晴れのち曇り、時々パリ

もう、これ以上、黙っていられない! 人が、社会が、日本全体が、壊れかかっている。

難民が津波のようにやってくる。人道主義も博愛の精神も、現実には無力。では…?

2015-09-08 22:26:39 | 国際関係
難民の流れは止まらない。


早9月となり、ヨーロッパの秋はあっという間に過ぎ去って、長い冬を呼ぶ。

秋から冬にかけて、地中海は荒れる事が多い。
そして、冬のヨーロッパは決して快適とは言えない環境となる。

中東や北アフリカの難民たちは、そうなる前にヨーロッパにたどり着きたい。

老朽船にすし詰め状態で海を渡るには、秋や、まして冬ではあまりにもリスクが大きすぎる。

冬の到来とともに、彼らが向かう西欧までの長く危険な道中に、野宿は無理だ。


ドイツには、今年一年間で80万人もの難民が到着すると、見込まれている。

そのドイツは、その他のヨーロッパ諸国に比べて経済状態に恵まれている。

その分、移民や難民に対する感覚も、他に比べて優しかった。

しかし、物事には限度とうものがある。

すでに、極右の台頭が見られる中にあって、難民収容施設を襲撃する事件が頻発した。

ただ、その反動で市民の間で「難民受け入れ」に積極的に取り組むべきだという社会運動が起こり、反「難民排斥」デモが各地で起こり、当然のようにフランスにも波及している。


しかし。


今現在でドイツが受け入れる難民は、その全員をドイツに定着してもらうわけではなく、EU各国に分散する意向である。

そして、先般EU委員会が提案し各国が拒否した、各国の受け入れ割り当て数を上回る数で協調するべきだと、本日8日メルケル首相が発言。

当然各国は困惑している。

イギリスとフランスもそれぞれ24000人ずつ受け入れると発表したが、一日経って本日には2万人ずつとトーンダウン。


何しろ、難民受け入れ(移民政策)は、政権にとって命取りななるほど微妙な問題なのである。


同じEU加盟国といっても、西欧と旧東欧諸国とでは、国の経済基盤に差がありすぎる。

それの解消に、EU予算から新加盟国に多額のインフラ整備予算が回せれており、その事にドイツとイギリスとが殊の外不満を持っていた。

「自分たちの稼ぎが自分たちに反映せず、自分たちの稼ぎでなんで彼らを豊かにしてやらなければならないのか」
というわけだ。

その事が、近年のイギリスをしてEU脱退を視野に入れる発言を繰り返させてきた。

その事がギリシア危機に際して、ギリシア支援をドイツの不人情なまでの反発を生んでいた。

旧東欧諸国は、EU加盟で潤いインフラの整備を可能とし、工業化の前進をみて、低賃金を武器に西欧諸国の経済にダメージを与えてきた。

その彼らは、難民は受け入れたくない。
「自分たちの経済力では不可能」だという。


つまりアッチもコッチも、都合のいい時だけEUを利用し、都合の悪いことは国家主義を前面に出してしまう。


しかも、ここ1年急速に増えてきた「ボートピープル」は、それぞれの国では中産階級なのだ。

25万円から450万円とも言われる途方もない「乗船料」を払えた人たちなのだ。

彼らは「家も家具も全て売り払って手数料に当てた。もう着の身着のまま」と言いつつ、先進国での豊かな生活を夢見て、西欧へ西欧へと向かう。


そして、すでにドイツやフランス、イギリスなどで難民認定を受け、住居の提供と生活支援金を得た難民たちが、FBやツイッターなどのSNSで新生活を自慢しているから、始末におえない。

当然、皆が皆同じように豊かに暮らせると信じ込んでやって来る。


だがしかし。


ドイツが受け入れに寛容なのは、あくまで「労働力」としてであり、中産階級の生活を保証するためではない。

そこにギャップが生まれる。

故国で中産階級であった難民たちは、新天地でもその国の中産階級の暮らしがしたい。

若者たちは大学に行って、良い暮らしをしたいと言う。

しかし、受け入れ側はそこまでの環境を提供するつもりはない。

階級社会の西欧で、労働力というのは、あくまで中産階級ではない。


さらに、西欧は「キリスト教」の文化圏である。

キリスト教の「博愛精神」で、難民を受け入れよう、親切にしよう、と訴えてはいても、現実の社会の中では市民たちは「イスラム」にうんざりしているのだ。

前の記事にも書いた通りだが、西欧各国でイスラム教徒は問題の種でこそあれ、歓迎するべきメリットは何もない。

これまでに移民して住んでいる彼らは、故国では低階層の出身者であることが多く、学歴や教養も乏しかった。
そして、生活習慣の違いと宗教への非寛容が西欧社会との軋轢を生み出し、差別意識の対象となってしまい、社会の上層部に入っていけるチャンスは生まれない。

教育水準は恵まれない中で低水準に留まり続け、職業も一般労働者かそれ以下で甘んじるしかない。

もともと階級社会の西欧では、その階級差は埋められることはなく、不利な環境で益々差が開いていくだけ。

犯罪の多くは彼ら移民のせいにされ、偏見はさらに強まり、真面目に生きようとする若者たちまで締め出されて非行化にはまって行く、負の循環に陥っている。

彼らが、故国を捨てて移民してきて、西欧諸国で暮らしていく決心をした以上、その国の国民になりきってしまうのなら、まだ問題は少ないのだろうが、彼らは決して宗教は捨てないし、それに伴う生活文化も替え用としない。

そうすると、失業者も多く生活支援金の給付の恩恵を受ける彼らの数の多さに、各国の極右の人々は排斥行動に走るようになる。

全く、負の連鎖は断ち切れないのだ。


確かに、難民認定を受けられれば、住居は提供され生活支援金はドイツの場合2千ユーロほど、フランスでも1600ユーロほど支払われる。
子沢山の彼らには、児童手当も給付されるので、6人も子供がいれが親は働かなくても暮らしていける、と地元住民は不快感を隠さない。

このような難民と地元住民との軋轢は、国家間の軋轢とも連動してしまうのだ。


オランダは、昨今政権交代がなされ、それまでの社会民主勢力から「中道右派」へと変わった。

そのオランダ政府は、難民を歓迎しない方針を決定し、実際に宣伝活動を始めている。

そのことで、自国のリベラル側の政治家たちからも批判を受け、EU諸国からも反発を受けかかっているが、しかしたった560万人しか人口のない小国で、昨年は15千人の難民を受け入れ、今年は半年でその数字に達してしまった。

現実問題として、もっと沢山受け入れろと、批判するのは現実的ではないのではなかろうか。

彼らなりに、十分努力してきた結果の決断なのだから。


フランスは、もっと深刻である。

社会党の大統領フランソワ・オーランドは、政権交代をなし遂げたものの、支持層の国民たちが期待した政策は何も行えず、失業はさらに増え、税金は上がり、格差は広がる一方。

すでに統一地方選挙では、大敗を喫してしまっている。

ただでさえ、極右政党の支持率が急速に伸びてきて、いまや一般政党並みの扱いである。

まさしく「大阪維新」や「次世代の党」の様に、あまり疑問を抱かれずにそれなりの地位を獲得してしまっている。


その状況にあって、兼ねてより最も大きな社会問題であった移民問題に、これ以上火をつけたくない。

しかし、「自由」と「平等」と「博愛」とを国是とする以上、今夏に悲惨な難民問題に、扉を閉ざすことはできない。

大変微妙な綱渡りを強いられている現状である。


世界中で涙を誘った、あのシリア人の幼児の難破事故の犠牲写真のおかげで、今のところ一気に難民に優しい空気が生まれているとはいうものの、それはあくまで一過性の風にすぎない。


これから、最終引き受け国の割り振り、受け入れ国への一体化への行政支援、教育や医療問題や、具体的な問題は山ほどあり、それらにかかる予算額は天文学的な数字に登る。

ドイツ一国で、難民支援の資金は1兆ユーロに達する見込みだと、いわれている。

ただでさえ、ドイツ以外の各国は財政赤字に悩み、EU加盟国としての条件を満たすことすら実質的に不可能になりかかっている現在、自分たちに関係ない膨大な支出にどこまで耐えられるのか。

ギリシャ危機を見ていれば、理解できるというものである。


さらに言えば、それらの問題は枝葉であって、本質には触れていないのだ。

いくら西欧側が拒否しようと、門戸を閉ざそうと、難民たちの流入は止められない。

なぜならば、西欧と難民発生国との生活の格差は大きく、人は常に豊かな生活を求める。

それでも、自分の国が安定していれば、誰も好き好んで祖国を捨てて難民になろうなどとは思わないものだ。

先祖代々の生活の拠点である祖国が荒廃し、戦闘に明け暮れ生死の境をさまよう日々を送らされていると、自分と家族の生命が脅かされる事態に遭遇した時、人は自らとその家族とを守るためには、祖国も捨てる決意をする。


中東各地の紛争は、石油の利権をめぐってのアメリカと西欧と地元との戦いであって、西欧に与する支配者が国民に圧政をしき、それに対する反乱が起こると、政権を守るためにアメリカ及び西欧が干渉する。

それの繰り返しであった。

圧政者や独裁者にどう対処するかは、それぞれの国民の権利と義務であり、外国が干渉したり、ましてや武力行使で転覆させたりしてはならないものなのだ。

それを、石油利権があるゆえにアメリカは常にやってはならないことをやり続けてきた。

反政府勢力に武器を提供し、その反政府勢力の支援として「アルカイダ」や「IS」を造り、それらが三つ巴、四つ巴となって収集のつかない事態を作り出してきた。

学習することなく、同じことをアフリカで、中南米で、中東で、繰り返して来た。

親西欧勢力を維持するために資金を提供し、武器を提供し、その勢力がコントロールできなくなると反政府勢力を作り上げ、それらに資金と武器とを提供し…。

地元の一般市民にとっては、甚だ迷惑なことだ。

結果として、一般の住民として命の危険にさらされ、国を脱出することとなる。


誰が責任を取るべきか。

どういうやり方で責任が取れるのか。


難民を生み出す国々は、その存在すら不確かになってきた。

難民が殺到する西欧諸国は、その受け入れによってその経済基盤と社会基盤とが、より不安定になってゆく。

これは、下手するとEUの崩壊にも繋がりかねない重大な要因である。

しかし。

「必死で手を伸ばして助けを求めている人たちがいる以上、その手を振り払うことはできない」



ところで、数ヶ月も更新しなかったしがないブログも監視している人たちがいるのか、先日更新した途端にコメントが送られてきた。

全く意味不明の「ネトウヨ語」で幼稚な内容で。

私は自分ではリベラルの範疇に居るつもりである。

その私のブログやツイートに絡んでくるネトウヨ諸君の文言を見るにつれ、彼らの幼稚さ、頭の悪さを痛感する次第である。

もっとも、バカのふりをして馬鹿なコメント送りつけるのが仕事の人たちなのかも知れないが。

それならそれで、ご苦労さん。


日本はと言えば、少子化の極みである。
何しろ男女二人の間に生まれる子供の数が一人半にも満たないのだからに世代後には弱小国にならざるを得ない。

まあ、それでも社会が熟成していれば、別に輸出額が半減しようが、GDPが半減しようが、人口も減るのであれば食っていけるだろうし、高度な文化を紡いでゆくことは可能だろう。

しかし日本の官僚やら政治家やらは、あくまで「世界の先進国」という幻想を捨てられない。

大企業は絶対「世界規模」で商売をし続け、国家経済は世界の基準の一つであり続けなければならないと、思い込んでいる。

それなのに。
実質的に核爆発を起こした原発の処理は何もできず。
全国に汚染食品を流通させ。
現地の自治体には強制的に住民を帰還させ。
除染というごまかしの移染で除去した汚染土を、建築資材や農土に再利用し様と企み。
住民の健康診断はおろそかに、必要な医療対策は取らず。
低所得層を直撃する消費税は増税し。
大企業の法人税は下げ続け。
正規労働者の環境をどんどん少なくして非正規化に突き進み。
その派遣労働法を改悪して派遣社員の雇い止めを引き起こさせ。
貧困層を大量に生み出しながら、社会保障は削りに削り。
国民に番号をつけてm納税のみならず財政状態から健康状態まで国家管理をしようとし。
政府は好き勝手なことが出来て、内容は秘密法で隠し。
その秘密法で国民監視を行い。
TPPで、国の伝統的社会経済の環境を破壊して外国に献金し。
戦争放棄の憲法を無視してアメリカの肩代わりで自衛隊を派遣し。
政権に対する批判を封じるための報道規制を行い。
自民党と公明党の政治家と霞ヶ関官僚だけ、特権階級で日本を支配する。


さて国民はどうなるでしょう。

ネトウヨ諸君はお分かりにならないが、国民の生活は破綻し、国民自体の存在が危ぶまれることとなる。


そこで。

偏差値秀才の霞ヶ関は、東南アジアから移民を導入して、安価な労働力を確保しようと考えているらしい。

馬鹿め。

東南アジアだって、いつまでも発展途上のままではない。
すぐにでも、日本に追いつき追い越す。

シンガポールなどはすでに日本を追い越している。


ねえねえ、官僚さん達。
どうする気?

目と耳と口を持たない働き蟻国民が、どんどんいなくなっちゃうよ。


どうせ移民で人口維持を図るんなら。

今決めろよ。
難民の相当数を受け入れなさい。

日本の情けない国情を包み隠さずお話しして、こんな政治的三流国でもよろしければ、生活は保障いたします。
ご姉弟の教育もちゃんとやって差し上げます。
田舎の日本人は親切です。

日本人になって、日本社会に溶け込んで、日本の明日の為にお力をお貸しください。

納得していただければ、生活には困らない様にいたします。
生来の日本国民と、一切の差別はいたしません。

どうか、お越しください。
この美しい国へ。

しかもだ。

本来、一番被害にあってるはずの、シリアやイラクやエジップトの田舎の農民達。

脱出する為の経費を賄えないで、ISやアルカイダやシリア政府軍や、米軍や英仏軍の攻撃に晒されている人たち。

イスラエルの人でなしの暴挙に、家を壊され土地を奪われ、家畜を殺されオリーブ畑を焼かれているパレスティなの人々。

そんな人たちこそが、安住の地と平和な生活とを最も必要としている、そんな人たちにこそ、呼びかけてご覧んよ。



大々的に宣伝してご覧。

君たち官僚と自民党が渇望する「世界中の尊敬」を、一身に勝ち取ることができるよ。


国民から搾り取ることだけが、エリートの役割ではございません。
一度くらい、オツムを使ってみることをご提案いたします。







コメント (8)
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未曾有の数の難民が押し寄せる欧州。原因を作った米国は何もしない、ならば日本にこそやれる事がある…。

2015-09-06 21:53:55 | 国際関係
世界が壊れかかっている。



平和に暮らしていた土地に住めなくなり、平和な暮らしを営む権利を破壊され、着の身着のまま命からがら逃げ出して、とにかく生きてゆく希望を託せる新天地を求めて、中東や北アフリカ、ひいてはミャンマーなどから人々が続々と脱出している。


ここ数年、密航斡旋業者になけなしの資金を支払い、小さな老朽船に乗り切れないほど満載状態で地中海を渡ろうとしている。

イタリアやギリシャの沿岸警備隊を避けつつ、沈没しそうなギリギリの状態で、ヨーロッパでの新生活を求めて。

藁をもすがるような思いで。



そしてここ十日ほど、シリアを中心とした、ギリシャへたどり着いた難民たちがハンガリー、オーストリアと各国境で足止めを食い、困難を極めながらドイツを目指している。

ドイツは、欧州の中で最も経済的に安定した国というイメージと、移民にも寛容な国家だというイメージとに惹かれて。



何が起こっているのか。

状況は、ヴェトナム戦争末期と酷似している。

国家が崩壊し、それまでの身分が奪われ、土地や家が奪われ破壊され、あるいは体制の変化による迫害や弾圧、奴隷化などの現実を前に生きながらえる事を求めて脱出する。

自分が生まれ育った土地、国、民族を捨てて立ち去るという事は、大変なストレスと勇気と、止むに止まれぬ切迫感と、救い難い恐怖感とが綾なす異様な精神環境が作り出す。

皆が皆、必死である。

イラクの陥落とアルカイダの勃興以来、あるいはもっと遡って、トルコによるクルド人の迫害や、ユーゴスラヴィア分裂による、イスラム教徒コソボ人たちへのキススト教徒セルビア人によるジェノサイド、あるいはその逆のパターンなど、祖国を故郷を捨てて逃げ出す人々の数が膨れ上がってきた。

そして、ISの伸張とシリアやイラクの荒廃、アルカイダ系「ポコ・ハラム」によるナイジェリアとマリ北部の暴政、などなど人々から生活を奪う環境は枚挙にいとまがない有様となった。


シリアとイラク、およびヨルダンやソマリア、はたまたエジプトから逃げ出してきた人々は、ブローカーになけなしのお金を巻き上げられて小舟に満載状態でギリシア沿岸を目指す。

リビアやニジェール、マリ、ナイジェリアなどからの難民はイタリア沿岸目指して地獄の船出をする。

『ヨーロッパに行けさえすれば、住む家も仕事も見つかり、豊かな生活ができる』と、根拠のない夢を抱いて。


国際移民機構(IOM)の調査によると、今年に入っての1月から8月までの間におよそ35万人が、欧州沿岸にたどり着いた。

あたかも、オイルサーディンのようにすし詰め状態の老朽小型船に詰め込まれて。

悪徳業者の悪計に引っかかって、途中で船ごと沈められたり、船倉の中で酸欠になったり、鈴なりの甲板から海中に落下したりして、夢の途中で命を落とした人の数は膨大な数に及ぶだろう。

確認された(遺体が見つかった)死者は、2643人に上る。

そして、その何倍もの人が地中海の藻屑と消えたはずだ。


たどり着けた人々も、そこから先が大変。


ここ数年、イタリアは漂着難民を救助はするものの、そのままイタリア国内にとどまる事は許さず、入国許可だけ与えて、列車でフランスへと送り出し続けた。

EU域内のシェンゲン条約締結国は、一切の出入国管理がないので、パスポートを持っていようがいまいが越境できる以上、イタリアのヴィザを持っている限り仏伊国境駅での強制退去を求めるわけには行かず、両国政府間でかなりのトラブルとなっていた。

多くの難民たちは英語圏であるイギリスを目指して、英仏海峡を目指した。

英仏海峡の狭隘部カレーという港町には、ホームレスのように難民たちが公園や空き地を占拠し地元住民との間のトラブルは日常茶飯事となった。

陸送トラックに潜り込み、シャシーの下に潜んでイギリスを目指して国境警察に逮捕されてきた。

カレーの市民は炊き出しなどで応援していたが、きりがなくて下火となってゆく。

つい最近も、彼らは英仏海底トンネル(鉄道トンネル)を35キロ歩いて潜り、イギリス側の出口で「列車往来危険罪」で大量逮捕されたばかりである。

もっとも、この罪名による起訴に対しては英国司法は無罪判決を出したが、不法入国への法的対処はこれからである。


今年6月にEU委員会(内閣に相当)は、加盟各国に難民受け入れの数を設定して加盟各国に打診している。

全移民希望者数の22%をドイツが、18,88%をフランスが受け入れるべきというような数字であり、各国の利害が錯綜してまだ正式に決定していない。

フランスは受け入れに前向きな姿勢を示していたが、ドイツとイギリスとは難色を示し、その他の中小各国も甚だ消極的であった。

特にドイツは、その「寛容なイメージ」とは裏腹に、以外と冷たい反応であった。

これらの難民たちを収容する施設を、ドイツ各地で襲撃する出来事が相次いだ。






そして。

今回の、トルコ海岸に打ち寄せられた小児の写真が世界を駆け巡り、この大量難民問題が一挙に世界の注目を集めることとなった。

EUに加盟してEU政策の美味しいところだけを享受し、EU共通政策は採用しないことから批判を受けていたイギリスも、キャメロン首相が受け入れを表明。

ドイツも「必死で差し出されている手を、握ることを拒否することはできない」と、封鎖していた国境の解放を宣言。

8月30日から31日前の一晩で、国境の反対側ハンガリーとオーストリアから2200名の難民申請が寄せられ、9月4日で1万人がベルリンに到着した。

やっとの思いで、ミュンヘンに、ベルリンにたどり着いた難民たちは、一様に晴れやかな表情で喜びを隠そうとしない。

「国では悲惨だった。ここで自分と家族とにより良い生活をさせてやりたい。」

「大学に通いたい。学問を身につけて良い職に就きたい」

難民や移民たちは、常に同じ事を口にする。


だがしかし。

物事は、それほど簡単ではないのだ。

ドイツにたどり着いた人々は、これからも続々とドイツを目指すであろう人々は、ドイツ政府に『難民申請』を行わなければならない。

しかも、今回ドイツが受け入れた難民たちは、全員をドイツで受け入れるわけではないのだ。

ドイツ政府は、難民として認められると、ドイツ以外にもフランスやイギリス、スペインやイタリア、その他EU各国にそれぞれ受け入れを割り当てる、と言っている。

各国での調整がなされていないにもかかわらず。


そのほか、イギリスを目指す人々、フランスを安住の地にしたい人々、スエーデンを目指す人々が、続々と続いている。


そして。

受け入れ国が決まったとしても、そこから「夢見ていた」幸せな暮らしが待っているわけでもない。

住宅は割り当てられるだろう。
そう信じたい。

当座の生活費も支給されるかもしれない。

しかし、それが永久に続くわけではないからだ。

言ってみれば、311以後の避難住宅で暮らす人々の事を考えてみれば、少しは理解できるかもしれない。

入居期間が、多かれ少なかれ決められている。

保障は一定期間が過ぎると打ち切る、と東電はほざいている。

職はなく、近くに友人もおらず、ただ与えられた援助が続く事を祈るばかり…。


ヨーロッパは、移民問題が最大の社会問題と言っても過言ではない。

20世紀前半までに西欧各国が所有していた植民地が、先の大戦ノアと次々と独立した。

独立は果たしたものの、経済基盤は脆弱で皆が食っていく事は不可能であった。

必然的に、旧宗主国に移民として移り住んで行った。

イギリスにはインドやパキスタン、東ャフリカ諸国、ドイツにはトルコ、フランスには北アフリカのマグレブ諸国と西アフリカ各国から。

大戦後の経済復興期に、彼ら移民たちが大いに重宝されて、いわゆる3K職業に携わった。

そして、右肩上がりの経済成長は歴史となってしまって以後、その移民たちの2世3世が社会のバッシングの対象となってしまう。

彼らはそれぞれの移民国の国籍を持ち、1世の代からそこの国民と同じ様に税金を払い、社会保障の負担金を払ってきたにもかかわらず、一度不況の世の到来で、子沢山の移民たちが児童手当で豊かに暮らしているとか、社会保障の恩恵を享受して、その負担だけを元来の国民が負わされているとか。

社会的な「新たな階級闘争」を生んできた。

極右政党は「移民排斥」を唱えてかなりの指示を集め、一般政党と同等の扱いを受ける様にすらなってきた。


そんな中で、移民とその次世代の置かれた立場は、非常にき弱なものである。

不況と共に、彼らの失業率が倍増し、もともと生活基盤が弱い彼らには、子弟に高等教育を授けることを可能とせず、それがさらに失業率を押し上げる。
当然やることもない若者たちは、群れて悪さを行い、彼らが多く住む一帯はスラム化して、さらに嫌われる様になってゆく。

その移民たちも、多くはアフリカ人やアラブ人、あるいはアジア人であり、もともと人種的に差別を受けやすかったところへ、彼らへの偏見が市民の対立軸にまで発展し、宗教的対立軸にすら及んでしまった。


シリアやイラク、ヨルダンやエジプト、スーダンやソマリア、アルジェリアやモロッコ、コート・ジヴォワールやチャド、トルコやアルメニア、インドやアフガニスタン…。

ヨーロッパ社会で、これらの国籍を持っていた人々は、ありていに言えば二級市民扱いであり、教育機会も就職機会も最初からハンデを負い、生活水準が高いとは決して言えない環境にあって、それでも移民先の国に溶け込んで、そこの国民と一体化できる様に苦労を続けて生きている。


そんな背景にあって、ジャスミン革命以降のそれまでの社会の枠組みが壊され、非情な力が一般市民たちを弾圧する様な中で、新たなボートピープルが押し寄せてきた。

「豊かな生活」
「高い教育」
「自由な環境」

いずれも、相当なチャンスに恵まれないと、本人たちの才能と意欲だけでは、得ることが難しいのではないかと思われる。


パリの教会で、神父たちが「移民を受け入れ、助け合って生きていこう」と土日のミサで呼びかけた。

カトリックではは神父の言葉はイエスの言葉。

ミサの際の神父の説話のあとでは、信者たちの多くは十字を切る。

ところが、今回の「移民を受け入れよう」という説話のあとは、十字を切った信者は非常に少なかった、と聞いた。

やはり、社会は移民を嫌っている。

社会の混乱の、環境の悪化の、原因が移民だと思っている市民は多い。



そして。

今、あの悲惨な子供の死が原因で、社会の反応は一気に前向きになっている。

しかし、これはあくまで一過性のことであると思う。


もともと、なぜこの様な事態が出来したかといえば、民族間の対立の激化、宗教間の対立の激化から、生活環境が破壊せれているからであるが、さかのぼって考えれば、戦争立国アメリカが原因を作り出してきたことは、否定できない。

難民になった人々は、そのアメリカの世界戦力の犠牲である以上、嫌っている、むしろ憎悪しているアメリカに移民しようとは思わないだろう。

アメリカ側が、本当に好条件で積極的に受け入れる機会を、真摯に提供しない限りは。


EUには、今後もとどまることを知らないであろう難民の群れを受け入れる余地は、殆どない。

当初は人道的立場で受け入れるだろうが、あのドイツですら今回の国境開放は、今回だけの人道的措置である、と宣言している。


世界の環境、国家の概念と国境とが急速に壊れ、変化している今、誰が何を出来るのか。



そう考えるとき、日本の現状と将来とを考えざるを得ないのだ。

日本は少子高齢化の傾向は、変えられない流れである。

地方は過疎化に悩み、廃村が多く見られ、税収には限りがあって社会保障の基金は減ることは確かで、増えることは考えられない。

国家としての活力は、どんどん衰退してゆくことは確実である。
若い世代の数が減り、特定のきつい仕事につく人がどんどん減っている。

結果として官僚が考えることは、全く実効性がない、大企業にとってのみ有益な経費が少なくて済む安易な方法を探してしまう。

実際に看護師や、介護士など負担は大きくその割に見返りの少ない業種は、アジアから受け入れる試みを続けている。

直近の問題として、多くが歓迎していない2020年の東京五輪の、くだんの新国立競技場建設の作業員も、アジアから供給しようという声すら聞いた。

なんで、そんんなバカなことしか考え付かないのか。

土地や家を失って、生活の基盤を失って、祖国を失って逃げ出している、多くの人たちがいるではないか。

日本人は白人以外の外国人には差別的である。

というのは、一部の都会のバカどもの間だけ。

だって、田舎のお爺ちゃんお婆ちゃんたちは、官僚と違ってみんな優しいではないか。

廃村目前の村々。
廃屋の数々。
学校も廃校。

つまり、施設は沢山ある。

後継者のいない地方産業。
後継のない農家や工場。
消えかかっている伝統技術。

つまり、口を養える場もある。

そして他方、「生き延びて幸せをつかみたい人たち」が居るのだ。

その両者を活用できれば、両者にとってこんなに良いことはないのではないか?

