「一人のアメリカの若者の血も流さず、我々は勝利した」
カダフィー殺害後の、オバマ大統領の第一声である。
実際に、今回の「リビア戦争」は、代理戦争であった。
作戦支援は、ハイテク兵器に裏打ちされたアメリカ帝国。
実際の作戦展開は、『NATO』を標榜した九カ国で、主な軍事行動に携わったのは、イギリス軍とフランス軍である。
勿論、現地では「国民評議会軍」と称する、<タナボタ>勢力と、「親カダフィー政権軍」と称する<親類縁者>との、私闘が続いた。
その周辺で、40年来の重しの取れた<民衆>が、たがが外れて暴走する形の、内戦であった。
ただ、常にアメリカの「ハイテク兵器」無人偵察機が、詳細な情報を収拾し、その情報を下に英仏連合軍による爆撃が続けられ、「カダフィー派」を次々と追いつめて行った。
勝敗は最初から見えて居り、あくまでカダフィーが「いつまで逃げられるか」の問題であった。
しかし、真の問題は「カダフィー」の処置に有った筈である。
チャウセスクの如く、形だけの人民裁判を行って、そのまま私刑にするのか。
あるいは、サダム・フセインの如くに、(先ず結果有りきにしろ)弁護人も付けて正当な裁判を演出してから「死刑」に処すのか。
はたまた、ビン・ラーディンの様に、発見即殺害に至るのか。
結果は、「即、嬲り殺し」であった様だ。
ビン・ラーディンは、私的テロリスト集団(本人はそうとは考えていなかったにせよ)の頭目であったが故、発見して殺してしまう事に、現実論としては可能性は最初から考えられていた。
しかし、カダフィー大佐は、一応「国家元首」である。
日本人とは違い、アラブやアフリカでは、民衆は「武器」を手にすると、直ちにブレーキが利かなくなるケースが多い。
そして、残念な事に「武器」は、実に簡単に手に入る様になっている。
超大国が、夫々の立場で援助するからである。
そうなると、しっかりした「指揮系統」が機能する組織が無いと、解放に湧く「民衆」は既に暴徒と大した違いは無い事になる。
そして、残念な事に、リビアは「エジプト」や「チュニジア」とは違った。
石油利権が、超大国には見逃せない要素であった。
そして、カダフィーが「武力抵抗」した。
結果は、最初から見えていた。
あいては、最初から殺戮を目的として、公正な裁判や、背景の調査などは金輪際考えていない「米英仏」である。
むしろ、整然とした「権力委譲」等をやられては、困るのだ。
リビアの民衆は、何を望んでいたか。
圧政からの解放である。
ただ、どれほどの圧制だったのかは、表には現れてこない。
調査する機会を、潰してしまう目的で、作戦が遂行されたのだから。
確かに、経済的腐敗は酷かったで有ろう。
しかし、権力者に依る「富の不法な独占」は、アメリカには無いとでも言うのか。
イギリスには?
フランスには?
世界中で、同じ事が行われているのだ。
形が違うだけである。
権力者が弱みを見せ始めたとき、武器を手にした群衆は、どう行動するかと言えば、そこに「正義」と呼ぶ「利害の逆転」を求める暴力行為に走るしかない。
もちろん、そのような武力行動に参加していない、ごく一般の市民達は「カダフィー排除」を、心から喜んでいるだろう。
しかし、世界中が信じて居る様に、ありとあらゆるリビア国民が全員<虐待>されていた訳では無い筈だ。
彼等は、ごく普通に暮らしていた。
大佐の悪口を、公衆の場所で叫ばない限り。
そこそこ、豊かに暮らしていたのだ。
そんな彼等にとっては、「民主的な政府」が出来るのなら、それにこした事は無い。
生活が、より豊かになるのなら、それにこした事は無い。
その変化の中に、国の富を、つまり石油を「欧米超大国」に攫われる事は、納得しないだろう。
その意味で、アメリカは「英仏」を傀儡とした軍事行動を行う必要が、有ったのだ。
彼等は、少なくとも現地で「アメリカ」ほどには、嫌われてはいないのだから。
正常な政権交代を成し遂げ、独裁体制が終わり、国富はそれまで通り国が管理して、その収益を「一部独裁者の家族」だけを潤すのでは無く、広く国民の為に使う、そんな政府を求めていた筈だ。
