晴れのち曇り、時々パリ

もう、これ以上、黙っていられない! 人が、社会が、日本全体が、壊れかかっている。

「宰相不幸社会」から「どじょう汚染社会」に変わって一月半。既に長期政権の話が。。。

2011-10-12 22:39:37 | 政治と社会
野田佳彦。


本来、この人は日本国の内閣総理大臣になる人では無かった。

勿論、そんな事を言えば「菅直人」だって、同じ事では有るのだが。


所詮は、地味で目立たない、長い物にまかれ、付和雷同するタイプの、閣僚席の「ひな壇の飾り」程度の政治家に過ぎない。

勿論、そんな事を言えば「菅直人」だって、同じ事では有るのだが。


それが、官僚共の陰謀と、それに追随する陣笠政治家達のファルスのお陰で、総理大臣の座を射止めてしまった。

勿論、そんな事を言えば「菅直人」だって、同じ事では有るのだが。



総理就任以来、直ちに行ったのが「野党」へのスリ寄りであり、民主党内部の政策擦り合わせ以前に、野党の言い分の丸呑みであった。

予算提出権は、与党の専権事項であるにも関わらず、「野党の案で行きましょう」という、考えられない低姿勢であった。

内閣総理大臣の役割を、一時代前の「調整人」としか、捉えていない。
と言うより、そうとしか捉えられない人物に過ぎない。


この、国難の時に有って、やりたい事を鮮明に示す様な、政治哲学が無いのだ。
強力なリーダーシップが、最初から無い人間は、平和な時代の神輿ならともかく、瀕死の状態での宰相には、なっては行けない。

滅び行く時代にあって必要な、強力な才能もカリスマ性も、何の個性も無く即位したルイ16世が、革命に対峙せざるを得なくなってしまった、あの歴史を彷彿とさせられる、今回の首相就任であった。


案の定、党内の雑音を治める為の八方美人的な人事と、それに続く「事なかれ政権運営」である。

そして。
その、野田佳彦にとっての<事なかれ>と言う事が、実は財務省、経産省、外務省を中心とする霞ヶ関<内部に置ける事なかれ>で有った事が、次々と露呈し始めて来ている。

当然と言えば、至極当然な流れでは有るのだが。
やっぱりなあ、という思いは隠しようがない。

たった一月と少しで、尻っぽはおろか、腹の内側の黒壁までを、いけシャアシャアと見せつけてくれるに至った。


増税。
今、この時に。

この、震災と原発事故のダブルパンチが、デフレ・スパイラルに加速度を増している、まさにその最中に、である。

復興を成し遂げる「知恵」も「勇気」も「才覚」も無く、増税にしか頼れない「財務省」の、言いなりになるしか能が無い総理大臣。


予算の組み替えも出来ず。
特別会計の摘出もやらず。


「財務省の金庫にはカネがうなってる。特別会計などが存在する事自体がおかしい」
と、亀井静香はのたまった。

誰しもが、これまで不審に思わなかった、国家の「二重会計」の存在が、日本の財政を増々圧迫している。

それにも関わらず、国家存亡の根幹に関わるこの矛盾に、手を付けようと考えもしない。

勿論、そんな事を言い出したら、特捜部に不当逮捕され、判事に法を曲げた有罪判決を受ける訳である以上、並みの覚悟では出来ない相談では有るのだが。



そして、日本の社会構造と経済基盤とを根こそぎ揺るがす可能性の高い、TPP 参加。

ツイッターのタイム・ライン上で見かけた、解りやすい「つぶやき」をご紹介したい。

@ngc3333 ましゅマロ〔日没サスペンデッド☆彡〕

●漁業権などを外資に購入された場合、漁業で成り立っている地域への悪影響は計り知れない。●日本の国営貿易会社(主に農産物)に対し、すでにアメリカは反競争主義だとクレームをつけている。●公共工事において外国企業の入札参加の権利を要求している。日本では復興事業に多大な影響が考えられる。

●アメリカは遺伝子組換作物について特に強い要求を提案している。●アメリカは農業について譲歩していない。 ●ニュージーランドの乳業、オーストラリアの砂糖についてアメリカは一切譲歩しないと明言。●パブリックコメントや意見募集において、外国企業も発言可能になるように求めている。


もはや、日本国中で市民が誰でも知っている「アメリカの、アメリカによる、アメリカの為の、TPP」の推進は、オバマ政権の帰趨にとっての最重要課題である。

その背景の欺瞞性は、徐々にでは有るが明らかになり始めているようだ。


▶<米大統領>TPP参加を野田首相に迫る 首脳会談で(毎日見出し)

>環太平洋パートナーシップ協定(TPP)を巡り、オバマ米大統領が9月21日にニューヨークで行われた日米首脳会談で、野田佳彦首相に対し早期の交渉参加を要請していたことが12日、分かった。大統領は会談で、「日中韓、欧州連合(EU)との関係でTPP交渉の余裕がないのか。よく考えてほしい」との考えを表明。首相も「しっかり議論し、できるだけ早期に結論を得たい」と応じた。

>日米両政府は日米同盟深化の柱として▽安全保障▽経済▽文化・人材交流--の三つを掲げており、TPPは経済分野の柱の一つと目される。APECでは日米首脳会談も予定されており、日本側の対応が焦点となる。
【毎日新聞/10月12日(水)15時0分配信】


このように、アメリカは焦りの実体を曝し始めている事実が、TPPなる物の「あやかし」の証である。

にも拘らず、大手メディアはこぞって推進の後押しに狂奔している有様である。


▶TPP交渉参加、首相指導力の試金石に(讀賣見出し)