農業や林業、水産業などの第一次産業と、小さな町工場でのきつい職業であることを、あらかじめはっきり説明する。

そして、官民一体となって彼らを受け入れる姿勢を見せれば。

日本人となって、日本社会に同化する努力を死てくれることを条件に。

学校だって彼ら専門の学校を開校し、両民族の文化を尊重しながら日本語を教え、日本の伝統を教え、馴染んでもらえるように努力すれば、彼らとて絶対にその努力に報いてくれるに違いない。

なにしろ、祖国を脱出してくる難民たちは、農民が多い。小商人や手工業者が多い。

まさしく、互いが望むものを与えあって、得られるものが多いはずではないか。


かって日本は「台湾」を日本化した経験がある。
南太平洋の島々を日本化した経験がある。

朝鮮半島の場合は、不幸な結果となってしまったが、日本語を教え、日本文化を教えることは、できるはずだ。

ましてや多民族の併合や植民地化ではない。

生きてゆく環境を、幸せな生活環境を求める人たちに、その可能性を提供しようというのだから、上手く行かない筈はないのではなかろうか。


日本は、難民や移民希望者にとても冷たい国である。

昨年日本政府に難民申請した1500人ほどの中で、認められたのは僅か2名のみ出会ったとか。

いくら自動車や新幹線を輸出しようと、コミックや漫画、アニメなどのサブカルチャーが人気を得ようと、和食がブームになろうと、日本は世界的に見て非常に閉鎖的な国家出ることは、異論がない。

しかしこれからの時代に、それで良いのだろうか。

国連で、いかに「常任理事国」になりたいと運動しても、賛同してくれる国には限りがある。

ODAやインフラ整備のバーターなど、札束で横っ面を引っ叩く下品な手段を講じなくとも、世界から尊敬してもらえる手段が、今まさにそこにある。

東南アジアなどの人々を、上から目線である種の差別的立場で受け入れる、などとふざけた事を考えずに、命からがら逃げ出してきた人々を、助けてあげて、これから先の矛盾だらけの日本を再生する有効な手段として、感謝せれて感謝する関係を構築する事こそが、放射能にまみれ、独裁政治に翻弄される、戦争したがる日本を正しい道筋に方向転換するチャンスである。


グローバリゼーションとは、金融の世界支配に屈する事では無い筈だ。


ただ、今脱出してくる難民の人たちは、膨大な船代を払えた人たち。
いわば、そこそこのお金持ちや中産階級が大部分を占めている筈だ。

そういう人たちに、ヨーロッパでのハンディだらけの立場が耐えられるのか、という現実がある。

あくまで、住む国と当座の最低限の生活の補助を与えましょう、というだけの状況で、夢破れて絶望する人たちも多く出てくるだろう。


そうなれば、そのうちの幾らかは国に帰るかもしれない。

ISのメンバーとなって。。。。


そして、同じ悲劇の連鎖と成るかもしれない。


日本の果たせる役割は、あるはずだ。
よく考えよう。







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原発も、核兵器も、人類全体への敵対行為と看做す。しかし、北朝鮮とイランとを完全には非難出来ない…。

2013-02-12 21:31:11 | 国際関係
最初にはっきりと断言する。

私個人は、戦争行為を否定する立場を取っている。

物心ついて以来、今日までずっと代わる事無く、戦争とそれに繋がる社会構造や国際秩序を、全霊で否定する。

更に、核兵器は唾棄すべきものだと、固く信じて疑う事は無い。

勿論、原子力発電も含めて、核技術は人間が手を出してはならない領域であると、固く信じている。

原子物理学は、あくまで学問の世界、知識としての存在に留まり続けるべきである。



北朝鮮が、再び核実験を行った。

この国の、支離滅裂な支配体制の矛盾や、その社会内部での悲惨な状況はいまさらここで述べるまでもない事である。

まるで、狂犬の様に四方に牙を剥き、毒気を放って、国際社会に噛ませ犬の様に吠えかかる。


しかし、この異常な国は、ただ単純に「異常な国」と切り捨ててしまって、果たしてそれで良いのだろうか。

もしも私が、ある日突然この国の指導者になったとしたら、おそらく同じ様な事をやるかもしれない。

ふと、そう思う事が有る。

何故なら。

資源も無く。

金融資産も無く。

産業も無い、ちっぽけな国。

そんな国が、「面子」と「矜持」にかけて、韓半島の全部の主権を主張して
引くに引けない綱渡りを続けて来た。

中国とロシアとが後ろ盾だとは言ってみても、所詮は「イーブン・パートナー」と看做されている訳でなく、イデオロギー戦争の時代の「橋頭堡」の一つに過ぎなかった訳である。

そのような思想戦の時代は遥か過ぎ去り、この貧しい小さな国をもり立てるだけのメリットは、中国にもロシアにも無い筈だ。

ただただ、アメリカが東アジアに進出して来る、その圧力の緩衝としての持ち駒に過ぎない。


それより何より、「大国主義」で世界秩序を分割しようとする『米中露』のパワー・ゲームの最中に有って、自己存在の主張を広く認めさせる事は、生易しい事ではない。

そして、そのパワー・ゲームの当事者達は「核クラブ」のメンバーであって、その「世界分割思想」のクラブ員には、それ以外のメンバーを受け入れないという不条理が、クラブのメンバー以外に納得出来る物では無い。

駒の一つが「核開発」をする事を認めないという頑迷な、片方が作った一方的ルールで弄ばれる方は、そのまま泣き寝入りするしか無いというのか。

日本国という人類史上希な例外を除いて、ご私人様の思し召しに100%黙って従うと言う様な事は、民族国家に有ってはあり得ないのだ。


「お前達は、核兵器を持ってはならん」

「核兵器用のプルトニウムの精製をする事は、まかりならん」

「核兵器は、我々だけが所有するのだ」

「ロケットの開発も、ロケットの打ち上げ実験もまかりならん」

「核兵器を開発してるだろう」

「即刻中止せよ」

「黙って言う事を聞け」

「中止しなければ、言う事を聞かなければ、酷い眼に遭わせるぞ」



ははっ、かしこまりました。
私達が悪ううございました。
早速中止致しました。
二度と核開発等行いません。

と言う風に、誰も彼もが、素直に言う事を聞いて引き下がるとでも、思っているのだろうか。

米中露は。

特にアメリカは。



▶北朝鮮「核実験は米の敵対行為に対する自衛措置」(聯合/見出し)

>北朝鮮外務省は12日に報道官の談話を出し、同日に行った核実験は「米国の対北朝鮮敵対行為に対する断固たる自衛的措置」だとし、「米国が敵対的に情勢を複雑化させるのなら、第2次、第3次の対応措置を取る」と警告した。

>また「衛星を発射する権利の侵害はわれわれの自主権に対する侵害であり、絶対に許せない敵対行為」と主張した。

>さらに、船舶検査など対北朝鮮制裁の動きは「戦争行為」とみなすとし、「その本拠地に対する無慈悲な報復攻撃を誘発するだろう」と警告した。
【聯合ニュース/2月12日(火)21時22分配信】



日本は、アメリカの忠実で盲目的な僕である。

その「シモベ」という目線からしか物事を見られないと、物事の本当の形は見えて来ないに違いない。


『サダム・フセイン』

『マフムード・アフマディネジャド』

『バッシャール・アル=アサド』

古くは『フィデル・カストロ』

そして、『金正日』『金正恩』


彼等の受けているアメリカの仕打ちは、みな同じである。

「言う事を聞け」

「権力の座を明け渡して、さっさと出て行け」


逆らえば、結果は同じである。

力づくでねじ伏せる。

言う事を聞くまで、攻め立てる。

最後は、裸で追い出し、いずれは殺してしまう。


そんな立場に立たされた、何の力も無い小さな国が取れる対抗策など、選択肢はそれ程多くは無い。

カストロは勝ち残った。

サダムは殺された。


バッシャールは、サダムの二の舞になりかかっている。

反政府デモを、誰が組織して煽動したのか。

その「市民達のデモ」を外国人部隊の反政府反乱軍組織に収斂させたのは、何処の誰の作戦なのか。

「大統領の強権政治に抵抗していた市民」は、いつの間にか<プロ>の内戦屋に取って代わられて、対イスラエルの大看板だったシリアは、やがてアメリカの傀儡政権と成り果てるであろう。


マフムードは、抵抗している。

イラン国内では、今の所CIAの工作に寄る反乱も、外国人を大量に送り込んでの反政府ゲリラも、起こっていない。

しかし、アメリカの走狗イスラエルが、今にも爆撃を敢行したくてウズウズしている。

いつGOサインが出てもおかしくない、ギリギリの状況に追い込まれている。

それでも、核開発を止めようとしない。


何故なら、それを手にした時点で初めて、アメリカの傍若無人な侵略行為から、身を守れる様になるのだから。

それ以前に、イスラエルからの攻撃に対抗出来る、唯一の手段なのだから。

他に、抵抗出来る手段は「無い」のだから。



▶イラン新型遠心分離機、核爆弾製造の時間短縮も=イスラエル首相(ロイター/見出し)

>イスラエルのネタニヤフ首相は11日、イランがウラン濃縮のために導入しようとしている新型の遠心分離機が、核爆弾製造の時間を短縮させられる可能性があるとして警戒感を示した。

>ネタニヤフ首相は演説で、「新たな遠心分離機は核爆弾製造の時間を3分の2程度に短縮できる」とし、それによって「イランが一線を越える可能性がある」と危機感を募らせた。

>また同首相は、平和と安全のために世界各国がイラン政府にさらなる圧力をかける必要があると強調した。

>イラン政府は先月、ウラン濃縮の主要施設に新たな遠心分離機を導入する予定だと発表。濃縮作業の規模縮小を求める国際社会に対するイランの反発が浮き彫りになった。
【ロイター/2月12日(火)15時41分配信】



「平和と安全のために世界各国がイラン政府にさらなる圧力をかける必要がある」

とんでもない論調である。

現実的に核武装をしていて、これまでも何度かイランとシリアに核ミサイル攻撃を敢行する気だったイスラエルが、「平和と安全の為に」などと口にする資格が何処に有るか。

イスラエルと言う国の辞書には「太陽政策」という言葉は無い。

他人の土地を奪って建国し、追い出した住人が文句を言うからと殴り倒し、銃を抜いたからと機関銃でなぎ倒し、旧式ロケット・ランチャーでよたよたロケット攻撃を下からと言って最新ジェット攻撃機で村全体をクレーターにしてしまう。

周辺諸国のなかで、アメリカに盲従せずパレスティナの大義を支援して来たシリアには、核ミサイルの照準を合わせっぱなしである。

イランとて、イスラエルのあからさまな敵対行為に対して、核の整備を急ぐ事は、彼等に取って死活問題である。


私は、核兵器の存在を唾棄する。

認めない。

しかし、イランやシリアの立場に立てば、見えている世界は違っている筈だ。



そして、同じ事が金正恩にも言える。

いや、少なくとも金正恩とそのブレーン達は、そう信じている。

中国とロシアと言えども、北朝鮮を無条件に支持し援助している訳では無い。

あくまで大国間のパワー・ゲームの駒に過ぎない事を痛感しているはずの北朝鮮としては、崩壊直前の社会の支配を持続し、四面楚歌の中でプライドを保ち続けて窮地を脱するには、国際世論と言う名の「米中露」の立場に楔を打ち込めるような、ギリギリの駆け引きを続けざるを得ないのだ。

そう、考えている筈だ。


それにしても、今回の「六カ国協議」の各国の足並みそろえた反応は、なにか「いわゆるひとつの」ナニを感じさせる物が有る。



▶警告無視、非難の渦 友好国ロシアも声明 北朝鮮核実験(朝日/見出し)

>ロシア外務省は12日、「北朝鮮は国際規則を無視し、国連安保理の決議を軽視する行動に出た。長年わが国と善隣関係にある国だけに二重に遺憾だ」とする声明を発表し、北朝鮮を事実上非難した。関係国に自制的な対応も呼びかけた。
【朝日新聞/2月13日(水)5時30分配信】



国連安保理で、強く非難する声明を発表。

御本家のアメリカの初期反応も、なんとも強行である。



▶北朝鮮は深刻な脅威=「ならず者国家」と名指し―米国防長官(時事/見出し)

>パネッタ米国防長官は12日、核実験を強行した北朝鮮について「米国に対する深刻な脅威であり、対処する用意を整えねばならない」と強調した。退任に当たり職員らを前に行った演説で語った。

>パネッタ氏は演説で、核開発を続けるイランと北朝鮮を「ならず者国家」と名指しで批判した。さらに「われわれは過去数週間、北朝鮮が行ってきたことを目の当たりにしてきた。ミサイルの発射試験と、今度は核実験だ」と指摘。その上で、北朝鮮は挑発的行動を取り続けており、米国への直接の脅威になるとの認識を示した。 
【時事通信/2月12日(火)23時36分配信】


去り行く退任官僚の言葉とは言え、その言い回しは傲岸不遜である。

北朝鮮とイランとを、再び「ならず者国家」と吐き捨てた。



「核兵器は、「米英仏露中」ヤルタ協約戦勝国と、イスラエル、パキスタン、インド、だけが持っていてよろしい。

「その他のいかなる国も、それをそれを所有する事は、断じて認めない。」

二行目は多いに結構。

ただ、最初の一行目の国々が、核兵器を所有したままで、なんでそんな事を決める権利があるのかが、どうしても理かい出来ない。。。

所詮は、ならず者達の集団なのだ、結局の所。




『ならず者国家』

世界の歴史の中で、ならず者国家の最たる例は『アメリカ合衆国』自身なのでは無いか。

戦争立国。

産軍政官学の総てが、軍事開発研究にリンクしている。

国家は戦争で維持されている。

その為に、世界中のどこかで常に「紛争」を作り出す。

その為に、C.I.A.という組織が、世界各国の主権を侵して非合法活動を繰り広げる。



▶米CIAによる法的手続きなしの身柄移送と尋問、54か国が協力(AFP/見出し)

>容疑者への過酷な取り調べなどを含む米中央情報局(CIA)の世界的な活動に、54か国の政府が協力していたという報告書を、人権団体「オープン・ソサエティー財団(Open Society Foundations)」が4日、発表した。

>オープン・ソサエティー財団の報告書は、2001年9月11日の同時多発テロ以降のジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)政権下で行われたこの活動を支援した国に関する、これまでで最も包括的なリスト。

>過激派の疑いのある人物を、米国内では保障される法的保護を与えずに米国およびそれ以外の国の情報機関が尋問するために、ブッシュ前大統領は法的手続きをとらずに個人の身柄を移送することを可能にする「特例拘置引き渡し」を承認した。

>オープン・ソサエティー財団によると、54か国の政府が、自国内でのCIAの収容施設の設置、容疑者の尋問の実施、秘密の任務を帯びた航空機の領空通過、情報の提供などで米国に協力したことを示す証拠を発見したという。

>アフガニスタンやエジプト、パキスタン、サウジアラビアなど、自国内でイスラム過激派と長く戦ってきた国々が米国を支援している場合が多かった。南アフリカもリストに含まれていた。

>また、オーストラリアや英国、カナダ、デンマーク、フィンランド、ドイツ、アイルランド、イタリア、ポーランド、スペイン、スウェーデン、トルコ、タイなどの米国の友好国もリストに上っていた。

>米国との関係は良好ではないイランも米国の協力国としてリストに載っていた。イラン政府は間接的に少なくとも10人の容疑者(大半がアラブ人)を、アフガニスタン政府経由で米国に引き渡していた。

>報告書は、ブッシュ政権が人権侵害にあたる行為を承認したことは「明白」であり、それゆえに米国の道徳的な立場を損うものだと述べ、米国が国内と国外で取った行動の説明責任を果たすように求めた。

>さらに報告書は、諸外国にも責任があると述べた。これまでに謝罪を表明したのはカナダ政府のみで、個人に対する賠償を行ったのはオーストラリアと英国、スウェーデンの3か国のみだ。【翻訳編集】 AFPBB News
【AFP=時事/2月6日(水)16時55分配信】



アメリカに非らずんば人に非ず。


天と地以上の開きの有る軍事力を背景とした、<そんな国>が主導する「経済政策」を中心とした圧力と、嫌がらせとに立ち向かう為に、更なる制裁も覚悟の上での「核実験」は、金正恩体制の北朝鮮にとっては、他に選択の余地のない唯一の手段だったのだろう。


<そんな国>に身も心も捧げ尽くして。

100兆円もの「売却不能国債」を買い取り。
毎年5千5百億円もの「思いやり予算」で基地を提供し。
米兵による新聞沙汰にされない無数の強姦事件で「慰安」を提供し。
動かせない「もんじゅ」に1兆円以上の金を費やしてプルトニウムを核兵器の原料として英米への提供を約束し。

何から何まで国民の血と汗の結果である税金をザルで汲みだす如くに中抜きしては、対米隷属政策を立案実行する為の官僚達のご褒美とする。

そんな「自民党なるもの」の政治が65年間に造り出して来た「植民地ニッポン」で、今なお放射線が飛び交う中でせっせと国民生活が破綻する道を邁進する安倍政権が、北朝鮮に強烈な非難を叫んでいる。



いつも、その慧眼に眼を開かせられるネット上の論客『こと恵美』さんのツイートを、転載したい。

@em54672emi こと恵美
北にはドバイやEUから金が入っている。思っている程困っていない。本気で制裁するなら国連安保理でやらないと効き目はない。ところが6カ国協議の枠内で…とか言っている。この事を持ってして米中露は本気でない事が良く判る。韓国は統一後、ただで核武装できると期待している。過剰反応はバカみたい
2013年2月12日 - 11:42



さらには、カリフォルニアの米国共和党インナーサークル委員MANPYOさんのご意見も。

@iDulles Dulles N.MANPYO
「北朝鮮をテロ支援国家に再指定を 石破氏」。まさかプロからはこの手の主張は出て来ないのでよかったが、これはそれこそ「北」には大助かり。ハードルを戻して貰うと交渉の術はハードルを除く硬軟同時追求の面目躍如の手形を得る。外交センスねえ人だわな。
2013年2月12日 - 16:53



こうして見て来ると、一人「日本」だけが篭の外、という構図が見えて来る。

いやあ、まったく。

どいつもこいつも、逞しい。

右手で握手、左手で背中に隠したナイフ。

外交と言う物は、そんな物だ。


「身も心も捧げます」なる貢ぐクンでは、結局誰からも尊敬される事等無い。

誰からも、まともに相手にはしてもらえない。


「TPPは参加するべきだと思いますよ。聖域が無いなら話し合い何かしなくていい。未だに話し合いが続いている事は、聖域が認められるからでしょう。協議に参加する事を決定するのは政府です。参加をお決めになったら、私は全力で支持します」(小泉進次郎)





コメント (2)
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中国は古代から中世に掛けての帝国と同じ「欲望」のままに膨張し「征服」する感覚で生きているらしい。

2013-02-06 23:01:22 | 国際関係
古代に或って民族の消長は、攻めて征服するか、攻められて征服されるかであり、それ以外の可能性は無かったようだ。


自分達だけの土地で、自分達だけの社会を営み、そこにある物で満足して代々暮らし続ける事は、地政学的に余程の運に恵まれていないと、不可能であった。

周辺民族を攻め滅ぼし、領土を拡張し、負けた民族は滅ぼされ、生き残った者は奴隷にされて、一民族の消滅は日常に見られる出来事であったようだ。

幾ら自分達に野心がなく、周辺の民族の土地や富に関心が無くとも、相手もそうだとは限らない。

「ほっといてくれ」は、通用しなかった。

栄えるにつれ、豊かになるにつれ、それを奪おうとする多民族に侵略された。

強大な兵力を維持出来た限られた支配者に率いられた民族だけが、生き残り領土を拡げ、その他は家を焼かれ、畑を踏みにじられ、その挙げ句に全てを奪われて消えて行く運命に有った。


古代とは、一部の強大な権力者のみが総ての富を手中にし、その民族は権力者の峻厳な支配にうめきながらも、多民族を攻め滅ぼす事で自分達の姓名の安全が保障されて、生き続ける事が可能となった。


古代とは、人間に取って実に生きづらい悲惨な時代であったに違いない。


古代ペルシア。

古代エジプト。

古代マケドニア。

古代ローマ。

古代中国。


そのまま、人間は少しもその本質を変える事無く、「野心的支配者」が登場するごとに、征服戦争に明け暮れて行った。


ゲルマンの諸部族。

アッティラ。

ノルマン人達。

チンギス・ハーン。


ヨーロッパも例外では無い。


アジアでも代わる所は何も無い。

日本とて同じ事。

『アイヌ』を。

『クマソ』を。

『出雲族』を。


大和朝廷は、情け容赦なく生い立て、殺して土地を奪い、恭順させて行った。


祖先以来の土地の明け渡しを迫り、拒否すれば攻め、敵対する領主を滅ぼし根絶やしにして、信長も、秀吉も、徳川幕府も自分達だけの安寧を求めた。

勝手に「錦の御旗」を掲げた薩長は、御所を護って働いた会津藩を「賊軍」に貶め、幕府を葬り去った。

あまたの才能が、薩長の利己的突出によって、消されて行った。

ほっといて欲しかった人々の、小さな幸せは、尊重しては貰えなかった。



特に、東アジアの大陸は、漢民族と北方民族とが支配権を奪い合い、権力が交代する度に、前権力者の血縁者を一人残さず根絶やしにして行った。

始皇帝も、秦の民には英雄であったろうが、周辺諸民族に取っては悪魔であった。

ほっといてくれない。

力づくで領土を奪われる。

歯向かえば殲滅される。

恭順すれば兵士とされて、更に多民族征服の戦いへ狩り出されて、生きて帰還する事は希であった。

親も、妻も子供達も、それまでの生活を失って、殺され奴隷にされ、四散してしまった。


あれだけの宏大な地域を、あれだけの無数の民族が生きている土地を、統一して支配する等と言う事は、やわな事では成り立たない。

力と恐怖とで、支配する。

支配される側は、最初は恨みつらみを託ちつつ、世代が変わる度にそれらの感情は薄れて、跡はただ諦観による惰性の人生しかなかった。

一旦何かのきっかけで反乱が起こるまでは。


支配者達は、国民をガンジガラメに縛り上げ、反乱の気配すら許さぬ冷酷な支配体制を作り上げる。

しかし、どれほど強大な帝王であろうとも、いかに強力な帝国であろうとも、永遠に存続する事は不可能である。


民衆の怨念が増幅して発酵し、いつの日か必ず沸騰点を迎える事は、避けられないのだ。

力の支配は永遠では無い。


中国人は、その事を骨身に沁みて知っている。


であるからこそ、支配者達は自分達の支配をより長らえたいと考え、策を弄する。

国民達は、何かのきっかけを探して、鬱屈したエネルギーを爆発させる。



現在の中国共産党一党支配の体制が、破綻しかかっている事は世界中が知る所である。

当然、共産党指導部も判っている。

だからこそ、より現体制を長らえ持続させる為に、奸智を絞って政権維持にこれ務めるのだ。


幸い彼等には、うってつけの目くらましが有る。

我らが日本国である。



4千年間に渡って、支配し支配されて生きて来た民族的本質である、「謙譲」や「博愛」や「正義感」等の言葉が載っていない辞書しか無い中国人は、欲しいと思う物は徹底的に手に入れようとする。

