(~を考え直すこと、~に二の足を踏むこと)
He's having second thoughts about getting married.
6523.prompt(~を刺激する、駆り立てる、鼓舞する、促す)
The Neo-Nazis' xenophobic slogans prompted the riot.
6524.top(~の頂上に登る、〔頂上を〕覆う、最上位にある、~を超える、追い越す、上回る)
When it comes to customer service, Japanese airlines top the list.
6525.have a ball(楽しむ)
We've actually done it a couple times in the past and had a ball.
今日の英語ニュースを聞こう!NHK WORLD Daily News

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