晴れのち曇り、時々パリ

もう、これ以上、黙っていられない! 人が、社会が、日本全体が、壊れかかっている。

【日曜フォトの旅】<乗馬のメッカ>フランスで、パリ近郊の乗馬クラブを訪れる。

2013-11-24 21:59:20 | 歴史と文化
復活【フォトの旅】で、パリの近郊の乗馬クラブをご紹介しよう。


「乗馬」と言うと、敷居が高く感じるかもしれない。

しかし、ヨーロッパで日常に存在する伝統の一つであります。

日本の様に各学校にプールが有る訳ではなく、放課後の「クラブ活動」と言う物もほとんど無いフランスでは、各家庭で子供達にスポーツクラブに通わせる。

各区にある公営プールでは、子供のお小遣い程度で資格を持った水泳指導員に、水泳を教わる事が出来る。

テニスコートも多数あり、レッスン制度も確立している。


そのような社会制度の一貫として、乗馬クラブも市民の生活の中に根付いている。


世界では、乗馬の様式が大別して二種類有ります。

欧州式とアメリカ式。

欧州式乗馬は、手綱を両手で持ちます。

アメリカ式は片手。
もう片手はライフルを持つから、だとか。


そのヨーロッパ式乗馬術に、また二種類の流れが有ります。

ウイーンの宮廷で栄えた『スペイン式乗馬術』と、ヴェルサイユの宮廷で行われていた『フランス式乗馬術』です。


『ドレッサージュ』(フィギユア・スケートの昔の規定演技の様な物)という馬場馬術と、『ソー・ドブスタークル』(障害飛越)です。


ちなみに、日本では「ウエスタン馬術(米式)」と「ブリティッシュ馬術」と言っている様ですが、それはあくまで『アングロ・サクソン人』だけの呼び方で、ヨーロッパ(大陸側)ではあくまで、スペイン式とフランス式です。




パリ市内は、総てが中層の建築で被われて居いてスペースが無いが、西に隣接する「ブーローニュの森」に乗馬クラブが有る。

後は、エッフェル塔下の「陸軍大学(旧陸軍士官学校)」には、フランスでも最もレベルの高い乗馬学校があり、ウエイティング・リストが長大ながら、一般の子弟も週に一度のレッスンを受けられる。



パリ周辺に何か所かある乗馬クラブの中で、最も充実しているクラブをご紹介所用。

オー・ド・セーヌ県立『アラ・ド・ジャルディ乗馬クラブ』である。

パリの南西の角から、高速A13号線で最初の出口<ヴェルサイユ>を出ると直ぐ。

パリの出口からだと、僅か10分で到着。



     
     エントランスのロータリー



隣接する9ホールのゴルフ場と打ちっぱなしも含めて、オー・ド・セーヌ県が所有する広大な敷地に、屋内馬場や屋外馬場、場房やその他の施設が点在している。


     
     馬房の一つ


幼稚園児から大人まで、誰でも登録して受講生になれる。

週に一コマ1時間の授業に登録する。
初心者から上級者まで、身長に合わせて三種類の馬種での講習となる。


最も小さい種類は『シェトランド』
体高1m前後。

中間は『ダブル・ポニー』
体高148センチまで。

最後が『ホース』で首の付け根までの高さが148センチ以上、と決まっている。


     
     シェトランドに乗る生徒


入門科は「シェトランドのイニシエーション」。
導入科とでもいいましょうか。

フランス乗馬連盟と言う半官半民の組織が、技術段階を認定する制度が有り、1段階目から最高9段階まであり、下のクラスから始めて、一年の終わりに試験を受けて、合格して始めて公式な「DIPLOME(認定証)」を授与され、次の年に一段階上のクラスに登録出来る。

このDIPLOMEは、国家資格である。

ちなみに段階は『GALOP(ギャロ)』と呼ばれ、<ギャロ 1>から<ギャロ 9>までのがあり、このクラブには7段階までのクラスが有る

言い添えておくと、<GALOP 5>か<6>で、インストラクターになれ、オリンピック代表選手も、大体6か7の所有者である。

ちなみに、ここ『アラ・ド・ジャルディー』のディレクター(場長)は<GALOP 9>を所有しているとか。

試験は、勿論実技も大切だが、それと同じ程理論のペーパーテストも大切で、馬の解剖学的知識や生理学、ドレッサージュ(馬場馬術)に置ける走行トレースやその時の姿勢など、非常に専門的な知識を求められる。

普通、週一の受講で認定証を取る事は無理かもしれない。



     
     シェトランドとダブル・ポニーのセクションのクラブハウス



     
     シェトランド種の馬房の一枠



外の開口部には、広い空間を求めて首を出している事が多く、とても可愛らしい。


     
     首を突き出しているシェトランドの一頭



授業開始30分前に、生徒1人1人にその日の馬があてがわれる。


     
     インストラクターから今日の馬の名前を知らされている女子児童


通常一クラス12名程。

馬の割当が決まると、その馬が居る馬房へ言って、ブラッシングや装備の装着などの、準備を行う。



     
     鞍や手綱の置き場


夫々の馬には、専用の手綱や鞍が決まっており、それらを馬房まで運んで装備する。

シェトランドには、鞍は有りますが「鐙(あぶみ)」が有りません。
足をぶらぶらさせた状態で騎乗します。


「仕事」するのをいやがって、ハミと轡を付けさせない馬が多く、親もお手上げでインストラクターを呼びに行く光景もまま見られる。

馬は、人を見て、従ったり言う事を聞かなかったり。
舐められない様に、かつ信頼してもらえる様に接しないと、装備も付けられず、講習中も思う様に走ってくれないのです。



     
     準備中



     
     マネージュと呼ばれる屋内馬場



ちなみに、メリーゴーラウンドの事も、フランス語では「マネージュ」と言います。


30分間で準備を行い、合図と共にいよいよその日の馬場に行きます。

先ず、ぐるぐる並足で回って、ウオーミング・アップ。


     
     マネージュ内での授業風景



     
     広い屋内馬場での授業風景



     
     授業風景




生徒の身長が、150センチ程になると『ダブル・ポニー』での授業になる。

従って、全くの素人でも高校生くらいなら、シェトランドではなくダブル・ポニーでの「イニシアシオン・クラス」から始める訳です。

資格を取得して上級へ進んでも、まだ小さければシェトランドで「GALOP 4」を続けている事もあり得ます。

     

