東久留米 学習塾 塾長ブログ

東京都東久留米市滝山の個別指導型学習塾 塾長白井精一郎のブログ

中学生でも手が届く京大入試問題(20)

2016-04-08 12:00:05 | 数学・算数の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

朝は晴れ間が見られたのですが、今は曇り空です。しかし、これから雲が切れてくるようで、気温も21℃と暖く過ごしやすい日になりました。明日、明後日も同じような天気が続くようで、良い週末になりそうです。

さて、今回は平成18年度京大入試問題(前期、理系)です。

問題は、
「2以上の自然数nに対し、nとn^2+2がともに素数になるのはn=3の場合に限ることを示せ。」
です。

簡単そうな問題です。早速、取り掛かりましょう。

まず、n=2のときを調べると、
n^2+2=6=2×3
で、n^2+2が合成数になり、nとn^2+2はともに素数ではありません。

次に、n=3のときです。
n~2+2=11
なので、nとn^2+2はともに素数です。

n=4のときは、4(=2×2)が合成数なので、n≧5のときを調べましょう。

ここで、少し計算してみると、
n=5 のとき、n^2+2=27 =3×9、
n=7 のとき、n^2+2=51 =3×17、
n=11のとき、n^2+2=123=3×41
n=13のとき、n^2+2=171=3×57
と、nが素数のとき、n^2+2は3の倍数になりそうです。

そこで、nを3の剰余類で分類して調べましょう。

まず、n=3k (k≧2、kは整数)のとき、
nは6以上の3の倍数なので、nとn^2+2がともに素数になることはありません。

続いて、
n=3k±1 (k≧2、kは整数)   (1)
のときを調べます。

ここで、(1)をn^2+2に代入すると、
(3k±1)^2+2=9k^2±6k+1+2
         =3(3k^2±2k+1)
で、このとき3k^2+2k+1は整数なので、n^2+2は27以上の3の倍数になります。

つまり、n≧5のとき、nとn^2+2がともに素数になることはありません。

したがって、nとn^2+2がともに素数になるのはn=3の場合に限ります。


剰余類を利用して調べる方法は、頻繁に使われる手筋なので、頭に入れておくと良いでしょう。

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