第二次世界大戦後は、「共産党支配」の確立の為に四苦八苦して来た。

そして、その間の失われた半世紀で、清朝中国末期と殆ど変わらない後進的社会のインフラや無いに等しかった国民資産を、国民自身に悟られない様に情報統制を行って来た。

そして当然の帰結として、共産党支配体制を維持し、且つ国富を高める為には「経済開放政策」は不可欠であった。


その結果は、衆知の如く。


世界中の資源をどん欲に確保し、高度な工業化の為に西欧の技術を導入しては奪い取り、今や世界は中華人民共和国の為に存在する、と言って憚らない如き鼻息の荒さと相成った。


その間の、社会に存在する矛盾点から国民の眼を反らす為にも、日本と言う国の存在程、彼等に取って都合の良い物は無いだろう。



中国人民軍海軍の艦艇により、日本の海上自衛隊の自衛艦が「ミサイル攻撃」のスタンバイである、照準レーダーでロック・オンされていた。


多いにあり得る話である。

軍の最上層は、日本と戦争する事等考えていない言う。

しかし、管轄の司令官クラスになると、「日本憎し」と「日本への侮り」とで、軽はずみに跳ね上がる事等、想定内である。



▶中国外務省、コメント避ける=レーダー照射「報道で知った」(時事/見出し)

>中国外務省の華春瑩・副報道局長は6日の記者会見で、中国海軍のフリゲート艦が海上自衛隊の護衛艦に射撃用の火器管制レーダーを照射したことについて、「われわれも報道で知った。具体的な状況は承知しておらず、(別の)関連部署に聞いてほしい」と述べ、直接的なコメントを避けた。

>日本側がレーダー照射に絡み、中国側に抗議したことについても反論しなかった。中国外務省は共産党中央の指示を受けて、レーダー照射問題から距離を置き、外交面での騒動の拡大を抑えようとしているとみられる。日本がレーダー照射を発表した意図や今後の出方を警戒し、中国側が慎重な態度に出ているとの見方もある。
【時事通信/2月6日(水)16時48分配信】



一度限りではなかった以上、今回の事件が偶発である可能性は、少ないと思われる。

もし、現場の軍人の単独行動だとすれば、共産党中央委員会は「人民軍」を完全に掌握し切れて居ない事を意味する。

文民統制が為されていないのだ。


または、中央指導部の「一部」が知っていた、黙認していた、間接的関与が有ったのであれば、指導体制に完全な一枚岩とは言えない、政権内部に弛みがある事を意味する。


或は、最高指導部からの「指示」が有ったのであれば、現指導部の破綻を意味するのではなかろうか。

何故ならば、照準レーダーを照射する事は、交戦状態にある事を意味する以上、国際社会の中であり得ない発想であるからだ。

日本以外であれば、戦端が切って落とされていた筈だ。



▶「レーダー照射、米軍なら反撃」メア元日本部長(読売/見出し)

>元米国務省日本部長のケビン・メア氏は6日、国会内で講演し、中国海軍の艦艇による海上自衛隊艦艇への火器管制レーダー照射について、「米軍であれば、(自らへの)攻撃と判断して反撃する」と述べた。

>そのうえで、「中国海軍は規律が良くないし、あまり訓練もされていない。非常に危ない」との懸念を示した。

>中国の海洋戦略に関しては「尖閣諸島だけでなく(沖縄本島などの)琉球諸島も狙っている。中国の脅威にどう対処するか、日本は決断しなければならない」と述べた。具体的には、現在6隻のイージス艦を増やし、航空自衛隊の次期主力戦闘機として米国から調達する「F35」を予定の42機より多く購入すべきだと指摘した。
【読売新聞/2月6日(水)20時15分配信】



まず、このコメントをした人物の「社会的信用度」の事は置いて置くとして、その言う所は妥当である。

日本の様な「自衛隊法」で相手からの「直接」攻撃を受けた後からで無いと反撃出来ないと言う「特殊な軍隊」で無ければ、歴史的社会的外交的に見て「中国軍」が攻撃態勢に入った事を確認すれば、通常なら即反撃するのが当たり前であろう。


そして、指導部は事が公になった以上、日本側の出方を見ている段階であり、事態を一時停止状態に置く。

その間に、情報操作をして国民の間に「反日感情」をまたまた掻き立てるのだ。



▶中国海軍レーダー照射 環球時報、「日本の自作自演」と主張(FNN/タイトル)

>中国外務省は、6日午後の会見で、レーダー照射について「報道を見て知った」と述べ、直接の回答を避けた。
中国外務省の華春瑩報道官は「その報道はわたしも見た。くわしいことは把握していないので、主管部門に問い合わせてください」と述べ、直接回答することを避けた。

>華報道官は、日本から抗議を受けるまで、中国外務省が事情を把握していなかったことを明らかにした。

>人民日報系の新聞「環球時報」は、ウェブサイトで「日本による自作自演だ」と主張する記事を掲載している。
記事では、「日本側は今回の件について、双方のくわしい航行状況を公表しておらず、故意に事実をねじ曲げている」と指摘し、日本を非難している。
【FNNニュース/2月7日(木)1時27分配信】



又始まったか、と言ったこの「うんざり感」はどうしようもない。


彼等中国人には、理屈は通用しない。

とにかく、彼等に合わせる事が、唯一彼等の隣で生きて行く方法なのだ。

13億人のマンパワー。

その分母がもたらすGDPの圧力は、凄まじい。

あくまで、『足し算』の結果であって、『割り算』にすれば国民一人当たりの数字はまだまだ大幅な「開発途上国」であるにも拘らず、自尊心と優越感とで世界を睥睨する。



▶「日本の交渉や抗議は受け付けない」中国駐日大使が発言=中国軍の領海侵入、レーダー照射でー中国メディア(レコチャ/見出し)

>日中双方で動きが出た。京華時報の報道。

>程永華(チョン・ヨンホア)中国駐日本大使も同日、強い口調でこれに反ばくした。「尖閣諸島は中国固有の領土。その海域は中国の領海である。よって、我々の海洋監視船は公務として正常なる巡航を行っているにすぎない。中国側は日本の交渉や抗議は受け付けない。また、前述の公務に対する妨害活動の停止を日本側に求める」とした。これは、斎木昭隆外務審議官が程大使を外務省に招へいし、中国海洋監視船の領海侵入に抗議した際の発言。
【Record Chaina/2月6日(水)12時53分配信】



いやはや恐れ入る。

「尖閣諸島は中国固有の領土。その海域は中国の領海である。よって、我々の海洋監視船は公務として正常なる巡航を行っているにすぎない。中国側は日本の交渉や抗議は受け付けない。また、前述の公務に対する妨害活動の停止を日本側に求める」

尖閣諸島の北100キロの「公海上」での極端な軍事行為を「領海上の公務」だと言われては、始皇帝と同じ発想としか思えない。



▶中国海軍のレーダー照射は、「日本側の執拗な追跡や挑発」に対応したもの―中国メディア(レコチャ/見出し)

>2013年2月6日、中国共産党機関紙・人民日報傘下の環球時報(電子版)は、このほど中国海軍の艦艇が日本の海自護衛艦に向けてレーダー照射を行ったことに対し、中国の専門家や香港メディアの見解などを紹介した。

>香港・大公報は6日の報道で、「武器を直接相手に向ける方法を除いては、射撃管制用レーダーの照射は最も戦争に近い行為と言っても過言ではない。そのため、国と国の艦艇の間でこの手段は滅多に使われない。なぜなら、射撃管制用レーダー照射後の次のステップは実際に射撃することだからだ。また、レーダーを照射することは自分の居場所を相手に知らせるようなもの。平和な時代において、艦艇の座標(位置)は軍事機密に含まれる。そのため、よほどのことがない限り自分で居場所をさらすことはしない。専門家の分析によれば、今回の事件は日中両軍の間に異常な事態が発生した可能性がある。たとえば、日本側の挑発行為や長時間にわたる追跡などだ」と伝えた。

>中国・環球時報は記事の中で「日本はあまりにも身勝手な解釈をしている」と指摘。仮に中国がレーダーを照射したとしても、それは日本側が執拗に中国海軍の艦艇を追跡し、挑発したからだと伝えている。
【Record Chaina/2月6日(水)13時53分配信】



驚いた。

彼等中国人が「身勝手」と言う言葉を知っていた。


しかし、考えてみると中国人の歴史的行動パターンから思うに、自分達の意に沿わない他国の行為は、総て「身勝手」な事になる訳だ。

思わず納得してしまった。


隣人は選べない。

しかし、自分から引っ越して行く事は出来る。

しかし、隣の国からは逃げられない。

いやでも、13億人の彼等は隣に居る…。



▶日本は「挑発行動停止を」=中国(時事/見出し)

>中国外務省の華春瑩・副報道局長は5日の記者会見で、中国の海洋監視船が繰り返し沖縄県・尖閣諸島(中国名・釣魚島)沖の日本領海に侵入していることについて問われ、「日本側が釣魚島海域に船舶や航空機を出動させる挑発行動をやめるのが急務だ」と反論した。

>華副局長は海洋監視船について「通常のパトロールであり、釣魚島海域で管轄権を行使する正常な公務活動だ」と改めて主張。日本側に「中国側と対話を通じて適切に問題を解決する有効な方法を見いだすべきだ」と要求した。 
【時事通信/2月5日(火)17時36分配信】



「日本は挑発行動停止を」求められて居りますよ。

安倍晋三さん。


それとも。

中国と、北朝鮮と、ロシアと、アメリカと、アル・カイーダとで、「自衛隊法改正」と改憲をさせる為に共同歩調を取っているのかしらん。



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「善意」や「話し合い」は通じない民族に『解決は次世代に託して…』は結局通用しない。竹島も尖閣諸島も。

2012-08-13 22:53:25 | 国際関係
イ・ミョンバク大統領が「竹島」を訪問した。

香港から、「尖閣諸島を日本海賊から守れ」というデモ船団が抗議行動に出港した。

中国は、「領土問題には、中韓露が結んで日本を潰すべし」という論調が、広がっている。

日本には、残念ながら国際社会からの「援軍」は無い。



戦後日本政治は、間接的にアメリカに支配され続けている。

直接の「植民地」とは見えない様に、アメリカは、若手の政治家や官僚を「アメリカに招き」育てて、取り込んで育てて来た。

アメリカの意思を「忖度」して行動する様に。

ロサンジェルス講和条約締結によって、日本は主権国家として独立した事になっているが、実は「日米安全保障条約」とそれに伴う「日米地位協定」という、法的根拠を表の根拠とし、飼いならした政治家や官僚を増やす事を裏の根拠として、日本を時には「対ソ浮沈空母」として、また時には「対中経済的防波堤」として、更には世界最大の「軍事基地」として、また財政赤字の「身代わり負担」を負わせる事で、日本と言う「見せかけの国家」を最大限利用し尽くして来た。

軍事力を削がれて赤裸にされ、対共産勢力の出先として「自衛隊」と言う軍事力を持たされ、核爆弾の被害者としての医学的資料を最大限提供させられ、核兵器を持ち込まれ、原発を次々建設してアメリカの核兵器用の「劣化ウラン」や「プルトニウム」を提供させられ、あらゆる世界戦争の資金を間接的に提供させられて、良い様に食い物にされて来た。

勿論、日本の官僚が「アメリカ留学」で洗脳され、その官僚が政治家を洗脳し、一致協力して「アメリカの意向」を忖度しながら、国民に総ての負担を押し付けて来た。

国民の納める税金で高給優遇される官僚たちは、公僕と言う意識は微塵も無く、アメリカの支援を背景に、おのれ達の懐の為に税金を食いつくし、国民をしゃぶり尽くしてほくそ笑む。

国民の「清き一票」で選出された議員達は、おのれ達の権力は国民が負託した物である事を忘れ去り、官僚の誘導のままに、官僚の都合の良い政策だけを実行する。

それがひいては、政治家の利益に繋がり、財界に利益に繋がり、アメリカに利益が還元されて行き、それで官僚が立身をする。


官僚と政治家達は、国民には極めて冷酷である。

国民の多くが最低生活の水準に苦しんでいようと、一顧だにせず平気で増税を行える。

国の生産の大半を占める中小企業が、血を吐く様な苦しみの中で生き延びる事の模索をしていて、ギリギリの瀬戸際に有ろうと、平気で増税する。

スタートラインが違うにも関わらず、結果だけ「競争原理」を標榜して、弱者を救済する発想を持たない。

それどころか、弱者を増々追い込んで、生きて行けない様な環境をわざわざ造り出して、祝杯をあげている。

爆発して、書く燃料が溶け出したままの破壊された原子炉を放置したまま、収束宣言を出し、責任は問わず、税金を投入して経営権を肩代わりし、依然として国民を被爆させ続け、住民避難を行わせるどころか、危険区域指定解除などと言って、住民に一時帰郷させる。

ありとあらゆる被曝食材を、公正不公正に全国に流通させ、国民を二次被曝させ続ける。

健康診断も拒否し、診断したらしたで結果を本人に伝えない。


官僚も政治家も、財界も学者達も、次世代に国民が激減したら、自分達の存在も成り立たなくなる筈なのに、その場を誤摩化して責任逃れに走り、被害の拡大を止める発想には至らない。



国民には、冷酷無比。

そのくせ、対外的には一切何ら「有効な対処」は出来ない。

支配者アメリカに逆らわないのはともかくとして、韓国にも、中国にも、ロシアにも、なにも実効的行動はとれない。

大使館に火炎瓶を投げられようと、大使館前に「従軍慰安婦の碑」なる物を建設されようと、領土を奪われようと、何も行動出来ない。

何も。

「遺憾の意」を表明するだけ。

「大使を一時帰国」させるだけ。

強硬論を吐き、すぐに軟化する。

結局、相手に好きな様に振る舞われて、国家と国民の尊厳を打ち砕かれても、ヘラヘラ笑ってウヤムヤにしてしまうだけ。

外務省と言う名の「害務省」。

財務省と言う名の「罪務省」。


ああ、なんて国なんだろう。



▶政府、日韓の金融協力は維持 竹島上陸でも(共同/見出し)

>政府は13日、これまでに韓国と合意した金融協力を変更せず、維持する方針を明らかにした。

>李明博大統領が竹島に上陸したことで日韓間の緊張が高まっているが、両国経済の相互依存が深まっていることを配慮し、国際的な合意を順守することが関係改善にも重要と判断した。

>日本と韓国は緊急時にドルなど外貨を融通し合う通貨交換(スワップ)協定の大幅拡充や、日本によるウォン建て韓国国債の購入で合意している。

>昨年10月に合意したスワップ協定では、韓国への資金支援枠は従来の5倍以上に増え、総額700億ドル(約5兆5千億円)とした。韓国経済の安定は日本の利益にもつながるためだ。
【共同通信 By 47ニュース/8月13日17時39分配信】



竹島は、既に半世紀に及んで韓国人が「実効支配」している。

それを許して来たのは、自民党政権であった。

散々、韓国に経済援助を行い、ありとあらゆる便宜を図り、その上で「竹島」への彼等の勝手な所有権の行使を、止める手配も何もせず、半世紀の時間を失って来た。

李承晩の勝手な国境策定に、実効的反撃もせず。

砂上の楼閣の、更にその上に成り立っている韓国経済を、常に支えて多大な出費を行って来た。

石油の日韓共同備蓄などと言う、空恐ろしい事すらやろうとしている。

彼等は、永久に日本を許さない。

一旦植民地にされた歴史は、消せない。

そして、欲しい物、羨ましい物は、何でも「自分達の物だ」と思い込んでしまう民族相手に、「話し合い」やら「譲り合い」やら「相互の友好関係に害をなさぬ様配慮」やらと言い続けるのみ。

古代四大文明は、韓国人が興したそうだ。

キリストも、孔子も韓国人だそうだ。

日本語も韓国語が起源だそうだ。

刺身も日本酒も天ぷらも、韓国が起源だそうだ。

柔道も、武士道までも、韓国が起源だそうだ。

勿論、iPhoneも韓国が先。

そんな民族が、自分達の物と思い込んだら、天地がひっくり返っても、自分達の物。

ましてや、憎っくき日本人を相手にしたら、雷が鳴っても地震が起こっても、手放す筈が無い。

竹島は韓国の領土。

日本海は、東海。


そして、その韓国は既に日本を凌駕してしまったと、信じている。

どれだけ、これまでの経済的支援が有ったお陰であろうと、技術と人材とを盗みまくった結果であろうと、サムスンは世界にサムスンとなり、サッカーもメダリストである。

中国もそうであるが、韓国もこれまでの日本が行った経済援助や経済協力や、技術協力などは、一般の国民には知らせていない。



▶日本の力落ちたと李大統領 竹島上陸、66%が評価(共同/見出し)

>韓国の李明博大統領は13日、日韓が領有権を主張する竹島(韓国名・独島)に自身が上陸したことに関連し、日本の国際社会での影響力は「昔と同じではない」と述べ、日本の国力が落ちたとの認識を示した。

>上陸に対する日本側の反発は「予想したものだ」とも話した。

>国会関係者との昼食の席で述べたと大統領府が明らかにした。

>一方、世論調査機関リアルメーターは同日、竹島訪問を評価する人が66・8%、否定的な人は18・4%だったと明らかにした。韓国政府が依頼した別の機関の調査では評価が84・7%という。

>大統領は、上陸は3年前から準備していたとした。
【共同通信 By 47ニュース/8月13日 20時38分配信】


「小日本」はあくまで「小日本」に過ぎないのだ。


日本人の発想でいえば、有る国の力が落ちようが、それをして「相手に対して無礼を働いて良い」と言う事にはならない。

総ては、力関係で決まる。

当たり前と言えば、余りにも当たり前では有る。

しかし、礼儀作法とか外交儀礼と言う事も、普通は考慮される物だ。

韓国と言う国には、そのような「弱腰」名接し方は、通用しない。


そして残念な事に、日本には「力関係」で決まられる様な「外交術」は、存在しない。



▶「司法裁提訴は居直り」 韓国与党 竹島問題で日本批判(東京/見出し)

>韓国の李明博(イミョンバク)大統領による竹島訪問問題で、与党セヌリ党は十二日、日本政府が領有権問題で国際司法裁判所(ICJ)に提訴を検討する動きに「盗っ人たけだけしい居直りだ」と強い表現で反発した。

>韓国政府当局者も提訴に応じない姿勢を明確にしており、日本の対抗措置をけん制した形だ。

>セヌリ党の報道官は「日本は残酷な植民地支配に真の反省どころか、根拠ない領有権主張で韓国民を怒らせている」と述べた。

>韓国内では野党や専門家から「悪化する韓日関係への対策なき上陸強行」「支持率回復を狙った局面転換イベント」との批判もあるが、党は訪問当日に大統領の決断を評価したのに続いて強硬姿勢を貫いた。
【東京新聞/8月13日朝刊】


『盗人猛々しい』

このような表現で、他国に反論する事自体が、この国の国民の猛々しさを象徴している。

このような国を相手に、話し合いん微夜解決を求める事など、絶対に不可能であり、相手に「節度有る行動」を求める事など、ナントカのツッパりにもなりはしない。

日本は、これを機会に「国際司法裁判所」に提訴すべきである。

「領土問題は存在しない」などと言っていて、50年の実行支配の実体をみれば、国際的には竹島は韓国領で、問題は存在しない、と言う解釈に落ち潰えしまうであろう。


「日本は残酷な植民地支配に真の反省どころか、根拠ない領有権主張で韓国民を怒らせている」

何回も何回も謝罪して、少しも納得せず、韓国国家のインフラの整備を行って、金融サポートもして、あらゆる技術移転も行っても、<真の反省>を求められる。

彼等に取っての、日本の示すべき<真の反省>とは、おそらく陛下の土下座と、従軍慰安婦全員(おそらく数十万人が名乗り出て来るに違いない)に生死を問わず、各人数億円ずつの損害賠償金を支払い、勿論竹島は「独島」でござると天下に声明を発し、日本海も「東海」ですと世界に宣言し、今後永久に韓国の三歩後ろに下がって行動する事であろう。


日本政府よ、どうする!?

総て割り切って、国際法に照らして解決を計るしか有るまい。

そう下としても、韓国側の「嘘八万」と「金と女攻勢」のロビー活動の前には、なす術も無く立ち尽くすしか手が無い、外交能力しか無いのかもしれないが…。


尖閣諸島も同じである。


目下喧伝されている「尖閣諸島」の東京都による買収が、はたして適格な処置であるのかどうか、はなはだ疑わしい面が有る。

地主が石原慎太郎の古くからの知古で、しかも巨額の負債を抱えているとか。

新党もオリンピックも巧く行かない、八方塞がりの石原慎太郎にとって、見栄を張れる絶好の機会である事は、確かだ。

元々「日本の固有の領土」であるのならば、誰が購入しようと自由であり、日本人に限られる事でもない。

しかし、金余りの中国人が大金で横っ面をひっぱたけば、巨額の負債を抱える地主としては、中国に売らないと言い続ける事が出来るのか、はなはだ不透明であろう。

その為に、先に日本の誰か、自然人でも法人でも、民間人でも自治体でも、改めて買い取る事は、悪い事では無いのかもしれない。


これまでの経緯から、「解決は次の世代に託して」それまでは日中両者が平和利用で、などと言う解決方法が、正しかったのかどうか、検証されるべきであろう。

ただ、アメリカの世界侵略政策に利用され尽くしている日本としては、中国との対立を激化させる事が、どのような意味を持つのか、その辺を正確に国民に知らせる事無く、事が運ばれている事実も、かなり危うい物では有る。

もし、個人の所有が不安なら、東京都では無く「石垣市」が購入するのが筋では無いのか。

石原慎太郎が音頭を取っても、それはそれで別に構わない。

国民に寄付を募るのも、良いだろう。

しかし、所有権は石垣市に与えるのが、自然である。


そして、石原慎太郎と言う悪人の、掌の上で踊りたがる愚か者も居ると言う事が、これ又不安材料である。



▶政府、尖閣上陸認めず 保守系議連に回答(共同/見出し)

>政府は13日、太平洋戦争末期にあった疎開船遭難事件の慰霊祭開催を目的として、超党派の保守系議員連盟が提出した沖縄県・尖閣諸島への上陸許可申請を認めない方針を決め、議連側に回答した。

>領有権を強く主張する中国との間での不測の事態発生を懸念したためで、野田政権が目指す尖閣国有化方針にもマイナスの影響を与えると判断した。

>政府に先行して尖閣購入計画を掲げた東京都が近く提出するとみられる上陸許可申請については別途、慎重に判断する。

>尖閣に上陸するには地権者と賃貸借契約を結んでいる政府の許可が必要となる。
【共同通信 By 47ニュース/8月13日 21時48分配信】



この時点で、どういう判断が一番国益に適うかは、かなり微妙である。

確かに、南シナ海の覇権を画策している中国に対して、彼等が何をしでかすかはなはだ不透明である以上、敢えて虎口に入らない方が良いのかもしれない。


しかしそこには、これまで日本の外交が延々と取り続けて来た、瀬戸際で牽いてしまう、軟弱な態度が見え隠れするのも、否定出来ない。

ようするに、外務省としては例に依って、中国側の出方が読み切れないのだ。


▶尖閣諸島へ香港団体の抗議船出港 当局阻止できず(東京/見出し)

>沖縄県・尖閣諸島の中国領有権を主張する香港の団体「保釣行動委員会」の抗議船が12日午後0時20分(日本時間同1時20分)ごろ、同諸島上陸を目指して香港を出港した。

>香港当局はここ数年、同委員会の船の航行を出港後に阻止してきた。

>だが抗議船に乗り込んだ活動家らは、停船させようとした当局者らに抵抗。同日夜、香港当局の管轄が及ばなくなる公海に出ることに成功し、尖閣諸島に向けて航行を続けた。

>抗議船には同委員会のメンバーら14人が乗っている。同委員会によると、14日ごろに台湾の団体の船と合流、一緒に上陸を目指すとしている。
【東京新聞/8月13日 01時17分配信】


さらには。



▶「竹島領有」主張、「尖閣」に飛び火(JNN/タイトル)

>この香港の団体に合流する予定だというのが、台湾の団体「中華保釣協会」。この団体は先月、尖閣諸島付近の日本の領海に侵入したばかりです。領有権を主張する香港と台湾の団体。違う地域の団体ですが、双方は、『世界華人保釣連盟』という団体で結ばれています。

>「韓国のように強硬に出れば日本は何も声を上げられない。中国政府も日本に対し、強硬な態度を示すよう期待していますよ」(世界華人保釣連盟 陳妙得 副会長)

>この団体は、香港、台湾、中国に、元々個別にあった団体が今年6月に合流し結成されたものです。活動資金は中国や香港からも寄せられています。

>このまま航行すれば、15日にも尖閣諸島に到着する見込みです。
【JNN ニュース/8月13日(月)23時36分】



政府同士では、まだ「なあなあ」も作用するかもしれない。

あれこれと、国家間の思惑が作用する余地もあろう。


しかし、庶民は分っている。

「国の力」と言う物を。

日本は、中韓台香の庶民には 最早取り返せない程にも、足元を見られている。



東大法学部の巣窟である霞ヶ関のエリート達よ。

政治能力は決定的に欠除しており、加えて外交的センスも全く持ち合わせていない「民主党政府」を、如何に動かして、どう対処すると言うのだ!?


