こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。
毎日晴れの日が続いて空気が乾燥し、東久留米の湿度は40%ちょっとと乾燥しています。特に受験生の皆さんは、手洗い・うがいなど風邪などの予防に心がけましょう。
さて、今回は平成27年度筑波大付属駒場中の入試問題です。
問題は、
「分母と分子がともに整数である真分数(分子が分母より小さい分数)に対し、次のような操作を考えます。
その逆数が、
ア 帯分数で表せるとき、その帯分数の整数部分を消して、真分数にする。
イ 整数のとき、0にする。
上の操作を1回とかぞえ、操作の結果できた数に対して、この操作を0になるまでくり返し行います。
たとえば、最初の数が3/10のときは、下のように、操作を2回行うと0になります。
最初の数 3/10
1回目の操作の結果 1/3
2回目の操作の結果 0
次の問いに答えなさい。
(1)最初の数が7/27のとき、操作を何回行うと0になりますか。
(2)7個の数 1/8、2/8、3/8、4/8、5/8、6/8、7/8のうち、0になるまでの操作の回数が最も多いものはどれですか。
(3)ある真分数に操作をくり返し行ったところ、0になるまでに6回かかりました。
最初の数として考えられるもののうち、分母が最も小さいものを答えなさい。 」
です。
(1)と(2)は、操作を間違えなければ簡単な問題です。
まず(1)ですが、 [逆数にする→帯分数にする→帯分数の整数部を消す]と表すと、
最初の数 7/27
1回目の操作 27/7 → 3と6/7 → 6/7
2回目の操作 7/6 → 1と1/6 → 1/6
3回目の操作 6/1 → 6と0/1 → 0
なので、7/27が0になるまでの操作回数は3回で、これが答えです。
続いて(2)です。
1/8、2/8、4/8 は逆数にすると整数になるので、0になるまでの操作回数は1回です。
残りの3/8、5/8、6/8、7/8について調べていきます。
最初の数 3/8
1回目の操作 8/3 → 2と2/3 → 2/3
2回目の操作 3/2 → 1と1/2 → 1/2
3回目の操作 2/1 → 2と0/1 → 0
最初の数 5/8
1回目の操作 8/5 → 1と3/5 → 3/5
2回目の操作 5/3 → 1と2/3 → 2/3
3回目の操作 3/2 → 1と1/2 → 1/2
4回目の操作 2/1 → 2と0/1 → 0
最初の数 6/8
1回目の操作 8/6 → 1と2/6 → 2/6
2回目の操作 6/2 → 2と0/2 → 0
最初の数 7/8
1回目の操作 8/7 → 1と1/7 → 1/7
2回目の操作 7/1 → 7と0/1 → 0
となり、操作回数が最も多いものは5/8で、これが答えです。
それでは(3)に進みましょう。
問題文のなかの「分母が最も小さいもの」というところから、5回目の操作の結果が1/2、かつ、すべての操作における帯分数の整数部分を1と予想して逆の順に操作を6回くり返してみると、
6回目の操作 2/1 → 2と0/1 → 0
5回目の操作 3/2 → 1と1/2 → 1/2
4回目の操作 5/3 → 1と2/3 → 2/3
3回目の操作 8/5 → 1と3/5 → 3/5
2回目の操作 13/8 → 1と5/8 → 5/8
1回目の操作 21/13 → 1と8/13 → 8/13
最初の数 13/21
で、最初の数は13/21になりそうです。そして、これは正解なので答えだけ書くならばこれでもよいのですが、ここではもう少し詳しく調べてみましょう。
まず、最初の数をB/Aとして6回操作をくり返すと、
最初の数 B/A B<A
1回目の操作 A/B → aとC/B → C/B A=aB+C,C<B,a≧1 aは整数
2回目の操作 B/C → bとD/C → D/C B=bC+D,D<C,b≧1 bは整数
3回目の操作 C/D → cとE/D → E/D C=cD+E,E<D,c≧1 cは整数
4回目の操作 D/E → dとF/E → F/E D=dE+F,F<E,d≧1 dは整数
5回目の操作 E/F → eとG/F → G/F E=eF+G,G<F,e≧1 eは整数
6回目の操作 F/G → fとH/G → H/G F=fG+H,H<G,f≧2 fは整数
となります。
この6回目の操作の結果0になるので、
H=0
です。
そのとき注意しなければならないことは、6回目の操作に記した
F=fG+H
=fG
と、5回目の操作に記した
G<F
から、
f≧2
となることです。
