◇ 今日は、国際ビジネスに絡む二つの話題で、日本の今後を考えてみた
1)中国の買収にドイツ「待った」 投資の流れ一方向 欧州の不快感映す http://www.nikkei.com/article/DGXMZO08951730Z21C16A0TZN000/?df=2&dg=1
・ 日経が転載した英国フィナンシャル・タイムスの記事は、EUにおける最近の中国企業による欧州企業買収に欧州各国が警戒感を深め、規制に乗り出したことに関するもの。
・ ポイントは、中国が中国への外国企業進出に合弁を半ば強制して技術移転を強いるほか、外国による自国企業買収には様々な条件や規制で事実上困難となる政策を続ける
現状に、ようやく欧州各国が対抗手段に出始めたことだ。米国は外国からの投資/買収に連邦政府が審査/許認可する機関を備えるが、EUはそういう機関を持たない。
その不備への反省でもあろう。
← これが日本に示唆することは、巨大市場の魅惑と引き換えに日本企業が技術移転を必要悪的に許しつつ、ひたすら売り上げ拡大に邁進してきた姿が、今後は自国産業の
地盤沈下のみならず、不公平な投資環境の弊害を欧州同様に自覚し、自制すべき時が既にやってきている現実を直視せよ、ということである。
中国も、巧妙に既存WTOル-ルを逆手に執る「いいとこ取り」で自国保護を貫こうとする国際経済政策は、結局、自国産業のレベルアップには繋がらないという黄金則に従い、
国家統制型半資本主義は放棄すべきだ。 ・・・・だが、共産党独裁との抵触が怖くて、それもできないか?
2) タイの自動車鋼板 「全員参加」で日本並みの品質 http://www.nikkei.com/article/DGXKZO08818460W6A021C1X11000/
・ 詳しくは記事をお読み戴きたいが、私の要点は、嘗て、そして今も日本の製造業の強さのバックボーンである「緻密で制度の高い工程管理/生産管理」
「<白無垢追究>的品質管理マインド」が、何と日本人でない人々によりマスターされた事実に、どこまで我々が警鐘を聞き取るかだ。
・ 海外生産工場で長く國際購買実務に携わった私にとり、自動車用鋼板を巡る此の記事は、「とうとうタイ人が成し遂げたか!」との驚きと感慨である。
私の経験が告げるのは<アメリカ人同様、中国人も粗雑さに於いて同様なので、上に挙げた日本式の緻密な工程&品質管理を身に着ける日は来ない>であり、それはコンサル
時代も含めた現業職を離れて10年余後の今も揺るがない。 世界中で日本製造業の此の強みに伍してゆけるのはドイツ人だけであり、アジアで若しフォロワーとなるとすればヴェトナム人かも、と私は感じていたが、工業化の歴史と経験で勝るタイ人が先を越した。然し、タイの文化風土、興行かの歴史、タイ人の民族性を知るヒトに、それは不思議でもマグレでもない。
既に、工作機械&金型製造技術という製造業の核心を為す重要分野で日本企業は独占優位にない。買収や技術移転を招いた元凶が中国資本への身売りであり、それは上の話題で述べた警鐘と重なる。 品管を含む製造管理においても日本独自の優位性が失われるならば、成長戦略どころか、足元の貿易立国そのものが危ういのである。 ここが最も肝腎なポイント。 日本の製造業はもう、そこまで迫られているのである。
1)中国の買収にドイツ「待った」 投資の流れ一方向 欧州の不快感映す http://www.nikkei.com/article/DGXMZO08951730Z21C16A0TZN000/?df=2&dg=1
・ 日経が転載した英国フィナンシャル・タイムスの記事は、EUにおける最近の中国企業による欧州企業買収に欧州各国が警戒感を深め、規制に乗り出したことに関するもの。
・ ポイントは、中国が中国への外国企業進出に合弁を半ば強制して技術移転を強いるほか、外国による自国企業買収には様々な条件や規制で事実上困難となる政策を続ける
現状に、ようやく欧州各国が対抗手段に出始めたことだ。米国は外国からの投資/買収に連邦政府が審査/許認可する機関を備えるが、EUはそういう機関を持たない。
その不備への反省でもあろう。
← これが日本に示唆することは、巨大市場の魅惑と引き換えに日本企業が技術移転を必要悪的に許しつつ、ひたすら売り上げ拡大に邁進してきた姿が、今後は自国産業の
地盤沈下のみならず、不公平な投資環境の弊害を欧州同様に自覚し、自制すべき時が既にやってきている現実を直視せよ、ということである。
中国も、巧妙に既存WTOル-ルを逆手に執る「いいとこ取り」で自国保護を貫こうとする国際経済政策は、結局、自国産業のレベルアップには繋がらないという黄金則に従い、
国家統制型半資本主義は放棄すべきだ。 ・・・・だが、共産党独裁との抵触が怖くて、それもできないか?
2) タイの自動車鋼板 「全員参加」で日本並みの品質 http://www.nikkei.com/article/DGXKZO08818460W6A021C1X11000/
・ 詳しくは記事をお読み戴きたいが、私の要点は、嘗て、そして今も日本の製造業の強さのバックボーンである「緻密で制度の高い工程管理/生産管理」
「<白無垢追究>的品質管理マインド」が、何と日本人でない人々によりマスターされた事実に、どこまで我々が警鐘を聞き取るかだ。
・ 海外生産工場で長く國際購買実務に携わった私にとり、自動車用鋼板を巡る此の記事は、「とうとうタイ人が成し遂げたか!」との驚きと感慨である。
私の経験が告げるのは<アメリカ人同様、中国人も粗雑さに於いて同様なので、上に挙げた日本式の緻密な工程&品質管理を身に着ける日は来ない>であり、それはコンサル
時代も含めた現業職を離れて10年余後の今も揺るがない。 世界中で日本製造業の此の強みに伍してゆけるのはドイツ人だけであり、アジアで若しフォロワーとなるとすればヴェトナム人かも、と私は感じていたが、工業化の歴史と経験で勝るタイ人が先を越した。然し、タイの文化風土、興行かの歴史、タイ人の民族性を知るヒトに、それは不思議でもマグレでもない。
既に、工作機械&金型製造技術という製造業の核心を為す重要分野で日本企業は独占優位にない。買収や技術移転を招いた元凶が中国資本への身売りであり、それは上の話題で述べた警鐘と重なる。 品管を含む製造管理においても日本独自の優位性が失われるならば、成長戦略どころか、足元の貿易立国そのものが危ういのである。 ここが最も肝腎なポイント。 日本の製造業はもう、そこまで迫られているのである。