何も出来ないに「五千点」。


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「競い合う」か「助け合う」かの選択が、『米国型強弱の社会』と『欧州型互助の社会』とを隔てる事になる。

2012-05-16 21:49:35 | 国際関係
ギリシャの危機が、欧州全体の危機と取りざたされて久しい。


EUはギリシャを救えるのか。

ギリシャは、ユーロ圏に留まれるのか。

ギリシャのヨーロ圏離脱は、そのまま『ユーロッパ共同通貨システム』の崩壊に、繋がる恐れが有る。


万一ギリシャが「ユーロ」からの離脱を決めてしまえば、ギリシャの信用は一気に崩壊する。

たとえ「ドラクマ」に戻ったとしても、下落してしまう「ローカル通貨」は、急激なインフレをもたらし、ただでさえ脆弱なギリシャの経済を崩壊させ、社会不安は一気に加速するであろう。

ただでさえ、25歳以下の若年層の50%は失業状態に有るギリシャの社会は、立ち直るまでに過酷な努力と、膨大な時間とを必要とする事になるだろう。


勿論、いつか立ち直るだろう。


破産したアイスランドですら、まだに国家は存続し、社会は存在して、国民生活は継続している。

しかし、いつの日か国家経済は回復し、国際的信用も獲得出来るであろうが、それまでの間のギリシャ国民の生活は、相当困難な物になる事は、想像に難く無い。


それだけでは無い。

ギリシャが、ユーロ圏を離脱する事になれば、その他の経済的困難を抱えている国々に与える影響は、計り知れない。

EUが、メンバー国を救済出来ないとなると、国際金融社会の反応は極めて厳しい物となる。

スペインと、イタリアと、ポルトガルとに、信用不安は一挙に押し寄せ、立ち直れるかもしれない可能性すら失わせて、これらの国も財政破綻に追い込まれる事は、現実的問題となってくる。

それから先の事は、想像したく無い。



元来、EU加盟国の「加盟条件」が、財政赤字が2%未満と定められている筈だった。

しかし、イタリアやスペイン、ポルトガルだけでなく、フランスも、ドイツすら、実質指数は条件をクリアーしていない所まで、来てしまっている。

フランスの失業率は、再び10%台に戻ってしまった。

スペインも、25歳未満の若年層の失業率は25%に、達している。



では、どうすれば良いのか。


フランスの大統領選挙で、「緊縮財政一辺倒」に待ったをかけ、経済政調も必要と訴えた「フランソワ・オーランド」が支持を集めて当選した。

EUの推進役の両輪であった、もう一つの「ドイツ」も、緊縮政策の砦であった「メルケル首相」率いる与党が、選挙で敗北を続けている。

ギリシャに至っては、緊縮政策を進めて来て、ギリシャのEU離脱を食い止めようとして努めて来た「連立与党」が大幅に後退し、政府が組織出来ない混乱に落ち入っている。


ギリシャで緊縮政策に反対している、これまでの野党勢力に「対案」は無い。

ただ「反対」して居るだけである。

そして、その「NO」にギリシャ国民は支持を表明した。



拙ブログでこれまでに述べて来たが、EUの統合の発想は、西ローマ帝国崩壊以来1500年来の対立構造のヨーロッパを、一つの社会にまとめようという壮麗な試みであった。


プロシアのドイツ統一の動き以来、フランスと「ライン対岸のゲルマン」とは、常に闘い傷つき合う歴史を歩んで来た。

両大戦による、独仏消耗戦の経験から、二度と争い合う事は止めようという意識が、アデナウアーにもド・ゴールにも生まれていた。


総ては、そこから始まった。

ライン川沿いの、ロレーヌ地方の炭坑と、それをもとに発達した製鉄業との「奪い合い」を避け、無用な競争による相互疲労と、軍事衝突も避ける為、『独仏ライン石炭鉄鋼生産同盟』という、産業軍事同盟が造られた事が、独仏両国の、ひいては周辺諸国を含めて、ヨーロッパの共同産業戦線を築こうと言う動きを生み、それが『EEC(ヨーロッパ経済共同体)』と言う経済連合に進み、『EC(ヨーロッパ共同体)』に発展し、「経済」の枠を取り払ってヨーロッパ全体を一つの社会にまとめたい、という理念が『EU(ヨーロッパ連合)』へと生まれ変わって来た。


その過程で、アメリカの経済的、軍事的、技術的覇権主義と、更に極東から起こった日本の技術的経済的進出とから、経済的壊滅を防ぎ、その両極に対抗しながら発展を続ける為には、ヨーロッパという小さな箱庭の中で、多くの国々に別れて対立していると、不可能である事を感じた彼等が、1500年来のライバル関係と対立とを解消し、一つにまとまらなければという感覚に突き動かされて、EUの統合に拍車をかけて来たのだ。


私の如く、ヨーロッパに住みながら部外者である人間には、なぜそこまで「突っ走る」のか、疑問に思うくらいの、執念を感じる統合作業であった。

15カ国に拡大した時も、それこそギリシャやポルトガル等と言う国を仲間にして、どこにメリットが有るのか、不思議に思った物であった。

域内で「関税」が掛からないと、人件費が極めて安い、これらポルトガルやギリシャなどの生産コストの低い国に、農業製品等は席巻されてしまう事は、目に見えていた。

当初は、欧州の中での先進国独仏などは、農業に補助金を支払う事で乗りきて来たが、遂にEU委員会はそれすら禁止してしまった。

農業や水産業は、立ち行かなくなってしまった。


更に、旧ソ連の衛星国まで加盟する事に及んで、驚きは最大に達した物であった。

何しろ、夫々の国内インフラの遅れは、EUとして補助するのだ。

例えば、国内に「高速道路」が一本も無かった『ポーランド』に、EU予算からの交付金で高速道路網を整備する。

EUの予算は、加盟国がそれぞれ経済指数によって算出された拠出金に依て、賄われる。

フランスやドイツ、ベルギー、オランダ等に取っては、何も見返りの無い政策である。

逆に、「遅れていた」国々に取っては、こんなに有り難い事は無い。

挙ってEUに加盟したいに決まっている。


そこには、『欧州人』としての、外部には分らない「共通意識」が根底に流れているらしい。


そして、そこには「競争原理」より「連帯意識」を優先させる事に成功しつつある、ヨーロッパの壮大な試行錯誤があるのだ。


実は、そこに「イギリス」の入る隙間は無い。


英語で<European>という言葉は、『ヨーロッパ人』とか『ヨーロッパの』と言う意味の言葉である。

そして、その言葉を「イギリス人」自身が使うとき、その中に自分達は入っていない。

イギリス人に取っては、存在するのはあくまで「European 」と「British」なのです。


例えば、フランスのみならず、イタリアやスペインに行ったとき、地元の人に聞いてごらんに成ると良い。

「イギリスってヨーロッパでしたっけ?」

皆、普通に「違うよ」と返事をする筈であります。

つまり、ヨーロッパに取って、ヨーロッパとは「大陸」の事なのです。

イギリス人達自身も、感覚的に『ヨーロッパ』と『イングランド』と、であった。

そしてさらに、第二次大戦後は、英仏海峡から西はアメリカ文化圏だと思っている。

アメリカが、世界支配を押し進めるに及んで、イギリス人達は「アメリカは自分達の弟」だという意識が強くなっているらしい。

この事が、日本の人たちにはもう一つ理解されていない。


欧州進出をして来た日本企業の多くが、ロンドンに欧州支社を置く事が多かった。

英語国だという事で、ビジネスがやり易かろう、という思い込みで。

確かに、言語は英語である以上便利だろうが、ヨーロッパ全域に取ってイギリスはヨーロッパとは違い世界だという認識が、時として齟齬をきたす原因にもなってしまう。


「イギリス人はヨーロッパ人では無い」

この彼等の認識は、いつまでたっても、恐らく変わるまい。



▶EU反対貫いたサッチャーの慧眼 20年以上経て証明された(ポストセブン/見出し)

>退任から20年以上経ってなお、注目され続ける存在であるサッチャー氏。かつてインタビューを行った落合信彦氏が、その慧眼ぶりを解説する。

>ヨーロッパが共同の経済圏を構築し、同じ通貨を使い、助け合って発展していこうという構想に対し、サッチャー氏は真っ向から異議を唱えた。「欧州各国が競争によって互いを高めあっていくのはいい。しかし、助け合いではうまくいかない」との主張を貫いた。国営企業を次々に民営化し、自由競争による発展を目指した信念と同じ着想である。

>与党保守党の政治家や財界はサッチャー氏を猛烈に批判。1990年の首相退任へと繋がっていくわけだが、サッチャー氏はダウニング10(首相官邸)を去るその日まで、信念を曲げなかった。目先の人気にこだわる政治家であれば、信念を曲げて首相の椅子にこだわっただろうが、彼女はそれをしなかった。

>この「信念」に対し、歴史は一つの答えを出した。

>今、EUを危機が襲っている。ギリシャのような“劣等生”を加盟国にした結果、働かない国を助けるために、勤勉な労働を続ける国が足を引っ張られている。「みんなで発展」は幻想だったことが明らかになった。サッチャー氏の主張の正しさは、20年以上の時を経て証明されたのである。

>一国のリーダーとなる者は、目先の世論調査での支持率ではなく、国家の将来を考えて決断しなくてはならない。橋下徹大阪市長が「鉄の女」のような信念を持つリーダーになれるのか、単なる金メッキ加工の大衆迎合政治家に終わるのか――その答えを我々は見極めなくてはならない。
【NEWS ポストセブン/5月16日(水)16時5分配信】



この「落合信彦」なるご仁は、肝心な事が理解されていない。

確かに、イギリスの一国の政策だけで談じれば、サッチャーのスタンスは、正しかったのだろう。

しかし、そこには「イギリス人」がEUに対して<仲間意識>を持っていないことに、考察が及んでいない。

落合信彦氏の分析は、「競争原理」の『新自由主義』礼賛以外の何物でもないのである。

そして、その「競争原理」自体が、元来『アングロ・サクソン』のもたらした発想であり、現在世界中で経済システムと社会基盤とを破壊し、国家と国民とを不幸のどん底に貶めた元凶である事が、お判りになっていない。

その、ヨーロッパ人では無いイギリス人達が、EU政策に熱心になれる訳が無いのだ。


ただ、世界的潮流であった「グローバルな経済」と、最先端技術の開発力が、今後の存在を支配する世界構造の中に合って、単独で孤立していても勝ち目は無い事が分るからこそ、かのサッチャーも「しぶしぶ」ながらEUに加盟して来たのだった。


但し、ヨーロッパ人では無い「イギリス人」だからこそ、『ユーロ』は採用しない。

EU全体が、基準の統一をはっきりされる中で、度量衡すら頑に変えず、いまだに「歩幅」で距離を測り、「岩石」で重さを量る『ヤード・ポンド法』を守り通している。

世界中で、アメリカとイギリスだけ。。。

車は、左側通行。




18世紀末。

フランス大革命のもたらす<自由>やら<平等>やらの「危険思想」が、全ヨーロッパの君主達に、恐慌をもたらした。

そんな「空恐ろしい」思想が自分の国に伝わって来たら、自国民が反乱を起こしかねない。

「特権階級の<特権>を廃止する」

そんな事にでもなったら、悪夢である。

そこで、各国は挙って革命を邪魔する為に、フランスに攻めて来た。

その、ヨーロッパ中の各国の軍隊を相手に、フランスの革命軍を率いて戦い、連戦連勝を続けていたのが、ナポレオンである。

彼は、遂に革命を終了させ、皇帝に即位して全欧の制覇に突き進み始めた。


この、ナポレオンの動きに恐れを為した「イギリス」は、ナポレオンに敗戦を喫していた各国君主達を焚き付けて、『対仏大同盟』を組織させる。

ナポレオンは、その動きが目障りで、イギリスの経済の動脈を絶つ為に、インドとの交易路を押さえるため「エジプト」遠征を挙行した。

結局ナポレオンは失敗に終わる物の、イギリス人の「ナポレオン・トラウマ」は重大な物となる。

ナポレオンによる、シェルブールの軍港整備。

更に彼は、英仏海峡の下に海底トンネルを掘って、イギリスに攻め入る構想を持ち、恐慌をきたしたイギリス人達は「ヨーロッパと陸続きになる恐怖」のトラウマを決定的にしてしまった。

ユーロ・トンネルの掘削と、それによる英仏を鉄道で結ぶ案に対して、サッチャーが最後まで渋った背景には、そのような歴史的背景と民族意識とが作用していた。

そういう背景で、サッチャーのEUへの「非積極的姿勢」は捉えられなければならない。


そして、「世界金融」体制の発祥が、イギリスである事をして、同族であるアメリカが押し進めて来た「金融至上主義」と「競争原理主義」とに則った『新自由主義体制』が、容易に受け入れられるDNAを備えていた訳である。


そういう彼等のDNAと、そこから生じる思考形態では、「劣等生」を優等生が支えてやる、というEU統合政策にはとうてい賛同出来ない類いの物だったのである。

ドイツ人も、他人には冷たい身勝手なところが有る。

だから、東ドイツとの統合で経済的に負担の増えたドイツが、「ナマケモノ」としか見えない<地中海人>達の経済的失敗の後始末を買って出るのに、もう一つ積極的になれなかったのだ。

でも、EUの生みの親が<独仏両国>である以上、経済的に一番余裕の有る立場としては、結局は無視する事は出来ない。

不肖の子の始末は、親が見る。

しかし、だからと言って「ナマケモノ」達に無尽蔵に援助なんか出来る物か。


という訳で、情け容赦ない「緊縮政策」を該当国に強制して来た。

「ネオリベ」であるサルコジーも、それに否やは無かった。


しかし、人間「我慢」と「節約」だけでは行きて行けない。

まして、不況の嵐が吹き荒れる結果を受け入れながら、更なる緊縮策と言われると、それぞれの国民達は我慢出来ない、という訳だ。


かくして、フランスは発想を変える事になる(らしい)。

当事国のギリシャも、組閣に失敗し、総選挙やり直しの公算が大となって、「緊縮政策」に反対を唱えるだけで、何の対案も無い「急進左翼」政党が、更に議席を伸ばすであろうと見られている。


それで、どうなる?


スペインも、連日国民のストが過激となって、あちこちで警官隊との衝突が繰り返されている。

ドイツも、左派が巻き返しを確実にしている。

そうなると、ポルトガルだって、イタリアだって、国民は「耐乏生活」なんぞマッピラだ、と言う事になろう。


それでどうなる?


ユーロ体制を崩壊させるか。

EU 事態が崩壊するか。


そうなったら、ヨーロッパは50年間くらいは、国際競争力等無くしてしまうのか。。。

いや、そうはなるまい。

ヨーロッパは、元々「成熟した社会」であった。

他人のパイの取り分まで奪おう、という発想は無かった。

又旧来の、小さな国家の寄り集まった「ヨーロッパ」に戻ったとしても、彼等自身にはさほどの不都合は無いのでは無かろうか。


ただ、そうなったら世界経済全体に、とてつもなく大きな影響が及ぶであろう。

せっかく、1500年来の対立と戦争の関係を捨て去り、全ヨーロッパ人が共通の基盤に立って「ヨーロッパ人」として高め合って行こう、とした理想が水泡に帰する事こそが、<EUROPEAN>にとっての、拭い難い悪夢である筈だ。



フランスの新大統領に就任した「フランソワ・オーランド」が、その就任演説の中でいみじくも言った通り。

『我々の敵は、<経済が支配するシステム>である』


そのような社会を築き上げたのが、アメリカである。

ヨーロッパは、そのアメリカに伍して、存在を続けて行かなければならない。

その為には、アメリカと「同じ土俵」に乗っては、勝てる訳が無い。

ヨーロッパには、ヨーロッパの価値観が有り、その価値観によって存在する資格が有る。


そん為には、ユーロとEUは、断じて崩壊させる訳にはいかないのだ。


それにしても、官僚天国、脱税天国である、自らの社会構造の為した結果の財政危機に喘ぐギリシャで、緊縮策に激しく反発するだけで政権を取りそうな「急進左翼」が、どんな対策を掲げるつもりだろうか?



で、これから、どうなる…?



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金がないが是非ともイランと戦争したいアメリカ。孝行息子イスラエルと二人羽織で中東戦争を目論む?

2012-02-03 22:47:18 | 国際関係
「イラン包囲網」は、刻一刻と狭められている。


三年連続で、年間財政赤字1兆ドル越えを発表したアメリカは、戦争したくてたまらない。

あらゆる産業が、多かれ少なかれ「軍需」で成り立っているアメリカ。
あらゆる階層の国民が、その「軍需」に関わりを持つ産業の一角で、みすぎよすぎをたてている。

産軍学の共同体は、軍需無くして成り立たない。

しかし、実際にはこれ以上「軍事費」は何処からもひねり出せない所まで来てしまっている。

日本のTPP参加は、手続き上実質的には来年度以降になってしまう。

来年以降まで待っては居られない。

イランが核武装してしまう。


八方塞がりの窮地に陥ったアメリカには、立派な孝行息子が居たのだった。


▶イスラエル、今春にイラン攻撃の可能性も 米国防長官(CNN/タイトル)

>イランの核兵器開発疑惑をめぐってパネッタ米国防長官は、イスラエルがこの春にもイランを攻撃する公算が強まっているとの見方を固めた。米政府高官が明らかにした。

>米紙ワシントン・ポストによれば、イスラエルはイランが核兵器の開発に着手すると予想し、その前の4~6月にイランを攻撃する公算が大きいとパネッタ長官は見ているという。

>米政府高官は、同長官が複数の情報を分析した結果、こうした判断に至ったと説明している。イスラエルは米国や西側諸国による行動を促す目的で、イラン問題に関して強硬な発言を続けているという。
【CNN.co.jp/2月3日(金)10時33分配信】



「イスラエルがこの春にもイランを攻撃する公算が強まっているとの見方を固めた」

何とも「他人事」の如きコメントである事か。
坦々と、「戦争突入の公算が高い」と見ている。

サーチナの記事によれば、事態はもっと現実味を帯びて来る。


▶米国が攻撃スケジュールを初公表 イスラエルが今春イランに攻撃か(サーチナ/見出し)

>パネッタ米国防長官は、ワシントン・ポストのコラムニストであるデビッド・イグナチウス氏の取材を受け、「イスラエルは“イランが核兵器の製造に着手している段階に入る”ことを確認しており、2012年4月から6月にかけ、イランの核施設を攻撃する可能性が高い」と示唆した。

>ニュースサイト・フォックスは、米国の態度がどうであれ、イランの核兵器製造が米国にとっては戦争をしかけるレッドラインになると分析。だが、イスラエルはこれより堪え性がない。目下のところ、イスラエルがレッドラインと想定しているのは、イランが核兵器を製造できる材料を持っていることだ。言い換えれば、イスラエルはイランが今年の春には十分な濃縮ウランを貯蔵し終わり、核弾頭の製造が可能になると予測している。

>パネッタ米国防長官は先日、「イランはおそらく1年前後で核弾頭を製造し、1―2年以内に核弾頭の発射装置を開発するだろう」と発言している。米国は、軍事衝突も想定に入れた“すべての手段”を使ってイランが核兵器を持つことを阻止するだろう。
【サーチナ/2月3日(金)18時8分配信】


<総ての手段>を使って。

真綿で首を絞められる様なイランとしては、精一杯の強がりを言わざるを得ない。


▶イランは圧力に屈せず、制裁や脅迫には報復=ハメネイ師(ローター/見出し)

>イランの最高指導者ハメネイ師は3日、イランは核開発計画を断念するよう迫る国際圧力に屈することはないと述べるとともに、欧米が支持するイラン産原油の輸入禁止や同国に対する攻撃の脅迫には報復も辞さないと警告した。

>礼拝者への演説を国営テレビが生中継で伝えた。

>米メディアは2日、パネッタ米国防長官が、イスラエルがイランの核兵器開発を阻止する目的で4月にもイランを攻撃する可能性が高まっていると考えている、と報じていた。

>ハメネイ師は「イランを脅迫し、イランを攻撃すれば、米国に危害が及ぶことになる。制裁は、核開発を続けていくわれわれの決意に何ら影響しない。原油輸入禁止や戦争の脅迫に対抗し、われわれにも適切な時期に実行できる独自の脅迫手段がある」と語った。

>「シオニスト体制(イスラエル)に立ち向かい、戦うことを望む国やグループを支持し、援助すると言うことに恐れはない」とも述べた。
【ロイター/ 2月3日(金)21時47分配信】


ご存知の通り、イランはアラブ国家では無い。

彼等は『ペルシア人』であり、古に軍事と文化ともに栄華を極めた強大な国家を築いていた民族の末裔である。

イスラム教を国教とし、国民への影響力は大統領より<アヤトラ(宗教指導者)>の方が、ずっと大きい。


しかし、アラブのイスラム原理国家と違って、「文明的」な国家なのだ。

女性が素顔を晒して町を歩いても、何も罰される事は無い。
男性運転手のタクシーに、女性独りで乗る事も自由である。
女性の社会進出は、中東アラブ諸国の比では無い。

敵性ユダヤ資本のコカコーラすら、普通に売られている。


何しろ「アラブの野蛮な民族」とは違うと言う、強烈なプライドを持っているのである。

アヤトラ達の中にあっても「最高指導者」と見なされているハメネイ師は、エジプト民衆の「反政府デモ」を賞賛して来た。


そのイランは、中東に置ける欧米の身勝手な行動を散々目にして来て、欧米、特にアメリカの横暴さに対しては、激しい憎悪を隠そうとはしない。

いまのアハマディネジャド大統領は、35年前の「駐イランアメリカ大使館」占拠事件の時の実行グループの、若者達のリーダーの一人であった位で、反米意識には筋金が入っている。


さらに、中東の複雑怪奇な政治バランスと経済的競争環境の中にあって、必ずしも「アラブ側」の全面的支持を受けている訳では無い。

その上、『イスラエル』と言う狂犬が身近に控えて「綱渡り」的外交を求められる環境に有って、「核武装」を急いで来た。

同盟国であったアメリカに依るイラクの侵攻は、彼等の「自主独立軍備」の必要性に、拍車をかけたのだ。

「既に核兵器を保有している国」だけが合法で、その彼等が、これから核武装をしたい国の事を非難する、という理屈を彼等は認めない。

イラクに次ぐ、アフガニスタンやパキスタンの情勢を見せられるに付けて、警告を受けようと、非難されようと、自主防衛の為の核武装の必要性は、反比例的に高まって行った。

何しろ、イスラエルは少しでも油断すれば、即座に攻めて来る。

『先制攻撃』が唯一の戦略である国なのだ。
しかも強力に。

これまで、イランの核施設を、何度攻撃された事か。
イスラエル機による、爆撃機の国境侵犯に依る爆撃で。

これまで、イランの原子力科学者を、何人暗殺された事か。
潜入した< モサド(特殊部隊)>による自国内での作戦で。


そう言う背景にあって、アメリカは「北風外交」を止めようとはしない。
むしろ、圧力をドンドン高めて締め付けて来る。

政治経済が複雑に絡み合って、アメリカの影響力を排除出来ない、ヨーロッパや、日本その他『親米諸国』を焚き付けて、イランの封じ込めを目論んで来た。

以前より、EUによる「イラン産原油」の禁輸措置の発効する、今年4月1日をもって、開戦になだれ込むであろうと言う見方は、かなりの確立で支持されてきたが、いよいよその「スイッチ」をイスラエルが押す事すら、決まって来た様だ。

