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電力会社への就職を目指す人に

2009年01月17日 12時04分59秒 | 社会・経済

 この不況時に、経営が安定し、給料も高いと予想される電力会社への就職は人気が高まっています。ところで、電力会社へ就職するにはどのようなことがポイントになるのか?電力会社の出世の仕組みどうなっているのでしょうか?ズバリ教えましょう。

 電力会社に就職するには、高校卒の場合は支店採用、大学・大学院卒は本店採用の試験を受けます。基本的には誰でも受けることができるのですが、実際には、受ける前からある程度選別ができています。コネが効かないというのは建前。目立たないだけで、厳然と存在します。優先されるのは、自民党衆議院議員の推薦、常務以上のコネ、特定大学の推薦枠、発電所を立地させる地域の有力子弟などなど。

 特定の大学とは、東大、京大、地元有力大学です。東大は全国的に強く、京大は関西以西が縄張り。北海道電力では、当然北海道大学が強いはずです。私立大学は早稲田、慶應以外はちょっと弱く、私立大学は地方ほど評価が下がります。技術屋の場合、大卒は採用しなくなりました。某地方大学をトップで卒業したのに不合格、大学院を卒業したら採用した例が有ります。

 さて、電力は多くの技術屋を採用しますが、あなたが技術屋なら安定を取るのか、夢を取るのか、もう一度考えて決めてくださいと申し上げます。何故なら、電力会社は事務屋天国だからです。事務屋(大卒)の採用は少ないが、入ってしまえばしめたもの。馬鹿でもチョンでも出世していると言ったのは元人事部長のT氏でした。技術系の大学院を卒業したら、出世に有利か?いえいえ、事務屋大卒の方がはるかに有利です。

 高専卒、高校卒で出世はできるのか?これは基本的に難しい。出世できた人は例外。女性も評価では差別を受けます。そもそも、成果評価方式を導入していながら、現実は似て非なるもの。電力会社は副長以上がポスト昇進ですから、上がる人は評価に関係なく、そのポストに適するとか、訳の分からない理由で昇進します。

 電力マンは一言で言えば、まじめなロボット。特に技術屋にその傾向が有ります。ロボットになるのが無難な処世術です。親しい通産省官僚出身者は嘆いていました。各電力の担当者を集め、新たな問題について議論させようとしましたが、全員が一致して、会社に持ち帰り上司の承認を得ないと発言できないと言ったとか。その官僚は自分が全責任を取るからと促したのですが議論が進まなかったようです。

 一方で、電力の事務屋はスマートで典型的なウソつき。笑顔を絶やさず、上司の機嫌を取り、土日も上司に仕え、情報を集めては出世のみを目指します。仕事をする前から、巧妙に逃げを打っておき、危ない橋は絶対渡らず、ばれないと見るや上手に嘘をつきます。作文が上手で、責任は技術屋や現場にかぶせます。これらが出来ない人は東大卒でも脱落してゆきます。

 取締役以上になるには、何らかの形で、政治家(自民党衆議院議員)の後押しか、そのような後押しを受けた「大物」に引っ張り上げてもらうしかありません。電力会社で最も力が有るのはどのポストか?社長?会長?いえいえ、本店のトップクラスの人事を動かしているのは、元会長の相談役です。じいさんは、毎日車でお出迎え、立派な部屋を持ち、若い女性秘書の世話を受けて、社葬を迎えるまで元気に出社するのです。

 給料は、若い時安く、年齢を重ねポジションが上がってゆくと、相当高くなります。30歳ぐらいでは商社マンと比べると恥ずかしくなるような給料。ところが、課長以上で電気メーカーと比べると、某関西電気メーカーの部長が年収1,000万円ぐらいですが、電力で1,000万円は新人課長のレベルです。もっとも、電力の部長、課長は数が少ないのです。三菱電機の部長以上は2,000人規模ですが、地方電力の部長以上は数十人です。

 給料が高かった次長、課長もある一定年数昇進が無いと、役職無しの窓際に移されます。部下も権限もなく、給料が大幅にカットされます。運よく出向するとこの災難を免れる会社もあります。カット率は30%の会社もあれば、某東京電力の部・部長(次長クラス)は60%カットされ、人生計画が狂い、会社への忠誠心が無くなったと怒っていました。

 夢も希望も無い窓際族に追いやられようと、辞めて行く人は稀です。電力会社で20年以上勤めた人が、外の世界で通用するわけがないじゃないですか。閉じられた逃げ場のない世界で、いじめが起きると強烈です。ビルの窓から飛び降りる例もあったと思いますが、合法的な殺人が無かったという保証は有りません。

 どうです?あなたも電力を目指してみますか?

追記

 以上の状況は当然、各電力によって異なります。現在、沖縄電力を入れて、電力10社体制ですが、電力業界をリードしているのは東京電力、地方電力は東京電力に右へならえという状態が古くからあり、多少薄れているとはいえその傾向は続いています。

 人事評価は気になると思います。地方の小電力会社は中央から目が届きにくい分、フェアーではない場合があるように感じます。その、点中央3社(東京、関西、中部)は、多少救いがあると思われます。例えば某関西電力の部長級の人の話では、高い評価が3年続くと、自動的に昇進できる制度があります。しかし、そもそもの実績評価が客観的に実施されるか否かは保証の限りではありません。

 電気メーカーの場合は課長昇進にテストと論文の点数が基準になるようです。いくら上司の推薦がある場合でも、点数が低いと課長にはなれません。学生じゃあるまいしと思うでしょう?ところが、試験と論文なら、努力すれば昇進できる可能性があります。電力会社ではあくまで上司の判断です。私情が入るなと言うほうが無理です。

 しかも、電気メーカーでは人事部が強力な指導力を発揮し、上司の評価が悪くてもひっくり返す場合がります。ところが、電力では人事部の力が弱く、有力政治家の引きでスピード昇進する上司に睨まれたりしたらアウトです。

 電気メーカーと電力会社とでは管理職の権限などが異なります。電力会社では副長(係長)クラスでも結構、力があります。会社や部門などによって差はあるでしょうが、副長は予算を計画し、承認されれば、権限委譲の範囲で決済できます。人事について副長は課長に提案でき、課長以上の了解を得られれば意見が通るわけです。

 非常にアバウトな感じで、電力会社と電気メーカーとのポジション(決裁権限、人事など)の関係を表現すれば、電力会社の本店課長が、電気メーカーの部長というところです。なお、本店の課長は支店や出向先の次長と同じ程度のクラスとなります。

 本店の課長は部長は当然のこととして取締役以上から、電話が入るのを待っており、いつでも良い返事ができるよう準備しています。月に1回も取締役以上から電話が入らないようであれば全く昇進の道はありません。仕事に熱中していると、ストレス顔になり、頭も回りませんから、仕事をするふりをします。

 誰が仕事をするのか?それは副長以下です。多くの優秀な部下を抱える、リーダーが偉いわけで、それは官僚と一緒です。だから原価意識は全くありません。電気メーカではある種の独立採算となっていますから、部門でスタッフが多い、部屋が大きいと、固定費が大きく、利益が出なくなります。利益の出ない部門の評価は下がります。ここが全く異なるところです。

 そもそも、電力料金は総括原価方式と言い、原価を積み上げて電気料金を経済産業省に報告し指導を受けて決定します。市場主義ではありません。このぬるま湯がたまらないという人には、電力会社が向いています。


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