こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。
朝から雨が降っていますが、南風のおかげで暖かく、春の雨といった感じです。夜には曇りになって、明日以降は、暖かい好天が続くようです。
さて、今回は平成22年度京大入試問題(前期、文系)です。
問題は、
「点Oを中心とする正十角形において、A、Bを隣接する2つの頂点とする。線分OB上に OP^2=OB・PB を満たす点Pをとるとき、OP=ABが成立することを示せ。」
です。
まず、図を描きましょう。(図1)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/59/66/bd6e319674def76edf7ff24af21112c9.jpg)
▲図1.問題の図を描きました
図1は少し漠然としていて手掛かりが掴み難いので、取りあえず、与えられた条件を調べてみましょう。
そこで、
OP^2=OB・PB
に
PB=OB-OP
を代入すると、
OP^2=OB(OB-OP)
から
OP^2+OB・OP-OB^2=0 (1)
と、OPの2次方程式を得ることができました。
ここで、(1)を解いてOPをOBで表し、一方、何らかの方法で、ABをOBで表して、OP=ABを示す方針を採ることもできますが、この解き方はあとで紹介します。
ここでは図2のように、∠Aの2等分線と線分OBとの交点をQとして、点Qが点Pと一致することを示すことにしましょう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/23/91/c9df0979bf2e2e652e983e05f357a018.jpg)
▲図2.∠Aの2等分線と線分OBとの交点をQとしました
図2で、△OAB∽△ABQなので、
AB/OB=QB/AB (2)
です。
また、角の二等分線定理により、
AB/AO=QB/OQ (3)
が成り立ちます。
ここで、(2)(3)からABを消去すると、
QB・OB=(QB・AO/OQ)^2
になり、さらにAO=OB、QB=OB-OQを代入して整理すると、
1=(OB-OQ)・OB/OQ^2
OQ^2+OB・OQ-OB^2=0 (4)
を導くことができます。
ここで、(1)(4)を見比べると、OPとOQは、2次方程式
x^2+OB・x-OB^2=0 (5)
の解であることが判ります。
そこで、(5)を解くと、
x=(-1±√5)・OB/2
で、OP、OQ>0なので、
OP=OQ=(-1+√5)・OB/2
です。
さらに、点Pも点Qも線分OB上にあるので、点Pと点Qは一致します。
一方、△QOAと△ABQはどちらも二等辺三角形なので、
OQ=AQ=AB
で、点Pと点Qは一致するので、
OP=AB
が成り立ちます。
続いて、先ほど述べたABをOBで表す方法を紹介します。
まず、(1)を解くと、
OP=(-1±√5)/2・OB
で、OP>0から
OP=(-1+√5)/2・OB (6)
です。
次に、△OABに正弦定理を利用すると、
AB/sin36°=OB/sin72°
が成り立ちます。
ここで、2倍角の公式(sin72°=2sin36°cos36°)を利用して、
AB/sin36°=OB/sin36°cos36°
AB=OB/2cos36° (7)
です。
つまり、cos36°の値を求めれば、ABをOBで表すことができます。
そこでcos36°の値を求めるため、まず2倍角の公式から
cos72°=2cos^2(36°)-1
です。
さらに、3倍角の公式から
cos108°=4cos^3(36°)-3cos36°
です。
ところが、cos72°=-cos108°なので、
2cos^2(36°)-1=cos108°=4cos^3(36°)-3cos36°
が成り立ちます。
これを整理して因数分解すると、
(cos36°+1)(4cos^2(36°)-2cos36°-1)=0
cos36°≠1より、cos36°=(1+√5)/4で、これを(7)に代入して、
AB=2OB/(1+√5)
=(-1+√5)/2・OB (8)
になり、(6)(8)から、OP=ABです。
他にもいろいろな解き方がありそうです。興味のある人は調べてみてください。
朝から雨が降っていますが、南風のおかげで暖かく、春の雨といった感じです。夜には曇りになって、明日以降は、暖かい好天が続くようです。
さて、今回は平成22年度京大入試問題(前期、文系)です。
問題は、
「点Oを中心とする正十角形において、A、Bを隣接する2つの頂点とする。線分OB上に OP^2=OB・PB を満たす点Pをとるとき、OP=ABが成立することを示せ。」
です。
まず、図を描きましょう。(図1)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/59/66/bd6e319674def76edf7ff24af21112c9.jpg)
▲図1.問題の図を描きました
図1は少し漠然としていて手掛かりが掴み難いので、取りあえず、与えられた条件を調べてみましょう。
そこで、
OP^2=OB・PB
に
PB=OB-OP
を代入すると、
OP^2=OB(OB-OP)
から
OP^2+OB・OP-OB^2=0 (1)
と、OPの2次方程式を得ることができました。
ここで、(1)を解いてOPをOBで表し、一方、何らかの方法で、ABをOBで表して、OP=ABを示す方針を採ることもできますが、この解き方はあとで紹介します。
ここでは図2のように、∠Aの2等分線と線分OBとの交点をQとして、点Qが点Pと一致することを示すことにしましょう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/23/91/c9df0979bf2e2e652e983e05f357a018.jpg)
▲図2.∠Aの2等分線と線分OBとの交点をQとしました
図2で、△OAB∽△ABQなので、
AB/OB=QB/AB (2)
です。
また、角の二等分線定理により、
AB/AO=QB/OQ (3)
が成り立ちます。
ここで、(2)(3)からABを消去すると、
QB・OB=(QB・AO/OQ)^2
になり、さらにAO=OB、QB=OB-OQを代入して整理すると、
1=(OB-OQ)・OB/OQ^2
OQ^2+OB・OQ-OB^2=0 (4)
を導くことができます。
ここで、(1)(4)を見比べると、OPとOQは、2次方程式
x^2+OB・x-OB^2=0 (5)
の解であることが判ります。
そこで、(5)を解くと、
x=(-1±√5)・OB/2
で、OP、OQ>0なので、
OP=OQ=(-1+√5)・OB/2
です。
さらに、点Pも点Qも線分OB上にあるので、点Pと点Qは一致します。
一方、△QOAと△ABQはどちらも二等辺三角形なので、
OQ=AQ=AB
で、点Pと点Qは一致するので、
OP=AB
が成り立ちます。
続いて、先ほど述べたABをOBで表す方法を紹介します。
まず、(1)を解くと、
OP=(-1±√5)/2・OB
で、OP>0から
OP=(-1+√5)/2・OB (6)
です。
次に、△OABに正弦定理を利用すると、
AB/sin36°=OB/sin72°
が成り立ちます。
ここで、2倍角の公式(sin72°=2sin36°cos36°)を利用して、
AB/sin36°=OB/sin36°cos36°
AB=OB/2cos36° (7)
です。
つまり、cos36°の値を求めれば、ABをOBで表すことができます。
そこでcos36°の値を求めるため、まず2倍角の公式から
cos72°=2cos^2(36°)-1
です。
さらに、3倍角の公式から
cos108°=4cos^3(36°)-3cos36°
です。
ところが、cos72°=-cos108°なので、
2cos^2(36°)-1=cos108°=4cos^3(36°)-3cos36°
が成り立ちます。
これを整理して因数分解すると、
(cos36°+1)(4cos^2(36°)-2cos36°-1)=0
cos36°≠1より、cos36°=(1+√5)/4で、これを(7)に代入して、
AB=2OB/(1+√5)
=(-1+√5)/2・OB (8)
になり、(6)(8)から、OP=ABです。
他にもいろいろな解き方がありそうです。興味のある人は調べてみてください。
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