>首相は9月中旬、党幹部に「TPPは必ずやる」と語るなど、参加に向けて前向きな姿勢を示してきた。交渉参加表明が重要なのは、関税の原則撤廃を目指すTPPで、例外にできる品目数や、数年後に見直しを行うかどうかなどのルールが一度確立されれば、再交渉の余地はないとされているからだ。
【讀賣新聞/10月12日(水)8時36分配信】


<一度決まれば、再交渉の余地がない>

こんな、べらぼうな話が有る物か。


メディアに、どれほどの利益が有っての「太鼓にお囃子」でここまでの肩入れをするのかも、多いに興味深い所であるが、そんな悠長な事は言っていられない。

幸い、議員達の間でも、この協定の危険性を理解して、反対する勢力が増えて来て居り、反対活動も見えるレベルになって来た事は、喜ばしい事では有るが、それがどれほどの力になり得るかは、まだ未知数と言って良いのでは無いか。


▶首相、来月上旬決着を強調 立ちはだかる閣内一致の壁

>11日の閣議後の記者会見では、TPP推進派の閣僚から積極発言が相次いだ。

>玄葉光一郎外相は「ルールメーキングに日本がしっかり関与するのは大切なことだ」と主張。藤村修官房長官も「最初から枠組み交渉に入らず、途中で入るのはデメリットだ」と述べ、早期に交渉に加わらなければ関税自由化のルール作りで日本が不利になるとの認識を示した。

>慎重派の閣僚も黙っていない。

>「TPPの内容を国民に情報提供し、議論してもらうことが重要だ。外交交渉上、期限を区切るのは慎重であった方がいい」

>鹿野道彦農林水産相は記者会見で早期決着に異論を唱えた。元農水官僚の一川保夫防衛相も会見で「わが国の農林水産業は非常に脆弱(ぜいじゃく)だ。もうしばらく議論した方がいい」と推進派を牽制(けんせい)した。閣僚会合は推進派と慎重派が持論を主張し、約1時間の議論は平行線のまま終了した。
【産經新聞/10月12日(水)7時55分配信】


上記の記事の「段落タイトル」が『TPP 問われる開国』である。

産經新聞社は、日本は鎖国状態であるとの認識で居るらしい。
安政3年で、時計が止まっているのであろう。

経団連も。
連合も。

こぞって「参加推進」を煽っているなかでの、政府民主党の良識有る議員達の、一刻も早い行動が望まれる。


▶民主党議員186人の署名集めたTPP“慎重派”が会合(ANN タイトル)

>TPP=環太平洋経済協定の交渉参加をめぐって、「安全運転」から「難局を乗り越える」とシフトチェンジした野田総理大臣。閣内でさえ、玄葉外務大臣ら「推進派」と鹿野農水大臣ら「慎重派」の真っ二つです。こうしたなか、民主党議員の半数に迫る186人の署名を集めた慎重派の会合が開かれます。
【ANN ニュース/10月12日(水)12時48分配信】


そして、この「一応慎重派」とされる山田正彦前農林水産相の動向が、今後の鍵を握っているのであろう。


▶TPP慎重派が戦線拡大=「医療劣化につがなる」―民主(時事見出し)

>環太平洋連携協定(TPP)交渉参加問題をめぐり、民主党有志らによる「TPPを慎重に考える会」(会長・山田正彦前農林水産相)は12日、日本医師会の中川俊男副会長らを講師に招いて勉強会を開いた。農業分野以外の問題点を指摘し、慎重論を広げるのが目的。

>民主党の鳩山由紀夫元首相や国民新党の亀井静香代表らが出席。山田氏は終了後、記者団に慎重派の署名が190人に上ったことを明らかにし、野田佳彦首相への直談判について「そのタイミングを考えたい」と語った。
【時事通信/10月12日(水)20時27分配信】


党内一致。

野田スタイル:政権発足1カ月/中 「融和」「中庸」を追求 部下にも朝夕、頭下げ【毎日新聞/2011年10月5日 東京朝刊】


果たして、『低姿勢』を貫き、党内融和を装う事で、アメリカに日本を売り渡す様な大仕事を、やってしまうつもりで居るのだろうか。

もしもそうなら、「野田首相の低姿勢はカムフラージュ」と言った石破クンの読みは、正しかった事になる。



そんな中、野田佳彦に「お墨付き」が、下げ渡された。
その、お墨付きを与えたのが、他ならぬ「大勲位」。


▶「長期政権になる」=中曽根氏が首相に太鼓判(時事見出し)

>野田佳彦首相は12日午後、中曽根康弘元首相と都内で会談した。中曽根氏は冒頭、野田首相の政治家としての資質に言及し「首相に向いている」と高く評価。首相が閣僚・党役員人事で民主党内融和を重視したことを念頭に「あなたは非常に得をしている。敵がいないから、安定してやれば長期政権になる」とも指摘した。
【時事通信/10月12日(水)16時37分配信】


▶あなたはドジョウより清潔…首相に中曽根氏助言(讀賣見出し)

>中曽根氏は、野田氏の政治家としての資質について、「首相に向いている」と評価した。

>その上で、野田氏が記者団の質問を毎日、短時間受ける「ぶら下がり取材」を拒否していることなどを踏まえ、「あなたはドジョウではない。もっと清潔だ。意識して国民の前でざっくばらんに話をして、正直な人間性を見せれば長期政権になる」と述べ、情報発信に努めるよう助言した。
【讀賣新聞/10月12日(水)19時47分配信】


若くして『風見鶏』
円熟期になって『巨悪』
晩年は『大勲位』


野田佳彦も、大した人物に太鼓判を押された物だ。

笑って済む時代ならば、良かったのだが。。。


コメント (3)
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