     
     ダブル・ポニーの一頭


ちなみに日本では「ポニー」を「子馬」と訳すが、本来ポニーは大型馬とは別種の中型馬の総称であります。

馬の子供は「プーラン(英語ではCOLT)」と言います。



     
     装備室



ポニーになって、鐙も腹帯も付いた本格的装備になるのです。



     
     馬房


シェトランドとダブル・ポニーの馬房は、中央に通路が有り、左右に夫々の房が並んで、2頭ずつ入れられている。



     
     前支度中


各馬の房の中で支度をして、授業開始を待ちます。



     
     支度中


丁寧にブラッシングをして、ひずめの泥を取り去り、ゲートル(足首のプロテクション)を装着して、いよいよ授業へ。



     
     準備が終わって馬場へ向かう一クラス



好天の時は野外の馬場、悪天候の時は屋内での授業ですが、いろんなクラスが有るのでその日の状況により、変わる事が有ります。

講習内容によっても、場所が変わります。



     
     野外の馬場での授業




そして、いよいよ「CHEVAL(シュヴァル)(HORSE)」のクラス。



     
     早く出たい…


馬は、各房に一頭ずつ。


     
     外の空気が美味しい…



馬房に中央通路が無いので、前面で前支度。



     
     支度中



授業は、基本的にはシェトランドもダブル・ポニー、シュヴァルも変わらない。

一クラス12~13人。



     
     授業風景



     
     授業風景




ところで、この乗馬クラブは近隣の人達の「憩いの場」にもなっている。

小さな子供連れが、散歩に集まって来るのです。
広いし、緑は豊かだし。
子供達は、走り回ったり、自転車漕いだり。

クラブの駐車場は皆に解放されています。



     
     子供連れ



     
     馬とにらめっこのお嬢ちゃん達



小さい子供達にとって「おうまさん」は憧れの様です

散歩していると、色々な光景に出っくわします。




     
     飼い葉用の干し草



     
     生まれたての子供



     
     休憩時間中



     
     いいぬもよろこび ばばかけめぐる~♪



     
     ちょっと手直し


このクラブでは「馬場馬術(ドレッサージュ)」と「障害(ジャンプ)」の他にも興味深いクラスが有って、『ホース・ボール』という競技のクラスが有ります。



     
     ホース・ボールのゴール


これは、ホッケーとバスケットボールとを合わせた様な競技です。

1m程の柄の付いた、網で出来たおしゃもじ様のスティックで、ハンドボールくらいの大きさのボールを奪い合って、ゴールに入れる競技です。

馬と馬とが激突したり、こすり合いながら走ったり、結構ハードな競技です。


それから、各種大会に出場する事を目的の「コンペティシオン」クラスも有ります。



     
     授業中のタイム・トライアル



     
     計測中は必死




付き添いの親達が休息したり、受講生が昼食を摂ったりできるクラブ・ハウスも有ります。



     
     クラブハウス全景



     
     食事中の受講生親子



     
     カウンター



ちなみに、シェトランドのセクションのクラブハウスには、飲み物の自販機しか有りません。


その他、ウエアーや装備品を売るクラブ・ショップも。



     
     ショップ




このクラブは、パリ周辺でも設備が整っているので、国際大会も開催されます。

前回は、9月に行われた『欧州選手権大会』でした。



     
     クラブのエントランス・ロータリーに出された告知の横断幕



     
     準備中の備品



     
     準備中の馬場を望む



     
     準備の整った馬場


普段は無い、屋台のテント等も並び、お祭り気分は上々。



     
     馬場へのアクセス



周辺は、鉄のモダンアートの作品が飾られて、更に雰囲気を盛り上げていました。



     



     



     



     



     
     競技中に参加する選手のウォーム・アップ



     
     ドイツの選手が愛馬と共に到着



受講生に登録するのは簡単です。

ただ、最初の新規登録は、新年度の9月になる半年ほど前から行わないと、席が無くなります。



     
     教務科受付のある管理棟



     
     行われて居る各種クラスの一覧表と年中行事



料金は、県の住民と他県の住民で10%程差があります。

通年講座でシェトランドの初級(イニシアシオン)の週1時間コースで500ユーロ前後。

シュヴァル(馬)で1000ユーロ前後、と言った所です。

競技選手用の1時間半コースもあり、土曜日曜は9時から20時くらいまで。
その他の曜日は17時半から20時半までに、各クラスが配置されています。

その他、不定期に単独で乗る「1時間講習」の個人授業も有り。



     
     料金表




最後に、『DIPLÔME』の実物をお目にかけましょう。

<GALOP 5>の国家認定証です。



     
     GALOP 5 の ディプロム



さあ、貴方も馬に乗ってみませんか。


コメント (2)
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「羊頭狗肉」と言う言葉を産んだ東アジア人のDNAを受け継ぐ、偽装国家ニッポンで今起こっている事…。

2013-11-11 21:45:55 | 政治と社会
日本に「本物」は有るのだろうか。


まず「明治維新」からして、偽物である。

長州と薩摩の下級武士の不満武士達が、土佐その他の同類達とツルんで、野心満々の下級公家の入れ知恵で起こした、単なるクーデターである。

幕府が、薩長と言え変わっただけで、革命でもなんでもなかった。


勿論その過程で、国の将来を憂居た憂国の士や、開明的知識人達の存在は忘れてはならない。

しかし、それらは「きっかけ」であり「肥」であり「拠り所」でも有ったが、最終的には「隠れ蓑」に落とされてしまった。


そして、取り入れられた筈の「民主主義」も、単なる貸衣装に過ぎず、そこに本質的発想は取り込まれなかった。

薩長の下級武士達に、その本質が理解出来る筈も無かったで有ろう。

民主政治の事実も国民主権の発想もなく、帝国議会という上流階級だけに限られた、天皇を権威とした「薩長の発想」が押し進められただけであった。


その結果は、当然戦争へと突き進んで破綻してしまった。


問題は、その後である。

戦後体制で、新日本国憲法により「本物の」民主主義が取り入れられたと、誰しもが信じた。

そんな馬鹿な。

昭和20年8月14日まで「鬼畜米英」と叫び「天皇の赤子」が「大東和共栄圏」をと突っ走っていて、翌15日から突然「民主主義」を口にしたって、そんな物借り物に決まってる。



『平和憲法』と呼ばれて来た憲法だけは、人類史上希有の素晴らしい者であった。

地球上の生物の中で、捕食目的以外に同種で殺し合うのは、恐らく「ヒト」だけであろう。

そして、有史以来殺し合いの無い時代など、存在しなかった。

その「ヒト」が、戦いを放棄する、と宣言したのだから、人類の域を超えて神の領域に踏み込んだと、言っても過言では無い程の精神の昇華であった。


ただし。


そんな夢物語は、あくまで夢にぎない。


【日本国憲法 全文】

日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたって自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によって再び戦争の惨禍が起ることのないようにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。
そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであって、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。
これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基づくものである。
われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。
日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであって、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めている国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思う。
われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。
われらは、いずれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであって、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従うことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。
日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓う。


この憲法を奉じて、新生日本国の舵取りを始めたのが、熱烈なる天皇崇拝者を自認した吉田茂であり、その彼こそが最初から祖国を米国に売り渡していた張本人であった、

そして、戦時中から米国と通じ、戦後いち早く戦犯の立場を救われてCIA二よる日本支配の為に、日本国内にCIA組織を根付かせた岸信介である。

その後は、振り返って見る通り。

憲法は、悉く無視されて来た。


>ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。


今現在、安倍晋三なる偽装首相が推進している「特定秘密保護法」は、そもそもこの「国民主権」と真っ向から対立する。


それ以前に、日本国民に主権など有ったためしは無い。

国政は、地域社会のコネと利権と付き合いとによって選出された政治屋が、国民に福利を還元する事無く、好き勝手の官僚政治に明け暮れて来た。


>これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。


安倍晋三は、「これに反する一切の憲法、法定」を定めようとしている。


歴代首相も、これまでの政治も、それらを唯々諾々と受け入れて来た国民も、何もかもが「偽装国家」であると、言わざるを得ない。



【日本国憲法 第11条】

国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる。




【日本国憲法 第21条】

集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。



【日本国憲法 第99条】

第九十九条[1] 天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。



日本国総理大臣も、国務大臣も、国会議員も、すべて現行憲法を尊重し擁護する義務を負う、のではなかったのか。


独立主権国家とは、文字通り独立した主権を持った国家である。

しかるに、我が日本国は。

ヤルタ協約で勝手に配分された日本の「米国主権」を、実行に移した『サンフランシスコ講和条約』発効の日に、天皇陛下万歳を叫んだ安倍晋三以上の「偽装宰相」があり得ようか。



お上がお上なら、下々も下々。

出て来るは、出て来るは。

社会は「偽物」と「嘘」の大氾濫である。


そもそも、日本人の精神の中に、「産地に依る固有の価値」或は「品種に依る個性」と言う概念は、存在しないのではなかろうか。


かつて、仏農林省の技官で「ワイン担当」であった知人に聞いて驚いた事が有った。

日本が、第一次ワイン・ブームに沸いていた頃の事である。

「日本は、南アやオーストラリア、南米から安いワインをタンカーで輸入して、日本産のワインを<5%>混ぜれば、国産ワイン、と見なされるんだ」

ビックリ仰天こんこんちき。

その後、少しずつ改善されて来ているらしいが、本質は殆ど変わっていないだろう。

ワインに限らず、大げさに言えば、原材料を海外から輸入して日本国内で袋詰めしたら「国産」という発想なのだ。

韓国や台湾で作らせて「大島紬」と名乗って販売する。

ラベルの下に、小さく「韓国産」「台湾産」と書いてある。

奄美大島の島民達が、長い歴史の中で作り上げて来た、大島の染料と泥とを使って染めた大島の糸で、歴史が作り上げて来た伝統の織り方で織り上げるから、大島紬なのである。

その歴史と伝統とが、商品価値なのだ。
高価なのは当然。

その高価な大島紬を、工賃が安いからと外国で作らせて、同じプロセスでおったから『大島紬』と名乗って良い訳が無い。

それを、誰も指摘して来なかった日本社会である。

(※なぜか、うっかり「伊豆大島」と書いてしまって居り、コメントで『くまゆき』さまに、誤りをご指摘して頂きました。有り難うございました。)


ワインが有名だが、その他チーズや塩、オリーブオイルやバター、ボビンレースやタピスリーなど、作り出される産地の特性が商品の個性を際立てる商品に、その商品名が産地の名前で有る事が多い。