何しろ、アメリカ大統領選挙の始まる前、というタイミングを計る必要が有る。



そして、単純な「アメリカ軍に依るイラン侵攻」という形は取らない。
イラクの二の舞になってしまう。

アメリカ国民も、さすがにそれは許さないだろう。


そこで、「イスラエル」対「イラン」及び、それに続く『第六次中東戦争』に持って行く必世が有る訳なのだ。

中東戦争と言う事になれば、石油の値上がりは火を見るより明らか。
それに引きずられて、あらゆる物価が高騰する。

勿論株価もドルも。

アメリカの、最も望む方向である。

そうなれば、『中東和平』の田目に参戦すると言う「大義名分」が立ち、国民の支持を受けて、堂々と戦争が出来ると言う物だ。

アメリカ政府の、最も望む方向である。

青のアメリカ政府を左右する、ユダヤ系国際金融機関や、コングロマリットの、最も望む結果なのである。



そして、その尻馬に乗るのが、日本外交の恒である。

八十数年前に日本画アメリカから受けた仕打ちを、今日本はアメリカの為に、率先して実行しようとしている。


▶イラン制裁:「最終的結論へ進展」日米実務者協議(毎日/見出し)

>日米両政府は2日、米国務省内で核開発を続けるイランへの金融制裁を巡る2回目の実務者協議を行った。外務省の上村司・中東アフリカ局審議官は終了後、記者団に対して「最終的な結論に向けて進んでいる」と説明。

>米国防権限法は、原油代金決済などでイラン中央銀行と取引のある外国銀行について米銀との取引を禁じ、事実上、米金融市場から締め出すことが柱。イランの主要な外貨収入源を断つことで、核開発を断念させることを狙う。日本は同法によるメガバンクなどへの制裁回避のため、現在、原油調達の約1割を占めるイラン産の輸入削減を迫られている。輸入量をどれだけ削減するかが焦点。

>日本側は今年1月の初回協議に続き、2日の協議でも過去5年間にイラン産原油の輸入量をすでに約4割削減した実績を強調。大幅な追加の輸入削減なしで、邦銀を制裁対象から外すよう求めたと見られる。
【毎日新聞/2月3日10時44分配信】


先日も書いたばかりだが、改めて言いたい。

「イランと日本の付き合いは長く、友好的である。日本の社会に取ってイラン石油は不可欠である以上、禁輸政策には加担出来ない」

と言えば、最高にかっこいいのに。

独立主権国家としての「本物の外交」として、認めさせる事が出来るのに。
相も変わらず、米国出先の代官としての発想しか出来ない。

オームどころの騒ぎでは無い「洗脳」されっ振りである。

とにかく、日本の官僚と政治家は、あまりに世界の現場の事を知らなさすぎるのだ。


パレスティナの置かれた惨状と、イスラエルの非道な仕打ちを見て、その「イスラエル」という現実的脅威に対して、イランが急ぐ核開発の事情を分らなさすぎる。


先日も書いた。

私は「非戦論者」であります。
「非核論者」でもあります。

平和憲法を守りたい。

地上から戦争と核兵器とを無くしたい。
勿論原発も。


日本政府が、もし「そのような哲学」でイランを非難しているのであれば、私も異は唱えない。

しかし、福島での原発事故にも拘らず、「原子力発電依存を止める」と言い出さない日本政府に、イランを非難する資格は無い。

日本国民の多くを「放射能被曝」に晒させ続けながら、東電は安泰に存続を許され、あまつさえ「原発」をトルコやその他に輸出しよう、等と言う厚顔無比なる日本政府に、イランを「制裁」する資格等、何処にも無い。


アメリカは、アフガンからの撤退の前倒しを発表した。

着々と「次」に備え始めている。

それに伴って、ドルの低下と株価の低迷、国内失業率の高騰、貧困率の増大、反裕福層のデモ行動の頻発、などなどアメリカは経済の再建が、急務中の急務なのだ。

本来ならば「戦争どころでは無い」筈なのだが。


アメリカと言う国家だけは、実に特殊な国家であり、国の経済が傾くと常に戦争を仕掛けて来た。

戦争立国アメリカ合衆国。

大学や研究機関の研究活動は、その成果が軍需に生かされる事に依って、高額の研究費をあてがわれて来た。

医学も、薬学も、物理学も、化学も、エレクトロニクスも航空宇宙技術も、何もかも総ての最先端の分野の、活発なる発明発見が常に最先端の軍事技術の開発に、生かされて来た。

NASAの宇宙事業も、最新鋭軍事技術と表裏一体を成している。

今や彼等は、居ながらにして世界中の隅々まで「高感度カメラ」搭載の宇宙軍事衛星に依って監視されており、必要であれば独りの人物がベンチに座って読んでいる新聞記事すら、明瞭に映し出せるのだ。

コンクリートの壁の奥の会話すら、傍受出来る技術を持っている。

地球上の、あらゆる電話の通信は、毎日何百億の会話の総てが記録され、必要に応じて再生傍聴出来るのだ。

世界中に飛び交っているメールも、その気になれば総てチェック出来る可能性を持っている。


そんな彼等の、これからの戦争は「海兵隊」の投入等では無い。
大量の戦車隊の派遣でもない。

無人機に依るピンポイント攻撃で、一撃必殺で対象をしとめようとする。

電子情報戦が、主体なのだ。

取り敢えずの地上戦は、「現地」に任せておけば良い。


そして、今回の「現地」とは『イスラエル軍』である。


イスラエル自身も、相当高度な電子情報戦のシステムを所有している。

『モサド』という、高度な突撃作戦専門の特殊部隊も、持って居る。

勿論、近中距離ミサイルに至っては、周辺イスラム諸国のそれとは精度が違う。

そのイスラエルに「露払い」をやらせれば、戦争の成否は最初から9割方は決まっている、と言っても言い過ぎでは無い。


イランは、最後まで「国民を鼓舞するため」にも徹底抗戦を訴え続けるだろう。


そして、開戦が100%避けられないとなった時に、テヘランは核開発の放棄を提案するかもしれない。

実際に戦争が始まってしまえば、「第二のイラク」になる事は、火を見るよりも明らかなのだから。

政府は現実を見る。


しかし、ハメネイ師以下、宗教指導者達が果たして「悪魔に膝を屈する」屈辱を受け入れるのか…?

これだけは、戦争への道程の成り行き次第であって、今の時点では第三者には推測等出来よう筈は無い。


いずれにせよ、開戦となったら犠牲者は住民達である。


中東における、市民の対イスラエルの憎悪は、現地に居ないと理解出来ないであろう。

地下シェルターの作戦戦略室で、コンピューターの情報をモニターで見ながら戦略を立てる側には、理解出来ない事なのだ。

だからこそ、アメリカは戦争を仕掛ける。

現地事情を理解しないから。



▶パレスチナ:国連事務総長にガザで「靴投げ」(毎日/見出し)

>中東歴訪中の潘基文(バン・キムン)・国連事務総長を乗せた車両が2日、パレスチナ自治区ガザでパレスチナ住民約40人に取り囲まれ、靴や石を投げつけられる騒ぎがあった。

>AP通信によると、デモ隊はイスラエルの刑務所に収容されているパレスチナ囚人の家族ら。

>イスラエルからガザ地区に入った事務総長の車両に「イスラエルびいきはやめろ」などと詰め寄ったが、パレスチナ治安当局に排除された。

>アラブ社会で、靴を投げつけたり振り上げたりする行為は最大限の侮辱を意味する。
【毎日新聞/2月3日19時07分配信】



この出来事には、パレスティナの難民達が、自分達の窮状とイスラエルの非道さを訴えたくて、潘基文事務総長に面会を申し入れて、拒否されていた、と言う背景が有った。

韓国人である潘基文は、自分達が『アジア』と言う<第三世界>に属している事を、とっくに忘れてしまったらしい。

アジアでありながら、欧米のつもりになっても、欧米からは「欧米」と認められる事はあり得無く、欧米以外からは「裏切り者」としか見て貰えない事を、肝に命ずる必要が有る。

国際機関の長などの地位に就けば、なおさらの事である。


20世紀後半から続く「世界の悲劇」は、欧米ですら諌められないアメリカを、欧米以外で、諌められる存在が居なかった、と言う事だろう。


少なくとも、65年以上経済的にも外交的にも尽くし続けて来た、日本こそ、その立場に立てる筈なのであった。

短期間では有ったが、<EU>と<アメリカ>と<日本>と言う、世界の三極と考えられた時期も有った。

そのような位置に居た日本こそが、アメリカの「真の友人」として、是々非々を伝える役割を、担える筈であった。

霞ヶ関が出しゃばらなければ、そう出来る筈であった。

その為の「政権交代」ででも有った筈である。


EUも、イラン戦争を睨みながら、新防衛戦略を練り始めた。

ミサイル防衛システムの構築と並んで、「無人機」の配備も決めた。

ただ、フランスが主唱していた、「ヨーロッパ独自開発」の無人機は、急場に間に合わない以上、アメリカ製の購入を決定した。

しかし「アメリカ製の購入に頼っていると、独自技術の衰退を招く」というフランスの主張は聞き入れられ、欧州共同開発は続けられる。


日本は、何故「自主独自」を貫けないのだろうか。

勿論、軍事面に置いては、これまで「憲法上の制約」で、自主防衛も自主開発も、不可能であった。

しかし、今や「戦車」も「潜水艦」も世界最先端の物を自前で作っている。

「ステルス戦闘機」だって、独自開発すれば良いでは無いか。

兵器は「大量製造」が出来なければ、黒字にはならない産業である。

武器輸出に制限の有る日本は、高性能兵器を開発しても、きっとペイしないだろう。

しかし、アメリカ製の兵器を買わされるにしても、その開発費の相当部分を負担させられて、技術移転は行われない事も覚悟しなければならないなんて条件を(喜んで)飲むくらいならば、自主開発しても国民はそれ程怒るまい。

そして、兵器開発に依てもたらされる技術を、民生品に生かして、ハイテク商品を次々と世界に売りさばけば良いのだ。


アメリカ帝国の戦争のお先棒を担ぐのは、イスラエルだけで充分だ。

コメント (6)
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更なるテロが心配される「イラン制裁」。EUがイラン原油の全面禁輸を決定。

2012-01-23 23:50:52 | 国際関係
どうも『白人種』は、アジア人やアラブ人等に対して、「力で圧倒すれば言う事を聞かせられる」と、信じ込んでいるのではなかろうか。



EU外相会議議長の、「イラン制裁としての原油の禁輸決定」の発言を聞いていると、その<口調>からして、そのように考えざるを得ない物が有った。

居丈高。
高圧的。

自分達の側の正義感だけを高らかにまき散らしながら、冷酷無比な感情の声音であった。



16世紀『大航海時代』以来、ヨーロッパ人にとって、ヨーロッパ以外の世界は、「早い者勝ち」で植民地にして良い土地に過ぎなかった。

地図に記載されていない島。
海岸線のみで、内陸の様子は不明の大陸。

そのような土地には、とにかく上陸して、そこに暮らす人間達が居ようが居まいが、「ヨーロッパ人が居ない」と見るや、自国の旗をたてて「宣言する」だけで、その土地が<植民地>になったのだ。

黒いニンゲン。
黄色いニンゲン。
赤茶色のニンゲン。

これらは、「ニンゲン」の様な格好に見える、「奇妙な生き物」に過ぎなかった。

<サル>以上<ニンゲン>未満。


「ガラス玉」を与えて、黄金を根こそぎ奪い取る。
「中古のテッポー」を与えて、その部族以外の部族を征服させ、捕虜を奴隷として受け取る。

土地は、勝手に支配する。
その土地の持つ、宏大な草原や河川その他「固有の生産力」共々、奪い尽くした。

抵抗した民族や部族は、強大な武力で叩き潰した。
恭順を示した部族には、強引に「キリスト教」を押し付けて、言語や文化や伝統を消し去っていった。

遊牧の民は強引に定住させ、定住民族は先祖伝来の土地を奪い取り、別の「貧しい土地」に、強制移住させた。



このような歴史の流れに沿って、白人種は19世紀いっぱいまでの長きに亘って、「世界征服」を成し遂げて行ったのだ。

征服されずに済んだのは、彼等と余程巧みに折衝出来る程の「国家組織」を持っていた民族か、余程魅力の無い土地の民族だけと言って、過言では有るまい。


その時代から、彼等の精神には「白人以外の人間」への、<無意識>な優越感が築かれて行って、今日も受け継いでいるに違いない。

そう考えれば、<欧米>による『第三世界』という発想が、理解出来る。


人口数百万人の大都会を、絨緞爆撃する発想。
人口数十万人の都会に、原子爆弾を投下する発想。
貴重な地球資源であるジャングルに、枯れ葉剤を散布して死滅させる発想。
理由も目的も説明せず、現地人に『梅毒ウイルス』を投与して、人体実験する発想。


そのような発想は、今日まで連綿と続いて居る証が、自国内では禁止している「ポスト・ハーヴェスト農薬散布」の農産物や、遺伝子組み換え作物を、第三世界へ「輸入を強要」する事で有り、自国内で厳しく仕様を制限しているタバコを大量に輸出する発想、である。

そのような精神の人種が、第三世界へ武力介入すれば、小娘の女兵士が敵軍の捕虜を裸に剥いて、首輪を付けて犬扱いしながら、その前で写真を撮ったり、敵兵の遺体に「小便」をかける様な事も、起こっても不思議では無い。



▶「米兵放尿事件に怒り」仏兵士射殺のアフガン兵(讀賣/見出し)

>アフガニスタン東部カピサ州で20日、アフガン軍兵士が国際治安支援部隊(ISAF)傘下の仏軍兵士4人を射殺した事件で、兵士が調べに対し、旧支配勢力タリバン兵の遺体に米兵が放尿した事件への怒りから犯行に及んだと供述していることが分かった。
【讀賣新聞/1月23日(月)18時35分配信】


彼等「白人至上」主義的感覚が根底に流れる欧米人種は、「第三世界」の人々を、高圧的に接すれば接する程、反発と嫌悪と怨みとを抱かせる事になる、という理屈が理解出来ない。

自分達が、「人間としての尊厳」を傷つけられたとしたら沸き起こるであろう「反抗心」の事が、意識から欠落している。

「北風」が強ければ強い程、旅人は外套をきつく体に巻き付けるので、脱がせる事が出来ない事が、理解出来ないらしい。



▶イラン産原油 EU、全面禁輸決定 外相理 中央銀資産凍結も(産經/見出し)

>欧州連合(EU)は23日、ブリュッセルで外相理事会を開き、核兵器開発疑惑が強まるイランへの圧力を強めるため、同国産原油の輸入を、既存の契約分も含め、7月1日から完全に禁止することを正式決定した。イラン中央銀行の資産凍結も決めた。イランにとってEUは中国に次ぐ第2の原油輸出先で、EUの禁輸実施はイランに大きな打撃となる。

>米国は昨年末に、イランから原油を輸入する国の金融機関に米国独自の制裁を科す法律を成立させており、EUの決定でイランに対する圧力が一層強まった。ヘイグ英外相は「イランが国連安保理決議を破り続け、交渉を拒んでいることを考えれば、絶対的に正しいことだ」と述べた。

>イランをめぐっては、国際原子力機関(IAEA)が核兵器開発疑惑を指摘する報告書を昨年11月に公表。欧米は「イランの核開発は相当進んでいる」との共通認識のもと、制裁強化への動きを進めていた。
【産經新聞/1月24日(火)7時55分配信】



中央銀行の資産凍結。
石油の供給禁止。

どこかで、見た様な光景である。

あの時、日本はどうしたか。

それを思い出せば、イランの反発は「想像出来る」だろう。


>欧米は「イランの核開発は相当進んでいる」との共通認識のもと、制裁強化への動きを進めていた。


イランが、一体「何故」核開発を続けているのか。

<欧米>は、すっかり忘れてしまっている。

<欧米>が全員でバックアップする『イスラエル』が、周辺中東諸国に対して「北風政策」を取り続けているからでは無かったか。

『核兵器』を所有した上で。



>「イランが国連安保理決議を破り続け、交渉を拒んでいることを考えれば、絶対的に正しいことだ」


国連安保理は、イスラエルの「核兵器保有」への抗議決議案を、これまでに一体何回行ったか。

そして『イスラエル』は、国連の決議を一回でも受け入れた事が有ったか。

国連決議を「無視し続けている」イスラエルに、『制裁措置』を取ったか。



▶全面禁輸 改めて「封鎖」警告 イラン打撃も、なお強硬(産經/見出し)

>欧州連合(EU)が、イラン産原油の輸入禁止を決定した。国庫収入の大半を原油輸出に頼るイランには大きな打撃で、イランの強硬派は原油供給の大動脈であるホルムズ海峡封鎖の可能性に改めて言及した。欧米、イランとも武力衝突は避けたいのが本音だが、国内事情からイランが譲歩する可能性は低く、情勢がさらに緊迫する恐れも出ている。

>イランは、禁輸措置に対しては、ホルムズ海峡を封鎖することで対抗すると警告を繰り返してきている。

>しかし、海峡封鎖で米国などとの軍事衝突を招く事態となれば、軍事力で劣勢のイラン側が痛手を被るのは火を見るよりも明らかだ。

>専門家の間では、度重なる制裁で経済が既に疲弊しているイランが、さらなる経済の悪化につながる海峡封鎖に踏み切るのは難しいとの見方が一般的だ。

>6カ国側代表のアシュトンEU外交安全保障上級代表は同日、「制裁の圧力が結果として交渉につながることを願う」と述べた。

>一方、イランの伝統的友好国であるロシアのラブロフ外相は23日、「一方的な制裁はイラン問題の解決には役立たない」と批判的な見方を示した。同外相は18日の会見では、イランへの軍事攻撃は「(イスラム教)スンニ派とシーア派の対立をあおる。その後の連鎖反応がどこで止まるか分からない」と欧米を牽制(けんせい)していた。
【産經新聞/1月24日(火)7時55分配信】



>欧米、イランとも武力衝突は避けたいのが本音だが、国内事情からイランが譲歩する可能性は低く、情勢がさらに緊迫する恐れも出ている。

欧米は、イランが「譲歩出来ない」事を分っている。

分っていて、北風を強く吹き付ける。


日本が、満州から撤退出来ない事を、アメリカは分っていた事と、同じ様に。


>「制裁の圧力が結果として交渉につながることを願う」


『圧力』は、民族の反発を高める事こそあれ、交渉につながることなど、 あり得ない。

「逃げ道」を残しておいてやらなければ、無条件に「圧力」に屈してしまう事など、あり得ない。

それが「民族の尊厳」なのだ。

戦後の日本の霞ヶ関や永田町は、人類の文明史上の例外である。



今回のEU決議の黒幕は、アメリカである。

アメリカは、イランの原油の輸出を封鎖しても、何ら困らない。

例に依ってただひたすら、「アメリカの原理」で世界を戦争に巻き込もうとしているのだ。

ギリシャやスペインは、イラク原油にかなりの原油供給を頼っている。

その、ギリシャとスペインとは、目下最大の懸案である「EUの経済危機」の最も危ない国である事を考えれば、イラン原油の代替えを求めて、価格の高騰に対処しなければならないと言う、又一つ余計な難題を背負わされてしまった訳だ。

しかし、ギリシャが債務不履行に陥ろうが、スペインが国家破産しようが、アメリカは痛くも痒くもないのだろう。

アメリカは、両国の国債の保有率は極めて低く、「ユーロ圏の崩壊」は弱含みのドルの回復と共に、むしろ歓迎するべき事だと、心の底では考えているのでは無いか。


『欧米』と書いて来たが、対イラン政策の点だけでいえば、正確には『英米』が正しい。


『イギリス』は「ヨーロッパ」に含まれない。

英語で<Europian>とイギリス人が言う時、その中に自分達は不決まれていないのだ。

自分達は、あくまで<British>である。

イギリス人の感覚では、『イギリス』と『大陸ヨーロッパ』なのだから。

ただ、日米二極が<経済>と<技術>のリーダーであった時代に、小さな国々に分かれて居るっままでは、日米二極に対抗出来ない事から「欧州統合」という『壮大な』試みが始まった時、孤立する事を恐れて、イギリスはEU(当時はECC)に参加した。

しかし、依然として<ユーロ>は採用せず、<メートル法>の採用も拒んでいる。

彼等は、依然としてヨーロッパとして、括られたく無いのだ。

今回の、IMF 等が主唱して纏め上げた「EU危機対策案」にも、イギリスだけは断固反対していることでも、彼等の立ち位置は理解出来る。



アメリカの「実家」だと思いたいイギリスは、事有るごとにアメリカのサポート役に徹してきた。

今回の、イラン制裁も、その同じ流れの上に有る。


<7月1日、イラン原油全面禁輸決定>


これで、いよいよ「イラン戦争」に突入か。


しかし、実質的には、イランに戦争する体力は無い。

既に、これまでの経済制裁で、通貨の大暴落と共に、国内経済はほぼ破綻している。

EUも、本音では戦争は避けたいのだ。
戦争どころでは無いのが、現実である。

しかし、だからと言ってここまで「追いつめられた」イランが、膝を屈する訳は無い。

これから、必死の外交的駆け引きが続く筈である。

しかし、その間「尊厳を踏みにじられた」イランの国民は、どうするか。

当然、欧米に対して「憎悪」の感情をたぎらせて行く。


ヨーロッパには、イスラム教徒は大量に生活している。

その彼等は、同じイスラム同士で、精神的な繋がりは無視出来ない物が有る。

しかも、同じイスラム国への欧米の敵対行為、で有る以上、相当の反発は当然抱かれるはずである。

それで、懸念されることは。。。


ヨーロッパ各地での<テロ>の頻発である。


追いつめられたイスラム教徒は、死を恐れない。
殉教徒は天国へ招かれ、家族は「英雄の家族」として、尊敬される。


2012年の前半は、予断を許さない世界情勢となって来た。

テロが頻発すれば、輸出入業や観光業が「多大な」被害を受けるに違いない。
英米の我が儘の為に、迷惑を被るのは常に、英米以外の各国の市民達である。

そして、自爆テロを実行した「犯人」の家族に取っては、殉教も英雄も関係なく、被害者の家族と同じ哀しみに、打ち拉がれる事になるのだ。

愛する家族を失った人々の感情は、政治や宗教や経済的敵対関係等に、関わり無く、国境と人種を越えて、同じである。

その様な、「個人」の次元での悲劇を世界中に生み出させる事に、如何なる感情も抱かず、唯「自分だけの大義」を振りかざして、世界を混乱に巻き込んで来たのが、アメリカと言う国であった。

そんな行動様式は、そろそろ止めてくれないだろうか?


