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シャープ 東芝 三洋 何故日本の企業は負け続けるのか サムソン電子や鴻海との比較

2017年03月23日 18時44分31秒 | 社会・経済
 シャープは斬新なアイデアや開発、何よりも他社と異なるビジネスモデルで規模も拡大し世界的な飛躍が期待されていた。東芝はかつて日本一を誇った電機メーカー、一時の大きな落ち込みは土光 敏夫氏の手腕で復活し、先頃は原子力ルネッサンスに夢をかけWH(ウェイスティングハウス:PWRメーカー)を買収、前途洋々にも見えた。

 片やサムソン電子は日本の電機メーカーを真似し、いつまで経って もうだつの上がらない小規模で2流の企業であったし、鴻海に至っては日本中のそこら辺に有る中小プラスティックメーカーに過ぎなかった。勿論、日本電機メーカーの足元にも及ばなかった。

 それが今やサムソン電子は世界一の電機メーカーである。一時は、日本のトップ電機メーカー10社合わせても利益がサムソン電子の10%にも満たないと言われた。

 鴻海はスマートフォンや薄型テレビなどを受託生産する世界最大の会社になり、売り上げの落ちた昨年で売り上げ約15兆7800億円(日立で約10兆円:国内では自動車メーカーを除く製造業で最大)である。

 2社に共通する日本メーカー比の特徴は、①現地などの需要に合わせた商品開発と生産、②積極的な海外進出、③買収による技術や信頼の獲得、④素早い決断、⑤実力主義であろう。

 日本メーカーを彩る大きな二つの言葉は、「プロダクトアウト」と「キャッチアップ」だ。今でも日本の製造メーカーは作りたいものを作る傾向が有る。土光 敏夫氏が東芝のトップになった時、東芝の社員は自社製品を買わなかった。当然、ユーザーがどのような使い方をしているかも知らなかった。

 今も年賀状を頂いている元教授は電機メーカ出身で、明けても暮れてもライバル会社の技術を研究しそれを上回る開発で毎晩遅くまで時には徹夜で残業していたらしい。それが嫌で教授になられたのだ。性能を向上させ、高度化を図り、従って価格も高くなる。必ずしもニーズには合っていない競争だ。

 サムソン電子の戦略は大胆だ。日本の電機メーカーを徹底的に研究し、多くの点で日本企業の反対をやった。例えば、優秀な部下を持つことを評価した。日本企業では上司より実力を発揮する事が許されない。従って、企業の経年と共に全体の能力が下がってゆく。凋落組織だ。

 日本企業は優秀な人材ほど国内に留まる。ひたすら生産を続けるが自社製品が使われている状況を知らない。サムソンは新人を積極的に海外に出し、1年間は遊ばせる。そして現地の人たちが何を求めているかを学ばせる。

 韓国企業の躍進の大きな原因の一つに、日本企業からのノウハウ吸収が有る。日本では技術者の扱いが悪く不満が多かったから、狙い撃ちし、例えば年間2千万円を払って数十億とか数百億の開発ノウハウを吸収した。金曜日の韓国行き便は日本人の技術者で満杯だった。

 社員がノウハウを持ち出した企業は日立、パナソニック、ソニー、東芝、シャープなどほとんどの有力企業となっている。深刻な問題を放置していたのは何なのか。間抜けとしか言いようがない。僕なら情報が入った瞬間に経済産業省に電話を入れるだろうね。ノウハウ漏洩対策の日本連合を作れば良かった。

さて、シャープ、東芝が身売りするハメになったのは、経営陣の焦りだろうね。シャープは亀山工場建設など規模拡大を焦った。東芝はPWRが欲しかったので焦った(福島原発の事故でBWRの深刻な問題が露呈した)。過去には三洋電機が中国ハイアールに身売り、日本企業はどこまで爆買いされるのか。

 かつて(1988年頃か)三洋電機の課長には「もっとユーザの使用状況を把握し、現場的なニーズをくみ上げる必要があるよ」と伝えておいたけどね。その方は確か本部長になられた。今はどうなさっているか。

 

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