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3月7日 今朝のNHK「ラジオ朝一番」から
(今週金曜午後からNHKのホームページで放送が聴けます。
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☆☆☆ビジネス展望☆☆☆
「中東情勢とEU」 浜 矩子さん
中東諸国は
原油の産出を始め豊富な資源に恵まれている。
欧米先進国はその原油がらみで、
それぞれ思惑を持って投資をしたり、
独裁政権と付き合いをしてきてしまった。
その為、今までもそうだったが、
これら諸国に一端何かが起こると、
EU諸国にも経済的に大きな影響を与えてくる。
例えばリビアの場合。
リビアをかつて植民地にしていたイタリアは、
リビアの石油産業に多大な投資をしている。
また逆に
リビアからも銀行やサッカーチームなどへ
多くの投資を受け入れている。
イタリアは財政悪化や首相のスキャンダルなど、
国内問題を抱えて混乱しているが、
これにリビアの問題が加わって大変な状態になっている。
カダフィー政権との癒着が、
イタリア政府に大きな影響を与えてしまったと言える。
他のEU諸国でも、
リビアからの投資に絡んで問題が起きている。
英国では、
代表的なビジネススクールが、
カダフィー政権から巨額の寄付をもらっていたことが明るみになって、
理事長が辞任に追い込まれた。
原油の産出国であるということで
独裁政権でも専制政治でもなんでも付き合うという、
EU諸国の政策の帰結がこうなっている。
EU諸国の今後のあるべき態度は、
石油資源の確保や、
オイルダラーからの投資に気を使うのでなく、
政権をしっかり見極めて付き合うべきである。
しかしながら、
実際にはEU内部にも、
財政破綻の危機に多くの国が直面していて、
中東諸国との付き合い方に
大きな変化は無いのではないかと思われる。