私は、「核兵器」を嫌悪する。
核武装を拒絶する。

戦争自体を否定する。

しかし、イランの行動を避難しない。


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『ホルムズ海峡』は、アメリカの<北風政策>によって、イランの「真珠湾」になろうとしつつある…。

2012-01-13 23:07:17 | 国際関係
アメリカと言う国は、時代を問わず「戦争立国」である。


その背景には、二種類の要因が有ると思われる。

一つは、アメリカと言う国の「社会性」である。
もう一つは、アメリカと言う国の「経済性」だ。



<社会性>と言うのは、国としての感情とでも言えばいいだろうか。
個人に「国民性」と言う物が有る様に、国にも「国家性」とでも言うべき性向が、有る筈だ。


一口で言えば「価値観の押しつけ」が、彼等の行動の基本である事。


良く言われる表現『アメリカン・ウエイ・オブ・ライフ」が、一頃の生活の豊かさに置ける<世界基準>になりかかっていた。

それはそれで良かろう。

しかし、市民生活の価値観だけでなく、国家としての『アメリカン・ウエイ』が、国際基準でないと、彼等は満足しないのだ。


彼等が、誰かに何かが必要と感じたら、本人が必要と感じなくても、強引にそれを迫る。

拒否されたら、そのまま「国際的緊張」を造り出してしまうのだ。

世界中から搾取し強奪した富と、それが造り出した軍事力を背景に。


浦賀沖に現れた『黒船』のやり方を思い出してみるが良い。

先年「ペリー提督」の生誕200年かなにかを「記念」すると言って、わざわざ彼の地に子孫を訪れ、記念品の贈呈かなにかをやっていた。

私の目には、非常に不愉快に映った物だった。

なんで、他人の家に土足で踏み込み、恫喝して国の方針を変えさせた相手を、顕彰なんぞせにゃならんのか。


完全に破綻していた『徳川幕府』という制度が、『清朝』の様に列強に植民地化されずに済んで、彼等のお陰で「開国」へと針路を帰る事が出来た、という事実は、又別の次元の話である。

やり口の事を、言っている。


次に、日本が「国際連盟」脱退に追い込まれて、そのまま太平洋戦争に突き進まざるを得なかった背景も、思い出してみるが良い。

この辺りの事については、先日も拙ブログに書いたが。

わが国の、「軍事官僚」の思い上りや無能ぶり、その彼等のお先棒を担いで国民を破滅へと導いて行った「マスコミ」の悪辣さ、無責任さは、今回の主題では無いので、横に置いておく。


言いたかった事は、アメリカは自分達の望む事をかなえる為には、他人の生命線なんぞ平気で封鎖する、と言う事である。


『サダム・フセインのイラク』が辿らされた道を、思い出してみるが良い。

独裁とは言え、アメリカ自身が造り上げたも同然の政権を、直前まで軍事的にも外交的にも積極支援して来たにも拘らず、一旦「邪魔」だと感じたら、うむを言わさぬやり方で、匕首をのど元に突きつける。

「大量破壊兵器を持っているだろう」
「さあ、さっさと差し出せ」

あとは、どれだけ否定しようが、反論しようが、国際査察団を受け入れようが、聞く耳持たずに「最後の一線」を越えさせる方向に持って行く。

イラクの場合は、アメリカの方から攻め込んで行ったが。


「四億円の賄賂を受け取っただろ!」
「白状しろ!」

何をどう説明しようが聞く耳持たぬ、小沢一郎を責め続ける一味と、同じ様な事か。


とにかく、アメリカの判断、アメリカの都合、アメリカの感じ方、で総てがまとまらないと、気に入らない。

気に入らないと、外交的に責め立てて、それでも希望通りにならないと、後は軍事的に責め立てる。



二番目の<経済性>とは、彼の国の経済構造が、戦争する事で成り立っているからである。

この辺りの下りは、先日書いたばかりだが、同じ事の繰り替えしになってしまった。


要するに、自分の思う通りにならなければ気が済まない「軍事超大国アメリカ」は、イラクから撤退する事で、次の戦争を準備し始めている、と言う事である。

イラクとアフガニスタンへの侵攻で「経済的破綻」状態に居るくせに。

格付け会社等と言う「お為ごかし」の手先を使って、ヨーロッパや日本の経済を追い込む形で、紙くず同然の『ドル』の価値を表面上に維持しながら。



▶米と石油業界が想定する悪夢のシナリオ―イランの海峡封鎖発言受け(WSJ見出し)

米国の政府高官と国際石油業界が想定する悪夢のシナリオがある。それは、制裁を課した西側に反撃したいイランが自暴自棄になって、戦略上重要なホルムズ海峡を封鎖し、原油の輸出を阻止しようとすることだ。



この一行が、アメリカ・メディアの手になる事の典型と、言えるだろう。


つまり、<政治>も<経済>も<報道>も、金太郎飴みたいに、どこから切っても同じ発想しか出て来ない、と言う事だ。

何が『悪夢のシナリオ』だ。

自分達が<原因>を作っているくせに。

相手に取って「逃げ道を残さず責め立てる」やり方を、百年一日の如くに繰り返す。


英米両国の政府高官はイランがホルムズ海峡を封鎖しようとした場合、軍事的行動も辞さないとの姿勢を示している。世界の原油取引量の5分の1は、ホルムズ海峡を通ってペルシャ湾から輸出さ


自分達で原因を作っておいて、「軍事的行動も辞さない」って。


元米海兵隊員で戦争研究所(ワシントン)のアナリスト、ジョナサン・ルー氏は「今は政治的な発言が主で、海の上の現実とは開きがある」と指摘、「イランが脅し文句を実行するとしたら、驚きだ。いいことは一つもない」と話した。


「一つも良い事がない」事が分っていても、そうせざるを得ない様に追い込まれる国民が、一体他にどのように行動すると考えるのか。

「悪う御座いました。仰せの通りに致します」とでも?

そんな発想は、日本の官僚と政治家以外、世界中の民族が、持つ筈が無い。

そして、白々しく分析してみせるのだ。


しかし、防衛アナリストやイラン専門家は、心配するだけの理由があると指摘する。アメリカン・エンタープライズ研究所(AEI)のフレッド・ケイガン氏は、1940年代初頭に米国が日本への石油輸出を禁じた結果、日本が判断を誤って自殺行為に出たことを引き合いに出し、米国が経済的な圧力をかければ、逃げ場がないと感じているイランは捨て身の行動に出かねないと述べた。


分っている奴も居る。

だからと言って、事実がもたらす物事の理屈を受け入れる政治体質は、残念ながらあ、アメリカには無い。


米国の政府高官はイランがホルムズ海峡を封鎖すると警告した意図について、原油市場を混乱させ、原油価格を高騰させるためとの見方を明らかにした。


あの国の政治屋は、そんな風にしか考えられない。

つまり、アメリカ人の発想の原点がそうなのだから。

つまり、外交も内政も、戦争行為すら、彼等に取っては『経済活動』なのだ。

総ては『カネ』である。

新自由主義と呼ばれているらしい。


堪った物では無い。

アメリカ人以外の世界中の市民にとって、悪夢みたいな発想と行動である。


イランがホルムズ海峡を全面的に閉鎖しようとする可能性も否定できない。同海峡を完全に閉鎖する最も確実な方法は、タンカーが通過する航路に機雷を敷設することだ。しかし、専門家によると、イラン海軍の活動が国際社会の監視下に置かれていることを考えると、機雷の敷設は非常に困難だという。
【ウオール・ストリート・ジャーナル/1月8日(日)10時41分配信】



「核武装を許さない」

この発想は、全世界の人類の未来に取って、不可欠の発想である。


しかし、核武装している国が、核武装している国の圧力を常に受けているにも拘らず、核兵器を持っていない国に、その開発と保有を「禁止する権利」は、一体誰に授かったと言うのか?

他国に禁止したいのなら、先ず自分達が先に核兵器を廃棄するべきだろう。

イスラエルを非核化しろ。
私がイランの指導者なら、そう言う。


そして。
窮鼠は、猫を噛む。



▶米軍揚陸艦に嫌がらせ=ホルムズ海峡で―イラン軍(時事見出し)

>米国防総省高官は13日、中東で展開する米海軍の揚陸艦「ニューオーリンズ」(約2万5000トン)がホルムズ海峡通過時にイラン海軍の高速艇から嫌がらせを受けていたことを明らかにした。核開発問題で制裁強化に反発するイランの挑発行為とみている。発砲はなかった。

>高官によると、ニューオーリンズが今月6日にホルムズ海峡を経てペルシャ湾に入った際、3隻のイラン海軍の高速艇が突然、ニューオーリンズから500メートル以内の距離まで猛スピードで急接近した。ニューオーリンズは危険を回避するために警笛を鳴らしたが、高速艇は応答しなかったという。
【時事通信/1月14日(土)8時57分配信】



国際社会の総てにとって、ここまでの示威行為で、納まってくれれば良いが。

アメリカ側が「報復」なんて事になると、事態は「事実」となる。

今までの時点は、まだ「仮想行動」の次元で留まっているが。


しかし。

アメリカと言う国は、他人の痛みの分らない国である。

自分の価値観だけが<基準>で、それに反する如何なる状況も排除する。

しかも、有無を言わさず。
相手に、逃げ場を与えず。

相手が真に追い込まれている事を知りながら、手を緩める事をしない。

まるで「北風で旅人の外套を脱がせられる」と言う価値観を実証してみせる事が、自分達の存在価値ででも有るかの如くに。


『ホルムズ海峡』を、イランの「パール・ハーバー」にしてはならない。



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「本田勝一」にまで見透かされたアメリカは、世界に対する責任を自覚出来るのか?

2012-01-05 23:52:31 | 国際関係
アメリカ合衆国という存在が、人類の最後の2世紀に於ける癌であった。



他民族の侵略と、他民族への一方的価値観の押しつけと、他民族からの搾取だけで、存在し、膨張し続けて来た。


その間に、世界中で滅び去った民族から、国家を失った民族、同胞同士で殺し合う様な環境に追い込まれて来た民族は、枚挙にいとまが無い。

その一方で、一見「光り輝く豊かな物質文明」と「民主主義に依る市民生活のモデル」という偶像を造り上げ、世界中の多くの民族の目を欺き、憧れを植え付け、価値観の多様性を奪い去り、多くの民族固有の経済的自治までも破壊して来た。


断っておくが、これは<国家>としての、『アメリカ合衆国』という存在の事を言っている。

個人的に、個々のアメリカ人達には、怨み等は何もない。

個人的に知り合って、尊敬したアメリカ人も居た。

今でも、マイルス・デイヴィスが大好きで、クライブ・カッスラーやトム・クランシーの作品は、欠かさず読んでいる。

つまり個人的に、アメリカ文化は、決して嫌いでは無い。



しかし、ここ二百年の、世界に繰り広げたアメリカの行為は、その<存在>自体が犯罪と言っても、過言では無いと思っている。

この事は、事有るごとに繰り返して来た。



そして、<あの>『本田勝一』が、まさにその「アメリカの側面」を激白していた。

それ程長文では無いので、以下に全文を転載する。



▶【本多勝一の風速計】 侵略で“発展”した国は今……(週間金曜日見出し)

>来年は合州国の大統領選挙があります。他国の大統領だの首相だの以上に注目されるのは、いうまでもなく世界諸国の中でも(今のところ)最も影響力があるからですが、合州国がそうなったのは歴史上では比較的“最近”のことと言えるでしょう。ジョージ=ワシントンが初代大統領に就任した一七八九年から、今年でまだほんの二二二年なのですから。

>でも、その「ほんの二二二年間」に、合州国は何をしてきたか。初代大統領ワシントンがまずやったことは、当時まだ大西洋岸ぞいの東部平地が主たる領域だった独立前の合州国から、アパラチア山脈を越えて先住民族諸国(マイアミ・ショーニー・モヒカン・デラウェアなど)を侵略する“討伐”戦争でした。それは一八九〇年の「ウンデッドニーの虐殺」まで約一〇〇年間つづいて、合州国の版図は太平洋岸に達します。

>しかし侵略はそのまま東へと続いて八年後のハワイ併合(一八九八年=明治31)、フィリピンの大虐殺(一九〇一年=明治34)、沖縄本島での全住民の三分の一(一五万六〇〇〇人)殺害と、東京大空襲や広島・長崎への原爆による無差別大虐殺(一九四五年=昭和20)。その数年後(一九五〇年=昭和25)から朝鮮半島で行なわれた大戦争で、直接間接に五〇〇万人近い朝鮮人が殺されます。

>けれども朝鮮戦争は、合州国にとって初めて「勝てなかった」インディアン戦争でした。その停戦から一〇年とたたぬうちに、ケネディ大統領によるベトナム介入です。これで合州国は、建国以来初めて敗戦を喫するに至り、一九七五年(昭和50)のサイゴン陥落と惨めな米軍脱出・敗走に到ります。(現役の新聞記者だった私にとって、ベトナム解放戦線従軍やサイゴン陥落取材は実に幸せな仕事となりました。)

>そして今。オバマ大統領が再選を狙う来年の大統領選まで、あと一年です。今月六日の『朝日新聞』朝刊は「2012米国大統領選 沈みゆく社会」と題して、伊藤宏・望月洋嗣・田中光の三記者による「夢が見えぬ格差の国」を報告しています。

>要するにアメリカ合州国の近現代史は、暴力と搾取による侵略で“発展”してきたものの、ベトナム敗戦(侵略失敗)を機に侵略による“発展”ができなくなった結果として、今の「沈みゆく社会」があるのではありませんか。
【週間金曜日11月25日号/1月5日(木)18時9分配信】


ベトナム戦争以後が、余りにもはしょり過ぎている不満は有るが、「彼がそんな事を書いていいのか」と言える程に、問題点をかなり正確に書き表している。

そうなのだ。

彼等『アメリカ合衆国』という国家は、総て<他民族>と<他の国家>とを侵略する事で、その存在を維持して来た。


当然、他民族を支配する為には、強大な軍事力が必要とされる。

その、強大な軍事力を持つ為には、最先端の兵器開発技術が必要であり、その開発を維持、継続する為の、人的物的可能性が無ければならない。

その為に、経済力を高める為にも、侵略が必要であり、その結果がもたらした経済が、兵器開発とその生産とを、裏付けた。

産学軍が一体となって「財」を形づくり、国家を維持させるシステムが確立した。

そして、彼等の経済システムは「軍事力」の維持とその行使によって、賄われるのだ。

その為には、定期的に侵略が必要であった。


好循環か。
アメリカにとっては。

悪循環か。
他の国の人々にとっては。


更に言えば、『南北戦争』という同士討ち以外に、彼等にとって自国の領土、しかも<本土>以外での戦闘経験は、皆無であったのだ。

911までは。

『パール・ハーバー』は、本土では無い。
侵略で得た征服地にすぎない。


あの、所謂『同時多発テロ』に於ける三千名弱の犠牲者の方々には、心からのご冥福を祈るのみ。

しかし、歴史的観点でいえば、たかだか三千名弱の犠牲に「慌てふためき」世界の諸国を「対テロ」戦争なる「過剰防衛政策」への同調を強要し始めたのだ。

建国以来、自分達の頭上から「爆弾」が振って来る恐怖を、自分達が経験した事が無かった。

それまでは他人の頭上には、平気で爆弾を雨あられと降り注がせて来たにも拘らず、である。

ベトナム侵略での「始めての敗戦」に懲りる事無く、世界中で繰り広げて来た、「アメリカ世界戦略」という征服の哲学は、この『911』によって完全にヒステリックに発酵し、いよいよ見境が無くなっていった。


空港で、重大犯罪人扱いの如き「身体検査」をされる様になったのも、液体やクリーム状の物を飛行機の機内に持ち込めなくなったのも、総て911以後の、アメリカの恐怖心から世界中に強要され始めた、不便さなのである。

自分達が、世界の各地で「どれほど嫌われていたか」を悟る代わりに、イスラムやその他「理解出来ない価値観」を持つ者を、無条件に敵扱いして、事態を増々泥沼へと導いて行った。


戦争行為に於いて「非戦闘員」は標的にしないという、歴史的ルールを平気で破る様になったのも、アメリカである。

都市部を絨毯爆撃し、20万人以上を僅か数時間で虐殺した『東京大空襲』と、規模のほとんど変わらない空襲を、日本は一体幾つの都市が受けた事か。

挙げ句の果てには『原子爆弾』と『プルトニウム爆弾』とを、人間に対して使用した。

日本が、戦争遂行能力を既に喪失していた事を、知っていながらである。

第二次大戦の途中から台頭して来た『ソ連』への戦後対策の為の<実験>として。



▶<米新国防戦略>「二正面作戦」見直し アジア重視を明確化(毎日見出し)

>オバマ米大統領は5日午前(日本時間6日未明)、国防総省で演説し、国防費削減に対応するための新国防戦略を発表した。米軍が約20年間にわたり維持してきた二つの紛争に同時対処する「二正面作戦」遂行の態勢を見直し、イラク駐留米軍の完全撤収とアフガニスタンからの段階的撤収を受けて大幅に地上戦力を削減。地域別では、安全保障上の脅威が軽減している欧州や中南米の戦力を削減し、中国の軍事的台頭を見据えたアジア・太平洋地域重視の方針を改めて明確化した。

>米議会は昨年8月、総額2兆5000億ドル(約192兆円)の財政赤字削減を目指す法律を成立させた。今後10年で国防費約4900億ドルを削減する必要が生じ、国防戦略見直しが進められてきた。

>新国防戦略ではこのほか米軍の接近を阻止する能力を持つ国家に対抗する「ジョイント・エア・シー・バトル」(空海統合戦略)構想を推進するため、空、海軍の大幅削減は避ける。
【毎日新聞/1月6日(金)9時10分】



そして、さすがの彼等にも「戦争に依る経済発展」に、行きずまりが訪れたのだ。

当然、自分達の経済は温存したい。
メンツも守りたい。

それでも、イスラエルは護りたい。


▶EU、原油禁輸に合意 経済は疲弊、焦るイラン(産經見出し)

>欧州連合(EU)がイラン産原油禁輸で原則合意したことで、イランはEUに代わる輸出相手を探す必要に迫られる。一方でイランは最近、新たな制裁が発動されれば、中東地域の主要な原油供給ルートであるホルムズ海峡を封鎖すると繰り返し恫喝(どうかつ)し、禁輸措置回避へ焦りの色を濃くしている。

>米欧は禁輸への協力を求めて各国への働きかけを強めており、イランが新たに大口の輸出相手国を確保するのは容易ではない。外貨収入の約8割を占めるとされる原油輸出が滞れば、すでに国連安全保障理事会による4度の制裁決議で打撃を受けている経済がさらに疲弊するのは必至だ。
【産經新聞/1月6日(金)7時55分配信】


国際的友好関係と言う物には、本音と建前とが、必ず存在する。

右手で握手しながら、左手に握ったナイフを背後に隠して、笑顔で語り合うのが、『外交』というものである。

外交関係は、『性悪説』で成り立っている。

当たり前だ。

他国を100%信じて、ドアの鍵を渡してしまう事等、あり得ない。


ただ、日本と言う「特殊な国」を除いては。。。


そう言えば「小泉純一郎」なる総理大臣が居た。

かれは、あらゆる日本の富をアメリカに提供しようと試みた。

国民の郵便貯金から、雇用制度や医療その他の社会制度など、あらゆる「日本的なるもの」の、アメリカが欲しくて仕方なかった物を、明け渡そうとした。

ほぼ、成功したとも言えるだろう

その小泉某が言った台詞。

『普通の国、日本』

まったくもって言葉は遣い様である。


その、最終結論として野田佳彦が総てを捧げ尽くそうと、『大局に立って』邁進している。


『ご主人様』は、お疲れになっている。

今までの<軛>から、自らの意思で解き放たれるチャンスなのだ。

それにも関わらず、財務官僚は「野田佳彦」という無能な総理をやすやすと操って、わざわざ<鎖の輪>を自分から十重二十重に、自らに巻き付けて「忠誠を示そう」としているのだ。



▶日本の二枚舌外交に米は“何だあの野郎と思う”と小沢氏指摘(ポストセブン見出し)

>(渡辺乾介)特に民主党政権で目立つのは、国際公約を乱発する手法です。国際交渉の経験がない人ほど外圧を怖がって、その場しのぎの発言をしている。

>(小沢):TPPや消費税増税の話ですね。普天間の問題だって、もう15~20年ぐらいになるでしょう。その間、日本は問題を解決する方法を何も提示していない。だから、アメリカだって頭に来るに決まっていますよ。

>海兵隊は撤退してくれ、沖縄のきれいな海は埋められませんというのは当然です。そのかわり、撤退することで生じる(日米安保の)空白はどうするのかを議論しなきゃ解決できない。日本ができることはやりますといわなければならない。

>沖縄は日本の領土じゃないですか。極東の安全と対中脅威論からいえば、琉球列島は非常に重要な海洋線になる。そこは日本がちゃんと守りますといえばいい。それから、有事や非常時の情報収集やアメリカ軍との連携に必要な設備の設置とか、日米両国の世界戦略的な話をすれば、アメリカだって納得する。

>それを全然何もいわないで、何もかもアメリカにおんぶに抱っこしようとする。嫌なことは何もしたくないというのではだめですよ。
【NEWS ポストセブン/1月5日(木)16時6分配信】


そうなのだ。

自律した外交をするのが、主権国家というものだ。

そして、「自律した外交」を展開するには、歴史感と世界的視点とを持った、理念の有る政治家そ存在が不可欠なのだ。


残念な事に、そう言う人材は見当たらない…。

政権内部にも。
野党にも。

時だけは流れ、チャンスは過ぎ去り、事態は増々酷くなって行くのだろうか。



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「お家を滅ぼす三代目」はこれからどう出るか? 北朝鮮の終わりの始まり…。

2011-12-19 23:05:26 | 国際関係
野田佳彦総理大臣が、罵倒される屈辱から救われた。


地盤も、看板も、カバンも無く、唯ひたすら「口先三寸」で政治家になる技術を叩き込まれた『松下政経塾』出身の総理は、自らの「爽やかな語り口」と「外見上の人の良さ」を精一杯振りまいて、四面楚歌の状況からの脱出を試みようとした。

新橋で。


「皆様、民主党でございます。今まで新橋での演説会をやった事は有りませんでした。」
「これまでは<銀座>でした。本日民主党は始めて新橋で皆様方に直接お話しさせて頂く為に、野田総理自らやって参ります。」
「衆議院議員、参議院議員。多くの民主党議員達がまいって居ります。」

と、街宣車の屋根からスピーカーでしゃべり始めた司会の声に被せて、既にヤジが飛び始める。

司会はしょっちゅう中断し、隣の蓮舫は不安げに辺りを何度も見回している。


ヤジは増々大きくなり、シュプレヒコールとなり、怒号となっていった。


その最中に、『金正日北朝鮮総書記の死亡』による「緊急安全対策会議」の招集の為、野田佳彦の不参加が伝えられるや、後はただただ怒号の海と化した新橋駅前であった。


野田首相の「立ち往生」を期待していた私としては、しごく残念な成り行きであったが、民主党議員達は「国民の怒り」を充分見せつけられて、混乱の態であった。

解ったか!

国民は怒っているのだ。

お前達に。
お前達の、恥知らずな裏切りに!


たしかに、マスコミ報道でたった三百人の「怒りのエネルギー」は、確かに街宣車上の民主党議員達に、大きなインパクトを与えたに違いない。


しかし、問題はここからで有る。


新橋駅前に集った群衆達の「不穏な行動」に恐れを成したとしても、それが持つ真の意味が、彼等に理解出来たのか。

国民の「民主党」への怒りの意味を、理解出来たのか。

はなはだ疑問である。


民主党政権の、裏切り。

原発事故処理に見られる、恥知らずな国民無視の行動。
TPP参加へひた走る、売国的行動。
消費税増税を闇雲に目指す、冷血なる姿勢。

八ッ場ダムの建設中止の撤回という裏切り。

政権交代の恩人である「小沢一郎」を、冤罪から護る事無く、仲間内で追放している裏切り。


やる事成す事、総て国民に苦しみと痛みとを押し付け、官僚と財界だけが潤い、自分達に権力を託した国民の生活を叩きのめし、安全を奪い去り、財産を外国に売り払う様な行動。

それらの「民主党政権」の売国的行為が、どれほど国民に怒りを焚き付けているのか。

それが、身にしみて理解出来なければ、彼等の政治家としての、否人間としての将来は無い。

幸か不幸か、野田総理に向けられる筈であった「国民の怒り」を、ひっ被ってしまったのが蓮舫大臣であった事は、天の采配であったのだろう。



野田総理大臣を「恐怖の瞬間」から救い出す結果となった、金正日の死。

その金正日の死亡の報道に際し、特番を打つマスコミのおめでたさ加減も、うんざりであった。

『号外』を出す程の事か。

その特番の最中の、「外務省からのレポート」に、驚愕した。

外務省の第一声。

『総書記の死までは想定していなかった。情報収集に務めている。』


大馬鹿野郎のコンコンチキである。

何の為の「外務省」だ。

この人物の健康状態は、決して順調では無い事くらい、皆が知っている事実であった。

当然、何時死亡してもおかしくない、そんな「要注意人物」の死亡は当然想定して、早くから外交上のシュミレーションをしておく事が、仕事じゃないのか。


日本の運命を総てアメリカに明け渡して、言いなりになる事が外務省の仕事であると思っているのなら、大間違いだ。

看板架け替えろ。

『亡国省』
『海外視察省』

田中康夫氏にとっては、『害・無能省』だそうだ。

長野県知事であった頃の命名だそうである。


そのニュースが流れたときから、あらゆるソースであらゆる情報が垂れ流されている。


「金正雄待望論復活か?」

「権力闘争が起きる可能性も」

「中国軍一部に長男を担ぐ動き」

「韓国への軍事行動を懸念する声も」

「絶対乱れる」

「金総書記の死に一番怯える国は韓国」

「金正雄氏、父の死を受けて平壌入りか」

「韓国軍が非常警戒態勢」

「米 軍事挑発警戒 食糧支援延期も」

「中国 包囲打開の好機」

「中国頼み 「神話」なき3代目」

「中国 金正恩氏への後継体制支える姿勢示す」

「朝鮮半島安定に努力=国連総長」

「朝鮮半島の安定を=イスラエル」

「北朝鮮の転換点にも=英外相」

「台湾が緊急対策チーム」

「後継基盤 軍部掌握カギ」

「露 経済進出へ 南北間でバランス」



まあ、マスコミが大騒ぎする程M対した事にはなるまい。

何故なら、なり様が無いから。

金正恩の権力基盤が不透明である以上、紛争を起こせる可能性は無い。


北朝鮮軍内部には、不満分子は大勢居るであろう。

しかし、彼等が事を起こしたとて、何事の事が出来ようか。

精々北朝鮮内部の内乱がしばらく続き、閉廷されて終わりである。

一応「後継者」を担いでいた方が、何事も勝者となる。

長男を担ぎ出して、権力を掌握出来る程の、力も環境も無いと思える。

ましてや、中国へ侵攻する事等あり得ない。

韓国への侵入も、地政学的に力関係を考慮すれば、何の成果も得られない事位、軍部も新指導部も、理解している筈だ。


万に一つ、南北がこう戦場T来になったとしても、中国とアメリカとが「代理戦争」に突入する様な意味の無い事にはなり様が無い。

中国は、黙っていても北朝鮮の後ろ盾の地位は揺るがない。

アメリカは、これから中国を相手に戦争を熾す様な、政治的背景も、経済的基盤も、軍事的裏付けも無い。


精々、一時的混乱が北の内部で起きて、多少の脱北者が出る零度以上の混乱は、起こる可能性は無いと言えるだろう。


それよりも、これを好機として日本政府は、北との関係を多少なりとも安定化させる努力をすべきである。


韓国の「反日感情」は止めどを知らない。

『従軍慰安婦』の問題は、FTAやら個人的スキャンダルやらで「死に体」になりかかっている『イ・ミョンバク』にとっても、国内の経済状況や何やらで不満の耐えない一般国民にとっても、双方に都合の良い「一時休戦」の機会なのだから。