シャンパーニュ然り。
シェリー酒もポルト・ワインも、マデラ酒も然り。
トカイ・ワインも然り。
ブリー・チーズ然り。
ゲランドの塩然り。

ぐっと歴史的な高級な物では「ゴブラン織り」然り。


それらの名称は、みな産地名であり、それが「世界規模」での商品価値として、認知されているのだ。

それらの商品名は、よそで同じ様なまがい物の便乗商品を作られたのでは、自分達の商品価値を貶める可能性が有り、本来の商業機会を奪われて利益の一部を失う事にもなる。

フランスでは、それを防ぎ、更に商品価値を高める為に、法律で厳密な管理が為されている。

Apperation ( d'Origin ) Contorolé <アペラシオン(ドリジン)コントローレ)と言い、略して『A.O.C』又は『A.C』、日本語訳で『原産地呼称管理法』と言う。

Originを省略する事もある。

この事は、これまで幾度か拙ブログで書いて来た。

要するに、「シャブリ」で作られる、葡萄の品種や製法、生産量までも厳密に法的に管理され、法的に指定されている土地(シャブリ村とその周辺地域)で生産されている白ワインを「のみ」『シャブリ』という商品名で出荷出来るのだ。

アメリカ人達が、カリフォルニアワインの白を「シャブリ」と未だに呼ぶ事自体が、許せない事なのです。

かってサントリーが、赤玉ポートワインと言う代物を、販売していた、

ドウエロ河の急斜面で栽培された葡萄を使って作った赤ワインを、樽のまま河を下って、河口の「ポルト」と言う街で、伝統的プロセスで熟成された独特の甘みのある赤ワインを、ポルト(ポート・ワイン)と呼ぶのです。

訳の分らない赤ワインに、蜂蜜やら甘味料を加えた物を「ポートワイン」等と名乗って売られたら堪らない、というポルトガル政府の抗議を受けて、サントリーは「赤玉ハニーワイン」と名前を変えた事が有った。

それ程、産地が商品価値を決定付ける賞品は、好き勝手に同じ名前を名乗られてはいけないのです。

未だにロシア政府は、フランス政府の抗議を無視して黒海沿岸のワインで作っているロシア製のブランデーを「コニャック」と名付けているが。

当地フランスは、朝市ですら野菜や果物、魚介など産地の表示が為されている。

フランス産(国産)という場合も有れば、ブルターニュ産、プロヴァンス産など、土地の表示も多い。

魚は「大西洋でつり上げられた」とか「北海産」とか、カナダ産ノルウエー産、はたまた「ブルターニュのオマール(ロブスター)」や、地中海のカタクチイワシ等。

それらの表示は、当然レストランのメニューにも表される。

『リムーザン地方の子羊』と言えばブランドであるし、『シャロレー牛』と有れば、ステーキ用の高級品種である。


近年、日本も同じ様な傾向に有ると、思っていた。

多少は「怪しいもんだ」とも思っていた。

「コシヒカリ」など、収穫量の数百倍もが、流通している。

よくよく読めば、小さく「どこどこ産のコシヒカリ10%」等と表記した、わりと良心的な物も有るが、殆ど正確な中味は分らない。

『魚沼産コシヒカリ』など、確実に実際の収穫量の何千倍もが出回っていると、確信している。

そして何と、実際に殆どが信用出来ないのだと言う事が、図らずも暴露されてしまった。

ついに事は産地名に限らず、日本では固有名詞までも偽装する時代になってしまった。


この自体は、いつにかかって「経済効率優先」の思想が、大きな理由となっているに違いない。

とにかく、何でもかんでも「儲け」の一点張り。

同業他社を蹴落としても、地域の地場産業を駆逐しても、独り利益をだせば良い。

その為に、本社は支店を絞り上げ、支店は現場を絞り上げ、現場は…何をやっても許される、という空気になじんでしまう。

適正利潤など無視。

とにかく、他店より、他社より一円でも安く販売する。

仕入れ価格に、人件費や固定費等の経費をのせた上で、一定率の利潤を加えた数字で販売するのではなく、先に販売価格を決めてしまう。

それに沿って、どのようにすれば商品を作れるか、考える。

大企業なら、下請けを泣かせれば済むが、そうもいかない事もある。

そうすれば、原材料など安いにこした事は無い、と言う結論以外に出口は無い。

勿論、その原材料費には人件費も含まれる。

だから、年金や保険を負担しなくて済み、好きな時に首を切れる「非正規社員」に、ウエートが移行する。

そして「サービス残業」という、意味不明のただ働きを強要する。


更には、安ければ安い方が良い、という消費者の誤った判断も大きく作用する事は間違いない。

同じ商品なら、一円でも安い方を選ぶ。
同じ値段なら、少しでも多い方を選ぶ。
同じ値段で同じ量なら、材料の価値の高い方を選ぶ。


かくして「黒毛和牛」のハンバーグが、この値段ならお得なんじゃない、とか。
「手造りハム」がこの値段なら、とか。

という事になり、提供する方は競争の激化で、何でも有りになってしまうのだ。



昨日発覚した、福久娘酒造の「純米酒」偽装も同じ事。

戦時中のコメ不足の時代に、酒造用米の不足から「醸造アルコール」を添加して三倍の量に増やして仕込む事が奨励された。

それが、所謂「三倍醸造」と言われる酒造りで、ほんの二十年程前までは、それが殆どの日本酒の実態であった。

二級酒も一級酒も、特級酒も、実際の中味は同じだったのだ。

最近の「大吟醸」や「吟醸」さらに「純米酒」とわざわざ謳う酒を造り始めたのは、ごく最近の事である。

その「三倍醸造」に誰も異を挟まなかった所に、日本の特殊生が有る。

作る方も買う方も、おかしいと言う声を上げなかった。

そのような土壌の上に、バブル崩壊以後のデフレ・スパイラル経済下での値下げ競争、そして小泉純一郎と竹中平蔵が持ち込んだ「新自由主義競争原理」による、勝てば官軍という思考形態の、総合的結論が今日の食品偽装である。

これは、当然分っているべき事であって、明るみに出たからと言って正義者ぶって企業を攻め立てるのも、ある意味ではおめでたい話なのだ。



これでは中韓以下ではないか…ホテル百貨店「食材偽装」の惨めさ (産經新聞/11月10日(日)11時15分配信)

>■社会資本としての「信頼」

(前半略)
 社会学などで、「信頼」が社会の大きな資本をなすという考え方がある。筆者なりにおおざっぱにいえば、こういうことだ。
法も道徳もないに等しい地域があるとする。そこには店も工場もあるが、嘘つきや悪漢がごろごろいる。ふつうの住民が外に出れば襲われるかもしれないし、店にたどりついたとしてもまがい物を高額で売られるかもしれない。店にしても、工場から仕入れている商品が本物かどうかわからない。
そういう地域で経済活動が成り立つだろうか。ふつうの住民は買い物など行くまいし、外の住民からの投資も呼び込めないだろう。信頼できない社会では健全な経済が成り立たないということだ。
その具体例を、例えば私たちはいま中国に見ている。昨年のすさまじい反日デモ以降、中国以外に拠点を求める企業の動きが目立っている。実際に嫌がらせなどがあるだけでなく、中国の社会そのものに信頼が置けなくなっているところが大きいだろう。それは当の中国人にしてもしかりなのだ。報じられる共産党幹部の海外での蓄財は、自国の行く末を自ら信頼していないことの表れといってよい。
だが不信がはびこる隣国を、この体たらくの日本が笑えるかどうか。社会の信頼を崩す行いは、ひいてはその国の国益を損ねるといっても過言ではない。一つ一つを挙げないが国難というべき事態を、日本が一丸で乗り越えて行くべきときである。その国の内側で何をやっているのだ、といっておく。
(後半略)
(河村直哉)



嗤わせてくれる。

産経が『社会資本としての「信頼」』等と言う言葉を使うか!?

民主党政権発足以来、一貫して嘘八百の記事を書き散らし、小沢一郎を冤罪で縛り付け、国民の間に政治家としての人格破壊を堂々と行って来た「えせ新聞」が、一体全体「どのペン」でそんな事が書けるのか。

諸費税増税への国民洗脳記事の羅列は何だった。

福島第一原発事故の実態を隠蔽し、無かった事にしてしまう政財官一体の棄民政策の先陣を切り、国民を被爆させ続けるために「絆」だの「食べて応援」だのと言う殺人記事を書き飛ばし垂れ流しているのは、誰なのだ?

TPPの売国性を隠蔽し、国民の富みと社会制度とを米国に売り渡す民自公都霞ヶ関一帯となっての売国政策を推進させる為の、嘘八百記事を書き散らして居るのは、どの新聞だ?

