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【一口紹介】
出版社 / 著者からの内容紹介
数学だけが生きがいだった男の純愛ミステリ
天才数学者でありながらさえない高校教師に甘んじる石神は愛した女を守るため完全犯罪を目論む。
湯川は果たして真実に迫れるか。
東野さんが「自分が今まで書いてきた作品の中でまちがいなくベスト5に入る」と語る長篇ミステリーがいよいよ刊行です。
高校の数学教師・石神は、アパートの隣人で弁当屋に勤める花岡靖子を密かに思っていた。
靖子と娘が前夫を殺害してしまったと知った彼は二人に力を貸すと申し出る……。
担当編集者も連載中最後まで、石神がどういうトリックを仕掛けたか予想すら出来ませんでした。
男が愛のためにどんなに大きな犠牲を払ったか。
その結末に涙せずにはいられません。
内容(「BOOK」データベースより)
これほど深い愛情に、これまで出会ったことがなかった。
いやそもそも、この世に存在することさえ知らなかった。
運命の数式。命がけの純愛が生んだ犯罪。
【読んだ理由】
平成17年下半期(第134回)の直木三十五賞の受賞作。
【印象に残った一行】
『花岡親子と出会ってから、石神の生活は一変した。自殺願望は消え去り、生きる喜びを得た。二人がどこで何をしているのかを想像するだけで楽しかった。世界という座標に、靖子と美里という二つの点が存在する。彼にはそれが奇跡のように思えた。』
『口元を歪め、性悪を演じる姿に、草薙は胸がつまった。人間がこれほど他人を愛することができるものなかと感嘆するばかりであった。』
【コメント】
誰もが想像し得ないトリックに驚かされた。それ以上に人が人を愛することを深く考えさせられた。
自分の全てを犠牲にする純愛・・・。胸を打たれた。一読をお奨めする。