六カ国協議も中断したまま。

諸々の袋小路から、何とか抜け出す可能性として、金正恩との関係をスタート時点で「友好的」に(比喩である)展開する事に、日本にとって特になる事は有れど、何も損をする事等無いのだから。


日韓条約で、一応の戦後処理は為された事になっている。

しかしながら、韓国国民は未だに日本に対して要求を繰り返す事を止めない。

慰安婦問題だけでなく、竹島の事も然りである。

この際、北朝鮮と「巧く」やって、南北朝鮮国家とけりをつけてしまう事が、今後の日本のとっての不可欠な条件では無いのか。


一気に片をつける。


賠償金を要求するなら、払おう。

今後、未来永劫に一切の「要求」を終わらせる為に。

その上で、東アジアに於ける、日本の立場を安定させる良い機会では無いか。



▶金正日総書記死去:「あの人」に苦しんだ、横田夫妻が拉致解決へ期待と不安(カナコロ見出し)

>父・滋さん(79)は、「政権が代わるときには二つのことが考えられる」と言及。拉致を前政権の問題と割り切って日朝国交正常化に向けかじが切られるとの期待と、政権交代の混乱に問題が置き去りにされ、被害者保護が軽視されないかとの不安だ。

>「政権に緩みができ、統制力が弱まれば、情報も入りやすくなるかもしれない。日本政府はこれをきっかけとし、新政権の考えをよく見極め、国交正常化に結びつけてほしい」と要望した。

>母・早紀江さん(75)は金総書記を「あの人」と呼び、「その指令で全てが動いてきたわけで、今も苦しんでいる方がたくさんいる」と言葉をとがらせた
【神奈川新聞カナコロ/12月20日(火)8時0分配信】



▶めぐみさん母「事態動いて」=拉致家族ら、進展に期待―北朝鮮総書記死去(時事通信/12月19日(月)12時40分配信)

>母早紀江さん(75)は取材に対し、「そうなんですか。何と言っていいか分からない。事態が動くことを願っています」と衝撃を受けた様子で話した。

>田口八重子さん=同(22)=の兄で、家族会の飯塚繁雄代表(73)は「北の体制が混乱して取り付く島がなくなるのか、きちっとした社会になって拉致が動くのか、様子を見るしかない」とした上で、「何かのきっかけになることは確かだ」と声を震わせた。

>家族会の増元照明事務局長(56)は、姉るみ子さん=同(24)=を拉致された。「北朝鮮内部で混乱が起き、拉致被害者が危ないことも考えられる。これを救出するチャンスに変えてほしい」と力を込めた。

>「来るべきものが来た」。支援団体「救う会」の西岡力会長は興奮を隠せない様子で、「安定的に継承されるか不透明。後継者と改革開放勢力が衝突して大混乱になる可能性もある」などと指摘。混乱に備え、全員救出に向けた米韓両国との緊密な連携を政府に求めた。

>特定失踪者問題調査会の荒木和博代表は「現地指導の途中で亡くなったのが本当であれば、暗殺の可能性もある」との見方を示した上で、「しばらく様子を見ないと分からないが、北朝鮮の構造が変わることは間違いない。解決へのチャンスがつかめる可能性がある」と期待した。

>2002年に帰国した拉致被害者の蓮池薫さん(54)は「北朝鮮国内の情勢変化が予想される。政府が慎重に分析、判断して、まずは残されている拉致被害者の安全が保障されるよう最善を尽くしてほしい」とのコメントを発表した。
【時事通信/12月19日(月)12時40分配信】


以上のコメントが、総てを語っている。

その通り、これを機会に、今まで存在していた問題を「一気に解決」する方向で、全力を尽くして欲しい。

こう着状態であった、『拉致問題』の解決にとって、これ以上のタイミングは無いのでは無かろうか。

その為にも、北の若き新指導者と、コンタクトを作る努力を早急に行うべし。

中国やロシアが、余計な後ろ盾になってしまう前に。



金日成は、善かれ悪しかれ、国家の建設者であった。

絶対的唯一無二の独裁者であった。

善きにつけ、悪しきにつけ、力と、行動力に富んでいた。


後を継いだ金正日は、父親の「強権体質」は受け継ぎ、行動力もそれなりに受け継いでいた様だ。

後を継いだときは、すこぶる頼りなげに見えた物だったが、十数年もかけた権力委譲のプロセスのお陰で、父親の遺産を何とか維持して来た。

ただし、国民は疲弊し、社会はほぼ破綻してしまっている。

その「破綻国家」を率いて、マムシの様な、かませ犬の如き、ギリギリの駆け引きを国際的にやるだけの、邪悪ながら力強い行動力は発揮出来た。


そして、三代目の『正恩』は。

その、真の姿は未だ不明である。

しかし、漏れ伝わって来るところでは、行動力と決断力は、父親の折り紙付きだそうだ。

とは言え、三代目の悲しさ。

祖父の資質をそれなりに受け継いでいた父親の、その「薄まった」資質をそれなりに受け継いで、能力はかなり劣化しているに違いない。

当然、温室育ち。

貧乏のどん底の国に有って、裕福に育った若き三代目。

当然、その将来はかなり危うい筈である。

しかし、取り巻きが巧く担ぎ続けるに違いない。

神輿は軽くてちょうどいい。

その割には冷酷な正確で、当てずっぽうなところも有るこの有能とは言えそうも無い三男を、巧く操って行くだけの才覚は「ノーハウ」として持っている筈だ。


あとは、二代目に習って「サーカス外交」を継承するか。

現実路線に切り替わるか。

予断は許さない。

しかし、この「権力の継承」の時期にこそ、日本が割り込める隙もあろうと言うものだ。


そして、その為の戦略を描き、遅滞無く実践して、日本の国益に沿った方向を押し進める事こそが肝要である。

その中に、横田めぐみさんを始めとして、まだ数多く残されている筈の「拉致被害者」を無事に奪還する、恐らく最後のチャンスなのでは無かろうか。


その観点で言って、今の民主党政権である事が、慚愧に堪えない。


巧く行く事も拙い方向へ向かうのが、この素人政権の悲しさ。

それをサポートする筈の「外務省」が、『害・無能省』なのだから、諦めるより無いのだろうか。。。。


つくづく、運の悪さを呪いたくなる、日本の政治風土ではある。


願わくば、北朝鮮の新指導部自らのか覚醒によって、国家としての体制が「常識的な」在り方に変わってくれる事を、唯ひたすら祈るのみ。

これまでの『朝鮮民主主義人民共和国』が、終焉に向かう事を祈ろう。

横田めぐみさんと、大勢の拉致されている同胞の為にも、精一杯祈ろう。


自国政府の無能を、神かけて罵倒しながら…。



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「天上天下唯我独尊」のアメリカ。パキスタンから追い出され次はイランに。

2011-12-14 19:18:34 | 国際関係
『天は、人の上に人を造らず、人の下に人を造らず』

このような奥ゆかしくも、慎み深い哲学は、<ユナイテッド・ステイツ・オブ・アメリリカ>の人々には、通じない。


『実る程 頭を垂れる 稲穂かな』

このように、偉くなれば成る程、影響力を持つに至れば至る程、自らを諌める、自ら戒める、そのような自律の価値観は『アメリじゃ合衆国』の人々には、無い。


力が正義。

それこそが、「新自由主義」の理論の背景となっている。

軍事的優位が、経済の優位をもたらす。
国家も、個人も。

自律出来る力を身につけた者でかが、生き残る資格が有る。



ところが現に津社会に於いては、人として生きて行く為に、学ばなければならない事が、沢山有る。

人間関係の力学。
それらを識り、それらを理解し、その中で、自らを律して生きて行く。

所謂<処世術>なる価値観は、時には蔑まれる「日和見主義」と混同される事が有るが、人間として生きて行く上での精神的交通標識である。


これは、「個人」としてのみ有効な指標に過ぎなくて、『国家』としては成り立たない観念なのだろうか。

国家として、世界に中で存在して行く為に、学ばなければならない事が、沢山有る筈では無いのか。



世界中で、誰一人疑う余地無く、『アメリカ合衆国』は世界で最も影響力の有る国家である。

影響力。

正の意味においても、負の意味においても。
良い意味でも、悪い意味でも。

経済的にも。
文化的にも。

そして。

軍事的にも。


善かれ悪しかれ、アメリカは存在し、存在し続けるであろう。

そのアメリカと、如何に付き合って生きて行くか、世界中のあらゆる国家にとって、避けられない事実であり、不可欠の要素なのだ。


で或るからこそ、そのような国は、自分の影響力の「何たるか」を自覚し、弱小のさまざまな国々以上に慎重な国際政策が求められる筈である。

このような哲学は、仏教文明圏であり、農耕民族圏である社会に於いてのみ通じる、考え方なのでしかないのだろうか。



▶米がイラン中銀制裁…法案可決へ、日本に影響も(讀賣見出し)

>米上下両院の協議会は13日までに、イラン中央銀行を制裁対象とする条項を含む2012会計年度の国防権限法案に合意した。

>両院が本会議で近く可決する。法案は、同中央銀行と原油関連取引のある第三国の銀行に対し、米銀行との金融取引を禁じる内容で、日本の原油輸入に影響が出る可能性が高まった。

>日本は、原油の1割程度をイランから輸入し、代金を同中央銀行経由で決済している。日本政府は経済産業省の高官を急きょ米国に派遣した。例外条項の適用を米側に要請した。

>法案は、米大統領が「国家安全保障に関わる」と判断すれば例外条項を適用できると定め、制裁発動前に国際市場に原油の十分な代替供給源があるかを調査する規定があるなど、大統領の裁量に幅を持たせている。
【読売新聞/12月15日(木)1時29分配信】



事の発端は、イラン領空内を侵犯した「無人軍用機」のイラン側に依る捕獲に由来する。


▶米大統領、無人機の返還をイランに要請 チェイニー氏「空爆すべきだった」(CNN見出し)

>オバマ米大統領は12日、イランが撃墜したとしている米無人機の返還を同国に申し入れたことを明らかにした。一方、チェイニー米前副大統領は同日、同機が墜落した時点でオバマ大統領はイラン上空からの空爆を命じるべきだったとの見方を示した。

>オバマ大統領はイラクのマリキ首相との共同記者会見で、問題の無人機について「返還を求めた。イランの反応を見守っている」と述べた。

>これに先立ちイランの軍幹部は、「自国の領土で他国の偵察機を歓迎する国はどこにもない。まして、偵察機器やその情報を元の国に戻す者もいない」と述べ、ステルス機を米国に返還するつもりはないと表明していた。

>米政府当局者2人が、消息を絶っているのは米中央情報局(CIA)がアフガニスタンでの偵察活動に使っていた無人機であることを確認している。
【CNN.co.jp/12月13日(火)15時12分配信】



勿論、その又発端は、『対テロ戦争』と称して、アメリカがアフガニスタンで戦闘行為を始めたからに他ならない。



『盗人にも三分の理』という表現が有る。

しかし、アメリカと言う国家に関しては、通用しそうに無い。


何しろ、「多くのアメリカの青年達の命を救う為に」というお為ごかしで、平気で他国の数十万人の市民の頭上に<原子爆弾>を投下する国なのだから。

「将来の放射能の人体への影響を研究し、自国の核戦略の指針にすべく」ヒロシマとナガサキとの被爆者達に、治療を施さずに観察し<研究対象>とした国なのだから。

圧倒的軍事力に寄って打ち負かせる事を前提に、日本への石油の輸入ルートを絶ち、日本の海外資産を凍結させ、開戦せざるを得ないところまで追い込んでいった国なのだから。

もちろん、それまでの日本の「軍事力に頼った帝国主義的アジア進出」の行為と、それを推進した軍部官僚、政治家、マスコミの罪は別項においておく。

日本の国力が、戦争遂行能力が残っていない事を把握していた上で、ヤルタ会談に於いて「ソヴィエト」に参戦を促し、北方領土の割譲を約束していた国なのだから。


それ以前から、砲艦を並べて威嚇し、日本人が望んでいない「開国」を、自分達の都合で強引に迫った国なのだから。


彼等「アメリカ」の<アコギなやり口>は、当然分っている。

それが、外交と言うものなのだ。
彼等にとって。

力が総てなり。

しかし。

かの「永久不滅」に思われた『大ローマ帝国』ですら、五百年しか続かなかった。



▶「米大統領は謝罪すべき」、偵察機の返還要求にイランが一蹴(ロイター見出し)

>イラン外務省報道官は13日、同国東部で撃墜された米無人偵察機の返還をオバマ米大統領が求めたことについて、無人偵察機がイラン領空を侵犯したことを強調し、同大統領は謝罪すべきだと語った。

>イラン外務省のメフマンパラスト報道官は、記者会見で「(オバマ大統領は)われわれの領空が侵犯されたことをお忘れのようだ。国際法は軽んじられ、スパイ活動が行われた。自分たちが犯した違反について正式に謝罪するどころか、要求を突き付けている。米国はこのことが世界の平和と安全保障を危うくしかねないことを知るべきだ」と強調した。
【ロイター/12月14日(水)10時2分配信】


そして第二次大戦終結後、己の「成功譚」に目が曇りっぱなしで、世界中で混乱をまき散らし、正解各国の市民達を殺戮し、生活を破壊し、故郷を奪い、生きて行く糧を奪って来た。

自分達の方も失敗を続けながら。

ヴェトナムで失敗し。
コンゴで失敗し。
チリで失敗し。
アフリカ各地で失敗し。
ニカラグアで失敗し。

キューバで失敗しかかり。

枚挙にいとまが無い。


もし、アメリカが「放っておいてくれたら」。

普通に生きて行けた人々、地域、国家が、結果的に離散家族をうみだし、孤児をうみだし、国土を無くした放浪の民をうみだし、難民収容所をうみだし、南北の格差の拡大をうみだし、その結果としての南北対立を生み出し、通貨危機をうみだし、99%を支配する1%を各国に生み出して来た。


どうやら、人間社会には、対立は避けられない現実である様だ。

それならば、交通整理をする「世界の警察官」が居てくれれば、確かに有り難いことではある。

そう感じて来たからこそ、世界中の殆どの国々は、アメリカの外交的優位性を認める共有認識を持って来たのだ。


そして、それが大きな過ちであった事に、中東の民が、中南米の民が、一部のアジアの民が、一部のアフリカの民が、気づいた。

気がつかないのは、アメリカ本人と、その尻馬に乗って「甘い汁のおこぼれ」を貪って来た「一部先進国」だけになってしまっている。


21世紀を迎える頃から、世界中の地政学的勢力図に、変化がもたらされ始めて来た。

さしもの優位を誇ったアメリカの、経済が傾き始め、軍事的優位も怪しくなり始め、外交的パワーにもかげりが出て来ている。


本質に気が付くで無もく、唯「結果が伴わない」事へのいら立ちから、アメリカの国際的政策がどんどん「ヒステリック」になっている。


そのヒステリックな反応が、向けられた相手の反応を余計にラディカルな物にして行く。

正しく、文字通りの「負のスパイラル」である。



そして、そのアメリカがもたらす「負のスパイラル」が生み出すエネルギーが、世界の平和を危うい物へと追いやって行く。


「既に核保有国である国以外の国に、核兵器開発を認めない」

まあ、自分達「核兵器クラブ」の面々の平和にとっては、正しい発想なのだろう。

「クラブ」に入れてもらえない国にとっては、そのような勝手な取木魔がどう映るか。


現実にアメリカやイスラエル等の脅威にさらされている『イラン』等の国にとっては、自分勝手で何も正しい根拠の無い、説得力の無い我が儘にしか受け取れないのだろう。


日本の様に、自国の独立性に対する<矜持>を持たない国であれば、成り立った理論である。

そして、日本の様に「主権」の概念を無くした国民にしか、通用しない理論なのだ。


イランだけでは無い。

根拠は夫々異なる物の、インドも、パキスタンも、北朝鮮も。


彼等が正しいとは言わない。

ただ、一方的に非難するべきであるとも思わない。


そして、そのような流れの中で、正しく<巨大なるKY国家>アメリカが、これ以上に我が儘で盲目的ゴリ押しを続ければ、戦争は決して無くならない。



▶イラク戦争終結「素晴らしい成果」米大統領(讀賣見出し)

>オバマ米大統領は14日、ノースカロライナ州フォート・ブラッグ陸軍基地で、年末にイラク駐留米軍が全面撤収するのを前に演説し、9年近くに及んだイラクでの軍事作戦と国家再建への支援について「素晴らしい成果だ」と述べ、米軍が果たした役割をたたえた。
【讀賣新聞/12月15日(木)3時59分配信】


負け惜しみ。

まあ、アメリカの大統領としては「そう言うしか無い」であろう。


勝利と言う名の失敗。

太平洋戦争に於ける、第日本帝国陸軍の常套句「転進」という名の退却、と一緒だ。

まあ、イラクからアメリカ軍が「全面撤退」する事は、それなりに目出たい。

しかし、一体何十万人の「罪無きイラク人」を殺した挙げ句の「撤退」なのか。



そしてアメリカ軍は、とうとうアフガニスタンから「追い出された」。

国土を破壊し尽くし、追い出した筈のタリバーンに実権を奪い返された挙げ句、隣国パキスタンと事を構えての挙げ句に。

国際軍という名のアメリカ軍が、自国兵士を27名も殺されては、さしものアフガニスタンも、堪忍袋の緒が切れた。


『イラク』を失った。

『アフガニスタン』を失った。

『パキスタン』もどうなるか分らない。


しかし<戦争立国>国家アメリカとしては、紛争の火種は消す訳にはいかない。



そう言う「軍事外交」の力学で攻め込まれたら、浮かばれません。

今までですら「責めるぞ」「責めるぞ」という素振りを止めなかったアメリカに対して、イラン指導部は「必死で防御力」の構築を図って来た。

アメリカの「膨大な物量」を背景に、「圧倒的軍事力」で攻めてこられたら、『イラク』の例を見るまでもなく、生き延びる事は困難であろう。

アフガニスタンやパキスタンの様な「難攻不落」の山岳地を持たないイランとしては、ゲリラ戦に活路を見出す事もかなり厳しい。

ならば、アメリカ本土を狙える様な戦略核兵器等は開発出来ずとも、「戦術核兵器」だけでも「間に合わせたい」と必死であろう事は、想像に難く無い。


このままでは、次はイラン戦争だ。


そして、その破産しかかっているアメリカには贅沢な「圧倒的物量」は、同じく破産しかかっている日本と言う国が、自分の国を質に入れても、負担するらしいのだ。


世界は腐っている。


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アメリカは軍事も経済も「戦争」には直接手を汚さず、「代理戦争」で世界侵略を推進中。

2011-10-21 23:04:05 | 国際関係
「一人のアメリカの若者の血も流さず、我々は勝利した」

カダフィー殺害後の、オバマ大統領の第一声である。



実際に、今回の「リビア戦争」は、代理戦争であった。

作戦支援は、ハイテク兵器に裏打ちされたアメリカ帝国。
実際の作戦展開は、『NATO』を標榜した九カ国で、主な軍事行動に携わったのは、イギリス軍とフランス軍である。

勿論、現地では「国民評議会軍」と称する、<タナボタ>勢力と、「親カダフィー政権軍」と称する<親類縁者>との、私闘が続いた。

その周辺で、40年来の重しの取れた<民衆>が、たがが外れて暴走する形の、内戦であった。

ただ、常にアメリカの「ハイテク兵器」無人偵察機が、詳細な情報を収拾し、その情報を下に英仏連合軍による爆撃が続けられ、「カダフィー派」を次々と追いつめて行った。

勝敗は最初から見えて居り、あくまでカダフィーが「いつまで逃げられるか」の問題であった。


しかし、真の問題は「カダフィー」の処置に有った筈である。

チャウセスクの如く、形だけの人民裁判を行って、そのまま私刑にするのか。

あるいは、サダム・フセインの如くに、(先ず結果有りきにしろ)弁護人も付けて正当な裁判を演出してから「死刑」に処すのか。

はたまた、ビン・ラーディンの様に、発見即殺害に至るのか。

結果は、「即、嬲り殺し」であった様だ。


ビン・ラーディンは、私的テロリスト集団(本人はそうとは考えていなかったにせよ)の頭目であったが故、発見して殺してしまう事に、現実論としては可能性は最初から考えられていた。

しかし、カダフィー大佐は、一応「国家元首」である。


日本人とは違い、アラブやアフリカでは、民衆は「武器」を手にすると、直ちにブレーキが利かなくなるケースが多い。

そして、残念な事に「武器」は、実に簡単に手に入る様になっている。

超大国が、夫々の立場で援助するからである。


そうなると、しっかりした「指揮系統」が機能する組織が無いと、解放に湧く「民衆」は既に暴徒と大した違いは無い事になる。

そして、残念な事に、リビアは「エジプト」や「チュニジア」とは違った。


石油利権が、超大国には見逃せない要素であった。
そして、カダフィーが「武力抵抗」した。


結果は、最初から見えていた。

あいては、最初から殺戮を目的として、公正な裁判や、背景の調査などは金輪際考えていない「米英仏」である。

むしろ、整然とした「権力委譲」等をやられては、困るのだ。


リビアの民衆は、何を望んでいたか。

圧政からの解放である。

ただ、どれほどの圧制だったのかは、表には現れてこない。
調査する機会を、潰してしまう目的で、作戦が遂行されたのだから。

確かに、経済的腐敗は酷かったで有ろう。

しかし、権力者に依る「富の不法な独占」は、アメリカには無いとでも言うのか。
イギリスには?
フランスには?

世界中で、同じ事が行われているのだ。
形が違うだけである。


権力者が弱みを見せ始めたとき、武器を手にした群衆は、どう行動するかと言えば、そこに「正義」と呼ぶ「利害の逆転」を求める暴力行為に走るしかない。

もちろん、そのような武力行動に参加していない、ごく一般の市民達は「カダフィー排除」を、心から喜んでいるだろう。

しかし、世界中が信じて居る様に、ありとあらゆるリビア国民が全員<虐待>されていた訳では無い筈だ。

彼等は、ごく普通に暮らしていた。

大佐の悪口を、公衆の場所で叫ばない限り。

そこそこ、豊かに暮らしていたのだ。

そんな彼等にとっては、「民主的な政府」が出来るのなら、それにこした事は無い。
生活が、より豊かになるのなら、それにこした事は無い。

その変化の中に、国の富を、つまり石油を「欧米超大国」に攫われる事は、納得しないだろう。

その意味で、アメリカは「英仏」を傀儡とした軍事行動を行う必要が、有ったのだ。

彼等は、少なくとも現地で「アメリカ」ほどには、嫌われてはいないのだから。

正常な政権交代を成し遂げ、独裁体制が終わり、国富はそれまで通り国が管理して、その収益を「一部独裁者の家族」だけを潤すのでは無く、広く国民の為に使う、そんな政府を求めていた筈だ。


その様な、「平和な変革」はアメリカは求めていなかった。

経済的に支配しなければ、気が済まないのだから。
経済的に逼迫しているアメリカとしては、石油利権が、ぜひとも必要なのだから。

千歳一隅のチャンスであった。

それは、英仏ともに同じ事である。

しかして、軍事力を表に出して、リビア市民自身が「自分達の力」によって自由を獲得した、そんな幻想を持たせておく事が、ぜひとも必要だった。

その、「軍事的」成果が、中東「独裁政権」諸国に、圧力をかける事になる筈だから。


彼等は、イラクでやった事を、リビアでも繰り返した。

チュニジアとエジプトは、そこに至るまでの動きにはならなかった。
しかも、エジプトに石油は無い。

リビアが、シリアの「アサド大統領」とイランの「アフマディネジャド大統領」とを失脚させるきっかけにしなければならない。

そのためには、アメリカが「表立って」軍事行動に出る訳にはいかなかった。


と言う事で、作戦はこれまでの所、大成功である。

「独裁者は殺せ!」
ただし、自らの手は汚さずに。

あとは、暫定政権を「スムーズ」に発足させなければならない。

イラクの二の舞にならぬ様に。

その為にも、「代理戦争」は不可欠であった。

リビア人は、自分達で革命を成し遂げた。
と、信じ込ませて行かなければならない。

そして、それには「カダフィー」の虐殺は、有効な成り行きである。


そしてこのやり口は、何も「武力戦争」だけに限った事では無い。


アメリカにとって、世界情勢は何もかも総て、アメリカの「経済」に結びついている。

当然と言えば、当然であるが。


そして、「経済戦争」は、武力戦争以上に、戦略は隠密に遂行しなければならない。

国際的条約を、有効活用して。
国際経済協議を、有効な武器として。

そして、アメリカのゴリ押しを、少なくとも「相手国の意思」で行われた形にしてしまう事が、何より肝要である。


そこで『TPP』の出番である。

<ASEAN+>に、「太平洋」を持ち出して、アメリカが強引に割り込んで参加した。

TPPは、アメリカが音頭をとって創ろうとしている協約では無い、と言う訳だ
あくまで、仲間に入れてもらっただけ。

実に、有効な戦略では無いか。

そして、多国間協議である以上、アメリカ一国の利害だけを突きつける訳では無い。
国際的な話し合いの結果であり、夫々の政府の考えで締結するべき協議である。

結局、アメリカの目的は「日本市場」であり、日本のルールでは無く、日本に参入した側のルールを適用させる事を、眼目として提携されるのだ。


オバマは、向こう2年間で200万人の雇用を約束した。
TPPへの日本の参加を見込んで。

つまり、相手国に「傀儡政権」が存在する事。
それこそが、アメリカ世界戦略における、重要な要素なのだ。

韓国はTPPには、参加を表明していない。

韓国は良いのだ。
日本の様な、重要な市場では無い。

それに<FTA>で、ガンジガラメに絡めとっている。
韓国大企業は、大部分の支配権は握っている。

肝心なのは、日本である。

そして幸いな事に、日本には「圧力」を掛ければ言いなりになる「官僚群」がおり、その言いなりになる政治家達で、政府が構成されている。


イラクは、骨までしゃぶられている。

アフガニスタンも、パキスタンがも、そうなりかかった。

しかし、この両国は大した市場でもなく、石油も財政力も技術も無い。
精々が「復興計画」への参画による利権だけ。

日本には、涎が出るほどの国内備蓄が有る。

1億2千万人の市場がる。
高度な技術も有る。
高度な生産力もある。
良質な労働力も有る。

これらを支配しない手は無いだろう。

いままでは、「間接支配」で我慢して来た。
日米安保を基軸とした、軍事同盟と、経済的に最も友好的なパートナーである、という幻想を与えて。


しかし、<TPP>なる有効な武器を手にした今、それらの全てを「直接支配」出来るチャンスが巡って来たのだ。

このチャンスを、アメリカがみすみす見逃すと思うか?