そんな似非マスコミに、「社会資本としての信頼」なんぞというお為ごかしをホザく資格は無い。


産経を筆頭に、朝日読売毎日日経各全国紙、それにNHKをリーダーとする全国キー局テレビの亡国ぶりこそが、『偽装』の最先端である。


高裁、最高裁で違憲判決を受けている、現選挙制度で選ばれた自民党政府自体が、偽装政権である。

その偽装政権に立脚する安倍晋三も、偽装総理である。

なんちゃって総理は、やる事為す事嘘でぬり固められている。

増税の根拠とする「財政赤字」も、霞ヶ関の嘘である。

一般会計の三倍にも及ぶ「特別会計」という、会計監査院の監査を必要としない官僚の使い放題の資金が、山ほど隠されている。

財政赤字の大半である「国債発行残高」は、民間銀行を経由して国民が購入している以上、日本国民は債権者でこそあれ、赤字の責任を負わされる立場には無い。

大企業のみ優先し、国民の医療負担や社会保険の引き下げ等、国民個人に全てを押し付けて、増税分を米国債購入と大企業の法人税引き下げに当てる等、これ以上の偽装が有ろうか。

TPP の嘘は最早手遅れと言って良い所まで、来てしまった。

「聖域は死守する」と騙していた、その聖域とやらは奇麗さっぱり消失する事が既定路線となっている。

最初から、知る人ぞ知る事実であったとは言え、政府は未だに現を弄して騙し続けようと企んでいる。

米国側の日本車への関税は20年後までは撤廃しない、と判明。
米国側の要求の「軽自動車優遇税制」は、TPP調印前に既に撤廃を明言。

一体全体どこまで売国を続ければ気が済むのか。


これもそれも、総ては「偽装権力」による「偽装政治」の辿るべき道筋であった。



その偽装政治の集大成が、原発事故の風化を狙う一連の偽装工作である。

そして、最近の彼等の国民棄民政治の中で、最も許し難い事が起こった。


     
     


今後10年もすれば、今の子供達の周囲では癌が発病する親兄弟が多く現れるだろう。

更に、その子供達当人も、癌に犯される場合が顕著となって来ると思われる。

そして15年、20年と時を経て、白血病や遺伝子奇形を含めて、癌にかかる国民が、明らかに多く存在している事と思われる。

その時に、まだ日本の言う国の制度がが存続しているとして、政府や東電その他関連部署への批判や抗議が殺到するに違いない。

そうなった時、彼等はなんと言うつもりだろうか。

『癌は日本人の国民病です。少しも異常な事では有りません』
『それに、貴方の癌が放射線の影響であると言う、医学的証明はされていません』


一世一代の、国家を挙げての「巨大偽装」の為の布石は、着々と打たれている。

そして、そのころ安倍も石破も、田中俊一も山下俊一も、国民の目に触れる所には既に居ない。


そして、50年後にその時の厚労相が、禿頭を下げるのだろう。

謝罪と国家賠償とは関係有りません、等とうそぶきながら。。。。


儲駆れば、それで良いのだ。

騙してでも、儲ける物が勝者なのだ。

羊の頭の看板に騙されて、狐の肉を喜んで喰っている馬鹿者どもは、負け組なのだ。

世の中は、競争であり、自己責任である。




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『東北楽天ゴールデン・イーグルズ』が日本シリーズを制した。今の日本の縮図の様な出来事であった。

2013-11-03 23:15:44 | 政治と社会
取り敢えず、おめでとう。


ところで。
この出来事は、日本の縮図。

行き止まりの閉塞感と、回復出来る可能性を見いだせない日本社会の、縮図のような「楽天優勝」である。


なぜなら。

格差の拡大に依る社会的対立が、顕著となった日本の、幾多もの対立の全てが、凝縮しているからだ。

中央と地方。
社会的勝者と社会的敗者。
豊かさと貧しさ。
多数と少数。


「東京電力」という社名の通り、東電の本店(本社とは呼ばないアナクロニスム)は、東京にある。

そして、生産拠点である「原子力発電所」は福島を筆頭に地方にある。

3.11以前も、リスクは地方に押し付けられて、収益は東京に集中していた。

福一事故以後、福島県民および東北を中心に東日本は、人の住む事を許さない土地になりかかっている。

現場では、劣悪な環境の元、放射線防護すらおざなりの状態で、中間搾取の結果信じ難い低賃金で、作業員がまさしく「命を賭して」復旧作業に取り組んでいる。

除染は進まず、除染作業の費用は国に払わせてホッかむり。
被災者達の補償は全く人ごとの様に遅らせて、請求額の百分の一も支払わない。

しかるに東京では、社員は相変わらずの高額所得者であり続け、ボーナスまで支給されている。

事故当時の会長と社長とは、億単位の退職金を懐に、シンガポールとハワイとに豪邸を購入しての、豊かな老後を堪能。

挙げ句に、三年ぶりの黒字を計上。


それが可能なのは、前民主党政権とそれに輪をかけた安倍晋三自民党政権の、手厚い「東電保護」政策のおかげなのだ。

イギリス軍の使用するクラスター爆弾の劣化ウランすら、原料は日本で原発で使った各燃料の再生から供給され、三菱だか三井だかで作られている通り、日本は原発稼働を止める気など、毛頭ない。

英米の核戦争サイクルに、しっかり組み込まれて居るのだから。



そのような、米英戦力に組み込んで頂いて来たのが、戦後連綿と続いた自民党政権である。

彼等は、自分の国と自分の国民の平和と発展には、興味は無かった。

勿論、表向きの経済発展は為されて来たが、あくまで「稼ぎを貢ぐ」為であり、そこに如何に巧妙な搾取の構造が仕組まれているか、国民はツンボ桟敷に置かれたままであった。



その、自民党政権を長年支え続けてきたのが、「常識ある平均的日本人」なのだ。

お上の言う通りに行動し、お上の望む様な人生を歩み、お上の望む社会を作り上げる為に踊らされて来た、良識ある国民なのだ。

NHKと朝日新聞が、聖書であった。

そして、娯楽は民放テレビとも読売新聞や毎日新聞が、与えてくれた。

社会の秩序を乱さず、世界に名だたる「平和で安全」な国を作り上げて来たと、自負している「一億総中流」の国民達。

そんな彼等の、アマルガムが「読売ジャイアンツ」だったのだ。


日本は、民主主義国家である。

氏素性に関わらず、才能と努力次第で、未来は平等に開けている。

と、信じ込んでいた、そんな国民のなかの「安定多数」である自民党政権が、読売巨人軍と表裏一体を為して来たのだ。

川上哲治に始まり、長嶋茂雄、王貞治、原辰徳、高橋由伸、阿部慎之助…。

巨人・大鵬・卵焼き。

社会の多数派が、人生の勝者であり、それが良き日本社会の担い手であり、社会秩序であり、社会の規範であった。

その代表が、読売巨人軍。



敵役は、パリーグの日陰の球団。

全盛期の阪急ブレーブスも、巨人軍の敵では無かった。

巨人軍選手は紳士たれ。

他球団の選手は、スポーツしに「関西弁」で見出しに使われる。


言い換えれば、「中央」=「保守」=「勝者」=「秩序」=「巨人」である。

つまり「依らば大樹の陰」=「金太郎飴」=「社会の奴隷」とも言えるかも知れないのであった。

ヤマト族と出雲族。
大和朝廷と熊襲やアヌイ。

朝廷と夷摘。

譜代と外様。



そして今、日本社会が変わりつつ有る。

巨人と阪神とであれば、敵役にもまだ「立つ瀬」がある。

しかし、社会の格差は日本社会には見られなかった「西欧型身分制度」に近づき、勝者と敗者との間に「越えられない」線が引かれてしまった。

日本の労働者の平均所得は、対外的には相変わらず「大企業」の正規社員の数字が使われるが、いまや労働人口の40%弱は「非正規労働者」という、人件費で賄われない、経費扱いの使い捨て部品扱いにされてしまっている。