その様な、「平和な変革」はアメリカは求めていなかった。
経済的に支配しなければ、気が済まないのだから。
経済的に逼迫しているアメリカとしては、石油利権が、ぜひとも必要なのだから。
千歳一隅のチャンスであった。
それは、英仏ともに同じ事である。
しかして、軍事力を表に出して、リビア市民自身が「自分達の力」によって自由を獲得した、そんな幻想を持たせておく事が、ぜひとも必要だった。
その、「軍事的」成果が、中東「独裁政権」諸国に、圧力をかける事になる筈だから。
彼等は、イラクでやった事を、リビアでも繰り返した。
チュニジアとエジプトは、そこに至るまでの動きにはならなかった。
しかも、エジプトに石油は無い。
リビアが、シリアの「アサド大統領」とイランの「アフマディネジャド大統領」とを失脚させるきっかけにしなければならない。
そのためには、アメリカが「表立って」軍事行動に出る訳にはいかなかった。
と言う事で、作戦はこれまでの所、大成功である。
「独裁者は殺せ!」
ただし、自らの手は汚さずに。
あとは、暫定政権を「スムーズ」に発足させなければならない。
イラクの二の舞にならぬ様に。
その為にも、「代理戦争」は不可欠であった。
リビア人は、自分達で革命を成し遂げた。
と、信じ込ませて行かなければならない。
そして、それには「カダフィー」の虐殺は、有効な成り行きである。
そしてこのやり口は、何も「武力戦争」だけに限った事では無い。
アメリカにとって、世界情勢は何もかも総て、アメリカの「経済」に結びついている。
当然と言えば、当然であるが。
そして、「経済戦争」は、武力戦争以上に、戦略は隠密に遂行しなければならない。
国際的条約を、有効活用して。
国際経済協議を、有効な武器として。
そして、アメリカのゴリ押しを、少なくとも「相手国の意思」で行われた形にしてしまう事が、何より肝要である。
そこで『TPP』の出番である。
<ASEAN+>に、「太平洋」を持ち出して、アメリカが強引に割り込んで参加した。
TPPは、アメリカが音頭をとって創ろうとしている協約では無い、と言う訳だ
あくまで、仲間に入れてもらっただけ。
実に、有効な戦略では無いか。
そして、多国間協議である以上、アメリカ一国の利害だけを突きつける訳では無い。
国際的な話し合いの結果であり、夫々の政府の考えで締結するべき協議である。
結局、アメリカの目的は「日本市場」であり、日本のルールでは無く、日本に参入した側のルールを適用させる事を、眼目として提携されるのだ。
オバマは、向こう2年間で200万人の雇用を約束した。
TPPへの日本の参加を見込んで。
つまり、相手国に「傀儡政権」が存在する事。
それこそが、アメリカ世界戦略における、重要な要素なのだ。
韓国はTPPには、参加を表明していない。
韓国は良いのだ。
日本の様な、重要な市場では無い。
それに<FTA>で、ガンジガラメに絡めとっている。
韓国大企業は、大部分の支配権は握っている。
肝心なのは、日本である。
そして幸いな事に、日本には「圧力」を掛ければ言いなりになる「官僚群」がおり、その言いなりになる政治家達で、政府が構成されている。
イラクは、骨までしゃぶられている。
アフガニスタンも、パキスタンがも、そうなりかかった。
しかし、この両国は大した市場でもなく、石油も財政力も技術も無い。
精々が「復興計画」への参画による利権だけ。
日本には、涎が出るほどの国内備蓄が有る。
1億2千万人の市場がる。
高度な技術も有る。
高度な生産力もある。
良質な労働力も有る。
これらを支配しない手は無いだろう。
いままでは、「間接支配」で我慢して来た。
日米安保を基軸とした、軍事同盟と、経済的に最も友好的なパートナーである、という幻想を与えて。
しかし、<TPP>なる有効な武器を手にした今、それらの全てを「直接支配」出来るチャンスが巡って来たのだ。
このチャンスを、アメリカがみすみす見逃すと思うか?
