こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。
三が日は穏やかな日が続きましたが、今日も晴れて暖かい日になりました。明日は今日より少し寒くなるようで、さらに明後日からはぐっと冷え込むようです。特に受験生の皆さんは風邪など引かぬよう暖かくして勉強してください。
さて、今回は平成27年度灘中の入試問題です。
問題は、
「1/43を小数で表すと、1/43=0.02325581395348837209302・・・となり、21桁ごとに同じ数字をくり返す小数になります。そして、1/43、2/43、・・・、42/43はどれも、21桁ごとに同じ数字をくり返す小数になります。
次の[(1)]、[(2)]に、1以上42以下の整数を入れなさい。
[(1)]/43を小数で表すと、小数第12位が8、小数第13位が3になります。
[(2)]/43を小数で表すと、小数第12位が3、小数第13位が9になります。」
です。
早速、[(1)]から片付けましょう。
与えられた循環小数の小数第12位と13位を赤色でマークしました。
1/43=0.02325581395348837209302・・・
この小数第12位と13位が、それぞれ8と3になるということなので、与えられた循環小数から「83」という数字の並びを探します。すると、
0.02325581395348837209302・・・
の青色でマークしたところが見つかりました。
ここで、小数第12位と13位を赤色でマークした循環小数と「83」を青色でマークした循環小数を並べてみると、
0.02325581395348837209302・・・
0.02325581395348837209302・・・
となり、下の循環小数を1000倍すると、「83」が小数第12位と13位に移動することが判ります。
そこで、1/43=0.02325581395348837209302・・・の両辺を1000倍しましょう。
すると、右辺の小数第12位と13位は、それぞれ8と3になるので、左辺の1/43×1000を(整数+n/43)という形で表せば、nが[(1)]になります。
あとは、
1/43×1000=1/43(43×23+11)
=23+11/43
と変形すれば[(1)]は11で、これが答えです。
続いて[(2)]です。
先ほどと同じように、与えられた循環小数から「39」という数字の並びを探して紫色でマークし、小数第12位と13位の位置と比べてみます。
すると、
0.02325581395348837209302・・・
0.02325581395348837209302・・・
となり、下の循環小数を1/1000倍すると、「39」が小数第12位と13位に移動することが判ります。
ところが、先ほどとは違って1/43×1/1000を(整数+n/43)にできないので、与えられた循環小数が21桁ごとに同じ数字をくり返すことを利用します。
21桁ごとに同じ数字をくり返すということは、10^21を掛けたとき小数部分が同じになるということなので、与えられた循環小数の両辺に10^21/1000(つまり、10^18)を掛けた場合も、右辺の小数第12位と13位は、それぞれ3と9になります。
したがって、左辺の1/43×10^18 を(整数+n/43)という形で表せば、nが[(2)]になります。
そこで、10^18÷43を筆算してnを計算すると、
1000,000,000,000,000,000÷43=23,255,813,953,488,372 あまり4
となり、[(2)]は4で、これが答えです。
他の計算方法としては、1/48×1000=1/48×10^3=23+11/43を利用して、
1/43×10^18=1/43×10^3×10^15=(23+11/43)×10^15
とし、これから小数部分を取り出して、
11/43×10^3×10^12=11×(23+11/43)×10^15
とします。そして、これをくり返すことにより、
11^6×1/43=1771561÷43=41199 余り4
などと計算することもできます。
答えは以上なのですが、気になるのが、条件を満たす分母が43の分数が答え以外にないのかということです。
実は、循環小数の循環節(同じ数字がくり返すかたまり)は、分子の異なる分数で最初の数字が異なるものの同じ数字をくり返します。
例えば、4/43の循環節は、
093023255813953488372
となり、1/43の循環節
023255813953488372093
の右から3つ目の数字(0)から始まり、後は同じ数字の順番になります。(以降、これを同じ循環節グループと呼びます) そして、これは、同じ循環節グループに属する他の分子についても同様です。
つまり、同じ循環節グループに属する分母が43の分数で、問題の「83」または「39」という数字の並びを複数もつようなことなどはないということです。
ここで、同じ循環節グループに属すると書きましたが、実は、n/43は2種類の循環節グループをもちます。
その一つは、与えられた循環小数にある
023255813953488372093 (A)
で、もう一つは、
046511627906976744186 (B)
です。
(A)グループに属するのは、分子が
1、4、6、9、10、11、13、14、15、16、17、21、23、24、25、31、35、36、38、40、41
の分数で、
(B)グループに属するのは、分子が、
2、3、5、7、8、12、18、19、20、22、26、27、28、29、30、32、33、34、37、39、42
の分数です。そして、それぞれのグループに21個ずつあります。
この(B)グループに属する分数でも、(A)グループに属する分数と同様に、分子の異なる分数で最初の数字が異なるものの同じ数字をくり返します。
例えば、(B)は2/43の循環節ですが、3/43の循環節は、
069767441860465116279
で、(B)の左から11番目の数字(0)から始まり、後は(B)と同じ数字の順番になっています。
そして、(B)グループの循環節には「83」または「39」の数字の並びがないので、問題の答えの分数は(B)グループにはないということが判ります。
以上から、上記した答えは唯一のものになります。
因みに、(A)(B)とも
023255813953488372093 (A)
046511627906976744186 (B)
のように、「7*0」という数字の並びを持つので、例えば、小数第12位が「7」、第14位が「0」となる分母が43の分数は、(A)(B)両方にあることになります。
ここ3回ほど最難関中学の算数入試問題を調べてきましたが、小6生が取り組んでいるとは思えないレベルです。大したものです。