それでは、各操作に記した等式を下から順に上の式に代入していくと、
E=efG+G
=(ef+1)G
D=defG+dG+fG
=(def+d+f)G
C=cdefG+cdG+cfG+efG+G
=(cdef+cd+cf+ef+1)G
B=bcdefG+bcdG+bcfG+befG+bG+defG+dG+fG
=(bcdef+bcd+bcf+bef+b+def+d+f)G
A=abcdefG+abcdG+abcfG+abefG+abG+adefG+adG+afG
+cdefG+cdG+cfG+efG+G
=(abcdef+abcd+abcf+abef+ab+adef+ad+af+cdef+cd+cf+ef+1)G
となります。
ここで、Aが最も小さい数になるのは、
a=b=c=d=e=G=1
f=2
のときで、
A=2+1+2+2+1+2+1+2+2+1+2+2+1=21
です。
そのとき
B=2+1+2+2+1+2+1+2=13
となり、最初の数で分母が最も小さいものは、13/21になります。
折角、AとBを求めたので、これを利用して分母が2番目に小さい数を求めてみましょう。
先ほど求めたAとBのGの係数を、それぞれA’、B’とすると、
A’=abcdef+abcd+abcf+abef+ab+adef+ad+af+cdef+cd+cf+ef+1
B’=bcdef+bcd+bcf+bef+b+def+d+f
です。
そこで、a、b、c、d、e、fが、それぞれ1増加したとき、A’がいくつ増加するかを調べます。
まず、aは、A’の13項のうち8項に含まれ、かつ、fと積になっているものは5項なので、aが1増加すると、A’は13増加することになります。
同じように、b、c、d、e、fも計算して、まとめると、
aが1増加→A’は13増加
bが1増加→A’は 8増加
cが1増加→A’は10増加
dが1増加→A’は 9増加
eが1増加→A’は10増加
fが1増加→A’は 8増加
となります。
これから、2番目に分母が小さい数は、
・a=1、b=2、c=1、d=1、e=1、f=2
と
・a=1、b=1、c=1、d=1、e=1、f=3
の場合で、それぞれの場合の最初の数は、21/29および18/29になります。(実際に操作したら0になるのに6回かかりました)
結構おもしろい問題でした。興味がある人は実際に操作をして調べてみてください。
毎日晴れの日が続いて空気が乾燥し、東久留米の湿度は40%ちょっとと乾燥しています。特に受験生の皆さんは、手洗い・うがいなど風邪などの予防に心がけましょう。
さて、今回は平成27年度筑波大付属駒場中の入試問題です。
問題は、
「分母と分子がともに整数である真分数(分子が分母より小さい分数)に対し、次のような操作を考えます。
その逆数が、
ア 帯分数で表せるとき、その帯分数の整数部分を消して、真分数にする。
イ 整数のとき、0にする。
上の操作を1回とかぞえ、操作の結果できた数に対して、この操作を0になるまでくり返し行います。
たとえば、最初の数が3/10のときは、下のように、操作を2回行うと0になります。
最初の数 3/10
1回目の操作の結果 1/3
2回目の操作の結果 0
次の問いに答えなさい。
(1)最初の数が7/27のとき、操作を何回行うと0になりますか。
(2)7個の数 1/8、2/8、3/8、4/8、5/8、6/8、7/8のうち、0になるまでの操作の回数が最も多いものはどれですか。
(3)ある真分数に操作をくり返し行ったところ、0になるまでに6回かかりました。
最初の数として考えられるもののうち、分母が最も小さいものを答えなさい。 」
です。
(1)と(2)は、操作を間違えなければ簡単な問題です。
まず(1)ですが、 [逆数にする→帯分数にする→帯分数の整数部を消す]と表すと、
最初の数 7/27
1回目の操作 27/7 → 3と6/7 → 6/7
2回目の操作 7/6 → 1と1/6 → 1/6
3回目の操作 6/1 → 6と0/1 → 0
なので、7/27が0になるまでの操作回数は3回で、これが答えです。
続いて(2)です。
1/8、2/8、4/8 は逆数にすると整数になるので、0になるまでの操作回数は1回です。
残りの3/8、5/8、6/8、7/8について調べていきます。
最初の数 3/8
1回目の操作 8/3 → 2と2/3 → 2/3
2回目の操作 3/2 → 1と1/2 → 1/2
3回目の操作 2/1 → 2と0/1 → 0
最初の数 5/8
1回目の操作 8/5 → 1と3/5 → 3/5
2回目の操作 5/3 → 1と2/3 → 2/3
