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電力業界が全国家庭向けの巨大なIOTビジネスを実現できなかった理由 実はPHSを使えばよかった

2018年06月11日 12時53分51秒 | ビジネス
 かつて、全国の家庭向けIOTのプロジェクトが大々的に発表された。電力会社の配電線などを通じたインターネット通信で各家庭を結び、電気料金の検診だけでなく、家庭内の様々な家電製品などとの接続によるサービスや情報通信を実現する「オープンプラネット」構想だった。企業も対象になる。

 これが実現したら、全国の電力会社は電力だけでなく、インターネット通信などの分野でも巨人として君臨できただろう。ところが発表から1年ぐらい経過した頃、東京電力と関西電力がオープンプラネットに難色を示しているとの情報が入った。全電力が足並みをそろえないと前に進めない。

 僕は同じ頃、負荷平準化目的の照明=エコライトを全国の電力会社、電力中央研究所、照明メーカーなどと共同開発していたので、東京電力のキーマンに会う事が出来、課題などを聞いてみた。「オープンプラネットは確かに1年前の発表時は素晴らしい技術だったが、現時点では速度が遅すぎて、東電の技術陣が納得しない」と言われた。

 帰社するとすぐさま この意見を伝えた。前も書いた通り、僕だったら5分もかからず、高速方式に切り替えただろう。社内をどう調整するかだけの問題。製造メーカーのリーダーとして開発を進めていた経験から、朝令暮改は当たり前。上司や開発スタッフは怒るが結果を出さなくてはならない。これが最も重要。

 しかし、オープンプラネットは従来方式を変更しなかったらしく、いつの間に消滅する事になった。諦めるにはあまりにも大きすぎ、しかも実現が目の前に有った構想だった。

 その後、OB同士で懇親した際、オープンプラネットが話題になった。OBで通信の専門家が、オープンプラネットが失敗した原因に関し「通信の専門家を入れなかった事。素人では分かるはずがない」と断言した。配電線などでは、常時機器のスイッチが入ったり切れたりしている。

 分かり易く言えば高速道路で急に凸凹が出来たり消えたりするようなものだ(進行インピーダンスの不安定さ)。この道路を正確に安全に通るには、速度を落とすほかはない。だから、オープンプラネットではかなり速度を落として通信する。速度を落とすとユーザーは強い不満をおぼえる。

 現実に、モニターで使ってみた人は、一度使って不便だったからすぐ使うのをやめたと言っていた。僕は専門家に「どうすれば良かったのでしょうか?」と聞いたら「無線にして高速化すれば解決できた」と答えた。その時は、正直、無線も大変だなと思った。

 その後、ふと、当時電力会社(子会社など)が張り巡らせていたPHSアンテナの事を思い出し「PHSでどうですか?」と聞いてみたら、反対意見は無かった。PHSも電力会社が相当力を入れて展開していた携帯型電話器だが、現在のスマホに繋がったガラケイに駆逐されてしまった。

 何故、PHSが駆逐されたか?その通信専門家によると、PHSは通信容量で圧倒的に優位だったのに、通信容量の優位性を活かしきれなかったという。僕はオープンプラネットの通信をPHSで賄えば、後に撤去された全国のPHS通信網を利用でき(コストの大幅低減)IOTでも高速性のメリットを活かせたと思う。

 一石二鳥と言うか、実は一石四鳥ぐらいで、日本の全所帯や企業をターゲットとしたIOTのウルトラ・スーパービジネスが展開できたのではないか。一時の大花火で終わってしまった事が残念でならない。
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