日経平均株価など、経団連加盟企業の間の数字に過ぎない。
しかも、機関投資家に操られての。

国の大多数の経済活動を担う中小企業は、続々と倒産し、地場産業は消え失せ、地方都市の駅前はシャッター街と成り果てて久しい。

1%のみが潤い、99%は1%を富み栄えさせる為に生き延びさせられている現状に、国民は気がついて来た。


国民全員の平和と発展とを追求するのが政治であると、皆が信じていたが、実はそうでは無かった。


その現実は、有る者達は諦めと共に受け入れさせられ、今日生き延びる為に死にものぐるいを余儀なくされている。

かたや、規制メディアのカラクリに気づいた有る者達は、積極的に正しい情報を探し、それらを共有し、「国民の敵」に成り果てたお上に何とか対抗し始めている。


そんな中で、巨人軍の神話が陰りつつ有る。

地上波テレビで、巨人戦の視聴率は右肩下がりとなり、全試合中継など今は昔。

猫も杓子も東京に憧れていた時代は過ぎ去り、ご当地やふるさとが脚光を浴びると共に、地方球団が「巨人戦」に頼る事無く経営を安定させて、観客動員数を増やしている。

中日ドラゴンズだけ、常勝監督落合を「客を呼べない」という理由で首にして以来、観客がすっかり落ち込んでしまったが。

これとて、アンチ落合は地元財界(変な言葉)で有って、その財界の意向で球団は落合を首にしてしまった。

ところが、真のプロフェッショナルを首にして、過去の人高木守道なんぞを監督にしたばっかりに、「財界の意向、即市民の意向」では無かった事が、実証されてしまった。

この現象は、中央政界と財界とに国民がそっぽを向き始めた傾向と、流れを同じくするのではなかろうか。


消費税増税を強行し、それがもたらす増収分だけ「法人税減税」だと言うのだから、国民もさすがに目が覚めようと言う物だ。

「企業が業績を上げる事が、景気の回復を呼び、雇用の増加につながり、所得が増加する」と、安倍晋三はほざいている。

逆でしょうが。

雇用が安定し、労働者の所得が増えてこそ、消費が拡大し景気は回復するのだ。

これまでの、小泉改悪以後の経済の流れのなかで、一旦「非正規雇用」の旨味を知った企業が、法人税を引き下げてもらったからと言って、正規社員を増やしたり、社員の給料を引き上げたりするものか。

そうした社会格差の増大の中で、皆が皆「与えられた大樹」の陰に集う様な、盲目的行動は最早取らない。

そっちがその気なら、自分達は自分達で自らの生活を防衛する、という意識が目覚めて当然である。


そうするとネットの普及に依る、権力が隠蔽している事実が、多くの耳目を集める様になって来るし、そのような社会的状況に依って権力者が好き勝手に国民の利益に反する政治を行う事には、批判も高まって来る。

当然、権力側は更なる強硬手段に出て来るというスパイラルが、安倍晋三という極めて特殊な首相の登場で、一段と顕著になって来た。

平和憲法の改悪を明言する。

国防軍創設やら、徴兵制まで真面目に話題にする始末。

そして、日本固有の安定した社会制度の根幹を為す、医療保険の国民皆保険制度や、国家安全保障の根底である食料生産基盤などを崩壊させ、米国に本拠を置く国際資本の自由な蚕食を可能にする『TPP』への積極参加。

そのような、一部為政者と高級官僚、及び財界だけの突出した方向付けに対しての反対を押さえ込む為に「特定秘密保護法」やら「共謀罪」やらを、法案化してしまった。

そこには当然、国土と国民の殆どを被曝させている「原発事故」への国民の反対を、抑え込む配慮が含まれる。



皇族まで引き連れて、IOC総会に望んでの安倍晋三と猪瀬直樹との発言である。


『汚染水は完全にコントロール下にある』
『日本の食品は安全です』
『東京は福島から250キロ離れているので、汚染は心配ない』
『東京都の金庫には、厳禁で4千億円がストックされている』

世界中に公然と嘘をついて、金の力を誇示して、五輪を東京に誘致した。


福島から250キロ離れてるから大丈夫!?

福島の近くは危ない、と表明したも同然。

今なお簡易住宅に避難して、自宅にも帰れず、かといってよそへ移住する可能性も摘み取られている、多くの方々を一体全体どうしたいと言うのか。

「東京五輪で震災は復興する」

馬鹿も休み休み言って欲しい。

4千億円の何倍にも膨れ上がるであろう五輪予算は、ゼネコンを中心に東北とは関係ない一部大企業に総て吸収されてしまう。

それらのプロジェクトの配分と差配とで、シロアリ官僚はタップリと潤おう。

『 お・も・て・な・し 』

自分達の階級だけに通じる、おためごかし。


誰が儲かり、誰が生き残り、誰が虐げられ、誰が打ち捨てられるか。

事態は明白だ。


自民党支配はうんざりだ!

先の選挙での、自民党の比例票の結果は、決して自民党の支持の増加は表していない。

それどころか、選挙ごとに下降線を辿っているのが現実である。

もう、旧来の政治はうんざりだ。

その「旧来の政治」を象徴するのが『自民党』である。

そして、あえて<強引に>結びつければ、巨人戦の視聴率の低下と、軌を一にしているのではなかろうか。


「社会の勝者」「中央」「豊かさ」「秩序」「伝統」「安定多数」等が、自民党政治の現れであり、巨人軍のファン層に被って見えてしまうのだ。

「社会の弱者」「地方」「貧しさ」「混迷」「少数派」を代表するのが、原発立地の地方であり、ご当地球団のファンなのでは無かろうか。



東北楽天ゴールデン・イーグルズは、読売巨人軍を倒して、日本一に輝いた。

多くの被災者の居る東北を本拠地として、僅か結成9年目の伝統など持たない地方球団が、伝統と格式とを誇る常勝球団を倒した。

東電の所有になる福島第一原発の存在する福島県の、直ぐに隣接する「宮城県」で。

近代日本を盗み取ったに等しい「薩長連合」が政治も経済も支配する、東京に対して、「賊軍会津」が一太刀浴びせた。

依らば大樹の陰と並んで、日本人気質の一つである「判官びいき」に訴えない訳が無い。

勝てば官軍と、偽の錦の御旗を揚げた長州に対して、京都御所守護にあたった会津が賊軍の汚名を着せられ、藩は全滅させられた。

乾坤一擲。

こんなドラマがあり得るだろうか。

2009年8月30日以来、悔しくも辛い日々を送って来た我々が、4年2ヶ月ぶりに味わう事が出来た、「勝利感」であった。


だがしかし。

マスコミは楽天勝利一辺倒だが、その陰で戦前回帰の独裁政治を目的とした「特定秘密法案」やら「共謀罪」やらが、やすやすと国会審議を行って可決される、目くらましにされる可能性には、十二分に気をつけよう。


11月3日『NHK日曜討論』で「特定秘密法案」への与野党の意見を聞いていた司会者氏曰く。

「秘密を漏らした公務員の罰則が、最高20年と言う量刑はアメリカの法律に合わせたものでしょうが…」

日本の国内法を定めるにあたって、米国法に合わせるって!?
一体全体何を考えて居るのか!!

というより、安倍晋三は日本をアメリカの世界侵略路線の一環に組み込み、自衛隊(やがて改め国防軍)を米軍の楯として前線に送る為に、戦争を可能とする改憲をやる必要に迫られていて、その為にこそ必要な「日本版NSC法」は大元の米国NSC法に準拠させるのは、当然と言えば極めて当然ではある。

しかし、「皆様のNHK」が全国放送で、与野党各党代表うち揃う席で、米国に準じて法案を作る事を前提でしゃべるのか、って話だ。


以前には、自民党にもそれなりの慎みや畏れがあった。

再三「改憲」を言い出しても、実際に時の首相が先頭に立って推進する事をぶち上げたりはしなかった。

出来なかった。

国民をたばかる法案やら、外交交渉でも、これは公然の秘密でもおおっぴらには口にしない、という暗黙の自制が働いていた。

所が、今の安倍晋三と来たら、心臓に剛毛が生えているかの如き、傍若無人ぶりである。


独りでも多くの国民は、安倍政権の求める方向に気がつき、全力で阻止する行動をとらねばならない。

声を上げる。

周囲に伝える。

共に立ち上がる。

やれる事は、何でもやるべきである。



あの「王者巨人軍」ですら、新興の弱小球団に破れた。

あの巨大な先進国「ローマ帝国」の覇権も、五百年しか続かなかった。

その「パックス・ロマーナ」をもじって「パックス・アメリカーナ」と言われた米国に依る世界の独り占めも、半世紀たって揺るぎ始めた。

永久に続く権力は、存在しない。

ましてや、悪は必ず亡びるものだ。


米国に隷属し、国民を巨大資本の隷属させる自民党政権は、倒さなければならない。


その前哨戦として、今回の楽天優勝は、目出たい。


ただ、王者巨人軍を倒した試合は、福島から遠くない土地で、雨中に行われた事は、忘れてはならない。

仙台クリネックス球場は、屋根付きのドームではない。

選手達も、熱狂的に応援して、その勝利にむせび泣いた地元のファン達も、かなりの時間、雨に濡れたのだ。



しかし。

取り敢えず、仙台の皆さん、おめでとう。

東北の皆さん、おめでとう。

全国の、アンチ巨人の皆さん、良かったね!