しかも、「傀儡政権」は既に存在している。
唯一の「障害」になりそうだった小沢一郎は、既に武装加除してある。
さあ、TPP参加に向けて、日本に更なる圧力をかけよう。。。
カダフィー殺害後の、オバマ大統領の第一声である。
実際に、今回の「リビア戦争」は、代理戦争であった。
作戦支援は、ハイテク兵器に裏打ちされたアメリカ帝国。
実際の作戦展開は、『NATO』を標榜した九カ国で、主な軍事行動に携わったのは、イギリス軍とフランス軍である。
勿論、現地では「国民評議会軍」と称する、<タナボタ>勢力と、「親カダフィー政権軍」と称する<親類縁者>との、私闘が続いた。
その周辺で、40年来の重しの取れた<民衆>が、たがが外れて暴走する形の、内戦であった。
ただ、常にアメリカの「ハイテク兵器」無人偵察機が、詳細な情報を収拾し、その情報を下に英仏連合軍による爆撃が続けられ、「カダフィー派」を次々と追いつめて行った。
勝敗は最初から見えて居り、あくまでカダフィーが「いつまで逃げられるか」の問題であった。
しかし、真の問題は「カダフィー」の処置に有った筈である。
チャウセスクの如く、形だけの人民裁判を行って、そのまま私刑にするのか。
あるいは、サダム・フセインの如くに、(先ず結果有りきにしろ)弁護人も付けて正当な裁判を演出してから「死刑」に処すのか。
はたまた、ビン・ラーディンの様に、発見即殺害に至るのか。
結果は、「即、嬲り殺し」であった様だ。
ビン・ラーディンは、私的テロリスト集団(本人はそうとは考えていなかったにせよ)の頭目であったが故、発見して殺してしまう事に、現実論としては可能性は最初から考えられていた。
しかし、カダフィー大佐は、一応「国家元首」である。
日本人とは違い、アラブやアフリカでは、民衆は「武器」を手にすると、直ちにブレーキが利かなくなるケースが多い。
そして、残念な事に「武器」は、実に簡単に手に入る様になっている。
超大国が、夫々の立場で援助するからである。
そうなると、しっかりした「指揮系統」が機能する組織が無いと、解放に湧く「民衆」は既に暴徒と大した違いは無い事になる。
そして、残念な事に、リビアは「エジプト」や「チュニジア」とは違った。
石油利権が、超大国には見逃せない要素であった。
そして、カダフィーが「武力抵抗」した。
結果は、最初から見えていた。
あいては、最初から殺戮を目的として、公正な裁判や、背景の調査などは金輪際考えていない「米英仏」である。
むしろ、整然とした「権力委譲」等をやられては、困るのだ。
リビアの民衆は、何を望んでいたか。
圧政からの解放である。
ただ、どれほどの圧制だったのかは、表には現れてこない。
調査する機会を、潰してしまう目的で、作戦が遂行されたのだから。
確かに、経済的腐敗は酷かったで有ろう。
しかし、権力者に依る「富の不法な独占」は、アメリカには無いとでも言うのか。
イギリスには?
フランスには?
世界中で、同じ事が行われているのだ。
形が違うだけである。
権力者が弱みを見せ始めたとき、武器を手にした群衆は、どう行動するかと言えば、そこに「正義」と呼ぶ「利害の逆転」を求める暴力行為に走るしかない。
もちろん、そのような武力行動に参加していない、ごく一般の市民達は「カダフィー排除」を、心から喜んでいるだろう。
しかし、世界中が信じて居る様に、ありとあらゆるリビア国民が全員<虐待>されていた訳では無い筈だ。
彼等は、ごく普通に暮らしていた。
大佐の悪口を、公衆の場所で叫ばない限り。
そこそこ、豊かに暮らしていたのだ。
そんな彼等にとっては、「民主的な政府」が出来るのなら、それにこした事は無い。
生活が、より豊かになるのなら、それにこした事は無い。
その変化の中に、国の富を、つまり石油を「欧米超大国」に攫われる事は、納得しないだろう。
その意味で、アメリカは「英仏」を傀儡とした軍事行動を行う必要が、有ったのだ。
彼等は、少なくとも現地で「アメリカ」ほどには、嫌われてはいないのだから。
正常な政権交代を成し遂げ、独裁体制が終わり、国富はそれまで通り国が管理して、その収益を「一部独裁者の家族」だけを潤すのでは無く、広く国民の為に使う、そんな政府を求めていた筈だ。
