![]() | 幸福な食卓講談社このアイテムの詳細を見る |
第26回(昭和16年)吉川英治文学新人賞受賞。
父親が5年前に自殺未遂、このことが原因で母親がその後別居生活をしているが、食事、掃除などの家事は通いでやって来る。主人公の中学生佐和子は父親の事件がトラウマとなり、毎年事件のあった梅雨時期には体調を壊す。
6才年上の兄・直は成績優秀であったのだが大学進学を諦めて有機農業に携わる。
物語はある日突然父親が「父さんが今日で父さんを辞めようと思う」というセリフで始まる。そのうえ、中学教師を辞め薬剤師目指して薬学部の受験勉強を始める。
決して傍目には「幸福」とは思えないのだが、毎日の食卓を中心に兄、佐和子の恋愛模様を絡めながら物語は展開していく。