しかも、「傀儡政権」は既に存在している。


唯一の「障害」になりそうだった小沢一郎は、既に武装加除してある。


さあ、TPP参加に向けて、日本に更なる圧力をかけよう。。。



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『パレスティナ国家』の国際承認を切望する。そして「アメリカ」の拒否権の行使を唾棄する。

2011-09-23 22:01:55 | 国際関係
2011年9月23日ニューヨーク。
国連総会に於ける演説が、世界の注目を集めた。


勿論、野田佳彦のそれでは無い。

パレスティナ暫定政府アッバス議長の、パレスティナ承認を訴える演説である。


AP通信の記事の第一行目に曰く。
「マフムッド・アッバスは、ついにルビコン河を渡った」

ロイター通信配信による、フランス3(仏テレビ3チャンネル)のインタヴュー記事で曰く。
「今回の<国家承認申請>は出口の無い<袋小路>のもたらした結果だ」



拙ブログで、「パレスティナ」に対するイスラエルの行っている「非道」の行いを、不定期に糾弾して来た。

日本では殆ど報道されない、パレスティナの人々に加えられている、イスラエル側の悪行は、語るに耐えない物で有る。


確かに、前世紀に行われた「ユダヤ人」に対する「ナチ」の行いは、オゾけをふるわざるを得ない、非道な物であった。

アウシュヴィッツを含む、10カ所の「強制収容所」での行いは、人間の成した事とは到底信じられない物であった。

その事に関して、何も反論は無い。

辛酸をなめたユダヤ人の、時空を超えた哀しみや痛み、苦しみや絶望感などは、体験していない者には、語る資格は無いのでは無かろうかと、思える程である。

あの様な行いを受けた民族としての『ユダヤ人』に対しては、同情の念を通り越して、何と声をかけて良いのかすら、解らない。


しかし、それによって「ユダヤ人」は何をやっても許される、と考えるイスラエル国家の、パレスティナ人に対する行動様式は、到底受け入れる訳にはいかないものである。

人間としての尊厳を奪われた民族が、他の民族の尊厳を奪って良い、などと言った理論は人間世界の何処にも存在しないのだ。


第二次世界大戦まで、恐らく二千年間に渡って、パレスティナにはパレスティナ人が住み着いて来て、平和に暮らしていた。

そして、アラブ社会に於いて「ユダヤ人」達は、イスラムの社会に同化し、イスラムの宮廷の学問的、技術的部分を担って、多いにアラブ社会の発展に貢献していたのである。

共存関係は、平和裏に続いて来た。


この二つの民族が、骨肉の争いを始めたのは、僅か半世紀前からのことに過ぎない。


それも是も、イギリスの「三枚舌」による裏切りの結果、パレスティナ人の土地を強制的に奪って『イスラエル』建国をゴリ押ししてからの事なのだ。


パレスティナ人は、いきなり土地を奪われ、親兄弟を殺され、人間以下の扱いを受けて「難民キャンプ」で絶望的に暮らしながら、三世代目を送り出している。

難民キャンプが故郷で、難民キャンプしか知らない世代のパレスティナ人。
未来の希望も展望も持てず、父母、祖父母の土地を、いつの日か取り返したいという願いダケが、生きて行く糧となって。

ささやかな抵抗をしながら。

そして、その度ごとに、イスラエル側の<10倍返し><50倍返し><100倍返し>の繰り返しであった。

石つぶてにライフルで。
ピストルにバズーカ砲で。
小型ロケットランチャーにジェット攻撃ヘリのミサイルで。

イスラエルは、絶対に引き下がらない。
常に、パレスティナ人を「圧倒的な武力」で叩きのめす事によって、屈服させようという政策しか、取らない。

常に「暴力支配」を目指して来た。


彼等の教典を拡大解釈する「原理主義ユダヤ人」は、「異教徒は殺して構わない」と、教典に書かれていると平然と言う。

3800年前の神話を引き写した「教典」が、現代の地球上の隅々まで有効であると、信じて疑わない。

石器時代の教典で、他の民族を虐殺して恥じない。


イスラエルの建国自体のペテンを、百歩下がって受け入れるとしても、彼等イスラエル人達は勝手に決めた国境線には満足せず、周辺のパレスティナ領土の町や村を平然と「併合」し、住民を追い出し、彼等の家屋を重機で打ち壊し、新たな建築物を次々と立てては、イスラエル人に土地と共に与えて、国土を無制限に拡張して行く行為は、たとえパレスティナ人でなくとも、到底受け入れられる物では無いのだ。

そして、そのイスラエルの無謀さに抵抗しようとする「周辺アラブ諸国」には、如何しても『軍事的に』イスラエルには勝てない。

何故なら、アメリカが背後から無制限に支援しているからである。

軍事顧問を送り込んで。
最新鋭兵器を大量に与えて。
特殊部隊『モサド』の訓練を引き受けて。
軍事衛星のノウハウを与えて。
核兵器製造のノウハウを与えて。

ジョージ・ブッシュが、親子二代に渡って『イラク』を責めたのも、『イラン』を執拗に非難するのも、石油利権その他に混じって、すべて「イスラエル」を守るためなのである。



ところで、人類史上アメリカ合衆国ほど、世界中に悪災を振りまき続けて来た国は、歴史的に存在しないのでは無かろうか。

CIAが手先となって、『対ソ戦略』の一環として、アラブの、アフリカの、中南米の、中東の、アジアの、あらゆる諸国に「分裂」を引き起こさせ、その片方を支援し、体制が逆転した後、推した側が政治力学的に邪魔になると、そのまた反対勢力を支援して、果てがない。

ソ連崩壊後は、敵が「反米思想のイスラム勢力」に代わっただけで、アメリカの世界戦略は、常に変わらず「紛争を引き起こして介入する」戦略で、100年間の間変わる事無く、厭きる事無く、世界中の無辜の市民の上に爆弾を投下し続けている。

そして、今やそのお先棒を担いでいるのは、日本と言う国である。

軍事同盟と言う「美名」の下に、無尽蔵の資金を提供し、先端技術を提供して、アメリカの世界侵略路線の欠かせない手足となって居るのだ。


▶米大統領「彼とは一緒に仕事できる」…真意は?(讀賣見出し)

>「彼とは一緒に仕事ができる(I can do business with him)」

>21日に行われた日米首脳会談の後、オバマ大統領が周辺に、野田首相を「仕事相手」として評価する発言をしていたことがわかった。米側から大統領の発言を伝えられた首相同行筋が22日、明らかにした。

>「彼とは一緒に仕事ができる」という言葉は、1984年、当時のサッチャー英首相が、ソ連の次期共産党書記長として訪英したゴルバチョフ氏(後に大統領)を評した言葉として知られている。
東西冷戦下だったが、サッチャー氏は、ゴルバチョフ氏がそれまでのソ連指導者と違うと見抜き、当時のレーガン米大統領に“推薦”した。ゴルバチョフ氏は実際、米国と対話を進め、冷戦を終結に導いた。

>日本政府筋は、「米側は当然、サッチャー氏と同じ発言だと意識してこちらに伝えてきたのだろう。これまでの民主党首相と違い、今度こそちゃんとやってくれ、という意味だろう」と話した。
【讀賣新聞/9月23日(金)20時50分】


サッチャーとゴルビーに例えて?

何とおめでたい。
まさか、野田佳彦がゴルバチョフだとでも??

大笑い。


文字通り、「ビジネス」が出来ると言ったに過ぎない。
だって、考えても見たまえ。

総理大臣になって、すぐさま、国会の会期すら縮めてまで、ひたすらホワイトハウスに朝貢に出かけて行ったのだ。

ドル防衛の為に。
議会によって予算を大幅に削減される、米軍海外駐留費用の、肩代わりを「喜んで」伝える為に。


自民党政権が倒れ、一時対米政策の変更を恐れた米政府は、民主党が自民党政府以上に「隷属的」にすり寄って来る事で、一安心している。

そして、その自民党も、相変わらずの唐変木ぶり。


▶普天間進まないと日米関係ずたずた…石原幹事長(讀賣見出し)

>自民党の石原幹事長は23日、大阪市であいさつし、沖縄の米軍普天間飛行場移設問題や環太平洋経済連携協定(TPP)をめぐって、米国が日米首脳会談で具体的成果を求めたことについて、「秋までに全くものが進まなければ、日米関係がずたずたになるのは間違いない」と指摘し、両問題解決を先送りしてきた民主党政権の対応を批判した。
【讀賣新聞/9月23日(金)21時50分】


何ともコマッタちゃんですね。

また与党に戻った際に、直ちに「信任」を得んが為に必死である。
過去65年の「忠勤」をどうかお忘れなく…ってなわけで。


オバマは、「辺野古」に関して一言も言及していないにも拘らず。

彼等は、別に普天間でも宜野湾沖でも、グアムでもテニアンでも、どこでも良いのだ。
世界戦略上、縮小段階に入っている米軍の基地が、安く置ける所なら、こだわり等無いのが、本音。

あくまで「日本との関わり」で大きな利益を確保している、一部の『知日派』と呼ばれる不良官僚や、ろくでなし軍人を、錦の御旗と捉えるしか脳が無い日本の盲目官僚と政治家とが、自分から生け贄を差し出したくてたまらないだけの話。


▶パレスチナ、国連加盟を申請…米は拒否権行使へ(讀賣見出し)

>パレスチナ自治政府のアッバス議長は23日午前(日本時間24日未明)、国連への加盟申請書を潘基文(パンギムン)国連事務総長に提出した。

>潘事務総長は近く、申請書を安保理に送り、安保理が加盟決議案を協議・採決する。今後、決議案の扱いをめぐる攻防が予想され、決議案作成までには一定の時間がかかりそうだ。パレスチナは昨年9月、イスラエルの入植凍結解除に反発し、交渉を中断。国連を通じた国家樹立の方針に転換した。

>パレスチナによる国連加盟申請は初めて。加盟勧告権を持つ国連安全保障理事会では米国が拒否権を行使する方針で、申請は却下される見通しだ。申請強行についてイスラエルが反発するのは確実で、和平交渉再開はさらに遠のきそうだ。
【讀賣新聞/9月24日(土)1時4分】


世界平和に、パレスティナ問題の解決は、欠かせない。


そして、その解決を阻んでいるのが、イスラエルの強硬路線を無条件に支持して支援している、アメリカの存在である。

要するに、ここ50年のアメリカは、世界の平和に取って癌以外の何者でも無い存在と言っても良い存在に過ぎないのだ。


▶パレスチナが国連加盟を申請=和平交渉停滞に業煮やす(時事見出し)

>国連加盟を目指すのは、米国がイスラエル寄りの立場を取り続け、交渉の行き詰まりが打開されないことに業を煮やした面が大きい。こうしたパレスチナ側の動きをイスラエルは「一方的」と非難しており、反発するのは必至。停滞したままの中東和平交渉の再開がさらに遠のきそうだ。

>潘事務総長は加盟申請を受け、安保理に付託する。安保理は15カ国中、常任理事国5カ国全てを含む9カ国以上の賛成があれば総会に加盟認可を勧告。総会では加盟193カ国の3分の2(129カ国)以上の賛成で、新規加盟が認められる。
 
>米国の反対で安保理通過は困難な見通し。ただ、常任理事国の特権である拒否権を行使すれば、米国は批判にさらされるため、発動したくないのが本音だ。採決を先延ばしし、その間に和平交渉再開の糸口を見いだすことも検討されているもようで、安保理で結論が出るまで時間を要すると予想される。
【時事通信/9月24日(土)0時49分配信】


口の端で「平和」を謳い、その実やる事はあくまで自分達の「利益」の為。

アメリカの「ダブル・スタンダード」は常に変わらない。

そして、そのアメリカのご都合仕儀に、一切の批判精神を持つ事も無く、唯々諾々と従う「日本外交」も、常に変わらない。


▶国連加盟申請は遺憾=イスラエル(時事見出し)

>イスラエルのネタニヤフ首相のスポークスマンは23日、パレスチナ自治政府のアッバス議長が国連加盟を申請したことについて、「真の和平への唯一の道は、一方的な手段ではなく交渉だ」と述べ、遺憾の意を表明した。
【時事通信/9月24日(土)1時14分配信】


『真の和平への唯一の道は、一方的な手段ではなく交渉だ』

このセリフを、イスラエルが吐く権利など、全く無い。
どこにも無い。

交渉を破棄し、一方的武力行使の手段を取り続けているのは、イスラエルの方である。


大した文明を築いた事も無い、北方ゲルマンの妄想『アーリア人至上主義」の狂気を生み出した、ドイツを責めるべきなのだ。

その「アーリア人優勢種」思想が、如何しても払拭出来ず、社会の見えない部分に、未だに常に流れている『ドイツ社会の風土』を、責めれば良いのだ。

パレスティナ人を虐殺する事など、お門違いも甚だしい。


そういえば、福島第一原発の保安管理は、イスラエル企業が引き受けているのだった…。



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結局ホモ・サピエンスは「ホモ・バタイリス」なのか。 戦争の無い社会は存在しないのか。

2011-07-08 23:18:34 | 国際関係
<捕食目的>以外で、同じ『種』同士で殺し合うのは、生物学的に、人間だけなのではあるまいか。


個体同士で、殺し合いが起こる。

原因は様々。

しかし、根底に有る物は、怒り。

精神的、物質的、とを問わず「対象への劣等性」に対する、歪んだ対抗心である。
普通、「殺人事件」は、相互の対等なる闘争の結果、と言う場合は聞かない。
恐らくどのケースも、片方の一方的な「激情」のもたらす結果である。

その感情は、いつの時にか芽生え、蓄えられ、発揮し、増幅されて、いつの時にか、有るきっかけで表面化する。
或は、何かの瞬間に形成され、そのまま一気に行為にまで至ってしまう。

その感情は、劣等感であったり、嫉妬であったり、怨みであったり、恐怖であったり。

「対象」とされた方は、行動を起こす方の感情に、気がついていない。

従って、被害者と加害者と言う立場が、そのまま状況を指し示す。


翻って、集団同士での殺し合いは、「戦い」とか「戦争」などと呼ばれる。

しかし、根底に有る物は、個体同士の殺し合いと同じである。

片方の集団が、対象の集団に対して、不満や怨みを抱く。
能動的に抱く事もあれば、受動的に抱かされる事も有る。

ただ、個体の行為と違って、集団としての行為は、突発的に原因が発生しそのまま実行まで直結する、と言う事は非常に希である。


いずれにせよ、戦い、殺し合いは、ホモ・サピエンスの社会では、決して「無くなる事の無い」減少なのだろうか。


日本には、中国と言う隣人が居る。

彼等は、自分達の位置づけを、世界の中での「優劣」でしか判断しない様な所が、あるらしい。
常に「大国意識」や「勝ち負け」を全面に言い立てて、自己評価したがるようだ。

20世紀と言う「不本意」な時代を経て、中華人民共和国は、やっと本来の位置に返り咲く事が可能となった、と思い込んでいる様に見える。

政治的に。
経済的に。
技術的に。

不当に低く貶められて、多いに悔しい思いを溜め込んで来たのだろう。
雌伏百年。
中国人は、甦った。

世界の大国に返り咲いた。
政治も。
経済も。
文化も。
技術も。

と、如何しても言いたいらしい。

オリンピックもやった。
万国博もやった。
サミットも中国が中心的役割を果たす様になった。
『元』が、ドルとユーロに変わる基軸通貨となる。

どうだ。

そして。
彼等のネットの世界では、常に同じ事を言い続けている。
「何故中国人は世界で嫌われているのか、不思議で仕方が無い」
「日本人が、世界中で中国人より高く評価競れている事は、不当である」

常に、優劣が問題で、勝ち負けを絶対評価基準として居る様だ。
当然「中国」が、勝たなくてはならない。

サッカーの試合ぶりを見ると、そう言う彼等の精神状態が、実に良く理解出来る。
負ける事に、我慢がならない。

そして、常に一番でなければ、我慢出来ない。
21世紀は、中国の時代なのだ。


「中国の高速列車は、総て独自の技術である」
「新幹線の技術等と、日本人が血迷って、何を言う」
「日本の高速鉄道化に、中国の技術を供与して貢献したい」

等と、のたもうている。

その「大国意識」が総ての行動規範であるかの如き国に取って、自らの軍事的劣等性は、最大の不満で有ったのだろう。
ここに来て、露骨に行動様式が変わって来た。


▶<南シナ海権益>中国、膨張するナショナリズム(毎日見出し)

>南シナ海の海洋権益をめぐり、ベトナムが主張する排他的経済水域(EEZ)内で5月26日、調査活動中のベトナム側探査船が中国側監視船の妨害を受け、調査用ケーブルを切断された。6月1日には中国艦船がベトナム漁船に威嚇射撃をしたとして、ベトナム側が中国側に抗議した。フィリピンと中国との間でも摩擦が増える。

>「ベトナムはもともと中国の主張を認めていた。なのに海底資源が豊富であることがわかると一転して領有権を主張し始めたんだ」

>中国訪問中の日本自衛隊高級幹部OB7人らと、中国人民解放軍幹部や軍事専門家との意見交換会。日本側出席者が「中国は南シナ海問題で、もっと穏やかに対応してはどうか」と水を向けると、中国側は歴史的経緯にさかのぼってベトナム側の非を説明した。

>「それが、あまりに一面的なのに驚いた」と一人が振り返る。「中国の軍関係者には自分たちが国際社会でどう見られているのかという意識が薄い」との印象が日本側の出席者には残った。

>強硬姿勢には制海権拡大の意図もある。膨張するナショナリズムの受け皿として、海洋進出する姿を国内に示す必要がある、と日本外務省幹部は指摘する。6月上旬には南シナ海での軍事演習を実施した。
【毎日新聞/7月4日(月)0時10分配信】


「ベトナムはもともと中国の主張を認めていた。なのに海底資源が豊富であることがわかると一転して領有権を主張し始めたんだ」
この中国高官の罵声は、そっくりそのまま『尖閣諸島』に対する中国側の態度に、あてがっておこう。



▶中国、初の国産空母の建造開始(讀賣見出し)

>中国初の国産空母の建造が今年から始まったことが8日、わかった。

>「強大な海軍」建設を国家目標に掲げ、海洋権益拡大を図る中国は、ウクライナから購入した中型空母「ワリャーグ」(排水量約6万トン)の試験航行を年内に始める見通しで、国産空母が完成すれば、2隻態勢が整う。尖閣諸島を巡って中国と緊張関係にある日本や、南シナ海で中国と領有権を争うベトナム、フィリピンなど周辺諸国の懸念を高め、米国の圧倒的な軍事力で支えられてきたアジア太平洋地域の安定を揺るがすことになりそうだ。
【讀賣新聞/7月9日(土)3時5分配信】


21世紀の今日、「空母」を建造し配備すると言う、壮大なるアナクロには、絶句するしか無い。
しかも、彼等にはそのような「壮大なる無駄遣い」が可能な経済力を、持ってしまった。


恐らく、素人考えでは有るものの、漢民族は『秦の始皇帝』以来の覇権主義が、抜け去らないのかに見える。

漢民族と、周辺他民族との、王朝交代の連続であった彼等の歴史の事実に裏打ちされた、民族的DNAなのでは無かろうか。

やっと「アメリカの帝国主義」的覇権主義の裏付けとなる「実力」に、かげりが出始めていた矢先の、攻守交代である。

中国が、アメリカに取って代わって、「世界の警察官」の位置に君臨する事を世界中が受け入れる事でも起こらない限り、当分の間に地球上に恒久的安定など、望むべくも無いようだ。


方や、我が国はと言えば。

着々と、海外派兵の道筋を開き続けている。



▶自衛隊初の海外拠点、ジブチに開所(TBS タイトル)

>自衛隊はこれまで、アメリカ軍の施設を間借りする形で活動してきましたが、およそ47億円かけて整備されたこの新しい拠点の運用が先月から始まりました。富士山を描いた浴場など隊員のための生活施設やP3C哨戒機の格納庫などが設置されています。

>一方、折木統幕長は記者会見で、自衛隊が初めて海外に独自の拠点を設けたことについて、「航空機の整備と隊員の居住地点などが身近になる。一つの部隊の中で指揮系統を含めスムーズにやっていける」と意義を強調しました。
【TBS NEWS /7月8日(金)6時32分】


憲法の精神は、既にほとんど破棄されてしまったと見て、差し支えないだろう。


「自称平和主義」であった私としても、近年その姿勢が揺れている事は、隠せない。

ソマリアの海賊の横行に対して、殲滅してしまいたい欲求は、隠せない。
シー・シェパードの「戦争行為」に対しても、砲撃して沈めてしまえ、と憤った事も隠さない。


しかし、これで良いのだろうか。
このまま、ズルズルと「海外派兵」の実績を、積み上げて行って、良いものだろうか。

私は、如何しても「非武装」の部分だけ外して、『交戦権の放棄』と言う、人類が想像もしなかった発想の憲法を持ってしまった事を奇禍(!)として、その非現実的困難な発想を突き進めて行きたいと言う考えは、揺るがない。


だって、世界中に一つ位「戦争に否定的な国是」を持つ国が有っても良いだろう。

と言うより、一つでもそう言う国が無い事には、戦いが本能であるが如き人類の歴史の中に、平和を模索する事等、出来やしないでは無いか。


以前にも書いた。

国境を守れる様な、最先端のミサイル防衛網システムを、造り上げて欲しい。
アメリカの技術を導入するのでは無く、自らの手で築き上げる事に、意義がある。
そして、日本に対するミサイル攻撃以外、一切それらを使用せず、他国に対して軍事力の使用を行わない事を、世界に向けて高らかに宣言したい。

核兵器への技術移転を、一つの目標としている「原発」推進も、この私の「お花畑理論」には逆行する物だ。

壊れたた時修理出来ないもの等、作ってはならない。
そして、ひとたび事故が起こるや、国民の健康と命とに破滅的に悪影響を与える放射能をまき散らす様な施設は、要らない。
核兵器に転用するプルトニウムの生産も、要らない。


脱原発は、平和主義と裏表である。

このような駄文を書くと、必ず「国家防衛」の視点の欠落を責め立てる「日の丸」を背負った様な人達からのコメントが来る。

しかし、実現しない目標だからこそ、それを求める意識を鮮明にする事は、決して無駄な事とは思わない。

今の様な政治体制が続く限り、たとえどの党が政権を握ろうと、私が夢見る様な日本にはなり得ない。

だからと言って、マイノリティーであろうとも、「殺し合い」を否定し、「平和」を追求する国になりたい、と声を上げ続ける狂言持ちは、絶対に必要なのだ。

そうでないと、一気呵成に「軍事国家」への道を突き進んでしまう事は、必定である。
それでは、あの中国と同列になってしまう。

私は、そんな国家は嫌だ。
等距離中立の正しい外交力と、国民全体が示す平和への感情を、国際社会に認知させる事によって、始めて「非戦国家」は成り立つのだ。

そんな国を夢見る事は、軍事力を振りかざして守る国より、遥かに「上等」な国家である筈だ。


七夕は過ぎたが、夢を見ても良かろう。
平和を求めて、何が悪い!

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