その様な、「平和な変革」はアメリカは求めていなかった。
経済的に支配しなければ、気が済まないのだから。
経済的に逼迫しているアメリカとしては、石油利権が、ぜひとも必要なのだから。
千歳一隅のチャンスであった。
それは、英仏ともに同じ事である。
しかして、軍事力を表に出して、リビア市民自身が「自分達の力」によって自由を獲得した、そんな幻想を持たせておく事が、ぜひとも必要だった。
その、「軍事的」成果が、中東「独裁政権」諸国に、圧力をかける事になる筈だから。
彼等は、イラクでやった事を、リビアでも繰り返した。
チュニジアとエジプトは、そこに至るまでの動きにはならなかった。
しかも、エジプトに石油は無い。
リビアが、シリアの「アサド大統領」とイランの「アフマディネジャド大統領」とを失脚させるきっかけにしなければならない。
そのためには、アメリカが「表立って」軍事行動に出る訳にはいかなかった。
と言う事で、作戦はこれまでの所、大成功である。
「独裁者は殺せ!」
ただし、自らの手は汚さずに。
あとは、暫定政権を「スムーズ」に発足させなければならない。
イラクの二の舞にならぬ様に。
その為にも、「代理戦争」は不可欠であった。
リビア人は、自分達で革命を成し遂げた。
と、信じ込ませて行かなければならない。
そして、それには「カダフィー」の虐殺は、有効な成り行きである。
そしてこのやり口は、何も「武力戦争」だけに限った事では無い。
アメリカにとって、世界情勢は何もかも総て、アメリカの「経済」に結びついている。
当然と言えば、当然であるが。
そして、「経済戦争」は、武力戦争以上に、戦略は隠密に遂行しなければならない。
国際的条約を、有効活用して。
国際経済協議を、有効な武器として。
そして、アメリカのゴリ押しを、少なくとも「相手国の意思」で行われた形にしてしまう事が、何より肝要である。
そこで『TPP』の出番である。
<ASEAN+>に、「太平洋」を持ち出して、アメリカが強引に割り込んで参加した。
TPPは、アメリカが音頭をとって創ろうとしている協約では無い、と言う訳だ
あくまで、仲間に入れてもらっただけ。
実に、有効な戦略では無いか。
そして、多国間協議である以上、アメリカ一国の利害だけを突きつける訳では無い。
国際的な話し合いの結果であり、夫々の政府の考えで締結するべき協議である。
結局、アメリカの目的は「日本市場」であり、日本のルールでは無く、日本に参入した側のルールを適用させる事を、眼目として提携されるのだ。
オバマは、向こう2年間で200万人の雇用を約束した。
TPPへの日本の参加を見込んで。
つまり、相手国に「傀儡政権」が存在する事。
それこそが、アメリカ世界戦略における、重要な要素なのだ。
韓国はTPPには、参加を表明していない。
韓国は良いのだ。
日本の様な、重要な市場では無い。
それに<FTA>で、ガンジガラメに絡めとっている。
韓国大企業は、大部分の支配権は握っている。
肝心なのは、日本である。
そして幸いな事に、日本には「圧力」を掛ければ言いなりになる「官僚群」がおり、その言いなりになる政治家達で、政府が構成されている。
イラクは、骨までしゃぶられている。
アフガニスタンも、パキスタンがも、そうなりかかった。
しかし、この両国は大した市場でもなく、石油も財政力も技術も無い。
精々が「復興計画」への参画による利権だけ。
日本には、涎が出るほどの国内備蓄が有る。
1億2千万人の市場がる。
高度な技術も有る。
高度な生産力もある。
良質な労働力も有る。
これらを支配しない手は無いだろう。
いままでは、「間接支配」で我慢して来た。
日米安保を基軸とした、軍事同盟と、経済的に最も友好的なパートナーである、という幻想を与えて。
しかし、<TPP>なる有効な武器を手にした今、それらの全てを「直接支配」出来るチャンスが巡って来たのだ。
このチャンスを、アメリカがみすみす見逃すと思うか?
しかも、「傀儡政権」は既に存在している。
唯一の「障害」になりそうだった小沢一郎は、既に武装加除してある。
さあ、TPP参加に向けて、日本に更なる圧力をかけよう。。。