東久留米 学習塾 塾長ブログ

東京都東久留米市滝山の個別指導型学習塾 塾長白井精一郎のブログ

中学入試問題(26)[灘中]

2016-01-30 12:47:21 | 数学・算数の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

幸いなことに、昨夜の雨は雪になりませんでした。ラジオで、この冬一番の寒さと言っていましたが、明日はぐっと暖かくなるようです。

さて、今回は平成28年度灘中の入試問題です。

問題は、
「深さ15cmの直方体の形をした水槽が水平な床の上にあります。下の図のように、この水槽の中には、同じ形をした高さ15cmの四角柱が5本入っていて、この水槽に深さ9cmになるまで水を入れても、四角柱の底面は水槽の底面に接していました。この状態から四角柱を2本取り除くと、水の深さは7cmになりました。さらに残りの四角柱3本を取り除くと、水の深さは[  ]cmになります。」
です。

▲問題図

水槽と四角柱の底面積を変数として連立方程式を作れば簡単に答えを求めることができますが、ここでは連立方程式を使わないで解いてみましょう。

図1のように、四角柱の底面積をa、水槽の底面積から3本分の四角柱の底面積を引いた面積をbとします。


▲図1.四角柱の底面積をa、水槽の底面積から3本分の四角柱の底面積を引いた面積をbとしました

ここで、四角柱が5本入っている状態から3本になった状態にすると、水面は2cm下がり、その減少した体積は2b(cm3)です。(四角柱が水でできていると考えると判りやすいかも知れません)

また、これは取り除いた2本の四角柱の体積(9a×2cm3)に等しいので、
9a×2=2b
9a=b
a=1/9×b    (1)
です。

さらに、残った3本の四角柱を取り除いたときの水槽の底面積はb+3aで、これと(1)から
b+1/9×3b=4/3×b
となります。

そこで、四角柱が入っていないときの水面の高さをhとすると、四角柱が3本入っているときと入っていないときで水の体積は等しいので、
b×7=4/3×b×h
が成り立ち、これをhについて解くと、
h=21/4=5.25cm
となり、これが答えです。


連立方程式に慣れてしまうと、それを使わない解き方は難しくなってしまいます。もっとスマートな解き方をご存知であれば、是非、ご教示ください。