3回目の操作 3/2 → 1と1/2 → 1/2
4回目の操作 2/1 → 2と0/1 → 0
最初の数 6/8
1回目の操作 8/6 → 1と2/6 → 2/6
2回目の操作 6/2 → 2と0/2 → 0
最初の数 7/8
1回目の操作 8/7 → 1と1/7 → 1/7
2回目の操作 7/1 → 7と0/1 → 0
となり、操作回数が最も多いものは5/8で、これが答えです。
それでは(3)に進みましょう。
問題文のなかの「分母が最も小さいもの」というところから、5回目の操作の結果が1/2、かつ、すべての操作における帯分数の整数部分を1と予想して逆の順に操作を6回くり返してみると、
6回目の操作 2/1 → 2と0/1 → 0
5回目の操作 3/2 → 1と1/2 → 1/2
4回目の操作 5/3 → 1と2/3 → 2/3
3回目の操作 8/5 → 1と3/5 → 3/5
2回目の操作 13/8 → 1と5/8 → 5/8
1回目の操作 21/13 → 1と8/13 → 8/13
最初の数 13/21
で、最初の数は13/21になりそうです。そして、これは正解なので答えだけ書くならばこれでもよいのですが、ここではもう少し詳しく調べてみましょう。
まず、最初の数をB/Aとして6回操作をくり返すと、
最初の数 B/A B<A
1回目の操作 A/B → aとC/B → C/B A=aB+C,C<B,a≧1 aは整数
2回目の操作 B/C → bとD/C → D/C B=bC+D,D<C,b≧1 bは整数
3回目の操作 C/D → cとE/D → E/D C=cD+E,E<D,c≧1 cは整数
4回目の操作 D/E → dとF/E → F/E D=dE+F,F<E,d≧1 dは整数
5回目の操作 E/F → eとG/F → G/F E=eF+G,G<F,e≧1 eは整数
6回目の操作 F/G → fとH/G → H/G F=fG+H,H<G,f≧2 fは整数
となります。
この6回目の操作の結果0になるので、
H=0
です。
そのとき注意しなければならないことは、6回目の操作に記した
F=fG+H
=fG
と、5回目の操作に記した
G<F
から、
f≧2
となることです。
それでは、各操作に記した等式を下から順に上の式に代入していくと、
E=efG+G
=(ef+1)G
D=defG+dG+fG
=(def+d+f)G
C=cdefG+cdG+cfG+efG+G
=(cdef+cd+cf+ef+1)G
B=bcdefG+bcdG+bcfG+befG+bG+defG+dG+fG
=(bcdef+bcd+bcf+bef+b+def+d+f)G
A=abcdefG+abcdG+abcfG+abefG+abG+adefG+adG+afG
+cdefG+cdG+cfG+efG+G
=(abcdef+abcd+abcf+abef+ab+adef+ad+af+cdef+cd+cf+ef+1)G
となります。
ここで、Aが最も小さい数になるのは、
a=b=c=d=e=G=1
f=2
のときで、
A=2+1+2+2+1+2+1+2+2+1+2+2+1=21
です。
そのとき
B=2+1+2+2+1+2+1+2=13
となり、最初の数で分母が最も小さいものは、13/21になります。
折角、AとBを求めたので、これを利用して分母が2番目に小さい数を求めてみましょう。
先ほど求めたAとBのGの係数を、それぞれA’、B’とすると、
A’=abcdef+abcd+abcf+abef+ab+adef+ad+af+cdef+cd+cf+ef+1
B’=bcdef+bcd+bcf+bef+b+def+d+f
です。
そこで、a、b、c、d、e、fが、それぞれ1増加したとき、A’がいくつ増加するかを調べます。
まず、aは、A’の13項のうち8項に含まれ、かつ、fと積になっているものは5項なので、aが1増加すると、A’は13増加することになります。
同じように、b、c、d、e、fも計算して、まとめると、
aが1増加→A’は13増加
bが1増加→A’は 8増加
cが1増加→A’は10増加
dが1増加→A’は 9増加
eが1増加→A’は10増加
fが1増加→A’は 8増加
となります。
これから、2番目に分母が小さい数は、
・a=1、b=2、c=1、d=1、e=1、f=2
と
・a=1、b=1、c=1、d=1、e=1、f=3
の場合で、それぞれの場合の最初の数は、21/29および18/29になります。(実際に操作したら0になるのに6回かかりました)
結構おもしろい問題でした。興味がある人は実際に操作をして調べてみてください。