価値観

　あなたは、自分の価値観を端的に表す映画や本と出会ったことがありますか？

　私にはあります。フランスの海洋冒険家ジャック・マイヨール氏をモデルに作られたという「グラン・ブルー」です。

　確かに、全編にわたって部隊は海・海・海・・・そして私が好きなのは、海の上のクルーザーでピアノを弾くシーン（洋上のピアニスト？）でも、きわめつけは、何と言ってもクライマックス・・・

　あえて話させていただくと、フリーダイバーの主人公は、さらなる記録更新のため、今日も海へ潜る、深海へ。さらにさらにその先へ・・・ところが、なぜか、この日に限って彼の妻は、こう言う。「お願い、行かないで・・・！いっちゃダメ！」女としての勘だろうか。この人は、今出て行ったら、二度と帰ってこないかもしれない・・・そう感じたに違いない。ところが、主人公の彼は、それを振り切るように家を出て海へと向かう。愛する妻子を置いて、彼の帰る場所、深い深い海の底へ・・・

　このクライマックスを見た時、思わず、コレは私だ！って思った。人生の価値観・・・？自分の人生において何を最も優先させるか・・・？家族？では決してない。この映画の主人公も私も。

　この世の多くの人にとって家族は最優先事項なのかもしれない。しかし、なかにはそうでない人もいるのだ、ということをこの映画で知ってホッとしたのを覚えている。（変な話だが。）

　以来、さすがに最近では、言う人も稀だが、「早く結婚しろ！」なんていう輩には、「グラン・ブルー」を見るよう勧めているしだいである（笑）

　「あのなあ、女のシアワセはなあ・・・結婚して子供を産むことなんだぞ。」って未だに江戸時代から抜け出てきたようなことをほざく人より、最近では、ようやく「君を見て僕は女性に対する価値観を変えたよ。」という人が時代の流れか増えてきた。全般的に今までの価値観が通用しなくなってきた証拠であろう。しめしめ・・・時代は私に見方する・・・とほくそ笑む「へんないきもの」であった。