従来の進化説(新ダーウィン説)とRNAワールド説はセットになっており、初めにタンパク質構成信号ありきとなっている。信号物質が最初に誕生したとするアイデアは魅力的だ。今年の日経サイエンス誌にも「試験管で再現したRNA生命体の進化(市橋伯一)」が掲載されている。
ただ、大きなロジカルホールは、RNAの単位であるヌクレオチドが材料として見つかっていないということ。RNAの部品の塩基やリボースは発見の都度大きく報道されてはいたにもかかわらず。すなわち、RNAの実験は既にあるRNAを使って実施される事になる。
それに比べ、はやぶさ2のサンプルリターンで得た20種にアミノ酸は相当インパクトが有る。真空で過酷な環境でアミノ酸が存在し続けた。それも20種類。ただ驚くだけだったが、化学音痴ながら情報収集の中で成程という考えに到達した。
アミノ酸さえあれば、原始海ではタンパク質工場(2020電気学会発表)によりタンパク質を製造しゆりかごとなって更に多種の高度なタンパク質を生み出すことが出来た。
タンパク質は驚異的なセンシングや疑似通信の機能によりネットワークを形成し、評価や判断力を持つに至り、維持可能な組み合わせを創り、より優れたシステムを選択し続けた(2022電気学会)。
来年3月の電気学会では進化の異なる概念も発表したい。進化はもっと広い世界の総合科学なんだ。