これからは、アンチ巨人が「官軍」にならなければ、日本は変わらない。

日本は、救えない。。。




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「一筆啓上。火の用心。国民泣かすな、国肥やせ。」<続編> コメントへの疑問。

2013-11-01 22:21:16 | 政治と社会
昨日の『山本太郎に成り代わって、陛下へ差し上げた文』へのコメントを頂いた。


正直に言って、全く何の説得力も感じない。

あいも変わらず、「そうとしか言えないのだろうなあ」という、ご意見であった。


一筆啓上 (よっちゃん)
2013-11-01 11:18:01
「やってはいけない(=やるべきでない)こと」というのは、二つの理由からです。
一つは、日本は国民主権(代議制民主主義)の政体であること
二つは、その裏返しとして、天皇陛下は政治的権能も権力も有しないこと(これを憲法では「象徴」と表しています)

山本議員は「国権の最高機関」たる参議院の一員であり、民意を代表し、権力(立法権)を行使する立場にあります。そのような人が、園遊会という準公的な場で、「象徴」たる天皇陛下に原発問題を訴え出るというのは、どういう意味を持つのか?
勿論、法的には、何の意味もありません。
ですが、政治的にはどうか?

最高機関の一員である山本議員が天皇陛下に訴え出るという形を取ることで、三権の上に天皇陛下が存在するような印象を、国民一般に与えるのではないでしょうか。



そうでしょうかねえ??


まず、日本は「三権合同」で官僚が全てを握っています。
立法府は、官僚の草案に依る法律を、官僚に言われるままに審議して立法します。
行政府は、官僚が全てを取り仕切り、大臣は押印するだけです。
司法は。
言うまでもなく、司法官僚が自分達の都合の良い様に、警察検察裁判所を支配しています。

それは置いて置くとしても、日本の一部の頭が空っぽの右翼氏以外の「まともな」国民は、だれ一人として「三権の上に天皇陛下が存在するような印象」など持ちませんよ。
『天皇は、日本国民の統合の象徴にして…』
誰だって、知ってます。
右翼氏以外は。

それでも、国民に取っての『天皇』の存在は、良きにつけ悪しきにつけ重たい意味を持っています。

「人間天皇」に「人間国会議員」がお手紙を差し上げて、何も悪い事など無い筈です。



ご指摘の政府・官僚の天皇の政治利用は、まさにその通りで、「陛下は三権の上に立つ」という国民一般にまだ広く存在する「誤解」を、意図して政治的に利用しようとするもので言語道断と考えます。
ですが、そのような政府・官僚を批判する立場にある山本議員までが、そのような「誤解」を追認するような行為には出るべきではない…これが、「やってはいけない(=やるべきでない)こと」の意味だと考えます。



そして、「誤解」ではなく様々な意味で重い天皇に、政治権力と官僚組織と財界とが一体となって隠蔽し、無かった事にしようとしている「原発事故の被曝被害の拡大と放置」とを、『重い存在』にぶつける事で、否が応でも国民の面前に「引きずり出した」結果となった今回の出来事は、逆に天皇に「その重みに伴う」政治性を否が応でも提示した、と言うだけの話です。

自分達が、散々行って来た政治利用を「あらためて明示されて」慌てふためく彼等がどれだけ批判しようと、その事実が<やるべきではない事>と断定出来る根拠は何処にも有りません。

仰ってる論旨は、空文に過ぎない。



田中正造翁の立憲君主制時代ならいざ知らず、国民主権の現在にあっては、山本議員は陛下に訴え出るのではなく、国民一般に訴え続ける以外ないはずです。


国民に訴え続けて、彼は国会へと送り出されたのです。

国民一般には十二分に訴えています。
その訴えが届いた人の数が、彼に議席を与えたのです。
しかし、彼の訴えをわざと「国民に届かない様に」画策し続けている規制マスメディアに対抗するには、限界があります。

彼の日本国内での八面六臂の行動は無視され、発言の「一部だけ」を切り取って、彼の名誉を失墜させる為の報道しかして来ない。

そんな中で今回の出来事は、いやが上にも「問題の根本的存在位置」を、思い出させてくれた訳です。

目出たい。



「気持ちはわかるが…」というレベルですらない。そんな気持ちでいるならば議員失格ですし、「使えるものなら何でも使おう」というのならば軽挙妄動以外の何物でもない。
多勢に無勢、色々と追い込まれているのだろうとは推測しますが、もっと堂々とやって欲しい。天皇陛下に園遊会でお手紙…など、筋が通らないだけでなく、正直セコイとしか感じられません。



彼は堂々とやっています。

堂々と、陛下にお手紙をお渡ししました。
気に入らないのは、問題を指摘されては困る側の人達だけです。

一つは、日本は国民主権(代議制民主主義)の政体であること
二つは、その裏返しとして、天皇陛下は政治的権能も権力も有しないこと

国民主権であるからこそ、国会議員は「国民の声」を代表しています。

民主党への落胆と批判が集めた票で安定多数の与党に返り咲いた「安倍自民党政府」が、国民の声を正しく汲み取り、その国民の声を繁栄した政治を行っているでしょうか?

とんでもない。

一般会計の三倍もの「官僚の自由裁量」で使える『特別会計』の事実は隠蔽して、財政赤字の大半は国民が購入している国債発行高であると言う、対外的借金でもなんでも無い財政収支をごまかしての、この時期での不必要な増税。

国の根幹となる社会制度や食料自給を破壊してしまう、米国国民ですらその事実の気がついて反対し始めている「TPP」への盲目的参加への突進と、協定の中味の隠蔽。

対中国戦争と、米国世界侵略の傭兵としての海外派兵を行いたいが為の「集団的自衛権」の曲解解釈、憲法改悪に依る基本的人権の無視と、独裁的恐怖政治を可能にする為の「特定秘密保護法」と「共謀罪」の策定。

何処をどう切り取っても、国民と国家とをどこかに売り飛ばして、自分達だけが栄達に浴せると信じ込んでいるふしのある現政権は、憲法違反も甚だしい面が多すぎます。

憲法で規定されている「政治的権能も権力も有しない」天皇と、この酷薄な原発の事故による国民への仕打ちを、より直接お分りいただきたい我々としては、山本議員のお手紙の上奏は、どこにも「やってはいけない」事である理由が、見つかりません。

もとより、繰り返し被災地を訪れていらっしゃる天皇皇后両陛下は、汚染の状況もご存知のはず。

その上で、ご自分の「非政治性」故にご意見を発せられない事へのお苦しみは、日頃のご様子で十分に察する事が出来ます。

年頭のお言葉で「原発」に関するご心配を述べられても、その部分はカットして報道する現体制にあって、そのような陛下のご心中を慮ってみるに、国民の代議としての一国会議員からの、その種のお手紙は陛下に取って恐らく不満や迷惑どころか、むしろ心強くお感じになられる事と、拝察できます。

もっとも、侍従長が「奪い取った」手紙は、陛下がお読みになる事はあり得ないと思いますが。



Unknown (Unknown)
2013-11-01 18:00:02
彼自身が政治家として天皇に直訴をしたという事自体が政治利用になる。
彼が天皇陛下に渡した手紙にははっきりと彼の身分参議院議員山本太郎と署名がある。
身分を脇に置いて頂いてと山本は言っているが、あの場でであろうと、どの場でであろうと、世界中の誰が見ても手紙を受け取った人物は天皇陛下である。



署名して当然では有りませんか。
貴方の様に「Unknown」で陛下にお手紙差し上げたのであれば、攻められてしかるべきでしょうが。

身分を明かしてのお手紙は、極めて正々堂々としています。

世界中(とまでは、まだ反応が届いていませんが)少なくとも諸外国の反応は、山本議員に極めて明確な支持を、表明し回いる様です。

「天皇に直接お手紙を差し上げる事が可能であった」という、閉鎖的と思われていた日本の皇室も、英国王室と同じ様に開かれた、『民主主義』に則った物であったのか、と。

むしろ日本の名誉を回復したのでは有りませんか?


