平成20年の年明けは株価の大暴落で始まった。大発会の株価は上がるとの大方の予想を裏切ることになり、先行きの波乱を印象付けた。原因はいろいろある。米国のサブプライムローン、100ドルを超えた石油価格、海外に向かう国内投資・・等々。しかし、BRICsへの株価影響は少ない。ベーシックな原因は日本という国に成長期待が無いということだろう。日本がどのような国を目指すのかビジョンが示されていないし、ベクトルがどこを向いているのかこの国の住民でさえわからない。
ハチャメチャな安倍首相退陣の後を受けて誕生した福田内閣には大人の常識、安定感などの期待感があった。しかし、次第に福田首相がこの国で最も強力な既得権組織である官僚の協力を取り付けつつ、引き換えにその温存を図る意向であることが明確になった。恐らく、大蔵官僚出身で首相になった父・福田赳夫氏の秘書を14年勤めたことで、官僚バックの手法が身に着いたのだろう。小泉首相から始まった改革の芽も摘まれてしまった。改革とは官僚の莫大な既得権を剥奪し、税金を国民の手に戻すことだ。大臣には今後、次官以下の人事権を持たせるべきだ。国民の要望に逆らう次官はどんどん首にすべきで、一般社会で通用しないような官僚は次官を目指すべきではない。
日本は国民一人当たりGDPがOECD加盟国30国中で18位(1位の半分)になったとはいえ、1500兆円の個人資産を持ち、国民は勤勉・真面目であり、産業分野では世界に冠たる製造技術を持っている。発展のために何が足りないのか?殆どが足りていた。足りないのは唯一優れたリーダー、およびリーダーシップである。この社会はトップ層が既得権を死守するため協調して、真の実力者、将来優れたリーダーになるべき人材をそぎ落としてきた。つまり、既得権構造とはアンフェアー・いかさまな手段で真の実力者の屍を重ね、自分達に好都合なイエスマンロボットで固めることだった。これを打ち破るには三つの方向のアプローチがある。
一つは、日産自動車、SONY、野球・サッカー界が採用したように、優れたリーダーを世界から招へいすることである。カルロスゴーンは日産自動車に改革をもたらし、ハワード・ストリンガーは低迷したソニーの業績を回復させ、ヒルマン監督は日本ハムファイターズを日本一に導き、オシム監督はサッカー日本代表チームを世界的なレベルに引き上げた。トップのリーダーシップは最も重要である。例えば、議院内閣制の下、首相や主要閣僚は世界中から最もふさわしい人物を招へいすればよい。それが日本人であれば望ましいことだが・・。世界で最もふさわしい人物がリーダーになれば誰が考えても、急激に日本は改善されるだろう。憲法を改正して首相公選制を導入してもよい。発展のための政策を強力にタイムリーに実施すべきだ。
次に、中国が採用したような世界のプレイヤーが活躍するようなフィールドを提供することだ。中国は自ら発展させる力がなかったから、世界中の有力企業が立地し、生産するシステムやフィールドを与えた。共産体制の国だから平気で出来たことだが、優れたアイデアだと思う。中国は基本的な部分で日本の発展モデルを採用している。そのバージョンアップ版として、世界プレーヤーへのフィールド提供だ。日本もこれをキャッチアップしたら良い。前にも書いたが、北海道と沖縄に経済特区を作り、税金を10分の1程度に下げ、世界中の企業を立地させる。爆発的な発展がみられることは容易に予想できる。
最後に、ベーシックなことだが、優れた評価方法、評価システムを日本中に普及させることだ。日本では権限を持った人物の発言に異論をはさまず従うことが、正しいことで、自分の地位を保ち昇進に繋がるとの意識が強い。江戸時代に形成された意識が社会構造や文化ともリンクして根深く維持されている。日本人には自ら正しいことを発言し、実行する自由が許されていない。それが、既得権構造の維持となって、発展する社会から遠ざかっている。不思議なことは、貧しい人々までがこの既得権構造を支持していることだ。そこで、正しい評価方法を国民一人々々に普及させ、正しい選択、発言、実行を促進することだ。この正しい判断は確実に日本を改革し発展をもたらす。
少子化が日本の未来に影を落としている。この原因は、あまりに母親の教育への負担が重く、教育現場が暗く、そして大人になった後の未来像が描けないことにある。発展途上国で知識型教育を強制するのは分からないわけではない。一度は先進国になった日本が中国の宦官にもさかのぼる古い形の教育を推し進めるのはいかがなものか。
私は、高校ぐらいまでは楽しい授業が実現されるべきだと思う。人生は楽しいものだと実感し、その中で責任、忍耐力、社会性、努力する姿勢を少しづつ身につければよいと思う。最近は、偏差値は高いが挨拶もできないアホ馬鹿管理者が増えている。
3万トンクラスの船を3隻程度建設し、世界中に若者の平和貢献チームを派遣してもよい。今の若者は鍛錬が足りないし、世界観が無い。教育は、日本の未来像・ビジョンを描いた後にどのような人材が望まれるかを再考した上で、カリキュラムや採用内容を改革すべきだ。知的ロボットのみを採用するのではなく、幅広く優れた潜在能力や意欲を持つ若者に機会を与えるべきだ。東大にはくじ引きを採用してもよい。そして、真に日本を発展させるリーダーを育成すべきだ。
少子化対策に対して、緊急避難的には、海外から優秀でまじめな人々を例えば、年間10万人程度招き、過疎化農村などの再建に従事してもらい、10年程度の期間を経て日本への永住を認めてたらどうか。元々日本人も世界中から集まった雑種民族だ。日本という、優れた社会基盤上に世界中の人々が集い、新たな世界を形成したらよい。社会ルールに従わない人間は即時、退去させる。(入国時にDNAや指紋の提供を義務付ける)東欧を含めた偏りのない優秀な人材の選択が望まれる。
世界中の卓越した人々が日本を目指し、日本を発展させ、そして調和する世界の発展を実現してほしい。
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