静 夜 思

挙頭望西峰 傾杯忘憂酒

≪ 国際シンポ:戦後70年 東アジアの平和と民主主義≫から

2015-03-22 14:18:38 | 時評
 3/20-21にわたり<言論NPO>主宰で開かれたシンポジウム、2日目に参加し感銘を受けたので、私にとっての要点をご紹介したい。 政府間外交と民間外交/言論外交/メディアの補完関係についても有意義な話が聞けた。 シンポの要旨は同NPOのHPから 以下サイトで; http://www.genron-npo.net/
 1.17年前、軍政から議会制民主主義へ見事に転換を果たしたインドネシアは、東アジア3国間の緊張を危ぶんでおり、<平和維持と民主主義発展>の両面から注視している。 
   即ち、東アジアの安定と繁栄がASEANの繁栄と発展に今後もリンクしているからだ。
 2.日本と中韓に横たわる「歴史認識」問題に関し、田中均氏が来る8/15に想定される安倍首相談話について「村山談話が戦後歴代日本政府の立場を集大成したものである
   がゆえ、そこから若し逸脱または無視するようなことがあれば、70年の分岐点が極めて重いものになる」と述べられた。
 3.また田中氏は「侵略や反省の言葉以上に重要なのは、日本が<国策を誤り>と表現した部分だ。これは明治以来の日本が歩んだ道が誤っていたと表明したもので、これで
   戦後の日本は明確に戦前と戦後の間に線を引いたのだ。 この「線を引いた」との認識を中国・韓国が認めないなら、和解も未来志向も永遠に望めない」とも。
     ← 田中氏の明快な言葉を韓国/中国からの出席者はどう聞いたか? 江沢民氏のように、それでも言い立て続けるメリットに固執するのか? 
       例えたら、相撲で何度も注文をつけ、立ち合いに応じない力士の醜い姿、とでもいっておこう。

 4.「中韓両国とは平和条約を結んだ。平和条約締結が領土の確定を含むことは国際法上明らかな鉄則。 だからこそ、ロシアとは北方領土が決着しないため未だに平和条約が
   結べていないのだ。日中韓のお互いが領有権主張をすることは残っても、それだから外交関係が改善できないというのはオカシイのである」とも。
     ・・・・いやはや全く胸のすく切れ味であった。同席の中韓両氏から明解な反論は無論聞けなかった。 真面目な反論が云える筈はあるまい。

 最後に宮本元駐中国大使が「歴史には<単なる発生事実の意味での歴史>と<歴史的記憶の意味での歴史>の二つが有る。後者は時代とともに恣意的に変えられる。また、記憶は完全に共有されることなど有り得ないし、どちらかへの収斂も無い。歴史を振り返る意味は、過去の整理ではなく未来志向に活かすことでしか現れない。」と締めくくった。
  これまた暗喩的だが、意図的にこだわる効果に固執する中韓両国への強烈なメッセージとなった。
コメント
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