また、国民主権に逆行するのであればなおさら天皇陛下を象徴の座に留めておくべきである。彼、参議院議員山本太郎が手紙を天皇陛下に渡した行為そのものもそうだが、後の彼の弁明が醜い、政治家としての自覚のない希望に燃えた何も知らない子供の弁明であり、思慮の足りない子供の行為である。明記してないのなら良いではモラルのない世界になる。


この文面からは、「天皇制」を自分の都合の良い様に持って行こうと指定す、政府自民党及び右翼の方々の言う理屈に過ぎないと思われます。

象徴の座に留めておくべき、と言う事と一議員がお手紙を差し上げると言う事との間に、齟齬は認められません。

天皇をアンタッチャブルな存在にしておきたい、「虎の威を借る狐」の台詞です。



Unknown (名無し)
2013-11-01 23:19:48
連日の底の浅い政治パフォーマンスで
一般市民から怒りをかっている
国会議員の山本太郎が、今度は
天皇陛下の園遊会でとんでもない
行為をはたらきました。



あなた方に取っては、悔しくてとんでもない行為なのは、よく分ります。


一部の熱狂的な左翼の支持者からは
「よくやった」とか
「行動するだけマシ」という
山本太郎をかばう意見がありますが、

今回は特にマズイです。



国民がどれだけ被爆しようと、子供達が10年後20年後にどれだけ身体的不調を伴おうと、次世代にどれだけ遺伝子欠落の結果が出て来ようと、半世紀後に日本の人口は半分に減少していようと、「今」莫大な稼ぎをもたらす原発マフィアのシステムを捨てたくない人々の、再稼働やら輸出やらという「鬼畜」の行動から抜けだせない人々に取っては『マズイ』ですよね。

「無かった事にしてしまう」事を主眼として組織的に行われて来ている、政治官僚報道財界のもたらしている社会の結果を、国際的に知らしめてしまったのですから。

マズイですよねえ。



1)園遊会のマナー違反で大変失礼ということ

本人は「園遊会で手紙を渡すことは禁止されていない」と
言い訳にもならないことを逆ギレ気味に言っていましたが、

本来園遊会では天皇陛下から話しかけられないかぎり、
こちらから呼び止めるということすら失礼にあたり、
ましてや手紙を手渡すなど極めて無礼な行為とされます。



陛下は相変わらず神様だったのですか?
「…されます」って貴方がしているのですね?

侍従長が、なんの儀礼的作法も執らずに、その手紙をひったくった事で分る様に、儀礼は「やらせたい側」が「やらせたい相手に」押し付けている、虎の威を借る狐の所行の様に見えますね。



本人は「禁止されていない」と言い張っていますが、
禁止されていないというよりも
「言うまでもないマナーだから言ってない」だけで、
知らない方が非常識なのです



「言うまでもないマナー」と言うのは、極めて相対的な言葉ですね。
貴方に取って「言うまでもない」事が、必ずしも「普遍的」では無い事も有ります。
都教育委員長だった某将棋指しが、陛下に得意げに「総ての教育現場で、日の丸を掲げさせ、君が代を歌わせるのが私の仕事です」と話しかけて、陛下自身にたしなめられた事も有りました。

陛下は、国民が想像したがる以上に、現実的感覚をお持ちの「公平な」方の様ですよ。



今回の「天皇陛下を呼び止めて手紙を渡してはいけない」と
言われてないからやった、という山本太郎の発言は、
「パンツ一丁は禁止されてないからそうした」
と言っているのと同じ。だから「失礼だ」とみんな怒ってるんですね。



もの凄い飛躍に、嗤ってしまいました。



2)法律違反の疑いの強い行為である

請願法という法律に、
「天皇陛下にお願いするときには、
直接訴えず、内閣を通しなさい」
という規定があります。
今回の行為はそれに違反するわけです。



陛下にお手紙を差し上げる事が、「請願」とは断定出来ません。
それに、この規定は「刑法」に元ずく物では無いですよね。

それに、万一間違って「内閣」意外の所に届いた請願は、受け取った側が内閣に送って、改めて受け付ける決りの筈です。

侍従長は、内閣に送付したりせず、やビリ捨てているのでは無いでしょうか。
その場合、宮内庁が規約違反ですね。


山本太郎は国会議員です。
国会議員というのは法律を作る人間です。
その立場の人間がみんなが見ている場で
法律を犯す。これはいかにもマズイ。



そういう風の論旨を持って行きたい側の方々の、常套句の様です。

それに法律を作る側の人間でも、憂国の思いも有れば、棄民されている被爆者児童への苦慮も有ります。

それらの思いを、陛下に表明する事が法律違反などとは、笑止千万。

繰り返しますが、あなた方に取って「マズイ」のですよね。


「知らなかった」と本人はいいますが、
仮にも法律を作るプロである国会議員が、
法律について知らなかったというのは、
自分で「私は国会議員の資格と能力に欠けてます」
と宣言しているのと同じ。
だからみんな議員失格だ!処分だ!と怒っているんです。
請願法に罰則規定は無いので、
「逮捕」などはされませんが、
法律を作る側の人間として
何らかの責任を取れという
声は出てくるでしょう。




まず明確にしなければならない事は、件の手紙が「請願」に当たるのかどうか。
貴方には、判断する基準は無い筈です。

法律を作るプロが法律を知らなかった…だから責任取れって。
面白すぎる。
憲法を知らなかった人間が「総理大臣」をやっているのですが、どうしましょう?

「何らかの責任を取れと言う声が出て来る事でしょう」
実際、貴方から出て来ました。

今回の手紙事件で、困る側からは、沢山出て来る事でしょう。



3)あきらかに天皇陛下の政治利用である

本人は「天皇陛下の政治利用にはあたらない」と
言っていますが、ドラえもんのジャイアンが、
「とったんじゃない。永久に借りているだけだ」と
言い訳しているのと同じレベルです。

言い訳にもなっていません。

「オレは何と言われてもかまわない」と
ヒロイズムに酔った発言をしていますが、
見苦しいのでお止めになった方がよいと思います。



ジャイアン??
これ又、比較の対象にもならない。
批判にもなっていません。

支離滅裂な批判も、見苦しいですよ。


・国会議員という身分だからこそ出席を許された園遊会で、
・国会内でも意見が分かれる原発の問題に関して、
・政治的に中立であるべき「日本国の象徴」である
 天皇陛下を巻き込もうとした
・そしてその問題行為が注目されると、
 マスコミの前で持論を展開した

これが政治利用でなければ、何なのでしょうか。



「主権回復の日」などと称して、日本の米国支配が確立した日に式典を開き、両陛下に「無理矢理」出席して頂いて、『天皇陛下万歳』と沸き返っていたときの、両陛下の顔付きをごらんに成りましたか、

皇后陛下は、これまでみた事も無い怖い顔をされていました。

これなど、総理大臣による「二重」の政治利用ですが。

被爆者を被爆地に縛り付け、まだまだ大勢の仮設住居住まいの被災者がいる中で、事故処理など全く出来ないまま、汚染を垂れ流し続ける現状を捨て置き、巨大利権の為に五輪を誘致するため、皇族をIOC総会に無理矢理お連れして、無理矢理スピーチさせる程の、もの凄い政治利用をやってますが。

自民党政府なら、何をやっても気にならない訳ですね?



4)民主主義に対するテロ行為に等しい

「それは言い過ぎちゃう」と思う方も
あるかもしれませんが、これくらい
ヤバイ行為なんです。だから誰も
今までやらなかったんです。
というのも、現在の天皇陛下は、憲法で
「日本国および日本国民統合の象徴」
ということになっており、
一切の政治的な役割を果たされていません。

これは戦前の軍部が、「天皇陛下」の
名のもとに権力を握り、国を動かして
戦争を始め、日本を滅亡寸前まで
追いやってしまったという、過去の
反省から定められたしくみです。

天皇陛下を政論に巻き込むことで、
天皇が実際の政治に介入する前例を
作ってしまったら、いつの日かまた
軍部のような集団が、日本を
破滅させることになるかもしれない。

だから天皇陛下と政治は完全に
切り離しておこうという、戦後日本の
民主政治を支えてきた根っこの部分を
否定する行為なのです。

それを国会議員がやってしまったのです。

本人は「福島の人たちのために」
良かれと思ってやったのでしょう。

でも、戦前の軍人たちだって、
「国のために」正しいことだと思ってやってました。
その結果がどうなったのか、
皆さん知っていると思います。

だから天皇陛下を政治に巻き込むような
一切の行動は、とってはいけないのです。
戦争の悲劇を繰り返さないために。


今回の山本太郎の行動は、
「天皇陛下を政治に巻き込んで、自分たちの
主張を通せば日本が良くなる」と
信じて二・二六事件を起こした軍人たちと
全く同じ考えから出たものです。

「正しい目的のためならあらゆる手段が正当化される」
というのはテロリストと同じです。
民主主義国家の政治家に許されない考えです。

そんな山本太郎を、これまで戦争を否定してきた
左翼的な人たちが熱烈に支持している、
という構図はなんとも皮肉です。

ましてや、
「山本太郎を辞職に追い込むと
テロが起こるだろう」などと脅している
ツイッターのつぶやきもありますが、
それこそ戦前の軍部や右翼が
政治家を脅し、実際に暗殺して
黙らせていったやり口ではないですか。

自分たちが最も忌み嫌っている
日本のかつての軍部や右翼と
全く同じことをしている恥ずかしさに
気づいて欲しいものです。



長々としたご意見、ご苦労様です。

コメントの長さに比べて、説得力は全く有りません。

テロ?

