中国の反体制活動家の劉暁波氏がノーベル平和賞を受賞したことと、今回の尖閣諸島沖漁船事件と無関係ではないだろう。ヨーロッパには、悪いことは悪いとする、毅然とした姿勢が残っていた。何しろ、アメリカは自国の利益のためには何でもやってきた。CIAが暗躍して、政府を転覆させることぐらいは朝飯前、貧しかった中国を世界一の工業国に押し上げるのも何でもない事。そのプロセスで、アメリカは正義や理念を葬ってきた。
実は劉暁波氏のことは全く知らなかった。ニュースを見てへーと思った。中国政府としては劉暁波氏を抹殺したいのだが、国際世論の手前、軟禁したり、理由をつけては投獄してきたのだろう。日本と異なり、中国は共産党のさじ加減で裁判も何とでもなる。ご存知のように私は尖閣諸島沖の漁船船長釈放に関して、那覇検察庁を提訴したのだが、中国の日本に対する常軌を逸した行動は世界的な反発を買ったようだ 。
今回のノーベル賞は明らかに政治的な意図があり、日本では二人の化学部門受賞、中国は反体制の平和活動家の受賞となり、中国にとっては欲しくて仕方なかった受賞が大変皮肉なこととなった。ノーベル賞検討委員会は世界に対して警鐘を鳴らしているのだ。フランスも中国に屈服したが、利益や欲のために、正義や理念や公正さを失い、横暴さを許して良いのかと。
アメリカは中国を世界の工場に仕立て上げるときには、中国は何とでもなると考えていたふしがある。ところがどっこい、中国の共産党体制は、練りに練った戦略に基づき、強硬かつ柔軟で、崩れることは無い。かつての日本のように、バブルを叩き潰し、手のひらに載せて、自由に操ることなど出来る筈もないのだ。
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