こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。
今朝、教室に来る途中の道は凍結しているところもあったので、ゆっくり気を付けて歩いてきました。特に受験生の皆さんは、怪我などしないように慎重に歩きましょう。
さて、今回は平成28年度灘中の入試問題です。
問題は、
「下の図のような正六角形ABCDEFがあり、点P、Q、Rは、それぞれ辺AB、BC、DEの真ん中の点です。2本の直線PR、QFは点Sで交わっています。このとき、三角形QRSの面積は、正六角形ABCDEFの面積の[ ]倍です。」
です。
▲問題図
簡単そうな図形問題で、点Sの位置を決めることができれば解決できそうです。
点Sは線分PRと線分FQ上にありますが、ここでは線分PRのほうが制約的(例えば、正六角形の中心を通る)なので、線分PRを基準にして点Sの位置を決めるのがよいでしょう。
そこで、図1のように線分PRに直交する線分CFと線分QMを引きます。ここで、線分PRと線分CFの交点をO、線分PRと線分QMの交点をNとしました。
▲図1.線分CFと線分QMを引きました
すると、△SFOは、△SQNを拡大したもの(相似形)になっていることが判ります。つまり、これらの2つの三角形の比を求めることができれば、点Sの位置を決めることができそうです。
そこで、△SFOと△SQNとの比を求めるために、線分FOと線分QNに注目します。
まず線分FOですが、線分FCの長さが線分ABの長さの2倍で、点Oは線分FCの中点ですから、線分FOの長さは線分ABの長さと等しくなります。
次に線分QNですが、点Qと点Mは、それぞれ線分BCと線分AFの中点なので、線分QMの長さは、線分ABの長さと線分CFの長さの和の1/2、つまり、線分ABの長さ3/2です。そして、点Nは線分QMの中点なので、線分QNの長さは線分ABの長さの3/4です。
これらから図2のように、△SFOと△SQNの比を求めることができました。ここで、線分ABの長さをa、線分PRの長さをbとしました。
▲図2.△SFOと△SQNの比を求めることができました
続いて、線分OSの長さを求め、さらに線分SRの長さを求めましょう。
線分ONの長さはb/4で、点Sは線分ONを a:3a/4=4:3 に内分する点なので、線分OSの長さは、
b/4×4/7=b/7
です。
また、線分ORの長さはb/2なので、線分SRの長さ(線分ONの長さ+線分ORの長さ)は、
b/7+b/2=9b/14
です。
すると、図3のように△QRSは、底辺をSR、高さをNQとする三角形なので、その面積Tは、
T=9b/14×3a/4×1/2
=27ab/112
になります。
▲図3.△QRSの面積を求めることができました
一方、正六角形ABCDEFの面積Hは、図4にあるように、正三角形OABの面積の6倍で、正三角形OABの面積は、a×b/2×1/2=1/4×abなので、
H=1/4×ab×6
=3ab/2
です。
▲図4.正六角形ABCDEFの面積を求めます
最後に、三角形QRSの面積と正六角形ABCDEFの面積の比をとると、
T/H=27ab/112÷3ab/2
=27/112×2/3
=9/56
で、答えは9/56倍です。
昨日、灘中の合格発表がありました。合格された皆さんも、残念な結果に終わった皆さんも、このような難しい問題に挑戦したことは素晴らしいことだと思います。これからも頑張ってください。
今朝、教室に来る途中の道は凍結しているところもあったので、ゆっくり気を付けて歩いてきました。特に受験生の皆さんは、怪我などしないように慎重に歩きましょう。
さて、今回は平成28年度灘中の入試問題です。
問題は、
「下の図のような正六角形ABCDEFがあり、点P、Q、Rは、それぞれ辺AB、BC、DEの真ん中の点です。2本の直線PR、QFは点Sで交わっています。このとき、三角形QRSの面積は、正六角形ABCDEFの面積の[ ]倍です。」
です。
▲問題図
簡単そうな図形問題で、点Sの位置を決めることができれば解決できそうです。
点Sは線分PRと線分FQ上にありますが、ここでは線分PRのほうが制約的(例えば、正六角形の中心を通る)なので、線分PRを基準にして点Sの位置を決めるのがよいでしょう。
そこで、図1のように線分PRに直交する線分CFと線分QMを引きます。ここで、線分PRと線分CFの交点をO、線分PRと線分QMの交点をNとしました。
▲図1.線分CFと線分QMを引きました
すると、△SFOは、△SQNを拡大したもの(相似形)になっていることが判ります。つまり、これらの2つの三角形の比を求めることができれば、点Sの位置を決めることができそうです。
そこで、△SFOと△SQNとの比を求めるために、線分FOと線分QNに注目します。
まず線分FOですが、線分FCの長さが線分ABの長さの2倍で、点Oは線分FCの中点ですから、線分FOの長さは線分ABの長さと等しくなります。
次に線分QNですが、点Qと点Mは、それぞれ線分BCと線分AFの中点なので、線分QMの長さは、線分ABの長さと線分CFの長さの和の1/2、つまり、線分ABの長さ3/2です。そして、点Nは線分QMの中点なので、線分QNの長さは線分ABの長さの3/4です。
これらから図2のように、△SFOと△SQNの比を求めることができました。ここで、線分ABの長さをa、線分PRの長さをbとしました。
▲図2.△SFOと△SQNの比を求めることができました
続いて、線分OSの長さを求め、さらに線分SRの長さを求めましょう。
線分ONの長さはb/4で、点Sは線分ONを a:3a/4=4:3 に内分する点なので、線分OSの長さは、
b/4×4/7=b/7
です。
また、線分ORの長さはb/2なので、線分SRの長さ(線分ONの長さ+線分ORの長さ)は、
b/7+b/2=9b/14
です。
すると、図3のように△QRSは、底辺をSR、高さをNQとする三角形なので、その面積Tは、
T=9b/14×3a/4×1/2
=27ab/112
になります。
▲図3.△QRSの面積を求めることができました
一方、正六角形ABCDEFの面積Hは、図4にあるように、正三角形OABの面積の6倍で、正三角形OABの面積は、a×b/2×1/2=1/4×abなので、
H=1/4×ab×6
=3ab/2
です。
▲図4.正六角形ABCDEFの面積を求めます
最後に、三角形QRSの面積と正六角形ABCDEFの面積の比をとると、
T/H=27ab/112÷3ab/2
=27/112×2/3
=9/56
で、答えは9/56倍です。
昨日、灘中の合格発表がありました。合格された皆さんも、残念な結果に終わった皆さんも、このような難しい問題に挑戦したことは素晴らしいことだと思います。これからも頑張ってください。
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