晴れのち曇り、時々パリ

もう、これ以上、黙っていられない! 人が、社会が、日本全体が、壊れかかっている。

ポルトガルの黒と白。大階段が美しい。

2011-10-09 23:37:36 | 心にしみる光景
今週の【フォトの旅】は、久しぶりに<心にしみる光景>シリーズで、ポルトガルの『大階段』をお届けしよう。



   
   ボン・ジェジュの大階段



ポルトガル北部の建造物は、白壁に隅石のコントラストが美しい。

首都リスボンから、北へ230キロほどで、北の主邑ポルト。
そこから更に北東へ55キロで、旧都ブラーガに至る。

古代ローマ時代から栄えた街で、ポルトガル王室最初の領地の一つでもある。


     
     旧城門

この街の大司教は、ポルトガルの中でも上位に置かれ、宗教都市としても名高い。
16世紀には、大司教ドン・ディオゴ・ド・ソウサが資金をつぎ込んで、街を教会と宮殿と、十字架の街に作り替えた。


     
     ローマ時代の出土品



そのブラーがから、東へ5~6キロほど行くと、名高い『ボン・ジェジュ・ド・モンテ(善きイエスの大階段)』が有る。


小高い山の麓に、上り道への入り口の門が有り、山道とケーブルカーとで頂上に向かう事が出来る。


     
     山門

登りはケーブルカー、下りに階段を下りて来る事をお勧めする。
何しろ、この階段こそがシンボリックな存在なのだ。


     
     ケーブルカー


頂上には、「善きイエス教会」がそびえる。

聖週間(イエスが処刑される金曜日を含む週)には、重い十字架を背負いゴルゴダの丘に登るイエスを追体験する「道行き」が行われ、溢れんばかりの信者達が、十字架を担いで登る年男に続いて、膝でにじり登って行く。



     
     ボン・ジェジュ・ド・モンテ教会


教会の前のテラスからは、遥かブラーがまで見通せるパノラマが開ける。
標高116メートル。


     
     テラスからの眺め


そして、このテラスから『大階段』が始まる。
18世紀ポルトガル「ネオ・クラッシック様式」の傑作と、評価されている。


     
     テラスの左右から階段が始まる

左右の手すりの位置に、水が止めどなく流れる溝が掘られている。


     
     階段途中の、水が螺旋状に流れ下るポール


左右対称系につづれ織りで階段が続く。
手すりや壁の、要所要所に様々な彫刻が林立する。


     
     途中で振り仰ぎ見た階段


左右に切り返す踊り場の各所に、小さな噴水やら、花壇で飾られた小公園がある。


     
     途中の踊り場の壁万の噴水


     
     踊り場の一角の鉄細工の門


下るに連れて、階段の大掛かりな事が分って来る。
振り仰げば、そこは異次元の世界の様な美しさが、多いかぶさる様に背後にそびえている。


     
     左右見事な対称形の白と黒のコントラストが美しい


ちょうど訪れた当日、頂上のボン・ジェジュ教会で結婚式が行われていた。


     
     父親にエスコートされてヴァージン・ロードを行く花嫁



このような教会は、ここブラーガだけと言う訳では無く、全国に幾つか存在している。

例えば、ブラーがから南西に60キロ、ポルとからだと東に60キロに位置するヴィラ・レアルの街にも、ほぼ同じ規模の大階段を持つ教会が有る。


     
     サン・ペドロ教会


     
     教会前のテラス


     
     大階段


ここは、ボン・ジェジュほど保存状態は良く無く、かなり風化していて、しかも階段は白壁では無くなっているが、構造は瓜二つであった。


頂上の教会の傍らに、齢千数百年を経たオリーブの古木が有る。
日本風に言えば、さしずめ『御神木』でも言うべきか。


     
     オリーブの古木



この辺りは、このような「建造物の角と窓枠や門の縁取り」に石積みでアクセントを付けた、白壁の教会やお城が多い。

その中でも、『マテウス』が特に名高い。

これは、ヴィラ・レアルの街の伯爵が建てた「館」で、村の<ロゼ・ワイン>と共に、良く知れ渡っている。



   
   マテウス館の正面全景



とくに、池にその姿を映した全景が、ことのほか素晴らしい。


     
     館の中庭


この館は、見事な庭園も楽しめる。


どうでしょうか。
ポルトガルは、素敵ですよ。






コメント (4)
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