三が日は穏やかな日が続きましたが、今日も晴れて暖かい日になりました。明日は今日より少し寒くなるようで、さらに明後日からはぐっと冷え込むようです。特に受験生の皆さんは風邪など引かぬよう暖かくして勉強してください。
さて、今回は平成27年度灘中の入試問題です。
問題は、
「1/43を小数で表すと、1/43=0.02325581395348837209302・・・となり、21桁ごとに同じ数字をくり返す小数になります。そして、1/43、2/43、・・・、42/43はどれも、21桁ごとに同じ数字をくり返す小数になります。
次の[(1)]、[(2)]に、1以上42以下の整数を入れなさい。
[(1)]/43を小数で表すと、小数第12位が8、小数第13位が3になります。
[(2)]/43を小数で表すと、小数第12位が3、小数第13位が9になります。」
です。
早速、[(1)]から片付けましょう。
与えられた循環小数の小数第12位と13位を赤色でマークしました。
1/43=0.02325581395348837209302・・・
この小数第12位と13位が、それぞれ8と3になるということなので、与えられた循環小数から「83」という数字の並びを探します。すると、
0.02325581395348837209302・・・
の青色でマークしたところが見つかりました。
ここで、小数第12位と13位を赤色でマークした循環小数と「83」を青色でマークした循環小数を並べてみると、
0.02325581395348837209302・・・
0.02325581395348837209302・・・
となり、下の循環小数を1000倍すると、「83」が小数第12位と13位に移動することが判ります。
そこで、1/43=0.02325581395348837209302・・・の両辺を1000倍しましょう。
すると、右辺の小数第12位と13位は、それぞれ8と3になるので、左辺の1/43×1000を(整数+n/43)という形で表せば、nが[(1)]になります。
あとは、
1/43×1000=1/43(43×23+11)
=23+11/43
と変形すれば[(1)]は11で、これが答えです。
続いて[(2)]です。
先ほどと同じように、与えられた循環小数から「39」という数字の並びを探して紫色でマークし、小数第12位と13位の位置と比べてみます。
すると、
0.02325581395348837209302・・・
0.02325581395348837209302・・・
となり、下の循環小数を1/1000倍すると、「39」が小数第12位と13位に移動することが判ります。
ところが、先ほどとは違って1/43×1/1000を(整数+n/43)にできないので、与えられた循環小数が21桁ごとに同じ数字をくり返すことを利用します。
21桁ごとに同じ数字をくり返すということは、10^21を掛けたとき小数部分が同じになるということなので、与えられた循環小数の両辺に10^21/1000(つまり、10^18)を掛けた場合も、右辺の小数第12位と13位は、それぞれ3と9になります。
したがって、左辺の1/43×10^18 を(整数+n/43)という形で表せば、nが[(2)]になります。
そこで、10^18÷43を筆算してnを計算すると、
1000,000,000,000,000,000÷43=23,255,813,953,488,372 あまり4
となり、[(2)]は4で、これが答えです。
他の計算方法としては、1/48×1000=1/48×10^3=23+11/43を利用して、
1/43×10^18=1/43×10^3×10^15=(23+11/43)×10^15
とし、これから小数部分を取り出して、
11/43×10^3×10^12=11×(23+11/43)×10^15
とします。そして、これをくり返すことにより、
11^6×1/43=1771561÷43=41199 余り4
などと計算することもできます。
答えは以上なのですが、気になるのが、条件を満たす分母が43の分数が答え以外にないのかということです。
実は、循環小数の循環節(同じ数字がくり返すかたまり)は、分子の異なる分数で最初の数字が異なるものの同じ数字をくり返します。
例えば、4/43の循環節は、
093023255813953488372
となり、1/43の循環節
023255813953488372093
の右から3つ目の数字(0)から始まり、後は同じ数字の順番になります。(以降、これを同じ循環節グループと呼びます) そして、これは、同じ循環節グループに属する他の分子についても同様です。
つまり、同じ循環節グループに属する分母が43の分数で、問題の「83」または「39」という数字の並びを複数もつようなことなどはないということです。
ここで、同じ循環節グループに属すると書きましたが、実は、n/43は2種類の循環節グループをもちます。
その一つは、与えられた循環小数にある
023255813953488372093 (A)
で、もう一つは、
046511627906976744186 (B)
です。
(A)グループに属するのは、分子が
1、4、6、9、10、11、13、14、15、16、17、21、23、24、25、31、35、36、38、40、41
の分数で、
(B)グループに属するのは、分子が、
2、3、5、7、8、12、18、19、20、22、26、27、28、29、30、32、33、34、37、39、42
の分数です。そして、それぞれのグループに21個ずつあります。
この(B)グループに属する分数でも、(A)グループに属する分数と同様に、分子の異なる分数で最初の数字が異なるものの同じ数字をくり返します。
例えば、(B)は2/43の循環節ですが、3/43の循環節は、
069767441860465116279
で、(B)の左から11番目の数字(0)から始まり、後は(B)と同じ数字の順番になっています。
そして、(B)グループの循環節には「83」または「39」の数字の並びがないので、問題の答えの分数は(B)グループにはないということが判ります。
以上から、上記した答えは唯一のものになります。
因みに、(A)(B)とも
023255813953488372093 (A)
046511627906976744186 (B)
のように、「7*0」という数字の並びを持つので、例えば、小数第12位が「7」、第14位が「0」となる分母が43の分数は、(A)(B)両方にあることになります。
ここ3回ほど最難関中学の算数入試問題を調べてきましたが、小6生が取り組んでいるとは思えないレベルです。大したものです。