あなた方への?

上記の長い文章が、それこそ「天皇」を未だにアンタッチャブルにしておかないと困る人々の台詞です。

じつは自分達自身が、その禁を犯している事を知っているからです。

そして、軍国主義を目指した戦前の行為と、安倍晋三が目指している方向とは、全く重なっています。

その為に、ありとあらゆる「皇室の政治利用」をやりながら、その反国民政治への反対勢力には、「政治利用」をやられては困る。

見上げた物です。



5)実際に何度も福島を訪れている天皇陛下に失礼だ

「福島の労働者と子供のことを知ってほしい」と
手紙を渡した、というように山本太郎は言っています。
これは「自分はよく知っているけど、天皇陛下は知らないだろう」
と面と向かってバカにしているのも同然の失礼なことです。


地震が起きた時には、
家族ともども関東地方から逃げ出し、
今でも「ベクレてる」などと言って東日本の食品すら
口にしようとしない山本太郎が、被災地の何を知っているのか。
私には疑問です。

一方天皇陛下は、皇后陛下と共に、何度も被災地を訪れ、
被災された方々と膝をつき合わせてお話をされています。

東日本大震災が発生し、放射能の問題が出た時も、
皇太子殿下や秋篠宮殿下のご一家を避難させる一方で、
ご自身は皇后陛下とともに、東京に残られました。

両陛下の方が、「現場に来」ているのです。

その天皇陛下に対して、地震直後に一目散に逃げ出した
山本太郎が「福島の労働者と子供のことを知ってほしい」
というのは、天皇陛下とか国会議員とかいう
立場を全部抜きにしても、失礼な行為でしょう。

だから「山本太郎が陛下に何を言ってるんだ」と
怒っている人がいるんです。



陛下が現場に何度も足をお運びなのは、誰でも知っています。

それから山本太郎の「揚げ足取り」が、根も葉もないデマを「既成メディア」が垂れ流す、正しくあちらさんの流儀に沿って「危険分子」を潰そうと言うやり口は、小沢一郎の時にうんざりする程見せられて来ました。

世の中には、その手の与太や根拠の無い中傷を、そのまま信じてしまう人々がかなりいます。

その方が、自分に取って都合がいいからに他なりません。

山本議員は、原発事故の事をもの凄く勉強し、実態を把握していますよ。
ご安心下さい。

そして、その中から心の中に植え付けられた苦しみ、哀しみを少しでも解決する為に、あらゆる妨害に負けずに戦っています。

その、心中を陛下と分かち合いたかったのでしょう。

他人が、とやかく言う筋合いの事では有りません。



6)皇室に対する敬意が全く欠けた行為であること

かつて「現人神(あらひとがみ)」として、
人間でありながら神様とされてきた時代とは
ちがいます。日本は民主主義国家です。

しかし、日本国民の中には、今もなお
皇室に対して敬意を払う人がたくさんいます。

そういう人たちにとって、
園遊会のマナーを無視し、
片手でポンと渡すという、
失礼極まりない方法で
手紙を渡した、という行為そのものが
許せないものとして映るでしょう。

入社一ヶ月のサラリーマンですら、
「名刺やモノを渡す時には両手で」と
叩きこまれます。

社会人一年生ですら絶対に
やらないことを、よりにもよって
天皇陛下を相手にやらかした。



山本議員は、90度の最敬礼をしています。

侍従長の方は、一方的に陛下から手紙を取り上げています。

宮内庁の高級官僚ですら、その程度です。

目くじら立てる程のマナー違反でもありますまい。

ましてや、それで議員辞職をせまるなど、彼の行動が本当に危険に感じる人達がいる訳です。

そりゃそうですよね。

「放射能は飲んでも安全」
「除染が済めば帰れる」
「福島の食品を学校給食に積極的に使う」
「給食を拒否したら村八分同然の虐めに合わせる」
「健康診断は殆どやらせない」
「健康診断の正しい結果は本人には伝えない」
「復興予算は、関係ない天下り企業に回す」
「福一の現場作業員は、適切な防護すら取らせない」
「汚染は地下水脈にも太平洋にもダダ漏れ」
「活断層は無理矢理無かった事にする」
「東電は除染費用は払わず、社員にはボーナスを支給し、大幅な黒字を計上」

もっと、かきましょうか?

これらの「ムラ」の人々に取って、隠し通そうとしている事態を、75日経てば何でも忘れる国民の記憶から消しかかっている事態を、世界中に思い出させてしまった訳ですから。



「良識の府」と呼ばれる
参議院に名前を連ねるものが
「良識」と礼儀に欠いた行為をしたのです。

だから怒っている人もいます。




貴方が怒っていらっしゃる。
よく分りました。


ということで、これらの理由で
山本太郎は失礼であると叩かれ、
国会議員としての資格が無い、
辞職しろと言われているのです。

長い話になりましたが、おわかりいただけたでしょうか。

彼よりもまだ、直接福島県に乗り込んで
「食べて応援」を実践してきた他の国会議員の方々の方が、よほど
福島県民の側に立って、地道な活動を
続けていると思います。



大笑い。

「食べて応援」こそ、全国の国民を総被爆させる、悪魔の所行です。

それを、「地道な活動」とは。

再度、大笑い。
そして、悲しくなります。

そこまでして、守らなければならない利権なのか、と。


もちろん東京電力や、当時の民主党政権の
責任は問わねばなりません。

福島県をはじめ、被災地の復興を
加速していかなければなりません。

今の安倍政権が文句なしの
超優良政権だとも思いません。

ただ、今回の山本太郎への批判は、
福島県の人たちや被災地復興の問題とは
関係のないところにあるのです。



一見まことしやかな意見を織り交ぜて、いかにも全部の論を正統な物に見せかける、欺瞞の常套手段で来ましたね。


それに対する山本太郎の「目立ったもん勝ち」
「やったもん勝ち」のスタンドプレーが醜く見え、
世の反感を買っているんです。



山本太郎への批判は、悪事に手を染めている、或は悪事を見て見ぬ振りをしている側の人達が、山本太郎の日頃の活動が正しい事を「深層心理」では分っていながら、悔しかったり、眩しかったり、羨ましかったりする妬み心の、無意識な現れに過ぎません。

もしそうでなければ、批判する人は底抜けに悪人だと言う事になってしまいます。


そこを一緒くたにして、

「山本太郎を叩いているのは、
自分たちの利権を守ろうとしている奴らだ」



間接的にでも、その通りですよ。

一握りの非人間的な人達を、知らず知らずに応援してしまう事に他なりません。

誰が何と言おうと、原発事故は日本の存亡の危機であり、それを隠して原発事業を推進する事は、集団殺人に取り憑かれた悪魔と同じです。

それに反対する事は、正義です。

その心を、陛下と分かち合いたい思いは、誰にも攻める事などで来ません。



「福島県のために山本太郎を支持しよう」

というのは筋違いだということです。
「言ったもん勝ち」みたいな無理を
許していると、それこそ「いつか来た道」
で、

その方が危険です。



そういう風にねじ曲げて批判する事の方が、筋違いだと申し上げておきます。

「声の大きいバカ」の無茶が通る、
戦前のような息苦しい世界が
やってくることになります。



それを、今正に、貴方ご自身が為さっているのです。

皇室の存在を楯に、悪い事は悪いと言う行動を叩き、正義を潰して「いつか来た道」を着々と進んで行こうとしているのは、あなた方の様な批判にならない誹謗中傷をする人達です。


自覚していらっしゃらないなら、余計罪が重いと言わざるを得ません。



それにしても、お説が理論的ではなく、今回の出来事への批判になっていないどころか、むしろ自分達の悪辣さを曝け出す結果になりかねないほど、無意味なご意見です。

お立場が、よく理解出来ました。


しかし、拙ブログをお読み頂いて、コメントまでして頂ける事には、多いに感謝申し上げます。

蛇足ですが、気に入らなければ、お読みいただかない方が、精神的に安らげると思います。

老婆心ながら。。。




山本太郎参議院議員の、唐突な行動は、いかにも稚拙であった。

しかし、その行動を責める資格が有る人間が、今の日本に居るとしたら、それは恐らく陛下ご自身のみである。

そして、陛下は政権の原発事故への対処に不信感を抱いていらっしゃる。

年頭のお言葉を、思い出してみるが良い。





コメント (12)
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